JP6052017B2 - 押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物並びにその成形体 - Google Patents
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Description
(a)密度が0.920〜0.960g/cm 3 の範囲にある。
(b)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)が10〜23g/10分である。
(c)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が200時間以上である。
(1)密度が0.960〜1.030g/cm3の範囲にある。
(2)HLMFRが1.0〜15g/10分である。
(3)引張破壊呼びひずみが100%以上である。
(4)−40℃のシャルピー衝撃強度が2.0kJ/m2以上である。
(5)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が50時間以上である。
(6)体積固有抵抗率が1Ω・cm以上1×107Ω・cm以下、表面固有抵抗率が1Ω/□以上1×107Ω/□以下である。
本発明の組成物から得られる成形品は、導電性と物性とのバランスに優れ、特に押出成形性及びブロー成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れた燃料系部品を製造することができるという効果がある。さらに、これらの特性に加え、燃料系部品に要求される、耐燃料性及び−40℃程度の低温での強度に優れる物性を持つという効果がある。
したがって、用途としては、特に燃料輸送用部品、特にガソリン輸送用チューブ及び付属部品、更に自動車のタンクからエンジンへガソリンを輸送したり、自動車に燃料を注入したりするためのチューブや部品に好適に用いられる材料を提供することができる。
以下、本発明に用いられる各成分及び材料組成物等について、詳細に説明する。また、以下、本発明の押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物は、単に「組成物」ともいう。
(1)組成物の密度
本発明の組成物は、JIS K6922−1及び2(1997)に準拠して測定される密度が0.960〜1.030g/cm3であることが必要であり、好ましくは0.980〜1.010g/cm3である。組成物の密度が0.960g/cm3未満であると、成形品の剛性不足の顕在化および60℃燃料浸漬試験前後での寸法・外観変化が著しくなるおそれがある。一方、1.030g/cm3を超えると、長期性能、特に、長期耐久性が不足する傾向がある。
組成物の密度は、組成物を構成するポリエチレン(A)の密度を大きくするか、導電性フィラー(B)の含有割合を大きくすることによって行なうことができる。
本発明の組成物は、JIS K6922−2(1997)に準拠した温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が1.0〜15g/10分であることが必要であり、好ましくは3.0〜8g/10分である。
なお、本明細書において、HLMFRは、JIS K6922−2(1997)に準拠した温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレートである。
HLMFRが1.0g/10分未満であると、押出成形及びブロー成形時の流動加工特性が低下し、逆に15g/10分を超えると成形時にドローダウンし、成形が困難となるおそれがある。また成形できた場合でも部品の耐衝撃性等の機械特性が低下したものとなるおそれがある。
組成物のHLMFRは、組成物を構成するポリエチレン(A)のHLMFRを変化させるか、導電性フィラー(B)の含有割合を変化させることによって行なうことができる。
本発明の組成物は、引張試験による引張破壊呼びひずみが100%以上であることが必要であり、好ましくは200%以上であり、さらに好ましくは400%以上である。100%より小さいと、成形品が破損するおそれがあり好ましくない。
本明細書において、引張試験による引張破壊呼びひずみは、JIS K7113(1995)に準じて測定された値である。具体的には、例えば、以下のように測定される。すなわち、試験対象のペレットを、寸法:150mm×150mm、厚さ2mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度190℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで樹脂を溶融すると共に溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持する。その後、4.9MPaの圧力をかけた状態で、10℃/分の速度で徐々に冷却し、温度が室温付近まで低下したところでモールドから成形板を取り出す。得られた成形板を温度23±2℃、湿度50±5℃の環境下で48時間以上、状態調節する。状態調節後のプレス板からJIS K7113(1995)に記載の2号試験片の形状に打ち抜き、引張試験サンプルとする。上記試験片を用い、JIS K7113(1995)に準じて、引張降伏強さ・引張破壊伸びを測定する。引張試験機としては、例えば、株式会社エーアンドディー社製のテンシロン(型式:RTG−1250)を用いることができる。引張速度は50mm/分で実施する。
本発明の組成物の引張破壊呼びひずみは、導電性フィラー(B)の含有割合を小さくすることによって大きくすることができる。
本発明の組成物は、−40℃のシャルピー衝撃強度が2.0kJ/m2以上であることが必要であり、好ましくは3.0kJ/m2以上であり、さらに好ましくは4.0kJ/m2以上である。2.0kJ/m2より小さいと、成形品の衝撃強度の不足が顕在化するおそれがあり好ましくない。
