JP6051970B2 - 数値制御装置と摩擦補償方法 - Google Patents

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本発明は、数値制御装置と摩擦補償方法に関する。
数値制御装置は移動体の二軸円弧補間運動を行う為にモータを制御する。移動体はモータの回転方向が反転する時即座に反転できない。理由は送り機構に生じる摩擦の影響である。円弧切削時に象限が変わる時(移動体の移動方向が反転する時)、実際の移動体の移動軌跡は指令軌跡の外側に出る。移動軌跡が外側に出る現象は象限突起であり、加工精度は悪くなる。象限突起は送り軸の移動方向反転時に急激な摩擦力の変化に伴って発生する。摩擦トルクと変位との関係を求める為に、図1のような実験装置を用いて、送り速度5mm/min、指令半径0.2mmの低速条件で実験を行った。低速条件では粘性摩擦と慣性力とは無視できる。それ故、モータトルクは機構に発生する摩擦が全て含まれる総摩擦トルクに等しくなる。
図12,図13に測定したテーブルの変位量とモータトルクとの関係を実線で示す。図12はX軸における結果、図13はY軸における結果である。何れにおいても、摩擦トルクは移動方向反転直後に非線形ばね特性を示し、ヒステリシス曲線を描いている。本実験装置ではオフセット予圧方式の送り機構(ボール螺子軸とボールナット)を採用しているので、二段階で摩擦力の変化が現れる。この反転時の摩擦力の変化に対してサーボモータから出力されるトルクが追従できなくなって象限突起が発生する。
例えば、特許文献1は摩擦力を推定して象限突起を補正する数値制御装置及び摩擦補償方法を開示する。この数値制御装置は、第一摩擦推定部と第二摩擦推定部を備える。第一摩擦推定部は、移動方向反転後から増加する一山目の摩擦力を推定する。第二摩擦推定部は、移動方向反転後に所定量移動した後で増加する二山目の摩擦力を推定する。
上記技術よりも更に、象限突起の発生要因である摩擦力の変化を高精度で推定する為に、図12,図13に基づいて次のようにモデル化した。
・f=fc1(tanh(x/a)−1)sgn(x')
・f=fc2(tanh(x/a)−1)sgn(x')
・f=fc3(tanh((x−b)/a)−1)sgn(x')
但し、x<bならばf=fc1+fc2、x≧bならばf=fc1+fc2+fc3
上記式において、fc1、fc2、fc3はクーロン摩擦トルク[Nm]、xは反転位置からのテーブル変位[m]、a、a、aは移動方向反転後の摩擦トルクの立ち上がりを決定する定数[m]であり、bは移動方向反転位置から摩擦力の二段目へ変化する開始点までの距離[m]である。そして、三つの関数f,f,fを組み合わせることで摩擦力の変化を表現した。関数fが反転直後の急激な立ち上がり、fがなだらかな増加、fが2山目を表している。各パラメータは、図12,図13の各測定値に合うように曲線適合し、同定した。同定した値を元に描いた摩擦モデルの曲線を図12,図13に点線で示した。図12,図13によると、象限突起の要因である反転時の摩擦力の変動を再現できていることがわかる。
上記の摩擦モデルを用いて、摩擦力の変動を相殺することで象限突起を抑制する摩擦補償器を適用した。摩擦モデルを介して、送り機構の摩擦力fを求め、サーボ系の応答遅れ補償、トルク信号への変換を行なって補償トルクを出力する。この補償トルクをサーボ系のトルク指令へ加算することで象限突起を補正する。
特開2012−108892号公報
上記の補償器を実装して2通りの送り速度で円運動を行った場合の摩擦力の変化について実験を行った。図14は送り速度=0.316m/min、図15は送り速度=3.16m/minで行った結果である。どちらの速度においても象限突起を或る程度は抑制できたが、図15においては、依然として突起状の誤差が残った。これは、クーロン摩擦以外に反転時の摩擦力変化の要因があることが推測された。つまり、反転時に現れるクーロン摩擦による変化を相殺しただけでは、象限突起を十分に補正できないことがわかった。
本発明の目的は、移動体の移動方向反転時に生じる摩擦力又は摩擦トルクを高精度で推定して象限突起を補正できる数値制御装置と摩擦補償方法を提供することである。
