JP6042297B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理物等を燃焼処理する燃焼装置に関し、特に、廃棄物等を専ら無炎燃焼(燻焼)で減容化できる焼却装置に関する。
この種の焼却装置として、本発明者は、下記の特許文献1を以て燻焼式減容化処理装置を開示した。この装置は、負イオンを含む空気を導入する燃焼室内の床上にセラミックス層(灰化層)と廃棄物を堆積し、その堆積廃棄物のうち下部側で乾燥が進んだ炭化域とセラミックス層との間に自燃燻焼域を持続せしめ、堆積廃棄物の上部側から下部側にかけて乾燥・炭化・自燃燻焼・灰化の同時並行処理を遅行的に促進するものである。燃焼室は排ガスを大気に拡散するための煙突を具備せず、廃棄物等の封じ込め焼却を実現するために、燃焼室内の上部空間から排ガスを取り出す排気ダクトと、その排ガスの後処理装置が設けられている。
堆積廃棄物の下部側の自燃燻焼域の長期持続には、有炎燃焼の発生を抑制するべく低酸素給気法を採用する。このため、給気システムとしては、負イオンを含む空気を燃焼室内へ吹き込む多数の小口径の吹出口を燃焼室側壁に分散的に設ける必要性から、送風機からの風量が吹き込まれる竪ダクトから櫛歯状に枝分れして高さ違いで燃焼室側壁の外側に沿って巡り水平配向する複数本の主ダクトと、各主ダクトから櫛歯状に枝分れして燃焼室へ差し込まれた複数本の枝ダクトとから成る2段階枝分れダクト配置構造となっている。そして、枝ダクト内の給気に対し負イオンの酸素を混合させるため、負イオン発生ユニットが枝ダクト毎に取り付けられており、この負イオン発生ユニットから突出する針状負電極が枝ダクトの管壁に開けた小孔を介して給気の下流側(吹出口側)に向けて差し込まれている。このような給気システムを備える焼却装置は、炉内が比較的低温であることから、炉内空冷式焼却設備とも呼ばれる。
WO2005−110634(図1〜図4)
しかしながら、上記焼却装置の給気システムが2段階枝分れダクト構造となっているためか、各枝ダクトの流速(風量)にバラツキが顕著であり、しかも、各枝ダクトの風量も非定常流であり、安定させるのに時間を要し、一旦安定してもすぐに風量バラツキと非定常流となってしまう。
この現象の原因を考察すると、燃焼室内の堆積廃棄物の燃焼如何によっては大量ガスが瞬間的に発生し、燃焼室の内圧の瞬間的変動が局所的で頻繁に起る。また燃焼室内の堆積廃棄物や灰化層の堆積具合・稠密具合などからみて、枝ダクトの吹出口の閉塞やその吹出口から排気ダクトまでに至る流出経路の流動抵抗の急変がもたらされることから、これら燃焼室内の諸事象は枝ダクトの吹出口における局部抵抗係数の変動として等価的に捉えることもできる。ダクト設計の実際において、例えばパンチングのある吹出口の場合、その自由面積比が0.2のとき、その局部抵抗係数は30〜40と過大値となることからも容易に判るように、枝ダクトの吹出口の局部抵抗係数も過大値であって大幅な変動が瞬間的に起り得る。この枝ダクトの吹出口における局部抵抗係数の変動とは恰も枝ダクトの吹出口の開閉度に相当し、局部抵抗係数の急激増大は吹出口の瞬間閉塞に等しく、この際、行き場を失った気流が瞬間圧縮して生じる弾性波は枝ダクトから主ダクトへ伝播するという、ウォーターハンマー(水撃現象)を惹起する。この「ウォーターハンマー」の用語は水流(液体流)配管での命名であろうが、水流よりも圧縮性に富む気流の方がむしろ頻繁に起り易い。以下、本明細書では用語「ウォーターハンマー」の代わりに「弾性波伝播」の用語を使う。
ある枝ダクトの吹出口で瞬間圧縮した弾性波は当該枝ダクトと主ダクトとの分岐箇所まで遡上し、主ダクトの上流側と下流側の双方へ分れて伝播して行き、上流側に向かう弾性波は上流側の竪ダクトとの接続箇所で反射波となって下流側へ伝播し、下流側に向かう弾性波は下流側の閉塞端(固定端)で反射波となって上流側へ伝播し、以下同様に、弾性波が伝播と反射を繰り返しながら減衰して行く。各枝ダクトの流量は主ダクト内の弾性波の通過時毎に減少と回復を繰り返して変動する非定常流となる。また、各枝ダクトの局部抵抗係数の変動は当然区々となるため、各枝ダクトの流速(風量)にバラツキが生じる。そして、主ダクトから櫛歯状に枝分れした枝ダクトの本数が増えるにつて弾性波伝播の発生確率が相加的に増大し、弾性波同士が干渉する確率も増すことから、上記のバラツキと非定常性の顕在化が常態となるものと言える。
