JP6046959B2 - 酸素透過膜 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を選択的に透過させる酸素透過膜に関するものである。
従来、酸素を選択的に透過する酸素透過膜として、酸素イオン(酸化物イオン)伝導性を示す酸化物(例えば、ガドリニウム固溶セリア)と、電子伝導性を示す酸化物(例えば、鉄を含有するスピネル型複合酸化物)とを混合して成る酸素透過膜が知られている。このような酸素透過膜の用途の一つとして、改質原料から水素を生成する改質反応に必要な酸素を生成する、という用途が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術には、酸素透過膜を用いて空気から酸素を抽出し、得られた酸素を用いて、炭化水素系燃料等の改質原料を部分酸化反応によって改質し、燃料電池等に供給するための水素を得る方法が開示されている。
特開2005−281086号公報 特開平5−238738号公報
しかしながら、このような酸素透過膜の製造時に、原料である酸素イオン伝導性を示す酸化物と電子伝導性を示す酸化物とを混合して焼成すると、双方の酸化物が反応して、これらの酸化物とは異なる組成の異種相が生じることが知られている。このような異種相は、一般に高抵抗であり、異種相の生成は、酸素透過膜の性能低下を引き起こし得る。そのため、酸素透過膜を構成する酸化物の安定性および酸素透過性能に優れた酸素透過膜が望まれていた。
なお、酸素透過膜を構成する酸化物の安定性の問題は、酸素透過膜の製造時だけでなく、酸素透過膜を用いて酸素透過を行なう際にも生じ得た。例えば、部分酸化反応を進行する改質装置において酸素透過膜を用いる場合には、酸素透過膜は、還元性物質である改質原料に曝されると共に、部分酸化反応の反応温度に対応する高温に曝される。すなわち、高温の還元雰囲気下に曝されることになる。このような場合にも、酸素透過膜を構成する酸化物同士が反応したり、酸素透過膜を構成する酸化物が還元されたりして、酸素透過膜の性能低下が引き起こされる場合があった。このように、酸素透過膜においては、酸素透過膜の安定性を向上させる技術や、酸素透過膜の性能を確保する技術が望まれていた。また、酸素透過膜においては、酸素透過膜としての性能の向上や、低コスト化、製造の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実施することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、酸素分圧差を駆動力として、高酸素分圧側から低酸素分圧側へと酸素を透過する酸素透過膜が提供される。この酸素透過膜は、酸素イオン伝導体である安定化ジルコニアと;組成式Sr1-xxTi1-yM’y3-Z(式中、Mは,希土類元素から選択される元素であり、M’は、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)から選択される元素であり、0≦x≦0.3であり、0≦y≦0.3である)で表わされる電子伝導体と;を混合して成ることを特徴とする。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜を構成する酸化物の安定性および酸素透過性能を向上させることができる。
(2)上記形態の酸素透過膜において、前記組成式中のxの範囲が0≦x≦0.2であり、yの範囲が0≦y≦0.2であることとしてもよい。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜における異種相の生成をさらに抑えて、酸素透過膜の安定性を向上させることができる。
(3)上記形態の酸素透過膜において、前記組成式中、Mはランタン(La)であり、M’はニオブ(Nb)であり、x=0.1であり、y=0.1であることとしてもよい。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜の安定性および酸素透過性能をさらに向上させることができる。
(4)上記形態の酸素透過膜において、前記酸素透過膜を、水素濃度10%、窒素濃度90%の雰囲気下において、1000℃にて24時間暴露した後に、前記酸素透過膜において、実質的に異種相が生成しないこととしてもよい。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜を還元雰囲気下で用いる場合であっても、酸素透過膜の安定性および酸素透過性能を維持することができる。
(5)上記形態の酸素透過膜において、前記酸素透過膜の相対密度が80%以上であることとしてもよい。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜における酸素透過速度を高めることができる。
(6)上記形態の酸素透過膜において、前記酸素透過膜は、前記酸素イオン伝導体と前記電子伝導体とを混合して焼成することにより形成されることとしてもよい。この形態の酸素透過膜によれば、酸素透過膜を製造するための焼成を行なっても、前記酸素イオン伝導体と前記電子伝導体との反応を抑えることができるため、酸素透過膜の酸素透過性能を高めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、酸素透過膜の製造方法、あるいは、酸素透過膜を備える改質装置などの形態で実現することが可能である。
酸素透過膜および改質装置の概略構成を示す断面模式図である。 酸素透過膜の安定性および耐還元性を調べた結果を示す説明図である。 酸素透過膜の安定性および耐還元性を調べた結果を示す説明図である。 サンプルS01のX線回折パターンを示す説明図である。 サンプルS16のX線回折パターンを示す説明図である。 サンプルS17のX線回折パターンを示す説明図である。 Laの置換量xおよびNbの置換量yと積分強度比との関係を調べた結果を示す説明図である。 還元雰囲気下で熱処理した前後のX線回折パターンを示す説明図である。 還元雰囲気下で熱処理した前後のX線回折パターンを示す説明図である。 酸素透過膜の酸素透過流速密度を測定する装置を表わす説明図である。 各サンプルについて酸素透過流速密度を測定した結果を示す説明図である。
A.酸素透過膜の構成:
