JP6044432B2 - 駆動切替機構及びこれを用いた回転駆動装置、駆動処理装置 - Google Patents

駆動切替機構及びこれを用いた回転駆動装置、駆動処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動切替機構及びこれを用いた回転駆動装置、駆動処理装置に関する。
従来、画像形成装置などで用いられる駆動切替機構としては例えば特許文献1〜3に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、駆動手段により、一定方向に回転する第1歯車と、該第1歯車に連動して回転する第2歯車と、該第2歯車を介して前記第1歯車と逆方向に回転する第3歯車と、揺動可能に設けられた揺動部材と、該揺動部材に回転自在に保持され、且つ揺動部材の揺動により前記第1歯車又は前記第3歯車と噛み合い正転又は逆転する第4歯車と、該第4歯車と常時噛み合い正転又は逆転する第5歯車と、該第5歯車と連動することにより正転又は逆転する回転体を設けた回転体駆動装置が開示されている。
特許文献2には、出力軸に2つのワンウェイクラッチを設けて、両ワンウェイクラッチを同じ回転方向で断接させ、入力軸と出力軸との間に、入力軸の回転駆動力を、同一回転方向のまま一方のワンウェイクラッチへ伝達する同方向伝達機構と、入力軸の回転駆動力を、その回転方向を逆転して他方のワンウェイクラッチへ伝達する逆転伝達機構とを設ける駆動伝達機構が開示されている。
特許文献3には、駆動歯車付きのローラの正転駆動を行う第1駆動源と、この第1駆動源の駆動力をローラに伝達する第1歯車列と、第1歯車列に設けられで駆動力を断続する第1クラッチと、ローラの反転駆動を行う第2駆動源と、この第2駆動源の駆動力をローラに伝達する第2歯車列と、第2歯車列に設けられて駆動力を断続する第2クラッチと、第1歯車列及び第2歯車列のいずれか一方に設けられるトルクリミッタと、を備え、用紙搬送における正転搬送方向から反転搬送方向への切り替え時に第1クラッチ及び第2クラッチのON、OFFを同時に行う用紙搬送機構が開示されている。
特開平10−90966号公報(発明の実施の形態,図6) 特開2002−120948号公報(発明の実施の形態,図5) 特開2007−290853号公報(発明を実施するための最良の形態,図3)
本発明が解決しようとする技術的課題は、簡易な構成で、被回転体の駆動状態を切り替えることが可能な駆動切替機構及びこれを用いた回転駆動装置、駆動処理装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、予め決められた方向に回転する駆動源からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達要素列と、この第1の駆動伝達要素列に接続可能に設けられ、被回転体に駆動力を伝達する第2の駆動伝達要素列と、前記第1の駆動伝達要素列の一要素と前記第2の駆動伝達要素列の一要素との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達要素列と、前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか一方に介在され、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断する断続要素と、前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか他方に介在され、前記断続要素が駆動伝達経路を遮断した条件では前記第1の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を許容し、前記第1ないし第3の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で遮断された駆動伝達経路とは異なる駆動伝達経路を選択し、前記断続要素が駆動伝達経路を接続した条件では前記第1及び第2の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を制止し、前記第1及び第2の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で接続された駆動伝達経路を選択する回転制止要素と、を備えていることを特徴とする駆動切替機構である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る駆動切替機構において、前記回転制止要素は予め決められた制止トルク未満のトルクが作用するときには追従回転動作を許容し、前記制止トルク以上のトルクが作用したときに追従回転動作を制止して空回転するトルクリミッタであることを特徴とする駆動切替機構である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る駆動切替機構において、前記第1ないし第3の駆動伝達要素列は、第1及び第2の駆動伝達要素列による直接連結した態様で被回転体を予め決められた正方向に回転させ、第1ないし第3の駆動伝達要素列による迂回連結した態様で被回転体を正方向とは逆方向に回転させることを特徴とする駆動切替機構である。
