JP7518563B2 - 有機物灰化処理装置 - Google Patents

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本発明は、有機物灰化処理装置に関し、詳しくは、磁化空気を活用して有機物を灰化処理する装置に関するものである。
近年、サスティナブルな社会の実現に向け脱炭素(カーボンニュートラル)や循環型社会の構築に向けた社会的意識も高まっており、日常的に行われている廃棄物処理についても、環境に配慮した処理方法が考えられている。その中でも、磁気熱分解を活用した有機物(産業廃棄物や一般ごみ等)の炭化装置は、燃料を必要とせず、かつ、燃焼による灰化減容ではないことから、燃焼に伴う二酸化炭素を排出せず、また、ダイオキシン等の有害ガスの発生も極めて抑制され、且つ、処理後に排出される廃棄残渣物の減容に資する処理方法として注目されている。
従来磁化装置は、炭化に使用する磁化酸素をネオジム磁石を用いた磁化装置において生成し、高温となる炭化処理層に接続された金属製送気管にて供給される構造となっている。しかしながら、処理が進むにつれ処理層内の温度も上昇して高温となるため、処理槽の熱が金属製送気管を伝わってネオジム磁石を加熱することとなり、ネオジム磁石がもつ磁力も低下する。これはネオジム磁石が持つ特性であって、ネオジム磁石は熱によって磁力が弱まるという特性を有していることによるものであり、一般的に80℃以下でなければネオジム磁石の磁力は100%を維持し得ないとされていることから、熱に影響を受けやすい永久磁石を継続使用することが難しい、といった問題があった。さらに、炭化処理槽への有機物投入時などに、外部から炭化処理槽内へ空気が流入する場合があり、限界酸素濃度が上昇し、発火するという懸念があった。
そこで、炭化装置にて使用される酸素をより簡単に窒素と分離させるための磁化装置について、簡単な構造であって処理層内の処理熱による影響を受けず、処理槽内の酸素濃度を常時安定させることが可能な炭化装置が求められていた。
上記問題を解決すべく、特許第6811345号公報(特許文献1)に記載の技術提案がなされている。すなわち、特許文献1では、流体発磁機により磁化された流体を利用して、有機物の低温熱分解処理を行う技術提案である。
しかしながら、流体発磁機内の磁石部として異なる磁極を、中間部を挟んで対向させるといった複雑な構造が必要であると共に、有機物の投入や灰化物の回収時に、外気が開口部より処理槽内部へ流入し、酸素濃度が上昇し発火してしまう危険性があり、上記問題の解決には至っていない。また、同技術によれば、廃棄物の投入から炭化までに要する時間として、対象物に含まれる水分量にもよって変わるところではあるが、概ね12~24時間を要しており、更に炭化から酸化反応による灰化までは48時間~72時間を要しており、最終処理までに要する時間の効率化に対する新たな問題も生じていた。
本出願人は、熱に対する永久磁石の脆弱性や、従来炭化装置における酸素濃度の調整及び制御が困難であるといった問題点に着目し、磁力の耐熱性及び制御・調整容易性を向上させ、且つ、処理槽内の酸素濃度を低濃度に保ちつつ有機物に対する最終的な灰化までの処理が効率よく行えないものかとの着想の下、電磁石を用いて空気中の酸素と窒素の分離をより効率よく明確に行い、処理に必要な分離・磁化した酸素を送り込みつつ処理槽内の酸素濃度を低濃度に保つことが可能な有機物の処理装置を開発し、本発明にかかる「有機物灰化処理装置」の提案に至るものである。
特許第4486671号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な構造且つ耐熱性を有する磁力源にて磁化酸素の生成が可能であると共に、処理槽内における酸素濃度を低濃度に保つことが可能であって、より短時間で効率よく有機物処理を可能とする有機物灰化処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる炭化装置は、筐体と、該筐体と所定間隔を開けて内蔵される処理槽と、該筐体上部に備えられ該処理槽と連通される投入口と、該筐体下部に備えられ該処理槽と連通される排出口と、該筐体と該処理槽の間隙に配設される磁化ユニットと、から成り、処理槽の加熱手段として電気トーチが備えられると共に、該電気トーチ上に複数のセラミック製ボールが回転可能に敷設され、磁化ユニットにおける磁力源として電磁石が配設され、筐体内と処理槽の間隙に存する空気を磁化ユニットを介して磁化して酸素及び窒素に分離した後、処理槽内へ流入させる手段を採る。