図1は、本発明の実施形態としての酸素透過膜10、および、この酸素透過膜10を備える改質器20の概略構成を示す断面模式図である。まず、酸素透過膜10の構成について説明する。酸素透過膜10は、酸素イオン伝導性を示す酸化物(以下、酸素イオン伝導体とも呼ぶ)と、電子伝導性を示す酸化物(以下、電子伝導体とも呼ぶ)との混合物により構成されている。これにより、酸素透過膜10は、還元雰囲気下、および酸化雰囲気下において、酸素イオン伝導性および電子伝導性を示す。
酸素透過膜10が含有する酸素イオン伝導体としては、安定化ジルコニアを用いることができる。安定化ジルコニアは、酸化ジルコニウム(ZrO2)に対して、酸化物である1種以上のドーパントを固溶させることにより安定化したジルコニアである。上記ドーパントとして用い得る酸化物としては、例えば、希土類酸化物である酸化イットリウム(Y23)、酸化スカンジウム(Sc23)、および酸化イッテルビウム(Yb23)を挙げることができる。また、酸化カルシウム(CaO)や酸化マグネシウム(MgO)をドーパントとして用いることもできる。ジルコニアにおいて、4価で安定なジルコニウム(Zr)のサイトを、ドーパントが含有する2価あるいは3価で安定な元素で置換することにより、構造中に酸素空孔が形成されて酸素イオン伝導性が発現されると共に、結晶構造が安定化する。酸素イオン伝導性および安定性の観点から、安定化ジルコニアは、イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZとも表わす)およびスカンジア安定化ジルコニア(以下、ScSZとも表わす)から選択することが好ましい。
安定化ジルコニアでは、添加するドーパント量を増加させるほど酸素イオン伝導性が向上し、一般に、ドーパントの添加量が、完全安定化ジルコニアを得るために最低限必要な添加量付近であるときに、酸素イオン伝導性は最大値となる。このような値以上に過剰にドーパントを添加すると、酸素イオン伝導性は低下する傾向を示す。そのため、酸素イオン伝導性を確保すると共に、酸素透過膜10全体の安定性を高める効果を得るためには、安定化ジルコニアにおけるドーパントの添加量は、3〜12mol%とすることが望ましい。特に、安定化ジルコニアとしてイットリア安定化ジルコニアを用いる場合には、ドーパントの添加量を3〜8mol%とすることが好ましく、安定化ジルコニアとしてスカンジア安定化ジルコニアを用いる場合には、ドーパントの添加量を7〜11mol%とすることが好ましい。
酸素透過膜10が含有する電子伝導体としては、以下の(1)式で表わされる電子伝導体を用いることができる。
Sr1-xxTi1-yM’y3-Z …(1)
(式中、Mは,希土類元素から選択される元素であり、M’は、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)から選択される元素であり、0≦x≦0.3であり、0≦y≦0.3である。また、zは、式中の金属元素の割合や、環境温度および雰囲気に応じて、酸素原子の量が変動することを示す値である。)
本実施形態では、酸素イオン伝導体として安定化ジルコニアを用い、電子伝導体として上記(1)式で表わされる酸化物を用い、両者を混合して酸素透過膜を形成することにより、酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応することを抑えている。電子伝導体がストロンチウムチタネート系の複合酸化物であれば、上記のように安定化ジルコニアと組み合わせることで酸素透過膜の安定性を向上できるため、上記(1)式においてx=0かつy=0であってもよい。ただし、上記(1)式のストロンチウムチタネート系の複合酸化物において、希土類元素から選択される元素を、ストロンチウム(Sr)サイトに添加すると共に、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)から選択される元素を、チタン(Ti)サイトに添加することで、さらに酸素透過膜10の性能を向上させることができる。このようなストロンチウムチタネート系の複合酸化物は、2価で安定なSrサイトを、例えばランタン(La)のような3価で安定な希土類元素で部分的に置換することにより、電子伝導性を高めることができる。また、4価で安定なTiサイトを、5価で安定なニオブ(Nb)あるいはタンタル(Ta)で部分的に置換することにより、電子伝導性を高めることができる。ニオブ(Nb)とタンタル(Ta)は、いずれも第5族に属する元素であり、類似する性質を有するため、Tiサイトをいずれの元素で置換しても同様の効果が得られる。
上記(1)式において、xの値を大きくするほど、また、yの値を大きくするほど、本実施形態の電子伝導体の電子伝導度を高めることが可能になる。ただし、xあるいはyの値を大きくする(置換量を大きくする)ほど、結晶構造が不安定になり、他の元素との反応性が高まる。具体的には、xあるいはyの値が0.3を超えると、例えば本実施形態の電子伝導体と酸素イオン伝導体とを混合して酸素透過膜10を製造するための焼成工程において、電子伝導体および酸素イオン伝導体とは異なる組成の異種相の生成量が増加する。そのため、本実施形態では、上記組成式(1)中のxの範囲を、0≦x≦0.3とし、yの範囲を0≦y≦0.3としている。上記異種相の生成をさらに抑えるためには、xの範囲をx≦0.2とし、yの範囲をy≦0.2とすることが望ましい。また、酸素透過膜10の酸素透過性能を高めるためには、xの範囲を0.1≦xとし、yの範囲を0.1≦yとすることが望ましい。このような本実施形態の電子伝導体としては、(1)式におけるMがランタン(La)であり、M’がニオブ(Nb)であって、x=0.1、かつ、y=0.1である酸化物を用いることが、特に好ましい。なお、既述したように、上記組成式(1)中のzの値は、(1)式の電子伝導体を構成する金属元素の割合や、環境温度および雰囲気に応じて酸素原子の量が変動することを示す値であり、例えば、0〜0.2の範囲の数値を取り得る。
酸素イオン伝導体および電子伝導体の各々は、例えば、固相反応法により形成することができる。固相反応法とは、酸化物や、炭酸塩、あるいは硝酸塩などの粉末原料を、作製すべき酸化物の組成に応じて、上記粉末原料中の金属元素が所定の割合となるように秤量、混合した後、熱処理(焼成)を行って、所望の酸化物を合成する周知の方法である。酸素イオン伝導体および電子伝導体の各々の製造方法は、固相反応法以外の方法であってもよく、例えば、共沈法やpechini法やゾルゲル法など、複合酸化物を製造可能な種々の方法を採用可能である。pechini法とは、金属イオンとクエン酸とのキレート化合物とエチレングリコールなどのポリアルコールとのエステル化反応で前駆体を作製し、熱処理によって酸化物粒子を得る方法である。
