JP5131317B2 - バルブ開閉制御装置 - Google Patents
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Description
従来より、モータ制御ユニット(バルブ位置制御ユニット)によって電動モータへの供給電力を可変制御することで、ハウジングに対して相対回転するバルブを開閉制御するバルブ開閉制御装置が知られている。
このようなバルブ開閉制御装置により開閉制御される流体制御弁(流量制御弁)の一例として、内燃機関(エンジン)の燃焼室内より流出する排気ガスの一部(EGRガス)をエンジンの吸気系統に再循環させる排気ガス再循環装置の排気ガス還流管の途中に組み込まれる排気ガス還流量制御弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、電動モータの駆動力を利用してバタフライバルブを開弁駆動して、全閉位置から全開位置に至るまでのバルブ制御範囲で回転動作させて、内燃機関の吸気系統(特に内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路)に再循環されるEGRガスの還流量(EGR量)を調整する電動式のEGR制御弁である。
ここで、特許文献1に記載のEGR制御弁は、バタフライバルブの閉弁作動時におけるEGRガス洩れ量を低減するという目的で、バタフライバルブの外周端面全周に設けられた環状のシールリング溝内にC字状のシールリングを装着している。このため、バタフライバルブの閉弁作動時に、シールリング自身の拡径方向の張力によって、バタフライバルブの外周端面とハウジングの流路壁面との間の隙間がシールされる。
ところが、特許文献1に記載のEGR制御弁において、バタフライバルブが全閉位置となるようにバタフライバルブを全閉作動させる全閉制御時には、電動モータへの電力の供給を停止している。これに伴って、リターンスプリングの付勢力によってバタフライバルブが全閉位置に戻される。ここで、一般的に、歯車減速機構の構造上、各ギヤの歯面間に、所定の隙間(バックラッシュ)がないと、各ギヤが円滑に作動しないようになっている。このため、バタフライバルブがリターンスプリングの付勢力によって全閉位置で保持されている状態では、モータギヤと中間減速ギヤとの歯面間の隙間(バックラッシュ)によりガタ付いたり、また、中間減速ギヤとバルブギヤとの歯面間の隙間(バックラッシュ)によりガタ付いたりする可能性がある。
したがって、特許文献1に記載のEGR制御弁においては、歯車減速機構の動力伝達機能を失い、バルブ駆動装置としての性能が損なわれてしまうという問題が生じる。
これによって、複数のギヤのうちで噛み合う2つのギヤの歯面間に所定の隙間(バックラッシュ)が設けられている場合であっても、振動による複数のギヤのガタ付きを抑制することができるので、噛み合う2つのギヤ同士が衝突または摩擦を繰り返すことはない。したがって、各ギヤの歯面の異常摩耗を防止することが可能となる。
また、モータの駆動力を利用してバルブを開弁作動方向に開弁作動させるバルブ制御時に、噛み合う2つのギヤ同士の噛み合い不良が発生することはない。したがって、複数のギヤにより構成される動力伝達機構としての性能の低下を防止することが可能となる。
また、振動による複数のギヤのガタ付きを抑制することができるので、歯打ち音の発生を抑えることができる。したがって、騒音の発生を防止することが可能となる。
更に、バルブを全閉作動させる全閉制御時に、全閉位置の近傍または前後で、ハウジングの流路壁面とバルブの外周端面との間の隙間をシールするシールリングを設けると共に、バルブの外周端面全周に、シールリングを装着する環状溝を設けている。これによって、バルブを全閉作動させる全閉制御時に、全閉位置の近傍または前後の所定範囲において、バルブが全閉位置を通り越して開閉作動を繰り返すようにモータへの電力の供給を継続した場合であっても、全閉位置の近傍または前後の所定範囲が、全閉位置の近傍または前後に流体洩れ量が変化しない不感帯の範囲内に設けられているので、バルブを全閉作動させる全閉制御時における流体洩れ量を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、全閉位置の近傍または前後の所定範囲を、全閉位置から開弁作動方向にバルブが開弁した第1中間位置(状態)から、全閉位置を通り越して、全閉位置から閉弁作動方向にバルブが開弁した第2中間位置(状態)に至るまでの範囲としても良い。
