JP2003243689A - 太陽電池用カバーガラス、その製法及び該カバーガラスを使用した太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用カバーガラス、その製法及び該カバーガラスを使用した太陽電池モジュール

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JP2003243689A
JP2003243689A JP2002361896A JP2002361896A JP2003243689A JP 2003243689 A JP2003243689 A JP 2003243689A JP 2002361896 A JP2002361896 A JP 2002361896A JP 2002361896 A JP2002361896 A JP 2002361896A JP 2003243689 A JP2003243689 A JP 2003243689A
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cover glass
light
glass
cell module
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Junichi Kageyama
淳一 陰山
Kazuo Sato
一夫 佐藤
Mika Kanbe
美花 神戸
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】日中及び年間を通じて、太陽電池モジュール内
に入射する光量を高め、かつ/又は、 光入射側における
光の反射による光公害等が有効に防止された太陽電池カ
バー透明基板とその製法及びその基板を有する太陽電池
モジュールを提供する。 【解決手投】太陽電池用カバーガラスの光入射面側に略
全面に亘って半球状の凹部40を形成し、凹部中央部の
深さdと凹部の開口部半径Dとの比であるd/Dを0.
10〜0.50とし、かつ、光入射面側において凹部4
0が形成されていない平坦部の占める面積比率を40%
以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用カバー
ガラス、その製法及び該カバーガラスを使用した太陽電
池モジュールに係り、特に、建物の屋根に施工されて太
陽光発電に用いられる太陽電池用カバーガラス、その製
法及び該カバーガラスを使用した太陽電池モジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、 CO2 の増加や資源の枯渇といっ
た環境問題に対応して、新エネルギが注目されている。
その中でも太陽光発電が有望視されている。その中心と
なる太陽電池モジュールには、結晶系と薄膜系のモジュ
ールがある。
【0003】結晶系の太陽電池モジュールは、小面積の
結晶板(ウェーハ)をモジュールの大きさのガラス板
(カバーガラス)の上に複数枚配置し、配線して、 EV
A(エチレン酢酸ビニル共重合体)などの充填材、及び
テドラ(Tedler)(登録商標)などの裏面保護材を用い
て封止保護して構成される。
【0004】また、 薄膜系の太陽電池モジュール(基板
一体型太陽電池モジュール)は、 モジュールの大きさの
ガラス板の上に直接、 透明電極層、 薄膜半導体層、及び
裏面電極層を順次形成し、レーザスクライブ等のパター
ニング手段により各層を分離し、接続して、所望の電
圧、電流を得ている。封止保護については、結晶系の太
陽電池モジュールと同様の充填剤及び裏面保護材が用い
られる。
【0005】一方、太陽電池モジュールの設置について
の最近の状況をみると、住宅の屋根の上に設置したり、
屋根の機能を兼ねる形としての屋根一体型太陽電池モジ
ュールとして設置されることが多い。
【0006】太陽電池モジュールを住宅の屋根に設置す
る場合、太陽電池モジュールの表面が鏡のようになり、
太陽光が反射され、 「眩しさ」や「ぎらつき」などの問
題や、風景や空が太陽電池モジュール表面に映り込み、
建物自体や周辺の住宅との美観が損われるという問題が
生じるケースが考えられる。
【0007】このような問題について、従来より以下の
ような工夫が行なわれている。たとえば、 結晶系の太陽
電池モジュールにおいては、カバーガラスに型板ガラス
を用いることにより、カバーガラス表面で光の乱反射や
拡散を起こすことが提案されている。実際、このような