本発明の請求項1に係る数値制御装置は、ボール螺子軸と該ボール螺子軸に外嵌するボールナットとを有し該ボールナットに固定した移動体を移動する送り機構と、前記ボール螺子軸を回転駆動するモータと、前記モータで移動した前記移動体の位置を前記モータの回転量に基づいて検出する位置検出機構と、該位置検出機構が検出した前記移動体の位置と制御部が生成する位置指令とが一致するように速度指令を生成する速度生成部と、前記モータの速度を検出する速度検出機構と、前記速度検出機構が検出した速度と前記速度生成部が生成した速度指令とが一致するようにトルク指令を生成するトルク生成部と、前記モータの回転方向が反転後に発生する摩擦力又は摩擦トルクを推定する摩擦推定部と、前記摩擦推定部で推定した摩擦又は摩擦トルクに基づいて前記トルク指令を補正する補正部とを備えた数値制御装置において、前記摩擦推定部は、前記移動体の移動方向が反転後から前記移動体の移動量に応じて増加する前記送り機構に起因する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第一摩擦推定部と、前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体が所定量移動した後、前記移動体の移動量に応じて増加する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第二摩擦推定部と、前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体の移動する速度に依存する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第三摩擦推定部とを備え、前記第一摩擦推定部と前記第二摩擦推定部と前記第三摩擦推定部の夫々で推定した摩擦力又は摩擦トルクを加算し、前記第三摩擦推定部は、前記速度検出機構が検出した速度の絶対値が増加する場合にのみ、前記移動体の速度と前記摩擦力又は摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示したストライベック情報を用いて、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定することを特徴とする。移動体の反転時、摩擦力の象限突起を生じる。摩擦力は反転時に現れるクーロン摩擦による変化の他に、移動体の速度に依存する摩擦が影響する。反転時に現れるクーロン摩擦は移動体の移動量に応じて変化する。第一摩擦推定部と第二摩擦推定部は移動体の移動量に応じて変化する摩擦力を推定する。第三摩擦推定部は移動体の移動方向が反転後に移動体の移動する速度に依存する摩擦力又は摩擦トルクを推定する。摩擦推定部は第一摩擦推定部と第二摩擦推定部が推定する摩擦力又は摩擦トルクに加え、第三摩擦推定部が推定する摩擦力又は摩擦トルクを加算する。故に数値制御装置は移動体の速度変化による摩擦力の変動を抑制できる。故に数値制御装置は象限突起を従来よりも更に抑制できる。
記第三摩擦推定部は、前記移動体の速度と前記摩擦力又は摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示したストライベック情報に基づき、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定することを特徴とする。移動体の速度と摩擦力又は摩擦トルクとの関係はストライベック曲線に反映できる。ストライベック曲線の情報であるストライベック情報を用いることで、第三摩擦推定部は移動体の速度に応じた摩擦力又は摩擦トルクを推定できる。
記第三摩擦推定部は、前記速度検出機構が検出した速度の絶対値が増加する場合にのみ、前記ストライベック情報を用いて、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定することを特徴とする。移動体が加速しながら移動する場合にのみ、第三摩擦推定部はストライベック情報を用いて、速度検出機構が検出した速度に対応する摩擦力又は摩擦トルクを推定する。故に第三摩擦推定部は速度検出機構が検出した速度に対応する摩擦力又は摩擦トルクを良好に推定できる。
本発明の請求項に係る摩擦補償方法は、ボール螺子軸と該ボール螺子軸に外嵌するボールナットとを有し該ボールナットに固定した移動体を移動する送り機構と、前記ボール螺子軸を回転駆動するモータと、前記モータで移動した前記移動体の位置を前記モータの回転量に基づいて検出する位置検出機構とを備えた数値制御装置が行うもので、該位置検出機構が検出した前記移動体の位置と制御部が生成する位置指令とが一致するように速度指令を生成する速度生成工程と、前記モータの速度を検出する速度検出機構と、前記速度検出機構が検出した速度と前記速度生成工程で生成した速度指令とが一致するようにトルク指令を生成するトルク生成工程と、前記モータの回転方向が反転後に発生する摩擦力又は摩擦トルクを推定する摩擦推定工程と、前記摩擦推定工程で推定した摩擦又は摩擦トルクに基づいて前記トルク指令を補正する補正工程とを備えた摩擦補償方法において、前記摩擦推定工程は、前記移動体の移動方向が反転後から前記移動体の移動量に応じて増加する前記送り機構に起因する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第一摩擦推定工程と、前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体が所定量移動した後、前記移動体の移動量に応じて増加する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第二摩擦推定工程と、前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体の移動する速度に依存する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第三摩擦推定工程と
