JP6318921B2 - 電気ケーブルの取付構造、及び固定具付電気ケーブル - Google Patents

電気ケーブルの取付構造、及び固定具付電気ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、電気ケーブルの取付構造、及び固定具付電気ケーブルに関する。
近年、自動車の電装化やロボットの普及などにともない、屈曲を繰り返し受ける場所に電気ケーブルを取り付けるケースが多くなっている。例えば、次世代の自動車において、インバータとインホイールモータといった2つの相対的に移動する電気機器を電気ケーブルで接続することが提案されている。この場合、電気ケーブルの一端部はインバータに接続され、電気ケーブルの他端部はインホイールモータに接続される。また、インバータは自動車の車体側に実装され、インホイールモータは自動車のバネ下に位置する車輪側に実装される。このため、インバータとインホイールモータとを接続する電気ケーブルは車体の外(以下、「車外」ともいう。)に露出した状態で取り付けられ、その露出した部分が、車輪の上下動(バウンド、リバウンドなど)によって繰り返し屈曲することになる。よって、屈曲を繰り返し受ける場所に取り付けられる、すなわち2つの相対的に移動する電気機器を接続する電気ケーブルにおける導体には、高い屈曲耐久性が求められる。
従来においては、電気ケーブルの外被を構成するシースの内周に補強編組層を設けることにより、シースの引張強度を向上させたケーブル構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、従来においては、電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定金具が固定された「固定金具付電気ケーブル」が知られている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2における固定金具付電気ケーブルでは、固定金具は、固定金具のスリーブの内側に電気ケーブルを挿入してスリーブを外側からかしめることにより電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定されており、スリーブが導体とシースとを一体的に把持している。
特開2010−114019号公報 特開2013−182769号公報
上述したように、インバータとインホイールモータとを接続する電気ケーブルなどは、車外に露出して取り付けられる。このため、自動車の走行中に飛び石などが電気ケーブルにぶつかる可能性がある。実際に飛び石が電気ケーブルにぶつかると、そのときの衝撃によって電気ケーブルが急激に変形することがある。
これに対して、電気ケーブルの両端部には、それぞれ固定金具が固定されており、さらに、これら固定金具はそれぞれインバータの筐体とインホイールモータの筐体とに取り付けられている。このため、自動車の走行中に飛び石などがぶつかって電気ケーブルが急激に変形すると、電気ケーブルに大きな引張力が加わる。電気ケーブルは、相対的に伸びにくい導体と、相対的に伸びやすいシースと、によって構成されている。このため、電気ケーブルに引張力が加わると、相対的に伸びにくい導体に対して、より大きな負荷(引張応力)がかかってしまう。これに起因して、屈曲を繰り返し受ける場所に取り付けられる電気ケーブルにおいては、屈曲耐久性が著しく低下してしまうという問題があった。
本発明の主な目的は、相対的に移動する2つの電気機器を接続する電気ケーブルに何らかの原因で引張力が加わった場合に、その引張力によって導体にかかる負荷を軽減することができ、もって屈曲耐久性の向上が可能な電気ケーブルの取付構造、及び、固定金具付電気ケーブルを提供することにある。
本発明の一態様は、
導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具を固定して固定具付電気ケーブルとし、相対的に移動可能に配置された2つの電気機器のうち、一方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付け、他方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付けた、電気ケーブルの取付構造であって、
前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
前記導体には余長部が設けられている
電気ケーブルの取付構造である。
本発明の他の態様は、
導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具が固定され、前記固定具で前記電気ケーブルを把持してなる固定具付電気ケーブルであって、
前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
前記導体には余長部が設けられている
固定具付電気ケーブルである。
本発明によれば、相対的に移動する2つの電気機器を接続する電気ケーブルに何らかの原因で引張力が加わった場合に、その引張力によって導体にかかる負荷を軽減することができ、もって屈曲耐久性の向上が可能である。