また、本発明は、前記投入口が二重扉構造を有する手段を採る。
さらに、本発明は、前記処理槽が、投入口から投入された有機物の貯留及び乾燥を行う乾燥装置を備えた乾燥層と、乾燥した有機物の炭化を行う炭化処理層と、炭化した有機物を灰化させ排出口へ送出する灰化処理層と、に分割され、該炭化処理層と灰化処理層の境界箇所に、有機物の落下を阻害し炭化物のみを分離して排出させるための複数の網状板から成る炭化物分離ユニットが備えられている手段を採る。
またさらに、本発明は、前記排出口がスクリューフィーダ構造である手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記処理槽に、処理槽上部近傍のガスを吸引後、有害物質を加熱により無害化し該処理槽下部近傍へ送気する有害ガス処理装置が備えられている手段を採る。
そしてまた、本発明は、前記乾燥装置が、誘電体を発生させて有機物の内部から加熱させる電磁波発生装置から成る手段を採る。
本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、筐体内と処理槽の間隙に存する空気を、磁化ユニットを介して酸素と窒素とに分離・磁化した後に処理槽内へ流入させることにより、外部の空気を取り入れることなく、処理槽内の酸素と筐体内部に存する空気を循環させて磁化酸素を生成することが可能であると共に、磁力源として電磁石を用いることで、熱に影響を受けやすい永久磁石と異なり安定性及び制御・調整容易な磁力源を提供し得る、といった優れた効果を奏するものである。
また、本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、前記投入口に二重扉構造を採用することにより、有機物の投入時に外部の空気(特に酸素)が処理槽内へ流入することによる該処理槽内の酸素濃度の急激な上昇を抑制することが可能であって、発火の危険なく有機物を連続投入することができる、といった優れた効果を奏するものである。
さらに、本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、前記排出口の上部に炭化物のみを分離して排出させる炭化物分離ユニットを備えることで、炭化が行われていない未処理の有機物の外部排出を防止することが可能になる、といった優れた効果を奏する。
またさらに、本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、前記排出口としてスクリューフィーダ構造を採用することで、灰化により粒状に粉砕された灰化物を定量ずつ排出口まで輸送することが可能となり、排出口の詰まりを未然に防ぐことが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
さらにまた、本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、前記処理槽に有害ガス処理装置が備えられることで、処理槽内に滞留するガスに含まれている有害物質が貯留し続けるのを防ぐと共に、投入口の開放時における有害物質の外部放出を防止することができる、といった優れた効果を奏するものである。
そしてまた、本発明にかかる有機物灰化処理装置によれば、前記処理槽に電磁波発生装置を備えることで、処理槽へ投入された有機物に含有されている水分を除去して、該有機物に対する熱分解の効率を高める、といった優れた効果を奏することとなる。