本明細書において、−40℃のシャルピー衝撃強度は、JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」に準拠して試験片を作成し、JIS K7111(1996)「プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法」に準じて測定された値である。
−40℃のシャルピー衝撃強度は、ポリエチレン(A)におけるエチレン系重合体の分子量を上げるか、分子量分布を狭くすることにより、大きくすることができる。
本発明の組成物は、フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が50時間以上であることが必要であり、好ましくは80時間以上、さらに好ましくは100時間以上である。フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が50時間未満では、成形品の耐久性が不足するおそれがある。
本明細書において、フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間は、JIS K6774(1995)「ガス用ポリエチレン管」の付属書1の全周ノッチ式引張クリープ試験に準拠し、80℃、6MPaで測定を行なう。試験片は、JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」の表2の条件で作成した厚さ6mmで圧縮成形シートから切出し、全周にノッチを入れたもの(試験片厚み6mm、ノッチ深さ1mm、全周)を使用する。
フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間は、組成物を構成するポリエチレン(A)の密度を小さくすることにより、長くすることができる。また導電性フィラー(B)の含有割合を減らすことで長くすることができる。
本発明の組成物の体積固有抵抗率は1Ω・cm以上1×107Ω・cm以下、表面固有抵抗率は1Ω/□以上1×107Ω/□以下であるであることが必要であり、好ましくは体積固有抵抗率が1Ω・cm以上1×106Ω・cm以下、表面固有抵抗率が1Ω/□以上1×106Ω/□以下である。体積固有抵抗率及び表面固有抵抗率が上記範囲より大きいと、成形体において導電性の効果が得られないおそれがあるため、好ましくない。
一般的に、体積固有抵抗率及び表面固有抵抗率は、導電性フィラー(B)の含有量に比例して低下する。
本発明において、体積固有抵抗率及び表面固有抵抗率は、厚み2mmの平板シート(100mm×100mm)を圧縮成形し、JIS K6911(1995)に準拠して、円電極法で印加電圧1Vの条件で、体積及び表面固有抵抗率を測定した値である。測定には、例えば、エーデーシー社製高抵抗率計8340A及びチャンバー12702Aを用いることができる。
なお、体積固有抵抗率は、「a×10bΩ・cm」を以下「aE+bΩ・cm」と表記することがある。また、表面固有抵抗率は、「a×10bΩ/□」を以下「aE+bΩ/□」と表記することがある。
(1)ポリエチレン(A)の特性
本発明に用いられるポリエチレン(A)としては、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されないが、本発明の組成物を好適に得られることから、好ましくは、下記(a)〜(c)の要件を満足するものである。
(a)密度が0.920〜0.960g/cm3の範囲にある。
(b)HLMFRが10〜23g/10分である。
(c)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が200時間以上である。
こういったポリエチレンとしては、好ましくは、エチレンの単独重合、又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンであり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等との共重合により得られる。また、改質を目的とする場合、ジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。
なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%である。
本発明に用いられるポリエチレン(A)は、密度が0.920〜0.960g/cm3の範囲である。密度が0.920g/cm3未満であると、成形品の剛性不足の顕在化及び60℃燃料浸漬試験前後での寸法・外観変化が著しくなるおそれがある。一方、0.960g/cm3を超えると、長期性能が不足するおそれがある。
ポリエチレン(A)の密度は、例えば、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行なうことができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
本発明に用いられるポリエチレン(A)は、HLMFRが10〜23g/10分、好ましくは10〜20g/10分である。HLMFRが10g/10分未満であると、成形時に流動性が不足するおそれがあり、成形不安定な状態となり実用的では無い。
HLMFRは、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって、調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより、大きくすることができる。
即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより分子量を下げて、結果としてHLMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより分子量を上げて、結果としてHLMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより分子量を下げて、結果としてHLMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより分子量を上げて、結果としてHLMFRを小さくすることができる。
