JP6049471B2 - 把持具及びこれを用いた耐張装置交換工具並びにこの耐張装置交換工具を用いた耐張装置の取り外し方法及び導体の移線方法 - Google Patents

把持具及びこれを用いた耐張装置交換工具並びにこの耐張装置交換工具を用いた耐張装置の取り外し方法及び導体の移線方法 Download PDF

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この発明は、耐張装置に張設された導体を把持するために用いられる把持具及びこの把持具を用いた耐張装置交換工具並びにこの耐張装置交換工具を用いた耐張装置の取り外し方法及び導体の移線方法に関する。
高圧電線等の導体を塔等に張設する耐張装置には、常に導体からの張力が作用している。従って、部品の連結部や可動部において摩耗が起こり易く、定期的な交換が求められる。ただ、上述の通り、耐張装置には、常に導体からの張力が作用していることから、交換に際しては、耐張装置に作用する張力を解除する必要がある。そこで、従来、カムアロング等の把持具を用いて導体を把持するとともに、把持具をレバーブロック(登録商標)等の伸縮工具によって塔側に牽引することで、耐張装置に作用している張力を把持具や伸縮工具を介して塔側に伝達し、耐張装置に作用する張力を解除していた(例えば特許文献1〜3参照)。
実用新案登録第3068910号公報 特開2002−95118号公報 特開2011−244586号公報
ところで、カムアロングは、耐張装置から離れた位置に取り付けられることが多い。この場合、作業員は、導体上での作業を余儀なくされるが、導体の本数が少ない場合や導体の間隔が狭い場合等では、身体を安定させることが難しく、手で導体を掴む等して身体を支える必要が出てくる。しかしながら、カムアロングの取付作業中は、一方の手でカムアロング本体を保持し、他方の手でカムアロングの把持部を操作する必要があることから、思うように作業を進めることができず、作業の遅延を招いたり、また、作業の安全性を確保するといった点からも問題があった。
また、カムアロングは、導体に取り付けられた楔片に把持部の内周面が密着する程度に牽引されてはじめて導体を把持する(導体に取り付けられる)ものであって、把持部によって導体を抱持した状態から牽引が完了するまでの間は仮固定の状態であるから、仮固定時における導体上での摺動等に注意を払う必要がある。特に、複数のカムアロングを用いる場合には、個々のカムアロングに注意を払わなければならないことから、導体上での作業の煩雑さを助長することになっていた。さらに、複数のカムアロングを取り付けると、どうしても取付位置に相対的なズレを生じることになるが、このズレによって、導体間の間隔を保持するために設けられたスペーサに過度な負担がかかることもあることから、事前にスペーサを外しておかなければならず、導体側への乗り出し作業が生じるとともに工期の長期化を招いていた。
なお、特許文献3に開示されている把持具においては、カムアロングを使用しないため、上記に示したカムアロング特有の問題に対して注意を払う必要は無い。しかしながら、耐張クランプに把持具を固定する構成であるため、耐張装置の交換と同時に耐張クランプの交換を行うといったことができず、常に使用できるとは限らなかった。また、特許文献3の耐張装置交換工具は、塔腕金部に取り付けられたプレートを介して塔腕金部に連結されるが、上記プレートは、耐張装置交換工具を連結するためだけに設けられる専用のプレートであって、塔腕金部の形状に合わせてその都度製造しなければならないことから、準備期間が長くなるとともにコスト高ともなっていた。
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、水平方向に並設された複数の導体への取り付けが容易であるとともに、低コストで耐張装置の交換等を行うことができる把持具及びこの把持具を用いた耐張装置交換工具並びにこの耐張装置交換工具を用いた耐張装置の取り外し方法及び導体の移線方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の把持具は、一方側を塔101側に連結し、他方側を複数の導体100に連結することで、上記導体100からの張力を耐張装置102に代わって塔101側に伝達する耐張装置交換工具1のうち、上記導体100との連結に供される把持具であって、水平方向に並設された上記導体100の間隔W2より大とされた基体11と、この基体11の下面側に一体的に設けられた複数の導体把持手段20とを備えていることを特徴としている。