酸素透過膜10を作製するには、例えば、酸素イオン伝導体の粉末と電子伝導体の粉末とを用意して、酸素イオン伝導体と電子伝導体の各々の粒径が十分に小さい状態で十分に混合して、成形後に焼成すればよい。酸素イオン伝導体と電子伝導体とを、十分に小さい粒径で十分に混合するには、例えば、ボールミルを用いて混合すればよい。酸素イオン伝導体と電子伝導体の混合物の成形は、例えば、プレス成形により行なえばよい。また、酸素イオン伝導体と電子伝導体の混合物の焼成温度は、十分に緻密な焼結体を得るためには、例えば1200℃以上とすることが好ましく、1300℃以上とすることがさらに好ましい。また、酸素イオン伝導体と電子伝導体の混合物の焼成温度は、酸素イオン伝導体と電子伝導体の間の反応を抑制するためには、例えば、1650℃以下が好ましく、1500℃以下がさらに好ましい。上記混合物を焼成して得られる酸素透過膜の膜厚は、例えば、1〜1000μmとすることができる。
酸素透過膜10において、酸素イオン伝導体と電子伝導体との混合割合は、各々の酸化物によって実現される酸素イオン伝導性と電子伝導性のバランスの結果として得られる酸素透過膜10の酸素透過性能を考慮して適宜定めればよい。酸素イオン伝導体と電子伝導体との混合物である酸素透過膜10中における電子伝導体の混合割合は、例えば、5mol%以上とすることが好ましい。また、上記混合割合は、例えば、50mol%以下とすればよく、40mol%以下とすることが好ましく、30mol%以下とすることがさらに好ましい。
B.改質器の構成:
図1に示す改質器20は、上記した酸素透過膜10を備えると共に、酸素透過膜10の一方の面側に、改質原料としての流体が流れる改質原料流路16が形成されている。また、酸素透過膜10の他方の面側に、酸素含有ガスとしての空気が流れる空気流路18が形成されている。酸素透過膜10は、酸素イオン透過性を有し、酸素分圧が高い側から低い側へと、酸素を特異的に移動させる性質を有している。そのため、改質器20では、空気流路18中の酸素が、酸素透過膜10を介して改質原料流路16側へと透過する。そして、本実施形態の改質器20では、酸素透過膜10における改質原料流路16側の面上において、酸素透過膜10を透過した酸素を利用して、改質原料の部分酸化反応が進行する。
図1では、空気流路18側の酸素分圧(PO2)の方が、改質原料流路16側の酸素分圧(P’O2)よりも高く、酸素透過膜10の両面間で酸素分圧勾配が生じる様子を、破線により概念的に示している。酸素透過膜10では、このような両面間の酸素分圧差を駆動力として、高酸素分圧側(空気流路18)から低酸素分圧側(改質原料流路16)へと、酸素が透過する。このとき、空気流路18内の酸素分子は、酸素透過膜10の空気流路18側の表面でイオン化し、生じた酸素イオンが、酸素イオン伝導性を有する酸素透過膜10内を改質原料流路16側へと移動する。本実施形態の酸素透過膜10は、酸素イオン伝導性と共に電子伝導性を有するため、上記のように酸素イオンが移動する際には、酸素イオンとは逆向きに電子が膜内を移動する。そのため、酸素透過膜10に対して外部から電圧を印加することなく、酸素の透過を行なわせることができる。なお、酸素透過膜10における電子伝導性は、電子伝導とホール伝導の双方であってもよく、いずれか一方であっても良い。本実施形態では、酸素透過膜10について電子伝導性という場合には、電子伝導とホール伝導の双方、あるいは一方である場合を含むものとする。
上記のように改質原料流路16側へと酸素が輸送されると、酸素透過膜10の改質原料流路16側では、部分酸化反応によって改質原料の改質が行なわれる。改質原料としては、種々の気体燃料あるいは液体燃料を用いることができる。気体燃料としては、例えば、メタンや、メタンを主成分とする天然ガスなどの炭化水素系燃料を用いることができる。また、液体燃料としては、例えば、液体炭化水素や、メタノール等のアルコール、あるいはエーテルを用いることができる。改質原料の部分酸化反応の一例として、メタンの部分酸化反応を、(2)式として以下に示す。
CH4+(1/2)O2 → CO+2H2 …(2)
このように、炭化水素等の改質原料から水素と一酸化炭素とを生じる改質器20は、例えば、燃料電池に燃料ガスとして供給する水素を得るために用いることができる。あるいは、得られた水素と一酸化炭素を用いてさらに炭化水素転換を行なって、液体炭化水素燃料を製造する、すなわち、GTL(Gas To Liquid)技術のために用いても良い。なお、図1では、改質器20として、平板状の1枚の酸素透過膜10を備える構成を記載しているが、改質器20は、種々の形態とすることができる。例えば、改質器20を円筒形状に形成し、円筒の外側を外気に曝して空気流路18とすると共に、円筒の内部を改質原料流路16としてもよい。この場合には、円筒の一端に、改質原料を供給するための流路を接続すると共に、円筒の他端に、改質反応で得られた水素および一酸化炭素を取り出すための流路を接続すればよい。あるいは、平板状の酸素透過膜10を複数積層し、積層した複数の酸素透過膜10の間に、改質原料流路16と空気流路18とを交互に設けることとしても良い。
以上のように構成された本実施形態の酸素透過膜10によれば、既述した特定の酸素イオン伝導体および電子伝導体を特定の割合で混合した混合物を用いて酸素透過膜10を構成することにより、酸素透過膜10の製造時の焼成の工程において、酸素イオン伝導体と電子伝導体の反応を抑制することができる。具体的には、上記酸素イオン伝導体および電子伝導体とは異なる異種相が、実質的に生成していない酸素透過膜を得ることが可能になる。異種相は、一般的に抵抗が高い(酸素イオン伝導性あるいは電子伝導性が低い)ため、異種相の生成を抑えることにより、異種相の生成に起因する酸素透過膜10の性能低下を抑制することができる。
ここで、実質的に異種相が生成しているか否かは、試料である酸素透過膜10についてX線回折法による分析を行ない、X線回折パターンのピークを比較することにより判断できる。具体的には、酸素イオン伝導体に由来するX線回折ピークの積分強度と、電子伝導体に由来するX線回折ピークの積分強度と、異種相に由来するX線回折ピークの積分強度とを求める。そして上記3種のX線回折ピークの積分強度の合計に対する、異種相に由来するX線回折ピークの積分強度の割合を求め、当該割合が2%以下であれば、実質的に異種相が生成していないと判断することができる。
