JP2009002325A - 流体制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シールリング9のシール効果を高めることで、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を低減することを課題とする。
【解決手段】 EGRVのバルブ4のシールリング溝6に嵌め込まれるシールリング9は、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュを、リング状に成形加工することで製造される。すなわち、シールリング9は、リング状に成形加工されており、加工バラツキをメッシュの柔軟性により補正できるので、バルブ全閉時におけるEGRガスの洩れの主原因となる合い口隙間を持たない。これによって、バルブ全閉時にEGRガスが合い口隙間を通り抜けてしまう不具合を防止することが可能となる。したがって、シールリング9のシール効果を高めることができるので、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハウジングの流体通路を流れる流体を制御する流体制御弁に関するもので、特に内燃機関の燃焼室より流出した排気ガスを制御する排気ガス制御弁に係わる。
[従来の技術]
従来より、流体制御弁として、内燃機関の気筒の燃焼室内より流出した排気ガスを制御する排気ガス制御弁がある。
また、この排気ガス制御弁の一例として、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に組み込まれる排気ガス流量制御弁(EGRガス流量制御弁:以下EGRVと呼ぶ)が知られている。
ここで、排気ガス再循環装置は、内燃機関の気筒の燃焼室内より流出する排気ガスの一部であるEGRガスを排気通路から吸気通路に再循環させることで、排気ガス中に含まれる有害物質(例えば窒素酸化物:NOx等)の低減を図ることができる。
このEGRVは、図5に示したように、排気ガス還流管の一部を成すハウジングと、このハウジングの円筒部(以下ノズルと言う)101の内部に開閉自在に収容された円板状のバルブ102と、このバルブ102を支持固定するシャフト103と、このシャフト103を介してバルブ102を駆動するアクチュエータとを備えている。
なお、バルブ102の外周端面全周には、バルブ周方向に延びる円環状のシールリング溝104が形成されている。このシールリング溝104には、C字状のシールリング105が嵌め込まれている。このシールリング105は、バルブ102のシールリング溝104内をバルブ半径方向、バルブ中心軸線方向およびバルブ周方向に移動できるようにシールリング溝104内に嵌め込まれて保持されている。また、シールリング105は、シールリング105のリング周方向の両方の合口端部間に切欠隙間(合い口隙間)を有している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、EGRVは、拡径方向の張力を持った合い口隙間のあるステンレス鋼線をリング状に成形加工してC字状のシールリング105を製造し、このシールリング105を、バルブ102の外周端面に形成されたシールリング溝104内に挿入し、バルブ全閉時にシールリング自身の拡径方向の張力により、シールリング105がノズル101の内径面に突っ張り、ノズル101の内径面とバルブ102の外周端面との間の環状隙間を小さくすることにより、シール性を確保している。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来公知のEGRVにおいては、バルブ102の外周端面に形成されたシールリング溝104内に嵌め込まれるシールリング105が、加工バラツキを補正するための合い口隙間を持っており、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量が増加する主原因となっている。すなわち、バルブ全閉時にシールリング105がノズル101の内径面に摺動接触しても、シールリング105に設けられる合い口隙間を通り抜けてEGRガスが吸気通路側に流れ込んでしまうため、バルブ全閉時におけるシール性が低いという問題がある。
また、バルブ作動時には、シールリング自身の拡径方向の張力により、ノズル101の内径面(ハウジングの通路壁面)とシールリング105の摺動面との摺動に伴って、ノズル101の内径面およびシールリング105の外径面(摺動面)が摩耗するという問題がある。そして、このノズル101の内径面とシールリング105の外径面(摺動面)との摩耗によりシールリング105の合い口隙間が大きくなり、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量が増加するため、シールリング105によるシール効果が減退するという問題がある。
また、バルブ全閉時に排気圧力がシールリング105に掛かり、シールリング溝104の溝側面とシールリング105の側面との間の隙間から、シールリング溝104の溝底面とシールリング105の内径面との間の隙間に排気圧力によってシールリング105に半径方向の力が働くことによりノズル101の内径面(ハウジングの摺動面)とシールリング105の摺動面との摺動に伴って、ノズル101の内径面およびシールリング105の外径面(摺動面)が摩耗するという問題がある。そして、このノズル101の内径面とシールリング105の外径面(摺動面)との摩耗によりシールリング105の合い口隙間が大きくなり、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量が増加するため、シールリング105によるシール効果が減退するという問題がある。
また、バルブ組み付け時のバルブ位置とノズル位置との中心ズレを補正するために、シールリング105がシールリング溝104内で自由に動けるようにするという目的で、シールリング溝104の溝側面とシールリング105の側面との間、およびシールリング溝104の溝底面とシールリング105の内径面との間に隙間が形成されている。
ここで、EGRVのバルブ102は、燃焼残滓や煤等の排気微粒子が含まれているEGRガスが流れるEGRガス通路内に収容されている。このため、燃焼残滓や煤等の排気微粒子(排気ガス中に含まれる不純物:異物)が、上記の隙間に侵入した場合に、シールリング105の動きの自由度が規制され、バルブ位置とシールリング位置との中心ズレが生じた状態において、バルブ102が作動不良となるという問題が生じる。
特開2005−233063号公報(第1−15頁、図1−図6)
本発明の目的は、シールリングのシール効果を高めることで、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減することのできる流体制御弁を提供することにある。また、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を防止することで、シールリングによるシール効果の減退を抑制することのできる流体制御弁を提供することにある。さらに、バルブの周方向溝内への異物の侵入を防止することで、バルブの周方向溝内への異物の侵入に起因するバルブの作動不良の発生を抑制することのできる流体制御弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ステンレス鋼線または耐熱鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュ(耐熱性の金属繊維)によってシールリングを形成することにより、シールリングの加工バラツキをワイヤーメッシュの柔軟性により補正することができるので、シールリングに合い口隙間を持たない。これによって、シールリングに合い口隙間を持たなくても良いため、バルブ全閉時に流体が合い口隙間を通り抜けてしまうという不具合の発生を防止することができる。したがって、シールリングのシール効果を高めることができるので、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減することができる。
ここで、バルブの周方向溝の内部に嵌め込まれるシールリングとしては、例えば柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線または耐熱鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュを、バルブの周方向溝の形状に合わせて、例えばリング状(円環状)に成形加工した、合い口隙間を持たないシールリングを採用することが望ましい。