また、上記基体11の下面側に、上記導体100と対向する溝部16が設けられている。また、上記導体把持手段20は、上記溝部16と、閉状態において、上記溝部16を覆うカバー部材30とから構成されている。さらに、上記カバー部材30の開状態を維持する維持手段40を備えている。
また、この発明の耐張装置交換工具は、上記把持具10と、この把持具10を塔101側に連結する連結手段50、50Aとから構成されている。
具体的には、上記連結手段50、50Aは、把持具10を塔101側に牽引する伸縮手段60、60Aと、この伸縮手段60、60Aを塔101側に連結する工事用ヨーク70、70Aとから構成されている。さらに、把持具10を複数設けている。
また、この発明の耐張装置の取り外し方法は、複数の導体100を把持具10によって把持するとともに、連結手段50、50Aを塔101側に連結することで、上記導体100からの張力を耐張装置102に代わって塔101側に伝達した状態において、上記把持具10と耐張装置102とを連結線90で連結し、耐張装置102の一部又は全てと導体100との連結を切り離すとともに、上記連結線90を送り出すことで、耐張装置102を塔101に垂下させ、さらにこの耐張装置102に荷降ろし用の連結線91を掛け渡すとともに、塔101側との連結を切り離し、荷降ろし用の連結線91を送り出すことで、耐張装置102を地上に下ろすことを特徴としている。
また、この発明の移線方法は、複数の導体100を把持具10によって把持するとともに、連結手段50、50Aを塔101側に連結することで、上記導体100からの張力を耐張装置102に代わって塔101側に伝達した状態において、把持具10と塔101側とを連結線90、93で連結するとともに、把持具10と移線先107とを別途、連結線94、95で連結し、移線先107側の連結線94、95を取り込む一方、塔101側の連結線90、93を送り出すことで、導体100を移線先107に張設させることを特徴としている。
この発明の把持具においては、導体の間隔より大とされた基体を備えているため、導体間に跨るようにして基体を導体上に載置することができる、換言すれば、把持具を導体上に仮置きすることができる。そのため、作業中、把持具自体を保持し続ける必要はなく、両手で作業を行ったり、片手で身体を支えながら作業を行ったりすることができ、作業の迅速化や作業の安全性を確保することができる。また、基体の下面側に導体把持手段が設けられているため、仮置きの状態から、導体把持手段によって導体を抱持する仮固定にそのまま移行することができ、作業をスムーズに行うことができる。さらに、複数の導体把持手段が基体に一体的に設けられていることから、従来のように、仮固定時における個々のカムアロングの摺動に注意を払う必要がなく、作業に専念することができる。また、把持具の取り付けに際して、複数の導体把持手段の取付位置が相対的にずれることはなく、結果、スペーサを取り外す必要もないことから工期短縮を図ることができる。また、導体に取り付けられるものであるため、耐張装置の交換と同時に耐張クランプの交換を行うことも可能である。
また、基体の下面側に溝部を設けているため、この溝部内に導体を位置させることで、導体と直交する方向への移動を抑制することができ、より安定した仮置きとすることができる。
さらに、閉状態において、基体の溝部を覆うカバー部材を設け、基体の溝部とカバー部材とで導体把持手段を構成しているため、仮置きから仮固定までの作業を一段とスムーズに行うことができる。
また、カバー部材の開状態を維持する維持手段を備えていることにより、基体の溝部に導体を位置させる際等において、カバー部材が不意に閉状態となることを防止することができる。
また、この発明の耐張装置交換工具においては、伸縮手段を塔側に連結するにあたって工事用ヨークを介在させていることから、伸縮手段を連結するための専用のプレートを塔の形状毎に製造する必要はなく、コスト削減を図ることができる。さらに、把持具を複数設けることで、より多くの導体を一括して把持することも可能である。
また、この発明の耐張装置の取り外し方法や導体の移線方法では、複数の導体を把持具によって一括把持した状態で作業を行うため、作業時間の短縮を図ることができる。