また、本実施形態の酸素透過膜10によれば、酸素透過膜10の製造時だけでなく、酸素透過膜10を備える改質器20の動作中も、酸素透過膜10内での異種相の実質的な生成を防止できる。具体的には、酸素透過膜10が、動作温度に対応する高温に曝されても、酸素イオン伝導体と電子伝導体の反応を抑制することができる。また、改質器20の動作中は、酸素透過膜10の改質原料流路16側の面が還元雰囲気に曝されるが、このような場合であっても、酸素透過膜10を構成する酸素イオン伝導体および電子伝導体の還元を抑制できる。すなわち、既述した特定の酸素イオン伝導体および電子伝導体を特定の割合で混合した混合物によって酸素透過膜10を形成することにより、酸素透過膜10の耐還元性を高めることができる。このように、本実施形態の酸素透過膜10によれば、異種相の生成に起因する酸素透過膜の性能低下、および、その結果としての改質器の性能低下を抑えることができる。
酸素透過膜の耐還元性は、酸素透過膜を、水素濃度10%、窒素濃度90%の雰囲気下において、1000℃にて24時間暴露する処理を行ない、その後、既述したX線回折ピークの積分強度の比較を行なって、実質的に異種相が生成しているか否かを調べることにより評価できる。改質器20の運転温度は、一般に、800〜1000℃程度であるため、上記した還元雰囲気下での処理を行ない、実質的に異種相が生成しない場合には、例えば改質器20に組み込む酸素透過膜として、十分な耐還元性を有していると評価できる。
なお、酸素透過膜10は、ガス不透過な緻密膜であることが望まれるため、酸素透過膜10の相対密度は、80%以上であることが望ましい。ここで、相対密度とは、試料の理論密度に対する、試料の実測された密度の割合を表わす。理論密度は、試料の単位格子当たりに含まれる元素の原子量と格子定数から求めることができる。試料の格子定数は、X線回折法(XRD測定)により求めることができる。試料の密度の実測は、アルキメデス法により行なうことができる。
ここで、酸素透過膜10内に気孔(微細孔)が形成されていると、この気孔を介して、酸素を含むガスが酸素透過膜内を通過する。気孔を介して酸素透過膜内を酸素含有ガスが通過すると、酸素透過膜10の両面間の酸素分圧差が小さくなるため、酸素透過膜10における酸素透過の駆動力が低下して、酸素透過速度が低下する可能性がある。また、上記気孔を介して、酸素以外のガス(例えば窒素)が空気流路18側から改質原料流路16側へと移動すると、酸素透過膜10によって空気から酸素を分離する効率が低下し、その結果、部分酸化反応の効率が低下する可能性がある。酸素透過膜10の酸素透過特性は、酸素透過膜10の組成や酸素透過膜10の厚み等の影響を受けるが、上記した問題点を考慮すると、酸素透過膜10の相対密度は、80%以上とすることが望ましい。
なお、酸素透過膜10の相対密度は、焼成温度により変化する。本実施形態では、酸素イオン伝導体として安定化ジルコニアを用い、電子伝導体として(1)式で表わされる電子伝導体を用いることにより、より低い焼成温度で、十分に高い相対密度を示す(緻密な)酸素透過膜を得ることができる。また、酸素透過膜10の相対密度は、酸素透過膜10の製造時における焼成温度の他、酸素イオン伝導体と電子伝導体の混合比率の影響を受ける。そのため、上記焼成温度および混合比率は、酸素透過膜10の望ましい相対密度も考慮して、適宜設定すればよい。
また、酸素透過膜10は、その少なくとも一方の表面上に、触媒を備えていてもよい。例えば、改質原料流路16側の表面上に部分酸化反応を進行させるための触媒を備える場合であっても、触媒には、改質原料流路16中の改質原料と、酸素透過膜10を透過した酸素の双方が供給される必要があるため、酸素透過膜10における改質原料流路16側の面における触媒との界面近傍は、還元雰囲気となる。そのため、改質原料流路16側の表面上に触媒を備える場合であっても、耐還元性に優れた本実施形態の酸素透過膜10を用いることにより、酸素透過膜10の性能低下を抑える既述した効果を得ることができる。
C.変形例:
・変形例1:
上記実施形態では、酸素透過膜10を製造するために、酸素イオン伝導体と電子伝導体とを混合して焼成している。これに対して、焼成を伴わない方法により酸素透過膜10を製造しても良い。焼成を伴わない酸素透過膜10の製造方法(成膜方法)としては、例えば、CVD法(化学気相蒸着法)あるいはPVD法(物理気相蒸着法)等の気相法や、溶射を採用することができる。このような場合であっても、既述した特定の酸素イオン伝導体および電子伝導体を特定の割合で混合した混合物を用いて酸素透過膜10を構成することにより、実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、異なる製造方法を採用する場合であっても、酸素透過膜10の相対密度は80%以上とすることが望ましい。
・変形例2:
上記実施形態では、酸素透過膜10を、図1に示すように自立膜として形成している。これに対して、酸素透過膜10を、例えば、多孔質体から成る担体(基材、支持体)の面上に成膜された膜としても良い。この場合には、多孔質な担体上に、例えば、PLD法(パルスレーザー堆積法)等のPVD法や、ディップ法、溶射、スパッタ法などにより、実施形態の酸素透過膜10と同様の酸化物の混合物から成る層を形成すればよい。そして、必要に応じて焼成の工程を行なえばよい。
・変形例3:
上記実施形態では、改質器20において、酸素透過膜10の他方の面側に、空気が流れる空気流路18を設けている。これに対して、酸素透過膜10の他方の面側に、空気以外のガスの流路を形成しても良い。酸素透過膜10は、酸素を特異的に透過させる膜であるため、酸素透過膜10の他方の面側に供給するガスとしては、空気以外にも種々の酸素含有ガスを用いることができる。
・変形例4:
上記実施形態では、酸素透過膜10を、部分酸化反応を進行する改質器20に組み込んで用いている。これに対して、酸素透過膜10を、改質器以外の装置に組み込むこととしてもよい。例えば、酸素透過膜10を用いて純酸素製造装置を作製し、酸素含有ガスから純度の高い酸素ガスを得るために酸素透過膜10を利用してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
