以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示すカラオケシステムは、本発明に係る歌唱動画再生システムに相当し、ホスト装置1とカラオケ装置2とユーザー端末3とを有している。そして、これらが通信回線4を介して通信可能に接続されている。ホスト装置1は、コラボレーション歌唱に際してカラオケ装置2で再生される歌唱動画データを多数記憶しており、利用者によって選択された歌唱動画データ(歌唱映像データと歌唱音声データの組)を対象のカラオケ装置2へ送信する。そして、カラオケ装置2は、受信した歌唱動画データを再生し、利用者にコラボレーション歌唱を行わせる。以下、カラオケシステムを構成する各装置1〜3について説明する。
まず、ホスト装置1について説明する。ホスト装置1は、サーバーとして機能し、顧客情報や歌唱動画データといった各種情報を蓄積して管理する。図2に示すように、ホスト装置1は、ホスト側制御部11と、ホスト側通信部12と、ホスト側記憶部13とを有している。
ホスト側制御部11は、ホスト装置1における制御の中心となる部分であり、CPU11aやメモリ11bを有している。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。ホスト側通信部12は、ホスト装置1を通信回線4に接続するためのインタフェースを提供する。そして、ホスト側制御部11及びホスト側通信部12の組は、ホスト側記憶部13に記憶された各種のデータをカラオケ装置2に対して送信するデータ送信手段に相当する。
ホスト側記憶部13は、大容量の情報を記憶する記憶装置であり、ハードディスクドライブ等によって構成されている。ホスト側記憶部13の一部領域は、顧客情報記憶領域、歌唱音声データ記憶領域、歌唱映像データ記憶領域、閲覧用動画データ記憶領域として用いられている。
顧客情報記憶領域には、歌唱者毎の識別情報である利用者IDに対応付けられた状態で、性別、年齢、生年月日、住所等の個人情報や、利用店舗、利用日時、歌唱履歴等の履歴データが記憶されている。
歌唱音声データ記憶領域には、カラオケ歌唱時に取得された歌唱音声データが記憶され、歌唱映像データ記憶領域には、カラオケ歌唱時に取得された歌唱映像データが記憶されている。これらの歌唱音声データや歌唱映像データは、歌唱動画コンテンツの基となる歌唱動画データであり、カラオケ楽曲毎の識別情報である楽曲IDや利用者IDといった各種の情報に対応付けられた状態で記憶されている。
本実施形態において、歌唱音声データはMP3形式のデータが用いられ、歌唱映像データはMPEG2形式のデータが用いられている。また、歌唱映像データに関し、同一の歌唱映像について、ファイルサイズの異なる2種類のデータが記憶されている。すなわち、低画質でデータサイズが相対的に小さい小サイズ映像データ(第1歌唱映像データ)と、高画質でデータサイズが相対的に大きい大サイズ映像データ(第2歌唱映像データ)が記憶されている。
なお、後述するように、コラボレーション歌唱が行われるとカラオケ装置2からは歌唱映像データを含む各種のデータがアップロードされる。このとき、カラオケ装置2からアップロードされる歌唱映像データは、大サイズ映像データである。そして、小サイズ映像データは、大サイズ映像データを変換することによりホスト装置1で生成される。
ここで、大サイズ映像データは、1枚のフレームを構成するドット数が、小サイズ映像データを構成するドット数よりも多く定められている。また、大サイズ映像データは単位時間あたりのフレーム数も、小サイズ映像データのフレーム数よりも多く定められている。これにより、大サイズ映像データに基づく再生映像は、小サイズ映像データに基づく再生映像よりも高い画質になる。
以上の説明から理解できるように、ホスト側記憶部13の歌唱音声データ記憶領域は、或る歌唱映像に対応する歌唱音声データが記憶された歌唱音声データ記憶手段に相当する。また、歌唱映像データ記憶領域は、或る歌唱映像が記録された小サイズ映像データ(第1歌唱映像データ)、及び、或る歌唱映像が記録されるとともに小サイズ映像データよりも高画質でデータサイズの大きな大サイズ映像データ(第2歌唱映像データ)が記憶された歌唱映像データ記憶手段に相当する。