この発明の実施形態に係る耐張装置交換工具の取付状態を示す平面図である。 この発明の実施形態に係る把持具を示す(a)は平面図、(b)は底面図である。 同じくその把持具の導体への取付過程を示す背面図である。 同じくその把持具の導体への取り付けを示す底面図である。 耐張装置の取り外しの状況を示す平面図である。 導体の移線作業の過程を示す平面図である。 耐張装置の取り外しと導体の移線作業を同時に行う場合を示す平面図である。 異なる実施形態の耐張装置交換工具の取付状態を示す平面図である。 耐張装置の取り外しの状況を示す平面図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る耐張装置交換工具1の導体100−塔101間への取付状態を示すものである。耐張装置交換工具1は、図1に示すように、把持具10と、連結手段50とを備えており、把持具10によって導体100を把持するとともに、連結手段50の一端を把持具10に連結し、他端を塔101側に連結することで、耐張装置102を構成する碍子連103や導体側ヨーク104、耐張クランプ105を迂回して、導体100からの張力を塔101側へと伝達するものである。以下、耐張装置交換工具1の個々の構成部品について詳細に説明していく。
把持具10は、図1に示すように、耐張装置102を介して塔101に張設された複数(2本)の導体100を、所定の間隔を保ちながら一括把持するものであって、図2及び図3に示すように、基体11と、基体11の下面側(地側)に一体的に設けられた複数(2個)の導体把持手段20とから構成されている。
基体11は、図1及び図2に示すように、中央部材12と、両端に設けられる端部材13と、中央部材12と端部材13との間に介在する接続部材14とを、ボルト15によって連結することで平面視略翼状に形成されたものであって、その幅W1は、水平方向に並設された導体100、100の間隔W2より大であり、且つ耐張装置102の幅W3よりも大とされている。また、中央部材12と端部材13には、連結手段50との連結に供するための連結部12a、13aがそれぞれ設けられている。さらに、基体11の下面側には、導体100と対向する位置に半円柱状の溝部16が設けられている。なお、図2において、17は補強用のリブである。
導体把持手段20は、図2及び図3に示すように、基体11の下面側に設けられた半円柱状の溝部16と、この溝部16を覆うようにして設けられるカバー部材30とによって構成されている。
カバー部材30は、図3(a)、(b)に示すように、その一端部が、基体11の下面側に回転可能に軸支されており、閉状態において、基体11の溝部16を覆う構成とされている。また、カバー部材30には、基体11の溝部16と対向する位置に、半円柱状の溝部31が設けられており、カバー部材30を閉状態とし、基体11の溝部16とカバー部材30の溝部31とを重ねることで、円柱状の把持空間が形成されるようになっている。なお、基体11の溝部16及びカバー部材30の溝部31は、導体100の径より大で、且つ塔101側に向かって径が大となるテーパ状とされており、後述する楔片80の外周面と密着可能な形状とされている。
また、カバー部材30の他端部においては、ボルト軸32及びナット33によって基体11に着脱可能とされている。具体的に説明すると、カバー部材30の他端部には、図3(c)に示すように、回転可能に軸支されたボルト軸32が設けられており、カバー部材30を、その一端部を軸に基体11に向かって回転させ、基体11の溝部16とカバー部材30の溝部31とを重ね合わせた状態において、このボルト軸32を基体11の上面側(天側)に向かって回転させることで、基体11の中央部材12に設けられた孔18を通過させるとともに、この孔18と連続して設けられたスリット19内に位置させ、さらに、ナット33をボルト軸32の先端側から基体11に向かって螺合することで、ナット33とカバー部材30とで基体11を挟持するようにし、ボルト軸32に導入されたトルクによって、把持空間に位置された楔片80を強固に把持することができる構成とされている。なお、把持具10の取付作業時等において、カバー部材30が自由に回転していると、カバー部材30が導体100に接触したり、カバー部材30が不意に閉状態となる等、作業に支障をきたす虞があることから、カバー部材30の開状態を維持する維持手段40が設けられている。具体的には、基体11の下面側のうち、カバー部材30を全開状態とさせた場合に当接する位置に磁石を取り付け、この磁石の磁力によってカバー部材30を捉え、回転動作を規制している。なお、磁石の取付位置は、基体11の下面側に限らず、カバー部材30としても良い。また、磁石に替えて、例えば面ファスナー等、片手で簡単に着脱することができるものを用いても良い。