そこで、本発明の課題は、弾性波伝播を抑制することにより枝ダクトの風量の安定化を実現できる燃焼装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る燃焼装置は、図1(a)に概略的に示す如く、燃焼室A内へ給気する給気手段Bと、燃焼室A内の上部空間から排ガスを取り出す排気手段(図示せず)を備えた燃焼装置において、給気手段Bは、主ダクトSに対して送風する送風手段Cと、主ダクトSからその長さ方向で順次分岐し燃焼室A内へ空気を吹き込む複数本の枝ダクトD〜Dとを有し、主ダクトSの両端口Sa,Sbの双方を送風手段C,Cからの吹込口として成ることを特徴とする。
従来は、閉塞端(固定端)である主ダクトを用い、一端口のみが送風手段からの吹込口とするものであったが、本発明においては、両端口Sa,Sbのある主ダクトを用い、両端口Sa,Sbの双方が送風手段C,Cからの吹込口となっている。
今ここで、仮に両端口Sa,Sbに対する吹込風量が等しく、枝ダクトD〜Dの吹出口の局部抵抗係数が等しいという条件において、主ダクトSのうち枝ダクトDと枝ダクトDとの分岐部間では、端口Saからの吹込み気流と端口Sbから吹き込む逆方向気流とがぶつかり合って拮抗し、枝ダクトD,D内へ流れ込む層流から勢力を受け続ける大小様々な渦や乱流を伴う淀み域Eが生じており、端口Saからの吹込風量は枝ダクトD〜Dだけに分流され、また端口Sbからの吹込風量は枝ダクトD〜Dだけに分流されている。
現実の燃焼室A内においては、例えば枝ダクトDの吹出口の至近距離において大量ガスが発生したときは、その近傍の内圧が増大し、あるいは枝ダクトDの吹出口から始まる燃焼室A内での流出経路が塞がれたときは、図1(b)に示す如く、枝ダクトDの吹出口で空気が瞬間圧縮されて弾性波Wが発生し、弾性波伝播が始まる。その弾性波は枝ダクトDと主ダクトSとの分岐箇所まで空気を圧縮しながら遡上した後、図1(c)に示す如く、主ダクトSの端口Saのある上流側とその反対の下流側の双方へ分れて伝播して行き、下流側へ向かう弾性波Wは淀み域Eにぶつかる。ぶつかった弾性波は淀み域E内の大小様々で多数の渦と衝突するので、散乱波となって減衰する。他方、端口Saのある上流側へ向かう弾性波Wは端口Saで反射して下流側へ向かって淀み域Eにぶつかるため、上記と同様、淀み域Eで散乱を繰り返して減衰する。
このように、弾性波伝播が発生しても、渦流のある淀み域Eが弾性波減衰域として機能しているため、弾性波伝播を速やかに解消でき、枝ダクトの風量の安定化を実現できる。
ここで、主ダクトを燃焼室の側壁外側を巡る環状ダクトとすれば、送風手段は、送風機と、この送風機からの吹出し風量を環状ダクトの両端口の双方へ分流する竪型チャンバーボックスとすることができる。主ダクト,送風機及び竪型チャンバーボックスの単一化により、比較的小規模の燃焼室に好適であり、低コストを実現できる。
主ダクトが環状ダクトでない場合、送風手段は、第1の送風機と、この第1の送風機からの吹出し風量を主ダクトの両端口のちの一方へ分流する第1の竪型チャンバーボックスと、第2の送風機と、この第2の送風機からの吹出し風量を上記両端口うちの他方へ分流する第2の竪型チャンバーボックスとすることが望ましい。各端口に十分な風量を吹込むことができる。特に、チャンバーボックス内の十分な風量容積によりある枝ダクトの吹出量が変動した際、他の枝ダクトの吹出量の変動を抑制することができる。
