JP6053570B2 - 中高炭素鋼の製造方法 - Google Patents
中高炭素鋼の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6053570B2 JP6053570B2 JP2013038098A JP2013038098A JP6053570B2 JP 6053570 B2 JP6053570 B2 JP 6053570B2 JP 2013038098 A JP2013038098 A JP 2013038098A JP 2013038098 A JP2013038098 A JP 2013038098A JP 6053570 B2 JP6053570 B2 JP 6053570B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blowing
- slag
- oxygen
- less
- cao source
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Description
特許文献1では、脱燐処理により燐の濃度[P]を0.050%以下へ低下させた溶銑を用いた上底吹き機能を有する精錬装置による脱炭精錬に際して、上吹き酸素ガスとともに石灰粉を吹き込み、吹錬時間をt0(分)、吹き付け終了時間をt(分)とした場合、t/t0を0.7以上とし、吹き止めスラグ中のフッ素濃度を0.5%以下にしている。
特許文献3では、上吹き転炉または上下吹き転炉を用いて、生石灰,滓化促進剤及び酸化鉄を主体とする脱りんフラックスを添加した後、酸素吹錬を行うことにより中高炭素鋼を製造する方法であって、吹錬途中で前記と同一または異なる滓化促進剤及び/又は酸化鉄を追加投入し、且つ上吹き送酸流量を増加させて脱りん反応を進行させている。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、転炉を用いて中高炭素鋼を製造するに際して、吹錬開始時のスラグの塩基度を0.8以上1.2以下とし且つ送酸速度を1.8Nm3/min/t以下とし、吹錬開始後、吹錬中の酸素量が吹錬全体の総酸素量に対して3%〜10%となっている間に、送酸速度を2.2Nm3/min/t以上3.2Nm3/min/t以下に変更し、吹錬中の酸素量が前記総酸素量に対して40〜70%となっている間に、2回以上CaO源を装入することとし、1回当たりの前記CaO源の装入量を16kg/t以下とし、前記CaO源を投入している間だけの期間の送酸速度を2Nm3/min/t以下とし、前記CaO源の装入の間隔を1分以上とし、吹錬における酸素吹止時のスラグの塩基度が2.5以上4以下となるようにし、転炉処理の終了後、取鍋に出鋼した後の時点で、原単位で0.7kg/ton以上5.7kg/ton以下のCaO源を装入することを特徴とする。
図1は、中高炭素鋼を製造するに際して、一次精錬を行う転炉を示したものである。説明の便宜上、溶銑や溶鋼のことを溶湯といい説明する。
中高炭素鋼を製造するに際しては、まず、中炭素鋼用の溶湯1を転炉2に装入し、転炉2にて脱炭等の精錬を行った後、下工程である二次精錬工程で介在物の除去や成分調整などを行う。
。また、スラグ中のFeOを増加させることができても、FeOとCとの反応によって発生するCOガスが急激にスラグから抜けるという好ましくない現象が発生することがある。
上述したように、CaO源を供給したとき、スラグ中のFeOが多いと、スラグの滓化が進む。本発明では、まず、吹錬初期のスラグの塩基度(CaO/SiO2)を、低めにしてスラグ中のFeOの活量を抑制し、スラグ中のFeOが出来るだけ減少しないようにし、スラグの滓化を促進している。具体的には、吹錬開始時のスラグの塩基度を0.8以上1.2以下としている。
したがって、転炉において吹錬開始時には、0.8≦C/S(塩基度)≦1.2とし、送酸速度を1.8Nm3/min/t以下としている。
一方、吹錬中の酸素量が全体吹錬酸素量の10%を超えた遅い段階で、送酸速度を上昇させた場合、既にスラグ中のFeOは増加しているものの、スラグ中のFeOが多すぎる状態にある。そのため、送酸速度を上昇させた直後に、スラグ/メタル界面におけるCOガスの発生速度が高まり、スラグ中のCOガスの気泡密度が増加し、気泡同士が合体、浮上することによって、COガスが急激にスラグから抜けてしまうという現象が発生する。このように、COガスが急激にスラグから抜ける現象が発生してしまうと、スラグが沈静化してスラグのフォーミングの高さが得られず(スラグがフォーミングし難くなる)、フォーミングしたスラグに十分に着熱させることができないため、脱炭が進みすぎて、溶湯
の[C]を0.5質量%以上にすることができない可能性がある。
吹錬を続けている状態においては、次第にスラグの塩基度が上昇することになるが、吹錬中の酸素量が全体吹錬酸素量の40%未満となる早い段階で、CaO源を装入してしまうと、スラグの塩基度が2前後となる期間が長くなる。スラグの塩基度が2前後では、スラグのFeOの活量が高い時期であり、スラグ中のFeOと溶湯中の[C]の反応が促進されスラグ中のFeOが低下するため、スラグの滓化が進まず、溶湯の[P]を0.015質量%以下にすることができない可能性がある。一方、吹錬中の酸素量が全体吹錬酸素量の70%よりも大きくなる遅い段階で、CaO源を供給するとスラグの塩基度が2前後となる期間を短くすることができるものの、スラグの滓化までの時間が確保できず、溶湯の[P]を0.015質量%以下にすることができない可能性がある。
