JP2015015140A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被覆電線10の端末には端子金具20とゴム栓30とが設けられ、端子金具20がハウジング40のキャビティ45に収容され、ゴム栓30がキャビティ45の入口48に嵌着されてシールするようにした防水コネクタCにおいて、被覆電線10の端末部が皮剥きされて露出した芯線11の端末部に、端子金具20の後端部に設けられた電線圧着部27が圧着されて接続されるとともに、残された被覆12の端末部12Aにおける電線圧着部27の直後位置15にゴム栓30が嵌着されている。
【選択図】図8
Description
これは、端子金具の後端のワイヤバレルが芯線の端末部に圧着された場合、芯線の端末部が例えば真円から楕円形に変形して圧着されるが、特にシールドコネクタに適用される比較的大径の被覆電線、すなわち芯線も大径で剛性が高いものでは、実際に圧着された芯線の露出部分のみならず、被覆の端末部に入り込んだ部分でも、奥の方ほど変形量は小さくなるものの、同様に楕円形に変形する可能性があり、芯線を被包した被覆の端末部の外形もそれに倣って楕円形に変形する可能性がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、個室防水機能を正規に果たした上でハウジングの小型化を実現するところにある。
ところで、被覆の外周形状は基本的に真円とは言えども、被覆自体は剛性に劣る合成樹脂材により形成されているために、外周形状が真円からある程度変形することも想定されており、そのためゴム栓の内周面に全周に亘るリップが形成され、同リップを変形させつつ被覆の外周形状に追従して密着させることで、全周に亘るシール機能を担保している。
(1)前記ゴム栓の内周面には、全周に亘るリップが同ゴム栓の軸線方向に間隔を開けた形態で複数条形成され、これらのリップは、前記電線圧着部の圧着に伴い前記被覆の外周形状が変形した場合に、少なくとも最後方に位置する前記リップが前記被覆の外周面の全周に亘って弾縮変形可能な高さ寸法を有している。
少なくとも最後方に位置するリップが、被覆の外周面の全周に亘って弾縮変形して密着することによって、シールが施される。リップの高さが必要最小限に留められているから、ゴム栓を被覆の外周を滑らせて所定位置に嵌着する作業がしやすい。
ゴム栓押さえの装着に伴いゴム栓が軸線方向に圧縮され、それによって径方向に伸長するから、ゴム栓の内周と被覆の外周とを全周に亘ってより確実に密着させることができる。
ゴム栓を被覆の端末部における電線圧着部の直後位置に押し込むに当たり、勢いが付きすぎると、ゴム栓の最前方のリップが被覆の切断端の前方に落ち込んで外れることが懸念される。ここで、被覆の端末部は外形略楕円形に変形しているから、ゴム栓が押し込みまれる際に適度にブレーキが掛かり、正規位置を越えて押し込まれることが抑止される。
本発明の実施形態1を図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施形態における防水コネクタCは、モータやインバータなどの機器に対して接続されるシールドタイプのコネクタである。この防水コネクタCは、機器が収容されたシールド機能を有する金属製のケース1(図8参照)に装着され、相手の機器側コネクタと接続されるようになっている。
ハウジング40には、シールパッキン57とシールドシェル60とが装着されるようになっている。
上記したように、被覆電線10における露出した芯線11の端末部に、端子金具20の後端のワイヤバレル27が圧着されると、同芯線11の圧着された(露出した)部分では、外周形状(断面形状)が真円から楕円形に変形するのであるが、その露出部分のみならず、被覆12の端末部12Aに入り込んだ部分でも、奥の方ほど変形量は小さくなるものの、同様に楕円形に変形する可能性がある。そして、芯線11を被包した被覆12の端末部12Aの外周形状も、それに倣って楕円形に変形する可能性がある。
それに対して本実施形態では、ゴム栓30の嵌着位置を、被覆12の端末部12Aにおける切断端12BからポジションP3を少し越えた領域15に設定している。
ゴム栓30の嵌着位置を上記領域15に設定した場合、楕円形の外周形状をなす被覆12に対して、真円の内周形状を持ったゴム栓30が嵌着されることになり、すなわち周面形状が非整合な形態であるために、全周に亘るシール性を確保できなくなることが懸念される。
被覆12の外周形状は基本的には真円ではあるが、被覆12自体は剛性に劣る合成樹脂材により形成されているために、外周形状が真円からある程度変形することも想定されている。そのためゴム栓30の内周面に全周に亘る内周リップ31が形成されており、同内周リップ31を変形させつつ被覆12の外周形状に追従して密着させることで、全周に亘るシール機能を担保している。
本実施形態では、8箇所の検証ポジションP1〜P8のうち被覆12の切断端12Bに最も近いポジションP1において、その外周形状が、楕円の「長径/短径比」が最も大きく、平たく言うと楕円が最もきつく、ゴム栓30の真円の内周形状と最も非整合な形状となる。
一方、上記のポジションP1は、ゴム栓30が正規位置(被覆12の端末部12Aにおける切断端12BからポジションP3を少し越えた領域15)に嵌着された場合に、3本の内周リップ31のうち最前方の内周リップ31Xが対応する位置であって、そのため同内周リップ31Xは、ポジションP1における被覆12の外周面のうち長径部の両端と対応する箇所では、大きく弾縮量が得られるのに対して、短径部の両端と対応する箇所では弾縮量が不足しがちとなる。
