JP6044499B2 - 電気ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、電気ケーブルに関し、特に、電線部とこれを保護する保護部とを備える電気ケーブルに関する。
近年、ロボットの普及や自動車の電装化などにともない、屈曲を繰り返し受ける環境にも電気ケーブルが使用されている。この種の電気ケーブルとしては、1本又は複数本の電線を用いて電線部を構成し、この電線部の周りをシースで保護した構造が知られている。また、電気ケーブルを固定する方法としては、電気ケーブルの外側にケーブル固定金具(以下、単に「固定金具」ともいう。)の筒部を嵌め入れてかしめることにより、電気ケーブルを固定する方法が知られている。
さらに従来において、電線部を構成する電線の外周にシールド編組層を設ける一方、これに接するシースの内周に補強編組層を設けた電気ケーブルも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
当該電気ケーブルによれば、シースの引張強度を向上させることが可能となる。
特開2010−114019号公報
ところで、上述のように電気ケーブルの外側に固定金具の筒部を嵌め入れてかしめる場合は、かしめにともなう筒部の変形量が多いほど、筒部が電気ケーブルを把持する力(以下、単に「把持力」ともいう。)が強くなる。ただし、一般に、電気ケーブルのシースはゴム材料で形成されているため、相当に強い力で筒部をかしめてシースを外側から締め付けないと、把持力の不足によって電気ケーブルが筒部から抜けてしまうおそれがある。
これに対して、上述したシールド編組層と補強編組層を備えた電気ケーブルの場合は、電気ケーブルに嵌めた筒部をかしめたときに、補強編組層の表面の細かな凹凸が、かしめによる締め付け力を受けてシースの内周面に食い込んだ状態になる。したがって、筒部のかしめによるシースの締め付け力をそれほど大きくしなくても、筒部のかしめ部分に十分な把持力が得られる。
しかしながら、例えば、自動車用の電気ケーブル、特に、自動車のバネ下(サスペンションのスプリングよりも下側の部分)と自動車の車体との間に配線される電気ケーブルとして使用する場合は、次のような難点がある。すなわち、そのような使用環境においては、車輪の上下動(バウンド、リバウンドなど)によって電気ケーブルが繰り返し屈曲し、そのたびにシールド編組層と補強編組層とが接触した状態で互いに強く擦れ合う。このため、シールド編組層や補強編組層が摩耗しやすくなる。シールド編組層の摩耗はシールド効果の低下につながり、補強編組層の摩耗は引張強度の低下につながる。したがって、電気ケーブルの電気的特性や物理的特性を長期にわたって良好に維持することが困難になる。
本発明の主な目的は、シールド編組層及び補強編組層の耐摩耗性を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
少なくとも、導体と、複数本の金属線を編み込んでなり該導体の外周側を覆うシールド編組層と、を有する電線によって構成された電線部と、
前記電線部の外周側を覆い、少なくとも、筒状のシースと、複数本の繊維を編み込んでなり該シースの内面を覆う補強編組層と、を有する筒状の外層部と、
を備え、
前記電線部は、前記筒状の外層部内に配置され、
前記筒状の外層部内には、前記電線部の長さ方向と直交する方向への前記電線部の前記外層部に対する変位を許容する許容部が設けられている
ことを特徴とする電気ケーブルである。
本発明の第2の態様は、
前記許容部が中空部である
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の電気ケーブルである。
本発明の第3の態様は、
前記シールド編組層と前記補強編組層とが前記電線部の長さ方向と直交する方向で隣り合う状態に配置されている
ことを特徴とする上記第1又は第2の態様に記載の電気ケーブルである。
本発明の第4の態様は、
前記電線部の長さ方向の一部に前記筒状の外層部の径を縮小した縮径部が形成され、
前記縮径部によって前記電線部が前記筒状の外層部の中心軸上に位置決めされている
ことを特徴とする上記第1〜第3の態様のいずれか1つに記載の電気ケーブルである。
本発明の第5の態様は、
前記電線部は、前記導体と前記シールド編組層との間に配置された絶縁層を含む
ことを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれか1つに記載の電気ケーブルである。
本発明の第6の態様は、
