JP6052160B2 - Egrバルブ装置 - Google Patents
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Description
このEGRバルブ装置は、EGRガスが流れるEGR通路の開口面積を可変するEGRバルブの開度に応じてEGRガス量を調整する。
EGRバルブは、図3に示すように、軸受100を介してハウジング110に回転自在に支持されるシャフト120と、このシャフト120の先端部に溶接固定されてEGR通路130内に配置される円板状の弁体140とで構成される。なお、EGR通路130の前後に記載した矢印は、EGRガスの流れ方向を示している。
すなわち、シャフト120は、軸長方向の略中央部にグリスを保持する溝部(グリス溝121と呼ぶ)が全周に形成されており、このシャフト120をハウジング110内に挿入することで、グリス溝121に保持されているグリスがリップに掻き取られる様にしてリップ内に塗布される。
ここで、シャフト120の軸受け構成は、軸長方向の中央部付近を軸受100で受ける片持ち構造となっている。このため、シャフト120の先端部に固定される弁体140に排気脈動圧が加わると、シャフト先端部が作用点および軸受部が支点となって、排気脈動圧の大きさに応じた曲げモーメントがシャフト120に加わる。その結果、シャフト120に撓が生じ、その撓み量に応じた応力がグリス溝121に発生する。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、弁体に排気脈動圧が印加されてシャフトが撓んだ場合に、シャフトのグリス溝に発生する応力を低下させることができるEGRバルブ装置を提供することにある。
また、軸受け部にグリス溝を形成する必要がないので、軸受け部のシャフト形状を円柱形状にできる。このため、シャフトの軸受け部に発生する最大応力が低減されるので、特許文献1に開示されたシャフト形状と比較して許容排気脈動圧値を向上できる。
本発明のEGRバルブ装置1は、エンジン(本発明の内燃機関)より排出される排気ガスの一部(EGRガスと呼ぶ)を吸気側に還流させるEGRシステムに用いられて、エンジンの排気管と吸気管(共に図示せず)とを連通する排ガス還流管に接続される。
EGRバルブ装置1は、図1に示すように、EGR通路2を形成するハウジング3と、EGR通路2を流れるEGRガス量を調整するEGRバルブ(後述する)と、このEGRバルブを駆動するバルブ駆動手段と、EGRバルブの開度を検出する回転角センサ等を備える。
EGRバルブは、ハウジング3内に二つの軸受6、7を介して回転自在に支持されるシャフト8と、このシャフト8の一方の端部に固定される円板状の弁体9とで構成される。弁体9の外周には、EGR通路2を全閉するバルブ全閉時(図1に示す状態)のシール性を確保するためにシールリング10が装着される。
また、シャフト8の軸長方向において軸受7のEGR通路2側、すなわち反オイルシール側には、EGRガスに含まれるカーボンデポジット等の異物が軸受7内の摺動隙間へ侵入することを防止するシール部材12が配置される。
モータは、例えば直流モータであり、ECU(図示せず)によって通電制御される。
ギヤトレインは、複数の平歯車を噛み合せて構成される。具体的には、モータの出力軸に取り付けられるピニオンギヤ(図示せず)と、シャフト8の他方の端部に取り付けられるバルブギヤ13(図1参照)と、ピニオンギヤの回転をバルブギヤ13に伝達する中間ギヤ(図示せず)とで構成される歯車減速手段である。
ECUは、アクセル開度やエンジン回転数等から把握されるエンジンの運転状態に応じてEGRバルブの目標開度を演算し、ホールIC15によって検出されるEGRバルブの実開度が目標開度と一致するようにモータへの供給電力をフィードバック制御する。
