JP6049513B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法に関する。
GaN系半導体発光素子における多重量子井戸構造の発光層は、InGaN層とGaN層とを積層して形成することができる(例えば特許文献1、2参照)。井戸層として、InGaN層を用いることができる。障壁層として、GaN層とInGaN層とを積層した構造が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−87908号公報 特開2009−239250号公報
本発明の一目的は、多重量子井戸構造の発光層を有するGaN系半導体発光素子の新規な製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、
成長基板上方に、n型GaN系半導体層を形成する工程と、
前記n型GaN系半導体層上に、発光層を形成する工程と、
前記発光層上に、p型GaN系半導体層を形成する工程と
を有し、
前記発光層を形成する工程は、
前記n型GaN系半導体層側からInGaN部分障壁層とGaN部分障壁層とが積層されたInGaN/GaN障壁層と、InGaN井戸層とを交互に成長させる工程を有し、
前記InGaN/GaN障壁層と前記InGaN井戸層とを成長させる工程は、
キャリアガスとしてNとHとを用い、
キャリアガスとしてNを用いて有機ガリウム原料及び有機インジウム原料を供給し、前記InGaN部分障壁層を成長させる工程と、
前記InGaN部分障壁層の成長の後、有機インジウム原料の供給を停止するのと同時に、キャリアガスをNからHを85%以上含むガスに切り替えて、有機ガリウム原料を供給し、前記GaN部分障壁層を成長させる工程と、
前記GaN部分障壁層の成長の後、キャリアガスを、Hを85%以上含むガスとしたまま有機インジウム原料の供給を再開し、さらに、有機インジウム原料の供給再開タイミングよりも遅いタイミングで、キャリアガスを、Hを85%以上含むガスからNに切り替えて、有機ガリウム原料及び有機インジウム原料を供給し、前記InGaN井戸層を成長させる工程と
を有する半導体発光素子の製造方法が提供される。
例えば、GaN部分障壁層成長に続くInGaN井戸層の成長時、有機インジウム原料の供給再開と同時にキャリアガスをNに切り替える製造方法に比べて、形成される素子の特性向上が図られる。
図1は、MOCVD装置の概略断面図である。 図2Aは、実施例による半導体発光素子の概略断面図であり、図2Bは、実施例による発光層の積層構造を示す概略断面図である。 図3は、実施例による発光層の形成工程を示す概略的なタイミングチャートである。 図4は、比較例による発光層の形成工程を示す概略的なタイミングチャートである。 図5A及び図5Bはそれぞれ、実施例及び比較例による発光素子のPL強度と発光波長との関係を示すグラフである。
まず、図1を参照して、半導体発光素子の製造に用いられる有機金属化学気相堆積(MOCVD)装置について説明する。図1は、MOCVD装置の概略断面図である。
反応容器1内に、カーボンサセプタ2が配置されている。カーボンサセプタ2上に、成長基板3が載置される。カーボンサセプタ2は、成長基板3の載置面に垂直な軸の周りに所望の速度で回転させることができる。ヒータ4が、成長基板3の温度を調整する。基板温度は、熱電対(または放射温度計)5でサセプタ温度を測定し、測定された温度に基づいてヒータ電源6を制御することにより制御される。
フローチャネル(反応ガス噴射管)7から、成長基板3上に所望のタイミングで所望のガスを供給することにより、所望の半導体結晶層を成長させることができる。フローチャネル7に、ガス供給系8a〜8eより各種ガスが供給される。
ガス供給系8aは、材料ガスとしてトリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)、及びビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を供給する。
材料ガスTEGa、TMGa、TMI、TMA、及びCp2Mgは、それぞれバブリングにより供給される。TEGa及びTMIのバブリングガスとして、例えばNが用いられ、流量は例えば各150sccmである。TMGa、TMA、及びCp2Mgのバブリングガスとして、例えばHが用いられ、流量はそれぞれ例えば50sccm、100sccm、300sccmである。
材料ガスTEGa、TMGa、TMI、TMA、Cp2Mgのそれぞれの流量、及び、供給開始・停止の切り替えが、ガス流量調整装置9a及びバルブ10aで制御される。