本発明に用いられるポリエチレン(A)は、フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が200時間以上、好ましくは300時間以上、さらに好ましくは400時間以上である。フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が200時間未満では、成形品の耐久性が不足するおそれがある。
本明細書において、フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間は、JIS K6774(1995)「ガス用ポリエチレン管」の付属書1の全周ノッチ式引張クリープ試験に準拠し、80℃、6MPaで測定を行う。試験片は、JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」の表2の条件で作成した厚さ6mmで圧縮成形シートから切出し、全周にノッチを入れたもの(試験片厚み6mm、ノッチ深さ1mm、全周)を使用する。
フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間は、ポリエチレン(A)の密度を小さくすることにより、長くすることができる。
本発明に用いられるポリエチレン(A)は、好ましくは、引張試験による引張破壊呼びひずみが500%であり、さらに好ましくは600%以上であり、特に好ましくは700%以上である。500%より小さいと、成形品が破損するおそれがあり好ましくない。
本明細書において、引張試験による引張破壊呼びひずみは、JIS K7113(1995)に準じて測定された値である。具体的には、例えば、以下のように測定される。すなわち、試験対象のペレットを、寸法:150mm×150mm、厚さ2mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度190℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで樹脂を溶融すると共に溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持する。その後、4.9MPaの圧力をかけた状態で、10℃/分の速度で徐々に冷却し、温度が室温付近まで低下したところでモールドから成形板を取り出す。得られた成形板を温度23±2℃、湿度50±5℃の環境下で48時間以上、状態調節する。状態調節後のプレス板からJIS K7113(1995)に記載の2号試験片の形状に打ち抜き、引張試験サンプルとする。上記試験片を用い、JIS K7113(1995)に準じて、引張降伏強さ・引張破壊伸びを測定する。引張試験機としては、例えば、株式会社エーアンドディー社製のテンシロン(型式:RTG−1250)を用いることができる。引張速度は50mm/分で実施する。
本発明のポリエチレン(A)の引張破壊呼びひずみは、エチレン系重合体の分子量を大きくするか、密度を小さくすることによって大きくすることができる。
本発明に用いられるポリエチレン(A)は、好ましくは、−40℃のシャルピー衝撃強度が5.0KJ/m2以上であり、さらに好ましくは6.0KJ/m2以上であり、特に好ましくは7.0KJ/m2以上である。−40℃のシャルピー衝撃強度が5.0KJ/m2未満では、成形品の衝撃強度の不足が顕在化するおそれがある。
ここで、−40℃のシャルピー衝撃強度は、JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」に準拠して試験片を作成し、JIS K7111(1996)「プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法」に準じて測定されるものである。
−40℃のシャルピー衝撃強度は、エチレン系重合体の分子量を上げるか、分子量分布を狭くすることにより、大きくすることができる。
本発明に使用されるポリエチレン(A)の重合触媒は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されないが、固体触媒である。固体触媒としては、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の各種触媒が挙げられるが遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用の固体触媒として用いられるものであれば特に制限はない。遷移金属化合物としては、周期表第4族〜第10族、好ましくは第4族〜第6族の元素の化合物を使用することができ、具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo等の化合物が挙げられる。
上記成分(B)が5重量%未満、成分(C)が95重量%を超える場合には、長期耐久性が低下するおそれがあり、成分(B)が30重量%を超え、成分(C)が70重量%未満の場合ではスウェル比が低下するおそれがある。
前記のような2種以上のポリエチレン系重合体から構成されるポリエチレン(A)は、例えば、特開2006−193671号公報や特開2007−002235号公報に記載された製造方法と同様の方法で製造することができる。
本発明に用いられる導電性フィラー(B)は、押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物に対して13〜8重量%含有されることが必要である。本発明の組成物は、導電性フィラー(B)が特定量、とりわけ一般に使用される量よりも少量含まれることにより、優れた導電性と物性及び成形性を発揮することができる。好ましくは特定のポリエチレンと特定の導電性フィラーとをそれぞれ特定量組み合わせることにより、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
本発明に用いられる導電性フィラー(B)の組成割合は、組成物全体に対して13〜8重量%、好ましくは11〜9重量%である。導電性フィラー(B)の含有量が8重量%未満では、充分な導電性を発揮することができないおそれがあり、一方、導電性フィラー(B)の含有量が13重量%を超えると、部品の成形が難しくなるか、部品自体の物性が低下する傾向にある。