請求項6に記載の発明によれば、リターンスプリングとして、バルブと一体的に回転動作を行うバルブギヤまたはバルブに対して、バルブを全閉位置に戻す方向に荷重を与える第1バルブ付勢手段を採用している。また、デフォルトスプリングとして、バルブと一体的に回転動作を行うバルブギヤまたはバルブに対して、バルブを全閉位置に戻す方向に荷重を与える第2バルブ付勢手段を採用している。この場合には、バルブを全閉作動させる全閉制御時に、モータの駆動力をバルブに伝達する動力伝達機構の構成要素を成す各ギヤにモータの駆動力とリターンスプリングまたはデフォルトスプリングの付勢力とが作用する。
また、第2中間位置とは、モータの駆動力と第2スプリングの付勢力とが釣り合う第2中立位置である。そして、第2中立位置で第2スプリングの付勢力と釣り合う駆動力がモータのモータ軸に発生するようにモータへの供給電力を可変制御することにより、バルブを全閉作動させる全閉制御時に、第2中立位置を越えてバルブが閉弁作動方向に開弁することはなく、バルブを全閉作動させる全閉制御時における流体洩れ量を少なくすることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、振動による複数のギヤのガタ付きを抑制して、歯打ち音の発生を防止し、且つ各ギヤの歯面の異常摩耗を防止するという目的を、バルブを全閉作動させる全閉制御時に、モータの駆動力をバルブに伝達する各ギヤにモータの駆動力とリターンスプリングまたはデフォルトスプリングの付勢力とを作用させることで実現した。
図1、図2、図5乃至図7は本発明の実施例1を示したもので、図1(a)はバルブ開閉制御装置を示した図で、図1(b)は排気ガス再循環装置を示した図で、図2はモータアクチュエータを示した図で、図5はバタフライバルブの全閉制御時における所定のバルブ開度範囲および電動モータによるバルブ制御範囲を示した図で、図6(a)はバルブ全閉位置を示した図で、図6(b)はEGRガス洩れ量不感帯を示した図で、図7はバルブ開度に対するEGRガス洩れ量不感帯を示した図である。また、図3及び図4は本発明の実施例1に対する比較例1を示したもので、図3はバタフライバルブの全閉制御時における制御上の全閉ポイントおよび電動モータによるバルブ制御範囲を示した図で、図4(a)はバルブ全閉位置を示した図で、図4(b)はEGRガス洩れ量不感帯を示した図である。
ここで、エンジンは、燃料が直接燃焼室内に噴射供給される直接噴射式のディーゼルエンジンが採用されている。なお、エンジンとして、ターボチャージャー付ディーゼルエンジン(ターボ過給機付エンジン)を採用しても良い。そして、エンジンは、各気筒毎の燃焼室内に新規吸入空気(吸気)を供給するための吸気管と、各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気管とを備えている。
ここで、本実施例のハウジング4の外壁部には、電動モータ9のモータ軸であるモータシャフト11、軸線方向に延びる中間減速ギヤ軸である中間シャフト12、およびバタフライバルブ1のバルブ軸であるバルブシャフト13を並列して配置したギヤハウジング14が一体的に形成されている。
電動モータ9は、ハウジング4の外壁部に一体的に形成されたギヤハウジング14内に保持固定されている。この電動モータ9は、ブラシレスDCモータやブラシ付きのDCモータ等の直流(DC)モータが採用されている。なお、三相誘導電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。
この歯車減速機構の構成要素の1つである第1ギヤ41とは、モータシャフト11の外周に固定されたモータギヤ(第1回転体)のことである。この第1ギヤ41は、歯車減速機構の動力伝達経路上において最もモータ側(動力源側)に配設されて、金属材料または樹脂材料によって円筒状に形成されている。そして、第1ギヤ41は、モータシャフト11の外周を周方向に取り囲むように円筒部を有している。この円筒部は、モータシャフト11の外周に圧入嵌合によって固定されている。そして、第1ギヤ41の円筒部の外周には、第2ギヤ42に噛み合う複数の凸状歯44が周方向全体に形成されている。