閲覧用動画データ記憶領域には、ユーザー端末3に閲覧させるための閲覧用動画データが記憶される。この閲覧用動画データは、ユーザー端末3で再生される歌唱動画コンテンツの基となるデータである。本実施形態の閲覧用動画データは、WMV形式やMP4形式の動画データであり、MPEG2形式の小サイズ映像データを利用して生成されている。
次に、カラオケ装置2について説明する。このカラオケ装置2は、カラオケ演奏や歌唱時における映像や音声の記録等を行う装置であり、図1に示すように、例えばカラオケ店KBの各カラオケルームRMに設置されている。そして、図3に示すように、カラオケ装置2は、カラオケ本体21と、スピーカ22と、モニタ23と、マイク24と、ビデオカメラ25と、リモコン装置26とを有している。
カラオケ本体21は、選択されたカラオケ楽曲の演奏制御、歌詞及び背景映像の表示制御、マイク24を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う部分である。このカラオケ本体21については、後で詳しく説明する。
スピーカ22は、カラオケ本体21に接続されており、カラオケ本体21からの放音信号に基づいて放音する。モニタ23もカラオケ本体21に接続されており、カラオケ本体21からの映像信号に基づいて映像を画面に表示する。そして、スピーカ22は、カラオケ本体21とともにデータ再生手段(放音手段)として機能し、モニタ23もまた、カラオケ本体21とともにデータ再生手段(映像表示手段)として機能する。
マイク24もカラオケ本体21に接続されており、歌唱者の音声をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ本体21に入力させる。このような機能を有するマイク24は、歌唱音声入力手段に相当する。ビデオカメラ25もカラオケ本体21に接続されており、歌唱中の映像を歌唱映像信号に変換してカラオケ本体21に入力させる。このような機能を有するビデオカメラ25は、歌唱映像撮影手段に相当する。
リモコン装置26は、カラオケ本体21との間で情報を送受信するための双方向通信可能な短距離無線通信部を備えており、カラオケ楽曲の予約時などに操作される。カラオケ楽曲の予約時において、リモコン装置26からは、演奏対象の楽曲を識別するための楽曲IDを含んだ操作信号が送信される。登録された利用者がリモコン装置26を通じてログインした場合、その利用者の利用者IDがホスト装置1に送信される。そして、リモコン装置26には、マイページに登録された歌唱動画や歌唱履歴等の各種情報が表示される。
また、本実施形態のリモコン装置26は、ユーザー端末3としても機能する。この場合、リモコン装置26は、近隣のアクセスポイント(図示せず)、及び、通信回線4を経由してホスト装置1に接続される。このため、利用者は、カラオケ店KBに居ながらにして、マイページにアクセスできる。
次に、カラオケ本体21について詳細に説明する。図4に示すように、カラオケ本体21は、本体側制御部31と、本体側通信部32と、本体側記憶部33と、音響処理部34と、表示処理部35と、映像入力部36と、操作部37とを有している。そして、これらの各部がバスを介して通信可能な状態に接続されている。
本体側制御部31は、カラオケ本体21における制御の中心となる部分であり、CPU31aやメモリ31bを有している。CPU31aは、メモリ31bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。例えば、操作部37からの操作を受け付ける操作入力処理やシーケンサとして動作するシーケンサ処理を行う。メモリ31bは、CPU31aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。
本体側通信部32は、カラオケ本体21(カラオケ装置2)を通信回線4に接続するためのインタフェースを提供する。この本体側通信部32は、本体側制御部31によって動作が制御される。そして、ホスト装置1(ホスト側記憶部13)に記憶された各種のデータは通信回線4を通じて送信されるので、本体側制御部31及び本体側通信部32の組はホスト装置1から送信された各種のデータを受信するデータ受信手段に相当する。
本体側記憶部33は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスクドライブによって構成されている。この本体側記憶部33には、例えば、楽曲データ記憶領域、背景映像データ記憶領域、歌唱映像データ記憶領域、歌唱音声データ記憶領域、コラボ用動画データ記憶領域が設けられる。
