JP5991293B2 - バルブ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の技術は、第1、第2スリット軸部(シャフトにおいてスリット孔を介して対向する部分)をネジで締付け、第1、第2スリット軸部を内側へ撓ませることで、第1、第2スリット軸部の間で弁体を加圧保持(固定)するものである。
これに対し、本発明は、分離部が設けられるのは第1スリット軸部だけであり、第2スリット軸部には分離部が設けられず、シャフトは2つに分離しない。そのため、シャフトの軸ズレが発生せず、また弁体の組付精度の悪化も招かない。
実施例1を図1〜図3を参照して説明する。
この実施例は、スロットルバルブ1を電動アクチュエータ2で駆動する電子スロットルに本発明を適用したものである。
・内部に吸気通路3aが形成されるハウジング3に対して回転自在に支持されるシャフト4と、
・このシャフト4に固定されて吸気通路3aの開度調整を行う弁体5と、
を備える。
・通電により回転力を発生する電動モータ6と、
・この電動モータ6の回転トルクを増幅してシャフト4を駆動する減速装置7と、
・シャフト4(弁体5)を所定の開度へ戻すバネ力発生手段8と、
・シャフト4の開度(弁体5の回転角度)を検出する回転角センサ9と、
を備える。
ハウジング3は、吸気路(吸気管)の一部を成すボアと、電動アクチュエータ2の組付部とを一体に設けたものであり、金属材料または樹脂材料によって製造される。なお、ボアの内部には、円筒状の吸気通路3aが形成されるものであり、ボア端には電子スロットルを車両部品に固定するボルト挿通穴3bが形成される。
シャフト4の先端(図3右側)が挿入配置される部位のシャフト挿通穴の内部には、シャフト4を回転自在に支持するベアリング11(一例として滑りベアリング)が配置されている。
同様に、シャフト4の根元側(図3左側)が挿入配置される部位のシャフト挿通穴の内部にも、シャフト4を回転自在に支持するベアリング12(一例として転がりベアリング)が配置されている。このベアリング12より吸気通路3a側のシャフト挿通穴の内部には、ハウジング3とシャフト4の隙間をシールするシール材13が配置されている。
一方、弁体5は、金属材料(例えば、アルミ、黄銅等)により略円板形状に形成されたバタフライ形の回動弁であり、ハウジング3に組入れられたシャフト4に固定される。
シャフト4には、弁体5を組付けるスリット孔14が形成されている。このスリット孔14は、シャフト4の軸方向へ伸び、且つ径方向へ貫通する長穴であり、図1(b)に示すように、シャフト4の軸方向に対して垂直方向から見て細長矩形の穴形状を呈する。
具体的な一例として、スリット孔14における軸方向の長さは「弁体5の直径+組付けクリアランス」に設けられる。また、スリット孔14における幅は「弁体5の厚み+組付けクリアランス」に設けられる。
第1、第2スリット軸部4a、4bのうち、第1スリット軸部4aのみに、軸方向の中間箇所において第1スリットの軸方向の途中箇所を分離する分離部αを設けている。なお、この実施例では第1スリット軸部4aにおける軸方向の「中央」に分離部αを設けているが限定するものではなく「略中央」であれば良い。
ネジ15は、締結力を加えることで第1、第2スリット軸部4a、4bに加圧力(シャフト4の軸方向に対して垂直方向の力)を加えるものであり、第1スリット軸部4aを軸方向に対して垂直方向に撓ませることで、第1、第2軸部の対向間隔を狭くして、第1、第2スリット軸部4a、4bの間で弁体5を加圧し、第1、第2スリット軸部4a、4bの間で弁体5を加圧保持(固定)させるものである。
そして、ハウジング3に形成されたモータ収容室に電動モータ6が収容され、ハウジング3とギヤカバー21との間に形成された空間に、減速装置7、バネ力発生手段8等が収容される。
中間ギヤ23は、大径ギヤ23aと小径ギヤ23bが同芯で設けられた2重歯車であり、ハウジング3とギヤカバー21とにより支持される支持軸25によって回転自在に支持される。そして、大径ギヤ23aがモータギヤ22と常に噛合し、小径ギヤ23bが最終ギヤ24と常に噛合する。