前記中空部がスポンジ状または液状の埋め込み材によって埋め込まれている
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の電気ケーブルである。
本発明によれば、シールド編組層及び補強編組層の耐摩耗性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの構成例を示す断面図である。 保護部の筒内で電線部を同心円状に配置した場合の断面図である。 電気ケーブルが屈曲したときの電線部と保護部の曲がり具合の違いを示す模式図である。 電気ケーブルの使用例を示す図である。 複数本の電線によって電線部を構成する場合の具体例を示す断面図である。 中空部からなる許容部を埋め込み材で埋め込んだ状態のケーブル構造を示す断面図である。 保護部の一部に縮径部を形成した状態を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.電気ケーブルの使用環境
2.電気ケーブルの構成
3.補強編組層を設ける技術的な意義
4.電線部と保護部の関係
5.電気ケーブルの製造方法
6.実施の形態の作用及び効果
7.変形例等
<1.電気ケーブルの使用環境>
本発明の実施の形態に係る電気ケーブルは、例えば産業ロボットや自動車の分野において、電源ケーブル、信号ケーブル、あるいはそれらを複合した複合ケーブルとして用いられる。このうち、自動車用に使用する場合は、ケーブルが繰り返し屈曲する環境で電気ケーブルを使用する場合が多い。本実施の形態に係る電気ケーブルは、そのような使用環境において特に顕著な効果を発揮するものである。
<2.電気ケーブルの構成>
図1は本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの構成例を示す断面図である。
図示した電気ケーブル1は、適度な可撓性を有するものであって、大きくは、電線部2と、この電線部2の外周側を覆う外層部としての筒状の保護部3と、を備えた構成となっている。なお、本明細書においては、電気ケーブル1における電線部2の長さ方向を単に「長さ方向」ともいい、電気ケーブル1における保護部3の直径方向を「ケーブル径方向」ともいう。
(電線部)
電線部2は、1本の電線5によって構成されている。電線5は、導体6と、この導体6の外周を覆う絶縁層7と、この絶縁層7を介して導体6の外周側を覆うシールド編組層8と、を有している。このうち、シールド編組層8は、シールド層の一例として設けられたものである。
(導体)
導体6は、電線5の芯線として電線5の中心軸上に位置している。導体6は、例えば、スズめっき軟銅からなる線導体(一例として、導体断面積(SQ)=3mm)を用いて形成することができる。導体6は、1本の線導体、又は複数本の線導体を撚り合わせてなる撚線によって構成することができる。また、導体6は、軟銅線、銀めっき軟銅線、スズめっき銅合金線等の金属線を用いて形成することもできる。
(絶縁層)
絶縁層7は、導体6の外周の全面を覆うように、この導体6と同心円状に形成されている。絶縁層7は、導体6とシールド編組層8との間に配置されている。絶縁層7は、一定の厚み寸法(例えば、0.7mm厚)で形成されている。絶縁層7は、例えば、架橋ポリエチレン(Cross−linked polyethylene:XLPE)によって形成することができる。また、絶縁層7は、ポリエチレン、発泡ポリエチレン、架橋発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等の樹脂材料によって形成することもできる。
(シールド編組層)
シールド編組層8は、電気的なシールド機能を有するもので、絶縁層7の外周の全面を覆うように形成されている。シールド編組層8は、導体6を芯として絶縁層7と同心円状に形成されている。シールド編組層8は、繊維又は糸からなる芯の周囲に銅箔が設けられた銅箔糸を用いて形成することができる。シールド編組層8は、複数の銅箔糸を交差させて編み込む、いわゆる編み組によって形成されている。
なお、本実施の形態において、繊維とは、微細な糸状を有した形態をいう。また、糸とは、繊維が線状に連続した形態をいう。
シールド編組層8の形成に用いる銅箔糸の芯は、高分子樹脂材料からなる繊維又は糸によって構成することができる。具体的には、銅箔糸は、例えば、直径0.11mmのポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)の芯糸を用いて構成することができる。芯糸は、1本の繊維又は糸から形成することができる。また、芯糸は、複数本の繊維又は糸を編み合わせて形成することもできる。銅箔は、例えば、12μmの厚さで形成することができる。そして、銅箔糸は、芯糸の外周に銅箔をらせん状に巻き付けて形成することができる。