電気ケーブルによる電気機器の接続例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの取付構造に適用される電気ケーブルの構成例を示す断面図である。 余長部の具体的な形成例を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの取付構造を示す概略図である。 電線部に接続端子を取り付けた構造を示す図である。 固定金具の構成例を示す側断面図である。 電気ケーブルと固定金具との結合関係を示す側断面図である。 本発明の他の実施の形態において、電気ケーブルと固定金具との結合関係を示す側断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<電気ケーブルの用途及び取付環境>
本発明の実施の形態に係る電気ケーブルは、例えば産業ロボットや自動車の分野において、電源ケーブル、信号ケーブル、あるいはそれらを複合した複合ケーブルとして用いられる。また、電気ケーブルは、相対的に移動可能に配置された2つの電気機器を接続する場合に用いられる。ここで記述する「相対的に移動可能に配置」とは、一方の電気機器(以下、「第1の電気機器」ともいう。)が固定側に実装され、他方の電気機器(以下、「第2の電気機器」ともいう。)が可動側に実装された状態、あるいは、2つの電気機器がいずれも可動側に実装された状態をいう。産業ロボットや自動車の分野でいえば、2つの電気機器のうち少なくともいずれか一方の電気機器が、ロボットや自動車の可動部分に実装された状態をいう。
電気ケーブルの用途について具体的に記述すると、産業ロボットの分野では、例えば、ロボットの本体部(固定側)に第1の電気機器を実装するとともに、ロボットのアーム部(可動側)に第2の電気機器を実装し、それら2つの電気機器を電気ケーブルで接続する場合が考えられる。自動車の分野では、例えば、自動車の車体部分(固定側)に第1の電気機器を実装するとともに、自動車の車輪部分(可動側)に第2の電気機器を実装し、それら2つの電気機器を電気ケーブルで接続する場合が考えられる。
本実施の形態に係る電気ケーブルの取付構造は、特に、自動車の分野において、飛び石や雪の塊などがぶつかる可能性のある車体の外に電気ケーブルを露出させて取り付ける場合などに適用して好適なものである。電気ケーブルを車体の外(以下、「車外」ともいう。)に露出させて取り付ける場合とは、例えば上述したように、自動車の車体部分に実装した第1の電気機器と、自動車の車輪部分に実装した第2の電気機器とを、電気ケーブルで接続する場合である。
具体的に記述すると、図1に示すように、ハイブリッド自動車などに実装されるインバータ(モータ駆動機器)1とインホイールモータ2とを、電気ケーブル3で接続する場合である。この場合、インバータ1は、自動車の車体4側に実装され、インホイールモータ2は、自動車のバネ5の下に位置する車輪6側に実装される。
また、電気ケーブル3の両端部には、それぞれ固定具の一例として固定金具7が固定されている。電気ケーブル3の一端部は、固定金具7を用いてインバータ1の筐体に取り付けられ、電気ケーブル3の他端部は、固定金具7を用いてインホイールモータ2の筐体に取り付けられる。また、電気ケーブル3の一部は自動車の車外に露出して配置され、この露出したケーブル部分が車体側に支持金具8で支持される。
このように電気ケーブル3を自動車に取り付けた場合は、車外に露出している電気ケーブル3が、車輪6の上下動によって繰り返し屈曲することになる。このため、電気ケーブル3をインホイールモータ用として使用する場合は、屈曲性に優れた電気ケーブルを用いることが望ましい。この点は、電動ブレーキとこれを駆動するブレーキ駆動機器とを接続する電気ケーブル(電動ブレーキ用の電気ケーブル)として使用する場合も同様である。
本明細書では、電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具が固定されたアセンブリ部材を「固定具付電気ケーブル」と称する。固定具付電気ケーブルは、「ケーブルハーネス」又は単に「ハーネス」とも呼ばれる。また、インホイールモータ用の固定具付電気ケーブルは、「インホイールモータ用ハーネス」とも呼ばれ、電動ブレーキ用の固定金付電気ケーブルは、「電動ブレーキ用ハーネス」とも呼ばれる。
<電気ケーブルの構成>
図2は本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの取付構造に適用される電気ケーブルの構成例を示す断面図である。
図示した電気ケーブル3は、適度な可撓性を有するものであって、大きくは、電線部11と、この電線部11の外側に設けられた外層部12と、を備えた構成となっている。
本明細書においては、電気ケーブルの長さ方向を「ケーブル長さ方向」、電気ケーブルの直径方向を「ケーブル径方向」、電気ケーブルの中心軸周りの円周方向を「ケーブル円周方向」という。また、ケーブル径方向に関しては、電気ケーブルの中心(中心軸)に近い側を「内側」、電気ケーブルの中心から遠い側を「外側」という。
(電線部)
電線部11は、断面が円形の導体13と、この導体13の外周面を覆う絶縁層14と、を有している。導体13は、電気ケーブル3が信号ケーブルであれば信号線路を形成し、電気ケーブル3が電源ケーブルであれば電源線路を形成するものである。
(導体)
導体13は、電線部11の芯線として、電線部11の中心に配置されている。導体13は、例えば、スズめっき軟銅からなる線導体(一例として、導体断面積(SQ)=3mm)を用いて形成することができる。導体13は、1本の線導体、又は複数本の線導体を撚り合わせてなる撚線によって構成することができる。また、導体13は、軟銅線、銀めっき軟銅線、スズめっき銅合金線等の金属線を用いて形成することもできる。