この円筒部は、内周部にバルブギヤプレート47をインサート成形している。また、円筒部は、第3ギヤ43の最大外径部を構成する円環状部を有している。第3ギヤ43の円環状部の外周には、第2ギヤ42の円筒状部の外周に形成される小径ギヤ46に噛み合う複数の凸状歯49が周方向に部分的(円弧状、部分円環状)に形成されている。
また、第3ギヤ43には、コイルスプリング7に係止されるオープナレバー(図示せず)が設けられている。このオープナレバーには、デフォルトスプリング32の他端部を係止する係止部、およびコイルスプリング7のU字フック部36に係脱自在に係合する係合部等が設けられている。
このようなEGR制御弁においては、シールリング自身の拡径方向の張力による伸びにより、バルブ全閉位置(O)の近傍(バルブ全閉位置の前後:例えば±2.5〜5.5°、あるいは±3.0〜5.0°、あるいは±3.5°程度)にEGRガス洩れ量(流体流量、流体洩れ量、EGR量:Q)の変化しない範囲(EGRガス洩れ量不感帯)がある。これは、シールリング3が、自身の張力により拡径方向に拡径するため、バタフライバルブ1のバルブ位置がバルブ全閉位置(O)より外れても、自身の張力による拡径方向への変位が限界となるまでは、ノズル5のシート面27に密着し続けることができるからである。
なお、本実施例では、リターンスプリング31の付勢力とデフォルトスプリング32の付勢力とが釣り合った中立位置が、電動モータ9への電力の供給を停止した際にバタフライバルブ1が付勢されるバルブ全閉位置となる。
また、ECUは、EGRガス洩れ量不感帯の範囲(α°)のうちで、バルブ全閉位置から開弁作動方向に開弁した開弁側最大開度(不感帯最大開度)を制御上の全閉ポイント(A)としてメモリに格納している。なお、制御上の全閉ポイント(A)とは、図3に示したように、バルブ全閉位置(O)をθ=0°としたとき、このバルブ全閉位置(O)から開弁作動方向に微少開度(θ=+2.5〜+5.5°、望ましくはθ=+3.0〜+5.0°、最も望ましくはθ=+3.5°)だけ僅かに開弁した中間位置(中間開度)のことであって、電動モータ9の駆動トルクとリターンスプリング31の付勢力とが釣り合った中立位置のことである。
そして、ECUは、制御上の全閉ポイント(A)を、EGRガス洩れ量不感帯の範囲(α°)内に設定している。本実施例では、制御上の全閉ポイント(A)を、不感帯最大開度に設定している。
すなわち、ECUは、エンジンの運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、EGR制御弁のバタフライバルブ1のバルブ開度(バルブ位置)が、バルブ全閉位置(O)よりも手前に設定された制御上の全閉ポイント(A)となるように電動モータ9への供給電力を可変制御するように構成されている。
そして、ECUは、エンジンの運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、バタフライバルブ1のバルブ位置が、制御上の全閉ポイント(A)となるように電動モータ9への電力の供給を継続する。すなわち、EGR量センサによって検出されるバルブ開度(バルブ位置)が、制御上の全閉ポイント(A)に到達した時点で、電動モータ9への供給電力を所定値に維持する。例えば電動モータ9に微少電流(開弁作動方向の電流小)を供給する。これにより、バタフライバルブ1に電動モータ9の駆動トルクとリターンスプリング31の付勢力とが作用するため、バタフライバルブ1が制御上の全閉ポイント(A)にてホールドされる。
次に、本実施例の排気ガス再循環装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
そして、電動モータ9に電力が供給されると、電動モータ9のモータシャフト11が回転する。そして、モータシャフト11が回転することにより第1ギヤ41がモータシャフト11の軸心を中心にして回転して、第1ギヤ41から第2ギヤ42の大径ギヤ45に電動モータ9の駆動トルクが伝達される。そして、第2ギヤ42の回転に伴って小径ギヤ46が中間シャフト12の軸心を中心にして回転すると、小径ギヤ46に噛み合う第3ギヤ43がバルブシャフト13の軸心を中心にして回転する。この第3ギヤ43の回転に伴ってバルブシャフト13が所定の回転角度だけ回転し、EGR制御弁のバタフライバルブ1がバルブ全閉位置(または制御上の全閉ポイント)から開弁作動方向に開弁駆動される。