を備え、前記第一摩擦推定工程と前記第二摩擦推定工程と前記第三摩擦推定工程の夫々で推定した摩擦力又は摩擦トルクを加算し、前記第三摩擦推定工程は、前記速度検出機構が検出した速度の絶対値が増加する場合にのみ、前記移動体の速度と前記摩擦力又は摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示したストライベック情報を用いて、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定することを特徴とする。故に数値制御装置は本発明の方法を行うことによって、請求項1に記載の効果を得ることができる。
テーブル機構20の構造の一部を示す図。 数値制御装置40とテーブル機構20の一部の構成を示す図。 送り速度とモータトルクとの関係を示すグラフ。 図3について送り速度を対数に換算した場合のグラフ。 摩擦補償器13の構成を示すブロック図。 送り速度=0.316m/minで円運動を行った場合の指令位置との誤差を補償なしとありで比較したグラフ。 送り速度=3.16m/minで円運動を行った場合の指令位置との誤差を補償なしとありで比較したグラフ。 ストライベック補償を加速時と減速時に適用した場合の指令位置との誤差を示すグラフ(送り速度=316mm/min)。 ストライベック補償を加速時のみに適用した場合の指令位置との誤差を示すグラフ(送り速度=316mm/min)。 ストライベック補償を加速時と減速時に適用した場合の指令位置との誤差を示すグラフ(送り速度=3162mm/min)。 ストライベック補償を加速時のみに適用した場合の指令位置との誤差を示すグラフ(送り速度=3162mm/min)。 従来技術でX軸方向のテーブル変位量と摩擦トルクの関係を示したグラフ。 従来技術でY軸方向のテーブル変位量と摩擦トルクの関係を示したグラフ。 従来技術で送り速度=0.316m/minで円運動を行った場合の指令位置との誤差を補償なしとありで比較したグラフ。 従来技術で送り速度=3.16m/minで円運動を行った場合の指令位置との誤差を補償なしとありで比較したグラフ。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。図1に示す数値制御装置40は本発明の一実施形態である。数値制御装置40は加工プログラムが指令する経路に従い、工作機械の軸移動を制御しテーブル3に固定した加工物を切削する。
図1を参照し、テーブル機構20を説明する。テーブル機構20は工作機械(図示略)に設置し、テーブル3をX軸方向とY軸方向に移動可能に支持する。テーブル機構20は、基台1、中間テーブル50、テーブル3を備える。
基台1は直方体状である。基台1は上面に一対のリニアガイド6Aを有する。一対のリニアガイド6Aは中間テーブル50をY軸方向に案内する。ボール螺子軸4Aとボールナット(図示略)は一対のリニアガイド6Aの間に配置する。中間テーブル50の下部はボールナットに固定する。中間テーブル50は上部に一対のリニアガイド6Bを有する。リニアガイド6Bはテーブル3をY軸方向と直交するX軸方向に案内する。ボール螺子軸4Bとボールナット5(図2参照)は一対のリニアガイド6Bの間に配置する。
図2に示すように、テーブル3は下部にブロック51を備える。ブロック51はリニアガイド6Bのレール上を摺動する。一対の軸支持部7はボール螺子軸4Bの両端部を支持する。一対の軸支持部7は中間テーブル50の上面に固定する。軸支持部7は内部にベアリング8を有する。中間テーブル50は下端にブロック(図示略)を備える。ブロックはリニアガイド6Aのレール上を摺動する。一対の軸支持部(図示略)はボール螺子軸4Aの両端部を支持する。一対の軸支持部は基台1に固定する。軸支持部は内部にベアリング(図示略)を有する。
図1に示すように、基台1は上面にモータ2Aを固定する。モータ2Aの軸とボール螺子軸4Aはカップリング(図示外)で接続する。モータ2Aは軸部周囲にオイルシール(図示外)を有する。図2に示すように、中間テーブル50は上面にモータ2Bを固定する。モータ2Bの軸とボール螺子軸4Bはカップリング9で接続する。モータ2Bは軸部周囲にオイルシール52を有する。テーブル3は両端に固定カバー53を有する。シール部材55は可動カバー54のテーブル側端部とは反対側の端部に固定する。シール部材55はゴムで形成する。シール部材55は切粉等が固定カバー53と可動カバー54との間から入り込むのを防ぐ。