目的に使用するためのカバーガラスとして、 専用の型板
ガラスが販売されている。
【0008】また、 1982年には、 これらの型板ガラ
スが屋根瓦式太陽電池モジュールに利用されたことが、
GE社(General EIectric Company)により開示されて
いる(非特許文献1参照)。
【0009】一方、 薄膜系の太陽電池モジュールにおい
ては、 小さな面積のサブモジュールを結晶系の太陽電池
モジュールと同様な構造で封止して、そのカバーガラス
に上述の専用型板ガラスを用いることが検討されてい
る。また、 たとえば、 完成した太陽電池モジュールの表
面に、ビーズを混入した光を拡散する樹脂を塗布するこ
とが提案されている(特許文献1参照)。
【0010】その他、関連する技術として各種の提案が
なされている(特許文献2、3参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平6−45628号公報
【0012】
【特許文献2】特開平11−330508号公報
【0013】
【特許文献3】特開平11−74552号公報
【0014】
【非特許文献1】第16回lEEE Photovoltaic Speciali
sts Conference(議事録p. 828〜p. 833)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法は、 太陽電池モジュールの表面が鏡のようにな
り、 太陽光が反射され、 「眩しさ」や「ぎらつき」など
という反射光害を解決し、防眩効果をもたせた表面形状
を得ようとして開発されたものであり、 その形状は必ず
しも太陽電池の性能向上に向いているとはいえなかっ
た。
【0016】例えば、特許文献1に開示されるように、
表面カバーガラス上に有機系樹脂を用いて光散乱層を形
成した場合には、 樹脂とガラスとの屈折率の相違から入
射光が界面で反射されるため、光入射量が減少するとい
う問題があった。
【0017】また、 太陽電池モジュールの表面反射率は
光の入射角度に強く依存するため、太陽光が斜めから入
射する朝や夕方に多くの光を反射し、太陽電池の出力が
極端に低下するという問題があった。
【0018】更に、 これまでの報告では、特許文献2の
ように、表面形状の具体的な記載はなく、 たとえ表面形
状が定量化されていたとしても、特許文献3のように算
術平均粗さRaで表記されているだけであり、製品化する
に当たっての具体的な形状は言及されていなかった。
【0019】本発明は、 上述の問題点を解決し、出力を
従来以上に向上させることができ、かつ、光入射側にお
ける光の反射による光公害等が有効に防止された表面形
状を有する太陽電池用カバーガラス、その製法及び該カ
バーガラスを使用した太陽電池モジュールを提供するこ
とを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手投】本発明は、 前記目的を達
成するため、太陽電池用カバーガラスであって、前記カ
バーガラスの光入射面側には略全面に亘って半球状の凹
部が形成されており、該凹部中央部の深さdと該凹部の
開口部半径Dとの比であるd/Dが0.10〜0.50
であり、かつ、前記光入射面側において該凹部が形成さ
れていない平坦部の占める面積比率が40%以下である
ことを特徴とする太陽電池用カバーガラス及び該カバー
ガラスを使用した太陽電池モジュールを提供する。
【0021】このような表面形状を有するカバーガラス
であれば、出力を従来以上に向上させることができ、か
つ、光入射側における光の反射による光公害等が有効に
防止できる。
【0022】本発明において、単位面積あたりの前記凹
部の個数が160個/cm2 以上であることが好まし
い。このような条件のカバーガラスであれば、本発明の
効果がより有効に発揮できるからである。
【0023】また、本発明は、 表面に凹凸が刻印された
ロール部材と他のロール部材との間に溶融したガラスが
供給されロールアウト成形されることにより形成される
ことを特徴とする上記の太陽電池用カバーガラスの製法
を提供する。他のロール部材の表面は平滑でも凹凸が刻
印されていてもよい。
【0024】このようなロールアウトによる製法を採用
すれば、安定した品質のカバーガラスが連続して製造で
き、大量生産に好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って、本発明