これにより、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスの一部(EGRガス等の高温流体)が、排気管内に形成される排気通路から、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路(ハウジング4の排気ガス還流路6を含む)を経て吸気管内に形成される吸気通路に再循環される。
なお、制御上の全閉ポイント(A)は、上述したように、バルブ全閉位置(O)よりも手前、すなわち、バルブ全閉位置(O)から開弁作動方向に微少開度だけ僅かに開弁した中間位置に設定されている。このとき、コイルスプリング7のU字フック部36は、全閉ストッパ部材35から開弁作動方向に微少開度だけ僅かに離れるため、第3ギヤ43に対してデフォルトスプリング32の付勢力は作用せず、電動モータ9の駆動トルクとリターンスプリング31の付勢力とが作用する。
したがって、バタフライバルブ1の外周端面15とノズル5のシート面27との間の隙間が完全にシールされる。これにより、制御上の全閉ポイント(A)でバタフライバルブ1が保持される時、すなわち、バタフライバルブ1の全閉時に、EGRガスの洩れが確実に抑止されるため、EGRガスが吸入空気に混入しなくなる。
以上のように、排気ガス再循環装置に採用されたバルブ開閉制御装置においては、電動モータ9への電力の供給を停止した際にリターンスプリング31の付勢力によってバタフライバルブ1が付勢されるバルブ全閉位置(O)よりも手前、つまりバルブ全閉位置(O)から微少開度だけ僅かに開弁したバルブ位置に制御上の全閉ポイント(A)を設定している。
そして、エンジン運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、電動モータ9への電力の供給を停止するのではなく、バタフライバルブ1が制御上の全閉ポイント(A)で停止するように電動モータ9への電力の供給を継続することにより、電動モータ9の駆動トルクをバタフライバルブ1に伝達する歯車減速機構の構成要素を成す3つの第1〜第3ギヤ41〜43に、つまり全てのギヤに電動モータ9の駆動トルクとリターンスプリング31の付勢力とを作用させる。
具体的には、第1ギヤ41の各凸状歯44と第2ギヤ42の大径ギヤ45との歯面間にバックラッシュが設けられている。また、第2ギヤ42の小径ギヤ46と第3ギヤ43の各凸状歯49との歯面間にバックラッシュが設けられている。
これらのように、歯車減速機構の構成要素を成す3つの第1〜第3ギヤ41〜43のうちで噛み合う2つのギヤの歯面間(第1ギヤ41と第2ギヤ42との歯面間、第2ギヤ42と第3ギヤ43との歯面間)にバックラッシュが設けられている場合、エンジン振動や車両振動がハウジング4に伝達されて電動モータ9や中間シャフト12が振られても、歯車減速機構の構成要素を成す3つの第1〜第3ギヤ41〜43に、つまり全てのギヤに電動モータ9の駆動トルクとリターンスプリング31の付勢力とが作用している。
また、エンジン振動や車両振動による3つの第1〜第3ギヤ41〜43のガタ付きを抑制することができるので、歯打ち音の発生を抑えることができる。したがって、騒音の発生を防止することが可能となる。
このように、歯車減速機構の構成要素を成す3つの第1〜第3ギヤ41〜43の歯面の異常摩耗を防止することができるので、電動モータ9の駆動トルクを利用してバタフライバルブ1を開弁作動方向に開弁作動させるバルブ制御時に、噛み合う2つのギヤ同士の噛み合い不良が発生することはない。したがって、第1〜第3ギヤ41〜43により構成される歯車減速機構としての動力伝達機能(性能)の低下を防止することができる。
これによって、バタフライバルブ1の全閉制御時に、バタフライバルブ1の位置が、バルブ全閉位置(O)よりも手前、つまりバルブ全閉位置(O)から微少開度だけ僅かに開弁した制御上の全閉ポイント(A)となるように電動モータ9に駆動トルクを発生させた場合であっても、シールリング自体の拡径方向の張力によってバタフライバルブ1の外周端面15とノズル5のシート面27との間の隙間を完全にシールできる。したがって、バタフライバルブ1の全閉制御時におけるEGRガス洩れ量をゼロにまたは少なくすることができる。
