JP6051655B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、太陽光がありさえすれば発電が可能な、COなどの温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギー源である。近年では、太陽電池モジュールの薄膜化、軽量化、フレキシブル化が進んでおり、樹脂基板を用いた太陽電池モジュールが提案されている(例えば特許文献1)。
また、樹脂基板を用いた太陽電池モジュールは、ラミネータを用いた真空加熱圧着により製造されるのが一般的であり、ラミネートによる太陽電池モジュールのしわの抑制のために、太陽電池モジュールの被覆材の表面に凹凸を形成させることが提案されている(特許文献2)。
特開平09−92848号公報 特許3288876号公報
特許文献2に開示の方法では、表面樹脂フィルムの外側に凹凸形状を有するシート状の部材を配置し、圧着することで凹凸を付している。しかしながら、本発明者らが、表面に凹凸を形成させた太陽電池モジュールを作製したところ、結露凍結環境下に暴露された際に、太陽電池素子の電極部の破損によって電気的特性が低下するという問題が起こることを発見した。フレキシブルな太陽電池(シート状)において電極部が極めて脆く、実用上、重要な課題である。本発明はこのような問題を解決するものであり、結露凍結環境下に長期間晒されても太陽電池素子の電極部の破損が生じにくい太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、表面の凹凸構造のパターンが、結露凍結環境下に暴露された際の太陽電池素子の電極部の破損に関係性があることを発見した。これらの知見に基づきさらに研究を重ね、太陽電池モジュールの表面の凹凸を、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)が長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)よりも短いものにすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の概要は以下のとおりである。
本発明は、樹脂基板上に太陽電池、および表面保護層を有する、単位太陽電池セルを複数配置した太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュールは、受光面に凹凸を有し、該凹凸は、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)が長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)よりも短いことを特徴とする、太陽電池モジュールである。
また、前記樹脂基板の線膨張係数が10ppm以上であることが好ましい。また、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)と長軸方向における凹凸
の平均間隔(Sm2)との比(Sm2/Sm1)が1.2以上であることが好ましい。
本発明によれば、結露凍結環境下に長期間晒されても太陽電池素子の電極部の破損が生じにくい太陽電池モジュールを得ることができる。
太陽電池のモノリシック構造を説明するための図である。 比較例の太陽電池モジュールを表す概念図である。 実施例の太陽電池モジュールを表す概念図である。
本発明について、以下に具体的に説明する。
本発明は、樹脂基板上に太陽電池、および表面保護層を有する、単位太陽電池セルを複数配置した太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュールは、受光面に凹凸を有し、該凹凸は、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)が長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)よりも短いことを特徴とする。
更に表面保護シート、耐擦傷性層、防汚層等その他の公知の層を備えてもよい。また、樹脂基板に線膨張係数の大きい層を設ける場合においては、樹脂基板の上に応力緩衝層を設けることもある。
複数配置された単位太陽電池セルは、通常、直列または並列に接続されており、直列に接続されているのが好ましい。また、接続の形式はモノリシック構造でもディスクリート構造でもよいが、モノリシック構造が好ましい。単位太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造が最も好ましい。そして、必要とされる出力に応じて、単位太陽電池セルの数や配置方法を決めることができる。単位太陽電池セルとは、後述する、発電層と電極を含む発電素子の一単位を指す。また、太陽電池の種類は特に限定されないが、薄膜太陽電池が好ましい。
以下、発電層、上部電極および下部電極を備えた太陽電池セルが直列に接続されたモノリシック構造を有する太陽電池について図1を用いて説明する。図1により、発電層がp−i−n接合型である場合を例にして説明するが、バルクヘテロ接合型、ヘテロpn接合型、ショットキー型、等、公知の発電層でも同様である。
太陽電池は、通常発電素子基材上に複数の太陽電池セルを形成させることで製造される。発電素子基材1は公知の基板が使用でき、具体的には例えば厚さ0.05〜1mm程度のガラス、金属箔又は耐熱性の高分子フィルム等が挙げられる。太陽電池モジュールの受光面が発電素子基材1側の場合には、透明な基板を用いるのが好ましい。受光面が上部電極6側の場合には、発電素子基材1は透明でも不透明でも良い。(a)図の通り、発電素子基材1の上に開溝11を持つ下部電極2を形成する。電極の形成はドライ法、ウェット法のいずれでもよい。ドライ法としては例えばスパッタ、蒸着、CVD等公知の方法が挙げられる。ウェット法としては、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。第1の開溝11の幅は50〜1000μm特に100〜500μm程度が好ましい。