請求項2に記載の発明によれば、シールリングは、ハウジングの通路形状またはバルブの外径形状に対応した環板状に成形されている。例えばシールリングは、円環板状(リング状)に成形加工されている。このようにリング状に成形されたシールリングは、半径方向の外径側への張力を持たないため、仮にバルブ閉弁作動時(またはバルブ開弁作動時)にシールリングの外径面がハウジングの通路壁面に摺動したとしても、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
なお、シールリングの外径寸法は、ハウジングの内径寸法と同じであっても、あるいは加工バラツキ分だけハウジングの内径寸法よりも大きくしても構わない。
請求項3に記載の発明によれば、シールリングの半径方向の外径側端部は、バルブの外周端面より突出している。また、シールリングの半径方向の内径側端部は、バルブの周方向溝の内部に嵌め込まれて保持されている。
請求項4に記載の発明によれば、シールリングは、バルブの溝底面形成部の周囲をバルブ周方向に取り囲むように溝底面形成部の外周に嵌め合わされている。
なお、シールリングの内径寸法は、バルブの溝底面形成部、バルブの周方向溝の溝底面に対して半径方向隙間を持つことが可能なように、バルブの溝底面形成部の外径寸法よりもバルブ位置とハウジング位置との中心ズレを補正する分だけ大きくしても構わない。また、バルブの溝底面形成部の外径面とシールリングの内径面との間に隙間を設けることで、バルブとハウジングとの位置ズレを補正しても良い。
請求項5に記載の発明によれば、ハウジングは、バルブを開閉自在に収容する円筒部を有している。
なお、ハウジングの円筒部を、流体通路を通過する流体(例えば高温流体)の熱に対してハウジングを保護することが可能な円筒状のハウジング保護部品によって形成しても良い。
請求項6に記載の発明によれば、流体制御弁は、ハウジングの内部に回転自在に収容されるシャフトを備えている。
なお、バルブとして、ハウジングの内部で、シャフトの回転軸線に対して傾斜させた状態で、シャフトに支持固定される斜板式のバルブを採用しても良い。
請求項7に記載の発明によれば、先ずバルブ本体をシャフトに組み付けることで、バルブ本体がシャフトに支持固定される。次に、シールリングをバルブ本体とプレートとの間に形成される周方向溝に嵌め込む。すなわち、バルブ本体の溝底面形成部の周囲をバルブ周方向に取り囲むように、シールリングをバルブ本体の溝底面形成部の外周に嵌め合わせる。次に、プレートの第2溝側面形成部によりシールリングを押さえることで、バルブ本体の第1溝側面形成部とプレートの第2溝側面形成部との間にシールリングが挟み込まれて固定される。
請求項8に記載の発明によれば、プレートによりシールリングを押さえ、バルブ組み付け部分の高さとシールリングの厚さ分の締め代にて固定され動きが規制される。これによって、シールリングがバルブ本体の第1溝側面形成部とプレートの第2溝側面形成部との間に締め代を持って固定されているので、バルブ全閉時にバルブ本体の溝底面形成部とシールリングとの間の半径方向隙間に排気圧力が掛からない。これによって、シールリングに半径方向の力が働かないので、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
また、シールリングがバルブ本体の第1溝側面形成部とプレートの第2溝側面形成部との間に締め代を持って固定されているので、バルブの周方向溝内への異物の侵入を抑えることができる。これにより、バルブの周方向溝内への異物の侵入に起因するバルブの作動不良の発生を抑制することができる。
また、シールリングがバルブ本体の第1溝側面形成部とプレートの第2溝側面形成部との間に締め代を持って固定されているので、仮にシールリングのメッシュ隙間(目)から異物が侵入しても、バルブとシールリングとの中心ズレが発生することはなく、バルブの作動不良の発生を抑制することができる。
請求項9に記載の発明によれば、シールリングのみでシールする隙間(ハウジングの通路壁面とバルブの外周端面との間の隙間:以下ギャップと言う)を小さくするためのシールプレートが、シールリングに重ねて配置されている。そして、そのシールプレートは、バルブの外周端面に形成される環状の周方向溝の内部に嵌め込まれている。
これによって、シールリングとしてワイヤーメッシュを使用した場合であっても、ギャップを最適な径方向寸法に維持することができるので、バルブ全閉時における流体洩れ量を著しく低減することができる。
また、バルブ全閉時に排気圧力が半径方向に掛からないため、シールリングを押し広げる力が発生せず、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
なお、シールリングに重ねてバルブの周方向溝の内部に嵌め込まれるシールプレートとして、バルブの周方向溝の形状に合わせて、例えばリング状(円環状)に成形加工した、合い口隙間を持たないシールプレートを採用することが望ましい。
請求項10に記載の発明によれば、シールリングは、ハウジングの通路形状またはバルブの外径形状に対応した環板形状(リング状)に成形されている。例えばシールリングは、円環板形状(リング状)に成形加工されている。また、シールプレートは、シールリングの環板形状に対応した環板形状に形成されている。このようにリング状に成形されたシールリングおよびシールプレートは、合い口隙間を持たず、半径方向の外径側への張力を持たないため、仮にバルブ閉弁作動時(またはバルブ開弁作動時)にシールリングの外径面がハウジングの通路壁面に摺動したとしても、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。
また、環板形状に形成されたシールリングおよびシールプレートは、合い口隙間を持たず、排気圧力が掛かっても広がらないため、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
なお、シールリングの外径寸法は、ハウジングの内径寸法と同じであっても、あるいは加工バラツキ分だけハウジングの内径寸法より大きくしても構わない。
請求項11に記載の発明によれば、シールプレートの半径方向の外径側端部は、バルブの外周端面より突出している。また、シールプレートの半径方向の内径側端部は、バルブの周方向溝の内部に嵌め込まれて保持されている。
請求項12に記載の発明によれば、ハウジングは、バルブを開閉自在に収容する円筒部を有している。
なお、ハウジングの円筒部を、流体通路を通過する流体(例えば高温流体)の熱に対してハウジングを保護することが可能な円筒状のハウジング保護部品によって形成しても良い。
そして、シールプレートは、ハウジングの円筒部の内径よりも寸法公差分だけ小さい外径を有している。これによって、バルブ閉弁作動時(またはバルブ開弁作動時)にシールプレートの外径面がハウジングの通路壁面に摺動することはなく、ハウジングの通路壁面またはシールプレートの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
請求項13に記載の発明によれば、流体制御弁は、ハウジングの内部に回転自在に収容されるシャフトを備えている。
なお、バルブとして、ハウジングの内部で、シャフトの回転軸線に対して傾斜させた状態で、シャフトに支持固定される斜板式のバルブを採用しても良い。
そして、先ずバルブ本体をシャフトに組み付けることで、バルブ本体がシャフトに支持固定される。次に、シールプレートをバルブ本体とバルブプレートとの間に形成される周方向溝に嵌め込む。すなわち、バルブ本体の第1溝側面形成部に当接するように、シールプレートをバルブ本体の溝底面形成部の外周に嵌め合わせる。次に、シールリングをバルブ本体とバルブプレートとの間に形成される周方向溝に嵌め込む。すなわち、バルブプレートの第2溝側面形成部に当接するように、シールリングをバルブ本体の溝底面形成部の外周に嵌め合わせる。このとき、シールリングとシールプレートとが重なるように配置される。次に、バルブプレートの第2溝側面形成部によりシールリングを押さえることで、バルブ本体の第1溝側面形成部とバルブプレートの第2溝側面形成部との間にシールプレートおよびシールリングが挟み込まれて固定される。
請求項14に記載の発明によれば、シールプレートは、シールリングの内径よりも大きい内径を有している。そして、シールリングは、バルブプレートによってシールプレートに押し付けるように押さえ込まれて固定されている。これによって、シールリングのうちでシールプレートの内径よりも大きく、シールプレートとバルブプレートの第2溝側面形成部との間に挟み込まれる部分(a)は、板厚方向に大きく押し潰される。
なお、シールリングのうちでシールプレートの内径よりも小さく、例えばバルブ本体の第1溝側面形成部とバルブプレートの第2溝側面形成部との間に挟み込まれる部分が、上記の部分(a)よりも板厚方向に小さく押し潰されるように構成しても良い。