図1に示すように、数値制御装置40は、モータ2A、2Bに夫々接続する。モータ2Aを駆動すると、ボール螺子軸4Aが回転し、ボールナットがY軸方向に移動する。ボールナットに固定した中間テーブル50は、リニアガイド6Aに案内されてY軸方向に移動する。モータ2Bを駆動すると、ボール螺子軸4Bが回転し、ボールナット5がX軸方向に移動する。ボールナット5に固定したテーブル3は、リニアガイド6Bに案内されてX軸方向に移動する。ボール螺子軸4A,4Bと各ボールナット5は、モータ2A,2Bの回転運動を、X軸方向とY軸方向におけるテーブル3の直進運動に夫々変換する。故に、モータ2A,2Bの駆動によって、テーブル3はX軸方向とY軸方向に移動可能となる。数値制御装置40はモータ2A、2Bを制御してテーブル3の位置、速度と加速度を制御する。ボール螺子軸4A,4Bと各ボールナット5は本発明の送り機構に相当する。
図2に示すように、ロータリーエンコーダ60はモータ2A,2Bに夫々取り付ける。図2はモータ2A、モータ2A側のロータリーエンコーダ60を図示していない。各ロータリーエンコーダ60はモータ2A,2Bの位置を検出する。数値制御装置40はテーブル3の位置を、モータ2A、2Bの位置と、ボール螺子軸4A、4Bのピッチ(螺子山の間隔)とに基づいて算出する。
図2を参照し、数値制御装置40の構成を説明する。数値制御装置40は、上位コントローラ10、位置制御器11、速度制御器12、摩擦補償器13、加算器14、電流制御増幅器15、微分器16を備える。上位コントローラ10は位置指令信号を位置制御器11に出力する。各ロータリーエンコーダ60はモータ2A,2Bの位置検出信号を位置制御器11に出力する。位置制御器11は位置指令信号と位置検出信号が一致するように速度指令信号を生成して速度制御器12に加える。微分器16は位置検出信号を速度検出信号に変換し速度制御器12に加える。
速度制御器12は速度指令信号と速度検出信号とが一致するようにトルク指令信号を生成して加算器14に加える。摩擦補償器13は上位コントローラからの位置指令信号に基づき、モータ2A,2Bの回転方向が反転後に発生する摩擦力を推定し、摩擦補償信号を生成して加算器14に加える。摩擦補償信号はモータ2A,2Bの回転方向が反転する際に発生する摩擦力を補償する信号である。加算器14は速度制御器12からのトルク指令信号と摩擦補償器13からの摩擦補償信号とを加算する。加算器14は摩擦補償したトルク指令信号を電流制御増幅器15に加える。電流制御増幅器15はトルク制御器として機能する。電流制御増幅器15は摩擦補償したトルク指令信号にできる限り忠実なトルクを発生するようにモータ2A,2Bの電流を制御する。
なお、位置制御器11、速度制御器12、加算器14、電流制御増幅器15、微分器16は周知の構成である。故に本願発明に直接関連する摩擦補償器13について、摩擦補償の原理と方法を中心に説明する。
先ず、テーブル機構20に生じる摩擦力の原因について説明する。テーブル機構20は少なくとも、第一の摩擦源と第二の摩擦源とに夫々起因する摩擦力を有する。第一の摩擦源に起因する摩擦力は、例えば、リニアガイド6A,6Bのブロック51の予圧、ボール螺子軸4A,4Bのボールナット5の予圧、ベアリング8の予圧等が考えられる。テーブル機構20としての剛性は予圧が高いほどが上がり且つ摩擦力も大きくなる。第二の摩擦源に起因する摩擦力は、例えば、オイルシール52、可動カバー54のシールの摺動抵抗である。摩擦力はシール性が上がると大きくなる。
上述の通り、摩擦力はテーブル3の移動方向が反転する時急激に変化する。テーブル3の移動方向が反転する時は、モータ2A,2Bの回転方向が反転し、ボール螺子軸4A,4Bの回転方向が反転する時である。例えば数値制御装置40は直交する2つの軸(X軸とY軸)を使って上述の円弧補間運動を行い、円弧切削を行う場合がある。このとき、テーブル機構20はオフセット予圧方式の送り機構を採用しているので、図12,図13に示すように、二段階で摩擦力の変化が現れる。この摩擦力の変化はクーロン摩擦に起因するものである。この反転時の摩擦力の変化に対して、モータ2A,2Bから出力されるトルクが追従できなくなって象限突起が発生する。
次に、クーロン摩擦に起因する摩擦力のモデル化について説明する。本実施形態では、クーロン摩擦に起因する摩擦力の変化について、図12,図13のグラフに基づき、次式のようにモデル化した。
・f=fc1(tanh(x/a)−1)sgn(x') ・・・(1)
・f=fc2(tanh(x/a)−1)sgn(x') ・・・(2)
・f=fc3(tanh((x−b)/a)−1)sgn(x') ・・・(3)
但し、x<bならばf=fc1+fc2、x≧bならばf=fc1+fc2+fc3