次に、(b)図の通り、下部電極2の上にp層3を形成する。p層3を下部電極2の全面に形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料で埋められる。また、p層3を下部電極2上にパターンを形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料によって埋められないこともある。
次に、(c)図の通り、下部電極2およびp層3の上にi層4およびn層5を順次成膜
する。次いで、(d)図の通り、p層3の上に形成されたi層4、n層5に、第1の開溝11と重ならないように、その近傍に数10〜100μm程度離れて下部電極2に達する第2の開溝12をレーザスクライブにより形成する。第2の開溝の幅は50〜1000μm特に100〜500μm程度が好ましい。この第2の開溝12を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。これによりp層3、i層4およびn層5は短冊状の形状に分離される。
次に、(e)図の通り、上部電極6を形成する。第2の開溝12は上部電極6の材料で埋められる。第2の開溝12は、単位太陽電池セルの上部電極を隣接する単位太陽電池セルの受光面の下部電極2と接続するためのものであるから、下部電極2に達していなければならない。
その後、(f)図の通り、上部電極6、n層5、i層4及びp層3をレーザスクライブして第3の開溝13を形成して、単位太陽電池セルに分割する。開溝13は隣接する単位太陽電池セルの上部電極6を分割するものであるから、i層4を突き抜けずにi層4の途中で止まってもよく、i層4からさらにp層3を突き抜けて下部電極2に入り込んでもよい。この第3の開溝13を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。各単位太陽電池セルの上部電極6は、開溝12内を埋める上部電極6の材料によって隣接する単位太陽電池セルの下部電極2と導通しているので、各単位太陽電池セルが直列に接続された太陽電池が得られる。こうして各単位太陽電池セル間が複雑な、かつ薄い電極の積層構造により接続されているため、結露凍結試験のような温度湿度変化に対して極めて弱い箇所となっている。
発電層(この実施の形態では、p層3、i層4及びn層5)を構成する材料は、200〜1200nm特に250〜900nmとりわけ250〜600nmの波長の光の吸収性が良く、発電層は効率よく切断(スクライブ)される。上部電極6を構成する材料は、この波長の光を吸収するものであってもよく、吸収しなくてもよい。上部電極6の構成材料がこの波長の光を吸収しない場合であっても、その下の発電層がレーザスクライブにより除去されるときに、その上側の上部電極構成材料が併せて除去されて第3の開溝13が形成されるようになる。上部電極6の構成材料が光吸収材料に限定されないところから、上部電極の構成材料の選択肢が広がる。
<凹凸構造>
本発明の太陽電池モジュールは受光面に凹凸を有し、該凹凸は、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)が長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)よりも短いことを特徴とする。このように凹凸を形成することで、太陽電池モジュールを結露凍結下に長期間晒した場合に、発電素子基材の長軸方向の線膨張による歪が短軸方向のそれよりも小さくなるため、太陽電池素子の電極部の破損が生じにくくなる。太陽電池素子の電極部の破損が生じにくくなると、太陽電池モジュールの出力が低下しにくくなる。
ここで、凹凸の平均間隔Smとは、JIS B0601に準拠して、表面粗さ形状測定機(例えば、株式会社東京精密社製サーフコム570A等が挙げられる)により測定した値をいう。単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)とは、太陽電池モジュールの受光面の凹凸のうち、単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔のことであり、同様に、単位太陽電池セルの長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)とは、太陽電池モジュールの受光面の凹凸のうち、単位太陽電池セルの長軸方向における凹凸の平均間隔のことである。
凹凸の平均間隔は、0.05mm以上20mm以下であることが好ましく、0.1mm
以上15mm以下であることがより好ましく、0.15mm以上10mm以下が最も好ましい。上記範囲であると、しわの発生を抑制することができる。上限値を超えると、最表面の層や太陽電池セルにしわが入り易くなる恐れがあり、場合によっては出力の低下を伴う恐れもある。一方、下限値を下回ると、太陽電池セルに局所的な応力が生じ易くなる場合もあり、太陽電池素子の電極部の破損が生じる危険性がある。
また、単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)と長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)との比(Sm2/Sm1)が1.2以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が最も好ましい。