最終ギヤ24は、シャフト4の端部のカシメ部によって固定された大径の外歯歯車であり、噛合歯(外歯)は弁体5の回動に伴う範囲のみに設けられている。
具体的に、回転角センサ9は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型センサであり、最終ギヤ24の内部にインサートされてシャフト4と一体に回転する略筒状を呈する磁気回路部26と、ギヤカバー21に取り付けられて磁気回路部26に対して非接触に配置される磁気検出部27とで構成され、この磁気検出部27の発生する電圧信号(ホールICの出力信号)がECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)に与えられる。
なお、ECUは、マイクロコンピュータを搭載した周知の電子制御装置であり、回転角センサ9によって検出される実際の弁体5の開度が、アクセルペダル開度によって設定された目標開度となるように電動モータ6をフィードバック制御するように設けられている。
この実施例の電子スロットルは、上述したように、第1、第2スリット軸部4a、4bのうち、第1スリット軸部4aのみに分離部α設けて、第1スリット軸部4aの剛性を下げ、第1スリット軸部4aを撓み易くしている。
このため、弁体5の径寸法が小さい場合(例えば、排気量の小さいエンジン用の小型スロットルの場合)であっても、あるいはシャフト4の材質が高硬度の場合(例えば、鉄製のシャフト4から、耐腐食性を高める目的等によりステンレス製のシャフト4に変更する場合)であっても、ネジ15の締結力によって、第1スリット軸部4aを確実に撓ませることができ、第1、第2スリット軸部4a、4bの間で弁体5を確実に加圧保持することができる。
これに対し、この実施例は、分離部αを設けるのは第1スリット軸部4aだけであり、第2スリット軸部4bには分離部αを設けない。これにより、シャフト4は2つに分離しないため、シャフト4の軸ズレは発生せず、吸気通路3aに対して弁体5の組付精度の悪化も招かない。
具体的な一例として、低圧EGR装置に用いられる吸気絞りバルブ(スロットルバルブ1の吸気上流側の吸気路内の圧力を下げてEGRガスを吸気路へ導くバルブ装置)に適用しても良いし、EGRバルブ(EGR通路の開度を可変するバルブ装置)に適用しても良い。
具体的な一例として、リベットを用い、リベットに強固な加圧力を加えることで、リベットを塑性変形させるとともに、リベットに加えたカシメ力によって第1スリット軸部4aを撓ませて、第1、第2スリット軸部4a、4bの間で弁体5を加圧保持するように設けても良い。
具体的な一例として、断面が略く字形やZ字形を呈する弁体5であっても良い。
4a 第1スリット軸部
4b 第2スリット軸部
5 弁体
14 スリット孔
15 ネジ(締付手段)
α 分離部
Claims (2)
- 径方向へ貫通するスリット孔(14)が形成されたシャフト(4)と、前記スリット孔(14)に挿入された状態で前記シャフト(4)に固定される弁体(5)とを備えるバルブ装置において、
前記シャフト(4)において前記スリット孔(14)を介して対向する部位を第1、第2スリット軸部(4a、4b)とした場合、
当該バルブ装置は、前記第1、第2スリット軸部(4a、4b)に加圧力を加えて前記第1、第2スリット軸部(4a、4b)の間で前記弁体(5)を加圧保持する締付手段(15)を備えるものであり、
前記第1、第2スリット軸部(4a、4b)のうち、前記第1スリット軸部(4a)のみに、軸方向の中間箇所において分離する分離部(α)を設けたことを特徴とするバルブ装置。 - 請求項1に記載のバルブ装置において、
前記シャフト(4)および前記弁体(5)は、内燃機関が吸入する空気量を調整するスロットルバルブ(1)に用いられることを特徴とするバルブ装置。
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