JP6048327B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
しかるにこのような対策を講じた場合、後方にオフセットされた端子金具については、その後端を収めるべくキャビティの入口を後方に延ばす必要があり、言い換えると、前方にある端子金具についてはキャビティの入口に余分なスペースを備えることになり、結果的にハウジングの大型化に繋がるために新たな対策が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、端子金具の接続部を前後にオフセットして配した構造を採った上でハウジングの小型化を実現するところにある。
(1)各種類の前記端子金具には、それぞれ互いに異なった形状の誤挿入防止部が設けられている。
2種類の端子金具を備えるのであるから誤挿入防止部も異なった形状に形成でき、キャビティへの誤挿入防止機能を確実に果たすことができる。
端子金具の誤挿入防止部と、キャビティの前止まり部とが共に簡単な形状にでき、簡易に対応できる。
シール性を担保した上でこのようなゴム栓の嵌着位置を採用したことで、被覆電線の端末部分におけるデッドスペースが無くなり、それだけ被覆電線の端末部分を収容するキャビティの長さ寸法を抑えることができ、ハウジングの小型化を図る上でより有効となる。
本発明の一実施形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
本実施形態に係るコネクタCは、モータやインバータなどの機器に対して接続される3極タイプのシールドかつ防水コネクタである。このコネクタCは、機器が収容されたシールド機能を有する金属製のケース1(図10参照)に装着され、相手の機器側コネクタと接続されるようになっている。
被覆電線10における端子金具20の後方位置には、キャビティ45の入口に嵌着されるゴム栓30が設けられ、バックリテーナ60で抜け止めされるようになっているとともに、ハウジング40には、シールパッキン65とシールドシェル70とが装着されるようになっている。
なお、両端子金具20A,20Bについて、ボルト挿通孔23とランス孔24との間の寸法は同じである。
被覆電線10の端末に接続された3本の端子金具20A,20Bは、図8に示すように、ワイヤバレル25の後端を揃えて並列された場合、中央の第2端子金具20Bのボルト挿通孔23の中心が、両側の第1端子金具20Aのボルト挿通孔23の中心から後方に寸法ΔLだけオフセットされた形態となる。
図8に示すように、両側の2本の第1端子金具20Aでは、正面(同図の左側)から視た左側縁に第2リブ27Bが、右側縁に第1リブ27Aが形成されており、一方、中央の第2端子金具20Bでは、上記とは逆に、正面から視た左側縁に第1リブ27Aが、右側縁に第2リブ27Bが形成されている。
上記したように、被覆電線10における露出した芯線11の端末部に、端子金具20の後端部のワイヤバレル25が圧着された場合、同芯線11の圧着された部分では、外周形状(断面形状)が真円から楕円形に変形するのであるが、その露出部分のみならず、被覆12の端末部13に入り込んだ部分でも、奥の方ほど変形量は小さくなるものの、同様に楕円形に変形する可能性がある。したがって、芯線11を被包した被覆12の端末部13の外周形状も、それに倣って楕円形に変形する可能性があり、特に切断端14に近い位置ほど顕著となる。そのため、ゴム栓30の真円をなす内周面と、被覆12の端末部13における楕円形をなす外周面とが非整合となって、シール性が損なわれるおそれがある。
ハウジング40は合成樹脂製であって、図1及び図5に示すように、やや扁平なブロック状をなす端子収容部41を有しており、同端子収容部41の長さ方向の略中央部にフランジ42が形成された構造である。
端子収容部41には、図8にも示すように、上記した3本の端子金具20A,20Bが個別に挿入可能な3個のキャビティ45が、一定ピッチで左右方向に並んで形成されている。
基本形状を先に説明すると、図5及び図8に示すように、各キャビティ45におけるフランジ42が設けられた位置よりも前部側は、端子金具20における端子本体21の基端側を収容可能な横長の長方形断面をなす前側キャビティ46となっており、その底面には、ランス孔24に弾性的に係止可能な樹脂ランス47が設けられている。
また、第2キャビティ45Bの樹脂ランス47の方が、第1キャビティ45Aの樹脂ランス47と比べて若干後方に位置している。
大径筒部71の四つ角には、ボルトの挿通孔74が開口された固定部73が形成されている。また、小径筒部72の外周には、編組線からなるシールド部材(図示せず)の端部が外嵌され、かしめリング75がかしめられて固定可能となっている。
一方、全端子金具20A,20Bのワイヤバレル25の後縁位置は、後側キャビティ49に設けられたゴム栓30の前止まり面53の少し前方位置で揃った形態となる。