また、凹凸の最大高さRzは、しわの発生や太陽電池の欠陥を抑えるという観点から、1μm以上300μm以下であることが好ましく、3μm以上250μm以下であることがより好ましく、5μm以上200μm以下がより好ましい。凹凸の最大高さRzは凹凸の平均間隔Smと同様に、JIS B0601に準拠して、表面粗さ形状測定機により測定することができる。
このような凹凸を形成させる方法として、熱プレス(ラミネート)時に凹凸を形成させても良いし、太陽電池モジュールを作製した後に凹凸を転写しても良い。生産性良く凹凸を形成させることができる観点から、熱プレス時に凹凸を形成する方が好ましい。
また、凹凸を形成させる部材として、凹凸を転写させるための部材を用いてもよいし、予めそのような凹凸が形成された積層体を用いても良い。凹凸を転写させるための部材として、目的の凹凸を転写させるための形状が形成されている部材であれば何でも良く、シート状の部材、表面に凹凸を形成するための構造が形成された金型、凹凸を形成させるための構造が形成されたフィルムを用いることが好ましい。特に、凹凸を効率よく、転写できる観点から、シート状の部材や表面に凹凸を形成させるための構造が形成された金型を用いることが好ましい。
シート状の部材として、アルミニウムメッシュ、ステンレスメッシュ、ガラス繊維不織布、ガラス繊維織布、有機樹脂繊維不織布、有機樹脂繊維織布などを用いても良く、さらにこれらの部材をポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリコンレジンなどの離形性の良い樹脂で含浸させたシートを用いても良い。
離形性が良く、生産性が高いことから、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体で被覆されたガラス繊維不織布、ガラス繊維織布、有機樹脂繊維不織布、有機樹脂繊維織布を用いることが好ましい。
表面の凹凸の形状は前記Sm1およびSm2の関係を満たすものであれば特に限定されない。凹凸形状としては、太陽電池モジュールの断面形状が、正弦波形、円形、楕円形、多角形(台形、三角形、四角形等)等、またはこれらの組み合わせの幾何学的形状が連続した形状となるものが挙げられる。凹凸に対してランダムな方向からの応力を緩和できる観点から、正弦波形または、円形若しくは楕円形、またはこれらの組み合わせが連続した断面を有する波形であること好ましい。また、太陽電池モジュールの表面の模様は、SNP
模様、SSE模様、布目模様、梨地模様、線模様、木目模様、皮模様、幾何学模様、みかん
肌模様、ゆず肌模様、メロン肌模様、カラリ模様、岩肌模様、ディンプル模様、岩目模様、サンドブラスト模様、平織模様、線模様、幾何学模様、平編模様、朱子織模様、綾織模様、千鳥格子模様、網目模様などが挙げられ、中でも、同じ形状が連続的、周期的に形成されることが好ましく、平織模様、線模様、幾何学模様、平編模様、朱子織模様、綾織模様、千鳥格子模様、網目模様などが好ましい。
<表面保護層>
太陽電池モジュールの表面保護層として用いる部材として、多くの太陽光を光電変換層に供給する観点から、表面保護層の全光線透過率は80%以上、好ましくは90%以上である。上限は特に限定されないが、通常99%以下である。全光線透過率の測定方法は、例えば、JIS K 7361−1による。
表面保護層としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が挙げられる。好ましくは、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
表面保護層の厚さは通常0.02mm以上である。好ましくは0.03mm以上または0.03mmを超える厚さであり、より好ましくは0.05mm以上である。一方上限は特段限定されないが、1mm以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、耐衝撃性と柔軟性を両立することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールでは、表面保護層の外側(太陽光側)に更に表面保護シートを備えてもよい。本発明において表面保護シートを備えることは表面保護層の傷つきや劣化を抑制し、全光線透過率を維持するため好ましい。表面保護シートを構成する材料は、耐候性フィルムが好ましく、通常使用される公知のものを使用することができる。
耐候性フィルムの材料となる樹脂としては、例えばエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等が挙げられる。これらの中でもエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましい。
耐候性保護フィルムの厚さは特に制限されないが、通常10μm以上、好ましくは20μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。
表面保護シートと表面保護層との間に接着層を備えてもよい。接着層の材質等は特に制限されないが、通常例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、マレイン酸またはシラン等で変性した変性ポリエチレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、またエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等の光透過性の材料が用いられる。接着層の厚さは特に制限されないが例えば200〜500μmのシート状が好ましい。接着層は、表面保護シート以外の層の接着にも用いることができる。
<太陽電池>
太陽電池は、太陽光を電気に変換する発電素子と、発電素子の形状変化を抑制するための発電素子基材から構成されている。本発明では、発電素子の一単位を、単位太陽電池セルという。その他、必要に応じて、ガスバリア層、波長変換層、UV吸収層を積層してもよい。