本発明にかかる有機物灰化処理装置の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる有機物灰化処理装置の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかる有機物灰化処理装置の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる有機物灰化処理装置1は、筐体2と処理槽3との間隙に存する空気を循環させて空気の組成である窒素78%、酸素21%、その他1%のうち窒素と酸素を分離明確化すること、そして処理槽3内へ充填される分離された窒素と酸素が電磁石8によって生成されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる有機物灰化処理装置1の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本発明にかかる有機物灰化処理装置1は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく,本発明の技術的範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
図1乃至図3は、本発明にかかる有機物灰化処理装置1の実施形態を示す説明図である。具体的には、図1は有機物灰化処理装置1の全体構成を示す側断面図であり、図2は磁化ユニット6の構成態様を示す断面図であり、図3は電気トーチ7の構成態様を示す上面視図である。
本発明にかかる有機物灰化処理装置1は、主に筐体2と、処理槽3と、投入口4と、排出口5と、磁化ユニット6と、電気トーチ7で構成されている。
本発明にかかる有機物灰化処理装置1は、有機物を灰化処理するための装置である。すなわち、灰化処理対象である有機物を、空気が窒素と酸素に分離した状態で充填された処理槽3内にて燃焼を伴わない熱分解で炭化させると共に、磁化酸素による酸化分解によって灰化させるものであり、詳しくは、反磁性体である窒素が該処理槽3上部へ滞留し、磁性体であり磁化ユニット6にて磁気を帯びた酸素が下部に貯留した処理槽3内において、該処理槽3内へ有機物を投入することで、低酸素状態である処理槽3上部にて電気トーチ7による加熱が行われ、燻焼によって有機物の熱分解が発生し炭化するものである。炭化した有機物は、高酸素状態である処理槽3下部にて灰化されるが、炭化物の落下途中にて磁化酸素を吹き付けられることにより、酸化分解反応が促進されることとなる。
この際、処理槽3内の酸素濃度を燃焼における限界酸素濃度である16.5%以下となるよう調整することで、該処理槽3内部に貯留された有機物の燃焼を防ぐことが可能となる。酸素濃度の調整方法について特に限定はないが、例えば、処理槽3内に酸素濃度センサを設置することで、該処理槽3内部の酸素濃度を常時検知可能とし、検知結果を元に自動で磁化空気を流入・流出させて酸素濃度を調整可能な制御部を備えることで、酸素濃度を調整するといった態様も好適である。
筐体2は、有機物灰化処理装置1の外観を形成する所定形状を有した中空体であって、処理槽3と、投入口4と、排出口5と、磁化ユニット6と、電気トーチ7とが配設されて構成され、投入口4から投入された有機物を処理槽3にて炭化・灰化させ、灰化物となった有機物(以下、単に「灰化物」という場合がある)を排出口5から排出させるものである。
筐体2は、中空部を有し、上部に開閉可能な投入口4を備えると共に、下方に開閉可能な排出口5を備えた箱状体から構成されている。筐体2の形状については、箱状であれば特に限定はなく、矩形状や多角形状、円筒状等が考え得る。また、筐体2の素材についても特に限定はないが、耐熱性を有する鉄やステンレス等の金属類が好適であり、有機物灰化処理装置1の使用態様や設置箇所等から適宜決定されることとなる。
投入口4は、筐体2の上部所定箇所に備えられると共に、筐体2内の所定中央箇所に備わった処理槽3と連通し、有機物を該処理槽3内へ投入するためのものである。
投入口4は、筐体2の上部所定箇所(例えば平面略視中央箇所)に形成され、処理槽3内にて処理させる有機物を投入可能な大きさを有し、該投入口4を閉塞可能な外扉10が上部に備わった構成となっている。投入口4の設置位置については、処理槽3の上部と連通可能な箇所であれば特に限定はなく、筐体2の上部である天面部や側面部等が考え得る。
投入口4の大きさについて、特に限定するものではないが、処理槽3上部の開口部と同程度以下の大きさとすることで、有機物の投入を効率よく行うことが可能となる。また、外扉10の大きさについては、投入口4と同程度以上の大きさとすることで、該投入口4の閉塞を容易にすることができる。尚、外扉10の開閉方法について、スライド式や観音開き式等が考え得るが、特に限定するものではない。