楽曲データ記憶領域には、リモコン装置26で選択されたカラオケ楽曲を演奏するための楽曲データが記憶され、背景映像データ記憶領域には、モニタ23に背景映像を表示させるための背景映像データが記憶される。歌唱映像データ記憶領域には、ビデオカメラ25で撮影された歌唱映像データが記憶され、歌唱音声データ記憶領域には、マイク24からの歌唱音声信号をデジタルデータ化した歌唱音声データが記憶される。コラボ用動画データ記憶領域には、コラボレーション歌唱のために受信した、ホスト装置1からの歌唱動画データ(歌唱映像データ,歌唱音声データ)が記憶される。
音響処理部34は、カラオケ楽曲に対する演奏の制御を行ったり、マイク24を通じて入力された歌唱音声信号をデジタルの歌唱音声データに変換する等の制御を行ったりする部分である。この音響処理部34では、伴奏データに応じて生成された楽音信号と歌唱音声データとが適当なバランスでミキシングされ、放音信号としてスピーカ22へ出力される。また、音響処理部34は、利用者がコラボレーション歌唱をする際、楽音信号や歌唱音声データに加え、コラボレーション歌唱用に受信した歌唱音声データもミキシングする。これにより、利用者は、歌唱音声データの再生音声と合唱が行える。
表示処理部35は、カラオケ演奏時における背景映像の表示等の制御を行う。カラオケ演奏時において、表示処理部35には背景映像データが入力されており、この背景映像データのデコードが行われる。そして、表示処理部35は、デコードで生成された背景映像の映像信号に歌詞テロップを合成し、合成後の映像信号をモニタ23に出力する。その結果、モニタ23には、背景映像に歌詞テロップが重ねられた映像が表示される。
また、表示処理部35は、利用者がコラボレーション歌唱をする際、受信した歌唱映像データを再生し、モニタ23に歌唱映像を表示させる。このとき、モニタ23の所定位置には、ビデオカメラ25で撮影された歌唱中の歌唱者の映像も上書き(スーパーインポーズ)される。
映像入力部36は、ビデオカメラ25からの歌唱映像信号の取り込み処理を行う部分であり、いわゆるビデオカードで構成されている。この映像入力部36は、例えば、ビデオカメラ25と接続するための外部インタフェース、バスを通じて本体側制御部31等と接続するための内部インタフェース、及び、フレームバッファとしてのビデオメモリを有している(何れも図示せず)。
操作部37は、パネルスイッチやリモコン受信回路などからなっており、利用者によるパネルスイッチやリモコン装置26の操作に応じた操作信号を本体側制御部31に対して出力する。本体側制御部31は、操作入力処理を行うことで操作信号を検出し、対応する処理を実行する。なお、パネルスイッチやリモコン装置26は、操作を選択するための種々のキースイッチ(図示せず)を備えている。
そして、リモコン装置26を通じた操作により、ログインした利用者のマイページから、コラボレーション歌唱用に登録された歌唱動画コンテンツを呼び出すことができる。この呼び出し操作により、当該歌唱動画コンテンツに対応する歌唱動画データがカラオケ装置2にダウンロードされ、コラボ用動画データ記憶領域に記憶される。あわせて、当該歌唱動画コンテンツに対応するカラオケ楽曲の楽曲IDが本体側制御部31のメモリ31bに記憶され、演奏処理の待ち行列で管理される。
その後、当該カラオケ楽曲の順序がやってくると、カラオケ伴奏に同期して、コラボレーション歌唱用の歌唱映像とビデオカメラ25で撮影された歌唱映像とがモニタ23に表示される。また、コラボレーション歌唱用の歌唱音声がカラオケ伴奏と共にスピーカ22から放音される。さらに、ビデオカメラ25で撮影された歌唱映像が、新たな歌唱映像データとして歌唱映像データ記憶領域に記憶され、かつ、マイク24で集音された歌唱音声信号に所定の処理が施され、歌唱音声データとして歌唱音声データ記憶領域に記憶される。
次に、ユーザー端末3について説明する。ユーザー端末3は、カラオケの利用者によって操作される通信端末であり、歌唱動画コンテンツを閲覧する際などに操作される。図1に示すように、ユーザー端末3は、パーソナルコンピュータ3A、タブレットコンピュータ3B、携帯電話機3Cなどが含まれる。また、前述したように、リモコン装置26もユーザー端末3に含まれる。
図5に示すように、ユーザー端末3は、端末側制御部41と、端末側通信部42と、端末側記憶部43と、表示部44と、入力部45とを有している。