上記発電素子は、耐候層側から入射される太陽光に基づき発電を行う素子である。この
発電素子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、変換によって得られた電気エネルギーを外部に取り出せるものであれば、特に限定されない。
発電素子としては、一対の電極で発電層(光電変換層、光吸収層)を挟んだもの、一対の電極で発電層と他層(バッファ層等)との積層体を挟んだもの、そのようなものを複数個、直列接続したものを用いることができる。発電層としては様々なものを採用することができるが、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、球状シリコン、無機半導体材料、有機色素材料、または有機半導体材料からなる層であることが好ましい。これらの材料を用いることで、発電効率が比較的高く、薄い(軽量な)発電素子を実現できる。さらに効率を上げる観点から、これらを積層したHIT型、タンデム型でもよい。
発電層を薄膜多結晶シリコン層とした場合、発電素子は間接光学遷移を利用するタイプの素子となる。そのため、発電層を薄膜多結晶シリコン層とする場合には、光吸収を増加させるために、後述する発電素子基材又はその表面に凸凹構造を形成するなど十分な光閉じ込め構造を設けておくことが好ましい。
発電層をアモルファスシリコン層とした場合、可視域での光学吸収係数が大きく、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる太陽電池を実現できる。しかも、アモルファスシリコンは、非結晶質の材料であるが故に、変形にも耐性を有している。そのため、発電層をアモルファスシリコン層とした場合、特に軽量な、変形に対してもある程度の耐性を有する太陽電池モジュールを実現できる。
発電層を無機半導体材料(化合物半導体)層とした場合、発電効率が高い発電素子を実現することが出来る。なお、発電効率(光電変換効率)の観点からは、発電層をS、Se、Teなどカルコゲン元素を含むカルコゲナイド系発電層とすることが好ましく、I−III−VI2族半導体系(カルコパイライト系)発電層としておくことがより好ましく、I族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系発電層、特に、CIS系半導体〔CuIn(Se1−y)2;0≦y≦1〕層やCIGS系半導体〔Cu(In1−xGa)(Se1−y)2;0<x<1、0≦y≦1〕〕層としておくことが、好ましい。
発電層として、酸化チタン層及び電解質層などからなる色素増感型発電層を採用しても、発電効率が高い発電素子を実現することができる。有機半導体層を採用することもできる。
有機半導体層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(n層)を積層した積層型(ヘテロpn接合型)、PIN型、ショットキー型およびそれらの組み合わせを挙げることができる。中でも、バルクヘテロ接合型が好ましい。
p型半導体化合物とは、その膜が正孔を輸送できるp型半導体として動作する材料であるが、π共役高分子材料やπ共役低分子有機化合物などが好ましく用いられ、一種の化合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。共役高分子材料は単一あるいは複数のπ共役モノマーを重合したものであり、そのモノマーとしては、置換基を有してもよいチオフェン、フルオレン、カルバゾール、ジフェニルチオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノシロール、ジチエノシクロヘキサン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン、イミドチオフェン、ベンゾジチオフェン等が挙げられ、分子量は1万以上の材料である。これらの
モノマーは直接結合するか、CH=CHやC三C、NやOを介して結合していてもよい。
低分子有機半導体材料としてはペンタセンやナフタセン等の縮合芳香族炭化水素、チオフェン環を4個以上結合したオリゴチオフェン類、ポルフィリン化合物やテトラベンゾポルフィリン化合物及びその金属錯体、並びにフタロシアニン化合物及びその金属錯体等、が挙げられる。
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、フラーレン化合物及びその誘導体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類が挙げられる。フラーレンとしてはC60又はC70等があげられ、そのフラーレンの2個の炭素に置換基を付加したもの、4個の炭素に置換基を付加したもの、さらには6個の炭素に置換基を付加したものが挙げられる。フラーレン化合物は、塗布法に適用できるようにするためには、当該フラーレン化合物が何らかの溶媒に対して溶解性が高く溶液として塗布可能であることが好ましい。
発電層に有機半導体層を使用する場合には、正孔取出層および/または電子取出層を積層するのが好ましい。
正孔取出層の材料は、ポリチオフェン、ポリピロール、又はポリアニリンなどに、スルホン酸及び/又はハロゲンなどがドーピングされた導電性ポリマーや、酸化モリブデンや酸化ニッケルのような、仕事関数の大きな金属酸化物が用いられる。
電子取出層の材料は特に限定されないが、具体的には、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。無機化合物としては、LiF等のアルカリ金属の塩や酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型の酸化物半導体が挙げられる。有機化合物としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)のようなフェナントレン誘導体や、P=OあるいはP=S構造を有するホスフィン化合物が挙げられ、中でも、リン原子に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基ホスフィン化合物が好ましい。