ここで、CaO源を2回以上装入するに際して、1回当たりのCaO源の装入量を16kg/t以下としている。CaO源の装入量が16kg/tよりも大きい場合、CaO源となる装入物が、フォーミング状態となっているスラグを押さえてしまうことになり(物理的にスラグの気泡を壊してしまい)、スラグの沈静化が発生してしまう。
戻るとスラグの粘性も低くなり、圧力の高いCOガスがスラグ内から抜けることになる。CaO源の装入時において、送酸速度が2Nm3/min/tよりも大きいと、COガスの発生速度を上昇させることになり、スラグ内部のCOガス圧力が高くなりすぎる。その結果、圧力の高いCOガスがスラグから抜ける際、急激なCOガスの抜けが生じてスラグの沈静化を発生させてしまう可能性がある。このようなことから、CaO源を供給しているときの送酸速度は2Nm3/min/t以下として小さくする必要がある。
したがって、1回当たりのCaO源の装入量を16kg/t以下とし、CaO源の装入期間中の送酸速度を2Nm3/min/t以下とし、CaO源の装入の間隔を1分以上としている。
図2に示すように、吹錬を開始してから吹錬中の酸素量が全体吹錬酸素量の3〜10%となる第1期間では、送酸速度を1.8Nm3/min/t以下としている。第1期間後であって送酸速度を切り換えた第2期間では、送酸速度を2.2〜3.2Nm3/min/tとする。第2期間において、吹錬中の酸素量が全体吹錬酸素量の40〜70%となるまでの区間では、CaO源を2回以上装入することとし、CaO源を装入する装入期間では、送酸速度を2.0Nm3/min/t以下とする。また、第2期間においてCaO源を装入する間隔は1分以上としている。また、吹錬終了時のスラグの塩基度が2.5以上4以下となるようにしている。
吹錬終了後は、溶湯を取鍋等に出鋼(払い出し)することになるが、この溶湯を出鋼すまでの間にスラグ中のFeOが減少して、スラグ中のPが溶湯に戻る復りんが発生してしまうことがある。そこで、本発明では、復りんを防止するために、吹錬終了後に、原単位で0.7kg/ton以上5.7kg/ton以下のCaO源を装入することとしている。
、焼石灰と軽焼ドロマイトとの両方を使用してもよい。軽焼ドロマイトとは、生ドロマイトを焼成して作製するものである。
中高炭素鋼を製造するに際しては、吹錬停止時(吹止時)の溶湯の[C]は、0.5質量%以上とする必要があるため、吹止時の[C]が0.5質量%以上となっているか評価を行った。Pは靭性を低下させる元素であり、低い方が望ましい。例えば、特開平11−335773号公報に記載されているように、[P]を0.015質量%以下とすることによって、靭性が確保されることから、吹止時の[P]が0.015質量%以下であるか評価を行った。高炭素鋼の製造において、転炉での吹錬終了後から溶鋼処理前までに増加する復りんの量について評価を行った。なお、復りんの量は、吹錬終了後に転炉内の溶湯(溶鋼)をサンプリングして測定した[P1]と、溶鋼を転炉から取鍋に出鋼後(払い出し後)、取鍋内の溶鋼をサンプリングして測定した[P2]との差([P2]−[P1])により求めた。
実施例では、「吹錬開始時の塩基度」の欄、及び「吹錬開始時の送酸速度」の欄に示すように、吹錬開始時のスラグの塩基度を0.8以上1.2以下とし、送酸速度を1.8Nm3/min/t以下としている。「酸素流量の変更タイミング」の欄、及び「変更後の送酸速度」の欄に示すように、吹錬中の酸素量が吹錬全体の総酸素量に対して3%〜10%となっている間に、送酸速度を2.2Nm3/min/t〜3.2Nm3/min/tにしている。
このように、本発明で規定した条件を全て満たす実施例では、吹止時の[P]を0.015質量%以下、吹止時の[C]を0.5質量%以上にすることができた。また、吹錬終了後の復りん(吹止を行ってから次の処理を行うまでの復りん)をゼロにすることができた。さらに、ホッパーなどの投入装置によって、蛍石を使用せず、CaO源を供給するだけで、中高炭素鋼を確実に製造することができた。
比較例35〜37に示すように、吹錬開始後、送酸速度を変更するタイミングや変更後の送酸速度が上述した条件を満たさない場合、[P]を0.015質量%以下にできなかったり、[C]を0.5質量%以上にすることができなかった。
装入量が下限値(0.7kg/ton)を下回ってしまったため、復りんが発生した。
2 転炉
3 炉口
4 投入装置
Claims (1)
- 転炉を用いて中高炭素鋼を製造するに際して、
吹錬開始時のスラグの塩基度を0.8以上1.2以下とし且つ送酸速度を1.8Nm3/min/t以下とし、
吹錬開始後、吹錬中の酸素量が吹錬全体の総酸素量に対して3%〜10%となっている間に、送酸速度を2.2Nm3/min/t以上3.2Nm3/min/t以下に変更し、
吹錬中の酸素量が前記総酸素量に対して40〜70%となっている間に、2回以上CaO源を装入することとし、1回当たりの前記CaO源の装入量を16kg/t以下とし、前記CaO源を投入している間だけの期間の送酸速度を2Nm3/min/t以下とし、前記CaO源の装入の間隔を1分以上とし、吹錬における酸素吹止時のスラグの塩基度が2.5以上4以下となるようにし、