次に、連結手段50について説明する。連結手段50は、図1に示すように、把持具10を塔101側に牽引する伸縮装置(伸縮手段)60と、この伸縮装置60を塔101側に連結する工事用ヨーク70とから構成されている。
伸縮装置60は、図1に示すように、塔101側に設けられたタンバックル61と、把持具10側に設けられたワイヤロープ(連結線)62とから構成されている。なお、伸縮装置60は、把持具10を塔101側に牽引することを目的とするものであるから、例えば、タンバックル61に替えて、レバーブロック(登録商標)等、公知の種々の伸縮工具を用いても良い。また、ワイヤロープ62は、タンバックル61と把持具10とを連結するためだけに使用されるものであるから、タンバックル61のみで把持具10と接続可能な場合には用いなくても良い。
工事用ヨーク70は、図1に示すように、耐張装置102の塔側ヨーク106に重なるようにして取り付けられ、把持具10及び伸縮装置60を介して伝達される導体100の張力を塔101側に伝達するものである。この工事用ヨーク70の幅W4は、耐張装置102の幅W3よりも大とされており、その両端部に伸縮装置60を連結するための連結部70a、70aが設けられている。従って、同じく耐張装置102の幅W3より大とされた把持具10との間に伸縮装置60を取り付けた場合、耐張装置102に伸縮装置60が干渉(接触)することがなく、伸縮装置60によって耐張装置102を傷つけることもない。また、工事用ヨーク70には、その中央部に、耐張装置102の交換作業や導体100の移線作業で用いるための連結部70bが設けられている。
次に、耐張装置交換工具1の取り付けについて詳細に説明していく。耐張装置交換工具1の取り付けに際しては、はじめに、把持具10を導体100に取り付けることから行う。把持具10を導体100に取り付けるにあたっては、まず、把持具10のカバー部材30を基体11の下面側に設けた磁石に止め付けて、カバー部材30の不意な回転を拘束しておく。次に、基体11の下面側に設けた溝部16内に導体100を位置させるように、且つ基体11が導体100、100間に跨るようにして、把持具10を導体100、100上に載置することで仮置きを行う。その後、図3(b)、(c)に示すように、カバー部材30を磁石から外し、基体11の溝部16側に向かって回転させ、基体11の溝部16とカバー部材30の溝部31とで構成される把持空間内に導体100を位置させるとともに、カバー部材30のボルト軸32を基体11の表面側に移動させ、ナット33を螺合することで、把持空間で導体100を抱持する仮固定を行う。
この際、把持具10は導体100上に安定的に仮置きされた状態であるため、把持具10を支える必要はなく、作業をスムーズに且つ安全に行うことができる。また、従来のカムアロングにおいては、仮固定用のナットを力強く締め付ける際、それに釣り合う力でカムアロング本体を保持しなければならず、足場の悪い導体100上では困難な作業となっていたが、本発明の把持具10においては、2本の導体100、100に跨っているため、ナット33を力強く締め付ける際の回転力を導体100に負担させることができ、片手で作業を行うことも可能である。また、把持具10が安定した状態で仮置きされるため、把持具10自体を掴んで身体の支えとして使用することもできる。さらに、従来のカムアロングでは、把持用のボルト軸が側面側に位置するため、視認し辛く、作業し難かったが、この発明の把持具10においては、ボルト軸32が基体11の上面側(天側)に位置するため、視認し易く、作業に支障をきたすこともない。
把持具10を導体100に仮固定した後、導体100に楔片80を取り付けていく。楔片80は、内周側に導体100と略同径の半円柱状の溝部が形成され、外周側がテーパ状とされた半割れ筒状のものであって、内周側の溝部に導体100を位置させるようにして導体100に取り付けられる。なお、楔片80は、図4に示すように、一対で使用され、互いに対向して導体100に取り付けられることでテーパ状の筒体を構成する。また、楔片80は、大径部が塔101側に向くように取り付けられる。
楔片80を取り付けた後、工事用ヨーク70を、耐張装置102の塔側ヨーク106に重ねるようにして取り付けるとともに、把持具10の基体11の両端部に設けられた連結部13aと、工事用ヨーク70の両端部に設けられた連結部70aとの間に伸縮装置60を介在させ、伸縮装置60のタンバックル61を操作することにより、把持具10を塔101側に牽引して、把持具10の把持空間内に楔片80を位置させるとともに、把持具10の内周面と楔片80の外周面とが密着する程度に牽引を続けることで、把持具10による導体100の把持(導体100への把持具10の固定)を完了する。