発電素子の各電極は、導電性を有する任意の材料を1種又は2種以上用いて形成することができる。電極材料(電極の構成材料)としては、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属、あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO:酸化スズインジウム);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;そのような導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
電極材料は、正孔又は電子を捕集するのに適した材料としておくことが好ましい。なお、正孔の捕集に適した電極材料(つまり、高い仕事関数を有する材料)としては、金、ITO等を例示できる。また、電子の捕集に適した電極材料(つまり、低い仕事関数を有する材料)としては、銀、アルミニウムを例示できる。
発電素子の各電極は、発電層とほぼ同サイズのものであっても、発電層よりも小さなものであっても良い。ただし、発電素子の,受光面側(耐候層側)の電極を、比較的に大きなもの(その面積が、発電層面積に比して十分に小さくないもの)とする場合には、当該電極を、透明な(透光性を有する)電極、特に、発電層が効率良く電気エネルギーに変換できる波長の光の透過率が比較的に高い(例えば、50%以上)電極、としておくべきである。なお、透明な電極材料としては、ITO、IZO(酸化インジウム−亜鉛酸化物)等の酸化物;金属薄膜などを、例示できる。
発電素子の各電極の厚さ及び発電層の厚さは、必要とされる出力等に基づき、決定する
ことが出来る。さらに電極に接するように補助電極を設置してもよい。特に、ITOなど導電性のやや低い電極を用いる場合には効果的である。補助電極材料としては、導電性が良好ならば上記金属材料と同じ材料を用いることができるが、銀、アルミニウム、銅が例示される。
上記発電素子基材は、その一方の面上に、発電素子が形成される部材である。そのため発電素子基材は、機械的強度が比較的に高く、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、且つ軽量なものであることが望まれる。また、発電素子基材は、変形に対して或る程度の耐性を有するものであることも望まれる。そのため、発電素子基材としては、金属箔や、融点が85〜350℃の樹脂フィルム、幾つかの金属箔/樹脂フィルムの積層体を採用することが好ましい。
発電素子基材(又は、その構成要素)として使用し得る金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、金、銀、銅、チタン、ニッケル、鉄、それらの合金からなる箔を、例示できる。また、融点が85〜350℃の樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVDF、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどからなるフィルムを、例示できる。なお、発電素子基材として使用する樹脂フィルムは、上記のような樹脂中に、ガラス繊維、有機繊維、炭素繊維等を分散させたフィルムであってもよい。
なお、発電素子基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点が85〜350℃の範囲である場合には、発電素子基材の変形が生じず発電素子との剥離が生じないため、好ましい。また、発電素子基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点は、100℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましく、150℃以上であることが特に好ましく、180℃以上であることが最も好ましい。また、当該樹脂フィルムの融点は、300℃以下であることがより好ましく、280℃以下であることがさらに好ましく、250℃以下であることが特に好ましい。
<封止層>
太陽電池モジュールは、通常、太陽電池と後述する樹脂基板との間に少なくとも一層の封止層を有する。このような封止層を設けることで、上述した発電素子を封止するとともに、耐衝撃性等を太陽電池モジュールに付与することができる。
封止層は、上述した太陽電池と樹脂基板との間に積層されることに加え、太陽電池の受光面側にも積層されることで、発電素子の耐衝撃性の向上に寄与できる。太陽電池モジュールでは、太陽電池の上下を挟むように封止層が積層される態様が好ましい。
この封止層として積層される材料には、日射透過率が比較的高い樹脂材料で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等を使用することができ、これらの1種以上の混合体、若しくは共重合体を使用できる。中でもEVAが好ましい。
封止層の厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることが
より好ましく、300μm以上であることが更に好ましい。一方、1000μmであることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。封止層の厚さを上記範囲とすることで、適度な耐衝撃性を得ることができると共に、コストおよび重量の観点からも好ましく、発電特性も十分に発揮することができる。