また、銅箔糸は、その表面にめっき膜を施して形成することもできる。銅箔糸の表面にめっき膜を施すことにより、銅箔の表面の酸化を防止することができる。めっき膜は、例えば、スズめっきにより形成することができる。めっき膜によって銅箔の表面の酸化を防止すれば、シールド編組層8の電気抵抗が上昇する等の弊害を抑制することができる。
(保護部)
保護部3は、電線部2を保護するものであり、筒状のシース11と、このシース11の内面を覆う補強編組層12と、を有している。このうち、補強編組層12は、編組層の一例として設けられたものである。
(シース)
シース11は、電気ケーブル1の外被部を構成するものである。シース11は、断面円形に形成されている。このため、保護部3は、全体的に円筒状に形成されている。そして、保護部3の筒内に、上述した電線部2が配置(収容)されている。シース11は、ケーブル径方向において最も外側に位置している。このため、シース11の外周面は、電気ケーブル1の外周面を構成している。シース11は、絶縁材料によって形成されている。具体的には、シース11は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム等のゴム材料を用いて、0.5mm程度の厚さで形成されている。シース11を形成するゴム材料は、耐熱性、耐候性、及び耐油性に優れた特性を発揮するゴム材料を用いることが好ましい。一例として、ブレーキホース用のゴム材料を用いることができる。
ブレーキホース用のゴム材料としては、末端にビニル基を含有するノルボルネン化合物であるポリエンを含んで形成されるエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体を用いることができる。また、ゴム材料は、末端にビニル基を含有するノルボルネン化合物であるポリエンを含んで形成されるエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体と、SiH基を1分子中に複数含むSiH基含有化合物とを含むゴム材料(以下、「混合ゴム材」という)を用いることができる。なお、混合ゴム材は、シース11の機能を発揮する限り、補強材、充填剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、スコーチ防止剤、及び老化防止剤等の配合剤を適宜含んで形成することもできる。また、混合ゴム材は、複数の高分子材料をブレンドして形成することもできる。
また、ゴム材料は、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムを用いることもできる。本実施の形態において、ゴム材料は、無加圧下で加硫できる混合ゴム材を用いることが好ましい。なお、混合ゴム材を構成するエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体は、エチレンと、α−オレフィンと、ポリエンとの3元以上の共重合体であり、一例として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(Ethylene−Propylene−Diene Rubber:EPDM)を用いることができる。
α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等を用いることができる。更に、ジエン類に代表されるポリエンは、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等を用いることができる。
混合ゴム材を構成するSiH基含有化合物は、混合ゴム材の架橋剤として用いられる。本実施の形態においては、1分子中にSiH基を2個以上、架橋度を向上させることを目的として好ましくは3個以上有するSiH基含有化合物を用いることが好ましい。なお、混合ゴム材に、触媒、反応抑制剤を含有させることもできる。触媒は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体とSiH基含有化合物とのヒドロシリル化反応を促進する触媒を用いる。例えば、触媒は、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の触媒を用いることができる。