(絶縁層)
絶縁層14は、導体13の外周の全面を覆うように、導体13と同心円状に形成されている。これにより、電線部11は、絶縁電線を構成している。絶縁層14の内周面は、ケーブル円周方向の全周にわたって導体13の外周面に接触している。絶縁層14は、一定の厚み寸法(例えば、0.7mm厚)で形成されている。絶縁層14は、例えば、架橋ポリエチレン(Cross−linked polyethylene:XLPE)によって形成することができる。また、絶縁層14は、ポリエチレン、発泡ポリエチレン、架橋発泡ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等の樹脂材料によって形成することもできる。
(外層部)
外層部12は、電線部11を保護するもので、電線部11を囲む状態に配置されている。外層部12は、筒状のシース16と、このシース16の内面を覆う補強編組層17と、を有している。
(シース)
シース16は、電気ケーブル3の外被を構成するものである。シース16は、断面円形に形成されている。このため、外層部12は、全体的に円筒状(チューブ状)に形成されている。外層部12の筒内には、上述した電線部11が挿入されている。シース16は、ケーブル径方向において最も外側に位置している。このため、シース16の外周面は、電気ケーブル3の外周面を構成している。シース16は、絶縁材料によって形成されている。具体的には、シース16は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム等のゴム材料を用いて、0.5mm程度の厚さで形成されている。シース16を形成するゴム材料は、耐熱性、耐候性、及び耐油性に優れた特性を発揮するゴム材料を用いることが好ましい。一例として、ブレーキホース用のゴム材料を用いることができる。
ブレーキホース用のゴム材料としては、末端にビニル基を含有するノルボルネン化合物であるポリエンを含んで形成されるエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体を用いることができる。また、ゴム材料は、末端にビニル基を含有するノルボルネン化合物であるポリエンを含んで形成されるエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体と、SiH基を1分子中に複数含むSiH基含有化合物とを含むゴム材料(以下、「混合ゴム材」という)を用いることができる。なお、混合ゴム材は、シース16の機能を発揮する限り、補強材、充填剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、スコーチ防止剤、及び老化防止剤等の配合剤を適宜含んで形成することもできる。また、混合ゴム材は、複数の高分子材料をブレンドして形成することもできる。
また、ゴム材料は、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムを用いることもできる。本実施の形態において、ゴム材料は、無加圧下で加硫できる混合ゴム材を用いることが好ましい。なお、混合ゴム材を構成するエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体は、エチレンと、α−オレフィンと、ポリエンとの3元以上の共重合体であり、一例として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(Ethylene−Propylene−Diene Rubber:EPDM)を用いることができる。
α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等を用いることができる。更に、ジエン類に代表されるポリエンは、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等を用いることができる。
混合ゴム材を構成するSiH基含有化合物は、混合ゴム材の架橋剤として用いられる。本実施の形態においては、1分子中にSiH基を2個以上、架橋度を向上させることを目的として好ましくは3個以上有するSiH基含有化合物を用いることが好ましい。なお、混合ゴム材に、触媒、反応抑制剤を含有させることもできる。触媒は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体とSiH基含有化合物とのヒドロシリル化反応を促進する触媒を用いる。例えば、触媒は、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の触媒を用いることができる。
また、反応抑制剤は、過剰なヒドロシリル化反応を抑制することを目的として、適宜、混合ゴム材に添加される。例えば、反応抑制剤は、ベンゾトリアゾール、ハイドロパーオキサイド、エチニルシクロヘキサノール、テトラメチルエチレンジアミン、トリアリルシアヌレート、アクリロニトリル、アクリルマレエート等を用いることができる。
(補強編組層)