太陽電池モジュールの封止層には、紫外線吸収剤が添加されていてもよい。そのような紫外線吸収剤としては、市販されているものを含め、特段の限定なく用いることができる。例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。封止層に紫外線吸収剤を添加する場合には、封止層全量に対して0.01重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましい。一方、この含有量は1重量%以下であることが好ましく、0.8重量%以下であることがより好ましく、0.6重量%以下であることが特に好ましい。0.01重量%未満であると、紫外線吸収効果を発揮することが難しくなり、1重量%を超えるとブリードアウトの原因となるからである。
また、上記封止層がシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤が含まれていることで、封止層とそれに接する層との接着性が向上する。シランカップリング剤としては、官能基としてアルキル基を有するものが好ましく例示でき、具体的には、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基等が挙げられる。封止材とシランカップリング剤の重量比は、封止材の重量を100としたとき、0.1〜2.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましく、0.5〜0.7であることが特に好ましい。このような範囲とすることで、接着性を好適なものとすることができる。ここでいうシランカップリング剤を含むとは、封止材にシランカップリング剤を添加ないしは混合することを意味し、シランカップリング剤は太陽電池モジュールの積層前に予め封止材に添加ないし混合しておいてもよいし、積層時に封止材に添加ないし混合してもよい。
<基板>
本発明の太陽電池モジュールは、樹脂基板を有する。本発明に用いる樹脂基板には、後述の金属樹脂積層板も含まれる。基板として樹脂基板を使用することから、本発明の太陽電池モジュールは可撓性を有する。
樹脂基板に用いる樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー(TPO)として、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー等が好ましく、特に機械特性と耐光性が良いことから、ETFE、PC、PVC、TPO、PMMAが望ましい。
樹脂基板としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ガラスクロス繊維、ナイロン繊維、セルロース繊維、炭素繊維、アクリル繊維などの合成樹脂からなる織布または不織布でも良く、柔軟性を付与するために、樹脂含浸された不織布でも良い。
金属樹脂積層板として、アルミ、ステンレス、銅、チタン、鉄、それらの合金からなる板状部材の間に層間樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6、ポリアミド66、これらをブレンドしたものやこれらのコポリマーを積層したものが好ましい。さらに、こ
れらの層間樹脂中に燐酸エステル化合物、塩化パラフィンなどのハロゲン化合物、酸化アンチモン、水酸化アンチモン、ホウ酸バリウム、ガラス繊維、水酸化アルミ、水酸化ナトリウムなどの無機物を含むものであっても、何らかの手法により発泡させたものであっても良い。
本発明の樹脂基板の厚みは、通常0.1mm以上10mm以下であり、0.5mm以上8mm以下であることがより好ましい、1mm以上6mm以下であることが好ましい。上限値を超えると熱収縮時に生じる応力が大きくなりすぎてしまい、太陽電池セルへのダメージが生じ、出力の低下につながる危険性がある。一方、下限値を下回るとモジュールの屈曲性が大きくなり、形状変化に伴い生じる局所的な応力が太陽電池モジュールへダメージを与える恐れがある。
また、熱的性質として、線膨張係数が10ppm以上であり、15ppm以上がより好ましい、20ppm以上がもっとも好ましい。上限は、特に制限されないが、通常200ppm以下、100ppm以下がより好ましい。上限値を超えると、凸凹形状に関わらず、樹脂基板の熱膨張/収縮により面方向全面に対して応力が生じる場合があるため、太陽電池素子の電極部の破損が生じ易くなる恐れがある。一方、下限値を下回ると、封止層などとの線膨張整数差が大きくなる場合があり、層間の剥離の原因となる恐れがある。線膨張係数の測定方法は、例えば、ASTM D696などによる。
<その他の層>
本発明の太陽電池モジュールには、必要に応じその他の層を備えることもできる。例としては、緩衝層、補強層、電気絶縁層、ガスバリア層、紫外線カット層、耐候性保護層、耐擦傷性層、防汚層、などが挙げられる。
緩衝層は、基板に線膨張係数の大きい材料を用いる場合、応力緩衝のために用いる層である。緩衝層には、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂を用いることができる。緩衝層を用いる場合、緩衝層と基板との間に接着層を用いてもよい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、公知の方法を用い得るが、例えば表面保護層、封止層、太陽電池、封止層、樹脂基板等を含む多層シートを、真空ラミネーション装置内へ配置し、真空引きの後、加熱し、一定時間経過後に冷却することにより、太陽電池モジュールを得ることができる。熱プレス時に凹凸を形成させる場合は、ここで表面保護層等の受光面の最も外側の層の上に、凹凸を転写させるための部材をのせる。本発明で規定する凹凸を表面へ転写させるためには、本発明で規定する凹凸を有する転写部材を用いることでも良いが、既存の転写部材の表面への押接角度を変化させることでも可能である。具体的には、従来、図2のように凹凸の転写が行われていた転写部材の押接角度を変化させることで図3のように、本発明の規定を満たす凹凸とすることができる。このように凹凸を形成することで、太陽電池セル間に存在する間隙部の凹凸が減る。