投入口4の構造として、外扉10の開放と同時に処理槽3の上部を閉塞し、外扉10の閉塞後に処理槽3の上部を開放する内扉11が備えられる態様も好適である。かかる態様を採ることにより、有機物の投入時における処理槽3内部への空気侵入を低減することが可能になり、該処理槽3内の酸素濃度の上昇抑制に資することとなる。内扉11の開閉方法についても、外扉10と同様、特に限定するものではなく、例えばスライド式や観音開き式等が考え得る。
処理槽3は、電気トーチ7を内設し、投入口4から投入された有機物を炭化及び灰化させる槽であって、筐体2と所定間隔(10cm程度)を開けて該筐体2内に内蔵される。
処理槽3は、中空部を有すると共に、天面部及び底面部が開放され、天面部(上部)は投入口4、底面部(下部)は排出管25を介して排出口5と夫々接続されている。また、処理槽3の形状について特に限定はなく、例えば、上部の投入口4から略中央箇所までの断面積はほぼ一定で、略中央箇所から下部の排出管25の開口部に向かって徐々に窄まる部分円錐形や、下部方向へ徐々に狭まるV型の底面を有する形状等が考えられ、筐体2の形状や有機物の処理量等を考慮しつつ使用者によって決定される。
ところで、処理槽3の数については、一の筐体2につき必ずしも一つとは限らず、図示してはいないが、一の筐体2内に複数の処理槽3を内蔵する態様であってもよい。かかる態様を採ることにより、一の有機物灰化処理装置1において複数の処理槽3を適宜運用しながら一元管理することが可能となり、炭化・灰化処理効率の向上に資することとなる。
尚、図1に示すように、処理槽3内において、投入口4から投入された有機物の貯留及び乾燥を行う乾燥層12や、乾燥した有機物の炭化を行う炭化処理層13、炭化した有機物を灰化させ排出口へ送出する灰化処理層14といった、複数の層に分割する態様が好適である。その際、乾燥層12と炭化処理層13の境界箇所や、炭化処理層13と灰化処理層14の境界箇所に、時間や重量等による任意のタイミングで開閉し得る仕切り板を設けたり、有機物の落下を阻害する複数の網状板から成る炭化物分離ユニット等を設ける態様も好適であって、かかる態様を採用することで、投入口4から投入された有機物について、上層における必要処理が行われた後でないと下層へ落下しない態様とすることができる。
さらに、処理槽3を各層に分割することで、処理槽3内に配設される電気トーチ7や磁化ノズル15といった各装置の配設位置を、ユニット単位で決定することが可能となる。例えば、電気トーチ7は炭化処理層13の最下段、磁化ノズル15は灰化処理層14の中段から下段に設置することが決定されている場合に、各装置の配設作業をシンプルに行うことができ、且つ、メンテナンス性を向上し得ることとなる。
上記乾燥層12には、投入された有機物の乾燥を促進させる乾燥装置16が設けられ、該乾燥装置16を通過した有機物が炭化処理層13へ送出されることとなる。乾燥装置16による乾燥方法について特に限定はなく、有機物へ熱風を衝突させる方法や、赤外線を有機物に照射させる方法、電磁波発生装置によるマイクロ波や高周波等の誘電体を発生させて有機物の内部から加熱させる方法等が考え得る。また、乾燥装置16の設置場所についても特に限定はしないが、筐体2と処理槽3の間隙部分に設置することで、処理槽3内部の熱を遮断することも可能になる。かかる乾燥装置16の起動は、有機物の投入を検知して自動的に電源オンする態様であったり、人手により電源オン・オフを行う態様、電源オン後の所定時間経過後に自動で電源オフされる態様など、種々態様が考え得る。
電気トーチ7は、処理槽3内へ投入された有機物に対して直接加熱を行い、熱分解(炭化)を促進させるものである。