端末側制御部41は、ユーザー端末3における制御の中心となる部分であり、CPU41aやメモリ41bを有している。CPU41aは、メモリ41bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。メモリ41bは、CPU41aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。端末側通信部42は、ユーザー端末3を通信回線4に接続するためのインタフェースを提供する。端末側記憶部43は、各種の情報を記憶する記憶装置であり、不揮発性メモリやハードディスクドライブ等によって構成される。
表示部44及び入力部45は、いずれもユーザインタフェースを提供する部分である。表示部44は、各種メニューや操作用のラジオボタン等を表示する部分であり、例えば液晶表示装置やブラウン管で構成される。入力部45は、利用者による操作を操作情報として取り込む部分であり、例えばキーボード、マウス、タッチパネルによって構成される。なお、可搬性が要求されるタブレットコンピュータ3Bやリモコン装置26では、表示部44と入力部45とが一体化されたタッチパネル付きの液晶表示パネルが好適に用いられる。
次に、上記構成を有するカラオケシステムの動作について説明する。このカラオケシステムは、コラボレーション歌唱時における歌唱映像データの処理に特徴を有している。
概略について説明すると、まずホスト装置1(サーバー)は、コラボレーション歌唱の選択に伴ってデータ送信手段として機能し、歌唱映像データ記憶領域に記憶された小サイズ映像データ(第1歌唱映像データ)と歌唱音声データ記憶領域に記憶された歌唱音声データの組をカラオケ装置2に送信する。そして、カラオケ装置2はデータ受信手段として機能し、小サイズ映像データと歌唱音声データの組を受信する。
小サイズ映像データと歌唱音声データの受信完了を条件に、カラオケ装置2はデータ再生手段として機能し、各データの再生を開始する。すなわち、コラボレーション歌唱を開始させる。これにより、小サイズ映像データに基づく歌唱映像がモニタ23に表示されると共に、歌唱音声データに基づく歌唱音声及びカラオケ伴奏がスピーカ22から放音される。
さらに、ホスト装置1(データ送信手段)は、小サイズ映像データの送信完了後に、大サイズ映像データ(第2歌唱映像データ)の送信を開始する。一方、カラオケ装置2(データ受信手段)は、コラボレーション歌唱が行われている期間(小サイズ映像データと歌唱音声データの再生期間)において、大サイズ映像データを受信する。
このカラオケシステムでは、小サイズ映像データと歌唱音声データの組を、大サイズ映像データに先行してカラオケ装置2に転送しているので、コラボレーション歌唱を早期に開始させることができる。そして、コラボレーション歌唱が行われている最中に、大サイズ映像データをカラオケ装置2に転送しているので、転送に時間を要してもコラボレーション歌唱に大きな支障は生じない。
以下、図6のフローチャートを参照して各装置1〜3の処理について説明する。
コラボレーション歌唱を行うに際しては、まず登録操作が行われる(S1)。この登録操作において、利用者はユーザー端末3を操作し、コラボレーション歌唱を行うカラオケ楽曲(好みの歌唱動画)をホスト装置1に登録する。例えば、利用者は、パーソナルコンピュータ3Aを通じてホスト装置1にログインし、閲覧用動画データをパーソナルコンピュータ3A上で再生するなどして歌唱動画を選んで登録を指示する。この指示に基づき、対象の歌唱動画がホスト装置1のマイページに登録される(S2)。歌唱動画の登録後、利用者はカラオケ店KBに行き、登録された歌唱動画を選択する(S3)。例えば、利用者は、リモコン装置26を操作してホスト装置1にログインし、マイページに登録されている歌唱動画を選択する。
歌唱動画が選択されたことに伴い、ホスト装置1は、小サイズ映像データと歌唱音声データの組をカラオケ装置2へ送信する(S4)。そして、カラオケ装置2は、ホスト装置1からの各データを受信する(S5)。各データの送受信はパケット単位で行われており、各データの全体がカラオケ装置2に受信されるまで継続される(S6)。なお、カラオケ装置2が受信した各データは、本体側記憶部33のコラボ用動画データ記憶領域に記憶される。