請求項4に係る発明は、予め決められた方向に回転する駆動源と、この駆動源からの駆動力を被回転体に対し回転状態を切替可能に伝達する駆動伝達機構と、を備え、前記駆動伝達機構は、予め決められた方向に回転する駆動源からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達要素列と、この第1の駆動伝達要素列に接続可能に設けられ、被回転体に駆動力を伝達する第2の駆動伝達要素列と、前記第1の駆動伝達要素列の一要素と前記第2の駆動伝達要素列の一要素との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達要素列と、前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか一方に介在され、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断する断続要素と、前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか他方に介在され、前記断続要素が駆動伝達経路を遮断した条件では前記第1の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を許容し、前記第1ないし第3の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で遮断された駆動伝達経路とは異なる駆動伝達経路を選択し、前記断続要素が駆動伝達経路を接続した条件では前記第1及び第2の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を制止し、前記第1及び第2の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で接続された駆動伝達経路を選択する回転制止要素と、を備えていることを特徴とする回転駆動装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る回転駆動装置において、前記断続要素は、被回転体の回転動作時間の少ない回転状態のときに通電するものであることを特徴とする回転駆動装置である。
請求項6に係る発明は、駆動対象として回転状態が切り替わる被回転体と、この被回転体を回転駆動する回転駆動装置と、を備え、前記回転駆動装置として請求項4又は5に係る回転駆動装置を用いたことを特徴とする駆動処理装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る駆動処理装置において、記録材に対して画像を作製する作像部と、この作像部に対して記録材を搬送する記録材搬送部と、作像済みの記録材を収容する記録材収容部と、を備え、前記記録材搬送部は、記録材の搬送状態を切り替える搬送部材の駆動に当たり、前記回転駆動装置を用いることを特徴とする駆動処理装置である。
請求項1に係る発明によれば、簡易な構成で、被回転体の駆動状態を切り替えることができる。
請求項2に係る発明によれば、既存の部品を利用して、簡易な構成で、被回転体の駆動状態を切り替えることができる。
請求項3に係る発明によれば、被回転体を正逆回転に切り替えて駆動するに当たり、簡易な構成で、被回転体の駆動状態を切り替えることができる。
請求項4に係る発明によれば、簡易な構成で、被回転体の駆動状態を切り替えることが可能な回転駆動装置を簡単に構築することができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、断続要素を長期に亘って使用することができ、断続要素の発熱による影響を少なく抑えることができる。
請求項6に係る発明によれば、簡易な構成で、駆動対象である被回転体の駆動状態を切り替えることが可能な駆動処理装置を簡単に構築することができる。
請求項7に係る発明によれば、記録材に画像を作製する駆動処理装置としての作像装置において、簡易な構成で、駆動対象である搬送部材の駆動状態を切り替えることが可能な駆動処理装置を簡単に構築することができる。
本発明が適用された駆動切替機構を用いた回転駆動装置及びこれを用いた駆動処理装置の実施の形態の概要を示す説明図である。 実施の形態1に係る駆動処理装置としての画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1で用いられる画像形成装置の排出ロール・定着装置を駆動する回転駆動装置を示す説明図である。 図3中IV方向から見た矢視図である。 図3に係る回転駆動装置から定着装置の駆動系を取り除いた状態を示す説明図である。 図5中VI方向から見た矢視図である。 (a)は電磁クラッチの取付例を示す説明図、(b)はトルクリミッタの取付例を示す説明図、(c)は(b)中C−C線断面説明図である。 トルクリミッタの特性を示す説明図である。 実施の形態1に係る回転駆動装置における電磁クラッチOFF時の動作状態を示す説明図である。 実施の形態1に係る回転駆動装置における電磁クラッチONの動作状態を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る回転駆動装置の図9における駆動伝達経路を模式的に示す説明図、(b)は同回転駆動装置の図10における駆動伝達経路を模式的に示す説明図である。 比較の形態1に係る排出ロールの回転駆動装置を示す説明図である。 図12中XIII方向から見た矢視図である。 比較の形態1に係る回転駆動装置における第1電磁クラッチOFF、第2電磁クラッチON時の動作状態を示す説明図である。 比較の形態1に係る回転駆動装置における第1電磁クラッチON、第2電磁クラッチOFF時の動作状態を示す説明図である。 (a)は比較の形態1に係る回転駆動装置の図14における駆動伝達経路を模式的に示す説明図、(b)は同回転駆動装置の図15における駆動伝達経路を模式的に示す説明図である。 実施の形態2に係る排出ロール・定着装置の回転駆動装置を示す説明図である。 図17中XVIII方向から見た矢視図である。 (a)は実施の形態3に係る回転駆動装置の排出ロールに対する駆動伝達経路を模式的に示す説明図、(b)は各駆動伝達経路における通常用電磁クラッチ、高速用電磁クラッチ、トルクリミッタの動作状態を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された駆動処理装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、駆動処理装置は、駆動対象として回転状態が切り替わる被回転体17と、この被回転体17を回転駆動する回転駆動装置18と、を備えている。