他の中央の内周リップ31Yと最後方の内周リップ31Zとが対応するポジションP2,P3では、上記したポジションP1と比べて、楕円が緩い(真円に近い)外周形状であるから、上記のように内周リップ31の高さが設定されていれば、両内周リップ31Y,31Zは共に、全周に亘って被覆12の外周面に弾縮変形して密着し得る。
ハウジング40は合成樹脂製であって、図1に示すように、やや扁平なブロック状をなす端子収容部41を有しており、同端子収容部41の長さ方向の略中央部にフランジ42が形成された構造である。
端子収容部41には、図8にも示すように、上記した3本の端子金具20が個別に挿入可能な3本のキャビティ45が、左右方向に並んで形成されている。
大径筒部61の四つ角には、ボルトの挿通孔64が開口された固定部63が形成されている。また、小径筒部62の外周には、編組線からなるシールド部材(図示せず)の端部が外嵌され、かしめリング67がかしめられて固定可能となっている。
このとき端子金具20の接続部21は、前側キャビティ45Aの前面から突出するとともに、被覆12の端末部12Aにおける切除端12Bが、後側キャビティ45Bに設けられた前止まり面49とほぼ同じ位置まで進入する設定となっている。
それとともに、ハウジング40のフランジ42の前面にシールパッキン57が装着される。
以上により、防水コネクタCの組み付け完了する。
このようなゴム栓30の嵌着位置を採用したことで、被覆電線10の端末部分におけるいわゆるデッドスペースが無くなり、それだけ被覆電線10の端末部分を収容するキャビティ45の長さ寸法を抑えることができて、ひいてはハウジング40の小型化が実現できる。
実施形態2について説明する。上記実施形態1では、ゴム栓30に設けた3条の内周リップ31のうち、最前方の内周リップ31Xを初めとして全内周リップ31について被覆12の外周面の全周に亘って弾縮変形し得るように、同内周リップ31の高さを設定したのであるが、少なくとも最後方の内周リップ31Zが被覆12の外周面の全周に亘って弾縮変形し得るように内周リップ31の高さを設定してもよい。
内周リップ31の高さを小さく抑える程、ゴム栓30を被覆12の外周を滑らせて所定位置に嵌着する作業がしやすくなる。
実施形態3として、ゴム栓押さえ51を装着することに伴い、ゴム栓30を前止まり面49との間で弾性的に挟持する構造としてもよい。ゴム栓押さえ51の装着に伴いゴム栓30が軸線方向に圧縮され、それに伴い径方向に伸長するから、ゴム栓30の内周と被覆12の外周とを全周に亘ってより確実に密着させることが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ゴム栓リップの内周面に設ける内周リップの条数は任意である。
(2)芯線のワイヤバレルによる圧着形状は、上記実施形態に例示した楕円形に限らず、扁平な六角形等、他の形状であってもよい。
(3)上記実施形態では、各ゴム栓押さえが一体的に形成されている場合を例示したが、個別に形成されていてもよい。
(5)上記実施形態では、被覆電線の端末に接続された端子金具として、相手端子とボルト締めで接続される形式のものを例示したが、相手端子と嵌合接続される形式のものであってもよく、そのような端子金具を適用したものについても、本発明は同様に有用である。
(6)さらに本発明は、シールド機能を備えない防水コネクタについても、同様に適用することが可能である。
10…被覆電線
11…芯線
12…被覆
12A…(被覆12の)端末部
12B…(被覆12の)切断端
15…(ゴム栓30の)嵌着領域
20…端子金具
27…ワイヤバレル(電線圧着部)
30…ゴム栓
31,31X,31Y,31Z…内周リップ(リップ)
40…ハウジング
45…キャビティ
48…大径部(キャビティ45の入口)
49…前止まり面(前止まり部)
51…ゴム栓押さえ
Claims (4)
- 被覆電線の端末には端子金具とゴム栓とが設けられ、前記端子金具がハウジングのキャビティに収容され、前記ゴム栓が前記キャビティの入口に嵌着されてシールするようにした防水コネクタにおいて、
前記被覆電線の端末部が皮剥きされて露出した芯線の端末部に、前記端子金具の後端部に設けられた電線圧着部が圧着されて接続されるとともに、残された被覆の端末部における前記電線圧着部の直後位置に前記ゴム栓が嵌着されていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記ゴム栓の内周面には、全周に亘るリップが同ゴム栓の軸線方向に間隔を開けた形態で複数条形成され、これらのリップは、前記電線圧着部の圧着に伴い前記被覆の外周形状が変形した場合に、少なくとも最後方に位置する前記リップが前記被覆の外周面の全周に亘って弾縮変形可能な高さ寸法を有していることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
- 前記キャビティ内には、前記ゴム栓を前止まりする前止まり部が設けられる一方、前記キャビティの入口には、前記ゴム栓を抜け止めするゴム栓押さえが、同ゴム栓を前記前止まり部との間で弾性的に挟持した形態で装着可能となっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の防水コネクタ。
- 前記被覆電線における露出した前記芯線の端末部が、前記電線圧着部の圧着に伴い外形略楕円形に変形するようになっていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の防水コネクタ。
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