請求項15に記載の発明によれば、シールリングがバルブプレートに締め代を持って固定されているので、バルブ全閉時に周方向溝(バルブ本体の溝底面形成部とシールプレートおよびシールリングとの間の半径方向隙間)に排気圧力が掛からない。これによって、シールリングに半径方向の力が働かないので、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
また、シールリングがバルブプレートに締め代を持って固定されているので、バルブの周方向溝内への異物の侵入を抑えることができる。これにより、バルブの周方向溝内への異物の侵入に起因するバルブの作動不良の発生を抑制することができる。なお、仮にシールリングのメッシュ隙間(目)から異物が侵入しても、バルブとシールリングおよびシールプレートとの中心ズレが発生することはなく、バルブの作動不良の発生を抑制することができる。
請求項16に記載の発明によれば、シールプレートは、シールリングの内径よりも大きい内径を有している。そして、シールリングにおける締め代の小さい部分は、シールプレートの内径よりも半径方向の内径側に入り込んでいる。これにより、シールリングの締め代の小さい部分によりシールプレートの動きが規制される。
ここで、シールプレートの内径側支持は、シールリングにおける締め代の小さい部分が、シールプレートの内径よりも半径方向の内径側に入り込んでいるため、シールリングによって行われる。これにより、シールプレートは、シールリングと共に、半径方向に移動可能になるため、シールプレートの先端(半径方向の外径側端)とシールリングの先端(半径方向の外径側端)とのギャップを適切な径方向寸法に維持することができる。
請求項17に記載の発明によれば、シールプレートは、シールリングの内径よりも大きい内径を有している。そして、シールリングにおける締め代の大きい部分は、シールプレートとバルブプレート(の第2溝側面形成部)との間に挟み込まれている。これによって、シールリングがシールプレートとバルブプレート(の第2溝側面形成部)との間に締め代を持って固定されているので、バルブ全閉時にシールプレートとシールリングとの間の半径方向隙間に排気圧力が掛からない。これによって、シールリングに半径方向の力が働かず、ハウジングの通路壁面またはシールリングの外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減できるので、シールリングによるシール効果の減退を抑制することができる。
また、シールリングがシールプレートとバルブプレート(の第2溝側面形成部)との間に締め代を持って固定されているので、バルブの周方向溝内への異物の侵入を抑えることができる。これにより、バルブの周方向溝内への異物の侵入に起因するバルブの作動不良の発生を抑制することができる。
また、シールリングがシールプレートとバルブプレート(の第2溝側面形成部)との間に締め代を持って固定されているので、仮にシールリングのメッシュ隙間(目)から異物が侵入しても、バルブとシールリングとの中心ズレが発生することはなく、バルブの作動不良の発生を抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、シールリングのシール効果を高めて、バルブ全閉時における流体洩れ量を低減するという目的を、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュによってシールリングを形成して、シールリングに合い口隙間を持たせないことで実現した。また、ワイヤーメッシュにより構成されるシールリングのみでシールするギャップを小さくするという目的を、合い口隙間を持たない環状のシールプレートと合い口隙間を持たない環状のシールリングとをその板厚方向に積み重ねて配置することで実現した。
[実施例1の構成]
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1は排気ガス流量制御弁の全体構造を示した図で、図2は排気ガス流量制御弁のバルブ周辺構造を示した図である。
本実施例の内燃機関の排気ガス還流装置(EGRシステム)は、例えば自動車等の車両に搭載されるディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)の排気ガスの一部(以下EGRガスと呼ぶ)を、排気通路から吸気通路に還流させる排気ガス還流管(EGRパイプ)と、このEGRパイプの途中に設置された排気ガス制御弁(EGRガス制御弁)とを備えている。このEGRガス制御弁とは、EGRパイプを流れる排気ガスの流量(EGRガスの還流量)を制御する排気ガス流量制御弁(EGRガス流量制御弁:以下EGRVと呼ぶ)のことである。
本実施例のEGRVは、本発明の流体制御弁に相当するもので、EGRパイプの途中に気密的に接続されたハウジング1と、このハウジング1の内部に回転自在に収容されるシャフト(EGRVの弁軸)3と、このシャフト3に支持固定される円板状のバルブ(EGRVの弁体)4と、シャフト3を介してバルブ4を駆動するアクチュエータ(バルブ駆動装置)とを備えている。なお、ハウジング1には、ハウジング1をEGRガスの熱から保護するためのノズル(ハウジング1の円筒部)2を嵌合保持する円筒状のノズル嵌合部が設けられている。また、バルブ4の外周端面全周には、バルブ周方向に延びるシールリング溝6が形成されている。このシールリング溝6には、ノズル2の内径面に密着可能なシールリング9が嵌め込まれている。
そして、EGRVの内部には、排気通路から吸気通路にEGRガスを導く排気ガス通路(流体通路:以下EGRガス通路と呼ぶ)11〜13が形成されている。なお、EGRガス通路12、13間には、EGRガス流方向を変更する屈曲部14が設けられている。この屈曲部14は設けなくても良い。例えばEGRVの内部に、EGRガス通路11の入口部(EGRガス導入ポート)からEGRガス通路13の出口部(EGRガス導出ポート)に向けてノズル2の中心軸線方向に沿って真っ直ぐに延びるEGRガス通路を設けても良い。
ここで、本実施例のEGRVは、ノズル2の内部(EGRガス通路12)またはハウジング1の内部(EGRガス通路11、13)のEGRガス流通開口面積を変更し、EGRガスを吸入空気中に混入させる還流量(EGR量:新規吸入空気量に対するEGR率)を可変制御する排気ガス流量制御弁(流体流量制御弁)を構成している。
また、EGRVは、バルブ4をバルブ全閉位置にて閉弁した状態の時(バルブ全閉時)、すなわち、EGRガス通路12(またはEGRガス通路11)の中心軸線方向(EGRガス通路12を流れるEGRガスの平均的な流れの軸線方向)に対して垂直な軸線上に、バルブ4のバルブ中心を通るバルブ半径方向の軸線が設定される時に、シールリング9の軸線方向に対して直交するリング半径方向(拡径方向)の張力を利用して、ハウジング1の通路壁面(ノズル2の内径面)とバルブ4の外周端面との間の隙間を気密化(シール)するように構成されている。
また、本実施例のEGRVにおいては、エンジンの運転状態の変化、つまりEGRVのバルブ開度の違いに拘らず、ノズル2の内径面とシールリング9の摺動面とが常時接触する位置が、バルブ4のバルブ周方向に180°の間隔で設けられている。
また、EGRVの内部には、バルブ4を閉弁方向または開弁方向に付勢するコイルスプリング(バルブ付勢手段)15が組み込まれている。また、EGRVには、ハウジング1の外壁部の開口部を閉鎖するためのセンサカバー16が装着されている。
本実施例のEGRVのアクチュエータは、電力の供給を受けて駆動力を発生する電動モータと、この電動モータのモータシャフト(出力軸)の回転運動をシャフト3に伝達するための動力伝達機構(本実施例では歯車減速機構)とを備えている。
電動モータとして、ブラシレスDCモータやブラシ付きのDCモータ等の直流(DC)モータが採用されている。なお、三相誘導電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。
歯車減速機構は、電動モータのモータシャフトの回転速度を所定の減速比となるように2段減速するもので、電動モータのモータ出力軸トルク(駆動力)をシャフト3に伝達する動力伝達機構を構成する。この歯車減速機構は、電動モータのモータシャフトの外周に固定されたピニオンギヤ(モータギヤ)、このピニオンギヤと噛み合って回転する中間減速ギヤ、およびこの中間減速ギヤと噛み合って回転する最終減速ギヤ(バルブギヤ)17等によって構成されている。
最終減速ギヤ17の外周面には、中間減速ギヤと噛み合う複数の凸状歯(ギヤ部)21が一体的に形成されている。また、最終減速ギヤ17の内周部には、非金属材料(樹脂材料)よりなるロータ22が一体的に形成されている。また、ロータ22の内部には、金属材料よりなるバルブギヤプレート23がインサート成形されている。
ここで、アクチュエータ、特に電動モータは、エンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)によって通電制御されるように構成されている。