また、反応抑制剤は、過剰なヒドロシリル化反応を抑制することを目的として、適宜、混合ゴム材に添加される。例えば、反応抑制剤は、ベンゾトリアゾール、ハイドロパーオキサイド、エチニルシクロヘキサノール、テトラメチルエチレンジアミン、トリアリルシアヌレート、アクリロニトリル、アクリルマレエート等を用いることができる。
(補強編組層)
補強編組層12は、シース11の内周面の全面を覆うように形成されている。補強編組層12は、シース11の内周面に接触(密着)した状態で、シース11と同心円状に形成されている。補強編組層12は、複数本の繊維又は糸を交差させて編み込む、いわゆる編み組によって形成されている。繊維又は糸は、例えば、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂を用いて、直径0.1mmの太さに形成されている。また、繊維又は糸は、耐疲労性及び耐摩耗性に優れた材料から形成することが好ましい。例えば、繊維又は糸は、ポリビニルアルコールの他に、ポリエチレンテレフタレート、又はポリエチレン−2,6−ナフタレートから少なくとも1つ選択される材料から形成することができる。補強編組層12を形成する繊維又は糸は、好ましくはポリビニルアルコールを用いて形成するとよい。
<3.補強編組層を設ける技術的な意義>
本実施の形態においては、シース11の内周に補強編組層12を設けている。電気ケーブル1に補強編組層12を設けることの技術的な意義は主に2つある。
第1の技術的な意義は、電気ケーブル1を固定金具の筒部のかしめによって固定するときの把持力を高めることである。すなわち、電気ケーブル1の外側に図示しない固定金具の筒部を嵌め入れてかしめる場合に、シース11の内周に補強編組層12が設けられていると、補強編組層12の表面の細かな凹凸が、かしめによる締め付け力を受けてシース11の内周面に食い込んだ状態になる。したがって、筒部のかしめによるシース11の締め付け力をそれほど大きくしなくても、筒部のかしめ部分に十分な把持力が得られる。
第2の技術的な意義は、電気ケーブル1の引張強度を高めることである。すなわち、シース11の内周に、ポリエチレンテレフタレートの繊維等を編み込んだ補強編組層12が設けられていると、何らかの理由で電気ケーブル1に長さ方向の引張力が加わった場合に、ケーブル全体の伸びが補強編組層12によって抑制される。このため、電気ケーブル1に引張力が加わったときに電線部2が受けるダメージが軽減する。したがって、電気ケーブル1の引張強度を向上させることができる。
<4.電線部と保護部の関係>
次に、電線部2と保護部3の関係について説明する。
まず、従来の電気ケーブルについて簡単に説明する。従来の電気ケーブルでは、ケーブル全体の径をなるべく小さくするという発想から、電線部と保護部を互いに密着させて構成している。このため、電気ケーブルが屈曲した場合は、電線部と保護部の接触界面で擦れが生じる。また、保護部の筒内では電線部の位置が固定される。このため、電気ケーブルが屈曲すると電線部に大きな歪みが生じる。
これに対して、本実施の形態に係る電気ケーブル1においては、電線部2が配置された保護部3の筒内に許容部14が設けられている。許容部14は、保護部3の筒内において、長さ方向に直交する方向(ケーブル径方向を含む)への電線部2の変位を許容する部分である。この許容部14は中空部(空隙)になっている。このため、保護部3の筒内に配置された電線部2は、長さ方向と直交する方向に、ある程度自由に動ける状態になっている。すなわち、電線部2と保護部3とは、ケーブル径方向に1.0mm〜30mm程度の移動量をもって相対的に移動可能になっている。また、保護部3の筒内では、電線部2が長さ方向にも変位(スライド)可能になっている。
本実施の形態においては、保護部3の筒内に許容部14を設けるために、保護部3の内径D1を、電線部2を構成する電線5の外径D2よりも大きく設定している。また、本実施の形態においては、保護部3の最も内側の層を補強編組層12によって形成している。このため、保護部3の内径D1は、補強編組層12の厚み寸法を加味した寸法となっている。また、電線5の最も外側の層をシールド編組層8によって形成している。このため、電線5の外径D2は、シールド編組層8の厚み寸法を加味した寸法となっている。
以上の寸法関係により、例えば図示のようにシールド編組層8の下部が補強編組層12に接触するように電線5の位置が下側に片寄った状態では、保護部3の筒内に断面三日月形の中空部が許容部14として形成される。また、この状態においては、シールド編組層8の上部とこれに対向する補強編組層12との間に最大の寸法Gをもって空隙が確保される。このときの空隙の寸法Gは、保護部3の内径D1と電線5の外径D2との寸法差に相当するものとなる。保護部3の筒内に許容部14を設ける場合の、保護部3の内径D1と電線5の外径D2との寸法差は、適宜変更が可能である。