上記式において、fc1、fc2、fc3はクーロン摩擦トルク[Nm]、xは反転位置からのテーブル変位[m]、a、a、aは移動方向反転後の摩擦トルクの立ち上がりを決定する定数[m]、bは移動方向反転位置から摩擦力の二段目へ変化する開始点までの距離[m]である。x'はxの微分値である。そして、三つの関数f,f,fを組み合わせることで、クーロン摩擦力に起因する摩擦力の変化を表現できる。fが反転直後の急激な立ち上がり、fがなだらかな増加、fが2山目を表している。各パラメータは、図12の各測定値に合うように曲線適合することで、同定する。
次に、摩擦力の速度依存性について説明する。本実施形態は、クーロン摩擦以外にも、移動方向反転時に生じる摩擦力の変化の要因を、摩擦力の速度依存性と考えた。そこで、摩擦力の速度依存性を確認するために、テーブル3の等速運動実験を行い、送り速度とモータトルクとの関係を調べた。その結果を図3に示す。菱形のマークはX軸、正方形のマークはY軸の結果を示す。図3によると、その関係はX軸とY軸共にストライベック曲線になっていることが確認できた。象限突起は移動方向反転位置で発生するので、ストライベック曲線の影響を受けることが考えられる。さらに、図3の結果について、横軸の送り速度を対数に換算した結果を図4に示す。図4によると、X軸とY軸共に、送り速度の違いによって摩擦力が大きく変化していることが明確に確認できた。従って、移動方向反転時の摩擦力変動の要因は、クーロン摩擦に加え、ストライベック曲線の影響も受けることがわかった。
次に、ストライベック曲線のモデル化について説明する。図4に示す曲線をモデル化するために、送り速度v(mm/min)における補償量(Nm)をF(v)と置き、例えば図4における測定結果について送り速度が遅いほうから順番に1〜N番目まで番号を振るとき、x<|v|を満たす最大の速度(mm/min)をx、その時のモータトルク(Nm)をy(左記を満たすnが無い場合はn=1)と置くと、ストライベック曲線のモデルを次式のようになる。なお、後述するが、下記(4)(5)式は加速時のみ適用するのが望ましい。
[v≧0の場合]
Fn(v)={(yn+1−y)/(xn+1−x)}(v−x)+y−{y−x(y−y)/(x−x)} ・・・(4)
[v<0の場合]
Fn(v)={(yn+1−y)/(xn+1−x)}(v+x)−y+{y−x(y−y)/(x−x)} ・・・(5)
ここで、上記(4)(5)式はある速度vについてx<|v|を満たす最大の速度xとその時のモータトルクy及びx<xn+1となる速度xn+1とその時のモータトルクyn+1より、ストライベック特性に起因する摩擦力を線形補完により算出していることにほかならない。これらストライベック曲線のモデル(4)(5)式と、実験によって同定した各パラメータの情報は、ストライベック情報として、後述するストライベック特性推定部30が利用する。
本実施形態の摩擦補償器13は、クーロン摩擦に起因する摩擦力のモデル式である(1)〜(3)式に加え、ストライベック曲線のモデル式である(4)(5)式を併せて用いることによって、テーブル3の移動方向反転時に生じる摩擦力の変化を推定する。
図5を参照し、上記理論を実装した摩擦補償器13の構成を説明する。摩擦補償器13は実位置推定部21、微分器22、符号反転検出部23、積分器24、第一摩擦特性推定部26、第二摩擦特性推定部27、第三摩擦特性推定部28、微分器29、ストライベック特性推定部30、加算器31、応答遅れ補償部32を少なくとも備える。第一、第二、第三摩擦特性推定部26〜28、ストライベック特性推定部30は絶対値算出部と極性算出部とを内蔵する。絶対値算出部は入力した信号の絶対値を求める。極性算出部は入力した信号の時間微分した信号の極性を求める。
上位コントローラ10(図2参照)は位置指令信号を実位置推定部21に入力する。実位置推定部21はテーブル3の送り運動を行うサーボ制御系のモデルを用いる。実位置推定部21は位置指令信号に対応するテーブル3の実位置を推定して実位置信号を生成する。実位置推定部21は例えば一次遅れ要素等で構成しても良い。微分器22は実位置推定部21に接続する。微分器22は実位置信号を微分して速度信号として出力する。符号反転検出部23と積分器24は微分器22に接続する。
符号反転検出部23は速度信号の符号が反転することを検出する。符号反転検出部23はリセット信号を出力する。積分器24は速度信号を積分して実位置信号を復元する。積分器24は符号反転検出部23が出力するリセット信号ごとに積分値を零にリセットする。積分器24はテーブル3が移動方向を反転する位置からの変位信号を生成する。