ECUには、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよび各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。このマイクロコンピュータには、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、エアフロメータ、冷却水温度センサおよびEGR量センサ24等が接続されている。そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECUに内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
また、ECUは、図示しないイグニッションスイッチをオン(IG・ON)すると、マイクロコンピュータのメモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、EGR量センサ24によって検出されるバルブ開度が、エンジンの運転状態に対応して設定される制御目標値に略一致するように電動モータへの供給電力をフィードバック制御するように構成されている。なお、ECUは、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
EGR量センサ24は、センサカバー16の内部に設けられたセンサ保持部に保持固定されている。このEGR量センサ24は、ロータ22に保持されたマグネット25およびヨーク26の内周面に対向して配置されたホールIC等によって構成されており、EGRガスが吸気通路を流れる吸入空気にどれだけ混入されているか、つまり吸気通路へのEGR量がどれくらいかを検出して、ECUに出力する。ここで、ホールICとは、ホール素子(非接触式の磁気検出素子)と増幅回路とを一体化したIC(集積回路)のことで、ホールIC自身に鎖交する磁束密度に対応した電圧信号をECUに出力する。なお、非接触式の磁気検出素子として、ホールICの代わりに、ホール素子単体または磁気抵抗素子を使用しても良い。
EGRVのハウジング1は、例えばアルミニウム合金(Al−Cu−Si系合金)または耐熱アルミニウム合金のダイカストまたはアルミニウム合金系の鋳物、あるいは高温耐熱性に優れる耐熱性材料(例えば鉄系の鋳物、鋳鉄)によって所定の形状に形成されている。そして、ハウジング1は、EGRガス通路11〜13の内部にバルブ4をバルブ全閉位置からバルブ全開位置に至るまで回転方向に開閉自在(回転自在)に保持する装置(バルブハウジング)であり、この前後に配される両方のEGRパイプ(あるいは排気管または吸気管)に締結ボルトを用いて締め付け固定されている。
このハウジング1は、内部に断面円形状のEGRガス通路11〜13が形成されたEGRパイプ部を有している。また、ハウジング1は、EGRパイプ部の屈曲部14近傍で、シャフト挿通孔27が開口している。
そして、ハウジング1の屈曲部14およびシャフト挿通孔27よりもEGRガス流方向の上流側には、排気通路側のEGRパイプ(あるいはエンジンの排気管の分岐部、特にエキゾーストマニホールドの分岐部)に取り付けられる第1結合面を有するEGRパイプ部(第1円筒部)31が設けられている。また、EGRパイプ部31の一部(バルブ4のバルブ全閉位置近傍または前後)には、ハウジング1をEGRガスの熱から保護するためのノズル2を嵌合保持する円筒状のノズル嵌合部が設けられている。そして、EGRパイプ部31の第1結合面上では、排気通路からEGRガス通路11〜13内にEGRガスを導入するための入口側ポートが開口している。
また、ハウジング1の屈曲部14およびシャフト挿通孔27よりもEGRガス流方向の下流側には、吸気通路側のEGRパイプ(あるいはエンジンの吸気管の合流部、特にインテークマニホールドの合流部)に取り付けられる第2結合面を有するEGRパイプ部(第2円筒部)32が設けられている。また、EGRパイプ部32の第2結合面上では、EGRガス通路11〜13から吸気通路内に向けてEGRガスを導出するための出口側ポートが開口している。すなわち、本実施例のハウジング1は、内部にEGRガス通路11、12が形成されたEGRパイプ部31、および内部にEGRガス通路13が形成されたEGRパイプ部32を有している。
そして、ハウジング1の内部には、シャフト3を回転方向に摺動自在に支持するシャフト軸受け部33が設けられている。そして、ハウジング1のシャフト軸受け部33の内部には、断面円形状のシャフト収容孔34が設けられている。このシャフト収容孔34は、シャフト挿通孔27を介して、EGRガス通路11〜13(特にEGRガス通路12)に連通している。
また、ハウジング1のシャフト収容孔34の孔壁面とシャフト3のシャフト外径部の外周との間には、軸受け部材(ブッシング35、オイルシール36およびボールベアリング37等)が嵌合保持されている。
そして、シャフト軸受け部33のノズル側には、シャフト収容孔34の内部に侵入したEGRガス中に含まれる不純物(例えば燃焼残滓やカーボン(煤)等の微粒子)を、例えば吸気管負圧を利用してEGRパイプ内の排気ガス還流路に送り込むための連通路39が形成されている。この連通路39は、吸気通路側のEGRパイプの結合面に対向配置された第2結合面上で開口し、吸気通路側のEGRパイプに気密的に接続している。また、シャフト軸受け部33には、連結ブロック40を介して、内部に電動モータを保持固定するモータ収容室を形成するモータハウジング部41が接続されている。
また、ハウジング1の連結ブロック40の図示上部側(ハウジング1の外壁部)には、センサカバー16との間に、コイルスプリング15および歯車減速機構(ピニオンギヤ、中間減速ギヤ、最終減速ギヤ17等)を収容するギヤ収容室を形成するギヤハウジング部42が一体的に形成されている。また、シャフト軸受け部33および連結ブロック40の内部には、ハウジング自体の温度上昇、および電動モータや軸受け部材の昇温を防止するためのエンジン冷却水が循環供給される冷却水通路43が設けられている。
EGRVのノズル2は、EGRパイプの一部を形成すると共に、バルブ4を開閉自在に収容する円筒部であって、高温耐熱性に優れるステンレス鋼または耐熱鋼等によって円管形状に形成されている。このノズル2は、ハウジング1のノズル嵌合部(EGRパイプ部31)の内周に圧入嵌合等によって嵌合保持されている。なお、ノズル2の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室に連通すると共に、EGRガス通路11とEGRガス通路13とを連通するEGRガス通路12が形成されている。また、ノズル2の内径面(ハウジング1の通路壁面)には、バルブ4の全閉時に、シールリング9が密着可能なシールリングシート面が設けられている。
シャフト3は、高温耐熱性に優れる耐熱性材料(例えばステンレス鋼または耐熱鋼等)によって形成されており、ハウジング1のシャフト軸受け部33に設けられたシャフト収容孔34の内部に回転自在または摺動自在に収容されている。このシャフト3は、円形状の断面を有し、一端側から他端側に向けて回転軸線方向に真っ直ぐに形成された円柱状の金属部材である。そして、シャフト3は、ハウジング1のシャフト軸受け部33からシャフト挿通孔27を貫通して、EGRガス通路12(またはEGRガス通路13)の内部に差し込まれている。
また、シャフト3は、その回転軸線方向の一端側に、溶接手段を用いてバルブ4を保持固定するバルブ装着部45を有している。また、シャフト3は、その回転軸線方向の他端側に、最終減速ギヤ17の内周部にインサート成形されたバルブギヤプレート23をかしめ等の固定手段によって固定するためのかしめ固定部46が一体的に形成されている。つまり、シャフト3の回転軸線方向の他端側には、最終減速ギヤ17が組み付けられている。
本実施例のEGRVは、バルブ全閉時に、ハウジング1のシャフト軸受け部33や軸受け部材がEGRガスに直接晒されないようにするという目的で、EGRVのバルブ中心を通り、シャフト3の軸線方向に真っ直ぐに延びる軸線(シャフト3の中心軸線、シャフト3の回転軸線)に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜させた状態で、溶接手段を用いてシャフト3の回転軸線方向の一端側に保持固定される斜板状のバルブを採用している。
EGRVのバルブ4は、ハウジング1(ノズル2)に対して相対回転してEGRガス通路12(またはEGRガス通路11、13)を開閉するバタフライ型バルブ(回転弁)である。また、バルブ4は、エンジン運転時に、ECUからの制御信号に基づいて、バルブ全閉位置からバルブ全開位置に至るまでの作動範囲で回転動作されることで、EGRガス通路12の開口面積(排気ガス流通面積)を変更してEGR量を可変制御する弁体である。