補強編組層17は、シース16の内周面の全面を覆うように形成されている。補強編組層17は、シース16の内周面に接触(密着)した状態で、シース16と同心円状に形成されている。補強編組層17は、複数本の繊維又は糸を交差させて編み込む、いわゆる編み組によって形成されている。繊維又は糸は、例えば、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂を用いて、直径0.1mmの太さに形成されている。また、繊維又は糸は、耐疲労性及び耐摩耗性に優れた材料から形成することが好ましい。例えば、繊維又は糸は、ポリビニルアルコールの他に、ポリエチレンテレフタレート、又はポリエチレン−2,6−ナフタレートから少なくとも1つ選択される材料から形成することができる。補強編組層17を形成する繊維又は糸は、好ましくはポリビニルアルコールを用いて形成するとよい。
なお、本実施の形態において、繊維とは、微細な糸状を有した形態をいう。また、糸とは、繊維が線状に連続した形態をいう。
<電線部と外層部の関係>
次に、電線部11と外層部12の関係について説明する。
まず、従来の電気ケーブルについて簡単に説明する。従来の電気ケーブルでは、ケーブル全体の径をなるべく小さくするという発想から、電線部と外層部を互いに密着させて構成している。このため、従来の電気ケーブルでは、外層部と電線部とが一体化しており、外層部に対して電線部をケーブル長さ方向に相対的に移動させることができない構造になっている。
これに対して、本実施の形態に係る電気ケーブル3では、電線部11と外層部12との間に空間18が設けられている。空間18は、電線部11の外径D1と外層部12の内径D2との関係をD1<D2に設定することにより、それらの寸法差に応じて、電気ケーブル3の内部に形成されている。空間18は、導体13とシース16とを同心円状に配置したときに、導体13を有する電線部11とシース16を有する外層部12との間に、ケーブル円周方向の全周にわたって一様な寸法Gmで形成される。また、電線部11の絶縁層14と外層部12の補強編組層17とは、寸法Gmの空間18を介して対向する状態に配置される。このため、電気ケーブル3の内部では、空間18の存在により、外層部12に対して電線部11をケーブル長さ方向とケーブル径方向の双方に、それぞれ相対的に移動させることができる。
本実施の形態においては、上記の空間18を利用して、電気ケーブル3の外層部12内の電線部11に余長(弛み)を持たせている。具体的には、図3に示すように、外層部12の内側に上記の空間18を確保し、この空間18を利用して電線部11に余長部27を設けている。余長部27は、電線部11が外層部12内において伸縮可能となるための部分である。この余長部27は、空間18内で電線部11を蛇行形状に配置することにより設けられている。このため、電線部11の長さは、余長部27を設けない場合に比べて長くなっている。電線部11に余長部27を設けない場合とは、電気ケーブル3の全長にわたって電線部11と外層部12とを平行に配置した場合をいう。電線部11の余長部27は、ケーブル長さ方向において、電線部11の一部に設けられていてもよいし、電線部11全体にわたって設けられていてもよい。このように電線部11に余長部27を設けることにより、外層部12内において電線部11が伸縮可能となる。
ここで、ケーブル長さ方向において、電線部11に余長部27を設けた場合の電線部11の全長を「La」とし、電線部11に余長部27を設けない場合の電線部11の全長を「Lb」とし、電線部11の余長率を「La÷Lb」と定義する。そうした場合、電線部11の余長率が小さすぎると、後述する外層部12の伸びを十分に吸収できないおそれがある。また、電線部11の余長率が大きすぎると、材料費が無駄にかさむおそれがある。このため、電線部11の余長率は、想定する荷重をシース16が受けた場合にシース16が伸びる長さをLとし、該L以上の長さを余長とすると、3×L以下とすることが好ましい。
<電気ケーブルの取付構造>
図4は本発明の実施の形態に係る電気ケーブルの取付構造を示す概略図である。
ここでは、一例として、上述したインホイールモータ2の筐体9に固定金具7を用いて電気ケーブル3を取り付ける場合について説明する。インホイールモータ2の筐体9は、金属などを用いて形成されている。また、筐体9の側壁9aには、固定金具7を用いて電気ケーブル3を取り付けるための係合孔10が形成されている。
電気ケーブル3の外層部12の端部には固定金具7が固定されている。固定金具7は、2つのボルト31を用いて筐体9に取り付けられている。電気ケーブル3の外層部12の端部は、筐体9の内部に突出することなく、固定金具7に把持されている。電気ケーブル3の電線部11は、固定金具7に固定されることなく、固定金具7の内部を挿通している。電線部11の端部は、筐体9の内部に突出して配置されている。また、筐体9内に突出する電線部11の末端部分(最も端の部分)には、図5にも示すように、接続端子19が取り付けられている。接続端子19の基部は、電線部11の導体13(図2参照)と導通する状態で、かしめによって電線部11に固定されている。接続端子19の先端部には、貫通孔20が形成されている。
(固定金具の構成)
図6は固定金具の構成例を示す側断面図である。
固定金具7は、電気ケーブル3を電気機器の筐体(本形態例ではインホイールモータ2の筐体9)に取り付けるために、電気ケーブル3の端部に固定されるものである。固定金具7は、非磁性で電気伝導率の高い金属、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金(ジュラルミンなど)を用いて形成されている。固定金具7は、大きくは、インナースリーブ21と、アウタースリーブ22と、ガイドスリーブ23と、連結部24と、を一体に有している。インナースリーブ21とアウタースリーブ22は、外層部12を収容可能な収容部25を形成している。