ガス供給系8bは、ガス供給系8aから供給された材料ガスTEGa、TMGa、TMI、TMA、及びCp2Mgを搬送するキャリアガス(MO用キャリアガス)として、HまたはNを切り替えて供給することができる。MO用キャリアガスH、Nのそれぞれの流量、及び、供給開始・停止の切り替えが、ガス流量調整装置9b及びバルブ10bで制御される。ガス供給系8a及び8bが、MOライン8MOを形成する。
ガス供給系8cは、窒素原料となる反応性ガスとしてNHを供給し、ガス供給系8dは、材料ガスとしてジシラン(Si)を供給する。反応性ガスNH、材料ガスSiのそれぞれの流量、及び、供給開始・停止の切り替えが、ガス流量調整装置9c、9d及びバルブ10c、10dで制御される。
ガス供給系8eは、ガス供給系8cから供給された反応性ガスNH、及び、ガス供給系8dから供給された材料ガスSiを搬送するキャリアガス(Gas用キャリアガス)として、HまたはNを切り替えて供給することができる。Gas用キャリアガスH、Nのそれぞれの流量、及び、供給開始・停止の切り替えが、ガス流量調整装置9e及びバルブ10eで制御される。ガス供給系8c、8d及び8eが、Gasライン8Gasを形成する。制御装置11が、各種ガスの供給状態を制御する。
反応容器1に、圧力計12、圧力制御弁13、及び排気ポンプ14が取り付けられ、排気ポンプ14により排気が行われる。
次に、図2A、図2B及び図3を参照して、本発明の実施例による半導体発光素子の製造方法について説明する。本実施例では、GaN系半導体発光素子が形成される。ここで、GaN系半導体は、少なくともGa及びNを含む。
図2Aは、実施例による半導体発光素子の概略断面図であり、図2Bは、実施例による発光層の積層構造を示す概略断面図である。図3は、実施例による発光層の形成工程を示す概略的なタイミングチャートである。
まず、MOCVD装置のカーボンサセプタ上へ成長基板21をセットする。成長基板21として、例えば、2インチC面サファイア基板が用いられる。次に、MOCVD装置の反応容器を真空排気し、不活性ガス、例えばNで置換を行い、圧力を大気圧まで戻す。次に、カーボンサセプタを回転させることにより、成長基板21を10rpmで回転させる。次に、フローチャネルよりHガスを10SLM供給しながら、基板温度を1150℃まで昇温し、この状態で10分間保持して、基板表面の酸化膜を除去する。
その後、基板温度を570℃まで降温し、温度が安定するまで待つ。続いて、NHを例えば5SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば1SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。その後、TMGaを例えば5sccm供給し、例えば200secの成長を行って、GaNバッファ層22を形成する。バッファ層22の成長後、TMGaの供給を停止する。
次に、基板温度を1200℃まで昇温し、NHを例えば4SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば2SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。その後、TMGaを例えば15sccm供給し、例えば20minの成長を行って、アンドープGaN層23を成長する。
続いてさらに、n型ドーパント材料であるSiを0.2sccm供給し、90minの成長を行って、n型GaN層24を成長する。n型GaN層24の成長後、TMGaおよびSiの供給を停止する。
次に、基板温度を900℃まで降温し、NHを例えば4SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれNキャリアガスを例えば2.0SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。
その後、TEGaを例えば35sccm供給し、例えば50secの成長を行って、GaN層を成長する。続いてさらに、TMIを例えば50sccm供給し、例えば50secの成長を行って、InGaN層を成長する。このようなGaN層及びInGaN層を4ペア積層し、最後にGaN層を例えば50sec成長して、超格子構造(SLS)層25を形成する。その後、TEGa及びTMIの供給を停止する。
次に、SLS層25上に、多重量子井戸構造の発光層26を形成する。図2Bに示すように、発光層26は、第1障壁層26A上に、井戸層26Bと障壁層26Cとが交互に積層された構造を有する。障壁層26Cは、部分障壁層26C1と部分障壁層26C2とが積層された構造を取る。