上記燃焼装置に備わる給気手段は、単一の主ダクトを使用し、又は単一の主ダクトについて着目した表現となっているが、一般に、複数本の主ダクトを用いた給気手段としては、燃焼室の側壁外側に沿って高さ違いで配向した複数本の主ダクト及び各主ダクトからその長さ方向で順次分岐し燃焼室内へ空気を吹き込む複数本の枝ダクトから成るダクト配置構造を側壁の外側周りで第1区画から第n(但し、2以上の自然数)区画に亘って夫々備えており、区画毎の各主ダクトに対し送風する送風手段を有し、区画毎の各主ダクトの両端口の双方を区画毎の送風手段からの吹込口とする構成を採用する。
このような2段階枝分れダクト配置構造の各主ダクトのある隣接枝ダクト同士の分岐部間においても、一方の端口からの風量と他方の端口からの風量とがほぼ均衡して大小様々な渦や乱流のある淀み域が存在することになるため、弾性波伝播が頻繁に発生しても、淀み域が弾性波減衰域として機能し、弾性波伝播を抑制でき、各枝ダクトの風量の安定化を実現できる。
ここで、n本の主ダクトは竪型チャンバーボックスを介して環状に繋げることが望ましい。即ち、第i(但し、i=1,2,…n−1)区画の送風手段は、第i番目の送風機と、この第i番目の送風機からの吹出し風量を第i区画の各主ダクトの両端口のちの一方へ分流する第i番目の竪型チャンバーボックスと、第(i+1)番目の送風機と、この第(i+1)番目の送風機からの吹出し風量を第i区画の各主ダクトの上記両端口のちの他方へ分流する第(i+1)番目の竪型チャンバーボックスとを有し、第i区画の送風手段は、第i番目の送風機と、この第i番目の送風機からの吹出し風量を第i区画の各主給気ダクトの両端口のちの一方へ分流する第i番目の竪型チャンバーボックスと、第1番目の送風機と、この第1番目の送風機からの吹出し風量を第n区画の各主ダクトの上記両端口のちの他方へ分流する第1番目の竪型チャンバーボックスとから成る。
各主ダクトの両端口にそれぞれ十分な風量を吹込むことができる。特に、チャンバーボックス内の十分な風量容積により枝ダクトの吹出量が変動した際、他の枝ダクトの吹出量の変動を抑制することができる。
上記の主ダクトから分岐する枝ダクトは当該主ダクトから真下に延びる鉛直ダクトとエルボを介して燃焼室の側壁に差し込まれた水平ダクトとから成ることが望ましい。そして、鉛直ダクトに負イオン発生ユニットを取り付けることが望ましい。
加えて、竪型チャンバーボックスは大径円形ダクトであり、主パイプは中径円形ダクトであり、枝ダクトは小径円形ダクトであることが望ましい。2段階枝分れダクト配置構造を採用していることから、枝ダクトよりも主ダクト、主ダクトよりも竪型チャンバーボックスと、より上流側の風量容積を高めることで分流の安定化を図ることができる。
枝ダクトは燃焼室の側壁で片持ち支持されることになるため、燃焼室が大きくなるにつれ、吹出口が燃焼室の中心部に位置するまで長い枝ダクトを差し込むことは難しい。そこで、主ダクトと燃焼室を挟んで反対側の別の主ダクトとを燃焼室内を介して連通し、当該燃焼室内へ空気を吹き込む室内渡りダクトを設けることが望ましい。両持ち支持の室内渡りダクトであるため、ダクトの曲げ変形などを抑えることができ、大きな燃焼室でも中央部へ直接給気することができる。
この室内渡りダクトは、燃焼室外形の短辺に対して実質的に平行な配向であることが望ましい。長辺に平行な配向である場合に比べ、ダクト長さを短くできるので、曲げ変形などを抑えることができる。
そして、室内渡りダクトの燃焼室内の範囲に亘って上方吹出し口が列設されており、室内渡りダクトの上側に異物除け手段を設けることが望ましい。上方吹出し口の上側に異物除け手段があるので、室内渡りダクトの上に被処理物が直接堆積せず、上方吹出し口の閉塞を防止でき、また上方吹出し口から異物除け手段への吹出流がその狭間に入る異物を排除し、吹き出し流の放散空間を常に確保できる。
燃焼室の中央部では被処理物の堆積が稠密であって、燃焼ガスを下から上へ導く隙間ができ難くなる。そのため、燃焼室の床面に立設した柱体を1又は2以上設けることが望ましい。柱体と堆積物との間に隙間を確保でき、燃焼ガスを下から上へ導き易くなる。
本発明に係る燃焼装置によれば、弾性波伝播を抑制して枝ダクトの風量の安定化を実現できる。