本例において、駆動処理装置は、被回転体17と回転駆動装置18とを含み、予め決められた処理部にて処理するものを広く含む。
例えば記録材に対して画像を作製する作像部と、この作像部に対して記録材を搬送する記録材搬送部と、作像済みの記録材を収容する記録材収容部と、を備えた画像形成装置においては、記録材搬送部が、記録材の搬送状態を切り替える搬送部材(被回転体17に相当)の駆動に当たり、回転駆動装置18を用いる態様が挙げられる。
また、回転駆動装置18は、予め決められた方向に回転する駆動源16と、この駆動源16からの駆動力を被回転体17に対し回転状態を切替可能に伝達する駆動切替機構10と、を備えている。
本例では、駆動切替機構10は、予め決められた方向に回転する駆動源16からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達要素列11と、この第1の駆動伝達要素列11に接続可能に設けられ、被回転体17に駆動力を伝達する第2の駆動伝達要素列12と、第1の駆動伝達要素列11の一要素と第2の駆動伝達要素列12の一要素との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達要素列13と、第1及び第2の駆動伝達要素列11,12の間に介在され、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断する断続要素14と、第3の駆動伝達要素列13の一部に介在され、断続要素14が駆動伝達経路を遮断した条件では第1の駆動伝達要素列11から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を許容し、第1ないし第3の駆動伝達要素列11ないし13を用いて断続要素14で遮断された駆動伝達経路とは異なる駆動伝達経路を選択し、断続要素14が駆動伝達経路を接続した条件では第1及び第2の駆動伝達要素列11,12から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を制止し、第1及び第2の駆動伝達要素列11,12を用いて断続要素14で接続された駆動伝達経路を選択する回転制止要素15と、を備えている。
このような技術的手段において、駆動切替機構10は、駆動源16からの駆動力について、2系統の駆動伝達経路を断続要素14と回転制止要素15とで切り替える態様である。
ここで、被回転体17への駆動切り替えの態様としては、回転方向を正逆両方向に切り替える態様に限られず、同じ回転方向において回転速度を切り替える態様をも含み、勿論両者を両立させるようにしてもよい。
また、駆動源16としては、予め決められた方向に回転するものであればよく、例えば正逆回転可能な駆動源を予め決められた方向に回転させるものをも含む。
更に、第1ないし第3の駆動伝達要素列11〜13は代表的には駆動伝達要素としてギアを一若しくは複数列噛合わせたものが使用されるが、プーリやベルトなどの駆動伝達要素を途中に含む態様でも差し支えない。
更にまた、第1ないし第3の駆動伝達要素列11〜13は、図1に一点鎖線で示すように、第1、第2の駆動伝達要素列11,12に加えて第3の駆動伝達要素列13を含んで迂回連結されたときには、被回転体17に付与すべき回転状態(回転方向A、回転速度v)に応じて各要素の駆動伝達特性(回転比、回転方向、要素数)を適宜選定するようにすればよい。また、第1及び第2の駆動伝達要素列11,12は、図1に二点鎖線で示すように、両者が直接連結されたときには、迂回連結された場合に被回転体17に付与すべき回転状態とは異なる回転状態(回転方向B、回転速度v)に応じて各要素の駆動伝達特性(回転比、回転方向、要素数)を選定すればよい。
また、断続要素14は、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断するものであれば適宜選定して差し支えなく、代表的には電磁断続器(電磁クラッチ)が挙げられる。
更にまた、回転制止要素15は例えば第3の駆動伝達要素列13の一部に設けられ、断続要素14が駆動伝達経路を接続したときに作用するトルク、具体的には、第1、第2の駆動伝達要素列11,12の両側からの駆動力に基づいて所定のトルクが作用したことに伴って空回りするものであればよい。
尚、図1に示す態様では、第1、第2の駆動伝達要素列11,12の間に断続要素14を、第3の駆動伝達要素列13の一部に回転制止要素15を介在させているが、これに限られるものではなく、第1、第2の駆動伝達要素列11,12の間に回転制止要素15を、第3の駆動伝達要素列13の一部に断続要素14を介在させるようにしてもよいことは勿論である。
次に、本実施の形態で用いられる回転駆動装置18又は駆動切替機構10の代表的態様若しくは好ましい態様について説明する。
先ず、回転制止要素15の代表的態様としては、予め決められた制止トルク未満のトルクが作用するときには追従回転動作を許容し、制止トルク以上のトルクが作用したときに追従回転動作を制止して空回転するトルクリミッタが挙げられる。
ここで、トルクリミッタとしては既存の部品を利用し、内部に組み込む付勢バネの付勢力を適宜調整することで必要な制止トルクを決め、断続要素14が遮断状態にあるときにはトルクリミッタに対し制止トルク未満のトルクが作用し、一方、断続要素14が接続状態にあるときにトルクリミッタに制止トルク以上のトルクが作用するように設計すればよい。
また、駆動切り替えの代表的態様としては、第1ないし第3の駆動伝達要素列11〜13は、第1及び第2の駆動伝達要素列11,12による直接連結した態様で被回転体17を予め決められた正方向Aに回転させ、第1ないし第3の駆動伝達要素列11〜13による迂回連結した態様で被回転体17を正方向Aとは逆方向Bに回転させるものが挙げられる。