(インナースリーブ)
インナースリーブ21は、円筒状に形成されている。インナースリーブ21の一端部は連結部24の側面部につながっている。インナースリーブ21は、外層部12の内側に嵌り込む部分となる。インナースリーブ21は、連結部24の厚み方向の一方に突出する状態で形成されている。インナースリーブ21及びガイドスリーブ23の内側には、正面視円形の通し孔26が形成されている。通し孔26は、電線部11を通すための孔である。通し孔26の直径D4は、インナースリーブ21及びガイドスリーブ23の内径に相当する。このため、以降の説明では、通し孔26の直径D4を、インナースリーブ21の内径、あるいは、ガイドスリーブ23の内径とも称する。この直径D4は、電線部11の外径D1よりも大きく設定されている。このため、インナースリーブ21の内側に形成された通し孔26に電線部11を挿入しても、ケーブル長さ方向における電線部11の移動は阻害されることがない。
(アウタースリーブ)
アウタースリーブ22は、インナースリーブ21の外側に、インナースリーブ21を囲む状態に形成されている。アウタースリーブ22は、インナースリーブ21と同心円をなして円筒状に形成されている。つまり、固定金具7は、インナースリーブ21とアウタースリーブ22とを備える二重筒構造になっている。このため、インナースリーブ21の中心軸方向(図6の左右方向)とアウタースリーブ22の中心軸方向は、同じ方向になっている。アウタースリーブ22の一端部は連結部24の側面部につながっている。アウタースリーブ22は、外層部12の外側に嵌り込む部分となる。アウタースリーブ22は、連結部24の厚み方向の一方に突出する状態で形成されている。アウタースリーブ22の突出寸法は、インナースリーブ21の突出寸法と同じ寸法に設定されている。上述した収容部25は、インナースリーブ21の外周面とアウタースリーブ22の内周面との間に形成されている。インナースリーブ21の外径D5は、外層部12の内径D2よりも若干(例えば、0.2mmほど)小さく設定されている。アウタースリーブ22の内径D6は、外層部12の外径D3よりも若干(例えば、0.5mmほど)大きく設定されている。
(ガイドスリーブ)
ガイドスリーブ23は、円筒状に形成されている。ガイドスリーブ23の一端部は連結部24の側面部につながっている。ガイドスリーブ23は、連結部24の厚み方向の他方(インナースリーブ21とは反対方向)に突出する状態で形成されている。ガイドスリーブ23は、筐体9に固定金具7を用いて電気ケーブル3を取り付ける場合に、筐体9の側壁9aに設けられた係合孔10(図4参照)に挿入されることにより、固定金具7の取付位置を案内する。ガイドスリーブ23は、インナースリーブ21と同軸上に形成されている。このため、インナースリーブ21の中心軸方向とガイドスリーブ23の中心軸方向は、同じ方向になっている。また、ガイドスリーブ23の内径及び外径は、それぞれインナースリーブ21の内径及び外径と同じ寸法に設定されている。以降の説明では、インナースリーブ21、アウタースリーブ22及びガイドスリーブ23の各中心軸方向を、「スリーブ中心軸方向」とも総称する。
(連結部)
連結部24は、適度な厚み(例えば、2.0mmほど)を有する板状に形成されている。連結部24の厚み方向は、スリーブ中心軸方向と同じ方向になっている。連結部24は、スリーブ中心軸方向から見て、角が丸い長方形、又は、縦長の楕円形に形成されている。連結部24には一対の固定用孔29が形成されている。固定用孔29は、筐体9に固定金具7を取り付けるための孔である。固定用孔29は、アウタースリーブ22よりも外側に形成されている。固定用孔29は、連結部24を貫通する状態で形成されている。
(電気ケーブルと固定金具の結合関係)
図7は電気ケーブルと固定金具との結合関係を示す側断面図である。
電気ケーブル3の外層部12は、インナースリーブ21とアウタースリーブ22との間の収容部25に収容(挿入)されている。アウタースリーブ22の外周面には、かしめ部30が形成されている。かしめ部30は、図示しないかしめ加工用の工具を用いて、アウタースリーブ22を外側からかしめることにより形成されている。より具体的に記述すると、かしめ部30は、アウタースリーブ22の外周面の一部に外側から内側に向かってかしめ荷重を加えることにより、インナースリーブ21の外周面を部分的にへこませた状態で形成されている。
このようにアウタースリーブ22をかしめ加工してかしめ部30を形成すると、収容部25に収容されている外層部12の端部が、インナースリーブ21とアウタースリーブ22によってサンドイッチ状に挟み込まれる。このため、電気ケーブル3の外層部12の端部は、アウタースリーブ22のかしめ部30において、インナースリーブ21とインナースリーブ21によって把持される。これにより、固定金具7が電気ケーブル3に固定される。
一方、電気ケーブル3の電線部11は、インナースリーブ21の内側の通し孔26に挿入されている。このため、電線部11には、上記のかしめ荷重が加えられていない。また、電線部11の端部は、固定金具7の内部を通ってガイドスリーブ23から突出している。