本実施例のEGR制御弁の弁体は、エンジンの燃焼室に供給されるEGRガス等の高温流体の流量(EGR量)を可変制御するバタフライバルブ1によって構成されている。このバタフライバルブ1は、バルブシャフト13の軸線方向の一端部に固定されている。また、バタフライバルブ1の外周端面15には、円環状のシールリング溝2がバタフライバルブ1の外周全体に周設されている。このバタフライバルブ1のシールリング溝2内には、自身の拡径方向の張力を利用してノズル5のシート面27に対するシール機能を持つC字状のシールリング3が嵌め込まれている。そして、EGR制御弁のハウジング4は、排気管と吸気管とを接続する排気ガス還流管の途中に配設されており、内部に排気ガス還流路6が形成された円筒状のノズル5を有している。
ここで、バタフライバルブ1のバルブ全閉位置(O)とは、電動モータ9への電力の供給を停止した際に、リターンスプリング31の付勢力とデフォルトスプリング32の付勢力とが釣り合った中立位置のことである。
以上のようなバルブ全閉位置(O)の近傍または前後の所定のバルブ開度範囲内におけるバルブ開閉制御を繰り返し実行する。
以上のように、排気ガス再循環装置に採用されたバルブ開閉制御装置においては、バタフライバルブ1の全閉制御時に、バルブ全閉位置(O)の近傍または前後の所定のバルブ開度範囲において、バタフライバルブ1がバルブ全閉位置(O)を通り越して開閉作動を複数回繰り返すように電動モータ9への電力の供給を継続することにより、電動モータ9の駆動トルクをバタフライバルブ1に伝達する歯車減速機構の構成要素を成す3つの第1〜第3ギヤ41〜43に電動モータ9の駆動トルクとコイルスプリング7の付勢力とが作用する。
これによって、バタフライバルブ1の全閉制御時に、所定のバルブ開度範囲において、バタフライバルブ1がバルブ全閉位置(O)を通り越して開閉作動を複数回繰り返すように電動モータ9への電力の供給を継続した場合であっても、シールリング自体の拡径方向の張力によってバタフライバルブ1の外周端面15とノズル5のシート面27との間の隙間を完全にシールできる。したがって、バタフライバルブ1の全閉制御時におけるEGRガス洩れ量をゼロにまたは少なくすることができる。
また、第2中間位置(B)でデフォルトスプリング32の付勢力と釣り合う駆動トルクが電動モータ9のモータシャフト11に発生するように電動モータ9への供給電力を可変制御している。例えば電動モータ9に微少電流(閉弁作動方向の電流小)を供給することにより、バタフライバルブ1の全閉制御時に、第2中間位置(B)を越えてバタフライバルブ1が閉弁作動方向に開弁することはなく、バタフライバルブ1の全閉制御時におけるEGRガス洩れ量をゼロにまたは少なくすることができる。
この場合には、エンジン運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、バタフライバルブ1が、所定のバルブ制御範囲(B−O−A−C)よりも大きい回転角度範囲内で開閉作動する。
この場合、エンジン運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、バタフライバルブ1の制御目標値を先ず第2中間位置(B)に設定し、その後、EGR量センサによって検出されるバルブ開度が制御上の全閉ポイント(θ=0°)を通り越した時点で、バタフライバルブ1の制御目標値を第1中間位置(A)に更新し、その後、EGR量センサによって検出されるバルブ開度が制御上の全閉ポイント(θ=0°)を通り越した時点で、バタフライバルブ1の制御目標値を第2中間位置(B)に更新する。
この場合には、エンジン運転中におけるバタフライバルブ1の全閉制御時に、バタフライバルブ1が、所定のバルブ制御範囲(B−O−A−C)よりも小さい回転角度範囲内で開閉作動する。
本実施例では、ハウジング4のノズル嵌合部23の内周に円筒状のノズル5を嵌合保持し、更にノズル5の内部にバタフライバルブ1を開閉自在に収容しているが、ハウジング4の内部に直接バタフライバルブ1を開閉自在に収容しても良い。この場合には、ノズル5は不要となり、部品点数や組付工数を削減できる。
また、本実施例では、エンジンの運転状態に対応して排気ガス還流量(EGR量)を可変制御するEGR制御弁のバタフライバルブ1を、バルブシャフト13の軸線方向の一端側(先端側)に例えば溶接等の固定手段を用いて保持固定しているが、そのバタフライバルブ1を、バルブシャフト13の軸線方向の一端側(先端側)または中央部に締結用ネジや固定用ボルト等のスクリューを用いて締め付け固定しても良い。