本例では、第3の駆動伝達要素列13を駆動伝達経路に含める場合には、含めない場合に比べて被回転体17の回転方向を逆方向に回転させ、かつ、その回転速度を予め決められた値になるように調整すればよい。
更に、断続要素14の好ましい配置例としては、被回転体17の回転動作時間の少ない回転状態のときに通電するものが挙げられる。本例では、被回転体17の回転動作時間の長い回転状態のときに通電する態様に比べて通電時間が短くなる分ライフの点で好ましい。
以下添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
<画像形成装置の全体構成>
図2は、実施の形態1に係る駆動処理装置としての画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、装置筐体20に例えば電子写真方式の作像エンジン(作像部)21を搭載し、装置筐体20内の作像エンジン21の下方に記録材としての用紙Sが供給可能な用紙供給容器22を配設すると共に、装置筐体20の頂部には記録済みの用紙Sが収容可能な用紙排出受け27を設け、装置筐体20内の側面側(図2では左側に相当)に用紙供給容器22から送出された用紙Sを作像エンジン21、用紙排出受け27へと導く用紙搬送路23を略鉛直方向に設けたものである。
本実施の形態において、作像エンジン21は、トナー像が保持可能なドラム状の感光体31と、この感光体31を帯電する例えば帯電ロール等の帯電装置32と、帯電された感光体31上に静電潜像を書き込む例えばレーザ走査装置等の露光装置33と、感光体31上の静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置34と、感光体31上のトナー像を用紙Sに転写させる例えば転写ロール等の転写装置35と、感光体31上に残留する異物を清掃する清掃装置36と、を備えている。
また、用紙供給容器22には用紙Sを一枚ずつ繰り出す繰り出しロール22aが設けられる一方、用紙搬送路23の感光体31の上流側には用紙Sを一旦位置決めした後に搬送するための位置決めロール24が設けられ、また、用紙搬送路23の感光体31の下流側には定着装置25が配設されると共に、用紙排出受け27の直前には排出ロール26が設けられている。尚、図2中、符号28は用紙搬送路23に対し適宜配設される搬送ロールである。
更に、本実施の形態では、用紙Sの両面に画像を記録する両面記録モードを実施することができる態様が採用されており、本例では、用紙搬送路23のうち排出ロール26から位置決めロール24の上流側に戻る戻り搬送路40が用紙搬送路23とは別に設けられており、この戻り搬送路40には片面記録済みの用紙Sが戻り搬送する上で必要な両面搬送モジュール41が配設されている。尚、両面記録モードを実施する際には、先ず、用紙供給容器22から供給された用紙Sの片面に対し作像エンジン21にて画像を作製後、定着装置25を経て排出ロール26へ搬送し、しかる後、排出ロール26を逆転させることで、戻り搬送路40に向けて片面記録済みの用紙Sを搬送して両面搬送モジュール41にて再び位置決めロール24の上流側に戻し、用紙Sの他の片面に対し作像エンジン21にて画像を作製し、定着装置25を経て排出ロール26にて用紙排出受け27に両面記録済みの用紙Sを排出するようにしたものである。
<回転駆動装置>
本実施の形態では、図3及び図4に示すように、排出ロール26を正逆回転切り替え可能に駆動する回転駆動装置50が設けられている。本例では、この回転駆動装置50は排出ロール26と共に定着装置25をも駆動するように構成されている。尚、この回転駆動装置50の駆動対象を排出ロール26だけとしてもよく、この場合には、定着装置25の回転駆動装置を別個に設けるようにすればよい。
ここで、本例で用いられる定着装置25、排出ロール26の構成について補足説明しておく。
定着装置25は、回転駆動装置50にて駆動され且つ例えばヒータが内蔵された加熱定着ロール25aと、この加熱定着ロール25aに対向して圧接配置され且つ加熱定着ロール25aに追従して回転する加圧定着ロール25bとを有している。
また、排出ロール26は、回転駆動装置50にて駆動される駆動排出ロール26aと、この駆動排出ロール26aに対向して圧接配置され且つ駆動排出ロール26aに追従して回転する従動排出ロール26bとを有している。尚、図3及び図4中、符号42は排出ロール26の各ロール26a,26bの挟持部に向けて用紙Sを案内する案内板である。
本実施の形態において、回転駆動装置50は、駆動源として予め決められた方向に回転する駆動モータ51と、この駆動モータ51からの駆動力を切り替え可能に伝達する駆動切替機構52と、を備え、駆動対象である定着装置25の加熱定着ロール25a及び排出ロール26の駆動排出ロール26aに対し所定の駆動力を与えるものである。
本例では、駆動切替機構52は、定着装置25に対して駆動力を伝達する定着用の駆動伝達系53と、排出ロール26に対して駆動力を伝達する排出用の駆動伝達系54と、を含むものである。
<定着用の駆動伝達系>
ここで、定着用の駆動伝達系53は、図3及び図4に示すように、駆動モータ51からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達ギア列60と、この第1の駆動伝達ギア列60の一要素(本例では3段目のギア63)に噛合い、加熱定着ロール25aに駆動力を伝達する第4の駆動伝達ギア列90とを有している。
本例では、第1の駆動伝達ギア列60は、駆動モータ51の支軸のギア部と噛合う1段目のギア61と、このギア61に同軸に設けられる2段目のギア62と、このギア62の周面と噛合う3段目のギア63と、このギア63の周面と噛合う4段目のギア64と、このギア64に同軸設けられる5段目のギア65と、このギア65の周面に噛合う6段目のギア66を有している。
