JP6054614B2 - 遮音シート - Google Patents

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Description

本発明は、建築・土木・橋梁等の工事、飛行場騒音、工場騒音、交通騒音等の騒音を遮音する遮音シートに関する。
建築・土木・橋梁等の工事騒音を遮音する遮音シートは、例えば、工事現場の周囲に、落下物の危険防止、工事騒音の遮音等の目的で展張されている。ところで、下記特許文献1は、床下地材と床仕上げ材の間に配設される制振遮音シートではあるが、転炉風砕スラグ、アスファルト等を混練した薄板に不織布を接着する構成が開示されている。また、特許文献2も、床下地材と床仕上げ材の間に配設される制振遮音シートではあるが、緩衝層の両面に制振遮音層が積層され、緩衝層に、不織布、緩衝ゴム及び合成樹脂発泡体等が用いられ、制振遮音層に、合成樹脂、ゴム及びアスファルト等が用いられる構成が開示されている。
建築・土木・橋梁等の工事騒音を遮音する遮音シート等は、工事現場において、作業者によって運搬されるものである。したがって、遮音シートの重量も、作業者によって運搬できる重量である必要がある。一般に、遮音シートの大きさは、1.8m×1.8mが一つの基準となっている。また、この分野では、一人で運搬可能な重量として、30kgが目安とされ、遮音シートは、2人で運搬することが多いことを鑑みると、1.8m×1.8mの大きさで60kg以内の重量に設計することが好ましい。例えば、上記特許文献2に記載された制振遮音シートは、概ね、単位面積当たりの重さが20.0kg/mであり、1.8m×1.8mの大きさに換算すると、64kg程度となってしまい、一人で運べる重量ではなくなり、また、二人でも運搬が困難な重量となってしまう。
また、特許文献3には、上記特許文献2とほぼ同じ用途の制振遮音シートが記載されている。この制振遮音シートは、比重が3.0〜3.5g/cmである。従って、この特許文献2の制振遮音シートも、シート厚を1cmとすると、30kg/mとなり、1.8m×1.8mの大きさにしたときには、97kg程度となってしまい、上記特許文献2の制振遮音シートより重いものとなってしまう。
更に、特許文献1,3の制振遮音シートは、基材の外側に不織布が用いられている。不織布は、基材の保護のために用いられ、更に、水が浸入する材質のため、特許文献1,3の制振遮音シートは、屋外で使用できない。
ところで、遮音効果は、質量則に従えば、単位面積当りの質量を大きくすることによって高めることが出来る。従って、遮音シートも、重くすれば遮音効果が高まる。しかしながら、重くすると、遮音シートの運搬が不便となる上、作業性も悪くなる。
特公平4−65777号公報 特開平10−159230号公報 特開2003−316365号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みて成されたものであり、軽量化を実現しながら透過損失を大きくし遮音性能の向上を実現することが出来る遮音シートを提供することを目的とする。
本発明に係る遮音シートは、遮音性を有する表面層の一方の面に対して、緩衝性を有する緩衝層を重ねて結合する第一の結合手段によって互いが結合されて成る一対の複層構造シートと、上記一対の複層構造シートの緩衝層同士を対向させて結合する第二の結合手段とを備え、上記第一の結合手段は、各複層構造シートにおいて、上記表面層同士を貫通して接続させることなく、上記表面層と上記緩衝層とを貫通して縫合し、該表面層から該緩衝層に対して0.1N/cm 以上の圧力を付与し得る縫合糸であって、上記第二の結合手段は、上記一対の緩衝層間に介在し、フック状を成して該緩衝層に着脱可能に係合し得、少なくとも一方の緩衝層に配設されたフックを有することで、上記表面層同士を直接的に接続させることなく、該フックを他方の緩衝層に結合するものであることを特徴とする。