第1障壁層26Aとして、例えばGaN層が用いられる。井戸層26Bは、InGa1−xN井戸層であり、井戸層の好ましいIn組成xは、例えば0.2≦x≦0.3の範囲である。障壁層26Cは、素子の積層のn型半導体層側(図2A、図2Bの下方側)からInGaN部分障壁層26C1とGaN部分障壁層26C2とが積層されたInGaN/GaN障壁層である。InGa1−yN部分障壁層26C1の好ましいIn組成yは、例えば0<y≦0.1、より好ましくは0<y≦0.05の範囲である。
なお、第1障壁層26Aは、InGaN層で形成してもよい。この場合の第1障壁層26AのIn組成は、InGaN部分障壁層26C1のIn組成以上、InGaN井戸層26BのIn組成未満とすることが好ましい。
図3のタイミングチャートは、発光層26の成長工程における有機ガリウム原料(例えばTEGa)及び有機インジウム原料(例えばTMI)の供給状態の時間変化と、Nキャリアガス及びHキャリアガスの供給状態の時間変化を示す。
図3のタイミングチャートに示す工程AはGaN第1障壁層26Aの形成工程、工程BはInGaN井戸層26Bの形成工程、工程C1はInGaN部分障壁層26C1の形成工程、工程C2はGaN部分障壁層26C2の形成工程を示す。
SLS層25の形成後、基板温度を例えば830℃まで降温し、NHを例えば4SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば2SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。その後、TEGaを例えば5sccm供給し、例えば150secの成長を行って、GaNによる第1障壁層26Aを成長する。
次に、MOライン及びGasラインのキャリアガスをNに切り替える(流量はそれぞれ例えば2SLM)。そして、さらにTMIを例えば80sccm供給し、例えば100secの成長を行って、InGaNによる井戸層26Bを成長する。
次に、TMIの流量を例えば2sccmに減少させ、例えば65secの成長を行って、InGaNによる部分障壁層26C1を成長する。
次に、TMIの供給を停止し、TMI供給停止のタイミングと同時に、MOライン及びGasラインのキャリアガスをHに切り替える(流量はそれぞれ例えば2SLM)。例えば65secの成長を行って、GaNによる部分障壁層26C2を成長する。
次に、TMIの供給を、流量を例えば80sccmとして再開し、例えば100secの成長を行って、InGaNによる井戸層26Bを成長する。InGaNによる井戸層26Bの成長中、TMI供給再開のタイミングより遅らせて、MOライン及びGasラインのキャリアガスをHからNに切り替える。Nキャリアガスの流量は、MOライン及びGasラインのそれぞれで、例えば2SLMである。
TMI供給再開のタイミングから、キャリアガスをHからNに切り替えるタイミングまでの好適な遅れ時間は、制御のしやすさなども考えて、1sec以上あるとよい。例えば1sec〜2secである。また、30sec以下で切り替えるのが好ましい。この遅れ幅(30sec以下)を、半導体層の成長厚さで表すと、例えば2モノレイヤー以下と見積もられる。
その後、InGaN部分障壁層26C1の形成工程C1、GaN部分障壁層26C2の形成工程C2、及び(HからNへのキャリアガス切り替え遅延を伴う)InGaN井戸層26Bの形成工程Bを繰り返す。
障壁層と、障壁層上の井戸層とをペアとして例えば9ペア積層し、最上層に最終障壁層を形成して、発光層26の全体が形成される。図2Bに示す例では、GaN第1障壁層26A上にInGaN井戸層26Bを形成した1ペア目上に、InGaN/GaN障壁層26C上にInGaN井戸層26Bを形成したペアが8ペア分形成されて9ペアの積層が形成され、InGaN/GaN第9障壁層26C上にInGaN井戸層26Bが形成された9ペア目上に、例えばGaNによる最終障壁層26Dが形成される。
GaN最終障壁層26Dは、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば2SLM供給し、TEGaを例えば5sccm供給し、例えば150secの成長を行って形成される。なお、最終障壁層26Dは、InGaN層、あるいはInGaN/GaN層で形成してもよい。
発光層26の形成後、基板温度を1000℃まで昇温し、NHを例えば4SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば3SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。その後、TMGaを例えば1sccm、TMAを例えば1sccm供給するとともに、p型ドーパントとしてCp2Mgを例えば15sccm供給し、例えば500secの成長を行って、キャリアブロック層となるp型AlGaN層27を成長する。