また、第4の駆動伝達ギア列90は、第1の駆動伝達ギア列60の一要素(本例では3段目のギア63)の周面と噛合う1段目のギア91と、このギア91と同軸に設けられる2段目のギア92と、このギア92の周面と噛合う3段目のギア93と、このギア93の周面と噛合い且つ加熱定着ロール25aと同軸に装着される出力用の4段目のギア94とを有している。
<排出用の駆動伝達系>
排出用の駆動伝達系54は、図5及び図6に示すように、上述した第1の駆動伝達ギア列60と、この第1の駆動伝達ギア列60と接続可能で排出ロール26の駆動排出ロール26aに駆動力を伝達する第2の駆動伝達ギア列70と、第1の駆動伝達ギア列60と第2の駆動伝達ギア列70との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達ギア列80と、第1,第2の駆動伝達ギア列60,70間に介在される電磁クラッチ100と、第3の駆動伝達ギア列80の一部に介在されるトルクリミッタ110とを備えている。
−第1ないし第3の駆動伝達ギア列−
第1の駆動伝達ギア列60は、上述した通り、ギア61〜66からなるものである。
また、第2の駆動伝達ギア列70は、電磁クラッチ100を介して第1の駆動伝達ギア列60の6段目のギア66と同軸に設けられる1段目のギア71と、このギア71の周面に噛合う2段目のギア72と、このギア72の周面に噛合い且つ駆動排出ロール26aと同軸に設けられる出力用のギア73と、を有している。
更に、第3の駆動伝達ギア列80は、第1の駆動伝達ギア列60の5段目のギア65の周面に噛合う1段目のギア81と、このギア81と同軸に設けられる2段目のギア82と、このギア82の周面に噛合う3段目のギア83と、このギア83と同軸に設けられる4段目のギア84と、このギア84の周面に噛合い且つ第2の駆動伝達ギア列70の1段目のギア71の周面に噛合う5段目のギア85と、を有している。
−電磁クラッチ−
電磁クラッチ100は、図7(a)に示すように、内部に対構成のクラッチ板を有し、通電の有無により通電時には対構成のクラッチ板を電磁吸着し、非通電時には対構成のクラッチ板を非吸着状態とする一方、一方のクラッチ板に設けられるロータ101に第1の駆動伝達ギア列60の6段目のギア66を同軸に固着し、他方のクラッチ板にはロータ101と同軸に配置される支軸102を設け、この支軸102に第2の駆動伝達ギア列70の1段目のギア71を設けたものである。
そして、この電磁クラッチ100は、通電により一対のクラッチ板が電磁吸着したときにはロータ101と支軸102とが連結され、第1の駆動伝達ギア列60のギア66からの駆動力がロータ101、支軸102を介して第2の駆動伝達ギア列70のギア71に伝達されるようになっている。
一方、非通電時には一対のクラッチ板が非吸着状態であるため、ロータ101と支軸102とは連結されずに空回転することになり、第1の駆動伝達ギア列60のギア66からの駆動力が第2の駆動伝達ギア列70のギア71に伝達されないようになっている。
−トルクリミッタ−
トルクリミッタ110は、図7(b)(c)に示すように、第3の駆動伝達ギア列80の3段目のギア83の支軸83aが同軸に嵌め込まれる内輪111と、この内輪111の周面を覆うように設けられる外輪112と、内輪111及び外輪112の間に圧入されて巻き付けられるコイルばね113と、を備え、前記外輪112には回り止め突起114を設けると共に、第3の駆動伝達ギア列80の4段目のギア84には回り止め突起114が嵌まる回り止め凹部115を設け、この回り止め凹部115に回り止め突起114を嵌め込んだ状態で外輪112にギア84を位置決めするようにしたものである。
ここで、トルクリミッタ110のトルク特性を図8に示す。
同図において、トルクリミッタ110は、図8に示すように、回転トルクRTが予め決められた制止トルクRTx未満であれば、内輪111に作用する回転駆動力はコイルばね113を介して外輪112に伝達されることから、トルクリミッタ110は追従回転することになり、第3の駆動伝達ギア列80の3段目のギア83からの駆動力はトルクリミッタ110を介して4段目のギア84に伝達される。
一方、回転トルクRTが予め決められた制止トルクRTx以上であれば、内輪111又は外輪112とコイルばね113との間で滑りが発生してしまい、内輪111と外輪112との間で空回転が生じてしまう。このため、内輪111に作用する回転駆動力はコイルばね113を介して外輪112に伝達されず、4段目のギア84には伝達されない。
本例において、制止トルクRTxの選定については、電磁クラッチ100の空転時(非通電時)の回転トルクと、排出ロール26の摩耗を考慮した回転トルク分とを加えた値よりは大きいことが必要であり、また、電磁クラッチ100の通電時の定格トルク及びマージン分として必要な補正量を加えた値よりは小さいことが必要である。
次に、本実施の形態に係る回転駆動装置による駆動切り替えについて説明する。
−電磁クラッチOFF時−
今、用紙Sを排出する方向(正方向)に排出ロール26を回転駆動する場合には、図示外の制御装置によって電磁クラッチ100への通電をOFFするようにすればよい。
この状態においては、図9及び図11(a)に示すように、電磁クラッチ100への通電がOFFであることから、電磁クラッチ100による駆動伝達経路が遮断される。つまり、第1の駆動伝達ギア列60の6段目のギア66からの駆動力が電磁クラッチ100に作用したとしても、電磁クラッチ100が空回転状態であることから、その駆動力は電磁クラッチ100を介して伝達されることはない。
このため、本実施の形態では、駆動モータ51からの駆動力は、第1の駆動伝達ギア列60のギア61〜ギア65を通じて第3の駆動伝達ギア列80に伝達される。この第3の駆動伝達ギア列80にはトルクリミッタ110が介在されているが、このトルクリミッタ110には制止トルク以上の回転トルクが作用しないため、トルクリミッタ110は追従回転動作を許容することになり、第3の駆動伝達ギア列80では駆動力がギア81〜ギア83、トルクリミッタ110を介してギア84,85へと伝達される。