本発明に係る燃焼装置の給気システムを説明するための概略図である。 本発明の実施例に係る燻焼式減容化処理装置を一部切り欠いて示す斜視図である。 同燻焼式減容化処理装置を示す平面図である。 同燻焼式減容化処理装置を示す正面図である。 同燻焼式減容化処理装置を示す左面図である。
次に、本発明の実施例を添付図面2乃至5に基づいて説明する。本実施例に係る燻焼式減容化処理装置(炉内空冷式焼却施設)は、燃焼室10と、燃焼室10内へ給気する給気装置20と、燃焼室10内の上部空間から排ガスを取り出す排気ダクト(図示せず)と、その排気ガスを凝縮して液化する木酢液タンクなどの後処理装置(図示せず)とを有する。燃焼室10は、床11と、側壁(短辺の正面壁12a,長辺の右側面壁12b,長辺の左側面壁12c,短辺の背面壁12d)と、天井板(図示せず)とから成る直方体箱型である。なお、天井板にある廃棄物投入口(図示せず)は二重蓋構造(図示せず)となっている。正面壁12aには作業員が出入り可能な大きさの点検口13aを持つ連絡枠13が外側に突出しており、点検口13aを密閉するための扉13bを備えている。
給気装置20は、正面壁12aと右側面壁12bとの角部外側に位置する第1の円形竪型チャンバーボックス14と、この第1の円形竪型チャンバーボックス14の真上で燃焼室10の天井板から張り出た支持板15a上に設けられており、第1の円形竪型チャンバーボックス14内へ送風する第1の送風機15と、左側面壁12cと背面壁12dとの角部外側に位置する第2の円形竪型チャンバーボックス16と、この第2の円形竪型チャンバーボックス16の真上で燃焼室10の天井から張り出た支持板17a上に設けられており、第2の円形竪型チャンバーボックス16内へ送風する第2の送風機17と、正面壁12a及び左側面壁12cの外側を巡る第1区画のダクト構造Nと、背面壁12d及び右側面壁12bの外側を巡る第2区画のダクト構造Nを有する。
第1区画のダクト構造Nは、高さ(段)違いで水平配向して正面壁12aと左側面壁12cの角部で90°曲がった4本の主ダクトS11〜S13,S″14及び各主ダクトS11〜S13,S″14からその長さ方向で順次分岐し正面壁12a又は左側面壁12cを貫いて燃焼室10内へ空気を吹き込むための13本の枝ダクトD〜D13から成る。各段の主ダクトS11〜S13,S″14から櫛歯状に分岐した枝ダクトD〜D13は主ダクトS11〜S13,S″14から真下に延びる鉛直ダクトとエルボを介して正面壁12a又は左側面壁12cに差し込まれた水平ダクトとから成る。正面壁12a側の最下段の主ダクトS′14,S″14は、突出した連絡枠13が邪魔しているために相互連結できないことから、エルボと鉛直ダクトを介してその上段の主ダクトS13に接続されている。主ダクトS′14からは枝ダクトD,Dが櫛歯状に分岐し、主ダクトS″14からは枝ダクトD〜D13が櫛歯状に分岐している。
また、第2区画のダクト構造Nは、高さ(段)違いで水平配向して背面壁12dと右側面壁12bの角部で90°曲がった4本の主ダクトS21〜S24及び各主ダクトS21〜S24からその長さ方向で順次分岐し背面壁12d又は右側面壁12bを貫いて燃焼室10内へ空気を吹き込むための13本の枝ダクトD〜D13から成る。各段の主ダクトS21〜S24から櫛歯状に分岐した枝ダクトD〜D13は主ダクトS21〜S24から真下に延びる鉛直ダクトとエルボを介して背面壁12d又は右側面壁12bに差し込まれた水平ダクトとから成る。各枝ダクトD〜D13の吹出口は、その口縁の上縁側がその口縁の下縁側より燃焼室10内へ突出した斜口状となっている。図4及び図5に示す如く、各枝ダクトD〜D13の鉛直ダクトには負イオン発生ユニットMが取り付けられており、この負イオン発生ユニットMから突出する針状負電極が鉛直ダクトの管壁に開けた小孔を介して給気の下流側(吹出口側)に向けて差し込まれている。なお、図4及び図5中のXは、枝ダクトの流量調節バルブである。