EGRバルブのシャフト8は、図1に示すように、OUT側のEGR通路2の軸心方向と直交して配置され、一方の端部がIN側のEGR通路2の内部へ突き出ている。この一方の端部の外周には、図2に示すように、グリス溝8aが全周に形成され、シャフト8をハウジング3の内部へ挿入する前に、予めグリス溝8aにグリスが塗布される。
このシャフト8をハウジング3の内部へ挿入する際に、グリス溝8aに保持されたグリスがオイルシール11のリップ11aに掻き取られる様にしてリップ11a内に塗布される。なお、シール部材12、軸受7、オイルシール11、軸受6は、シャフト8をハウジング3の内部へ挿入する以前にハウジング3の内部に組み付けられる。
また、オイルシール11のリップ11aの内径をD1、グリス溝8aが形成されたシャフト8の外径をD2とすると、D2>D1の寸法関係が成立している(図2参照)。
ここで、弁体9の貫通孔9aに圧入されるシャフト8の軸方向範囲、つまりシャフト8の全周が貫通孔9aに覆われる部分をシャフト圧入部と呼ぶ時に、上記のグリス溝8aはシャフト圧入部に形成されている。よって、シャフト8の一方の端部を弁体9の貫通孔9aに圧入した状態で、グリス溝8aが貫通孔9aより外側に露出することはない。
実施例1のEGRバルブ装置1は、弁体9が固定されるシャフト8の一方の端部にグリス溝8aを形成しているので、排気脈動圧が弁体9に印加されてシャフト8が撓んだ場合でも、グリス溝8aに発生する応力を低減できる。つまり、弁体9に排気脈動圧が印加されてシャフト8が撓んだ場合に、その支点となるシャフト軸受け部(軸受7に支持されている部分)にグリス溝8aが形成されていないので、特許文献1の従来技術と比較してグリス溝8aに発生する応力が小さくなる。
さらに、グリス溝8aが形成されたシャフト8の一方の端部を弁体9の貫通孔9aに圧入し、貫通孔9aより突き出るシャフト先端部を弁体9に溶接するので、溶接部位にグリスが付着することはない。つまり、グリス溝8aが貫通孔9aの内部に隠れているので、グリス溝8aに存在するグリスが溶接強度に悪影響を与えることはなく、従来と同等の溶接強度を確保できる。
2 EGR通路
3 ハウジング
7 軸受
8 シャフト
8a グリス溝
9 弁体
9a 弁体に形成される貫通孔
11 オイルシール
11a オイルシールのリップ
Claims (2)
- 内燃機関より排出される排気ガスの一部(以下、EGRガスと言う)を前記内燃機関の吸気側へ還流させるEGRシステムに用いられるEGRバルブ装置(1)であって、
内部をEGRガスが流れるEGR通路(2)を形成するハウジング(3)と、
このハウジング(3)内に軸受(7)を介して回転自在に支持されると共に、一方の端部が前記EGR通路(2)の内部へ突き出るシャフト(8)と、
このシャフト(8)の一方の端部に固定されて前記EGR通路(2)の内部に配置され、前記シャフト(8)と一体に回転して前記EGR通路(2)の開口面積を可変する弁体(9)と、
前記ハウジング(3)内の前記軸受(7)より反EGR通路側に配置され、前記シャフト(8)の外周面にリップ(11a)を押圧してEGRガスの漏れを防止するオイルシール(11)とを備え、
前記シャフト(8)は、前記EGR通路(2)の内部へ突き出る一方の端部の外周にグリスを保持するグリス溝(8a)が形成され、このシャフト(8)を前記ハウジング(3)内へ挿入する際に、前記グリス溝(8a)に保持されたグリスが前記オイルシール(11)のリップ(11a)に塗布されることを特徴とするEGRバルブ装置。 - 請求項1に記載したEGRバルブ装置(1)において、
前記弁体(9)には、前記シャフト(8)の軸長方向に沿って前記弁体(9)を斜めに貫通する貫通孔(9a)が形成され、
前記シャフト(8)は、前記一方の端部が前記貫通孔(9a)に圧入されると共に、前記貫通孔(9a)より突き出るシャフト先端部を前記弁体(9)に溶接して固定され、且つ、前記貫通孔(9a)に圧入される範囲内に前記グリス溝(8a)が形成されていることを特徴とするEGRバルブ装置。
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