第一摩擦特性推定部26と第二摩擦特性推定部27と第三摩擦特性推定部28は積分器24に接続する。ストライベック特性推定部30は微分器29を介して積分器24に接続する。第一摩擦特性推定部26は(1)式を用いて、摩擦トルクf〔N・m〕を求める。摩擦トルクfはテーブル3の移動方向反転後から急激に増加する。第二摩擦特性推定部27は(2)式を用いて、摩擦トルクf〔N・m〕を求める。摩擦トルクfはテーブル3の反転後からなだらかに増加する。第三摩擦特性推定部28は(3)式を用いて、摩擦トルクf〔N・m〕を求める。摩擦トルクfはテーブル3の移動方向反転後、所定量b移動した後に増加する。ストライベック特性推定部30は(4)(5)式を用いて、摩擦トルクf〔N・m〕を求める。摩擦トルクfはテーブル3の反転後からテーブル3の送り速度に依存して増減する。fは速度の加減速に応じて上記F(v)又はF(v)を入力する。加算器31は第一摩擦特性推定部26、第二摩擦特性推定部27、第三摩擦特性推定部28、ストライベック特性推定部30に夫々接続する。
加算器31はfとfとfとfを加算する。応答遅れ補償部32は加算器31の出力端に接続する。応答遅れ補償部32は伝達関数の逆関数で構成する。伝達関数はトルク指令信号からモータ2A,2Bが実際に出力するトルクまでの特性をモデル化したものである。トルク指令信号は電流制御増幅器15(図2参照)に入力する。応答遅れ補償部32は推定した摩擦トルクを乗算して摩擦補償信号を生成する。
次に、上記の摩擦補償器13を数値制御装置40に実装し、円運動実験を行った。図6,図7に実験結果を示す。図6は送り速度=0.316m/min、図7は送り速度=3.16m/minで行った結果である。図6,図7によると、何れにおいても反転前に切り込みや突起が発生しているのが確認できた。これは、ストライベック特性推定部30導入前(図14,図15参照)には見られなかった現象である。ストライベック特性推定部30は加速と減速を区別せずに同じ補償値を出力するが、テーブル機構20では摩擦力の速度依存性が加速時と減速時で異なる変化を示したことが原因であると考えられる。なお、本実施形態では、加速時とは、速度の絶対値が増加する現象をいい、減速時とは、速度の絶対値が減少する現象をいうものとする。
また、象限突起の一山目は、ストライベック特性を考慮した摩擦補償器13を適用した場合の方が、第一〜第三摩擦特性推定部26〜28だけを適用した場合よりも、象限突起を抑制できていることが確認できた。しかしながら、象限突起の二山目は、ストライベック特性を考慮した摩擦補償器13でも殆ど抑制できなかった。これは、等速運動によって得られた摩擦力の速度依存性と、加速及び減速時の摩擦力の速度依存性とが異なることによるものと考えられる。
そこで、摩擦補償器13において、加速時と減速時で、ストライベック特性推定部30による補償を使い分けることによる象限突起の抑制効果について実験を行った。実験は以下のケース1〜4を設定し、テーブル3が円運動を行った場合の指令位置との誤差について調べた。ケース1〜4の実験条件は以下の通りである。なお、以下説明では、ストライベック特性推定部30が数式(4)(5)を用いることによって行う補償をストライベック補償と呼ぶ。
[ケース1]
・ストライベック補償を加速時と減速時で適用。
・送り速度=316mm/min
・指令半径=10mm
[ケース2]
・ストライベック補償を加速時のみ適用。
・送り速度=316mm/min
・指令半径=10mm
[ケース3]
・ストライベック補償を加速時と減速時で適用。
・送り速度=3162mm/min
・指令半径=10mm
[ケース4]
・ストライベック補償を加速時のみ適用。
・送り速度=3162mm/min
・指令半径=10mm
なお、ケース1〜4では、ストライベック補償を適用した場合に加え、比較対象として、全く補償しなかった場合、ストライベック補償を適用せずに摩擦補償した場合についても、指令位置との誤差を夫々調べた。図8〜図11に実験結果を示す。グラフAは補償無し、グラフBは第一〜第三摩擦特性推定部26〜28のみを適用、グラフCは第一〜第三摩擦特性推定部26〜28に加え、ストライベック補償を更に適用した結果を示している。
図8,図9を参照し、ケース1,2の結果について説明する。ケース1では、加速時と減速時の両方で、ストライベック補償を適用した。図8に示すように、グラフAでは、反転後に象限突起を生じている。グラフBでは、グラフAよりも象限突起は小さくはなっているが、依然として残っている。グラフCでは、グラフBよりも象限突起は更に小さくなっているが、反転前に突起が発生しているのが確認できた。これに対し、ケース2では、図9に示すように、ケース1のグラフCで発生していた突起が消失しているのが確認できた。さらに、グラフCでは、グラフAの象限突起について、グラフBよりも更に小さくなっているのが確認できた。