このように固定金具7に電線部11を通した状態では、上述した電線部11の外径D3とインナースリーブ21の内径D4との寸法差により、電線部11が固定金具7のスリーブ中心軸方向と平行な方向に移動自在に支持される。このため、上述のように外層部12の端部をインナースリーブ21とアウタースリーブ22によって把持しても、外層部12に対する電線部11の相対移動は許容されたままの状態になる。
(固定具付電気ケーブルと電気機器との結合関係)
上述のように電気ケーブル3に固定金具7を固定し、この固定金具7を用いて電気ケーブル3を筐体9に取り付ける場合は、上記図4に示すように、固定金具7のガイドスリーブ23を筐体9の係合孔10に挿入する。このとき、電気ケーブル3の電線部11の端部は、筐体9の内部に突出して配置される。この状態で2つのボルト31を用いて固定金具7を筐体9の側壁9aに固定する。筐体9の側壁9aには、上述した2つの固定用孔29に対応して、図示しない2つのネジ孔が形成されている。そこで、各々のボルト31の雄ネジ部分を、それぞれに対応する固定用孔29を通して筐体9のネジ孔に螺合させ、その状態でボルト31を適度に締め付けることにより、固定金具7を筐体9に固定する。これにより、電気ケーブル3が固定金具7を用いて筐体9に取り付けられる。
また、筐体9内に突出する電線部11の末端部分には接続端子19が取り付けられ、この接続端子19がボルト34を用いてバスバー35に電気的且つ機械的に接続されている。ボルト34のネジ部分は、接続端子19の貫通孔20を通してバスバー35のネジ孔(不図示)に螺合され、この状態でボルト34を適度に締め付けることにより、電線部11の接続端子19がバスバー35に固定されている。バスバー35は、最終的にインホイールモータ2(図1参照)の端子につながる導電体であって、例えば、金属製の細長い板で構成される。バスバー35は、筐体9内に収容されている。
<実施の形態による効果>
本実施の形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
(1)本発明の実施の形態においては、インバータ1とインホイールモータ2とを接続する電気ケーブル3が何らかの原因で急激に変形すると、電気ケーブル3に引張力が加わる。電気ケーブル3が急激に変形する原因としては、例えば、自動車の走行中に飛び石や雪の塊などが電気ケーブル3にぶつかって電気ケーブル3が屈曲した場合、あるいは、電気ケーブル3に雪や泥が付着した状態で急ハンドルを切った場合などが考えられる。そのような場合は、電気ケーブル3に対して瞬間的に強い引張力が加わる。このため、電気ケーブル3がケーブル長さ方向に伸びる。具体的には、シース16を有する外層部12が引張力を受けて伸びる。このとき、導体13を有する電線部11にも引張力が加わる。ただし、電線部11には、この電線部11を伸縮可能とする余長部27が設けられているため、上述のように引張力を受けて外層部12が伸びても、この伸びが余長部27によって吸収される。すなわち、引張力によって外層部12が伸びると、この伸びにともなって電線部11の余長部27が伸ばされ、この余長部27の伸びによって、外層部12の伸びが吸収される。つまり、外層部12の伸びを吸収するとは、外層部12の伸びによって電線部11が受ける影響を、余長部27の伸びによって低減または解消することを意味する。このため、外層部12の伸び量を見込んであらかじめ電線部11に余長部27を設けておけば、外層部12が伸びても電線部11は弛んだままの状態に維持される。これにより、電気ケーブル3に加わる引張力のほとんどは、電線部11ではなく、外層部12で受けることになる。したがって、従来のように導体とシースをかしめによって固定金具に一体的に固定する場合に比べて、電線部11の導体13にかかる負荷を軽減することができ、もって屈曲耐久性の向上が可能となる。その結果、電気ケーブル3が急激に変形した場合でも、電線部11の導体13が破損しにくくなる。
(2)本実施の形態においては、外層部12の内側に空間18を形成し、この空間18を利用して電線部11に余長部27を設けている。このため、電気ケーブル3の外観(見た目)は、ほとんど変わらない。したがって、電気ケーブル3の取り扱いや取付作業等に変更をきたすことなく、電線部11(導体13)の負荷軽減を図り、あわせて屈曲耐久性の向上を図ることができる。
<他の実施の形態>
図8は本発明の他の実施の形態において、電気ケーブルと固定金具との結合関係を示す側断面図である。
本発明の他の実施の形態においては、先に述べた実施の形態と比較して、電気ケーブル3の構成が異なる。具体的には、電線部11を構成する絶縁層14の外周がシールド編組層15によって覆われている。シールド編組層15の端部は、固定金具7のインナースリーブ21とアウタースリーブ22との間に、外層部12とともに挿入されている。シールド編組層15は、かしめ部30によりインナースリーブ21に接触した状態で配置されている。また、シールド編組層15の端部は、外層部12の端部で上側に折り返されている。
(シールド編組層)
シールド編組層15は、電気的なシールド機能を有するもので、絶縁層14の外周面を覆うように形成されている。シールド編組層15は、導体13を芯として絶縁層14と同心円状に形成されている。シールド編組層15の内周面は、絶縁層14の外周面に接触している。シールド編組層15は、繊維又は糸からなる芯の周囲に銅箔が設けられた銅箔糸を用いて形成することができる。シールド編組層15は、複数の銅箔糸を交差させて編み込む、いわゆる編み組によって形成されている。