また、ハウジングとバルブとを備えた流体流量制御弁として、本実施例のEGR制御弁の代わりに、エンジンの燃焼室内に吸入される吸入空気量を制御するスロットルバルブ等の吸気制御弁、エンジンの燃焼室内より排出される排気ガス量を制御する排気制御弁、スロットルバルブをバイパスする吸入空気量を制御するアイドル回転速度制御弁等に適用しても良い。
また、本発明の流体制御弁を、タンブル流制御弁やスワール流制御弁等の吸気流制御弁、吸気通路の通路長や通路断面積を変更する吸気可変弁等に適用しても良い。また、内燃機関として、ターボ過給機付エンジンを採用しているが、内燃機関として、ターボチャージャーやスーパーチャージャー等の過給機を搭載しないタイプの内燃機関を用いても良い。また、内燃機関として、ガソリンエンジンを用いても良い。
また、内燃機関の運転を停止した際に、バルブがバルブ付勢手段(リターンスプリング、デフォルトスプリング)により付勢される全閉位置にて全閉しているバルブ全閉時、排気ガス還流路(流体流路)6の軸線方向(流体流路内を流れる流体の平均的な流れの軸線方向)に垂直な垂線に対して開弁作動方向または閉弁作動方向に所定の回転角度(全閉角、傾斜角度分)だけ若干傾くようにバルブが配置されるようにバルブ付勢手段(2つの第1、第2スプリング等)の付勢力を調節しても良い。このとき、比較例1、実施例1のように、バルブの全閉位置を、流体洩れ量不感帯の範囲(α°)内に設定することで、バルブ全閉時における流体洩れ量をゼロにまたは少なくすることができる。
また、歯車減速機構のうちの最終ギヤとしてピニオンギヤを使用し、バルブのバルブ軸にピニオンギヤと噛み合うラック歯を設けたラックアンドピニオン機構(回転運動から直線運動に変換する運動方向変換機構)を備えた動力伝達機構を使用しても良い。
また、中間シャフト12をハウジング4に対して相対回転可能となるようにハウジング4に中間シャフト12を回転自在に軸支しても良い。この場合には、第2ギヤ42を中間シャフト12に固定しても良い。
また、歯車減速機構等の動力伝達機構を2つの第1、第2ギヤ(第1、第2回転体)によって構成しても良く、また、歯車減速機構等の動力伝達機構を4つ以上のギヤによって構成しても良い。
2 シールリング溝(環状溝)
3 シールリング
4 ハウジング(EGR制御弁のバルブハウジング)
5 ノズル(円筒部)
6 排気ガス還流路(流体流路)
7 コイルスプリング(バルブ付勢手段)
9 電動モータ(動力源)
11 モータシャフト(電動モータのモータ軸)
12 中間シャフト(歯車減速機構の中間減速ギヤ軸)
13 バルブシャフト(バタフライバルブのバルブ軸)
14 ギヤハウジング
15 バタフライバルブの外周端面
31 リターンスプリング(第1バルブ付勢手段、第1スプリング)
32 デフォルトスプリング(第2バルブ付勢手段、第2スプリング)
41 動力伝達機構(歯車減速機構)の第1ギヤ(モータギヤ、ピニオンギヤ)
42 動力伝達機構(歯車減速機構)の第2ギヤ(中間減速ギヤ)
43 動力伝達機構(歯車減速機構)の第3ギヤ(バルブギヤ、最終ギヤ)
56 EGR量センサ(バルブ位置検出手段)のホールIC
Claims (8)
- (a)内燃機関の燃焼室に連通する流体流路を開閉するバルブと、
(b)このバルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動するモータと、
(c)このモータの駆動力を前記バルブに伝達する複数のギヤと、
(d)前記バルブを閉弁作動方向に付勢するリターンスプリングと、
(e)前記バルブを開弁作動方向に付勢するデフォルトスプリングと、
(f)前記バルブを全閉作動させる全閉制御時に、
前記モータへの電力の供給を停止した際に前記リターンスプリングまたは前記デフォルトスプリングの付勢力によって前記バルブが付勢される全閉位置の近傍または前後の所定範囲において、前記バルブが前記全閉位置を通り越して開閉作動を繰り返すように前記モータへの供給電力を可変制御するモータ制御手段と、
(g)内部に前記流体流路を形成するハウジングと、
(h)前記バルブを全閉作動させる全閉制御時に、前記全閉位置の近傍または前後で、前記ハウジングの流路壁面と前記バルブの外周端面との間の隙間をシールするシールリングとを備え、
前記バルブは、この外周端面全周に、前記シールリングを装着する環状溝を有すると共に、前記ハウジングおよび前記シールリングを伴って、前記内燃機関の燃焼室に供給する流体流量を制御する流体制御弁を構成しており、
