JP6045404B2 - 連続式固定床触媒反応装置及びこれを用いた触媒反応方法 - Google Patents
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Description
円柱状の触媒と、
複数の円柱状の触媒を立設する保持板と、
隣り合う円柱状の触媒間の空間内に配置される清掃体17と、
触媒反応容器内において前記円柱状の触媒と前記清掃体17との間で相対運動を生じるように、前記円柱状の触媒と前記清掃体17のいずれかまたは両方を、往復運動させるための駆動機構と、
を具備することを特徴とする、連続式固定床触媒反応装置。
[2] 前記円柱状の触媒と前記清掃体17との間で相対運動の方向が、ガス主流方向であることを特徴とする、[1]に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[3] 前記触媒反応容器内において前記円柱状の触媒間に溜まった滞留物が落下除去されるための通路の方向がガス主流方向であることを特徴とする、[2]に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[4] 前記ガス主流方向が略鉛直方向であり、
前記清掃体17が反応容器によって鉛直方向の可動性を拘束される清掃体17であり、
前記保持板が前記円柱状の触媒を略水平方向に保持する保持板であり、
前記駆動機構が前記保持板に接続して前記保持板を略鉛直方向に昇降させる駆動装置であることを特徴とする[3]に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[5] 前記円柱状の触媒が複数の触媒をそれらの可動性を損なわずに貫通する中心棒から構成される触媒連であることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[6] 前記触媒反応用の原料ガスが炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体の炭化水素または固体のカーボンとであることを特徴とする、[1]から[5]のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[7] 前記触媒反応用の原料ガスがタールを含有するガスであることを特徴とする、[6]に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[8] 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CeO2の結晶相からなることを特徴とする、[1]から[7]のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
[9] [1]から[8]のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置を用いて、触媒反応を行うことを特徴とする、連続式固定床触媒反応方法。
以下、簡単のために、固体炭化水素(コークともよぶ)及び固体のカ-ボンを単に「カーボン」または「固体カーボン」とよぶことにする。
本発明者らの調査の結果、固定床触媒層中の触媒間に生成固体カーボンの堆積する機構は次のとおりであることがわかった。
すなわち、一般に、閉塞を生じた触媒層においては、
[個々の堆積カーボンの大きさ]>[当該触媒間空間の隙間]
の状態となっており、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
としない限り、触媒層からカーボンを大量に除去することはできず、触媒層外部からのブローによる触媒層の逆洗はこれに有効ではない。
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
の関係が実現されて触媒層中を落下し、遂には触媒層から除去された。
すなわち、1回限りの閉塞解消効果では、多くの場合、触媒反応容器における所要処理継続時間を満足できないので、反応容器外面の槌打は堆積カーボンの継続的な除去のためには不十分である。触媒層から堆積カーボンを継続的に除去するためには、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
とした後に、触媒層の最密充填状態を解消する手段が必要である。
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間(専用気流路の幅)]