これにより、軽量化を実現しながら高透過損失を実現し、遮音性能の向上を図ることが出来る。また、前記表面シートは、内側シートの外側に防炎シートが重ねられてなる二層構造、或いはそれ以上の多層構造であってもよい。
また、前記複層構造シートは、遮音性の高い面状の遮音領域と、この遮音領域の周囲を縁状に囲繞する周縁部とを有し、前記一対の複層構造シート同士の接合形態は、前記周縁部における一対の複層構造シート間が縫合された一体化構成であることが好ましい。
また、前記遮音領域を一対の表面間に亘って貫通しない縫合糸を備えることが好ましい。
また、前記表面は、内側シートと防炎シートを含む二枚以上が積層された構成であることが好ましい。
また、前記第二の結合手段は、面ファスナによって構成されても良い。その場合、前記面ファスナは、一方の緩衝に対向するファスナ接合面と、他方の緩衝に対向するファスナ接合面とを有する構成にしても良い。
本発明に係る遮音シートによれば、作業員が持ち運びやすい程度にまで軽量化することが出来る。
また、本発明に係る遮音シートによれば、緩衝シートを、表面シートを介して0.1N/cm以上の圧力で押されるようにすることで、重くすること無く、高透過損失を実現することが出来る。
また、遮音シートの表裏面に貫通させてしつけ縫い等によって縫合を行う場合には、縫い目に沿って縫い目部分が遮音シート表面から凹んで厚さが薄くなって厚さが異なる部分が出来て遮音効果が不均一になる虞がある。更に、遮音シート表裏に連通した縫合糸により、遮音シート表裏面が糸を介して互いに音達し得る状態となってしまう。本発明の遮音シートは、表裏に貫通しない縫合によって表面シートと緩衝シートとを接合させるようにしたことにより、遮音性能を均一化し得る上、縫合糸を介して音が遮音シート表裏に亘って伝達することを防止出来る。
本発明を適用した遮音シートの分解断面図である。 図1に示した遮音シートの平面図である。 本発明を適用した遮音シートの変形例を示す分解断面図である。 表面シートの透過損失を計測する実験装置の断面図である。 (A)は、表面シートの単位面積当たりの重さと透過損失との関係を示す図であり、(B)は、表面シートの合計厚と透過損失との関係を示す図である。 緩衝シートの厚さと透過損失との関係を示す図である。 緩衝シートの不織布等を押圧したときの透過損失を計測する実験装置の断面図である。 緩衝シートの不織布圧力と透過損失との関係を示す図である。 緩衝シートの不織布に圧力を加えたときの本発明の遮音シートと従来品の透過損失を示す図である。 遮音シートの透過損失を計測する実験装置の断面図である。 緩衝シートの不織布に圧力を加えていないときの本発明の遮音シートと従来品の透過損失を示す図である。 (A)及び(B)は、遮音シートの縫い目を示す図である。 (A)−(F)は、緩衝シートと表面シートとの縫い方の種類を示す図である。
以下、本発明に係る遮音シートについて図面を参照して説明する。なお、以下、遮音シートについて、以下の順に沿って説明する。
1.遮音シートの全体構成
2.表面シートの説明
3.緩衝シートの説明
4.遮音シートの効果
5.縫い方
[1.遮音シートの全体構成]
図1及び図2に示すように、本発明に係る遮音シート10は、落下物の危険防止、工事騒音の遮音等の目的で工事現場の周囲に展張される。具体的に、遮音シート10は、緩衝シートとなる緩衝シート11の両側に、表面シート12,12が設けられて成る。この遮音シート10は、次に説明するように、表面シート12,12の厚さや単位面積当たりの重さ、及び、緩衝シート11の厚さを調整することによって、1.8m×1.8mの大きさで、60kg以下を実現し、これにより、作業者によって運搬し易くしている。
緩衝シート11は、例えば、ポリエステル等の合成繊維や化学繊維、或いは天然繊維等を原材料に用いた不織布である。なお、緩衝シート11は、不織布の他、多孔質のスポンジ等であっても良い。本発明において、この緩衝シート11は、その厚さTnが3.5mm以上25mm以下の厚さとされている。また、この緩衝シート11は、その比重が4.1g/cm以下のものが用いられている。