各データの受信が完了したならば、カラオケ装置2は、コラボレーション歌唱を開始させる(S7)。コラボレーション歌唱時において、カラオケ装置2では、本体側記憶部33から、楽曲データ、小サイズ映像データ、及び、歌唱音声データ等が読み出される。そして、楽曲データと歌唱音声データは音響処理部34にてミキシングされ、ミキシング後の音声がスピーカ22から放音される。
このとき、歌唱者による歌唱音声がマイク24を通じて音響処理部34に入力される。この歌唱音声は、楽曲データ等とミキシングされてスピーカ22から放音される。また、歌唱音声は、新たな歌唱音声データとして本体側記憶部33の歌唱音声データ記憶領域に記憶される。加えて、ビデオカメラ25で撮影された歌唱者の映像が、歌唱映像信号として映像入力部36に入力される。映像入力部36では、歌唱映像信号を取り込んで歌唱映像データを生成する。生成された歌唱映像データは、本体側記憶部33の歌唱映像データ記憶領域に記憶される。また、歌唱映像信号に基づく歌唱者の歌唱映像がモニタ23の所定位置に表示される。
小サイズ映像データと歌唱音声データの組を送信し終えたホスト装置1は、引き続いて大サイズ映像データを送信する(S8)。これに伴ってカラオケ装置2は、ホスト装置1からの大サイズ映像データを受信する(S9)。大サイズ映像データの送受信はパケット単位で行われ、データの全体がカラオケ装置2に受信されるまで継続される(S10)。そして、カラオケ装置2が受信した大サイズ映像データは、本体側記憶部33のコラボ用動画データ記憶領域に記憶される。
その後、コラボレーション歌唱が終了したならば(S11)、歌唱映像の録画及び歌唱音声の録音も終了される。続いて映像等の合成処理が行われる(S12)。ここでは、今回のコラボレーション歌唱で新たに生成された歌唱映像データと、コラボレーション歌唱中にダウンロードされた大サイズ映像データとが合成され、合成歌唱映像データが生成される。また、今回のコラボレーション歌唱で新たに生成された歌唱音声データとコラボレーション歌唱用にホスト装置1からダウンロードされた歌唱音声データも合成され、合成歌唱音声データが生成される。
次に、生成された各データがカラオケ装置2からホスト装置1へとアップロードされる(S13)。本実施形態では、今回のコラボレーション歌唱で新たに生成された歌唱映像データ及び歌唱音声データと、合成処理によって生成された合成歌唱映像データ及び合成歌唱音声データとがアップロードされる。そして、アップロードされた各データは、ホスト装置1で受信される(S14)。全てのデータがホスト装置1に受信されたならば(S15)、ホスト装置1は、受信した各種データをホスト側記憶部13に登録する(S16)。このとき、ホスト装置1は、受信した歌唱映像データ及び合成歌唱映像データを大サイズ映像データとして登録すると共に、これらの映像データを変換して小サイズ映像データを生成して登録する。
以上の動作を行う本実施形態のカラオケシステムにおいて、ホスト装置1は、通信回線4の状態に関わらず、各データ(小サイズ映像データ,大サイズ映像データ,歌唱音声データ)をカラオケ装置2へ送信すればよいので、通信回線4の監視負担を軽減できる。そして、小サイズ映像データと歌唱音声データの受信完了を条件に、カラオケ装置2による各データの再生が開始されるので、コラボレーション歌唱を速やかに開始させることができる。
また、小サイズ映像データと歌唱音声データは、再生の開始時点でカラオケ装置2に受信完了されていることから、再生を中断させることなく最後までコラボレーション歌唱を行わせることができる。さらに、カラオケ装置2では、小サイズ映像データと歌唱音声データの再生中に大サイズ映像データを受信しているので、受信された大サイズ映像データを、コラボレーション歌唱の終了後直ちに、合成歌唱映像データの生成に利用できる。
加えて、ホスト装置1には、1つの歌唱映像に対して大サイズ映像データと小サイズ映像データが記憶されているので、公開前の検閲作業に小サイズ映像データを用いることにより、検閲作業に使用するコンピュータの負荷を低減することができる。例えば、複数の小サイズ映像データを同時に再生して検閲することが容易に行える。
また、小サイズ映像データが準備されているので、コラボレーション歌唱の対象となる動画を利用者に選択させる際、この小サイズ映像データに基づく閲覧用動画データをユーザー端末3で再生させることもできる。このように構成すると、閲覧用動画データを容易に作成できる。