上記熱プレス条件は特に限定されず、通常行う条件で実施することができる。
真空条件で行うことが好ましく、通常真空度が30Pa以上、好ましくは50Pa以上、より好ましくは80Pa以上である。一方上限は、通常150Pa以下、好ましくは120Pa以下、より好ましくは100Pa以下である。上記範囲とすることで、モジュー
ル内の各層において気泡の発生を抑制することができ、生産性も向上するため好ましい。
真空時間としては、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。一方上限は、通常8分以下、好ましくは6分以下、より好ましくは5分以下である。真空時間を上記範囲とすることで、熱プレス後の太陽電池モジュールの外観が良好となり、またモジュール内の各層において気泡の発生を抑制することができるため好ましい。
熱プレスの加圧条件は、通常圧力が50kPa以上、好ましくは70kPa以上、より好ましくは90kPa以上である。一方上限値は、101kPa以下であることが好ましい。上記範囲の加圧条件とすることで、太陽電池モジュールを損傷することなく、また適度な接着性を得ることができるため、耐久性の観点からも好ましい。
上記圧力の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は、通常30分以下、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下である。上記保持時間とすることで、封止層の発電素子を保護する機能を十分に発揮することができ、また十分な接着強度を得ることができる。
熱プレスの温度条件は、通常120℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上である。一方上限値は、通常180℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下である。上記温度範囲とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
また、上記温度の加熱時間は、通常10分以上、好ましくは12分以上、より好ましくは15分以上である。一方上限は60分以下、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。上記加熱時間とすることで、封止材の架橋が適度に行われるため耐久性能が向上し、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。
このようにして得られた本発明の太陽電池モジュールは、薄肉かつ軽量であるにもかかわらず太陽電池セルの破壊を抑制する耐衝撃性を有し、また、たわみや振動を抑制する機能を持つために、トラック等の車両に取り付けることができる。
以下、本発明の太陽電池モジュールについて図面を参照して説明するが、本発明はこのような実施態様のみに限定されるわけではない。
図2の太陽電池モジュール20は、単位太陽電池セル21を複数有し、また、凹凸を転写させるための部材によって、凹凸22を有している。図2の太陽電池モジュールにおいては、単位太陽電池セルの長軸方向における凹凸の間隔23と単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の間隔24とを比較すると、単位太陽電池セル21の長軸方向において、間隔の狭い凹凸が形成されている。
図3の太陽電池モジュール20は、図2と同様に、単位太陽電池セル21を複数有し、また、凹凸を転写させるための部材によって、凹凸22を有しているが、凹凸を転写させるための部材を、単位太陽電池セル21の長軸方向に対して約45度回転させた状態で、凹凸を転写させたものである。このように転写することで、単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔が長軸方向における凹凸の平均間隔よりも短くなる。こうすることで、結露凍結試験を行っても太陽電池素子の電極部の破損が生じにくくなり、出力を維持できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明が以下の実施例にのみ限定
されないことはいうまでもない。
本発明の実施例における評価は、以下の方法を用いた。
<凹凸形状の測定方法>
10cm角の太陽電池モジュールの表面を、作製した各試料の表面形状と、目視による外観等との関係を明らかにするために、JIS B0601に準拠して、最大高さRz、凹凸の平均間隔Smを、表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密社製サーフコム570A)により測定した。最大高さRz、凹凸の平均間隔Smは単位太陽電池セルに対して、短軸方向と長軸方向をそれぞれ測定した。
<結露凍結試験>
エスペック社製耐候性試験機(SH264)を用いて、−40℃2時間、85℃,85rh%2時間を1サイクルとし、150サイクル試験した。
<出力評価>
セリック社製ソーラーシミュレータを用い、太陽電池モジュールの出力特性を測定し、結露凍結試験前後のFill Facter(FF)(曲線因子)を評価し、試験前後の最大出力Pmを測定した。
また、最大出力の変化率として、試験前の最大出力に対する試験後の最大出力の変化の比率を求めた。
<電極部の破損の観察>
キーエンス社製光学顕微鏡VHXを用いて、結露凍結試験後の太陽電池素子の電極部の破損の有無を観察した。
<実施例1>
(出力評価用太陽電池モジュールの作製)