それとともに、ハウジング40のフランジ42の前面にシールパッキン65が装着される。
以上により、コネクタCの組み付け完了する。
しかしながら、第1端子金具20Aを第2キャビティ45Bに、また第2端子金具20Bを第1キャビティ45Aに挿入すると、いずれも端子金具20側の第1リブ27Aが前側キャビティ46の側壁の第2前止まり部57Bに当たることで、正規位置まで進入できない。このことは、接続部22が前側キャビティ46の前面から突出した量が小さく、また、樹脂ランス47に係止されないことで判別し得る。
このように端子金具20A,20Bの誤挿入が生じたら、一旦引き抜いたのち、改めて正規のキャビティ45A,45Bに挿入し直せばよい。
その結果、全キャビティ45についてその入口にデッドスペースを設ける必要が無くなり、その分ハウジング40の小型化が実現できる。
このようなゴム栓30の嵌着位置を採用したことで、被覆電線10の端末部分におけるデッドスペースが無くなり、それだけ被覆電線10の端末部分を収容するキャビティ45の長さ寸法を抑えることができ、ハウジング40の小型化をさらに図ることができる。
誤挿入防止部となるリブ27(27A,27B)は、端子金具20における端子本体21の側縁に張り出し形成されたものであり、したがってそれと協働する前止まり部57(57A,57B)も、前側キャビティ46の側壁に段差状に形成すれば済み、比較的簡単な形状変更によって、誤挿入防止機能を果たすことが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では3極のシールドコネクタを例示したが、2極または4極以上のものにも、同様に適用可能である。
(2)上記実施形態では、端子金具に設ける誤挿入防止部として、端子本体の側縁から張り出し形成したタブを例示したが、端子本体の側縁から立ち上がり形成した立ち上がり片等、他の形態のものを適用してもよい。
(3)上記実施形態では、ゴム栓の嵌着位置を被覆の端末部における切断端に寄った位置に特定した場合を例示したが、ゴム栓の嵌着位置については不問である。
(4)さらに本発明は、非防水のコネクタについても適用することが可能である。
10…被覆電線(電線)
11…芯線
12…被覆
13…(被覆12の)端末部
14…(被覆12の)切断端
20,20A,20B…端子金具
21,21A,21B…端子本体
22,22A,22B…接続部
23…ボルト挿通孔
24…ランス孔
25…ワイヤバレル(電線圧着部)
27,27A,27B…リブ(誤挿入防止部)
30…ゴム栓
31…内周リップ
40…ハウジング
45,45A,45B…キャビティ
46,46A,46B…前側キャビティ
47…樹脂ランス
48…大径部(キャビティ45の入口)
57,57A,57B…前止まり部
Claims (4)
- 電線の端末に接続され先端側に相手端子との接続部を備え、前記接続部の後方にランス孔が開口されたタブ状をなす複数の端子金具と、
前記各端子金具を個別に挿入可能なキャビティを設けるとともに、前記ランス孔に弾性的に係止可能な樹脂ランスを前記キャビティの底面に設けたハウジングとが、具備され、
前記各端子金具が対応する前記キャビティに後方から挿入されて、前記接続部を同キャビティの前方に突出させた形態で収容され、かつ、前記各端子金具の前記接続部が前後2位置にオフセットされて配されるようにしたコネクタにおいて、
前記端子金具には、後端から前記接続部までの寸法が異なる2種類が備えられ、かつ各端子金具は、それぞれの後端の前後方向の位置を揃えた形態で対応する前記キャビティに収容され、短寸側の前記端子金具に対応する前記樹脂ランスは、長寸側の前記端子金具に対応する前記樹脂ランスよりも後方に位置していることを特徴とするコネクタ。 - 各種類の前記端子金具には、それぞれ互いに異なった形状の誤挿入防止部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記誤挿入防止部は、前記端子金具の側縁から前記キャビティの側壁に設けられた前止まり部に突き当て可能に張り出した形態で形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
- 前記電線が被覆電線であって、前記端子金具は、後端に設けられた電線圧着部が前記被覆電線における皮剥きされて露出した芯線の端末部に圧着されることで接続される一方、前記キャビティの入口に嵌合されてシールするゴム栓が、残った被覆の端末部における前記電線圧着部の直後位置に嵌着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
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