JPS5932805Y2 - 流動層炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流動部に燃焼用ガスを供給するためのガス供
給部を設け、前記ガス供給部を通って前記流動部からの
流動媒体を充填下降させる排出路を設けた流動層炉に関
する。

この種のものは、不燃物や難燃物を炉外に取出すと共に
、流動媒体を炉外に取出し、流動媒体へのクリンカー発
生に起因する流動性の低下を回避するように構成したも
のであるが、流動媒体を取出すに、従来では、燃焼に伴
って高温化された流動媒体を、排出路を通じて、例えば
スクリューコンベア等の搬送装置に取出していくように
構成しており、高温加熱に起因し、搬送装置において歪
みを生じたり、又、駆動負荷が増大する等、トラブルを
発生する問題があり、又、炉内の熱エネルギーが取出さ
れる流動媒体を介して炉外に排出され、エネルギー面で
損失を生じていた。

本考案は、上記の点に鑑み、流動媒体の取出しに伴う搬
送装置におけるトラブルを回避できるようにすると共に
、エネルギー損失を抑制して経済的有利に、かつ、効率
良い燃焼を行えるようにする事を目的とする。

次に、本考案実施の態様を例示図に基いて詳述する。

炉１の下方側に砂等の流動媒体を充填して流動部２を形
成し、前記流動部２に対して燃焼用ガスを供給するガス
供給部３を設けると共に、前記流動部２の上方に、ホッ
パー４に供給貯留される被焼却物をスクリューコンベア
５を介して供給するべく構成してあり、もって、流動媒
体を高温かつ流動化させ、下水処理によって発生する汚
泥あるいは都市塵埃等の被焼却物を浮遊燃焼させて焼却
処理していくように流動層炉を構成しである。

炉１の上部に、燃焼排ガス並びに焼却灰分をブロワ−６
に吸引させて排出するガス排出路７を接続してあり、灰
分をサイクロン８に捕集させて取出すと共に、排ガスと
減温を兼ねたスクラバー９を通じ、煙突Ｃより大気放出
するべく構成しである。

炉１の下部に搬送装置の一例としてのスクリューコンベ
ア１０を設け、前記ガス供給部３を通過する状態で炉１
内に形成される排出路Ｒを通じて充填下降される流動媒
体をタリンカー除去装置１１に供給して再生処理するべ
く構成してあり、炉１内に供給された不燃物や難燃物を
排出すると共に、焼却に伴って流動媒体に付着した塊状
物、いわゆるタリン力−を分離除去するように構成しで
ある。

図中１２は、流動媒体の補給口であり、上述再生処理さ
れた流動媒体等を補給し、流動部２を形成する流動媒体
量を所定量に維持するべく構成しである。

又、図中１３はバーナであり、燃焼開始初期等において
使用し、被焼却物の自燃後は停止しておくものである。

前記ガス供給部３を構成するに、上下方向三段に、かつ
、夫々において平面方向に所定間隔をへたてて並ぶ状態
で燃焼用ガスを供給する供給管１４゜１５ ａ 、１５
ｂを設け、最上部の供給管１４から、熱交換器１６を
介して予熱された燃焼用ガスを供給すると共に、その下
方の供給管１５ａ、１５ｂから低温の燃焼用ガスを供給
して前記排出路Ｒを通じて充填下降される流動媒体を冷
却するように構威しである。

前記供給管１４，１５ ａ 、１５ ｂは、夫々、外管
１７内にその全周にわたって隙間Ｓが形成される状態で
内管１８を配置し、その内管１８に、両端に付設のヘッ
ダー２２．２２を介して、ブロワ−等の燃焼用ガスを供
給する装置１９を接続し、内管１８の下部長手方向に穿
設した散気孔２０・・・・・・を通じ、燃焼用ガスを前
記隙間Ｓに分散供給し、そしてその隙間Ｓ内に供給され
た燃焼用ガスを、前記内管１８の散気孔２０・・・・・
・に対して位相を異゛・らせた状態で外管１７に穿設し
た散気孔２１・・・・・・を通じ、炉１内に良好に分散
供給するべく構成しである。