本発明の導電性組成物に用いられる導電性フィラー(B)は、カーボンブラック、炭素繊維、金属粉末、金属酸化物粉末等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、その原料、製造法からアセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
導電性のカーボンブラックとしては、例えばアセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラック又はチャンネルブラック等が例示され、特に、中空シェル状構造のものが好ましい。こういった構造のものとしては、ファーネスブラックの1種であるケッチェンブラックを挙げることが出来る。ケッチェンブラックは、重質油のガス化プロセスで副生するものであり、酸素のない雰囲気中で2500〜3000℃の高温にファーネスブラックを加熱処理すると、小さな網平面が大きくなり中空粒子となり、一次粒子の中心が中空となっている。
本発明で用いることのできる導電性フィラーのカーボンブラックは、その原料、製造法は特に限定されないが、導電性カーボンブラックからなる群より選択されるものであり、更に好ましくは、ケッチェンブラックである。
ケッチェンブラックの具体例としては、ケッチェンブラックインターナショナル社から入手可能な「ケッチェンブラックEC300J」が挙げられる。
本発明の導電性フィラー(B)の形状は、特に限定されるものではないが、好ましくは球状で平均粒径が50μm以下のものが好適である。
中空シェル状構造のカーボンブラック、例えば「ケッチェンブラックEC300J」は、中空構造で比表面積が大きく、樹脂中で導電回路を形成しやすいために、中空構造を取らない通常のカーボンブラックと比較して少量の添加量で優れた導電性を発現可能である。
本発明の組成物には、任意の成分として、無機充填材を添加してもよい。無機充填材の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、ガラス繊維、大理石粉、セメント粉、粘土、長石、シリカもしくはガラス、フュームド(fumed)シリカ、三水化アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、チタネート類、ガラス微細球、チョーク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、酸化チタン等が挙げられる。
上記の押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物は、常法に従い、必要に応じ各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。また、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行なって所望の成形品とすることもできる。本発明の組成物は、特定のポリエチレン材料と特定の導電性フィラーとをそれぞれ特定の割合で含有することより、特に、押出成形及びブロー成形により好適に成形品を製造することができる。
本発明の組成物は、各種の燃料用部品に成形することができる。例えば、自動車燃料系部品としては、燃料供給口、キャップ、フィラーチューブ、ブリーザーチューブ等が挙げられる。
また、大型容器の蓋(キャップ)のような、大型容器のネジ山に取り付ける為の内面にネジ山を設けたキャップ、大型容器の口への単なるはめ込み式のキャップなど、いわゆる大型容器とは別体で取り扱われる多くの所定の形状に設計変更された小部品を、対象とすることができる。
特に、本発明の成形品は、導電性に加え、導電性と物性とのバランスに優れ、特に押出成形性及びブロー成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れた成形品であり、耐燃料性及び低温での強度にも優れるため、燃料輸送チューブとして好適である。
(1)密度:JIS K6922−1及び2(1997)に準じて測定した。
(2)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR):JIS K6922−2(1997)に準拠して測定した。また、温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)は、JIS K6922−2(1997)に準拠して測定した。
(4)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間:JIS K6774(1995)付属書1の全周ノッチ式引張クリープ試験に準拠し、80℃、6MPaで測定を行なった。試験片は、JIS K6922−2(1997)表2の条件で作成した厚さ6mmで圧縮成形シートから切出し、全周にノッチを入れたもの(試験片厚み6mm、ノッチ深さ1mm、全周)を使用した。
(6)表面固有抵抗率:厚み2mmの平板シート(100mm×100mm)を圧縮成形し、JIS K6911(1995)に準拠して、円電極法で印加電圧1Vの条件で、体積及び表面固有抵抗率を測定した。エーデーシー社製高抵抗率計8340A及びチャンバー12702Aを用いた。
(8)ガソリン浸漬試験:シャルピーの測定に使用する試験片(シャルピー用ノッチなし角柱)と同じ試験片を使用し、ガソリン中に60℃、200時間放置後の外観変化を観察した。外観に変化がないものを「○」、変化があるものを「×」とした。
また、日本製鋼社製JB105を用い、温度220℃、外径22mm、コア径20mmのダイスでリップ幅、及びスクリュー回転数で溶融パリソン長さを調整しながら、約550ccの円筒状金型に25℃の冷却水を通水して10秒間冷却し、重量44gの円筒ボトルを成形した。
上記の成形において、成形性に問題がなかったものを「○」、何らかの不都合が生じたものを「△」、大きな問題が生じたものを「×」とした。
(1)ポリエチレン
下記に示した所定の物性を有するポリエチレンを使用した。