次に、基板温度を1100℃まで昇温し、NHを例えば4SLM供給するとともに、MOライン及びGasラインにそれぞれHキャリアガスを例えば3SLM供給する。この状態で基板温度が安定するまで待つ。その後、TMGaを例えば3.5sccm、Cp2Mgを例えば15sccm供給し、例えば300secの成長を行って、p型GaN層28を形成する。
続いて、TMGaの流量を例えば1.75sccmに、Cp2Mgの流量を例えば200sccmに変更し、例えば20secの成長を行って、p側コンタクト層となるp型GaN層29を成長する。
型GaN層29の形成後、材料ガスの供給を停止し、Nガスのフローにて、成長ウェハの温度を下げ、半導体層の成長を終了する。このようにして、実施例による半導体発光素子が形成される。
以上説明したように、本実施例による半導体発光素子において、多重量子井戸構造の発光層は、井戸層をInGaN層とし、障壁層に、n型半導体層側にInGaN層が形成された積層障壁層であるInGaN/GaN層を用いる。キャリアガスは、基本的に、InGaNの成長ではNを用い、GaNの成長ではHを用いる。ただし、GaN部分障壁層の成長後、InGaN井戸層の成長の初期は、GaN部分障壁層成長に用いたHキャリアガスをそのまま用い、InGaN井戸層の成長中にキャリアガスをHからNに切り替える。
実施例による発光層の成長工程は、温度一定とすることができる。温度一定とすることにより、途中で温度を変化させる手間が省ける。なお、好適な成長温度条件は、例示した830℃に限定されず、例えば800℃〜900℃の範囲内とすることができる。その他、半導体層成長における種々の成長条件は、必要に応じて適宜変更することができる。
次に、図4を参照して、比較例による半導体発光素子について説明する。比較例の半導体発光素子は、実施例の半導体素子と同様な構造を有するが、発光層26の成長工程が異なる。図4は、比較例の発光層26の成長工程における有機ガリウム原料及び有機インジウム原料の供給状態の時間変化と、Nキャリアガス及びHキャリアガスの供給状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
比較例では、GaN部分障壁層成長後、TMI供給を再開しInGaN井戸層成長を再開するタイミングと同時に、キャリアガスをHからNに切り替えている。他の成長条件は実施例と同様である。
次に、実施例及び比較例の方法に基づいて作製した半導体発光素子の特性を評価した実験について説明する。室温におけるエレクトロルミネセンス(EL)特性を評価した。これは、順方向に20mAの電流を通電した際、フォトダイオード(PD)にて受光した発光強度を換算・算出して出力電圧を得て、マルチチャンネル分光器により波長を測定したものである。
比較例の発光素子は、発光強度が111.43mVであり、発光波長は440nmであった。一方、実施例の発光素子は、発光強度が118.66mVであり、発光波長は442nmであった。室温EL強度(波長440nmにて換算)は、比較例を1.00とすると、実施例は1.09であった。
図5A及び図5Bはそれぞれ、実施例及び比較例による発光素子のフォトルミネセンス(PL)強度と発光波長との関係を示すグラフである。実線が8K、破線が300Kにおける特性を示す。積算強度比(300K/8K)は、比較例では0.60、実施例では0.67であった。8K時のPLスペクトル半値幅は、比較例では7.0nm、実施例では5.3nmであった。
このように、実施例の素子は、比較例の素子に対して、室温EL強度や積算強度比の上昇、PLスペクトル半値幅の減少を示すことがわかった。ここで、室温と低温でのPLスペクトルの積算強度比の上昇は、素子の内部量子効率向上を示しているものと考えられる。また、低温PLスペクトルの半値幅の減少は、発光層内でのIn組成揺らぎの減少を示しているものと考えられる。
比較例の素子に比べて実施例の素子の特性が向上する理由について考察する。なお、以下の考察は1つの考え方を例示するものである。実施例の発光層成長では、GaN部分障壁層成長の後、InGaN井戸層成長の初期は、キャリアガスをHのままとし、その後キャリアガスをNに切り替えている。
結晶成長は、最初の結晶核ができ、そこから2次元的に結晶薄膜が成長していく。実施例のように、InGaN井戸層成長の初期にHが介在すると、最初の結晶核はInGaNではなくGaNになると考えられる。従って、2次元的な成長が進む際、GaNが成長しやすくなると考えられる。その後Hが排気されていく過程で、GaN系半導体薄膜のIn組成が、微視的に見て傾斜的に井戸層組成まで変化すると考えられる。