また、表面シート12,12は、例えば、軟質(高弾性)の塩化ビニルシートであって、耐候性、遮水性、防水性に優れたシートが用いられている。ここで用いられる表面シート12,12は、単位面積当たりの重さが0.42g/cm以下のものが用いられている。また、表面シート12,12は、音源側と背面側のシートの合計の厚さがTsが3mm以下とされる。表面シート12,12は、音源側と背面側とで異なる厚さのものを用いても良いが、厚さを異ならせる場合、遮音効果を高めるため、音源側を厚くしてもよい。勿論、これに限らず、音源側に対して背面側を厚くすることも出来る。
なお、表面シート12,12は、図3に示すように、二層構造とし、内側の層を、上記軟質(高弾性)の塩化ビニルシートとし、外側の層に、防炎シート12a,12aを積層するようにしても良い。防炎シート12a,12aとしては、例えば、高強力ポリエステル基布に塩化ビニル樹脂をコーティングしたシートを用いることが出来る。この場合、表面シート12,12と防炎シート12a,12aとを重ね合わせた厚さTsを3mm以下とする。防炎シート12aは、表面シート12と材質もほぼ同じで、比重もほぼ同じであり、一体と見なすことが出来るからである。
このような遮音シート10は、表面シート12,12で緩衝シート11を挟み、図2に示すように、緩衝シート11の周囲の表面シート12,12を縫い合わせることによって構成することが出来る。
この遮音シート10は、緩衝シート11の周囲を囲むように表面シート12,12と緩衝シート11とが縫い合わされるものであって、緩衝シート11は、表面シート12,12と非接触の状態、すなわち無圧の状態であっても良く、また、接触した状態、すなわち圧力が加わった状態であっても良い。なお、表面シート12,12の材質としては、軟質(高弾性)を有し、耐候性、遮水性、防水性を有していれば、塩化ビニル樹脂に限定されるものではない。また、遮音シート10は、緩衝シート11を一回り小さくして、表面シート12,12の周囲のみを縫い合わせるようにしても良い。
遮音シート10の構成としては、図3に示すように、緩衝シート11を二枚とし、全体の厚さTnが3.5mm以上25mm以下となるようにしても良い。この場合、例えば、一方の表面シート12に一の緩衝シート11を縫い合わせ、他方の表面シート12にも一の緩衝シート11を縫い合わせ、これらを、緩衝シート11,11が内側となるようにし(接し合わさる様にし)、その後、表面シート12,12の周囲を縫い合わせ一体化して構成する。また、単に、二枚の緩衝シート11,11と表面シート12,12と防炎シート12a,12aを重ね合わせ、表面シート12,12の周囲を縫い合わせ一体化して構成するようにしてもよい。更に、緩衝シート11の枚数は、三枚以上であっても良いし、二枚の緩衝シートの間に非不織布面状体を介在させてもよい。更に、表面シート12,12の数も、防炎シート12a,12aに、更なるシートを重ねるようにしても良い。
[2.表面シートの説明]
表面シート12,12は、上述のように、塩化ビニル樹脂シートが用いられている。塩化ビニル樹脂は、比重が1.4g/cmである。そこで、本件特許出願人は、表面シート12,12の透過損失を次のように計測した。表面シート12,12の透過損失を計測するにあたっては、図4に示すように、一側面が開口された上ケース13aと下ケース13bを用意し、上ケース13aの底面には、スピーカ14aを配設し、下ケース13bの底面には、マイクロフォン14bを配設した。そして、上下ケース13a,13bの開口を突き合わせ、その間に、遮音シート10を配設し、スピーカ14aからの音をマイクロフォン14bで集音し、透過損失を計測した。ここでは、スピーカ14aからは、周波数が500Hzの音声を出力した。
ここで実験に用いた遮音シート10は、緩衝シート11に、厚さが10mmの緩衝シート11を二枚重ねたものを用い、表面シート12,12に、表と裏で同じ厚さのものを用いた。また、表2中の表面シート12,12の厚さ合計は、表裏の表面シート12,12の合計の厚さを示している。また、表面シート12,12には、上記軟質(高弾性)の塩化ビニルシートを用いた。
その結果を、表1,2及び図5(A),(B)に示す。
表1及び図5(A)は、表面シート12,12の単位面積当たりの重さ(g/cm)と透過損失(dB)との関係を示す。これによれば、表面シート12,12の単位面積当たりの重さ(g/cm)が0.42g/cm以下のとき、透過損失が効果的に現れ、0.42g/cmより大きいときには、透過損失が上がらないことが確認できる。従って、表面シート12,12は、単位面積当たりの重さ(g/cm)を0.42g/cm以下とすることによって、必要以上に、遮音シート10が重くならないようにすることが出来る。
表2及び図5(B)は、表面シート12,12の合計厚(mm)と透過損失(dB)との関係を示す。これによれば、表面シート12,12の合計厚(mm)が3mm以下のとき、透過損失が効果的に現れ、3mmより厚いときには、透過損失が上がらないことが確認できる。従って、表面シート12,12は、合計厚(mm)が3mm以下とすることによって、必要以上に、遮音シート10が重くならないようにすることが出来る。
[3.緩衝シートの説明]
(厚さについて)
本発明者は、緩衝シート11の透過損失を次のように計測した。緩衝シート11の透過損失を計測するに当たっては、表面シート12,12の間に複数の厚さの緩衝シート11を挟んで遮音シート10を作製し、図4に示した上ケース13aと下ケース13bの間に、作製した遮音シート10を配設した。ここでも、スピーカ14aからは、周波数が500Hzの音声を出力した。なお、ここで用いた緩衝シート11は、ポリエステル繊維を用いている。
その結果を、表3及び図6に示す。
表3及び図6より、緩衝シート11は、厚さが3.5mmから透過損失が確認された。また、厚さが25mmを超えると、透過損失の効果が十分に得られないことが確認された。これにより、緩衝シート11の厚さは、3.5mm以上25mm以下の間が良いことが分かる。なお、緩衝シート11の厚さが0mmのものは、間に緩衝シート11を配設せず、表面シート12,12だけのものである。
(比重について)
また、遮音シート10は、緩衝シート11が厚くなり過ぎ、1.8m×1.8mの大きさで、60kg以下の基準を超えないことが好ましい。この条件を満たすには、表面シート12,12は、単位面積当たりの重さを0.42g/cm以下とする必要がある。表面シート12,12は、その厚さが最大で3mmであり、材質は、一般に、塩化ビニル樹脂が用いられ、塩化ビニル樹脂は、比重が1.4g/cmとなっている。そうすると、1.8m×1.8mの大きさの表面シート12,12の重さは、下記式より、最大で13.6kgとなる。
表面シート12,12の重量=
180cm×180cm×0.3cm×1.4g/cm≒13.6kg
上記表面シート12,12の重量(13.6kg)より、緩衝シート11は、下記式より、46.4kg以内にする必要がある。
60kg−13.6kg=46.4kg
そうすると、緩衝シート11の比重は、下記式より4.1以下のものを選択することになる。ここで、緩衝シート11は、最薄3.5mmとすると、
緩衝シート11の比重=
46.4kg÷0.35cm÷180cm÷180cm≒4.1g/cm
すなわち、緩衝シート11は、1.8m×1.8mの大きさで、60kg以下の遮音シート10を実現するにあたって、厚さが合計で3.5mm以上25mm以下であって、比重が4.1g/cm以下のものを用いることになる。
(緩衝シート11の押さえ付け)