(保護部の筒内で電線部が変位し得る方向)
ここで、図例のように保護部3の筒内で電線部2(電線5)が下側に片寄って配置されていた場合、電線部2が変位し得る方向は、許容部14が存在する上方や斜め上方となる。つまり、電線部2は、許容部14が存在する側に変位可能となる。この点は、電線5が上下左右のいずれの方向に片寄って配置された場合でも同様である。
これに対して、例えば図2に示すように、保護部3の筒内で電線部2の電線5が保護部3の中心軸上に配置されていた場合、つまり保護部3と電線5が同心円状に配置されていた場合は、電線部2の周りに均等な寸法Gmの空隙をもって許容部14が確保される。このため、電線部2が変位し得る方向は、上下方向、左右方向及び斜め方向を含む全方向となる。
<5.電気ケーブルの製造方法>
次に、電気ケーブル1の製造方法について簡単に説明する。
電気ケーブル1を製造する場合は、まず、電線部2と保護部3を別々に作製する。このうち、電線部2については、導体6の外周に絶縁層7を形成した後、シールド編組層8を形成する。保護部3については、補強編組層12を形成した後、シース11を形成する。
次に、保護部3の筒内に電線部2を挿入する。このとき、保護部3の内径D1と電線部2の外径D2とに適度な寸法差を設けることにより、保護部3の筒内にスムーズに電線部2を挿入することができる。なお、ここで記載した製造方法は一例であって、他の方法で電気ケーブル1を製造してもかまわない。
<6.実施の形態の作用及び効果>
本発明の実施の形態においては、電線部2が配置された保護部3の筒内に許容部14を設けたことにより、電線部2の電線5が、保護部3とは独立して長さ方向と直交する方向に変位することが可能になる。このため、電気ケーブル1が屈曲した場合でも、シールド編組層8と補強編組層12が強く擦られることがなくなる。よって、電気ケーブル1内での擦れによる摩耗が大幅に低減する。このことは、電気ケーブル1の実効的な耐摩耗性が向上することを意味する。したがって、摩耗による断線に起因した引張強度の低下やシールド性の低下を抑制し、電気ケーブル1の電気的特性や物理的特性を長期にわたって良好に維持することが可能となる。
また、電気ケーブル1が屈曲した場合に、電線部2の電線5と保護部3が一体に屈曲せず、保護部3よりも緩い曲がり方で電線部2の電線5が屈曲するようになる。その理由は、電気ケーブル1が屈曲したときに、図3に示すように、保護部3の筒内において電線5が保護部3の屈曲によるカーブに対してアウトインアウトのラインを辿るように屈曲するからである。このため、電気ケーブル1が屈曲したときに電線部2(電線5)に加わる歪みが小さくなる。したがって、電気ケーブル1の耐屈曲性を向上させることができる。
その結果、本実施の形態に係る電気ケーブル1を例えば自動車用の電気ケーブルとして使用する場合は、自動車の信頼性や安全性の向上に大きく貢献することができる。特に、図4に示すように、車体側に配置される電子機器(電源、インバータ、制御装置など)17と、バネ18よりも下側のホイール部分に配置される電子機器(インホイールモータ、電動ブレーキ、各種センサなど)19との間に複数個の取付金具20を用いて電気ケーブル1を配線する場合などのように、繰り返し屈曲する環境で使用する場合は、前述した電気ケーブル1が備える耐摩耗性や耐屈曲性により、顕著な効果が得られる。
<7.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
例えば、上記実施の形態においては、電線部2を1本の電線5によって構成したが、本発明はこれに限らず、複数本の電線によって電線部を構成してもよい。具体例を挙げると、図5に示すように、3本の電線5によって電線部2を構成してもよい。その場合は、3本の電線5を互いに密着させたときに、3本の電線5が収まる仮想円(外接円)15を想定し、この仮想円15の直径D3よりも保護部3の内径D1を大きく設定することにより、保護部3の筒内に許容部14を設けるようにすればよい。また、3本の電線5は、それぞれ長さ方向に沿う真っ直ぐな線であってもよいし、互いに撚り合わせた撚り線であってもよい。