尚、前記内管１８に散気孔２０・・・・・・を設けるに
、前記外管１７における散気孔２１・・・・・・に対し
て位相を異らせてあれば良く、例えば、第２図のイ及び
口に示すように、周方向３方あるいは４方に向かうよう
に穿設する等各種の変形が可能であり、又、内管１８と
外管１７を同芯状に配置せずに、第２図のハに示すよう
に、内管８を上方に偏位させるとか、あるいは、第２図
の二に示すように、散気孔２０・・・・・・を上向きに
穿設形成すると共に、下方に偏位させる等、各種の変形
が可能である。

第３図は、供給管１４，１５ ａ 、１５ ｂの別実施
例を示し、内管１８の一端側にのみヘッダー２２を付設
し、そして、他端側を比較的大径の開口２３を通じて外
管１７の内部空間に連通させると共に、内管１８の長手
方向に下向きの散気孔２０・・・・・・を分散して設け
、一端にヘッダー２２を設けるだけでありながら１１両
端にヘッダー２２ 、２２を設ける場合と同様に内管１
８から外管１７内に燃焼用空気を分散供給できるように
構成しである。

第４図も供給管１４，１５ ａ 、１５ ｂの別実施例
を示し、内管１８の一端側にのみヘッダー２２を付設し
、そして、他端側を外管１７の底部に突き合わせて閉塞
すると共に、内管１８の長手方向に、ヘッダー２２から
離れる程、口径が大になる状態で散気孔２０・・・・・
・を分散して設け、上述別実施例の場合と同様にヘッダ
ー２２を一端側に設けるだけでありながら良好に分散で
きるようにしたものである。

尚、前記媒体冷却を兼ねた燃焼用ガス供給用の供給管１
５ａ・・・・・・としては、上下方向に一段でも、ある
いは三段以上設けるものでも良い。

本考案は、上述のような焼却用の炉に限らず例えば、ガ
ス化用等、各種用途の流動層炉に適用できる。

以上要するに、本考案は冒記した流動層炉において、前
記ガス供給部３を構成するに、最上部に予熱された燃焼
用ガスの供給管１４を設けると共に、その下方に媒体冷
却を兼ねた燃焼用ガスの供給管１５ ａ・・・・・・を
設けである事を特徴とする。

つまり、燃焼用ガスの供給構成に改良を加え、供給管１
４，１５ ａ・・・・・・を上下方向に多段状に設け、
その最上部のもの１４から予熱された燃焼用ガスを供給
しながらも、下方のもの１５ａ・・・・・・から媒体冷
却を兼ねた燃焼用ガスを供給するから、その燃焼用ガス
により、炉１外に取出すべく下降される流動媒体を冷却
して搬送装置１０に供給でき、搬送装置１０における熱
歪みやそれに伴う駆動負荷増大といったトラブルを回避
できるに至り、しかも、流動媒体冷却に伴って加熱され
た上述低温ガスを燃焼用として利用するから、流動媒体
を介して熱エネルギーが炉１外に取出される事を抑制で
き、例えば、熱エネルギーの取出しに起因して、炉１内
温度が被焼却物の自燃温度以下に降下し、別途バーナ等
によってエネルギーを補充するとか、あるいは、被焼去
物を供給前に予熱するといった事を無くす事ができ、エ
ネルギー面で経済性有利にできると共に、効率良い燃焼
を行えるに至った。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る流動層炉の実施の態様を例示し、第
１図は全体概略縦断面図、第２図のイ乃至二は、夫々供
給管の変形例を示す断面図、第３図及び第４図は夫々供
給管の別実施例を示す断面図である。 ２・・・・・・流動部、３・・・・・・ガス供給部、１
４・・・・・・予熱ガス供給管、１５ａ・・・・・・低
温ガス供給管、Ｒ・・・・・・排出路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流動部２に燃焼用ガスを供給するためのガス供給部３を
   設け、前記ガス供給部３を通って前記流動部２からの流
   動媒体を充填下降させる排出路Ｒを設けた流動層炉であ
   って、前記ガス供給部３を構成するに、最上部に予熱さ
   れた燃焼用ガスの供給管１４を設けると共に、その下方
   に媒体冷却を兼ねた燃焼用ガスの供給管１５ ａ・・・
   ・・・を設けである事を特徴とする流動層炉。