その後、さらに牽引を続け、耐張装置102が導体100からの張力を負担しなくなった時点で、耐張装置交換工具1の取り付けが完了する。そして、耐張装置102の交換等を行っていく。
耐張装置102の交換に際しては、まず、耐張装置102を取り外す必要がある。取り外しにあたっては、図5に示すように、把持具10の連結部12aと導体側ヨーク104とをワイヤロープ(連結線)90で連結する。次に、導体側ヨーク104と耐張クランプ105とを切り離すとともに、ワイヤロープ90を適宜送り出すことによって、略水平状態であった耐張装置102を塔101に垂下させる。その後、荷降ろし用のワイヤロープ(連結線)91を、工事用ヨーク70の連結部70bと耐張装置102とに掛け渡すとともに、碍子連103と塔側ヨーク106とを切り離し、適宜荷降ろし用のワイヤロープ91を送り出すことで、耐張装置102を地上まで降ろし、耐張装置102の取り外しを完了する。新たな耐張装置102の取り付けは、上記作業を逆の手順で行うことでなされ、交換作業を完了する。
また、本発明の把持具10は、耐張装置102の交換作業に限らず、例えば導体100を支持する塔腕金部の取替作業等にも用いることができる。塔腕金部の取替にあたっては、まず、導体100の支持点を、例えば塔101に新たに設けた支持点(移線先)107に移動させる移線作業が必要となる。移線作業の手順としては、上記に示した耐張装置102の取り外しの手順に従い、予め耐張装置102を地上に下ろした上で、図6(a)に示すように、把持具10の連結部12aに三角リンク(連結具)92を取り付け、この三角リンク92と工事用ヨーク70の連結部70bとをワイヤロープ(連結線)93で連結し、このワイヤロープ93で、伸縮装置60に代わって導体100からの張力を塔101側に伝達させる。次に、図6(b)に示すように、不要となった伸縮装置60を取り外すとともに、三角リンク92と新たな支持点107とを別途ワイヤロープ94(連結線)で連結し、このワイヤロープ94を取り込む一方、工事用ヨーク70側のワイヤロープ93を送り出すことで、導体100を新たな支持点107側に徐々に移動させていく。そして、図6(c)に示すように、新たな支持点107側のワイヤロープ94と導体100とが略平行となった状態、すなわち、新たな支持点107側のワイヤロープ94が、導体100からの張力をほぼ全て負担した状態において、図6(d)に示すように、新たな支持点107と把持具10とを伸縮装置60によって連結し、導体100を新たな支持点107に張設させることで移線作業を完了する。
このような移線作業は、従来、導体100にカムアロングを取り付け、このカムアロングに対して2本のワイヤロープを掛け渡した状態で、導体100を1本ずつ、新たな支持点に移線することで行われていたため、作業に多くの時間を費やすことになっていたが、本発明の把持具10を用いれば、2本の導体100を同時に移線することができるため、作業時間の短縮を図ることができる。また、導体100を1本ずつ移線させた場合、導体100、100間の間隔W2を保持するために所定の間隔で介在させているスペーサを取り外す必要があるが、本発明の把持具10は、導体把持手段20、20間の間隔が、導体100、100間の間隔W2と等しくされているとともに、その間隔を保持した状態での移線が可能となるため、スペーサを取り外す必要が無く、その分、作業時間の短縮を図ることができる。
移線作業が完了した後、塔腕金部の取替作業を行い、その後、上記作業を逆の手順で行うことで耐張装置102の取り付けを行い、さらに導体100の支持点を元の位置に戻すことで作業を完了する。
なお、移線作業としては、予め耐張装置102を地上に下ろしてから行う上記方法の他に、耐張装置102の取り外しと同時に行う方法を採っても良い。具体的には、図7に示すように、把持具10の連結部12aに三角リンク92を取り付け、この三角リンク92を介して、導体側ヨーク104と工事用ヨーク70とをワイヤロープ90で連結するとともに、三角リンク92と新たな支持点107とを別途ワイヤロープ94で連結し、導体側ヨーク104と耐張クランプ105との切り離しと、伸縮装置60の取り外しを行った上で、このワイヤロープ94を取り込む一方、導体側ヨーク104に連結されたワイヤロープ90を送り出すことで、新たな支持点107に導体100を張設し、さらにその後、ワイヤロープ90を送り出して耐張装置102を垂下させ、上記に示した取り外し方法に則って、耐張装置102を取り外すようにしても良い。この場合、取り外し作業と移線作業とをそれぞれ別で行う場合に比べて、作業時間を短縮することができる。