に係る太陽電池用カバーガラスの好ましい実施の形態に
ついて詳説する。
【0026】図1は、太陽電池パネル10の構造を模式
的に示した平面図、図2はその側断面図である。太陽電
池パネル10は、太陽電池用カバーガラス12の平坦な
裏面にEVA膜14を介して7行×6列の多結晶セル1
6、16…が積層されるとともに、これらの多結晶セル
16、16…に裏面保護材17が積層され、周縁部がフ
レーム部材42で支持された窓枠状に形成されている。
そして、多結晶セル16、16…同士はリード線44に
より直並列に接続され、裏面保護材17の裏面に固定さ
れた端子ボックス18より出力が取り出されるように構
成されている。
【0027】裏面保護材17は、多結晶セル16を湿気
から保護するために設けるものであり、 アルミ箔の表裏
面に耐候性に富むフッ素樹脂などをコーティングした部
材(以下、アルミーフッ素樹脂積層体という)で構成さ
れる。
【0028】カバーガラス12としては、日中を通して
入射光量が多く出力が高くなるように、また、汚れが溜
まりにくく防眩性を高めるために、その光入射面の略全
面に亘って半球状の凹部40が形成されており(図3〜
図6参照)、凹部40の中央部の深さdと凹部40の開
口部半径Dとの比であるd/Dが図3〜図5では0.4
57と、図6では0.267となっている。また、光入
射面側において凹部40が形成されていない平坦部の占
める面積比率がそれぞれ、図3では9.3%、図4では
36%、図5では5.0%、図6では25%となってい
る。
【0029】以下、カバーガラス12の詳細について説
明する。図3〜図6は、太陽電池用カバーガラスの概略
図であり、それぞれの図において、(a)は平面図であ
り、(b)は拡大側断面図である。また、図8は、太陽
電池用カバーガラスの光線透過率特性を示すグラフであ
る。
【0030】図3(b)、図4(b)及び図5(b)に
示されるように、凹部40の開口部半径Dは350μm
であり、凹部40の中央部の深さdは160μmであ
り、その結果d/Dは0.457となる。また、図6
(b)に示されるように、凹部40の開口部半径Dは3
00μmであり、凹部40の中央部の深さdは80μm
であり、その結果d/Dは0.267となる。
【0031】図3(a)において、凹部40の平面配置
は、俵積み状の配置パターンとなっている。すなわち、
凹部40、40同士は左右に隣接して配され、その上下
の段の凹部40、40は半ピッチずらして隣接して配さ
れている。また、上下の凹部40、40も隣接して配さ
れている。その結果、最密充填状の配置となっている。
【0032】左右方向のピッチは700μmであり、上
下方向のピッチは606μmである。また、既述のよう
に、開口部半径Dは350μmである。したがって、光
入射面側における凹部40が形成されていない平坦部の
占める面積比率は9.3%となっている。また、単位面
積あたりの該凹部の個数は240個/cm2 である。
【0033】図4(a)において、凹部40の平面配置
は、格子状の配置パターンを45度回転させた配置とな
っている。左右方向のピッチは550μmであり、上下
方向のピッチは550μmである。また、既述のよう
に、開口部半径Dは350μmである。したがって、光
入射面側における凹部40が形成されていない平坦部の
占める面積比率は36%となっている。また、単位面積
あたりの該凹部の個数は170個/cm2 である。
【0034】図5(a)において、凹部40の平面配置
は、図3(a)と同様の俵積み状の配置パターンとなっ
ている。その結果、左右方向のピッチは700μmであ
り、上下方向のピッチは606μmである。また、既述
のように、開口部半径Dは350μmである。本構成
は、更に凹部40が形成されていない平坦部において、
小径の凹部40aが形成されており平坦部の面積が極力
小さくなるように構成されている。したがって、光入射
面側における凹部40が形成されていない平坦部の占め
る面積比率は5.0%となっている。また、単位面積あ
たりの該凹部の個数は707個/cm2 である。
【0035】図6(a)において、凹部40の平面配置
は、図3(a)の配置パターンをわずかに広げた配置と
なっている。すなわち、隣接する凹部40は、わずかな
距離(図6では、40μm×2)をおいて配置されてい
る。ここで、凹部40を囲む六角形は、凹部40の配置
を見やすくするために便宜的に記載したものであり、何
らかの溝や突起があることを示すものではない。また、
開口部半径Dは300μmであり、凹部40の中央部の
深さdは80μmであり、その結果、d/Dは0.26
7となっている。また、光入射面において凹部40が形
成されていない平坦部の占める面積比率は25%となっ
ている。また、単位面積あたりの該凹部の個数は270
個/cm2 である。
【0036】図7に示されるような比較例において、凹
部40の開口部半径Dは350μmであり、凹部40の
中央部の深さdは80μmであり、その結果d/Dは
0.229となる(図7(b)参照)。また、図7
(a)において、凹部40の平面配置は、格子状の配置
パターンを45度回転させた配置となっている。左右方
向のピッチは620μmであり、上下方向のピッチは6
20μmである。また、既述のように、開口部半径Dは
350μmである。したがって、光入射面側における凹
部40が形成されていない平坦部の占める面積比率は5
0%となっている。また、単位面積あたりの該凹部の個
数は130個/cm2 である。
【0037】上記の太陽電池用カバーガラス12の光線
透過率特性を、図8に示すグラフで説明する。図8にお
いて、例1は図3に示される構成のカバーガラス12の
特性を、例2は図4に示される構成のカバーガラス12
の特性をそれぞれ示す。また、例4、例5は比較例であ
り、例4は凹部40が形成されていない平坦な板ガラス
の特性を、例5は図7に示される構成のカバーガラスの
特性をそれぞれ示す。
【0038】上記いずれの例においても、光入射角が0
〜40度付近では光線透過率は95%以上の値であり、
60度付近より減少が大きくなっていき、90度で減少
が最大となる。ただし、光入射角が略65度以上の領域
において、本発明の実施例である例1、例2は、比較例
である例4、例5と比べて減少の傾きが小さい。すなわ
ち、本発明のカバーガラスは、入射角依存性が少なく、
どの角度から光が入射しても、光を太陽電池内に取り込
むことができるという利点がある。
【0039】したがって、光入射角が略65度以上の領
域における光線利用率が、本発明の実施例と比較例で大
いに異なることとなる。その結果になる太陽電池の発電
量等については後述する。
【0040】以上、上記の代表例以外の各種条件を検討
した結果、d/D、平坦部の占める面積比率、及び単位
面積あたりの凹部の個数にについては、以下の最適範囲
を見出した。
【0041】d/Dの値が0.10未満では良好な結果
が得られず、一方、d/Dの値が0.5超では、製造が
困難である。光線透過率特性の点では、d/Dの値は
0.15〜0.50の範囲が好ましく、0.30〜0.
50の範囲がより好ましく、0.45〜0.50の範囲
が更に好ましい。
【0042】凹部40が形成されていない平坦部の占め
る面積比率が40%超では、入射角が大きいときに透過
率が低くなり、太陽電池の出力が低くなる。光線透過率
特性の点では、凹部40が形成されていない平坦部の占
める面積比率は30%以下が好ましく、20%以下が更
に好ましい。
【0043】また、凹部40の単位面積あたりの個数が
160個/cm2 より少ないと、光線入射角が大きいと
きに透過率が低くなり、太陽電池の交換効率が低くな
る。光線透過率特性の点では、凹部40の単位面積あた
りの個数は170個/cm2 以上が好ましく、200個
/cm2 以上が更に好ましい。単位面積あたりの凹部4
0の個数は、カバーガラス表面の任意の1cm×1cm
の範囲内に配置されている凹部40の個数を数えること
によって求められる。
【0044】このようなカバーガラス12は、図9に示
す型板ガラス製造装置20によって製造される。型板ガ
ラス製造装置20は、タンク窯22、上下一対の水冷ロ
ール24、26及び搬送ロール28、28…等から構成
される。タンク窯22に溜められた溶融ガラスGは、タ
ンク窯22の堰から水冷ロール24、26間に連続供給
され、水冷ロール24、26間の隙間と略等しい厚さの
ガラスリボン30に成形される。そして、このガラスリ
ボン30は、水冷ロール24、26…の回転で引き出さ
れるとともに搬送ロール28、28…によって不図示の
レヤーに送り込まれ、ここで常温まで徐々に冷却され
る。これにより、カバーガラス12が製造される。
【0045】製造時において、カバーガラス12の光入
射面には略全面に亘って半球状の凹部が形成されてお
り、該凹部中央部の深さdと該凹部の開口部半径Dとの
比であるd/Dが0.10〜0.50であり、かつ、前
記光入射面側において該凹部が形成されていない平坦部
の占める面積比率が40%以下となるように、水冷ロー
ル26(水冷ロール24でもよい)の表面には規則的な
凸模様が形成されている。これにより、水冷ロール26
の前記規則的な凸模様がガラスリボン30の表面(カバ
ーガラス12の光入射面13に相当)に転写するので、
ポリシングやエッチング及びブラスト加工等の後加工を
必要とせず、良好な性能のカバーガラス12を製造する
ことができる。
【0046】太陽電池用カバーガラス12は、建物の屋
根に施工される太陽電池用カバーガラスの他、塀、壁面
に施工される太陽電池用カバーガラスにも用いられる。
また、太陽電池は多結晶、単結晶、非結晶のいずれのも
のも用い得る。また、太陽電池用カバーガラス12の光
入射面とは反対側の面も凹凸形としてもよい。前記の例
では、フィルム状のアルミ−フッ素樹脂積層体からなる
裏面保護材17を用いたが、その他、フィルム状の有機
材料、板状の有機材料、無機材料(たとえばガラス)、
有機−無機複合材料などを用いることができる。
【0047】
【実施例】多結晶セル16は、例えばシリコン基板内に
p-n 接合部(不図示) を設け、表面と裏面に銀などから
成る櫛歯状電極を設けて構成される。この多結晶セル1
6を銅などから成るリード線で直列に接続する。また、
端部の多結晶セル16は、所望の出力が得られるように
リード線で直並列に接続し、 太陽電池パネル10を形成
する太陽電池モジュールの裏面側に設けられた端子部の
端子ボックス18から起電力を取り出す。
【0048】多結晶セル16の裏面側には、裏面保護材
17が配設される。
【0049】多結晶セル16の表面側には、太陽電池用
カバーガラス12が配設される。太陽電池用カバーガラ
ス12と裏面保護材17との間には、エチレン・ ビニル
・ アセテート膜(EVA膜)14などの透光性樹脂が充
填され接着される。太陽電池用カバーガラス12と保護
シートの周縁部には、アルミニウムなどから成るフレー
ム部材42が設けられる。
【0050】また、太陽電池用カバーガラス12の厚さ
は3.2mm、可視光線透過率は約91%である。更
に、供試体である太陽電池用カバーガラス12は、15
0mm角の多結晶セルを図1の如く42個直並列に接続
し、約1000mm角のガラスを使用してモジュール化
した。製造方法は、図1の構成の積層体をゴム袋に入
れ、減圧したのち、オーブンで150℃で30分程度加
熱し、その後、自然冷却してモジュール化した。冷却
後、端子ボックスを取り付けた。
【0051】以上のように作製された太陽電池モジュー
ルを真南向きの方位で、設置傾斜角約30度にして屋外
に設置し、1年間の発電試験を神奈川県で行った。
【0052】また、防眩性テストを行った。テストは、
上記モジュールを30度の架台に取り付けて晴天日の南
中時に太陽光の反射具合を目視にて観察した(官能検査
による)。
【0053】以上の評価結果を図10の表に示す。
【0054】図10の表において、例1は図3に示され
る構成のカバーガラス12の特性を、例2は図4に示さ
れる構成のカバーガラス12の特性を、例3は図6に示
される構成カバーガラス12の特性をそれぞれ示す。ま
た、例4乃至例6は比較例であり、例4は凹部40が形
成されていない平坦な板ガラスの特性を、例5は図7に
示される構成のカバーガラスの特性を、例6は表面が梨
地状の板ガラスの特性をそれぞれ示す。。
【0055】太陽電池用カバーガラス12の表面形状
は、凹部中央部の深さd、凹部の開口部半径D、両者の
比であるd/D、及び、凹部が形成されていない平坦部
の占める面積比率として示される。
【0056】太陽電池の発電量は、太陽光の入射が最も
垂直に近づく6月のものと年間の総計である年間の総発
電量の2種が示される。また、いずれの場合も例4(平
坦な表面(鏡面)のガラスのもの)の値を基準にどれだ
け向上したかの値(単位:%)が示されている。
【0057】防眩性は、以下の基準で判定された。
【0058】◎:防眩性が十分であり、映り込みがな
い。
【0059】○:映り込みが多少あるが実用上問題無
し。
【0060】×:防眩性が不十分であり、太陽光の反射
光が眩しい。
【0061】以上の実験結果から分かるように、カバー
ガラスの光入射面の凹部中央部の深さdと該凹部の開口
部半径Dとの比であるd/Dが0.10〜0.50であ
り、かつ、光入射面側において凹部が形成されていない
平坦部の占める面積比率が40%以下である例1、例2
及び例3の太陽電池用カバーガラス12では、従来品
(例4)に比べて、6月の発電量でそれぞれ5.0%、
3.4%、4.2%向上し、年間の総発電量でそれぞれ
1.92%、1.28%、1.54%向上した。また、
防眩性を高めることができた。
【0062】これに対し、従来品である例5、例6で
は、6月の発電量でそれぞれ2.5%、0.8%向上
し、年間の総発電量でそれぞれ0.83%、0.32%
向上したに留まる。
【0063】以上本発明の実施例を結晶系太陽電池モジ
ュールを例に詳述したが、本発明はかかる構造の太陽電
池モジュールに限定されるものではなく、スーパースト
レート型やサブストレート型の非晶質の太陽電池モジュ
ールについても適応し得るものである。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る太陽電池モ
ジュールによれば、 太陽電池素子の受光面側に配設した
透光性ガラスの表面側に球状の凹部が最密充填に配置さ
れたことにより、日中、年間を通じて太陽電池モジュー
ルヘの光入射量が増加し、発電量が増加する。更に、 太
陽光が散乱して反射し、太陽光の反射を極力防止でき、
近隣家屋の住民に迷惑を懸けたり、道路通行者が太陽電
池モジュールの反射光で眩惑されることが防止でき、ま
た、美観も維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカバーガラスが適用された太陽電池パ
ネルの平面図である
【図2】図1に示した太陽電池パネルの側断面図である
【図3】実施例の太陽電池用カバーガラスの概略図であ
り(a)は平面図であり、(b)は拡大側断面図である
【図4】他の実施例の太陽電池用カバーガラスの概略図
であり(a)は平面図であり、(b)は拡大側断面図で
ある
【図5】更に他の実施例の太陽電池用カバーガラスの概
略図であり(a)は平面図であり、(b)は拡大側断面
図である
【図6】更に他の実施例の太陽電池用カバーガラスの概
略図であり(a)は平面図であり、(b)は拡大側断面
図である
【図7】比較例の太陽電池用カバーガラスの概略図であ
り(a)は平面図であり、(b)は拡大側断面図である
【図8】太陽電池用カバーガラスの光線透過率特性を示
すグラフである
【図9】型板ガラス製造装置の概略構造図である
【図10】実施例の評価結果を示す表である
【符号の説明】
10…太陽電池パネル、12…太陽電池用カバーガラ
ス、14…EVA膜、16…多結晶セル、17…裏面保
護材、18…端子ボックス、20…型板ガラス製造装
置、22…タンク窯、24、26…水冷ロール、28…
搬送ロール、30…ガラスリボン、40…凹部、42…
フレーム部材、44…リード線
フロントページの続き (72)発明者 神戸 美花 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA03 BA03 BA11 JA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池用カバーガラスであって、 前記カバーガラスの光入射面側には略全面に亘って半球
    状の凹部が形成されており、 該凹部中央部の深さdと該凹部の開口部半径Dとの比で
    あるd/Dが0.10〜0.50であり、かつ、前記光
    入射面側において該凹部が形成されていない平坦部の占
    める面積比率が40%以下であることを特徴とする太陽
    電池用カバーガラス。
  2. 【請求項2】 単位面積あたりの前記凹部の個数が16
    0個/cm2 以上である請求項1に記載の太陽電池用カ
    バーガラス。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸が刻印されたロール部材と他
    のロール部材との間に溶融したガラスが供給されロール
    アウト成形されることにより形成されることを特徴とす
    る請求項1又は2のいずれか1項に記載の太陽電池用カ
    バーガラスの製法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のいずれか1項に記載の
    太陽電池用カバーガラスを使用して形成された太陽電池
    モジュール。
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