次に、第2実施形態のカラオケシステムについて説明する。このカラオケシステムでは、大サイズ映像データの受信が完了したことを条件に、コラボレーション歌唱で再生されている映像を途中で、小サイズ映像データ(第1歌唱映像データ)から大サイズ映像データ(第2歌唱映像データ)へと変更する点に特徴を有している。
図7の概念図で説明すると、まず、小サイズ映像データが順次カラオケ装置2にダウンロードされる(図7(a)参照)。そして、小サイズ映像データのダウンロードが完了したならば(図7(b)参照)、コラボレーション歌唱が開始されると共に、大サイズ映像データのダウンロードも開始される。すなわち、コラボレーション歌唱と並行して大サイズ映像データのダウンロードが進行する(図7(c)参照)。
大サイズ映像データのダウンロードが完了すると、切り替えタイミングが設定される(図7(d)参照)。小サイズ映像データが切り替えタイミングまで再生されると、その時点からモニタ23には大サイズ映像データに基づく歌唱映像が再生される(図7(e)参照)。その後は、コラボレーション歌唱が終了するまで、大サイズ映像データに基づく歌唱映像が再生される(図7(f)参照)。
以下、図8のフローチャートを参照して、第2実施形態の処理について説明する。なお、この処理において、ステップS1〜S10の処理は、前述の第1実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
小サイズ映像データと歌唱音声データの組がカラオケ装置2で受信され、コラボレーション歌唱が開始されると(S7)、大サイズ映像データがカラオケ装置2で受信される(S8〜S10)。大サイズ映像データの受信完了を契機に、カラオケ装置2は、映像の切替タイミングを設定し、小サイズ映像データが切替タイミングまで再生されたか否かを判定する(S21)。なお、映像の切替タイミングは、大サイズ映像データの再生を開始可能なタイミングに設定される。
小サイズ映像データが切替タイミングまで再生されたならば、カラオケ装置2は、再生対象の映像データを小サイズ映像データから大サイズ映像データに切り替える(S22)。これにより、モニタ23に表示されている映像も、コラボレーション歌唱の途中から高画質の映像に切り替わる。従って、切り替え以降において、利用者は、高画質の映像をみながら気分よくコラボレーション歌唱を行うことができる。
コラボレーション歌唱が終了すると(S23)、歌唱映像の録画及び歌唱音声の録音も終了し、歌唱映像データ及び歌唱音声データが新たに生成される。さらに、今回のコラボレーション歌唱で新たに生成された歌唱音声データとコラボレーション歌唱用にホスト装置1からダウンロードされた歌唱音声データとが合成され、合成歌唱音声データが生成される。
続いて、生成された各データがカラオケ装置2からホスト装置1へとアップロードされる(S24)。本実施形態では、今回のコラボレーション歌唱で新たに生成された歌唱映像データ、歌唱音声データ、及び、合成歌唱音声データがアップロードされる。そして、アップロードされた各データは、ホスト装置1で受信される(S25)。
全てのデータがホスト装置1に受信されたならば(S26)、ホスト装置1は、映像等の合成処理を行う(S27)。ここでは、新たに生成された歌唱映像データと、ホスト側記憶部13に記憶された大サイズ映像データとが合成され、合成歌唱映像データが生成される。合成処理を行ったならば、ホスト装置1は、受信した各種データをホスト側記憶部13に登録する(S28)。このとき、ホスト装置1は、受信した歌唱映像データ及び生成した合成歌唱映像データを大サイズ映像データとして登録すると共に、これらの映像データを変換して小サイズ映像データを生成して登録する。
そして、第2実施形態のカラオケシステムでも、ホスト装置1による通信回線4の監視負担を軽減でき、コラボレーション歌唱を速やかに開始させることができる。また、再生を中断させることなく最後までコラボレーション歌唱を行わせることができるし、大サイズ映像データの受信完了後において、利用者は、高画質の映像とコラボレーション歌唱が行える。
次に、第3実施形態のカラオケシステムについて説明する。このカラオケシステムでも、第2実施形態と同様に、大サイズ映像データの受信が完了したことを条件に、コラボレーション歌唱で再生されている映像を途中で、小サイズ映像データ(第1歌唱映像データ)から大サイズ映像データ(第2歌唱映像データ)に変更する。さらに、大サイズ映像データをカラオケ楽曲の終わり(データ再生の遅い側)から逆順に転送することで、転送されるデータ量を低減している。
