JP6052848B2 - 液晶ポリエステル樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Description
以下、順に説明する。
(液晶ポリエステル)
本実施形態の液晶ポリエステル樹脂組成物に用いられる液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
上述したように,灰色に色調を調整した液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた成形体は、フローマークが顕在化しやすいことが知られている。従来は、液晶ポリエステル樹脂組成物の灰色の色調への調整を、混合する黒色顔料の量を調整することにより行っていたが、このような従来の液晶ポリエステル樹脂組成物では、成形体のフローマークが顕在化しやすいという課題が生じていた。
本実施形態の液晶ポリエステル樹脂組成物に用いるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック系、チャネルブラック系、ランプブラック系、アセチレンブラック系、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが挙げられる。
液晶ポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で白色顔料及びカーボンブラック以外の充填材、液晶ポリエステル以外の樹脂等、他の成分を1種以上含んでもよい。
こうして得られる本実施形態の液晶ポリエステル樹脂組成物を成形することにより、フローマークが改善された成形体を得ることができる。液晶ポリエステル樹脂組成物を用いた成形法としては、溶融成形法が好ましく、その例としては、射出成形法、Tダイ法やインフレーション法等の押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、真空成形法及びプレス成形が挙げられる。中でも射出成形法により得られる成形体は、本実施形態の液晶ポリエステル樹脂組成物を用いることによるフローマーク低減の効果が高く、好ましい。
特に光に暴露されるランプソケット、ランプホルダー、レンズホルダー、コネクター等に好適に使用することができる。
また、以上のような構成の成形体によれば、フローマークが顕在化しにくく、良好な外観を有する成形体を提供することができる。
色差計(ミノルタ(株)の「CM−3600d」)を用いて、照明受光光学系D65、C光源、観察視野10゜、測定径25.4mmの条件で、紫外線カットを行わずに、L*a*b*表色系による明度(L*:SCE法)、色度(a*、b*:SCE法)を測定した。また、耐光性試験前の試験片の色調と、耐光性試験後の試験片の色調とを測定し、色差(ΔE* 94:SCE法)を求めた。
フローマークの多少について64mm×64mm×3mmの成形体表面を確認し、目視評価した。評価の結果、フローマークが発見できない、または、注意深く観察しないとフローマークが見つからないものを「○」、フローマークが多く、存在が一目瞭然であるものを「×」、「○」と「×」との間の評価のものであって、フローマークが少し発見できるものを「△」とした。
フローテスター((株)島津製作所の「CFT−500型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
酸化チタンの体積平均粒径は、走査形電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で撮影し、得られたSEM写真を画像解析装置((株)ニレコの「ルーゼックスIIIU」)で解析して、一次粒子の各粒径区間における粒子量(%)を求め、それらを体積基準で累積した分布曲線において、累積度が50%であるときの粒径を採用した。
キセノンウェザーメーター((株)東洋精機製作所の「アトラスCi4000」)を用いて、300〜400nm波長の光を、放射照度36.4W/m2、ブラックパネル温度55℃、湿度55%RHの条件で、成形体に300時間照射して行った。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、パラヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、同温度を保持して1時間還流させた。
次いで、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら150℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、パラヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、同温度を保持して1時間還流させた。
次いで、1−メチルイミダゾール0.9gを加え、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら150℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。
上述の液晶ポリエステル1に対して、下記表1,2に示す配合比にてガラス繊維(EFH75−01、セントラルガラス(株)製)、酸化チタン(TIPAQUE CR−60、石原産業(株)製、体積平均粒径0.21μm)及びカーボンブラック(カーボンブラック #45B、三菱化学(株)製)を配合した後、2軸押出機(池貝鉄工(株)製 PCM−30)を用いて液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 PS40E5ASE型)を用いて340℃にて成形し、寸法64mm×64mm×3mmの試験片を得た。
上述の液晶ポリエステル1、液晶ポリエステル2に対して、下記表3に示す配合比にてガラス繊維(PF70E−001、日東紡績(株)製)、酸化チタン(TIPAQUE CR−58、石原産業(株)製、体積平均粒径0.28μm)、タルク(X−50、日本タルク(株)製)及びカーボンブラック(カーボンブラック #960、三菱化学(株)製)を配合した後、2軸押出機(池貝鉄工(株)製 PCM−30)を用いて液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製 PS40E5ASE型)を用い、実施例8は300℃、実施例9と参考例4は350℃、比較例2は340℃で各々成形して、寸法64mm×64mm×3mmの試験片を得た。
Claims (8)
- 灰色に色調を調整した液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
液晶ポリエステル樹脂100質量部と、白色顔料1質量部以上30質量部以下と、カーボンブラック0.01質量部以上0.5質量部以下と、を含有し、
前記白色顔料の体積平均粒径は、0.05μm以上2μm以下である液晶ポリエステル樹脂組成物。 - 前記白色顔料を2質量部以上30質量部以下含有する請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
- 前記白色顔料が酸化チタンである請求項1または2に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物を形成材料とし、前記液晶ポリエステル樹脂組成物を溶融し成形して得られ、
L * 値が40以上70以下である成形体。 - 前記液晶ポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られる請求項4に記載の成形体。
- 外観部品である請求項4または5に記載の成形体。
- ランプ周辺部材である請求項6記載の成形体。
- 厚み1mm以上の部分を有している請求項4から7のいずれか1項に記載の成形体。
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