ところで、本発明の遮音シート10では、緩衝シート11を0.1N/cm以上の圧力で押圧すると、透過損失が大きくなり、遮音性能が向上する。ここでは、緩衝シート11を所定の圧力で押圧したときの透過損失を計測した。図7に示すように、透過損失を計測するにあたっては、一側面が開口された上ケース31aと下ケース31bを用意し、上ケース31aの底面には、スピーカ32aを配設し、下ケース31bの底面には、マイクロフォン32bを配設した。また、上ケース31aと下ケース31bの間には、上ケース31aから下ケース31bにスピーカ32aの音が下ケース31bに伝達されないようにする緩衝部として、厚さ1mmの塩化ビニルシート33,33を配置し、塩化ビニルシート33,33の間であって、上ケース31a開口端と下ケース31bの開口端の間に、環状を成す不織布34を配置した。ここで、不織布34は、下ケース31bの上に上ケース31aが配置されたとき、その重量で圧縮されるが、不織布34の厚さは、上ケース31aの配置後において、8mmとなるようにした。すなわち、上ケース31aと下ケース31bとの間には、塩化ビニルシート33,33で挟まれた高さが8mmの空間部35が形成され、ここに、試料が配置されるようにした。この空間部35には、8mmより厚い種々の不織布やスポンジを配置し、上ケース31aの重量で圧縮された状態で配置されるようにした(サンプル1−8)。そして、スピーカ32aからの音をマイクロフォン32bで集音し、透過損失を計測した。ここでは、スピーカ32aからは、周波数が500Hzの音声を出力した。その結果を、表4及び図8に示す。
表4に示す不織布圧力は、各サンプルの透過損失を測定した後、当該サンプルが圧縮され空間部35の高さ8mmとなったときの圧力を計測したものである。
表4及び図8によれば、不織布圧力が0.1N/cm以上であれば、透過損失が効果的に現れることを確認することが出来る。すなわち、不織布圧力を緩衝シート11に付与したときには、全体の重量を上げることなく、透過損失を大きくし、遮音性能を向上させることが出来る。
[4.遮音シートの効果]
本発明の遮音シート10の実施例として、上記図3に示す遮音シート10を作製した。具体的な厚さは次の通りである。
防炎シート12a,12a・・・音源側、背面側共に、0.3mm
表面シート12,12・・・1mm(音源側)、0.5mm(背面側)
緩衝シート11・・・10mm×2枚=20mm
不織布圧力・・・0.4N/cm
表面シート12,12と防炎シート12a,12aの合計の厚みTsは、2.1mmである。
1.8m×1.8mの大きさでは、略10.56kgとなる。
また、本発明の比較例となる従来品は、素材に高強力ポリエステル糸を使用し、製織後、特殊配合塩化ビニル樹脂に防炎加工を施したものであり、重さが1.2kg/mで厚さが1.0mmである。
そして、上記実施例と従来品一枚と従来品二枚の場合の透過損失を計測した。なお、測定方法は、上記図4の測定装置を用いて、スピーカ14aからは、周波数が500Hzの音声を出力し、マイクロフォン14bで集音し、透過損失を計測した。その結果を、表5と図9に示す。なお、表5には、参考までに、質量則に従ったときの透過損失も示す。
表5及び図9によれば、従来品一枚は、透過損失が7.0dBであり、従来品二枚は、透過損失が13.7dBであり、それぞれ、質量則(6.0dB,11.4dB)に近い値となっている。これに対して、本発明の実施例では、透過損失が28.5dBであり、質量則(13.8dB)を大幅に上回った良い値となっている。
以上のような遮音シート10によれば、緩衝シート11の厚さを、合計で3.5mm以上25mm以下とし、比重が4.1g/cm以下のものを選択し、表面シート12,12を単位面積当たりの重さを0.42g/cm以下とすることによって、従来より透過損失を大きくし遮音性能を向上させながら、軽量化を実現することが出来る。具体的に、遮音シート10は、遮音効果を高めながら、1.8m×1.8mの大きさで、60kg以下を実現することが出来る。また、遮音シート10は、緩衝シート11を0.1N/cm以上の圧力で押圧するように構成することで、全体を重くすることなく、透過損失を大きくし遮音性能を向上させることが出来る。
また、表5及び図9で用いた上記遮音シート10の緩衝シート11に圧力を加えない場合の透過損失を次のように計測した。ここで用いた試験装置は、図10に示すように、音源室21と受音室22(音源室21と受音室22は共にJIS A1416 5.1Aに規定する試験室)を隔壁23を介して設け、隔壁23に試験体の取付開口部23aを設けている。また、音源室21には、マイクロフォン21aを配設し、受音室22には、スピーカ22aを配設した。そして、取付開口部23aに、油粘土24を介して木枠25に保持された試験体26をフレーム27を介して取り付けた。また、測定周波数範囲は、表6及び図11に示す周波数について、当該周波数を中心周波数とする1/3オクターブバンドについて測定した。
また、透過損失については、音源室21及び受音室22の室内平均音圧レベル、受音室の残響時間を測定し、下記式により音響透過損失R(dB)を測定した。測定は、四カ所の音源位置において実施し、それぞれの音響透過損失の測定結果を算術平均した。
R=L−L+10log10(S/A)
A=(0.16V)/T
:音源室における平均音圧レベル(dB)
:受音室における平均音圧レベル(dB)
S:透過部の面積(m) A:受音室の等価吸音面積(m
V:受音室の容積(m) T:受音室の残響時間(s)
また、従来品の防音シート構成は次の通りである。
重さ・・・1.1kg/m
厚さ・・・1.1mm
表6及び図11に示すように、緩衝シート11に圧力を加えていない場合であっても、本発明の遮音シート10では、従来品より優れた遮音効果を得ることが出来る。また、一部500Hz近傍で質量則に劣ることもあるが、概ね質量則の計算値より高い遮音効果を達成することが出来る。
[5.縫い方]
図1や図3に示す構造の遮音シート10において、緩衝シート11、表面シート12,12、防炎シート12a,12aを一体化するに当たっては、図2に示すように、表面シート12,12の周囲を縫うことで実現出来る。そして、内部の緩衝シート11を圧縮するには、例えば、所定の圧力で圧縮された状態の緩衝シート11に表面シート12,12を重ね、表面シート12,12の周囲を縫い合わせることによって実現することが出来る。
表面シート12,12の周囲を縫い合わせただけでは、緩衝シート11の中央部分が表面シート12,12に固定されず、不安定となる。そこで、表面シート12,12の周囲だけでなく、中央部分も、緩衝シート11と表面シート12,12とを縫い合わせるようにしても良い。図12(A)では、菱形、正方形といった四角形の模様ができるように異なる二方向に互いに平行な縫い目41を設けて、表面シート12,12と緩衝シート11を一体化している。また、図12(B)の例では、波型のラインが2本向き合って並んだ文様をなすような縫い目42を設けて、表面シート12,12と緩衝シート11を一体化している。なお、二次元的にどの様に縫い目を設けるかは、特に限定されるものではない。
また、表面シート12,12と緩衝シート11は、図13(A)に示すように、表面シート12,12と緩衝シート11,11を縫い糸51が貫通するように縫い合わせることで一体化することが出来る。ただし、この縫い方の遮音シート10は、縫い糸51が張った状態で表面シート12,12と緩衝シート11を貫通しているため、音が縫い糸51を介して一方の面側から他方の面側に伝達され、防音効果が落ちる要因ともなる。図2のように、表面シート12,12の周囲を縫い合わせる場合には、縫い目部分が少ないため特に問題にならないが、図12の場合のように、中央領域にも縫い目を設け縫い目を多くしたときには、遮音効果が落ちる虞も生じる。
そこで、図13(B)に示すように、緩衝シート11を二枚設けるときには、特に、遮音シート10の中央部分を、一方の面側の表面シート12に一方の緩衝シート11を縫い合わせ、他方の面側の表面シート12に他方の緩衝シート11を縫い合わせるように構成する。これにより、縫い糸51は、遮音シート10の一方の面側から他方の面側に貫通しないことになる。これにより、遮音効果の低下を防止することが出来る。また、この縫い方の強さを調整することで、緩衝シート11に加わる圧力を調整することが出来、緩衝シート11を表面シート12に上述のように、0.1N/cm以上の圧力が加わるように縫い付けることで、更に透過損失を大きくし遮音性能を向上することが出来る。なお、更に、二つの緩衝シート11が縫い合わされた表面シート12,12は、周囲を図13(A)に示すような縫い方で縫い合わせても良い。