図2、3は、サンプルS01〜S09、およびS11〜S19という18種類の酸素透過膜を作製し、安定性および耐還元性を調べた結果を表にして示す説明図である。以下に、各サンプルの構成および製造方法と、性能を評価した結果について説明する。
A.各サンプルの作製:
[サンプルS01、S11]
サンプルS01、S11は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS01、S11は、電子伝導体として、Sr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zを含有する。サンプルS01とサンプルS11とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
YSZは、東ソー株式会社製のTZ−8Y粉末を用いた。Sr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zは、以下のように作製した。原料粉末としては、炭酸ストロンチウム(SrCO3、高純度化学研究所製、純度99.9%)、酸化ランタン(La23、和光純薬工業製、純度99.9%)、酸化チタン(TiO2、昭和電工製、純度99.9%)、および酸化ニオブ(Nb2O5、和光純薬工業製、純度99.9%)の粉末を用いた。これら原料粉末を、金属元素の割合が、既述した組成式の組成比になるように秤量した。そして、ZrO2ボールと樹脂ポットを用いて、エタノールと共に、これらの原料粉末について湿式混合粉砕を15時間行なった。その後、湯煎乾燥してエタノールを除去し、得られた混合粉末を15℃/minの昇温速度で1500℃まで昇温させ、1500℃にて24時間仮焼成して、仮焼粉末であるSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zの粉末を得た。
さらに、この仮焼粉末に分散剤とバインダを加え、エタノールを用いて既述した条件と同様の条件で湿式混合粉砕を行ない、乾燥させて、仮焼粉末を含む粉末を得た。その後、YSZとSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zとの混合物におけるSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zの混合割合が50mol%となるように、上記仮焼粉末を含む粉末をYSZに混合し、YSZとSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zの混合粉末を得た。この混合粉末に対して、油圧プレスにて15kNの力を加えて成形し、1500℃(サンプルS01)あるいは1300℃(サンプルS11)にて24時間焼成し、サンプルS01あるいはS11として、YSZとSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zの混合体のペレットを得た。なお、上記した混合粉末を得る際には、仮焼粉末において100%の効率でSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zが形成されているものとして、仮焼粉末を含む粉末の混合量を設定した。
[サンプルS02、S12]
サンプルS02、S12は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS02、S12は、電子伝導体として、Sr0.8La0.2Ti0.8Nb0.23-zを含有する。サンプルS02とサンプルS12とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS02、S12の製造は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるSr0.8La0.2Ti0.8Nb0.23-zを作製するために原料粉末を秤量する際には、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS02は1500℃であり、サンプルS12は1300℃とした。
[サンプルS03、S13]
サンプルS03、S13は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS03、S13は、電子伝導体として、Sr0.7La0.3Ti0.9Nb0.13-zを含有する。サンプルS03とサンプルS13とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS03、S13の製造は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるSr0.7La0.3Ti0.9Nb0.13-zを作製するために原料粉末を秤量する際には、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS03は1500℃であり、サンプルS13は1300℃とした。
[サンプルS04、S14]
サンプルS04、S14は、酸素イオン伝導体として、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)を含有する。また、サンプルS04、S14は、電子伝導体としてSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zを含有する。サンプルS04とサンプルS14とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS04、S14の製造は、酸素イオン伝導体としてScSZを用いたこと以外は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。サンプルS04、S14では、ScSZとして、スカンジウム(Sc)およびセリウム(Ce)を含有するスカンジア安定化ジルコニア(第一希元素化学工業製、10Sc1CeSZ)を用いた。なお、焼成温度は、サンプルS04は1500℃であり、サンプルS14は1300℃とした。
[サンプルS05、S15]
サンプルS05、S15は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS05、S15は、電子伝導体として、Sr0.6La0.4Ti0.6Nb0.43-zを含有する。サンプルS05とサンプルS15とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS05、S15の製造は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるSr0.6La0.4Ti0.6Nb0.43-zを作製するために原料粉末を秤量する際には、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS05は1500℃であり、サンプルS15は1300℃とした。