また、上記実施の形態においては、保護部3の筒内の許容部14を中空部としたが、この中空部からなる許容部14を例えば図6に示すようにスポンジ状の埋め込み材16によって埋め込んだ構成としてもよい。この構成を採用した場合は、長さ方向と直交する方向への電線部2の変位を埋め込み材16の柔軟性(伸縮性)により許容したうえで、電線部2の位置を保護部3の中心軸上に保持することが可能となる。また、電気ケーブル1が振動した場合でも、振動にともなう電線部2の暴れ現象を埋め込み材16によって抑制することができる。
さらに、許容部14としての中空部を埋め込む埋め込み材16としては、スポンジ状のものに限らず、例えば、液状(スラリー状を含む)のものであってもよい。また、液状の埋め込み材16としては、油などの潤滑液を好適に用いることができる。埋め込み材16に潤滑液を用いた場合は、埋め込み材16に接するシールド編組層8と補強編組層12にそれぞれ高い潤滑性を付与することができる。このため、シールド編組層8と補強編組層12の擦れによる摩耗はもちろん、シールド編組層8を構成する銅箔糸同士の擦れによる摩耗や、補強編組層12を構成する繊維同士の擦れによる摩耗についても低減することができる。
また、保護部3の筒内に許容部14を設ける場合は、長さ方向の全部に一様に許容部14を設けてもよいし、長さ方向の一部(例えば、繰り返しの屈曲が発生する部分)にのみ許容部14を設けてもよい。後者の場合は、図7に示すように、長さ方向(図中、左右方向)の一部に保護部3の径を縮小した縮径部3aを部分的に形成し、この縮径部3aによって電線部2(電線5)を保護部3の中心軸(図中、一点鎖線で示す)上に位置決めする構成としてもよい。さらにこの場合、保護部3の縮径部3aの筒内にも、僅かな空隙等を許容部14として設けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、電線部2の電線5の外周にシールド編組層8を形成したが、シールド編組層8は必要に応じて設けるようにすればよい。ただし、本発明はシールド編組層8と補強編組層12の両方を備えた電気ケーブル1に適用することが好ましい。なぜなら、編組層同士の擦れにともなう摩耗の進行を効果的に遅らせることができるためである。
また、上記実施の形態においては、電線部2側にシールド編組層8を設け、保護部3側に補強編組層12を設けたが、これとは逆に、電線部2側に補強編組層12を設け、保護部3側にシールド編組層8を設けることも可能である。
1…電気ケーブル
2…電線部
3…保護部
5…電線
6…導体
7…絶縁層
8…シールド編組層
11…シース
12…補強編組層
14…許容部

Claims (4)

  1. 少なくとも、導体と、複数本の金属線を編み込んでなり該導体の外周側を覆うシールド編組層と、を有する電線によって構成された電線部と、
    前記電線部の外周側を覆い、少なくとも、筒状のシースと、複数本の繊維を編み込んでなり該シースの内面を覆う補強編組層と、を有する筒状の外層部と、
    を備え、
    前記電線部は、前記筒状の外層部内に配置され、
    前記筒状の外層部内には、前記電線部の長さ方向と直交する方向への前記電線部の前記外層部に対する変位を許容する許容部が設けられており、前記許容部が中空部である
    ことを特徴とする電気ケーブル。
  2. 前記シールド編組層と前記補強編組層とが前記電線部の長さ方向と直交する方向で隣り合う状態に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気ケーブル。
  3. 少なくとも、導体と、複数本の金属線を編み込んでなり該導体の外周側を覆うシールド編組層と、を有する電線によって構成された電線部と、
    前記電線部の外周側を覆い、少なくとも、筒状のシースと、複数本の繊維を編み込んでなり該シースの内面を覆う補強編組層と、を有する筒状の外層部と、
    を備え、
    前記電線部は、前記筒状の外層部内に配置され、
    前記筒状の外層部内には、前記電線部の長さ方向と直交する方向への前記電線部の前記外層部に対する変位を許容する許容部が設けられており、
    前記電線部の長さ方向の一部に前記筒状の外層部の径を縮小した縮径部が形成され、
    前記縮径部によって前記電線部が前記筒状の外層部の中心軸上に位置決めされている
    ことを特徴とする電気ケーブル。
  4. 前記電線部は、前記導体と前記シールド編組層との間に配置された絶縁層を含む
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の電気ケーブル。
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