また、図13(C)に示すように、二つの緩衝シート11が縫い合わされた表面シート12,12は、緩衝シート11,11同士を接着剤52を使用して一体化するようにしても良い。なお、接着剤52ではなく、緩衝シート11の対向面同士を溶融によって結合するようにしても良い。また、図13(D)に示すように、二つの緩衝シート11が縫い合わされた表面シート12,12は、緩衝シート11,11同士を面ファスナ53を使用して一体化するようにしても良い。この場合、面ファスナ53は、少なくとも一方の緩衝シート11にフック側の面ファスナ53を設けることで、フックを、他方の緩衝シート11に結合することが出来る。更に、図13(E)に示すように、互いに対向する緩衝シート11,11同士を更に、縫い糸54で縫い合わせるようにしても良い。
また、図13(F)に示すように、緩衝シート11と表面シート12とを接着剤55で結合し、更に、緩衝シート11,11同士を接着剤52を使用して一体化するようにしても良い。この場合には、縫い糸を使用しないことから、遮音効果を高めることが出来る他、縫い糸を使用しない縫合工程の削減を図ることが出来る。
10 遮音シート、11 緩衝シート、12 表面シート、12a 防炎シート、13a 上ケース、13b 下ケース、14a スピーカ、14b マイクロフォン、21 音源室、21a マイクロフォン、22 受音室、22a スピーカ、23 隔壁、23a 取付開口部、24 油粘土、25 木枠、26 試験体、27 フレーム、31a 上ケース、31b 下ケース、32a スピーカ、32b マイクロフォン、33 塩化ビニルシート、34 不織布、35 空間部、41,42 縫い目、51 縫い糸、52 接着剤、53 面ファスナ、54 縫い糸、55 接着剤

Claims (6)

  1. 遮音性を有する表面層の一方の面に対して、緩衝性を有する緩衝層を重ねて結合する第一の結合手段によって互いが結合されて成る一対の複層構造シートと、
    上記一対の複層構造シートの緩衝層同士を対向させて結合する第二の結合手段とを備え、
    上記第一の結合手段は、各複層構造シートにおいて、上記表面層同士を貫通して接続させることなく、上記表面層と上記緩衝層とを貫通して縫合し、該表面層から該緩衝層に対して0.1N/cm 以上の圧力を付与し得る縫合糸であって、
    上記第二の結合手段は、上記一対の緩衝層間に介在し、フック状を成して該緩衝層に着脱可能に係合し得、少なくとも一方の緩衝層に配設されたフックを有することで、上記表面層同士を直接的に接続させることなく、該フックを他方の緩衝層に結合するものであることを特徴とする遮音シート。
  2. 前記複層構造シートは、遮音性の高い面状の遮音領域と、この遮音領域の周囲を縁状に囲繞する周縁部とを有し、前記一対の複層構造シート同士の接合形態は、前記周縁部における一対の複層構造シート間が縫合された一体化構成であることを特徴とする請求項1に記載の遮音シート。
  3. 前記遮音領域を一対の表面間に亘って貫通しない縫合糸を備えたことを特徴とする請求項2記載の遮音シート。
  4. 前記表面は、内側シートと防炎シートを含む二枚以上積層された構成であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の遮音シート。
  5. 前記第二の結合手段は、面ファスナであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遮音シート。
  6. 前記面ファスナは、一方の前記緩衝に対向するファスナ接合面と、他方の前記緩衝に対向するファスナ接合面とを有することを特徴とする請求項に記載の遮音シート。
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