前記流体制御弁は、前記全閉位置の近傍または前後に流体洩れ量が変化しない不感帯を有し、
前記全閉位置の近傍または前後の所定範囲は、前記不感帯の範囲内に設けられることを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項1に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記モータ制御手段は、前記全閉位置の近傍または前後の所定範囲内のバルブ位置から、前記バルブを全開する全開位置に至るまでの範囲を、前記モータへの供給電力を可変制御して前記バルブを開弁駆動または閉弁駆動させることが可能なバルブ制御範囲としていることを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記全閉位置の近傍または前後の所定範囲とは、前記全閉位置から開弁作動方向に前記バルブが開弁した状態を第1中間位置とし、前記全閉位置から閉弁作動方向に前記バルブが開弁した状態を第2中間位置としたとき、前記第1中間位置から前記全閉位置を通り越して前記第2中間位置に至るまでの範囲であることを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項3に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記バルブの現在位置を検出するバルブ位置検出手段を備え、
前記モータ制御手段は、前記バルブを全閉作動させる全閉制御時に、
前記バルブ位置検出手段によって検出されるバルブ位置が前記第1中間位置を通り越して前記第2中間位置に到達した時点で、前記バルブの作動方向を反転させるように前記モータへの供給電力を可変制御し、
その後、前記バルブ位置検出手段によって検出されるバルブ位置が前記第1中間位置および前記第2中間位置に到達する毎に、前記バルブの作動方向を反転させるように前記モータへの供給電力を可変制御することを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、
前記モータ制御手段は、前記内燃機関の運転中に、前記バルブを全閉作動させる全閉制御を実行することを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のバルブ開閉制御装置において、
前記複数のギヤは、前記バルブと一体的に回転動作を行うバルブギヤを有し、
前記リターンスプリングは、前記バルブギヤまたは前記バルブに対して、前記バルブを前記全閉位置に戻す方向に荷重を与える第1バルブ付勢手段を有し、
前記デフォルトスプリングは、前記バルブギヤまたは前記バルブに対して、前記バルブを前記全閉位置に戻す方向に荷重を与える第2バルブ付勢手段を有していることを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項6に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記全閉位置から開弁作動方向に前記バルブが開弁した状態を第1中間位置とし、前記全閉位置から閉弁作動方向に前記バルブが開弁した状態を第2中間位置としたとき、
前記第1バルブ付勢手段は、少なくとも前記第1中間位置から前記バルブを前記全閉位置に戻す方向に荷重を与える第1スプリングであって、
前記第2バルブ付勢手段は、少なくとも前記第2中間位置から前記バルブを前記全閉位置に戻す方向に荷重を与える第2スプリングであることを特徴とするバルブ開閉制御装置。 - 請求項7に記載のバルブ開閉制御装置において、
前記第1中間位置とは、前記モータの駆動力と前記第1スプリングの付勢力とが釣り合う第1中立位置であって、
前記第2中間位置とは、前記モータの駆動力と前記第2スプリングの付勢力とが釣り合う第2中立位置であって、
前記モータ制御手段は、前記第1中立位置で前記第1スプリングの付勢力と釣り合う駆動力が前記モータのモータ軸に発生するように前記モータへの供給電力を可変制御すると共に、前記第2中立位置で前記第2スプリングの付勢力と釣り合う駆動力が前記モータのモータ軸に発生するように前記モータへの供給電力を可変制御することを特徴とするバルブ開閉制御装置。
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