[サンプルS06、S16]
サンプルS06、S16は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS06、S16は、電子伝導体としてLa0.6Sr0.4CoO3-zを含有する。サンプルS06とサンプルS16とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS06、S16の製造は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるLa0.6Sr0.4CoO3-zを作製するための原料粉末としては、酸化ランタン(La23、和光純薬工業製、純度99.9%)、炭酸ストロンチウム(SrCO3、高純度化学研究所製、純度99.9%)、および酸化コバルト(Co34、高純度化学研究所製、純度99.9%)の粉末を用いた。これらの原料粉末を、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS06は1500℃であり、サンプルS16は1300℃とした。
[サンプルS07、S17]
サンプルS07、S17は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS07、S17は、電子伝導体としてLa0.6Sr0.4MnO3-zを含有する。サンプルS07とサンプルS17とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS07、S17の製造は、サンプルS01、S11と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるLa0.6Sr0.4MnO3-zを作製するための原料粉末としては、酸化ランタン(La23、和光純薬工業製、純度99.9%)、炭酸ストロンチウム(SrCO3、高純度化学研究所製、純度99.9%)、および酸化マンガン(Mn23、高純度化学研究所製、純度99.9%)の粉末を用いた。これらの原料粉末を、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS07は1500℃であり、サンプルS17は1300℃とした。
[サンプルS08、S18]
サンプルS08、S18は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS08、S18は、電子伝導体としてLa0.8Sr0.2CoO3-zを含有する。サンプルS08とサンプルS18とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS08、S18の製造は、サンプルS06、S16と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるLa0.8Sr0.2CoO3-zを作製するために原料粉末を秤量する際には、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS08は1500℃であり、サンプルS18は1300℃とした。
[サンプルS09、S19]
サンプルS09、S19は、酸素イオン伝導体として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含有する。また、サンプルS09、S19は、電子伝導体としてLa0.8Sr0.2MnO3-zを含有する。サンプルS09とサンプルS19とは、後述する焼成温度のみが異なっている。
サンプルS09、S19の製造は、サンプルS07、S17と同様にして行なった。ただし、電子伝導体であるLa0.8Sr0.2MnO3-zを作製するための原料粉末を秤量する際には、金属元素の割合が、目的の電子伝導体の組成式の組成比になるように秤量した。なお、焼成温度は、サンプルS09は1500℃であり、サンプルS19は1300℃とした。
B.酸素イオン伝導体と電子伝導体の反応性について:
各サンプルを用いて、酸素透過膜を構成する酸素イオン伝導体と電子伝導体の反応性を評価した。すなわち、酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応することに起因する、酸素イオン伝導体および電子伝導体とは異なる異種相の生成の有無を評価した。反応性の評価は、粉末X線回折法(CuKα)により行なった。
図4は、サンプルS01のX線回折パターンである。各サンプルにおいて、酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応すると、X線回折パターンにおいて、酸素イオン伝導体と電子伝導体に対応するピークに加えて、反応により生じた物質に対応するピークが生じる。そこで、X線回折パターンに基づいて、酸素イオン伝導体と電子伝導体との反応により生じた物質のX線回折ピークの積分強度比を求めた。上記反応により生じた物質のX線回折ピークの積分強度比(以下、単に積分強度比とも呼ぶ)は、以下の(3)式で与えられる。
積分強度比=c1/(a1+b1+c1) …(3)
ここで、a1は、酸素イオン伝導体に由来するX線回折ピークの積分強度であり、b1は、電子伝導体に由来するX線回折ピークの積分強度であり、c1は、上記反応により生じた物質に由来するX線回折ピークの積分強度である。このような積分強度比が2%以下であるときに、酸素透過膜の製造のための焼成工程において、酸素イオン伝導体と電子伝導体とは異なる異種相が、実質的に生成していないと評価した。なお、各々の化合物に由来するX線回折ピークは、各化合物の結晶面毎に現われるが、各化合物のX線回折ピークの積分強度は、各々の化合物に由来のピークの内の最も強いピーク(ただし、最も強いピークが他のピークと重なる場合には2番目に強いピーク)について求めた。
具体的には、サンプルS01のように、酸素イオン伝導体としてYSZを用い、電子伝導体としてSr1-xLaxTi1-yNby3-Zを用いる場合には、異種相としてSrZrO3が生じ得る。そこで、上記(3)式のa1は、YSZ相の(101)面のピークの積分強度であり、b1は、La0.8Sr0.2CrO3-z相の(110)面のピークの積分強度であり、c1は、SrZrO3相の(110)面のピークの積分強度である。