ここで、バルブ全閉位置とは、ハウジング1の通路壁面(ノズル2の内径面)とバルブ4の外周端面との間の隙間が最小となる位置で、且つEGRガス通路11〜13の内部を流れるEGRガスのEGR量(EGRガス洩れ量)が最小となるバルブ開度(θ=0°)のことである。
また、バルブ全開位置とは、ハウジング1の通路壁面(ノズル2の内径面)とバルブ4の外周端面との間の隙間が最大となる位置で、且つEGRガス通路11〜13の内部を流れるEGRガスのEGR量が最大となるバルブ開度(θ=70〜90°)のことである。
バルブ4は、シャフト3に支持固定されるバルブ本体5、およびこのバルブ本体5との間にシールリング溝6を形成するバルブプレート7を有している。
バルブ本体5は、高温耐熱性に優れる耐熱性材料(例えばステンレス鋼または耐熱鋼等)によって円板形状に形成されている。このバルブ本体5は、ハウジング1の内部にて、EGRVのバルブ中心を通るシャフト3の回転軸線に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜して、シャフト3のバルブ装着部45に溶接固定される円板状の斜板式のバルブである。
このバルブ本体5のバルブ半径方向の外径側には、円環状の外周端縁部が一体的に設けられている。また、バルブ本体5の上流側端面には、外周端縁部よりも板厚が厚い円形状の肉厚部51が設けられている。この肉厚部51は、外周端縁部よりもバルブ半径方向の内径側に位置するバルブ中心付近に設けられている。また、バルブ本体5の下流側端面には、シャフト3の軸線方向の一端部(バルブ装着部45)に嵌め合わされるシャフト嵌合溝52が形成されている。
また、バルブ本体5の外周端縁部には、シールリング溝(周方向溝、環状溝)6の溝底面を形成する溝底面形成部53が設けられている。この溝底面形成部53は、円板状に形成されており、シールリング9の内径よりも小さい。また、バルブ本体5の外周端縁部には、シールリング溝6の一方の溝側面を形成する第1溝側面形成部61が設けられている。この第1溝側面形成部61は、円板状に形成されており、バルブ4の最大外径部を構成し、シールリング9の外径よりも小さい。
シールリング溝6は、バルブ4の外周端面全周にバルブ周方向に連続して形成されている。このシールリング溝6の内部には、1個のシールリング9が嵌め込まれている。
バルブプレート7は、高温耐熱性に優れる耐熱性材料(例えばステンレス鋼または耐熱鋼等)によって円環板形状に形成されている。このバルブプレート7は、バルブ本体5の外周端縁部に形成された円環状の嵌合溝54に圧入嵌合等によって圧入固定された後に、複数箇所でかしめ固定されることで、バルブ本体5の外周端縁部のEGRガス流方向の上流側に組み付けられている。そして、バルブプレート7の内周には、バルブ本体5の肉厚部51の外周に嵌め合わされる嵌合穴55が板厚方向に貫通形成されている。
また、バルブプレート7には、バルブ本体5の第1溝側面形成部61との間にシールリング溝6を隔てて対向する対向部(外周端縁部)が設けられている。このバルブプレート7の対向部の外壁部分は、外径に向けて徐々に板厚が小さくなるテーパ部56となっている。なお、このテーパ部56は、バルブ本体5の外周端縁部に設けられるテーパ部57よりも傾斜角度が緩やかになっている。
また、バルブプレート7の対向部には、シールリング溝6の他方の溝側面を形成する第2溝側面形成部62が設けられている。この第2溝側面形成部62は、円板状に形成されており、バルブ4の最大外径部を構成し、シールリング9の外径よりも小さい。
シールリング9は、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュをリング状に成形加工したステンレスワイヤーメッシュ製シールリングである。このシールリング9は、バルブ本体5の溝底面形成部53の周囲をバルブ周方向に取り囲むように、シールリング溝6の内部に嵌め込まれている。
また、シールリング9の厚さは、シールリング9が組み付けられるバルブ本体5とバルブプレート7とに挟まれる部分(シールリング溝6の溝幅)よりも厚い。すなわち、シールリング9は、バルブプレート7によって所定の締め代を持って、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間に固定されている。
そして、シールリング9の半径方向の内径側には、シールリング溝6内に移動自在に嵌め込まれる内径側端部が設けられている。また、シールリング9の半径方向の外径側には、バルブ4の外周端面(バルブ外周面)よりもバルブ4の半径方向の外径側に突出した外径側端部が設けられている。すなわち、シールリング9は、外径側端部がバルブ外周端面より突出した状態で、内径側端部がシールリング溝6内をバルブ半径方向およびバルブ軸線方向に移動できるようにシールリング溝6内に嵌め込まれて保持されている。
そして、シールリング9の軸線方向(板厚方向)の両側には、一対の第1、第2シールリング側面が設けられている。第1シールリング側面は、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の溝側面(第1溝側面)に密着する。また、第2シールリング側面は、バルブプレート7の第2溝側面形成部62の溝側面(第2溝側面)に密着する。
また、シールリング9の外径面には、ノズル2の内径面に密着することが可能な摺動面が設けられている。なお、シールリング9の外径寸法は、ハウジング1の内径寸法と同じであっても、あるいは加工バラツキ分だけノズル2の内径寸法よりも大きくしても構わない。
また、シールリング9の内径面には、バルブ本体5の溝底面形成部53の溝底面との間に所定の半径方向隙間を隔てて対向する対向面が設けられている。なお、シールリング9の内径寸法は、バルブ本体5の溝底面形成部53の外周面、つまりバルブ4のシールリング溝6の溝底面に対して半径方向隙間を持つことが可能なように、バルブ本体5の溝底面形成部53の外径寸法よりもバルブ位置とノズル位置との中心ズレを補正する分だけ大きくしても構わない。また、バルブ本体5の溝底面形成部53の外周面とシールリング9の内径面との間に所定の半径方向隙間を設けることで、ハウジング1のノズル2とバルブ4との位置ズレを補正しても良い。
[実施例1の製造方法]
次に、本実施例のバルブ4に対するシールリング9の組付方法を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
EGRVのバルブ4のシールリング溝6に嵌め込まれるシールリング9は、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュ(耐熱性の金属繊維)を、リング状に成形加工することで製造される。すなわち、シールリング9は、リング状に成形加工されており、加工バラツキをメッシュの柔軟性により補正することができるので、シールリング9の周方向の途中に合い口隙間を持たない構造を採用している。なお、シールリング9の外周部(シールリング溝6から半径方向の外径側に飛び出している部分)のメッシュ隙間(目)からEGRガスが洩れる可能性があるが、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤(耐熱性シール剤)をシールリング9に塗布することにより、シール効果を高めることができる。
ここで、このような合い口隙間を持たないシールリング9をバルブ4のシールリング溝6に組み付ける場合には、先ずシャフト3のバルブ装着部45にバルブ本体5のシャフト嵌合溝52を嵌め合わせた後に、シャフト3のバルブ装着部45にバルブ本体5を溶接固定することで、シャフト3にバルブ本体5を組み付ける。
次に、シールリング9を、ハウジング1のノズル2の内径に沿うように、しかもバルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面に密着するように配置する。このとき、バルブ本体5の溝底面形成部53の外周面とシールリング9の内径面との間に形成される半径方向隙間によって、ノズル2とバルブ本体5との位置ズレを補正しておく。
次に、バルブプレート7でシールリング9を板厚方向に押し潰すように押さえ込むことで、バルブ組み付け部分(バルブ本体5の第1溝側面形成部61、バルブプレート7の第2溝側面形成部62)の高さとシールリング9の厚さ分の締め代とによってシールリング9が固定される。すなわち、シールリング9がバルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で所定の締め代を持って固定されるため、バルフ3のシールリング溝6内におけるシールリング9の軸線方向および半径方向の動きが規制される。これによって、バルブ4のシールリング溝6に対するシールリング9の組み付けが終了する。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の排気ガス還流装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、エンジン冷間始動時を除き、EGR量センサ24によって検出されるバルブ開度(実EGR量、実開度)が、エンジンの運転状態に対応して設定される制御目標値(目標EGR量、目標開度)と略一致するように、電動モータへの供給電力をフィードバック制御する。