を実現できている。従って、固体生成物が触媒上に所定量堆積するまでの間に触媒柵を往復運動させることによって堆積物を触媒表面から離脱させることができる。さらに、離脱させた固体生成物を、専用気流路を通じて落下または気流搬送することによって、触媒反応容器外に排出することができる。このようにして、触媒表面の生成物を除去することによって、触媒表面での生成物堆積状態を反応の初期状態と同様の状態に戻すことができるので、この往復運動操作を生成物の堆積が進行するたびに繰り返すことによって、反応容器の通気性を常に良好に保つことができる。
清掃体17によって触媒間の固着固体カーボンを破砕したとしても、破砕された触媒間の固体カーボン粒子が触媒間空間から効率的に除去されなければ、集約気流路の通気性を改善することはできない。この観点から、粒子を触媒間から落下除去させるための通路である粒子落下路の確保も通気性改善のためには必要な機能である。本発明では、触媒間の空間を集約し、かつ、互いに触媒間空間が連結しているので、この空間を粒子落下路とすることによってより大きな粒子を速やかに落下させることができ、粒子の落下性に関して好適である。
(全体構造)
図1に、本発明の第1の実施形態の連続式固定床触媒反応装置10を示す。この図の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。本発明の触媒反応装置10は、反応容器11を含み、その内部に、保持板12によって保持された円柱状の触媒13の集合体である触媒柵16が収容されている。
反応容器11は、両端近傍に原料ガス流入路31、改質ガス流出路32の開口を有し、これらの開口間に触媒柵16を収納できるものであればどのような形状でもよい。反応容器11は、例えば、円筒状、角型ダクト状などの形状であることができる。以下では、角型ダクト状の反応容器を例に説明する。
反応容器11の材質は、触媒を保持する強度、触媒反応に関与する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料(煉瓦に加工されたものを含む)、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料を使用することができる。
反応容器厚及び反応容器幅ともに、触媒直径よりも大きい必要がある。反応容器の厚みが大きいほど、空間を効率的に使用して多量の触媒を触媒反応容器に収納することができる。一般に触媒反応では発熱または吸熱があり、かつ、反応容器の表面を通じてこれらの熱を外部と授受するため、反応容器の厚みが大きいほど、厚み方向に熱が伝わりにくくなる。このため、反応容器の厚み(反応容器断面が円形の場合には直径)は、500mm以下であることが好ましい。また、当然のことながら、反応容器の厚みは、収納する触媒の代表寸法(例えば、触媒直径)よりも大きくなければならない。
本発明の触媒反応装置を適用できる触媒の材質や触媒作用は、流体、特にガスを原料とする触媒反応に用いられる触媒であれば、特に制限はない。流体がガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体または液体とである触媒反応、中でも、触媒反応用流体が炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスおよび固体または液体である触媒反応、特に、触媒反応用流体がタールを含有するガスであり、触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含む触媒反応に用いられる触媒に好適に使用できる。
円柱状の触媒は、中心となる円柱状の担体を形成し、この担体表面に上記の触媒、または、触媒原料を塗布して焼成すること等によって、形成することができる。
清掃体の材質は、強度、触媒反応に関与する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料(煉瓦に加工されたものを含む)、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料を使用することができる。
また、清掃体の幅は、触媒連の長さに対して10%以上の比率であること、さらには20%以上の比率であることが好ましい。また、この比率は、90%以下であること、さらには70%以下であることが好ましい。この比率が過小な場合、触媒間での清掃効果が十分には得られず、かつ、清掃体が細長い形状であるために破損し易いという問題がある。また、この比率が過大な場合、清掃体と触媒間での相対運動時に、清掃体の幅方向に除去されたカーボンが反応容器内壁と清掃体端部との間に挟まって相対運動を妨げる問題を生じ得る。