第1区画のダクト構造Nの各主ダクトS11〜S13の両端口の一方は第1の円形竪型チャンバーボックス14からの吹込口となっており、第1の円形竪型チャンバーボックス14から主ダクトS11〜S13へ風量が分流されると共に、各主ダクトS11〜S13の上記両端口の他方は第2の円形竪型チャンバーボックス16からの吹込口となっており、第2の円形竪型チャンバーボックス16から主ダクトS11〜S13へ風量が分流される。また、第2区画のダクト構造Nの各主ダクトS21〜S24の両端口の一方は第2の円形竪型チャンバーボックス16からの吹込口となっており、第2の円形竪型チャンバーボックス16から主ダクトS21〜S24へ風量が分流されると共に、各主ダクトS21〜S24の上記両端口の他方は第1の円形竪型チャンバーボックス14からの吹込口となっており、第1の円形竪型チャンバーボックス14から主ダクトS21〜S24へ風量が分流される。主ダクトS11〜S13,S21〜S23は第1及び第2の円形竪型チャンバーボックス14,16の円周側面から分岐しており、最下段の主ダクトS′14,S″14,S24は第1及び第2の円形竪型チャンバーボックス14,16の下端面からT管14a,16aを介して分岐している。第1及び第2の円形竪型チャンバーボックス14,16は大径円形ダクトであり、主ダクトS11〜S13,S′14,S″14,S21〜S24は中径円形ダクトであり、枝ダクトD〜D13は小径円形ダクトである。
第1区画のダクト構造Nの各主ダクトS11〜S13,S′14,S″14は正面壁12a又は左側面壁12cに差し込まれた枝ダクトD〜D13によって支持されており、また第2区画のダクト構造Nの各主ダクトS21〜S24は背面壁12d又は右側面壁12bに差し込まれた枝ダクトD〜D13によって支持されている。そして、第1及び第2の円形竪型チャンバーボックス14,16は第1区画のダクト構造Nの主ダクトS11〜S13,S′14,S″14と第2区画のダクト構造Nの主ダクトS21〜S24とによって夫々支持されている。
本例において、最下段の主ダクトS14,S24とその上の主ダクトS13,S23とからは室内渡りダクトG〜Gが分岐しており、これら室内渡りダクトG〜Gは長辺の右側面壁12bと左側面壁12cを貫通して燃焼室10の中で短辺と平行に架け渡されている。図5に示す如く、室内渡りダクトGは左側面壁12cでの枝ダクトDとこの隣接の枝ダクトDとの間、室内渡りダクトGは左側面壁12cでの枝ダクトDとこの隣接の枝ダクトDとの間、室内渡りダクトGは左側面壁12cでの枝ダクトD10とこの隣接の枝ダクトD11との間、室内渡りダクトGは左側面壁12cでの枝ダクトD12とこの隣接の枝ダクトD13との間にそれぞれ位置している。室内渡りダクトG〜Gは主ダクトS14,S24,S13,S23から真下に延びる鉛直ダクトとエルボを介して右側面壁12b又は左側面壁12cに差し込まれた水平ダクトとから成る。各室内渡りダクトG〜Gの水平ダクトでは燃焼室10内の範囲に亘って上方吹出し口hが2列で列設されている。また、各室内渡りダクトG〜Gの真上にはこれを覆う異物除け長尺傘Kが架け渡されている。そして、床11の短辺中央で長辺方向に3本の柱体P〜Pが列状に立設している。
本例の給気構造20において、いずれの主ダクトS11〜S13,S21〜S24の両端口の一方は第1の円形竪型チャンバーボックス14からの吹込口であって上記両端口の他方は第2の円形竪型チャンバーボックス16からの吹込口となっている。ただ、連絡枠13と第1の円形竪型チャンバーボックス14との間において、一方の端口がこの第1の円形竪型チャンバーボックス14からの吹込口であって枝ダクトD,Dが分岐する主ダクトS′14の他方の端口は、その真上の主ダクトS13に連通しているため、この他方の端口は吹出口とならざるを得ないが、連絡枠13と第2の円形竪型チャンバーボックス17との間において、一方の端口がこの第2の円形竪型チャンバーボックス16からの吹込口であって枝ダクトD〜D13が分岐する主ダクトS″14の他方の端口は、その真上の主ダクトS13に連通しているため、この他方の端口は吹込口となっている。