電気トーチ7として使用される熱源体は、特に限定されるものではなく、従来公知の機器が種々適用できる。また、処理槽3内における設置数にも限定はなく、有機物の炭化処理量や処理時間、使用電力等を考慮しつつ使用者によって決定される。さらに、電気トーチ7の設置態様についても特に限定はないが、有機物の熱分解(炭化)を促進させるにあたって、図1及び図3に図示したように、処理槽3の下方近傍(例えば、炭化処理層13の最下方略中央部)に設けた支柱17から放射状に複数の電気トーチ7を延伸し、該電気トーチ7上に複数のセラミック製ボール18を敷設することで、加熱した電気トーチ7によってセラミック製ボール18が熱伝導により高温化しつつ支柱17を中心とした横回転が行われ、高温のセラミック製ボール18と複数の有機物が連続的に接触して順次炭化させる態様も好適である。かかる態様を採ることにより、炭化処理槽13の下方に貯留した有機物全体への熱分解(炭化)及び加熱が効率的に行われると共に、炭化した有機物(以下、単に「炭化物」という場合がある。)がセラミック製ボール18の通過による振動で灰化処理層14に落下しやすくなる、といった効果も奏する。
磁化ユニット6は、筐体2内に貯留された空気を酸素と窒素に分離・磁化し、磁気ノズル15を介して処理層3内へ送気させるものである。
磁化ユニット6は、中空部を有する箱状体であり、筐体2内に貯留された空気を中空部へ流入させる流入口19と、中空部に流入した空気を磁化させる電磁石8と、磁化した空気を磁気ノズル15へ送出するための送出管21が接続される一乃至複数の送出口20が夫々備えられている。磁化ユニット6の形状は、箱状体であれば特に限定はなく、矩形状や多角形状、円筒状等が考え得る。また、磁化ユニット6の設置箇所や設置数についても特に限定はないが、図1に図示したように、灰化処理層14近傍に複数設けることで、磁化した空気が磁気ノズル15を介して短時間で処理槽3内へ送気可能となる。
磁化ユニット6に備えられる電磁石8については、従来公知の技術を使用したものであれば特に限定はなく、該電磁石8の設置態様についても、例えば、図2に図示したように、一の送出口20に接続される送出管21と連通する管状の電磁石8を接続し、電磁石8内を空気が通過することにより磁化空気となって送出管21へ送気される、といった態様が考え得る。
磁化ユニット6には、筐体2と処理層3の間隙に存する空気を磁気ユニット6へ向けて流入させるためのエアポンプ22及び流入管23を設ける態様も好適である。かかる態様を採ることにより、任意のタイミングによる自然流入に比べて大量の磁化酸素を処理槽3内へ送気することが可能となる。また、図示してはいないが、処理槽3内に設けた酸素濃度計と連動させ、計測データを基にエアポンプ22の作動を制御する制御部を設ける態様も好適である。
磁気ノズル15は、磁気ユニット6にて分離・磁化された酸素を処理槽3内へ流入させるノズルである。
磁気ノズル15は、図1に示すように、処理槽3内へ連通する一乃至複数のノズルであり、設置箇所については、灰化処理層14の所定箇所、詳しくは、吹出した磁化空気を、炭化処理層13から落下した炭化物へ接触させることが可能な位置が望ましい。かかる位置へ設置することにより、炭化物の酸化分解反応を促進させ、効率の良い灰化を実現することができる。
排出口5は、処理槽3内の酸化分解反応によって灰化された有機物を外部へ排出させるためのものである。
排出口5の設置箇所について特に限定しないが、通常、処理槽3底部よりも下方の筐体2の下部に備えられ、処理層3底部から排出管25を介して排出口5に接続される。
排出口5による排出方法について特に限定するものではなく、灰化物の自重によって処理槽3底部から排出管25を介して排出口5に直接落下させる態様の他、排出管25内にスクリューフィーダ24機構を設け、排出管25内の灰化物を手動もしくは自動で排出口5へ搬出させる態様等が考え得る。尚、かかる態様に使用されるスクリューフィーダ24の本数や形状に限定はなく、2本以上のスクリューフィーダ24を並べて回転させる多軸型や、処理槽3側と排出口5側のスクリュー羽根のピッチ(間隔)を変えたバリピッチ型など、種々形態のスクリューフィーダ24を採用し得る。
また、図1に示したように、排出口5の開閉時に該排出口5近傍の外気が処理槽3内部へ侵入しないよう、排出口5を閉塞する排出扉31と、排出管25と排出口5の境界や処理層3底部に下扉26を設け、排出扉31の開放時に下扉26が閉鎖される動作と、排出扉31の閉塞時に下扉が開放される動作が、手動もしくは自動で制御される態様も考え得る。
ガス処理装置9は、処理槽3上部近傍に滞留するガスを吸引し、ガス内に含有されるダイオキシンを始めとする有害物質の無害化後に該処理槽3下部近傍へ再度流入させる装置である。