シールド編組層15の形成に用いる銅箔糸の芯は、高分子樹脂材料からなる繊維又は糸によって構成することができる。具体的には、銅箔糸は、例えば、直径0.11mmのポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)の芯糸を用いて構成することができる。芯糸は、1本の繊維又は糸から形成することができる。また、芯糸は、複数本の繊維又は糸を編み合わせて形成することもできる。銅箔は、例えば、12μmの厚さで形成することができる。銅箔糸は、芯糸の外周に銅箔をらせん状に巻き付けて形成することができる。
また、銅箔糸は、その表面にめっき膜を施して形成することもできる。銅箔糸の表面にめっき膜を施すことにより、銅箔の表面の酸化を防止することができる。めっき膜は、例えば、スズめっきにより形成することができる。めっき膜によって銅箔の表面の酸化を防止すれば、シールド編組層15の電気抵抗が上昇する等の弊害を抑制することができる。
上述のように絶縁層14の外周面をシールド編組層15で覆った構成では、シールド編組層15と補強編組層17との間に空間18が形成される。したがって、この空間18を利用して外層部12内に電線部11を蛇行形状に配置することにより、電線部11に余長部を設けることが可能となる。このため、先述した実施の形態と同様の効果が得られる。
また、シールド編組層15を固定金具7のインナースリーブ21等に接触させているため、シールド編組層15が固定金具7を介して筐体9に電気的に接続された状態になる。このため、筐体9を基準電位に維持することにより、シールド編組層15を筐体9に接地させることができる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
例えば、上記実施の形態においては、電線部11に余長部27を設けるために、外層部12の内部で電線部11を蛇行形状に配置しているが、これに限らず、外層部12の内部で電線部11を螺旋形状に配置してもよい。
また、上記実施の形態においては、外層部12の内部に空間18を利用して余長部27を設けるようにしたが、これに限らず、外層部12の端部よりも筐体9内に突出して配置された電線部11の端部を波形又はU字形に湾曲させることにより、筐体9の内部で電線部11に余長部を設けてもよい。
また、上記実施の形態においては、インナースリーブ21とアウタースリーブ22とを一体に有する固定金具7を用いているが、本発明はこれに限らず、アウタースリーブ22の代わりに、固定金具7とは独立したリング状の部材を用いて、外層部12の端部を把持した構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、インホイールモータ2の筐体9に固定金具7を用いて電気ケーブル3を取り付ける場合のケーブル取付構造について説明したが、このケーブル取付構造は、インバータ1の筐体に固定金具7を用いて電気ケーブル3の一端部を取り付ける場合にも適用可能である。
また、上記実施の形態においては、外層部12をシース16と補強編組層17によって構成したが、これに限らず、シース16だけで外層部12を構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、1本の電線部11を外層部12で囲んだ構成の電気ケーブル3を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、複数本の電線部を外層部で囲んだ構成の電気ケーブルを用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、電気ケーブルの取付構造として説明したが、本発明はこれに限らず、上述した余長部27を有する固定金具付電気ケーブルとして実現してもよい。
また、本発明は、自動車や産業ロボット以外の分野にも広く適用可能である。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい形態について付記する。
(付記1)
導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具を固定して固定具付電気ケーブルとし、相対的に移動可能に配置された2つの電気機器のうち、一方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付け、他方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付けた、電気ケーブルの取付構造であって、
前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
前記導体には余長部が設けられている
電気ケーブルの取付構造。
(付記2)
前記導体の余長率は、想定する荷重を前記シースが受けた場合に前記シースが伸びる長さをLとし、該L以上の長さを余長とすると、3×L以下である
付記1に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記3)
前記シースの内側に空間が設けられ、この空間を利用して前記導体に前記余長部が設けられている
付記1又は2に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記4)
前記余長部は、前記空間内で前記導体を蛇行形状又は螺旋状に配置することにより設けられている
付記3に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記5)