次に、本発明の異なる実施形態に係る耐張装置交換工具1Aについて説明する。この耐張装置交換工具1Aは、図8に示すように、把持具10と、連結手段50Aとを備えており、把持具10によって導体100を把持するとともに、連結手段50Aの一端を把持具10に連結し、他端を把持具10よりも塔101側である導体側ヨーク104に連結することで、耐張クランプ105を迂回して、導体100からの張力を塔101側(碍子連103側)に伝達するものである。すなわち、この耐張装置交換工具1Aは、工事用ヨーク70Aの取付位置が、塔側ヨーク106であるか導体側ヨーク104であるかで上記実施例とは相違しているのである。そして、この耐張装置交換工具1Aでは、導体側ヨーク104に工事用ヨーク70Aを取り付けていることにより、導体100を牽引するにあたって、碍子連103の撓みを考慮する必要が無く、牽引量を少なくすることができるといった効果を奏する。なお、その他、工事用ヨーク70Aの形状や、伸縮装置60Aとしてレバーブロック(登録商標)等の軽規模な伸縮工具を使用している点等において上記実施例とは相違しているが、あくまで例示であって種々の形状、規模のものを使用可能であり、また、いずれにせよ上記実施例と同様の作用効果を奏することから、これらについての詳細な説明は省略する。
上記構成の耐張装置交換工具1Aにおいても、図9に示すように、導体側ヨーク104に取り付けられた工事用ヨーク70Aと把持具10とをワイヤロープ90で連結し、導体側ヨーク104と耐張クランプ105とを切り離すとともに、ワイヤロープ90を適宜送り出すことによって、略水平状態であった耐張装置102を塔101に垂下させ、その後、上記に示した取り外し方法に則って作業を行うことで耐張装置102の取り外しを行うことができる。なお、この耐張装置交換工具1Aは、直接的に塔101と連結されている上記実施例の耐張装置交換工具1とは異なり、耐張装置102を介して塔101と連結されるものであるため、交換に際しては、必ず、塔101と把持具10とを連結するもの(例えば図8に示すワイヤロープ95)が必要となる。
また、耐張装置102の交換に限らず、移線作業や、取り外し作業と移線作業とを同時に行うことも可能である。耐張装置交換工具1Aを用いて移線作業や、取り外し作業と移線作業とを同時に行う場合には、ワイヤロープ95の代わりに、ワイヤロープ90にて把持具10と塔101とを連結し、ワイヤロープ95を新たな支持点に連結させ、以降、上記作業手順に則って行えば良い。
以上に、この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施例では、2本の導体100、100を1個の把持具10で一括把持する構成とされていたが、把持具10を上下方向に複数個、例えば2個設けることで4本の導体100を一括把持する構成としても良い。この場合、把持具10、10同士を垂直ヨーク等で連結することになるが、一度に多くの導体100を把持することができるため、移線作業等において作業時間の短縮を図ることができる。また、上下方向に限らず、水平方向に複数設けるようにしても同様の効果を奏する。さらに、上記実施例では、把持具10に設けられる導体把持手段20が2個とされていたが3個以上としても良い。
また、上記実施例においては、工事用ヨーク70、70Aを塔側ヨーク106や導体側ヨーク104に取り付けていたが、把持具10より塔101側であって、導体100からの張力を耐張装置102の一部又は全てに代わって塔101側に伝達できる位置であれば、いずれの箇所に設けても良い。また、耐張装置交換工具1、1Aとしては、把持具10と、この把持具10を塔101側に連結する連結手段50、50Aを備えていれば良いので、例えば、伸縮装置60、60Aが耐張装置102と接触する虞が無い場合等においては、必ずしも工事用ヨーク70、70Aを設ける必要は無い。なお、工事用ヨーク70、70Aを介して連結されていたワイヤロープについては、塔101に連結したり、塔101に設置したウインチ等の巻取り手段に直接接続すれば良い。また、連結具92として三角リンクを用いたが、複数のワイヤロープを接続できるものであれば、三角リンクに限らず、種々の連結具を使用可能である。なお、図において、ワイヤロープと工事用ヨーク等を直接接続していたが、適宜リンクや滑車等を用いて接続して良いことは勿論である。また、上記実施例では、連結線としてワイヤロープを用いていたが、ワイヤロープに限らず、種々の線材を使用可能である。