故に、主ダクトS′14を除く全ての主ダクトS11〜S13,S″14,S21〜S24のいずれにおいても、いずれかの隣接枝ダクト同士の分岐部間では一方の端口からの吹込み気流と他方の端口から吹き込む逆方向気流とがぶつかり合って拮抗し、図1で説明したような大小様々な渦や乱流を伴う淀み域Eが生じている。このため、100本余りの枝ダクトD〜D13の吹出口のいずれかに弾性波が発生しても、主ダクトS11〜S13,S″14,S21〜S24の途中にある淀み域が弾性波減衰域として機能することになるため、弾性波伝播を速やかに解消でき、枝ダクトの風量の安定化を実現できる。
本例の主ダクトS11〜S13,S21〜S23は第1の円形竪型チャンバーボックス14及び第2の円形竪型チャンバーボックス16を介して環状に繋がれている。このため、各主ダクトS11〜S13,S21〜S24の両端口にそれぞれ十分な風量を吹込むことができる。特に、チャンバーボックス14,16内の十分な風量容積によりある枝ダクトD〜D13の吹出量が変動した際、他の枝ダクトD〜D13の吹出量の変動を抑制することができる。
また、本例では室内渡りダクトG〜Gが両持ち支持で設けられているため、ダクトの曲げ変形などを抑えることができ、大きな燃焼室10でも中央部へ直接給気することができる。
この室内渡りダクトG〜Gは、燃焼室10の短辺に対して実質的に平行な配向となっているため、長辺に平行な配向である場合に比べ、ダクト長さを短くできるので、曲げ変形などを抑えることができる。なお、この室内渡りダクトG〜Gの両端口の双方が吹込口となっており、ダクト途中のいずれかで淀み域が生じているので、室内渡りダクトG〜G内の弾性波伝播も抑制できる。
そして、室内渡りダクトG〜Gの燃焼室10内の範囲に亘って上方吹出し口hが列設されており、室内渡りダクトG〜Gの上側に異物除け長尺傘Kが設けられているため、室内渡りダクトG〜Gの上に被処理物が直接堆積せず、上方吹出し口hの閉塞を防止でき、また上方吹出し口hから異物除け長尺傘Kへの吹出流がその狭間に入る異物を排除し、吹き出し流の放散空間を常に確保できる。
更に、竪型チャンバーボックス14,16は大径円形ダクトであり、主ダクトS11〜S13,S′14,S″14,S21〜S24は中径円形ダクトであり、枝ダクトD〜D13は小径円形ダクトであり、枝ダクトD〜D13よりも主ダクトS11〜S13,S′14,S″14,S21〜S24、主ダクトS11〜S13,S′14,S″14,S21〜S24よりも竪型チャンバーボックス14,16と、より上流側の風量容積を高めることで分流の安定化を図ることができる。
加えて、床11の短辺中央で長辺方向に3本の柱体P〜Pが列状に立設しているため、燃焼室10内の中央部における被処理物の堆積が稠密であっても、柱体P〜Pと堆積物との間に隙間を確保でき、燃焼ガスを下から上へ導き易くなる。
なお、上記実施例においては燃焼室10の対角関係にある角部に第1の円形竪型チャンバーボックス14と第2の円形竪型チャンバーボックス16を設けてあるが、角部毎に送風機とチャンバーボックスを設けても構わず、また、例えば小規模の燃焼室10においては主ダクトを環状に巡らすことにより唯一の送風機とチャンバーボックスだけを設けても構わない。
10,A…燃焼室
11…床
12a…正面壁
12b…右側面壁
12c…左側面壁
12d…背面壁
13…連絡枠
13a…点検口
13b…扉
14…第1の円形竪型チャンバーボックス
14a,16b…T管
15…第1の送風機
15a,17a…支持板
16…第2の円形竪型チャンバーボックス
17…第2の送風機
20…給気装置
B…給気手段
C…送風手段
〜D13…枝ダクト
E…淀み域
S,S11〜S13,S′14,S″14,S21〜S24…主ダクト
Sa,Sb(吹込口)…端口
〜D13…枝ダクト
〜G…室内渡りダクト
h…上方吹出し口
K…異物除け長尺傘
M…負イオン発生ユニット
…第1区画のダクト構造
…第2区画のダクト構造