清掃体は、全ての気流路内に配置されることが好ましいが、必要に応じて一部の気流路内のみに配置してもよい。例えば、コーキングによるカーボン生成が触媒層中で偏在する場合には、コーキングを生じる領域の一部を清掃して通気性を確保すれば、コーキングを生じていない領域にガス供給を行うことができるので、一部の集約気流路、例えば、全気流路数の1/10の気流路内に清掃体を配置すればよい。
複数の清掃体17を安定に保持できればどのような形状でもよい。図1では平板である。清掃体保持器18の材質としては、清掃体17と同様の材質を適用できる。
本実施形態では、清掃体保持器18を往復運動させることによって清掃体17を触媒柵16内で相対運動させる。そのために、本実施形態の反応容器11には清掃体保持器18を往復動させる駆動機構20が装備される。駆動機構20には、エアシリンダ、ラックピニオン等の歯車を利用した往復動装置などの、一般的な駆動機構を用いることができる。清掃体保持器18は、伝導軸22を用いて往復動装置に結合される。往復動装置21を作動させると、清掃体保持器18の全体が反応容器11の軸線に沿って移動して、触媒柵16の中を反応容器11の軸線に沿って前後に移動させる。
本発明は、上記に例示した触媒反応装置及び触媒のほか、コーキング等を生じる、下記の触媒反応装置にも好適に使用できる。
3)その他、LPG等の各種石油精製ガスや天然ガスの改質のための触媒反応装置、水素を含有するガスと酸化剤ガスを作用させて発電し、水を副生する、燃料電池用の触媒反応装置(例:特開2009−48797号公報)等に適用できる。
(全体構造)
次に、図2を参照して第2の実施形態の連続式固定床触媒反応装置を説明する。この図の(a)は平面図、(b)正面図、(c)は側面図である。本発明の触媒反応装置10は、反応容器11を含み、その内部に、保持板12によって保持された触媒連15の集合体である触媒柵16が収容されている。
(1)触媒柵16を上下に往復運動させることができる。これにより、個々の触媒13の内孔と中心棒14間で相対運動を生じて、それらの衝突が起きる。この衝突の際の振動を用いて、個々の触媒表面に生成したバルク状の固体生成物を脱落、除去する清掃効果が、第1の実施形態で述べた清掃体-円柱状触媒間の相対運動による清掃効果に加えて発現する。
円柱状の触媒には、以下に説明する触媒連を用いることができる。
図5に示したように、触媒連15は、円筒状などの内部に貫通孔を有する触媒13と、一群の触媒13を貫く中心棒14により構成される。図6に示したように、触媒柵16は、一群の触媒連15を保持板12に固定して製作される。
触媒柵の開口率は、開口率=(1−[触媒柵の主流に垂直な断面の断面積]/[触媒反応容器の主流に垂直方向の見かけ断面積])×100(%)として定義することができる。「主流」とは、反応容器11へ供給された流体が、反応容器11内でその流入口から流出口へと向かう流れ、として定義され、図2の場合には、主流は触媒連15に平行な方向の流体の流れとなる。触媒柵の開口率が大きいほど、通気抵抗が小さい。一方、開口率が過大だと必要な触媒反応容器体積が増大し、また、通気抵抗が小さいので吹き抜けも生じやすい。従って、開口率は、30%以上60%以下の範囲が好ましい。
触媒連15の中心棒14は、触媒13を貫くことでそれを損傷させないように、丸棒が好ましい。但し、加工の便宜等の理由によって、多角形断面の棒であってもよい。また、触媒13が中心棒14の周囲で移動しやすいように、中心棒は直線状であることが好ましい。但し、加工の便宜等の理由によって、曲がり棒であってもよい。
上下方向に往復運動させる触媒柵が反応容器内に収納可能である限り、触媒連の長さは触媒反応容器高さの範囲内あれば特に制約はない。中心棒で貫く触媒の数を増やすことで、触媒連長さを自由に定めることができる。但し、長い触媒連の場合、下流側では原料流体濃度が減少するので、触媒反応の反応速度は低下する。従って、処理する原料流体流量と触媒総量の比を勘案して適宜最適な長さを決めればよい。
触媒連15は、例えば、手作業で触媒を中心棒14に貫通させて作製することができる。
触媒連15を支持する保持板12は、中心棒14を、溶接やねじ込みなどの方法で取り付けることができる材料で製作される。その材質は、強度・剛性・耐熱性等の観点から、中心棒と同様に、ステンレス鋼、インコネル(登録商標)等のニッケル合金、チタン、チタン合金などでよい。カラーを用いる場合、それも保持板の材料と同様の材料で製作することができる。
第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