1、1A・・耐張装置交換工具、10・・把持具、11・・基体、16・・溝部、20・・導体把持手段、30・・カバー部材、40・・維持手段、50、50A・・連結手段、60、60A・・伸縮手段、70、70A・・工事用ヨーク、90、91、93、94、95・・ワイヤロープ、100・・導体、101・・塔、102・・耐張装置、107、新たな支持点、W2・・導体間の幅

Claims (9)

  1. 一方側を塔(101)側に連結し、他方側を複数の導体(100)に連結することで、上記導体(100)からの張力を耐張装置(102)に代わって塔(101)側に伝達する耐張装置交換工具(1)のうち、上記導体(100)との連結に供される把持具であって、水平方向に並設された上記導体(100)の間隔(W2)より大とされた基体(11)と、この基体(11)の下面側に一体的に設けられた複数の導体把持手段(20)とを備えていることを特徴とする把持具。
  2. 上記基体(11)の下面側に、上記導体(100)と対向する溝部(16)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の把持具。
  3. 上記導体把持手段(20)は、上記溝部(16)と、閉状態において、溝部(16)を覆うカバー部材(30)とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の把持具。
  4. 上記カバー部材(30)の開状態を維持する維持手段(40)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の把持具。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の把持具(10)と、この把持具(10)を塔(101)側に連結する連結手段(50)(50A)とを備えていることを特徴とする耐張装置交換工具。
  6. 上記連結手段(50)(50A)は、把持具(10)を塔(101)側に牽引する伸縮手段(60)(60A)と、この伸縮手段(60)(60A)を塔(101)側に連結する工事用ヨーク(70)(70A)とから構成されていることを特徴とする請求項5に記載の耐張装置交換工具。
  7. 把持具(10)を複数備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の耐張装置交換工具。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の耐張装置交換工具(1)(1A)を用いた耐張装置の取り外し方法であって、複数の導体(100)を把持具(10)によって把持するとともに、連結手段(50)(50A)を塔(101)側に連結することで、上記導体(100)からの張力を耐張装置(102)に代わって塔(101)側に伝達した状態において、上記把持具(10)と耐張装置(102)とを連結線(90)で連結し、耐張装置(102)の一部又は全てと導体(100)との連結を切り離すとともに、上記連結線(90)を送り出すことで耐張装置(102)を塔(101)に垂下させ、さらにこの耐張装置(102)に荷降ろし用の連結線(91)を掛け渡すとともに、塔(101)側との連結を切り離し、荷降ろし用の連結線(91)を送り出すことで、耐張装置(102)を地上に下ろすことを特徴とする耐張装置の取り外し方法。
  9. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の耐張装置交換工具(1)(1A)を用いた導体の移線方法であって、複数の導体(100)を把持具(10)によって把持するとともに、連結手段(50)(50A)を塔(101)側に連結することで、上記導体(100)からの張力を耐張装置(102)に代わって塔(101)側に伝達した状態において、把持具(10)と塔(101)側とを連結線(90)(93)で連結するとともに、把持具(10)と移線先(107)とを別途、連結線(94)(95)で連結し、移線先(107)側の連結線(94)(95)を取り込む一方、塔(101)側の連結線(90)(93)を送り出すことで、導体(100)を移線先(107)に張設させることを特徴とする導体の移線方法。
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