図10,図11を参照し、ケース3,4の結果について説明する。ケース3,4では、ケース1,2に対して、送り速度を高速にしている。ケース3では、加速時と減速時の両方で、ストライベック補償を適用した。図10に示すように、グラフAでは、反転後に大きな象限突起を生じている。グラフBでは、グラフAよりも象限突起は小さくはなっているが、依然として残っている。グラフCでは、グラフBよりも象限突起は更に小さくなっているが、ケース1と同様に、反転前に突起が発生しているのが確認できた。これに対し、ケース4では、図11に示すように、ケース2と同様に、ケース3のグラフCで発生していた突起が消失しているのが確認できた。さらに、グラフCでは、グラフAの象限突起について、グラフBよりも更に小さくなっているのが確認できた。
以上の結果より、摩擦補償器13は、ストライベック補償を加速時のみ適用し、減速時は適用しないことで、テーブル3の移動方向反転時に生じる摩擦力又は摩擦トルクを高精度で推定し、象限突起を効果的に補正できることが実証された。上記結果を踏まえ、上記のストライベック特性推定部30は、加速時は上記(4)(5)式を用い、減速時は以下の(6)(7)式を用いるのが望ましい。tはサンプリング周期である。
(減速時)
[v≧0の場合]
(v)=(Ft−1/vt−1)v
[v<0の場合]
(v)=−(Ft−1/vt−1)v
以上説明において、テーブル3が本発明の移動体に相当し、ロータリーエンコーダ60が本発明の位置検出機構に相当し、上位コントローラ10が本発明の制御部に相当に相当し、位置制御器11が本発明の速度生成部に相当し、微分器16が本発明の速度検出機構に相当し、速度制御器12が本発明のトルク生成部に相当し、摩擦補償器13が本発明の摩擦推定部に相当し、加算器14が本発明の補正部に相当する。第一摩擦特性推定部26と第二摩擦特性推定部27が本発明の第一摩擦推定部に相当し、第三摩擦特性推定部28が本発明の第二摩擦特性推定部に相当し、ストライベック特性推定部30が本発明の第三摩擦特性推定部に相当する。
以上説明したように、本実施形態の数値制御装置40は摩擦補償器13を備える。摩擦補償器13はモータ2A,2Bの回転方向が反転し、テーブル3の移動方向が反転後に発生する摩擦力を推定する。摩擦補償器13は、第一摩擦特性推定部26、第二摩擦特性推定部27、第三摩擦特性推定部28、ストライベック特性推定部30を備える。第一〜第三摩擦特性推定部26〜28は、クーロン摩擦に起因する摩擦トルクを推定する。ストライベック特性推定部30は、テーブル3の送り速度に応じて変化する摩擦トルクを推定する。故に数値制御装置40はクーロン摩擦に起因する摩擦力の変動に加え、テーブル3の速度変化による摩擦力の変動を抑制できる。故に数値制御装置40は象限突起を従来よりも更に抑制できる。
また上記実施形態では、ストライベック特性推定部30は、ストライベック情報に基づき、ロータリーエンコーダ60と微分器16で検出した速度に対応する摩擦トルクを推定する。ストライベック情報は、テーブル3の送り速度と摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示した情報である。故に数値制御装置40はテーブル3の速度変化による摩擦力の変動も抑制できる。
また上記実施形態では、ストライベック特性推定部30は、テーブル3の送り速度の絶対値が増加する場合にのみ、ストライベック情報を用いて、送り速度に対応する摩擦力又は摩擦トルクを推定する。故に数値制御装置40はテーブル3の速度変化による摩擦力の変動を良好に抑制できる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず、種々の変更が可能である。上記実施形態はテーブル3を移動体とする。移動体は工具を掴んだ主軸を支持する機構としてもよい。テーブルは固定しておく。機構は主軸ヘッドとコラムで構成してもよい。主軸ヘッドは主軸を回転可能に支持する。コラムは主軸ヘッドを上下又は前後に移動可能に支持する。
上記実施形態は、クーロン摩擦に起因する摩擦力の変化を上記(1)〜(3)式で推定するが、他の式を用いて推定してもよい。摩擦補償器13は3つの摩擦特性推定部26〜27を用いて、クーロン摩擦に起因する摩擦力の変化を推定するが、3つ以上の摩擦特性推定部を用いてもよい。
上記実施形態はオフセット予圧方式の送り機構を用いた。本発明はダブルナット予圧方式の送り機構においても同様の効果を得ることができる。ダブルナット予圧方式の送り機構はオフセット予圧方式と同様な摩擦特性を有する。ダブルナット予圧方式の送り機構は一つのナットを一対のナットと間座とで構成したものである。また、摩擦補償器13についてはその他の与圧方式(オーバサイズボール与圧等)を用いた送り機構にいてもまた同様の効果を得ることができる。
2A,2B モータ
3 テーブル
4A,4B ボール螺子軸
4B ボール螺子軸
5 ボールナット
10 上位コントローラ
11 位置制御器
12 速度制御器
13 摩擦補償器
14 加算器
26 第一摩擦特性推定部
27 第二摩擦特性推定部