図9の概念図で説明すると、まず、小サイズ映像データが順次カラオケ装置2にダウンロードされる(図9(a)参照)。そして、小サイズ映像データのダウンロードが完了したならば(図9(b)参照)、コラボレーション歌唱が開始されると共に、大サイズ映像データのダウンロードも開始される。その際、大サイズ映像データについては、カラオケ楽曲における終端から先頭に向けて、再生とは逆の順序でダウンロードされる(図9(c)参照)。
ダウンロードが進行し、小サイズ映像データにおける再生時刻と受信された大サイズ映像データの先頭時刻との差△Tが規定間隔(判断基準値)以下になったならば、大サイズ映像データのダウンロードが停止される(図9(d)参照)。ダウンロードの停止に伴って切り替えタイミングが設定される。この切り替えタイミングは、大サイズ映像データの先頭時刻以降に設定される。そして、小サイズ映像データが切り替えタイミングまで再生されると、その時点からモニタ23には大サイズ映像データに基づく歌唱映像が再生される(図9(e)参照)。その後は、コラボレーション歌唱が終了するまで、大サイズ映像データに基づく歌唱映像が再生される(図9(f)参照)。
以下、図10のフローチャートを参照して、第2実施形態の処理について説明する。なお、この処理において、ステップS1〜S7の処理は、前述の第1実施形態と同じであり、ステップS22〜S28の処理は、前述の第2実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
小サイズ映像データと歌唱音声データの組がカラオケ装置2で受信され、コラボレーション歌唱が開始されると(S7)、ホスト装置1は、引き続いて大サイズ映像データを送信する(S31)。このとき、ホスト装置1は、大サイズ映像データを終端側から逆順に送信する。これに伴ってカラオケ装置2は、ホスト装置1からの大サイズ映像データを受信する(S32)。大サイズ映像データの送受信はパケット単位で行われ、小サイズ映像データにおける再生時刻と受信された大サイズ映像データの先頭時刻との差△Tが、規定間隔(例えば5秒以下)になるまで継続される(S33)。例えば、差△Tが規定間隔以下になると、カラオケ装置2からホスト装置1に対し、大サイズ映像データの送信停止指令がなされる。
小サイズ映像データの再生時刻と大サイズ映像データの先頭時刻との差が規定間隔以下になったならば、カラオケ装置2は、映像の切替タイミングを設定し、小サイズ映像データが切替タイミングまで再生されたか否かを判定する(S34)。本実施形態でも、映像の切替タイミングは、大サイズ映像データの再生を開始可能なタイミングに設定される。
小サイズ映像データが切替タイミングまで再生されたならば、カラオケ装置2は、再生対象の映像データを小サイズ映像データから大サイズ映像データに切り替える(S22)。これにより、モニタ23に表示されている映像も、コラボレーション歌唱の途中から高画質の映像に切り替わる。以降は、第2実施形態と同様な処理が行われる(S23〜S28)。
そして、第3実施形態のカラオケシステムでも、ホスト装置1による通信回線4の監視負担を軽減でき、コラボレーション歌唱を速やかに開始させることができる。また、再生を中断させることなく最後までコラボレーション歌唱を行わせることができるし、大サイズ映像データの受信完了後において、利用者は、高画質の映像とコラボレーション歌唱が行える。さらに、ホスト装置1とカラオケ装置2との間で送受信される大サイズ映像データのデータ量を少なくすることができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
小サイズ映像データに関し、前述の各実施形態では、大サイズ映像データよりも構成ドット数や単位時間あたりのフレーム数が少なく定められていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、各ドットの色を定めるビット数を少なくしてもよいし、圧縮率を高めてもよい。
また、第3実施形態において、大サイズ映像データの送信停止を判断するための規定時間は、任意に定めることができる。
また、各実施形態に記載された技術は相互に適用できる。例えば、第2実施形態のカラオケシステムでは映像等の合成をホスト装置1で行っていたが、第1実施形態のようにカラオケ装置2で行ってもよい。