この後、ギア85から第2の駆動伝達ギア列70(ギア71〜ギア73)へと駆動力が伝達されて排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向Aに向かって所定の回転速度で回転する。
本例では、排出ロール26の正方向回転動作は逆方向回転動作に比べて長時間に亘って実施されるが、この間、電磁クラッチ100は通電されていないことから、電磁クラッチ100のライフを長くすることが可能になるほか、電磁クラッチ100の通電に伴う発熱現象を抑えることが可能である。
−電磁クラッチON時−
次に、用紙Sを排出する方向(正方向)とは逆方向に排出ロール26を回転駆動する場合(例えば両面記録モードを実施する場合など)には、図示外の制御装置によって電磁クラッチ100への通電をONするようにすればよい。
この状態においては、図10及び図11(b)に示すように、電磁クラッチ100への通電がONであることから、電磁クラッチ100による駆動伝達経路が接続される。つまり、第1の駆動伝達ギア列60の6段目のギア66からの駆動力が電磁クラッチ100に作用すると、その駆動力は電磁クラッチ100を介して第2の駆動伝達ギア列70に伝達される。
このため、本実施の形態では、駆動モータ51からの駆動力は、第1の駆動伝達ギア列60のギア61〜ギア66を通じて電磁クラッチ100を経て第2の駆動伝達ギア列70に伝達される。このとき、第3の駆動伝達ギア列80には第1の駆動伝達ギア列60のギア65から駆動力が伝達され、また、第2の駆動伝達ギア列70のギア71から駆動力が伝達されることになり、第3の駆動伝達ギア列80の途中に介在されているトルクリミッタ110には両側から回転方向が逆の駆動力が伝達することになる。このため、トルクリミッタ110には制止トルク以上の回転トルクが作用することになり、トルクリミッタ110は追従回転動作を制止し、空回転することになる。このため、第3の駆動伝達ギア列80では駆動力がトルクリミッタ110で遮断される。
よって、本例では、第1の駆動伝達ギア列60と第2の駆動伝達ギア列70とが電磁クラッチ100を介して直接連結されることになり、駆動モータ51からの駆動力がこれらの駆動伝達経路を経て排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向とは逆方向Bに向かって所定の回転速度で回転する。
◎比較の形態1
次に、本実施の形態に係る回転駆動装置の性能を評価する上で比較の形態1に係る回転駆動装置について図12及び図13に基づいて説明する。
同図において、比較の形態1に係る回転駆動装置50’は、実施の形態1と略同様に、駆動モータ51と、定着用の駆動伝達系(図示せず)及び排出用の駆動伝達系54からなる駆動切替機構52と、を備えている。
本例では、図示外の定着用の駆動伝達系は、実施の形態1と略同様であるのに対し、排出用の駆動伝達系54は、実施の形態1と略同様に、第1の駆動伝達ギア列60(ギア61〜66)、第2の駆動伝達ギア列70(ギア71〜73)、第3の駆動伝達ギア列80(ギア81〜85)を備えているが、実施の形態1と異なり、第1、第2の駆動伝達ギア列60,70の間には第1の電磁クラッチ131、第3の駆動伝達ギア列80の途中、例えばギア83,84間には第2の電磁クラッチ132が介在されている。
−第1の電磁クラッチOFF、第2の電磁クラッチON−
今、用紙Sを排出する方向(正方向)に排出ロール26を回転駆動する場合には、図示外の制御装置によって第1の電磁クラッチ131への通電をOFF、第2の電磁クラッチ132への通電をONするようにすればよい。
この状態においては、図14及び図16(a)に示すように、第1の電磁クラッチ131への通電がOFFであることから、第1の電磁クラッチ131による駆動伝達経路が遮断される。一方、第2の電磁クラッチ132への通電がONであることから、第2の電磁クラッチ132による駆動伝達経路が接続される。
このため、本例では、駆動モータ51からの駆動力は、第1の駆動伝達ギア列60から第3の駆動伝達ギア列80へと迂回した後に第2の駆動伝達ギア列70へと伝達され、排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向Aに向かって所定の回転速度で回転する。
−第1の電磁クラッチON、第2の電磁クラッチOFF−
次に、用紙Sを排出する方向(正方向)と逆方向に排出ロール26を回転駆動する場合(例えば両面記録モードを実施するなど)には、図示外の制御装置によって第1の電磁クラッチ131への通電をON、第2の電磁クラッチ132への通電をOFFするようにすればよい。
この状態においては、図15及び図16(b)に示すように、第1の電磁クラッチ131への通電がONであることから、第1の電磁クラッチ131による駆動伝達経路が接続される。一方、第2の電磁クラッチ132への通電がOFFであることから、第2の電磁クラッチ132による駆動伝達経路が遮断される。
このため、本例では、駆動モータ51からの駆動力は、第1の駆動伝達ギア列60から第1の電磁クラッチ131を介して第2の駆動伝達ギア列70へと直接的に伝達されて排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向とは逆方向Bに向かって所定の回転速度で回転する。
このように、この比較の形態1に係る回転駆動装置50’では、第1の電磁クラッチ131又は第2の電磁クラッチ132のいずれかがONであることから、電磁クラッチ131,132の部品点数が多くなるばかりか、電磁クラッチ131,132からの発熱量が嵩むという懸念がある。
◎実施の形態2
図17及び図18は実施の形態2に係る回転駆動装置の要部を示す説明図である。