ガス処理装置9は、無害化ユニット30を備えた中空部を有する箱状体であり、筐体2に隣接して配設される装置である。処理槽3の乾燥層12上部に連通される吸気管27が中空部上方に、該処理槽3の炭化処理層13下部に連通される給気管28が該中空部下方に夫々接続される。該吸気管27内には、処理槽3の乾燥層12からガス処理装置9の中空部に向けた送風が常時可能な吸気ブロア29が備えられており、吸引されたガスは、無害化ユニット30を介して中空部下方へ送気された後、給気管28を経由して処理槽3内へ流出されることとなる。
中空部に備えられる無害化ユニット30によるガス内有害物質の無害化方法については特に限定しないが、吸引したガスを800℃以上に加熱した加熱ヒータに接触させる方法を採用し得る。その場合、図1に示したように、中空部の上部から略中央部(少なくとも吸気管の接続箇所よりも下方)に向けて延伸する加熱ヒータを備えることで、ガスの無害化をスムーズに行うことが可能となる。
処理槽3には、図示のように、乾燥層12にて発生する高温の水蒸気を外部へ放出する排気口31及び排気管32が設けられる態様が望ましい。かかる態様を採ることにより、有機物への水分付着による温度低下が発生し難くなると同時に、灰化物の粘度を下げる効果も奏する。また、図示してはいないが、排気管32を通過する高温の水蒸気にはタールが含まれる場合も想定されるため、排気管32内へ水等の付着防止液を噴霧し、該排気管を湿潤させることで排気管32内へのタール付着を防止する態様も好適である。
以上の構成から成る有機物灰化処理装置1について、その主な動作及び作用を説明する。
(起動)
有機物灰化処理装置1を起動することで、電磁石8へ通電され磁力が発生する。同時にエアポンプ22が作動し、筐体2と処理層3の間隙に存する空気が流入管23を介して磁化ユニット6へ送られ、電磁石8内を通過して非磁性体である窒素と磁性体である酸素に分離され磁化酸素となり、送出管21及び磁気ノズル15を介して処理槽3へ送気される。
また、電気トーチ7も通電して発熱することでセラミック製ボール18が加熱されると共に、支柱17を中心とした回転動作が行われ、処理槽3内へ投入された有機物に対する加熱源として機能する。
併せて、スクリューフィーダ24が回転始動し、処理槽3から排出される灰化物を排出口5まで搬送すべく機能する。
(投入)
外扉10の開放により、投入口4から有機物を投入する。この時、内扉11は閉塞されるため、投入された有機物は内扉11上に貯留する。有機物の投入後、外扉10を閉塞することで投入口4が閉塞されると同時に、内扉11が開放される。これにより、有機物は処理層3内へ落下・投入される。処理層3内の空気は、磁気ユニット6によって磁化されている。具体的には、乾燥層12及び炭化処理層13近傍は、非磁性体である窒素が多量に含有され酸素に比べ軽い気体である窒素が処理層3内上部に充満した低酸素雰囲気状態、灰化処理層14近傍は、燻焼及び酸化分解に必要な酸素のみが存ずる酸素リッチな状態となっており、炭化物の酸化分解反応を促進させる構造となっている。
(灰化処理)
処理層3へ投入された有機物は、先ず乾燥層12に備えられた乾燥装置16にて乾燥した後、炭化処理層13へ落下する。
炭化処理層13へ落下し貯留された有機物は、炭化処理層13内に備えられ回転している電気トーチ7及びセラミック製ボール18によって燻焼されることで炭化し、炭化物として灰化処理層14へ落下する。
灰化処理層14へ落下した炭化物は、磁気ノズル15から噴出される磁化酸素及び灰化処理層14内に存する磁化された酸素と接触することで酸化が促進され、炭化物が灰化し灰化物となる。
この一連の灰化処理において、常時処理槽3内の酸素濃度や温度の管理が行われ、必要に応じて適宜調整が成される。具体的には、電磁石8への電流量やエアポンプ22による流量、電気トーチ7の発熱量の調整が行われ、灰化処理に最適な処理槽3内の環境が創出される。
(排出)
灰化処理層14の下部で貯留している灰化物は、処理層3底部に設けられたスクリューフィーダ24によって搬送され、筐体2に備えられた排出口5より外部へ排出されることとなる。このとき、灰化物の排出量によりスクリューフィーダ24の回転量を調整するなど、必要に応じて灰化物の搬送量を調整する。