図3を例として説明する。この清掃体保持器は、保持板18、清掃体17、連結手段19から構成される。本実施形態では、清掃体保持器は反応容器内の上部流路内に設置されるので、清掃体保持板18は、ガスを通気させるために、内部に開口を設ける。
本実施形態では、第1の実施形態における往復動装置を、運動の向きを変更して上下方向に運動する昇降装置21として用いることができる。昇降装置21は、保持板12を昇降させることによってその上の触媒柵16を反応容器11内で昇降させる。保持板12は、伝導軸22を用いて昇降装置21に結合される。昇降装置21を作動させると、保持板12の全体が反応容器11の軸線に沿って移動して、触媒柵16の全体をやはり反応容器11の軸線に沿って上下に移動させる。
触媒間の相対運動を十分行うためには、保持板12の昇降ストロークは大きいことが好ましい。例えば、触媒外面の代表寸法(例:直径)の0.1倍程度の昇降ストロークであっても加振の効果は存在するので、触媒表面の固体カーボンなどの堆積物の除去効果は一定程度は得られる。しかし、十分な堆積物除去効果を挙げるためには、保持板12の昇降ストロークは触媒外面代表寸法の0.5倍以上であることが好ましく、1倍以上であることがより好ましい。
上昇速度には特段の制約はない。下降速度は、固体堆積物を触媒表面から離脱させるのに十分な触媒間の相対運動を可能にするように設定する必要がある。極端に遅い下降速度では、触媒間で相対運動を生じないので好ましくない。下降速度は、触媒の自由落下速度(例:100mm/s)よりも速くすることができる。このようにすることによって、個々の触媒が下降する際に触媒と中心棒との接触状態に応じて下降速度のバラツキを生じ、触媒間で相対運動と衝突を生じさせることができる。
触媒13は、触媒連15から脱落しないことが必要である。従って、中心棒14が貫通することができる孔を有する形状であることが有利である。例えば、リング状、円筒状、ダクト状等の触媒を用いることができる。また、触媒の脱落防止の要件を満たす形状として、中心棒の直径よりも開口幅の小さい馬蹄形としてもよい。
図6(a)(b)(c)は、第3の実施形態の触媒反応装置のそれぞれ平面図、正面図、側面図である。図6に示すように、円筒状触媒13を中心棒14に挿通して形成した触媒連15を水平方向に並べ(図6(b))、両側で保持板12に格子状に接続する(図6(c))。この触媒連15が格子状に並べられて触媒柵16(触媒層)が形成される。この触媒柵に鉛直方向に清掃体17が挿入される。
製鐵用のコークス炉から石炭乾留ガスを抽気して本発明の連続式固定床触媒反応装置を通気して改質ガスを製造する試験を行った。
触媒反応装置、スクラバ、吸引用のブロワが上流化からこの順に並び、互いに通気管によって接続されており、ここを石炭乾留ガス及び改質ガスが通気する。ブロワの排気は、コークス炉に付帯するドライメーンに放出される。コークス炉と触媒反応装置の間の通気管は、電気ヒータによって加熱されて内部の石炭乾留ガス温度を維持される。
図2の触媒反応装置で試験した。反応容器は、ステンレス鋼製であり、寸法が150mm厚×1200mm幅×2100mm高さで、上下に開口を持つダクト形状であった。反応容器のダクトの上端と下端にそれぞれ流入管と流出管を接続して通気するようにした。触媒反応装置の外面を電気ヒータによって加熱して所要の反応温度を維持した。
作業条件は、次のとおりであった。
・石炭乾留ガス流入温度: 800℃
・電気加熱炉温度: 800℃
・石炭乾留ガス流量: 平均30Nm3/h
・石炭乾留ガス通気時間: 24時間
触媒としては、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oなる成分系のものを使用した。
硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が1:1:8になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケル、マグネシウム、及びセリウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃で焼成(か焼)したものを解砕した後にビーカーに入れ、アルミナゾルを加えて攪拌羽根を取り付けた混合器で十分混合したものをなすフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、攪拌しながら吸引することで、水分を蒸発させた。なすフラスコ壁面に付着したニッケルとマグネシウムとセリウムとアルミナの化合物を蒸発皿に移して120℃で乾燥、600℃でか焼後、粉末を圧縮成形器を用いてプレス成型し、外径15mm、内径5mm、高さ15mmの円筒状成型体を得た。