ほぼGaNが1モノレイヤー〜数モノレイヤー成長した後に、InGaN成長へ変化するものと推測され、例えば2モノレイヤー程度の成長時間以下のH供給が、好ましいと思われる。
このようにして、実施例の方法では、比較例に比べて、GaN部分障壁層とInGaN井戸層との界面における結晶の歪みが低減するのではないかと推測される。なお、1モノレイヤーも成長できないような、1sec〜2sec程度のH供給時間(キャリアガスの切替遅延時間)でも、H供給の効果は得られている。
なお、実施例及び比較例の発光素子の発光層は、InGaN部分障壁層上にGaN部分障壁層が積層され、GaN部分障壁層上にInGaN井戸層が積層される。GaN部分障壁層上に積層されるInGaN井戸層は、(InGaN部分障壁層に比べ)In組成が高く、GaN部分障壁層とInGaN井戸層との界面で結晶の歪が生じやすい。
以上説明したように、本実施例によれば、GaN部分障壁層上に形成するInGaN井戸層の成長初期のH供給を、キャリアガスの切り替えにより制御することができる。
なお、上記実施例では、GaN部分障壁層成長、及び、InGaN井戸層の成長初期に、キャリアガスとして100%のHガスを用いた。しかし、InGaN井戸層の成長初期にHを供給するという観点からは、100%のHキャリアガスを用いなくともよいと考えられる。本願発明者の経験的に、N及びHからなるキャリアガス中のH含有比率(体積比)は、85%以上とすることが好ましいようであり、Nガス:Hガスの分子量比としては概ね2:1以上のHを含むガスを用いることが好ましいようである。なお、H、Nの分子量はそれぞれ2.016、28.01である。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 反応容器
2 カーボンサセプタ
3 成長基板
4 ヒータ
5 熱電対(または放射温度計)
6 ヒータ電源
7 フローチャネル(反応ガス噴射管)
8a〜8d ガス供給系
9a〜9d ガス流量調整装置
10a、10b バルブ
11 制御装置
12 圧力計
13 圧力制御弁
14 排気ポンプ
21 サファイア基板
22 GaNバッファ層
23 アンドープGaN層
24 n型GaN層
25 SLS層
26 発光層
26A InGaN第1障壁層
26B InGaN井戸層
26C 積層障壁層
26C1 InGaN部分障壁層
26C2 GaN部分障壁層
27 p型AlGaN層
28 p型GaN層

Claims (3)

  1. 成長基板上方に、n型GaN系半導体層を形成する工程と、
    前記n型GaN系半導体層上に、発光層を形成する工程と、
    前記発光層上に、p型GaN系半導体層を形成する工程と
    を有し、
    前記発光層を形成する工程は、
    前記n型GaN系半導体層側からInGaN部分障壁層とGaN部分障壁層とが積層されたInGaN/GaN障壁層と、InGaN井戸層とを交互に成長させる工程を有し、
    前記InGaN/GaN障壁層と前記InGaN井戸層とを成長させる工程は、
    キャリアガスとしてNとHとを用い、
    キャリアガスとしてNを用いて有機ガリウム原料及び有機インジウム原料を供給し、前記InGaN部分障壁層を成長させる工程と、
    前記InGaN部分障壁層の成長の後、有機インジウム原料の供給を停止するのと同時に、キャリアガスをNからHを85%以上含むガスに切り替えて、有機ガリウム原料を供給し、前記GaN部分障壁層を成長させる工程と、
    前記GaN部分障壁層の成長の後、キャリアガスを、Hを85%以上含むガスとしたまま有機インジウム原料の供給を再開し、さらに、有機インジウム原料の供給再開タイミングよりも遅いタイミングで、キャリアガスを、Hを85%以上含むガスからNに切り替えて、有機ガリウム原料及び有機インジウム原料を供給し、前記InGaN井戸層を成長させる工程と
    を有する半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記InGaN井戸層を成長させる工程において、前記有機インジウム原料の供給を再開するタイミングから、キャリアガスを、Hを85%以上含むガスからNに切り替えるタイミングまでの期間は、この期間にGaN層が2モノレイヤー以下成長するように設定されている請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記InGaN/GaN障壁層と前記InGaN井戸層とを成長させる工程は、一定温度で行われる請求項1または2に記載の半導体発光素子の製造方法。
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