以上、本発明にかかる有機物灰化処理装置1の基本的構成態様、並びに、動作・作用について説明したが、本発明は、上記実施形態や図面に示す構成態様に限定するものではない。例えば、投入口4から有機物を投入した際に、内扉11の開放前に窒素ガスを充填させる態様を採用することも可能である。この態様を採る場合、投入された有機物と共に流入した外気を窒素ガスに置換することで、処理槽3内における酸素濃度を上昇させることなく有機物の投入を行うことが可能となり、酸素濃度上昇による処理槽3内の燃焼発生確率低下に資することとなる。
以上のように、本発明にかかる有機物灰化処理装置は、磁化ユニットによって分離・磁化された酸素を処理槽内へ充填させることにより、該処理槽内へ投入された有機物の炭化及び灰化を行うことが可能となって、有機物の燃焼を行わない廃棄有機物の処理方法として温室効果ガスの排出量削減に資することとなる。
本発明は、有機物の焼却廃棄処分を必要とするあらゆる分野において、温室効果ガスの排出量を軽減可能な炭化・灰化処理装置として採用することが可能であり、有機物処理後に排出される灰化物はpH10.0~12.0程度のアルカリ性炭酸カルシウム灰であるため、コンクリート補強材として利用できる他、酸性となった田畑に対する土壌改良材として利用することが可能であることから、廃棄物を通した循環型廃棄物処理の実現に資することとなる。したがって、本発明にかかる「有機物灰化処理装置」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 有機物灰化処理装置
2 筐体
3 処理槽
4 投入口
5 排出口
6 磁化ユニット
7 電気トーチ
8 電磁石
9 ガス処理装置
10 外扉
11 内扉
12 乾燥層
13 炭化処理槽
14 灰化処理層
15 磁気ノズル
16 乾燥装置
17 支柱
18 セラミック製ボール
19 流入口
20 送出口
21 送出管
22 エアポンプ
23 流入管
24 スクリューフィーダ
25 排出管
26 下扉
27 吸気管
28 給気管
29 吸気ブロア
30 無害化ユニット
31 排出扉

Claims (6)

  1. 筐体と、該筐体と所定間隔を開けて内蔵される処理槽と、該筐体上部に備えられ該処理槽と連通される投入口と、該筐体下部に備えられ該処理槽と連通される排出口と、該筐体と該処理槽の間隙に配設される磁化ユニットと、から成り、
    処理槽の加熱手段として電気トーチが備えられると共に、該電気トーチ上に複数のセラミック製ボールが回転可能に敷設され、磁化ユニットにおける磁力源として電磁石が配設され、筐体内と処理槽の間隙に存する空気を磁化ユニットを介して磁化して酸素及び窒素に分離した後、処理槽内へ流入させることを特徴とする有機物灰化処理装置。
  2. 前記投入口が、二重扉構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機物灰化処理装置。
  3. 前記処理槽が、投入口から投入された有機物の貯留及び乾燥を行う乾燥装置を備えた乾燥層と、乾燥した有機物の炭化を行う炭化処理層と、炭化した有機物を灰化させ排出口へ送出する灰化処理層と、に分割され、
    該炭化処理層と灰化処理層の境界箇所に、有機物の落下を阻害し炭化物のみを分離して排出させるための複数の網状板から成る炭化物分離ユニットが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の有機物灰化処理装置。
  4. 前記排出口が、スクリューフィーダ構造であることを特徴とする請求項1に記載の有機物灰化処理装置。
  5. 前記処理槽に、処理槽上部近傍のガスを吸引後、有害物質を加熱により無害化し該処理槽下部近傍へ送気する有害ガス処理装置が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の有機物灰化処理装置。
  6. 前記乾燥装置が、誘電体を発生させて有機物の内部から加熱させる電磁波発生装置から成ることを特徴とする請求項3に記載の有機物灰化処理装置。
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