そして、電動モータに電力が供給されると、電動モータのモータシャフトが回転する。これにより、電動モータの駆動力(モータ出力軸トルク)が、ピニオンギヤ、中間減速ギヤおよび最終減速ギヤ17に伝達される。そして、最終減速ギヤ17の回転に伴ってシャフト3が所定の回転角度だけ回転し、EGRVのバルブ4がバルブ全閉位置から開弁作動方向に開弁駆動される。
したがって、バルブ4は、コイルスプリング15の付勢力に抗して、制御目標値に相当するバルブ開度に開弁制御される。これにより、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスの一部(例えば500℃以上の高温EGRガス)が、排気管内に形成される排気通路から、排気通路側のEGRパイプ内に形成される排気ガス還流路、EGRV内に形成されるEGRガス通路11〜13、吸気通路側のEGRパイプ内に形成される排気ガス還流路を経て吸気管内に形成される吸気通路に再循環される。
一方、バルブ4を全閉作動させる場合には、電動モータへの電力の供給を停止する、あるいは電動モータへの電力の供給を制限する。したがって、コイルスプリング15の付勢力(スプリング荷重)によって、バルブ4がバルブ全閉位置に戻される。
これにより、バルブ4の外周端面に装着されたシールリング9の摺動面が、シールリング自体の拡径方向の張力によってノズル2の内径面に張り付くため、シールリング9の摺動面がノズル2の内径面に密着する。
したがって、バルブ4の外周端面とノズル2の内径面との間の隙間が完全にシールされる。これにより、バルブ全閉位置でバルブ4が保持固定される時(バルブ全閉時)に、EGRガスの洩れが確実に抑止されるため、EGRガスが吸入空気に混入しなくなる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のEGRVにおいては、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュを、リング状に成形加工することでシールリング9を形成している。このシールリング9は、加工バラツキをメッシュの柔軟性により補正しているため、バルブ全閉時におけるEGRガスの洩れの主原因となる合い口隙間を持たない。これによって、バルブ全閉時にEGRガスが合い口隙間を通り抜けてしまうという不具合の発生を防止することが可能となる。したがって、シールリング9のシール効果を高めることができるので、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を低減することができる。
そして、このような合い口隙間を持たないシールリング9を、シャフト3のバルブ装着部45に組み付けられたバルブ本体5の外周端縁部(第1溝側面形成部61)に、ノズル2の内径面に沿うように配置し、バルブプレート7の外周端縁部(第2溝側面形成部62)で押さえ込んで、シールリング9がシールリング溝6内で軸線方向および半径方向に動かないように固定している。
また、リング状に成形加工されたシールリング9は、反力は有るが、バネのような半径方向の外径側への張力を持たないため、仮にバルブ閉弁作動時(またはバルブ開弁作動時)にシールリング9の外径面がノズル2の内径面を摺動したとしても、ノズル2の内径面またはシールリング9の外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、ノズル2の内径面とシールリング9の外径面との摩耗によるバルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量の増加を抑制できるので、シールリング9によるシール効果の減退を抑制することができる。
また、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、バルブ全閉時にバルブ本体5の溝底面形成部53の外周面とシールリング9の内径面との間の半径方向隙間に排気圧力が回り込むことはなく、つまりバルブ全閉時の排気圧力が半径方向に掛からないので、シールリング9を半径方向の外径側に押し広げる力が発生しない。これにより、ノズル2の内径面またはシールリング9の外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、ノズル2の内径面とシールリング9の外径面との摩耗によるバルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量の増加を抑制できるので、シールリング9によるシール効果の減退を抑制することができる。
また、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、バルブ4のシールリング溝6内への燃焼残滓や煤等の排気微粒子(排気ガス中に含まれる不純物:異物)の侵入を抑えることができる。これにより、バルブ4のシールリング溝6内への異物の侵入に起因するバルブ4の作動不良の発生を抑制することができる。
また、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、仮にシールリング9のメッシュ隙間(目)から燃焼残滓や煤等の排気微粒子が侵入しても、バルブ4とシールリング9との中心ズレが発生することはなく、バルブ4の作動不良の発生を抑制することができる。
[実施例2の構成]
図3および図4は本発明の実施例2を示したもので、図3および図4はEGRVのバルブ周辺構造を示した図である。
本実施例のEGRVは、EGRパイプの途中に気密的に接続されたハウジング1と、このハウジング1の内部に回転自在に収容されるシャフト3と、このシャフト3に支持固定される円板状のバルブ4と、シャフト3を介してバルブ4を駆動するアクチュエータとを備えている。なお、ハウジング1には、ノズル(ハウジング1の円筒部)2を嵌合保持する円筒状のノズル嵌合部が設けられている。
また、バルブ4の外周端面全周には、バルブ周方向に延びるシールリング溝6が形成されている。このシールリング溝6には、ノズル2の内径よりも寸法公差分だけ小さい外径を有する円環板形状のシールプレート8と、ノズル2の内径面に密着可能なシールリング9とが嵌め込まれている。
ここで、本実施例のバルブ4は、実施例1と同様に、シャフト3に支持固定されるバルブ本体5、およびこのバルブ本体5との間にシールリング溝6を形成するバルブプレート7を有している。また、バルブ本体5には、実施例1と同様に、肉厚部51、シャフト嵌合溝52、溝底面形成部53、嵌合溝54、テーパ部57および第1溝側面形成部61等が形成されている。また、バルブプレート7には、実施例1と同様に、嵌合穴55、テーパ部56および第2溝側面形成部62等が形成されている。
そして、2つの第1、第2溝側面形成部61、62は、バルブ4の外周端面を形成し、シールプレート8の外径およびシールリング9の外径よりも小さい外径を有している。
シールプレート8は、ステンレス製で、ワイヤーメッシュよりなり合い口隙間を持たない円環板形状のシールリング9に重ねて配置され、シールリング9のみでシールする隙間(ノズル2の内径面とバルブ4の外周端面との間の隙間:ギャップ)を小さくするためのものである。このシールプレート8は、シールリング9の円環板形状に対応した円環板形状に形成されている。また、シールプレート8は、その半径方向の外径側端部がバルブ4の外周端面より半径方向外方に突出した状態で、その半径方向の内径側端部がシールリング溝6の内部に嵌め込まれて保持されている。
シールプレート8は、バルブ本体5の第1溝側面形成部61に当接する第1環状端面(側面)を有し、且つシールリング9の第1環状端面(側面)に当接する第2環状端面(側面)を有し、バルブ本体5の溝底面形成部53の外周に嵌め合わされている。また、シールプレート8は、シールリング9の内径よりも大きい内径を有している。
シールリング9は、シールプレート8の第2環状端面に当接する第1環状端面(側面)を有し、且つバルブプレート7の第2溝側面形成部62に当接する第2環状端面(側面)を有し、バルブ本体5の溝底面形成部53の外周に嵌め合わされている。このシールリング9は、バルブプレート7によってシールプレート8の第2環状端面に押し付けるように押さえ込まれて固定されている。
また、シールリング9の厚さは、シールリング9が組み付けられるバルブ本体5とバルブプレート7とに挟まれる部分(シールリング溝6の溝幅)よりも厚い。そして、バルブプレート7に締め代を持ってシールリング9が固定されている。すなわち、シールプレート8の第2環状端面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間に、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されている。