前記電気ケーブル長さ方向の少なくとも一方側では、前記シースの端部よりも前記導体の端部が前記電気機器の筐体内に突出して配置され、
前記筐体内に突出する前記導体の端部を波形又はU字形に湾曲させることにより、前記導体に前記余長部が設けられている
付記1又は2に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記6)
前記固定具付電気ケーブルは、前記電気ケーブルを車体の外に露出させて自動車に取り付けられている
付記1〜5のいずれかに記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記7)
前記2つの電気機器のうち、一方の電気機器は自動車のインホイールモータであり、他方の電気機器は前記インホイールモータを駆動するモータ駆動機器である
付記6に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記8)
前記2つの電気機器のうち、一方の電気機器は自動車の電動ブレーキであり、他方の電気機器は前記電動ブレーキを駆動するブレーキ駆動機器である
付記6に記載の電気ケーブルの取付構造。
(付記9)
導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具が固定され、前記固定具で前記電気ケーブルを把持してなる固定具付電気ケーブルであって、
前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
前記導体には余長部が設けられている
固定具付電気ケーブル。
(付記10)
前記導体の余長率は、想定する荷重を前記シースが受けた場合に前記シースが伸びる長さをLとし、該L以上の長さを余長とすると、3×L以下である
付記9に記載の固定具付電気ケーブル。
(付記11)
前記シースの内側に空間が設けられ、この空間を利用して前記導体に前記余長部が設けられている
付記9又は10に記載の固定具付電気ケーブル
(付記12)
前記余長部は、前記空間内で前記導体を蛇行形状又は螺旋状に配置することにより設けられている
付記11に記載の固定具付電気ケーブル。
(付記13)
前記電気ケーブルを車体の外に露出させて自動車に取り付けられる
付記9〜12のいずれかに記載の固定具付電気ケーブル。
(付記14)
前記電気ケーブルは、自動車のインホイールモータと該インホールモータを駆動するモータ駆動機器とを接続する電気ケーブルである
付記13に記載の固定具付電気ケーブル。
(付記15)
前記電気ケーブルは、自動車の電動ブレーキと該電動ブレーキを駆動するブレーキ駆動機器とを接続する電気ケーブルである
付記13に記載の固定具付電気ケーブル。
1…インバータ
2…インホイールモータ
3…電気ケーブル
7…固定金具
9…筐体
11…電線部
12…外層部
13…導体
14…絶縁層
15…シールド編組層
16…シース
17…補強編組層
18…空間

Claims (4)

  1. 導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具を固定して固定具付電気ケーブルとし、相対的に移動可能に配置された2つの電気機器のうち、一方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付け、他方の電気機器の筐体に前記固定具を用いて前記電気ケーブルを取り付けた、電気ケーブルの取付構造であって、
    前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
    前記導体には余長部が設けられており、
    前記固定具は、前記導体を通すための通し孔が形成されているインナースリーブと、前記インナースリーブの外側に形成されているアウタースリーブと、前記インナースリーブと前記アウタースリーブとを連結している連結部と、を備え、
    前記シースは、前記インナースリーブ、前記アウタースリーブ、及び前記連結部により形成されている収容部に収容されている
    電気ケーブルの取付構造。
  2. 前記シースの内側に空間が設けられ、この空間を利用して前記導体に前記余長部が設けられている
    請求項1に記載の電気ケーブルの取付構造。
  3. 前記固定具付電気ケーブルは、前記電気ケーブルを車体の外に露出させて自動車に取り付けられている
    請求項1又は2に記載の電気ケーブルの取付構造。
  4. 導体と、該導体の外側に設けられたシースと、を有する電気ケーブルの両端部にそれぞれ固定具が固定され、前記固定具で前記電気ケーブルを把持してなる固定具付電気ケーブルであって、
    前記電気ケーブルは、前記シースに対して前記導体が前記電気ケーブル長さ方向に相対的に移動自在に構成され、
    前記導体には余長部が設けられており、
    前記固定具は、前記導体を通すための通し孔が形成されているインナースリーブと、前記インナースリーブの外側に形成されているアウタースリーブと、前記インナースリーブと前記アウタースリーブとを連結している連結部と、を備え、
    前記シースは、前記インナースリーブ、前記アウタースリーブ、及び前記連結部により形成されている収容部に収容されている
    固定具付電気ケーブル。
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