同図において、回転駆動装置50は、実施の形態1と略同様に、駆動モータ51と、定着用の駆動伝達系53及び排出用の駆動伝達系54からなる駆動切替機構52と、を備えている。
本例では、定着用の駆動伝達系53は実施の形態1と略同様であるが、排出用の駆動伝達系54が実施の形態1と異なっている。
具体的には、排出用の駆動伝達系54は、実施の形態1と略同様に、駆動モータ51からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達ギア列60(本例ではギア61〜66)と、第3の駆動伝達ギア列80(ギア81〜85)とを備え、第3の駆動伝達ギア列80の一部にトルクリミッタ110を介在させているが、第2の駆動伝達ギア列70が実施の形態1と異なり、しかも、複数の電磁クラッチ181,182を使用するものである。
ここで、電磁クラッチ181は排出ロール26の逆転方向の回転速度を通常速度とする通常用のものであり、一方、電磁クラッチ182は排出ロール26の逆転方向の回転速度を通常速度よりも速い高速度とする高速用のものである。
本例では、第2の駆動伝達ギア列70は、通常速度用と高速度用との2系統に分かれて構成されており、一方の系統は、排出ロール26の逆転方向の回転速度を通常速度とするためのギア列として、通常用の電磁クラッチ181を介して第1の駆動伝達ギア列60の6段目と同軸に設けられる第2の駆動伝達ギア列70の1段目のギア71と、このギア71の周面に噛合う2段目のギア72と、このギア72の周面に噛合い且つ駆動排出ロール26aと同軸に設けられる出力用のギア73と、を有している。また、他方の系統は、排出ロール26の逆転方向の回転速度を高速度とするギア列として、出力用のギア73と、このギア73の周面に噛合う出力前のギア74とを有し、第1の駆動伝達ギア列60として3段目のギア63の周面に噛合うギア67を付加し、このギア67とギア74とを同軸となるように配置し、この両者間に高速用の電磁クラッチ182を介在させるようにしたものである。
次に、本実施の形態に係る回転駆動装置の作動について説明する。
−通常用、高速用の電磁クラッチOFF−
今、用紙Sを排出する方向(正方向)に排出ロール26を回転駆動する場合には、図示外の制御装置によって各電磁クラッチ181,182への通電をOFFするようにすればよい。
この状態においては、図19(a)(b)に示すように、電磁クラッチ181,182への通電がOFFであることから、電磁クラッチ181,182による駆動伝達経路が遮断される。つまり、第1の駆動伝達ギア列60からの駆動力が電磁クラッチ181,182に作用したとしても、電磁クラッチ181,182が空回転状態であることから、その駆動力は電磁クラッチ181,182を介して伝達されることはない。
このため、本実施の形態では、駆動モータ51からの駆動力は、図19に一点鎖線で示すように、第1の駆動伝達ギア列60のギア61〜ギア65を通じて第3の駆動伝達ギア列80に伝達される。この第3の駆動伝達ギア列80にはトルクリミッタ110が介在されているが、実施の形態1と同様に、トルクリミッタ110は追従回転動作を許容することになるため、第3の駆動伝達ギア列80では駆動力がギア81〜ギア83、トルクリミッタ110を介してギア84,85へと伝達される。
この後、ギア85から第2の駆動伝達ギア列70(ギア71〜ギア73)へと駆動力が伝達されて排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向Aに向かって所定の回転速度で回転する。
−通常用の電磁クラッチOFF、高速用の電磁クラッチON−
次に、用紙Sを排出する方向(正方向)と逆方向に高速度で排出ロール26を回転駆動する場合(例えば両面記録モードを実施するなど)には、図示外の制御装置によって通常用の電磁クラッチ181への通電をOFF、高速用の電磁クラッチ182への通電をONするようにすればよい。
この状態においては、図19(a)(b)に示すように、通常用の電磁クラッチ181への通電がOFFであることから、電磁クラッチ181による駆動伝達経路が遮断される。一方、高速用の電磁クラッチ182への通電がONであることから、高速用の電磁クラッチ182による駆動伝達経路が接続される。
このため、本例では、駆動モータ51からの駆動力は、図19(a)に二点鎖線で示すように、第1の駆動伝達ギア列60から高速用の電磁クラッチ182を介して第2の駆動伝達ギア列70(ギア74,73)へと直接的に伝達されて排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向とは逆方向Bに向かって高速度で回転する。
よって、例えば両面記録モードにおいて、用紙Sの戻り搬送路40への反転引き戻し動作は、高速用の電磁クラッチ182によって高速反転される。
−通常用の電磁クラッチON、高速用の電磁クラッチOFF−
また、用紙Sを排出する方向(正方向)と逆方向に通常速度で排出ロール26を回転駆動する場合には、図示外の制御装置によって通常用の電磁クラッチ181への通電をON、高速用の電磁クラッチ182への通電をOFFするようにすればよい。
この状態においては、図19(a)(b)に示すように、通常用の電磁クラッチ181への通電がONであることから、通常用の電磁クラッチ181による駆動伝達経路が接続される。一方、高速用の電磁クラッチ182への通電がOFFであることから、高速用の電磁クラッチ182による駆動伝達経路が遮断される。
このため、本例では、駆動モータ51からの駆動力は、図19(a)に点線で示すように、第1の駆動伝達ギア列60から通常用の電磁クラッチ181を介して第2の駆動伝達ギア列70(ギア71〜73)へと直接的に伝達されて排出ロール26へと至り、排出ロール26は予め決められた正方向とは逆方向Bに向かって通常速度で回転する。