28 第三摩擦特性推定部
30 ストライベック特性推定部
40 数値制御装置
60 ロータリーエンコーダ

Claims (2)

  1. ボール螺子軸と該ボール螺子軸に外嵌するボールナットとを有し該ボールナットに固定した移動体を移動する送り機構と、前記ボール螺子軸を回転駆動するモータと、前記モータで移動した前記移動体の位置を前記モータの回転量に基づいて検出する位置検出機構と、該位置検出機構が検出した前記移動体の位置と制御部が生成する位置指令とが一致するように速度指令を生成する速度生成部と、前記モータの速度を検出する速度検出機構と、前記速度検出機構が検出した速度と前記速度生成部が生成した速度指令とが一致するようにトルク指令を生成するトルク生成部と、前記モータの回転方向が反転後に発生する摩擦力又は摩擦トルクを推定する摩擦推定部と、前記摩擦推定部で推定した摩擦又は摩擦トルクに基づいて前記トルク指令を補正する補正部とを備えた数値制御装置において、
    前記摩擦推定部は、
    前記移動体の移動方向が反転後から前記移動体の移動量に応じて増加する前記送り機構に起因する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第一摩擦推定部と、
    前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体が所定量移動した後、前記移動体の移動量に応じて増加する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第二摩擦推定部と、
    前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体の移動する速度に依存する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第三摩擦推定部と
    を備え、
    前記第一摩擦推定部と前記第二摩擦推定部と前記第三摩擦推定部の夫々で推定した摩擦力又は摩擦トルクを加算し、
    前記第三摩擦推定部は、
    前記速度検出機構が検出した速度の絶対値が増加する場合にのみ、前記移動体の速度と前記摩擦力又は摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示したストライベック情報を用いて、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定すること
    を特徴とする数値制御装置。
  2. ボール螺子軸と該ボール螺子軸に外嵌するボールナットとを有し該ボールナットに固定した移動体を移動する送り機構と、前記ボール螺子軸を回転駆動するモータと、前記モータで移動した前記移動体の位置を前記モータの回転量に基づいて検出する位置検出機構とを備えた数値制御装置が行うもので、該位置検出機構が検出した前記移動体の位置と制御部が生成する位置指令とが一致するように速度指令を生成する速度生成工程と、前記モータの速度を検出する速度検出機構と、前記速度検出機構が検出した速度と前記速度生成工程で生成した速度指令とが一致するようにトルク指令を生成するトルク生成工程と、前記モータの回転方向が反転後に発生する摩擦力又は摩擦トルクを推定する摩擦推定工程と、前記摩擦推定工程で推定した摩擦又は摩擦トルクに基づいて前記トルク指令を補正する補正工程とを備えた摩擦補償方法において、
    前記摩擦推定工程は、
    前記移動体の移動方向が反転後から前記移動体の移動量に応じて増加する前記送り機構に起因する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第一摩擦推定工程と、
    前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体が所定量移動した後、前記移動体の移動量に応じて増加する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第二摩擦推定工程と
    前記移動体の移動方向が反転後に前記移動体の移動する速度に依存する摩擦力又は摩擦トルクを推定する第三摩擦推定工程と
    を備え、
    前記第一摩擦推定工程と前記第二摩擦推定工程と前記第三摩擦推定工程の夫々で推定した摩擦力又は摩擦トルクを加算し、
    前記第三摩擦推定工程は、
    前記速度検出機構が検出した速度の絶対値が増加する場合にのみ、前記移動体の速度と前記摩擦力又は摩擦トルクとの関係をストライベック曲線で示したストライベック情報を用いて、前記速度検出機構が検出した速度に対応する前記摩擦力又は摩擦トルクを推定すること
    を特徴とする摩擦補償方法。
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