そして、シールリング9は、締め代の小さい部分71が、シールプレート8の内径よりも半径方向の内径側に入り込んでいる。また、シールリング9は、締め代の大きい部分72が、バルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面とシールプレート8の第2環状端面との間に挟み込まれている。
[実施例2の効果]
ここで、本実施例のEGRVにおいては、実施例1で説明したように、柔軟性を持った線径の細いステンレス鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュ(耐熱性の金属繊維)を、リング状に成形加工することでシールリング9を製造している。これにより、シールリング9の加工バラツキをワイヤーメッシュの柔軟性により補正することができるので、合い口隙間を持たない円環板形状のシールリング9を採用することができる。これによって、バルブ全閉時にEGRガスが従来周知のシールリングに設けられていた合い口隙間を通り抜けてしまうという不具合の発生を抑制することができる。
また、バルブ4は、シャフト3に溶接されており、溶接の誤差、部品の誤差により相対位置ズレが発生する可能性があるため、ノズル2との間にギャップを設ける必要がある。 従来の技術では、スプリング性を持ったC字型のシールリングにてそのギャップを埋めるようにしているが、リング状に繋がっていない部分(合い口隙間)からのEGRガスの漏れや摺動性の悪化の問題があった。
そこで、実施例1のEGRVにおいては、通気抵抗が大きく弾性のあるステンレス鋼で編まれたシールリング9をノズル2の内径に沿わせて配置し、バルブプレート7で押さえ込んで固定することで、シール性の向上と摺動性の向上とを図った。
しかるに、ワイヤーメッシュよりなるシールリング9故、シールリング9のメッシュ隙間(目)からのEGRガスの洩れを完全になくすことは難しいという課題があった。
そこで、本実施例のEGRVにおいては、シールリング9よりもEGRガス流の下流側に、合い口隙間を持たない円環板形状のシールプレート8を重ねて配置し、これらのシールプレート8およびシールリング9を、バルブ本体5の第1溝側面形成部61の第1溝側面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間に挟み込むようにして固定している。
また、シールプレート8の内径は、シールリング9の内径よりも大きくなっている。このようなシールプレート8の第2環状端面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間にシールリング9を挟み込むと、シールリング9における締め代の大きい部分72が、シールリング9における締め代の小さい部分71よりも大きく押し潰される。このとき、シールリング9における締め代の小さい部分71が、シールプレート8の内径よりも半径方向の内径側に入り込むことで、シールプレート8の動きが規制される。
ここで、シールプレート8の内径側支持は、シールリング9における締め代の小さい部分71が、シールプレート8の内径よりも半径方向の内径側に入り込んでいるため、シールリング9によって行われる。これにより、シールプレート8は、シールリング9と共に、半径方向に移動可能になるため、シールプレート8の先端(半径方向の外径側端)とシールリング9の先端(半径方向の外径側端)とのギャップ(G)を適切な径方向寸法に維持することができる。
これによって、シールリング9としてワイヤーメッシュを使用した場合であっても、ギャップ(G)を最適な径方向寸法に維持することができるので、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を著しく低減することができる。
また、円環板形状に形成されたシールプレート8およびシールリング9は、合い口隙間を持たない。これによって、バルブ全閉時にEGRガスが合い口隙間を通り抜けてしまうという不具合の発生を防止することが可能となる。したがって、ノズル2の内径面とバルブ4の外周端面との間の隙間(ギャップ)のシール効果を高めることができるので、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を著しく低減することができる。
また、リング状に成形加工されたシールリング9は、反力は有るが、バネのような半径方向の外径側への張力を持たないため、仮にバルブ閉弁作動時(またはバルブ開弁作動時)にシールリング9の外径面がノズル2の内径面を摺動したとしても、ノズル2の内径面またはシールリング9の外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、ノズル2の内径面とシールリング9の外径面との摩耗によるバルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量の増加を抑制できるので、シールリング9によるシール効果の減退を抑制することができる。
また、シールプレート8の第2環状端面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、バルブ全閉時にバルブ本体5の溝底面形成部53の外周面とシールリング9の内径面との間の半径方向隙間に排気圧力が回り込むことはなく、つまりバルブ全閉時の排気圧力が半径方向に掛からないので、シールリング9を半径方向の外径側に押し広げる力が発生しない。これにより、ノズル2の内径面またはシールリング9の外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、ノズル2の内径面とシールリング9の外径面との摩耗によるバルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量の増加を抑制できるので、シールリング9によるシール効果の減退を抑制することができる。
また、円環板形状に形成されたシールプレート8およびシールリング9は、合い口隙間を持たず、排気圧力が掛かっても広がらないため、ノズル2の内径面およびシールプレート8またはシールリング9の外径面の摩耗を抑えることができる。したがって、バルブ全閉時におけるEGRガス洩れ量を低減できるので、シールリング9によるシール効果の減退を抑制することができる。
また、バルブプレート7に締め代を持ってシールリング9が固定されている。すなわち、シールプレート8の第2環状端面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、バルブ4のシールリング溝6内への燃焼残滓や煤等の排気微粒子(排気ガス中に含まれる不純物:異物)の侵入を抑えることができる。これにより、バルブ4のシールリング溝6内への異物の侵入に起因するバルブ4の作動不良の発生を抑制することができる。
また、バルブプレート7に締め代を持ってシールリング9が固定されている。すなわち、シールプレート8の第2環状端面とバルブプレート7の第2溝側面形成部62の第2溝側面との間で、所定の締め代を持ってシールリング9が固定されているので、仮にシールリング9のメッシュ隙間(目)から燃焼残滓や煤等の排気微粒子が侵入しても、バルブ4とシールリング9との中心ズレが発生することはなく、バルブ4の作動不良の発生を抑制することができる。
[変形例]
本実施例では、ハウジング1のノズル嵌合部の内周にノズル2を嵌合保持し、更にノズル2内にバルブ4を開閉自在に収容しているが、ハウジング1の円筒部のバルブ収容部内に直接バルブ4を開閉自在に収容しても良い。この場合には、ノズル2は不要となり、部品点数や組付工数を削減できる。また、EGRVのバルブ4を閉弁方向または開弁方向に付勢するコイルスプリング(バルブ付勢手段)15を設置しなくても良い。この場合には、部品点数や組付工数を削減できる。また、本実施例では、内部に流体通路が形成されたハウジングを、EGRパイプの途中に接続したハウジング1によって構成しているが、ハウジングを、吸気管の一部または排気管の一部を成すハウジングによって構成しても良い。
本実施例では、EGRパイプの途中にEGRVが設置されているが、EGRパイプの途中、例えばEGRVよりもEGRガス流方向の上流側または下流側に、内燃機関の排気ガス(EGRガス)を冷却するEGRクーラが設置されていても良い。
本実施例では、シャフト3を介してバルブ4を駆動するアクチュエータ(バルブ駆動装置)を、電動モータと動力伝達機構(例えば歯車減速機構等)とを備えた電動式アクチュエータによって構成したが、シャフトを介してバルブを駆動するアクチュエータを、電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータや、コイルを含む電磁石を備えた電磁式アクチュエータによって構成しても良い。