転炉処理の終了後、取鍋に出鋼した後の時点で、原単位で0.7kg/ton以上5.7kg/ton以下のCaO源を装入することを特徴とする中高炭素鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013038098A JP6053570B2 (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 中高炭素鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013038098A JP6053570B2 (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 中高炭素鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014162983A JP2014162983A (ja) | 2014-09-08 |
JP6053570B2 true JP6053570B2 (ja) | 2016-12-27 |
Family
ID=51613885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013038098A Expired - Fee Related JP6053570B2 (ja) | 2013-02-28 | 2013-02-28 | 中高炭素鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6053570B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5816014A (ja) * | 1981-07-22 | 1983-01-29 | Kobe Steel Ltd | 低燐高炭素鋼の製造法 |
JPH0673427A (ja) * | 1992-08-26 | 1994-03-15 | Nippon Steel Corp | 復燐を抑制した高炭素溶鉄の精錬方法 |
JP3332010B2 (ja) * | 1998-06-18 | 2002-10-07 | 日本鋼管株式会社 | 低燐溶銑の製造方法 |
JP5678718B2 (ja) * | 2010-08-23 | 2015-03-04 | Jfeスチール株式会社 | 転炉での溶銑の脱炭精錬方法 |
-
2013
- 2013-02-28 JP JP2013038098A patent/JP6053570B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014162983A (ja) | 2014-09-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6481774B2 (ja) | 溶鉄の脱りん剤、精錬剤および脱りん方法 | |
JP6693536B2 (ja) | 転炉製鋼方法 | |
JP5170348B2 (ja) | 溶銑の脱珪・脱リン方法 | |
JP5233378B2 (ja) | 溶銑の脱燐方法 | |
JP6665884B2 (ja) | 転炉製鋼方法 | |
JP6311466B2 (ja) | 真空脱ガス設備を用いる溶鋼の脱燐処理方法 | |
JP5904238B2 (ja) | 転炉における溶銑の脱燐処理方法 | |
JP2008063645A (ja) | 製鋼方法 | |
JP6053570B2 (ja) | 中高炭素鋼の製造方法 | |
JP2006009146A (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP5464243B2 (ja) | 溶銑の脱りん方法 | |
JP6361885B2 (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP5911751B2 (ja) | 中高炭素鋼の製造方法 | |
JP5136980B2 (ja) | 溶銑脱燐スラグの製造方法 | |
JP6379976B2 (ja) | 転炉操業方法 | |
JP6405876B2 (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP2011184753A (ja) | 溶銑脱珪方法 | |
JP2010163681A (ja) | 疲労特性に優れた高強度鋼線用鋼の製造方法 | |
JP6658049B2 (ja) | 溶銑の脱珪処理方法 | |
WO2003029498A1 (fr) | Procede de pretraitement de fer fondu et procede de raffinage | |
JP6500476B2 (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP4411934B2 (ja) | 低燐溶銑の製造方法 | |
JP5304816B2 (ja) | 溶鋼の製造方法 | |
JP4025713B2 (ja) | 溶銑の脱燐精錬方法 | |
JP5803837B2 (ja) | 溶銑の脱珪脱りん処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160923 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161004 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161129 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6053570 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |