JP6043995B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
この構成によれば、簡単な作業によって、前記一方の面において前記突出部の先端付近を縮径させケーブルと突出部との間の隙間を小さくして確実に防水を行うことができる。
この構成によれば、押部材によって変形可能部材を容易に移動させることができる。
尚、この場合、前記押部材の前記窪部によって形成された円環状傾斜面は、前記変形可能部材の前記他方の面と前記押部材の前記所定の面との接触面に近い側に形成された円環状傾斜面と、これと連続した状態で前記接触面から遠い側に形成された円環状傾斜面との少なくとも2つから成り、前記遠い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角は、前記近い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角より大きくてもよい。また、前記変形可能部材の前記他方の面に設けられた突出部の傾斜角は、前記近い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角と略同じ大きさであり、且つ、前記遠い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角より小さくてもよい。
これにより、ケーブルに端子を取り付けたまま、それを防水コネクタから取り外すことができ、メンテナンスを容易にすることができる。
このように表裏同一形状とすることにより、変形可能部材の取付作業時に、変形可能部材の表裏を確認する作業を不要とすることができる。
更に、上記防水コネクタにおいて、前記押部材の外縁に、前記ハウジングに対する前記押部材の向きを決定する部材を設け、これに対応して、前記押部材の外縁と接する前記ハウジングの内縁に、前記押部材の方向指示部材と対応する対応部材を設けてもよい。
これにより、ハウジングの内部に押部材を設置する際に、ハウジングに対する押部材の向きを決定することができるとともに、ハウジングの内部に押部材を設置された後、例えば、その後に固定部材によって押部材に回転する力が加わった場合でも、ハウジングに対する押部材の向きを維持することができる。
絶縁ケース30には、各ケーブル10を個々に整列させるため、各ケーブル10に各々が対応する複数の整列孔34が設けられている。円錐台形状の窪部33は、これらの各整列孔34と連通した状態で設ける。これら整列孔34や窪部33を利用して、各ケーブル10、或いは、各ケーブル10の先端に取り付けられた端子11を整列させ、また、所定の位置に保持することができる。このように、絶縁ケース30は、少なくとも各ケーブル10を整列させる整列部材として機能する。
ガスケット40は、全体として略扁平形状であって、ここでは特に表裏同一形状とされている。表裏同一形状とすることにより、コネクタ1の組み立て時に、ガスケット40の向きの確認作業を省くことができる。但し、必ずしも表裏同一形状とする必要はない。
ガスケット40の一方の面41aと他方の面41bには、それぞれ、これらの各面41a、41bから突き出た円錐台筒形状の突出部43a、43bが設けられている。コネクタ1を組み立てる際、これらの突出部43a、43bのうちの一方43aは、絶縁ケース30に設けた円錐台形状の窪部33に挿入され、他方43bは、クランプワッシャ60に設けた円錐台形状の窪部63に挿入される。
ガスケット40には、各ケーブルに対応する複数の挿通孔44が設けられている。円錐台筒形状の突出部43a、43bは、これら各挿通孔44と連通した状態で設ける。挿通孔44及び突出部43a、43bは、ガスケット40が絶縁ケース30の後方に設置された際、絶縁ケース30の各整列孔34と連通し得る。尚、本実施形態では3つの整列孔34を設けることとしているが、整列孔34の数は特に限定されない。この数は、設置すべきケーブルの数によって決定される。また、それらの配置位置も特に限定されるものではない。
クランプワッシャ60には、絶縁ケース30やガスケット40と同様に、各ケーブル10に対応する複数の貫通孔64が設けられている。円錐台形状の窪部63は、これらの各貫通孔64と連通した状態で設ける。これらの各貫通孔64及び窪部63は、クランプワッシャ60がガスケット40の後方に設置されたときに、絶縁ケース30の各整列孔34やガスケット40の各挿通孔44と連通し得る。
次いで、図9に示すように、クランプワッシャ60とガスケット40を組み合わせた状態で、例えば、クランプワッシャ60を手で掴んで(つまり、ガスケット40は手で掴むことなく)、クランプワッシャ60を利用して、ガスケット40をクランプワッシャ60とともにケーブル10に沿って絶縁ケース30側に移動させ、クランプワッシャ60の一方の面62の全体でガスケット40をハウジング20の内部に押込んで、ガスケット40を絶縁ケース30に突き合わせる。このとき、ガスケット40における、他方の面41bとは反対側の一方の面41aが、絶縁ケース30の所定の面31と面接触し、更に、ガスケット40の円錐台筒形状の突出部43aは、絶縁ケース30に設けた円錐台形状の窪部33に挿入される。
図12に示すように、突出部43aは固定方向「B」に直交する方向に沿って断面肉厚「e」を有し、この断面肉厚「e」の大きさは、ガスケット40の一方の面41aと絶縁ケース30の所定の面31との接触面から遠ざかるにつれ小さくなるように設定されている。ここで、突出部43aは傾斜角「α」を有するものとする。
これに対応して、窪部33は固定方向「B」に直交する方向に沿って径「f」を有し、この径「f」の大きさは、ガスケット40の一方の面41aと絶縁ケース30の所定の面31との接触面から遠ざかるにつれ小さくなるように設定されている。ここで、窪部33によって形成される円環状傾斜面37は、所定の傾斜角「γ」を有するものとする。
本実施形態では、突出部43aの傾斜角「α」が、窪部33の傾斜角「γ」よりも小さく設定されている点に注意していただきたい。この結果、図13に示すように、ガスケット40の一方の面41aと絶縁ケース30の所定の面31とが面接触され窪部33に突出部43aが挿入される際、突出部43aは、窪部33の円環状傾斜面37に、突出部43aの先端付近46から徐々に衝突し、窪部33への挿入につれ、突出部43aの先端付近46は、窪部33の円環状傾斜面37によって全周方向から縮径されることになる。このような方法で、突出部43aに挿通されたケーブル10は、比較的小さな力で縮径される突出部43aによって全周方向から締め付けられ、この結果、防水をより完全なものとすることができる。
図12に示すように、突出部43bは固定方向「B」に直交する方向に沿って断面肉厚「g」を有し、この断面肉厚「g」の大きさは、ガスケット40の他方の面41bとクランプワッシャ60の一方の面62との接触面から遠ざかるにつれ小さくなるように設定されている。ここでは一例として、突出部43bは傾斜角「β」を有するものとする。上に説明したように、本実施形態では、ガスケット40は表裏面同一形状を有するため、突出部43bの断面肉厚「g」は、突出部43aの断面肉厚「e」と同じであり、また、その傾斜角「β」は、突出部43aの傾斜角「α」と同じである。
この突出部43bに対応して、窪部63の径「h」及び「h’」の大きさは、ガスケット40の他方の面41bとクランプワッシャ60の一方の面62との接触面から遠ざかるにつれ小さくなるように設定されており、更にここでは、これらの径の大きさが窪部63の途中で急激に小さくなるように設定されている。この結果、窪部63には、接触面に近い側に形成された円環状傾斜面67と、これと連続した状態で、同接触面から遠い側に形成された円環状傾斜面67’の2種類が形成されていることになる。一例として、ここでは、円環状傾斜面67は傾斜角「θ」を、また、円環状傾斜面67’は傾斜角「θ’」を有するものとする。また、ここでは、円環状傾斜面67の傾斜角「θ」は、突出部43bの傾斜角「β」と略同じ大きさに、また、円環状傾斜面67’の傾斜角「θ’」は、突出部43bの傾斜角「β」よりも大きく設定されているものとする。このような大小関係を設けたことにより、図8に示すように、ガスケット40の他方の面41bとクランプワッシャ60の一方の面62が面接触され、ガスケット40の突出部43bがクランプワッシャ60の窪部63に挿入される際に、ガスケット40の突出部43bは、円環状傾斜面67と接触するとともに、該突出部43bの先端付近45において円環状傾斜面67’とのみ実質的に衝突した状態となる。
ガスケット40の突出部43bをその先端付近45において窪部63と衝突させた状態で、図9に示すように、クランプワッシャ60を絶縁ケース30に向って固定方向「B」に沿って移動させることにより、ガスケット40は、クランプワッシャ60とともに、突出部43bの先端付近45と円環状傾斜面67’との衝突を通じてガスケット40の他方の面41bとクランプワッシャ60の所定の面62との衝突面側に移動する。この場合、突出部43bが、突出部43aのように縮径されることはなく、従って、突出部43bによって、ガスケット40やクランプワッシャ60の移動が妨げられることはない。なぜなら、突出部43bの突出距離「a’」と、窪部63の窪み距離「c」は、同じ大きさに設定されており、また、突出部43bは、その先端付近45において円環状傾斜面67’とのみ実質的に衝突するようになっているため、ガスケット40の突出部43bが、クランプワッシャ60の円環状傾斜面67、67’によって縮径されることはないからである。この結果、ガスケット40は、クランプワッシャ60とともに、固定方向「B」に沿って比較的スムーズに移動し得ることになる。
その後、図10に示すように、締付金具80をハウジング20の側に移動させ、締付金具80のフランジ83とクランプワッシャ60の他方の面65とを互いに突き当てた状態とする。この状態で締付金具80をハウジング20に螺子込むことにより、図11や図13に示すように、ガスケット40は、クランプワッシャ60とともに絶縁ケース30の側に移動し、また、突出部43bは、突出部43aと同様に、その先端付近45において円環状傾斜面67’によって縮径される。更にこのとき、ガスケット40のうち、その一方の面41aと他方の面41bの間に挟まれた一部42が、締付金具80やクランプワッシャ60によって絶縁ケース30に押し付けられることにより狭幅とされ、つまり、図12に示したガスケット部42の幅「j」がこの幅「j」よりも小さい図13に示すような幅「j’」とされ、行き場を失ったガスケット部42は、部分的に、唯一の隙間であるケーブル10とガスケット40の挿通孔44との間の隙間に押しやられる。これにより、ガスケット部42の一部によって、ケーブル10と挿通孔44との間の隙間が埋められることになり、防水はより完全なものとされる。すなわち、締付金具80をハウジング20に固定した図11、図13に示す状態では、ガスケット40とケーブル10との間、ガスケット40とクランプワッシャ60との間、および、ガスケット40と絶縁ケース30との間の隙間がガスケット40によって埋められる(言い換えれば、ガスケット40が、ケーブル10、クランプワッシャ60および絶縁ケース30と隙間なく密着する)こととなり、防水をより完全なものとできる。
10 ケーブル
11 端子
12 嵌合口
20 ハウジング
22 後端外周面
30 絶縁ケース(整列部材)
31 所定の面
33 円錐台形状の窪部
34 整列孔
37 円環状傾斜面
40 ガスケット(変形可能部材)
41a 一方の面
41b 他方の面
43 円錐台筒形状の突出部
44 挿通孔
60 クランプワッシャ(押部材)
61 クランプワッシャ部品
62 一方の面
63 円錐台形状の窪部
65 他方の面
64 貫通孔
66 位置合わせ突起(方向指示部材)
67 円環状傾斜面
69 外縁
71 クランプワッシャ部品
72 段部
73 略円状段部
74 円弧部分
75 U字状開放部
80 締付金具(固定部材)
81 貫通穴
83 フランジ
Claims (7)
- ケーブルの一端に取り付けられる、相手コネクタと嵌合可能な防水コネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設置して使用される、前記ケーブルを整列させる整列孔を有した整列部材と、
自身の一方の面を前記整列部材の所定の面と面接触させた状態で前記ハウジングの内部に設置して使用される変形可能部材であって、前記整列部材の整列孔と連通して前記ケーブルを挿通させる挿通孔を有した前記変形可能部材と、
自身の所定の面を前記変形可能部材の前記一方の面とは反対側の他方の面と面接触させた状態で前記ハウジングの内部に設置して使用される押部材であって、前記変形可能部材の各挿通孔と連通して前記ケーブルを貫通させる貫通孔を有した前記押部材と、
前記押部材を前記変形可能部材の側に押し付けた状態で前記整列部材に対して固定する固定部材と、
を備え、
前記変形可能部材の前記一方の面には、前記挿通孔と連通した部分であって前記変形可能部材の前記一方の面から遠ざかった位置で断面肉厚が小さくなるように設定された円錐台形状の突出部が設けられており、
これに対応して、前記整列部材の前記所定の面には、前記整列部材の前記整列孔と連通した部分であって前記整列部材の前記所定の面から遠ざかった位置で径が小さくなるように設定された、前記変形可能部材の前記一方の面に設けられた突出部が挿入される円錐台形状の窪部が設けられており、
前記変形可能部材の前記一方の面に設けられた突出部の、前記断面肉厚が小さくなるように設定された一端付近を縮径させて、前記ケーブルと前記突出部との間の隙間を小さくして防水を行うことができることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記変形可能部材の前記一方の面に設けられた突出部の傾斜角は、該突出部が挿入される窪部の傾斜角より小さい、請求項1に記載の防水コネクタ。
- 前記変形可能部材の前記他方の面には、前記挿通孔と連通した部分であって前記変形可能部材の前記他方の面から遠ざかった位置で断面肉厚が小さくなるように設定された突出部が設けられており、
これに対応して、前記押部材の前記所定の面には、前記押部材の前記貫通孔と連通した部分であって前記押部材の前記所定の面から遠ざかった位置で径が小さくなるように設定された、前記変形可能部材の前記他方の面に設けられた突出部が挿入される窪部が設けられている、
請求項1又は2に記載の防水コネクタ。 - 前記押部材の前記窪部によって形成された円環状傾斜面は、前記変形可能部材の前記他方の面と前記押部材の前記所定の面との接触面に近い側に形成された円環状傾斜面と、これと連続した状態で前記接触面から遠い側に形成された円環状傾斜面との少なくとも2つから成り、前記遠い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角は、前記近い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角より大きい請求項3に記載の防水コネクタ。
- 前記変形可能部材の前記他方の面に設けられた突出部の傾斜角は、前記近い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角と略同じ大きさであり、且つ、前記遠い側に形成された円環状傾斜面の傾斜角より小さい、請求項4に記載の防水コネクタ。
- 前記押部材は、前記貫通孔を形成する円弧の一部を前記押部材の外縁に向かって開放した第一部品と、開放した前記第一部品の一部を補完する円弧部材を有する第二部品と、の組み合わせによって形成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の防水コネクタ。
- 前記変形可能部材は表裏同一形状を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の防水コネクタ。
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