直径4mm、長さ50mmのステンレス製丸棒を中心棒として使用し、各中心棒に3個ずつの外径15mm長さ15mmのリング状触媒を貫通して触媒連を構成した(図2は模式的であり、触媒連の触媒の数は正確ではない)。2000本の触媒連の中心棒を互いに平行に等間隔で保持板の両面に溶接して触媒柵を形成した。保持板の底を水平な保持板に溶接し、この保持板が昇降装置に接続する配置とした。
・駆動装置昇降ストローク: 20mm
・駆動装置上昇速度: 10mm/秒
・駆動装置下降速度: 80mm/秒
図7を使って試験結果を説明する。図7の横軸は通気時間(反応時間)、右側の縦軸は反応容器での圧力損失、左側の縦軸はH2増幅率(改質ガス中の水素流量/石炭乾留ガス中の水素流量)を表している。図中下向きの矢印は、昇降装置の動作タイミングである。試験中に通気抵抗の上昇が認めらたが、都度、昇降装置を動作させることによって、許容限度範囲の圧力損失に維持することができた。石炭乾留ガス通気開始後に改質性能(H2増幅率)は徐々に低下したものの、良好なレベルを維持できた。
清掃体17(清掃体保持器18)がない構造とした以外の条件は、実施例1と同様にして15時間の石炭乾留ガス通気試験を行った。
試験中の圧損失上昇は、特に顕著ではなかった。
しかし、試験後の触媒反応器の解体調査では、触媒柵内に、鉛直方向に一直線の粒子落下流路を設けたにもかかわらず、一部の粒子落下路(集約気流路)では、触媒柵の下端近傍で触媒連間に固体カーボンの水平方向の架橋が確認され、この架橋部上に固体カーボンが堆積して粒子落下路(集約気流路)を閉塞させていることがわかった。このことは、改質性能には悪影響を与えたものと考えられる。
11 反応容器
12 保持板
13 触媒
14 中心棒
15 触媒連
16 触媒柵
17 清掃体
18 清掃体保持板
19 連結棒
20 駆動機構
21 昇降装置
22 伝導軸
25 原料ガス
26 ガス主流方向
27 改質ガス
28 集約気流路
29 粒子落下路
31 原料ガス流入路
32 改質ガス流出路
Claims (9)
- 触媒反応用の原料ガスの流入路及び改質ガスの流出路と、流入路及び流出路に接続され、かつ触媒を収容する触媒反応容器とを有する連続式固定床触媒反応装置であって、
円柱状の触媒と、
複数の円柱状の触媒を立設する保持板と、
隣り合う円柱状の触媒間の空間内に配置される清掃体17と、
触媒反応容器内において前記円柱状の触媒と前記清掃体17との間で相対運動を生じるように、前記円柱状の触媒と前記清掃体17のいずれかまたは両方を、往復運動させるための駆動機構と、
を具備することを特徴とする、連続式固定床触媒反応装置。 - 前記円柱状の触媒と前記清掃体17との間で相対運動の方向が、ガス主流方向であることを特徴とする、請求項1に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 前記触媒反応容器内において前記円柱状の触媒間に溜まった滞留物が落下除去されるための通路の方向がガス主流方向であることを特徴とする、請求項2に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 前記ガス主流方向が略鉛直方向であり、
前記清掃体17が反応容器によって鉛直方向の可動性を拘束される清掃体17であり、
前記保持板が前記円柱状の触媒を略水平方向に保持する保持板であり、
前記駆動機構が前記保持板に接続して前記保持板を略鉛直方向に昇降させる駆動装置であることを特徴とする請求項3に記載の連続式固定床触媒反応装置。 - 前記円柱状の触媒が複数の触媒をそれらの可動性を損なわずに貫通する中心棒から構成される触媒連であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 前記触媒反応用の原料ガスが炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体の炭化水素または固体のカーボンとであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 前記触媒反応用の原料ガスがタールを含有するガスであることを特徴とする、請求項6に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl2O4、CeO2の結晶相からなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の連続式固定床触媒反応装置を用いて、触媒反応を行うことを特徴とする、連続式固定床触媒反応方法。
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