PE−1:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HJ221(密度=0.949g/cm3、HLMFR=13g/10分)を使用した。
PE−2:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HE122R(密度=0.938g/cm3、HLMFR=20g/10分)を使用した。
PE−3:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HB315R(密度=0.953g/cm3、HLMFR=3g/10分)を使用した。
PE−4:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HJ360(密度=0.951g/cm3、HLMFR=160g/10分)を使用した。
PE−5:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるカーネル KF270(密度=0.907g/cm3、HLMFR=50g/10分)を使用した。
PE−6:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HB530RN(密度=0.961g/cm3、HLMFR=70g/10分)を使用した。
PE−7:日本ポリエチレン社製ポリエチレンであるノバテックHD HB111R(密度=0.945g/cm3、HLMFR=6g/10分)を使用した。
導電性フィラーとして、以下のものを使用した。
CB−1:ケッチェンブラックインターナショナル社製ケッチェンブラックEC300J、DBP吸着量=360ml/100g、BET比表面積800m2/g
CB−2:電気化学社製アセチレンブラックHS−100、DBP吸着量=140ml/100g、BET比表面積39m2/g
CB−3:Cabot社製バルカンブラックXC−72、DBP吸着量=174ml/100g、BET比表面積254m2/g
(実施例1)
ポリエチレン(PE−1)87重量部、導電性フィラー(CB−1)13重量部を2軸押出機で混練、210℃で押出してペレット化し、樹脂組成物を得た。得られた組成物は、前記測定・評価方法に記載した方法により、それぞれの性能評価を行なった。得られた結果を表1に示した。
表1に記載された成分を用いて、実施例1の方法と同様に樹脂組成物を得た。得られた組成物は、前記測定・評価方法に記載した方法により、それぞれの性能評価を行なった。得られた結果を表1に示した。
表1に記載された成分を用いて、実施例1の方法と同様に樹脂組成物を得た。得られた組成物は、前記測定・評価方法に記載した方法により、それぞれの性能評価を行なった。得られた結果を表1に示した。
実施例1の組成物を用いて、燃料系部品としての評価を行なった。すなわち、単軸押出機がセットされたチューブ押出機を使用し、実施例1と同じ組成物(温度220℃)を用いて、押出成形することにより、外径20mm、内径16mm、厚さ2mm、長さ30cmのチューブを作製した。これを10本用意し、−40℃の冷却装置中で4時間放置した後。冷却装置から取り出し、0.454kgの錘を304.8mmの高さからチューブ上へ落下させた。その結果、破壊された本数は0本であり、耐衝撃性が良好であった。
比較例2の組成物を用いて、燃料系部品としての評価を行なった。すなわち、実施例5と同様に、比較例2と同じ組成物を用い、実施例5と同様に低温時の強度を評価した結果、10本中8本が破壊された。
以上のとおり、表1に示す結果から、実施例1〜4と比較例1〜11とを対比すると、本発明の押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物の特定要件を満たさない組成物は、導電性、成形性、耐久性のバランスが実施例1〜4のポリエチレンに対して見劣りしており、耐燃料性に劣るものもあった。
また、実施例5と比較例12から、本発明の押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物の特定要件を満たさない組成物による成形体は、低温での耐衝撃性に劣るものであった。
これらの比較例に比べて、本発明の組成物によるものは、実施例1〜5に示すとおり、導電性、成形性、耐久性のバランスが良好であるうえに、耐燃料性及び低温での耐衝撃性にも優れ、燃料系部品に特に好適であることが確認された。
本発明の組成物から得られる成形品は、導電性と物性とのバランスに優れ、特に押出成形性及びブロー成形性、耐久性、耐衝撃性のバランスに優れた燃料系部品を製造することができ、工業的に非常に利用価値の高いものである。
Claims (3)
- ポリエチレン(A)87〜92重量%及び導電性フィラー(B)13〜8重量%とからなり、ポリエチレン(A)は、下記(a)〜(c)の要件を満足し、導電性フィラー(B)は、中空シェル状構造のカーボンブラックであり、下記(1)〜(6)の要件を満足することを特徴とする押出成形用及びブロー成形用導電性ポリエチレン組成物。
(a)密度が0.920〜0.960g/cm 3 の範囲にある。
(b)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)が10〜23g/10分である。
(c)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が200時間以上である。
(1)密度が0.960〜1.030g/cm3の範囲にある。
(2)HLMFRが1.0〜15g/10分である。
(3)引張破壊呼びひずみが100%以上である。
(4)−40℃のシャルピー衝撃強度が2.0kJ/m2以上である。
(5)フルノッチクリープ試験(80℃、6MPaで測定)における破断時間が50時間以上である。
(6)体積固有抵抗率が1Ω・cm以上1×107Ω・cm以下、表面固有抵抗率が1Ω/□以上1×107Ω/□以下である。 - 請求項1に記載の組成物からなる燃料系部品。
- 燃料輸送用チューブであることを特徴とする請求項2に記載の燃料系部品。
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