このように、通常速度で排出ロール26を反転させる場合としては、例えば両面記録モード時に用紙を高速反転して引き戻す動作を選択した場合、作像エンジン21によって用紙Sの他の片面(用紙Sの第2面)に画像を形成する段階では、第2面の作像開始に合わせて高速度を通常速度に戻すように制御する必要がある。
尚、高速反転により、第1面の用紙Sの後端が排出ロール26を抜けると、第2面の用紙Sの先端が排出ロール26に接近するため、本例では、各電磁クラッチ181,182への通電をOFFすることでトルクリミッタ110の作用により排出ロール26が正方向に回転するように切り替えられる。
10…駆動切替機構,11…第1の駆動伝達要素列,12…第2の駆動伝達要素列,13…第3の駆動伝達要素列,14…断続要素,15…回転制止要素,16…駆動源,17…被回転体,18…回転駆動装置

Claims (7)

  1. 予め決められた方向に回転する駆動源からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達要素列と、
    この第1の駆動伝達要素列に接続可能に設けられ、被回転体に駆動力を伝達する第2の駆動伝達要素列と、
    前記第1の駆動伝達要素列の一要素と前記第2の駆動伝達要素列の一要素との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達要素列と、
    前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか一方に介在され、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断する断続要素と、
    前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか他方に介在され、前記断続要素が駆動伝達経路を遮断した条件では前記第1の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を許容し、前記第1ないし第3の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で遮断された駆動伝達経路とは異なる駆動伝達経路を選択し、前記断続要素が駆動伝達経路を接続した条件では前記第1及び第2の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を制止し、前記第1及び第2の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で接続された駆動伝達経路を選択する回転制止要素と、を備えていることを特徴とする駆動切替機構。
  2. 請求項1記載の駆動切替機構において、
    前記回転制止要素は予め決められた制止トルク未満のトルクが作用するときには追従回転動作を許容し、前記制止トルク以上のトルクが作用したときに追従回転動作を制止して空回転するトルクリミッタであることを特徴とする駆動切替機構。
  3. 請求項1又は2記載の駆動切替機構において、
    前記第1ないし第3の駆動伝達要素列は、第1及び第2の駆動伝達要素列による直接連結した態様で被回転体を予め決められた正方向に回転させ、第1ないし第3の駆動伝達要素列による迂回連結した態様で被回転体を正方向とは逆方向に回転させることを特徴とする駆動切替機構。
  4. 予め決められた方向に回転する駆動源と、
    この駆動源からの駆動力を被回転体に対し回転状態を切替可能に伝達する駆動伝達機構と、を備え、
    前記駆動伝達機構は、
    予め決められた方向に回転する駆動源からの駆動力を伝達する第1の駆動伝達要素列と、
    この第1の駆動伝達要素列に接続可能に設けられ、被回転体に駆動力を伝達する第2の駆動伝達要素列と、
    前記第1の駆動伝達要素列の一要素と前記第2の駆動伝達要素列の一要素との間を迂回して設けられる第3の駆動伝達要素列と、
    前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか一方に介在され、通電の有無により駆動伝達経路を接続若しくは遮断する断続要素と、
    前記第1及び第2の駆動伝達要素列の間又は前記第3の駆動伝達要素列の一部のいずれか他方に介在され、前記断続要素が駆動伝達経路を遮断した条件では前記第1の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を許容し、前記第1ないし第3の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で遮断された駆動伝達経路とは異なる駆動伝達経路を選択し、前記断続要素が駆動伝達経路を接続した条件では前記第1及び第2の駆動伝達要素列から伝達される駆動力に基づいて追従回転動作を制止し、前記第1及び第2の駆動伝達要素列を用いて前記断続要素で接続された駆動伝達経路を選択する回転制止要素と、を備えていることを特徴とする回転駆動装置。
  5. 請求項4記載の回転駆動装置において、
    前記断続要素は、被回転体の回転動作時間の少ない回転状態のときに通電するものであることを特徴とする回転駆動装置。
  6. 駆動対象として回転状態が切り替わる被回転体と、
    この被回転体を回転駆動する回転駆動装置と、を備え、
    前記回転駆動装置として請求項4又は5記載の回転駆動装置を用いたことを特徴とする駆動処理装置。
  7. 請求項6記載の駆動処理装置において、
    記録材に対して画像を作製する作像部と、
    この作像部に対して記録材を搬送する記録材搬送部と、
    作像済みの記録材を収容する記録材収容部と、を備え、
    前記記録材搬送部は、記録材の搬送状態を切り替える搬送部材の駆動に当たり、前記回転駆動装置を用いることを特徴とする駆動処理装置。
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