サンプルS01について導出された積分強度比は2%以下であり、サンプルS01の製造のための焼成を行なっても、実質的に異種相が生成しないことが確認された(図4参照)。
図5は、サンプルS16のX線回折パターンである。図5に示すように、酸素イオン伝導体としてYSZを用い、電子伝導体としてLa1-xSrxCoO3-zを用いる場合には、異種相として、SrZrO3、La2Zr27、あるいはCo34等が生じ得る。そこで、上記(3)式の積分強度比を導出すると、積分強度比は2%を超えており、異種相が形成していることが確認された(図5参照)。より具体的には、サンプルS16のX線回折パターンでは、電子伝導体であるLa0.6Sr0.4CoO3-zのピークはほとんど観察されなかった。すなわち、作製のための焼成工程において、電子伝導体のほとんどが酸素イオン伝導性と反応して異種相を形成していた。なお、サンプルS16と同じ組成であって、サンプルS16の製造時の焼成温度よりも低い1100℃にて焼成したサンプルを作製したところ、酸素イオン伝導体と電子伝導体とLa2Zr27等の異種相が共存する状態であることが確認された(データ示さず)。
図6は、サンプルS17のX線回折パターンである。図6に示すように、酸素イオン伝導体としてYSZを用い、電子伝導体としてLa1-xSrxMnO3-zを用いる場合には、異種相としてSrZrO3が生じ得る。そこで、YSZ相の(101)面のピークの積分強度をa1、La0.6Sr0.4MnO3-z相の(104)面のピークの積分強度をb1、SrZrO3相の(110)面のピークの積分強度をc1として、サンプルS17の積分強度比を既述した(3)式により求めた。その結果、サンプルS17の積分強度比は2%を超えており、異種相が生成していることが確認された(図6参照)。
他のサンプルについても同様に、X線回折パターンに基づいて積分強度比を求め、積分強度比が2%以下であれば、製造工程における焼成時に異種相が生成していないと判断した。各サンプルについての異種相生成に係る評価結果を、図2および図3に示している。
異種相は、一般的に、製造時の焼成温度が高いほど生成し易いが、電子伝導体としてSr1-xLaxTi1-yNby3-Z(ただしx、yは、それぞれ、0.1〜0.3)を用いる場合には、製造時の焼成温度が比較的高温の1500℃であっても、異種相は生成しなかった(図2のサンプルS01〜S04および図3のサンプルS11〜S14を参照)。これに対して、電子伝導体としてSr1-xLaxTi1-yNby3-Z(ただしx、yは、それぞれ0.4)を用いる場合、La1-xSrxCoO3-zを用いる場合、あるいはLa1-xSrxMnO3-zを用いる場合には、製造時の焼成温度が比較的低温の1300℃であっても、異種相が生成した(図2のサンプルS05〜S09および図3のサンプルS15〜S19を参照)。
図7は、サンプルS01等と同様に、酸素イオン伝導体としてYSZを用い、電子伝導体としてSr1-xLaxTi1-yNby3-Zを用いたサンプルであって、xおよびyの値(LaおよびNbの置換量)を変更した複数のサンプルを作製し、積分強度比を求めた結果を示す説明図である。ここでは、xおよびyの値を、0.10〜0.40の範囲で変更したサンプルを用いた。図7では、横軸がLa置換量xを表わすと共に縦軸がNb置換量yを表わしており、各サンプルのxおよびyの値の交点に、各サンプルの積分強度比の結果を示している。各サンプルの積分強度比の結果は、積分強度比が2%以下である場合には「○」を付し、積分強度比が2%を超える場合には「×」を付すことにより示している。図7におけるxおよびyが0.10のサンプルは、図2のサンプルS01に相当し、xおよびyが0.20のサンプルは、図2のサンプルS02に相当し、xが0.30かつyが0.10のサンプルは図2のサンプルS03に相当し、xおよびyが0.40のサンプルは、図2のサンプルS05に相当する。図7に示すように、電子伝導体としてSr1-xLaxTi1-yNby3-Zを用いる場合には、xおよびyの値を0.30以下にすることで、異種相が実質的に生成していない酸素透過膜が得られることが確認できた。
C.酸素透過膜の耐還元性について:
サンプルS01〜S09、S11〜S19について、耐還元性の評価を行なった。耐還元性の評価は、各サンプルを還元雰囲気下で熱処理することによって行なった。具体的には、各サンプルとして作製したペレットを、水素濃度10%、窒素濃度90%の雰囲気下において、5℃/minの速度で1000℃まで昇温させ、1000℃にて24時間加熱処理して、その後、既述したX線回折法による測定を行ない、異種相のピークの積分強度比を求めた。還元雰囲気下での加熱処理では、金属用雰囲気制御焼成炉(ネムス株式会社製、FD−20×20×30−1Z2−20)を用いた。異種相に由来するX線回折ピークの積分強度の割合が2%以下であり、実質的に異種相が生成していない場合には、酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応しておらず、耐還元性に優れていると判断した。
各サンプルについて耐還元性を評価した結果を、図2および3にまとめて示す。サンプルS01〜S04およびS11〜S14では、酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応せず、耐還元性に優れると判断された。これに対して、サンプルS05〜S09およびS15〜S19では、還元雰囲気下での加熱処理によって異種相が生成され、分解が進行した。なお、図2および図3では、焼成によって異種相が生成せず、かつ、耐還元性の試験で酸素イオン伝導体と電子伝導体とが反応しない場合には、「○」と判定し、それ以外の場合には「×」と判定している。