本実施例では、本発明の流体制御弁を、排気ガス(EGRガス、流体)の流量を制御するEGRVに適用しているが、本発明の流体制御弁を、排気ガスの温度を制御する排気ガス制御弁に適用しても良い。また、本発明の流体制御弁を、内燃機関の燃焼室内に吸入される吸入空気量を制御するスロットルバルブ等の空気量制御弁、内燃機関の燃焼室内より排出される排気ガスの流量を制御する排気ガス流量制御弁、スロットルバルブをバイパスする吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御弁等の空気流量制御弁に適用しても良い。
また、本実施例では、本発明の流体制御弁を、EGRV等の流体流量制御弁に適用しているが、このような流体流量制御弁に限定する必要はなく、流体通路開閉弁、流体通路切替弁、流体圧力制御弁に適用しても良い。また、本発明の流体制御弁を、タンブル流制御弁やスワール流制御弁等の吸気流制御弁、吸気通路の通路長や通路断面積を変更する吸気可変弁等に適用しても良い。また、自動車等の車両に搭載される内燃機関(例えば走行用エンジン)として、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンを用いても良い。
EGRVの全体構造を示した断面図である(実施例1)。 EGRVのバルブ周辺構造を示した断面図である(実施例1)。 (a)はEGRVのバルブ周辺構造を示した断面図で、(b)は(a)の拡大図である(実施例2)。 EGRVのバルブ周辺構造を示した拡大図である(実施例2)。 EGRVのバルブ周辺構造を示した断面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 ハウジング
2 ノズル(ハウジングの円筒部)
3 シャフト
4 バルブ
5 バルブ本体
6 シールリング溝(周方向溝)
7 バルブプレート
8 シールプレート
9 シールリング
11 EGRガス通路(流体通路)
12 EGRガス通路(流体通路)
13 EGRガス通路(流体通路)
53 バルブ本体の溝底面形成部
61 バルブ本体の第1溝側面形成部
62 バルブプレートの第2溝側面形成部

Claims (17)

  1. (a)内燃機関の燃焼室に連通する流体通路を形成するハウジングと、
    (b)前記流体通路の内部に開閉自在に収容されたバルブと、
    (c)このバルブの外周に装着されて、前記ハウジングの通路壁面と前記バルブの外周端面との間の隙間をシールするシールリングと
    を備えた流体制御弁において、
    前記バルブは、その外周端面に、バルブ周方向に延びる環状の周方向溝を有し、
    前記シールリングは、ステンレス鋼線または耐熱鋼線をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュによって形成されており、前記周方向溝の内部に嵌め込まれていることを特徴とする流体制御弁。
  2. 請求項1に記載の流体制御弁において、
    前記シールリングは、前記ハウジングの通路形状または前記バルブの外径形状に対応した環板状に成形されていることを特徴とする流体制御弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体制御弁において、
    前記シールリングは、その半径方向の外径側端部が前記バルブの外周端面より突出した状態で、その半径方向の内径側端部が前記周方向溝の内部に嵌め込まれて保持されていることを特徴とする流体制御弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記バルブは、前記周方向溝の溝底面を形成する溝底面形成部を有し、
    前記シールリングは、前記溝底面形成部の周囲をバルブ周方向に取り囲むように前記溝底面形成部の外周に嵌め合わされていることを特徴とする流体制御弁。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記ハウジングは、前記バルブを開閉自在に収容する円筒部を有していることを特徴とする流体制御弁。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記ハウジングの内部に回転自在に収容されるシャフトを備えたことを特徴とする流体制御弁。
  7. 請求項6に記載の流体制御弁において、
    前記バルブは、前記シャフトに支持固定されるバルブ本体、およびこのバルブ本体との間に前記周方向溝を形成するプレートを有し、
    前記バルブ本体は、前記周方向溝の溝底面を形成する溝底面形成部、および前記周方向溝の一方の溝側面を形成する第1溝側面形成部を有し、
    前記プレートは、前記周方向溝の他方の溝側面を形成する第2溝側面形成部を有し、
    前記シールリングは、前記溝底面形成部の周囲をバルブ周方向に取り囲むように前記溝底面形成部の外周に嵌め合わされた状態で、前記第1溝側面形成部と前記第2溝側面形成部との間に挟み込まれていることを特徴とする流体制御弁。
  8. 請求項7に記載の流体制御弁において、
    前記シールリングは、前記プレートに締め代を持って固定されていることを特徴とする流体制御弁。
  9. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記シールリングに重ねて配置され、前記シールリングのみでシールする前記隙間を小さくするためのシールプレートを備え、
    前記シールプレートは、前記周方向溝の内部に嵌め込まれていることを特徴とする流体制御弁。
  10. 請求項9に記載の流体制御弁において、
    前記シールリングは、前記ハウジングの通路形状または前記バルブの外径形状に対応した環板形状に成形されており、
    前記シールプレートは、前記シールリングの環板形状に対応した環板形状に形成されていることを特徴とする流体制御弁。
  11. 請求項9または請求項10に記載の流体制御弁において、
    前記シールプレートは、その半径方向の外径側端部が前記バルブの外周端面より突出した状態で、その半径方向の内径側端部が前記周方向溝の内部に嵌め込まれて保持されていることを特徴とする流体制御弁。
  12. 請求項9ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記ハウジングは、前記バルブを開閉自在に収容する円筒部を有し、
    前記シールプレートは、前記円筒部の内径よりも寸法公差分だけ小さい外径を有していることを特徴とする流体制御弁。
  13. 請求項9ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の流体制御弁において、
    前記ハウジングの内部に回転自在に収容されるシャフトを備え、
    前記バルブは、前記シャフトに支持固定されるバルブ本体、およびこのバルブ本体との間に前記周方向溝を形成するバルブプレートを有し、
    前記バルブ本体は、前記周方向溝の溝底面を形成する溝底面形成部、および前記周方向溝の一方の溝側面を形成する第1溝側面形成部を有し、
    前記バルブプレートは、前記周方向溝の他方の溝側面を形成する第2溝側面形成部を有し、
    前記シールプレートは、前記第1溝側面形成部に当接するように前記溝底面形成部の外周に嵌め合わされており、
    前記シールリングは、前記第2溝側面形成部に当接するように前記溝底面形成部の外周に嵌め合わされていることを特徴とする流体制御弁。
  14. 請求項13に記載の流体制御弁において、
    前記シールプレートは、前記シールリングの内径よりも大きい内径を有し、
    前記シールリングは、前記バルブプレートによって前記シールプレートに押し付けるように押さえ込まれて固定されていることを特徴とする流体制御弁。
  15. 請求項13または請求項14に記載の流体制御弁において、
    前記シールリングは、前記バルブプレートに締め代を持って固定されていることを特徴とする流体制御弁。
  16. 請求項15に記載の流体制御弁において、
    前記シールプレートは、前記シールリングの内径よりも大きい内径を有し、
    前記シールリングは、前記締め代の小さい部分が、前記シールプレートの内径よりも半径方向の内径側に入り込んでいることを特徴とする流体制御弁。
  17. 請求項15または請求項16に記載の流体制御弁において、
    前記シールプレートは、前記シールリングの内径よりも大きい内径を有し、
    前記シールリングは、前記締め代の大きい部分が、前記シールプレートと前記バルブプレートとの間に挟み込まれていることを特徴とする流体制御弁。
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