表面保護層:厚さ50μmのエチレン−四フッ化エチレン共重合体(以下、ETFEと記載)フィルム(旭硝子株式会社製50HK−DCS)、
封止層:厚さ300〜400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載)フィルム、
太陽電池:太陽電池(ポリエチレンナフタレート(以下、PENと記載)フィルム上にアモルファスシリコン系発電層を積層)、
封止層:同EVAフィルム、
緩衝層:PETフィルム(三菱樹脂社製、厚さ100μm)、
接着層:同EVAフィルム、
樹脂基板:厚さ2.5mmのポリカーボネート基材(三菱樹脂製、線膨張係数65ppm)の順で重ね合わせた。
最表面のETFEフィルム上に、凹凸付与材として、縦線と横線が直角に織られた平織りのガラスクロスを単位太陽電池セルの長軸方向に対して、凹凸付与材の縦線を45°傾けて積層した。NPC社製真空ラミネータを使用し、125℃で熱プレス(真空度80Pa、真空時間5分、加圧時間5分、保持30分)して出力評価用の太陽電池モジュール1A(合計厚み3.7mm)を作製した。
(凹凸形状の測定)
凹凸形状測定用の太陽電池モジュール1Bは、モジュールサイズを10cm角とした以外は、出力評価用太陽電池モジュール1Aと同様の方法で作製した。
太陽電池モジュール1Bの単位太陽電池セルの短軸方向、長軸方向の最大高さRzは、それぞれ239μm、236μmであった。
単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)は2.3mm、長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)は、3.4mmであった(Sm2/Sm1=1.48)。評価結果は表1に示す。
(出力評価)
太陽電池モジュール1Aは、露凍結試験前後での最高出力の変化率は4%であった。
(電極部の破損の観察)
結露凍結試験後の太陽電池を観察した結果、電極部の破損は観察されなかった。
<比較例1>
(出力評価用太陽電池モジュールの作製)
最表面のETFEフィルム上に用いる凹凸付与材を単位光電変換部の長軸方向に対して、実施例1と同一の凹凸付与材の縦線を平行に積層した以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール2A(合計厚み3.7mm)を作製した。
(凹凸形状の測定)
凹凸形状測定用の太陽電池モジュール2Bは、モジュールサイズを10cm角とした以外は、出力評価用太陽電池モジュール2Aと同様の方法で作製した。
太陽電池モジュール2Bの単位太陽電池セルの短軸方向、長軸方向の最大高さRzは、それぞれ237μm、239μmであった。
単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)は3.1mm、長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)は2.3mmであった。(Sm2/Sm1=0.74)
(出力評価)
太陽電池モジュール2Aは、結露凍結試験前後での最高出力の変化率は9%であった。
(電極部の破損の観察)
結露凍結試験後の太陽電池を観察した結果、電極の破損が観察された。
Figure 0006051655
1 発電素子基材
2 下部電極
3 p層
4 i層
5 n層
6 上部電極
11 第1の開溝
12 第2の開溝
13 第3の開溝
20 太陽電池モジュール
21 単位太陽電池セル
22 凹凸
23 単位太陽電池セルの長軸方向における凹凸の間隔
24 単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の間隔

Claims (7)

  1. 樹脂基板上に太陽電池、および表面保護層を有する、単位太陽電池セルを複数配置した太陽電池モジュールであって、
    複数配置された単位太陽電池セルは直列に接続されたモノリシック構造であり、
    前記太陽電池モジュールは、受光面に凹凸を有し、
    該凹凸は、前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)が長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)よりも短いことを特徴とする、太陽電池モジュール。
  2. 前記樹脂基板の線膨張係数が10ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記単位太陽電池セルの短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)と長軸方向における凹凸の平均間隔(Sm2)との比(Sm2/Sm1)が1.2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記樹脂基板の厚みが、0.1mm以上10mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記短軸方向における凹凸の平均間隔(Sm1)は0.05mm以上20mm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記凹凸の最大高さRzは、1μm以上300μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記表面保護層が、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、又はポリエ
    チレン(PE)である、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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