〜P…柱体
W,W,W…弾性波
X…流量調節バルブ

Claims (10)

  1. 燃焼室内へ給気する給気手段と、前記燃焼室内の上部空間から排ガスを取り出す排気手段を備えた燃焼装置において、
    前記給気手段は、主ダクトに対して送風する送風手段と、前記主ダクトからその長さ方向で順次分岐し前記燃焼室内へ吹き込む複数本の枝ダクトとを有し、前記主ダクトの両端口の双方を前記送風手段からの吹込口として成り、前記送風手段は、第1の送風機と、この第1の送風機からの吹出し風量を前記主ダクトの両端口のちの一方へ分流する第1の竪型チャンバーボックスと、第2の送風機と、この第2の送風機からの吹出し風量を前記両端口うちの他方へ分流する第2の竪型チャンバーボックスとを有することを特徴とする燃焼装置。
  2. 燃焼室内へ給気する給気手段と、前記燃焼室内の上部空間から排ガスを取り出す排気手段を備えた燃焼装置において、
    前記給気手段は、前記燃焼室の側壁外側に沿って高さ違いで配向した複数本の主ダクト及び前記各主ダクトからその長さ方向で順次分岐し前記燃焼室内へ空気を吹き込む複数本の枝ダクトから成るダクト配置構造を前記側壁の外側周りで第1区画から第n(但し、2以上の自然数)区画に亘って夫々備えており、区画毎の各主ダクトに対し送風する送風手段を有し、区画毎の各主ダクトの両端口の双方を区画毎の前記送風手段からの吹込口として成ることを特徴とする燃焼装置。
  3. 請求項に記載の燃焼装置において、第i(但し、i=1,2,…n−1)区画の前記送風手段は、第i番目の送風機と、この第i番目の送風機からの吹出し風量を第i区画の各主ダクトの両端口のちの一方へ分流する第i番目の竪型チャンバーボックスと、第(i+1)番目の送風機と、この第(i+1)番目の送風機からの吹出し風量を第k区画の各主ダクトの前記両端口のちの他方へ分流する第(i+1)番目の竪型チャンバーボックスとを有し、第n区画の前記送風手段は、第n番目の送風機と、この第n番目の送風機からの吹出し風量を第n区画の各主給気ダクトの両端口のちの一方へ分流する第n番目の竪型チャンバーボックスと、第1番目の送風機と、この第1番目の送風機からの吹出し風量を第n区画の各主ダクトの前記両端口のちの他方へ分流する第1番目の竪型チャンバーボックスとから成ることを特徴とする燃焼装置。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の燃焼装置において、前記主ダクトから分岐する前記枝ダクトは当該主ダクトから真下に延びる鉛直ダクトとエルボを介して前記燃焼室の側壁に差し込まれた水平ダクトとから成ることを特徴とする燃焼装置。
  5. 請求項に記載の燃焼装置において、前記鉛直ダクトに負イオン発生ユニットが取り付けられていることを特徴とする燃焼装置。
  6. 請求項に記載の燃焼装置において、前記竪型チャンバーボックスは大径円形ダクトであり、前記主ダクトは中径円形ダクトであり、前記枝ダクトは小径円形ダクトであることを特徴とする燃焼装置。
  7. 請求項に記載の燃焼装置において、前記主ダクトと前記燃焼室を挟んで反対側の別の前記主ダクトとを前記燃焼室内を介して連通し、当該燃焼室内へ空気を吹き込む室内渡りダクトを有することを特徴とする燃焼装置。
  8. 請求項に記載の燃焼装置において、前記室内渡りダクトは、前記燃焼室外形の短辺に対して実質的に平行な配向であることを特徴とする燃焼装置。
  9. 請求項又は請求項に記載の燃焼装置において、前記室内渡りダクトの前記燃焼室内範囲に亘って上方吹出し口が列設されており、前記室内渡りダクトの上側に異物除け手段を有することを特徴とする燃焼装置。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の燃焼装置において、前記燃焼室の床面に立設した柱体を1又は2以上有することを特徴とする燃焼装置。
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