図8および図9は、還元雰囲気下で熱処理した前後のX線回折パターンの例を示す説明図である。図8は、サンプルS01についてのX線回折パターンを示し、図9は、サンプルS16についてのX線回折パターンを示す。図8に示すように、サンプルS01は、還元雰囲気下での熱処理の前と後とでX線回折パターンはほとんど変化しなかった。これに対してサンプルS16は、還元雰囲気下での熱処理の前と後とでX線回折パターンは大きく変化した。既述したように、サンプルS16では、製造時における1300℃の焼成工程によって電子伝導体のほとんどが酸素イオン伝導体と反応して異種相を形成するが、このようなサンプルS16を還元雰囲気下で1000℃で熱処理すると、Co等の異種相が生じ、さらに分解が進むことが確認された。なお、サンプルS17を還元雰囲気下で加熱処理したところ、ペレットが割れてしまった。これは、還元雰囲気下での加熱処理により異種相が生成して、サンプルが還元膨張することにより割れたものと考えられる。
D.相対密度と酸素透過流速密度について:
素透過膜において、相対密度と酸素透過特性との関係、具体的には、相対密度と酸素透過流速密度(酸素透過速度)との関係を調べるために、サンプルを作製したここでは、サンプルS04およびS14と同様に、酸素イオン伝導体としてのScSZと、電子伝導体としてのSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zとを混合して成る酸素透過膜であって、互いに相対密度が異なる酸素透過膜であるサンプルを用いた。これらのサンプルの酸素透過膜は、サンプルS04およびS14と同様にして製造した。ただし、ScSZとSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zとの混合物中におけるSr0.9La0.1Ti0.9Nb0.13-zの混合割合は、20mol%とした。そして、酸素透過膜の製造時の焼成温度を1100℃〜1500℃の間で異ならせることによって、得られる酸素透過膜の相対密度を異ならせた。焼成により得られた各酸素透過膜をさらに湿式研磨して、各サンプルの厚みを0.6mmに調整した。
10は、各酸素透過膜の酸素透過特性を測定するために用いた測定装置30の概略構成を表わす説明図である。測定装置30は、2本の透明石英管31,32と、アルミナチューブ33,34と、電気炉35と、熱電対36と、を備える。2本の透明石英管31,32は、上下に配置され、その間に各サンプルを挟んで測定を行なう。透明石英管31とサンプルとを接合する際には、サンプル上に内径10mmの金の薄膜リングを載置し、その上に透明石英管31を押し付けて、1050℃に昇温して金を軟化させ、ガスシール性を確保した。透明石英管31,32の内側には、アルミナチューブ33,34を配置した。酸素透過特性の測定の際には、アルミナチューブ33には5%水素含有ガス(バランスガスはアルゴン)を流し、アルミナチューブ34には空気を流した。透明石英管31,32は、電気炉35内に配置されており、透明石英管31,32に挟まれたサンプルは、電気炉35内の均熱部分に配置した。また、アルミナチューブ34内には、サンプル温度を測定するために、サンプルの近傍に達するように熱電対36を配置した。酸素透過特性の測定の際には、サンプル温度が1000℃に維持されるように電気炉35による加熱を行なった。
上記した測定装置30において、空気側(透明石英管32側)から5%水素含有ガス側(透明石英管31側)へと、サンプル内を酸素が透過すると、酸素含有ガス側では水(水蒸気)が生じる。測定装置30から排出される水素含有ガス中の水蒸気は、全て、透過した酸素由来であると考えられるため、排出された水素含有ガス中の水蒸気濃度を鏡面露点計(東洋テクニカ製)または質量分析計(日本ベル製)を用いて測定し、透過した酸素量を算出した。このようにして算出した透過酸素量と、サンプルの透過面積とに基づいて、酸素透過流速密度j(02)を算出した。このとき、アルミナチューブ33を介して供給する5%水素含有ガス量と、アルミナチューブ34を介して供給する空気量は、マスフロコントローラを用いて、300mL/minとした。
11は、上記した相対密度が異なる各サンプルについて、酸素透過流速密度を測定した結果を示す説明図である。図11に示すように、相対密度が80%以上である酸素透過膜は、相対密度が80%よりも小さい酸素透過膜に比べて、酸素透過特性が大きく向上することが確認された。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…酸素透過膜
16…改質原料流路
18…空気流路
20…改質器
30…測定装置
31,32…透明石英管
33,34…アルミナチューブ
35…電気炉
36…熱電対

Claims (7)

  1. 酸素分圧差を駆動力として、高酸素分圧側から低酸素分圧側へと酸素を透過する酸素透過膜において、
    酸素イオン伝導体である安定化ジルコニアと、
    組成式Sr1−xTi1−yM’3−z(式中、Mは,希土類元素から選択される元素であり、M’は、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)から選択される元素であり、0.1≦x≦0.3であり、0.1≦y≦0.3である)で表わされる電子伝導体と、
    を混合して成ることを特徴とする
    酸素透過膜。
  2. 請求項1記載の酸素透過膜であって、
    前記組成式中のxの範囲が0.1≦x≦0.2であり、yの範囲が0.1≦y≦0.2であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  3. 請求項1または2に記載の酸素透過膜であって、
    前記組成式中、Mはランタン(La)であり、M’はニオブ(Nb)であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  4. 請求項記載の酸素透過膜であって、
    x=0.1であり、y=0.1であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  5. 請求項1〜いずれか一項に記載の酸素透過膜であって、
    前記酸素透過膜を、水素濃度10%、窒素濃度90%の雰囲気下において、1000℃にて24時間暴露した後に、前記酸素透過膜において、実質的に異種相が生成しないことを特徴とする
    酸素透過膜。
  6. 請求項1〜いずれか一項に記載の酸素透過膜であって、
    前記酸素透過膜の相対密度が80%以上であることを特徴とする
    酸素透過膜。
  7. 請求項1〜いずれか一項に記載の酸素透過膜であって、
    前記酸素イオン伝導体と前記電子伝導体とが混合された焼成体であることを特徴とする
    酸素透過膜。
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