以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態における封入玉式のパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、前面に形成された筺体と、筐体の一側(向かって左側)に上下を回動自在で且つ着脱自在に軸支され、パチンコ遊技機1の主要構成部の略全てが集約して設けられる上部前面枠3Aと、この上部前面枠3Aの下側に位置して筺体の一側に上下を回動自在で且つ着脱自在に軸支された下部前面枠3Bと、下部前面枠3Bの前面に配置される表示用ユニット50を備えている。パチンコ遊技機1では、上部前面枠3Aと下部前面枠3Bと表示用ユニット50とで遊技機1の前面枠を構成している。なお、上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとが分離して設けられ、下部前面枠3Bの前面に表示用ユニット50が配置されるものに限らず、上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとが一体化された単一の前面枠の前面に表示用ユニット50が配置されてもよいし、下部前面枠3Bに代えて、または加えて、上部前面枠3Aの前面に表示用ユニット50が配置されてもよい。
上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとは相互に分離しており、上部前面枠3Aは、一側上下に取り付けられた軸受部31a、31bがパチンコ遊技機1の筐体の図示しないヒンジ部に軸支されることによって、筐体に対して回動可能に取り付けられている。この上部前面枠3Aには遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2が着脱自在に取り付けられている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図示しないソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用の図示しないソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しないカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
上部前面枠3Aの左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
上部前面枠3Aの下部には下部前面枠3Bが設けられている。下部前面枠3Bの側方(例えば左側)には、持点カードを挿入するカード挿入口28が設けられており、前方には、表示用ユニット50が設けられている。図2は、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを拡大して示す斜視図であり、図3は、下部前面枠3Bと表示用ユニット50と拡大して上から見て示す図であり、図4は、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを分解して示す斜視図である。なお、この実施の形態では、下部前面枠3Bが遊技機の「扉体」に相当し、表示用ユニット50が「遊技用装置」に相当する。また、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右方向を説明する。
図2〜図4に示すように、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とのそれぞれは、互いに独立してパチンコ遊技機1の筐体に取り付けられている。下部前面枠3Bは、上部前面枠3Aと同様に、一側上下に取り付けられた軸受部32a、32bがパチンコ遊技機1の筐体の図示しないヒンジ部に軸支されることによって、筐体に対して回動軸R回りに回動可能に取り付けられている。軸受部32a、32bは、下部前面枠3Bの回動軸Rに沿って互いに離間して形成されており、軸受部32aと軸受部32bとの間のスペースに表示用ユニット50が配置される。つまり、下部前面枠3Bには、軸受部32a、32bの間に、回動軸Rよりも後方に退避した(オフセットした)退避部33が形成されており、その退避部33に表示用ユニット50が配置される。下部前面枠3Bの退避部33には、円弧曲面の凹部34が形成されており、この凹部34には、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが係止された状態で、後述する表示用ユニット50のアーム60の係止部67aが係止される。
下部前面枠3Bの前面上側には、持点表示部35と操作部36が設けられており、右側には、遊技球を発射するためのハンドルセット37が設けられている。持点表示部35は、7セグメント、ドットマトリクスのLED、LCD(液晶表示装置)などで構成され、遊技者の持ち点を表示する。また、操作部36には、例えば各種スイッチ(精算スイッチ、中断スイッチ、玉貸スイッチ、自動玉貸スイッチ、リプレースイッチ、カードデータスイッチ、呼出スイッチ)のうちの1つまたは複数が集約して設けられている。ハンドルセット37は、図示しない打球発射装置に接続され、遊技者がハンドルセット37のハンドルリングを操作することによって、遊技領域に遊技球が発射される。
下部前面枠3Bには、持点表示部35やハンドルセット37を避けたスペースである配置面40に、表示用ユニット50が配置される。下部前面枠3Bにおける表示用ユニット50を配置するための配置面40は、下部前面枠3Bの回動軸Rよりも後方に退避して(オフセットして)形成されている。また、配置面40には、表示用ユニット50を下部前面枠3Bに対して係止するための係止部(係止部材)41が設けられている。図5は、係止部41を分解して下部前面枠3Bを示す斜視図である。一例として、この実施の形態では、係止部41は、互いに左右方向に並ぶように2組配置されており、それぞれに前側部材41aと後側部材41bの2部材で構成されている。図5に示すように、下部前面枠3Bの係止部41が設けられる箇所には貫通孔40aが形成されており、下部前面枠3Bの前面側と背面側とから貫通孔40aを通じて前側部材41aと後側部材41bとがビス41cで止められることによって、係止部41は下部前面枠3Bに対して回転可能に軸支される。下部前面枠3Bの貫通孔40aの周囲には、90度ごとに小さな円形の凹部40bが形成されており、この凹部40bには、係止部41の前側部材41aの背面に設けられた突起(図示せず)が嵌る。これにより、係止部41は、90度回転させるごとに図示しない突起が凹部40bに嵌ってその位置が保持される。係止部41の前端には、扁平なフランジ部42が形成されており、表示用ユニット50の背面には、フランジ部42に対応した係止孔58aが形成されている(図6、図7参照)。こうした構成により、係止部41のフランジ部42を係止孔58aに挿入し、下部前面枠3Bの背面側から係止部41を回転させることによって、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとが互いに係止される。なお、このときには、表示用ユニット50の係止部67aが下部前面枠3Bの凹部34に係止される。また、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとが係止した状態で、フランジ部42の向きと係止孔58aの向きとが一致するように、下部前面枠3Bの背面側から係止部41を回転させることによって、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとの係止が解除される。なお、係止部41は、左右に2組並んで設けられるものに限定されず、例えば1つだけ設けてもよい。
下部前面枠3Bの配置面40には、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとの位置合わせのための位置決め凹部43a(例えば、2つの係止部のそれぞれの外上側と内下側に計4つ形成されるなど)と位置決め凸部43b(例えば、配置面40の中央下側に1つ形成されるなど)とが形成されている。なお、位置決め凹部43aと位置決め凸部43bとの数や位置については実施の形態の例に限定されるものではなく、こうした位置決め凹部43aや位置決め凸部43bが形成されないものとしてもよい。
また、下部前面枠3Bの持点表示部35と軸受部32a、32bとの間には、左右方向に沿って配置面40よりも前方に張り出した突起部45が形成されている(図3及び図5参照)。この突起部45は、表示用ユニット50が下部前面枠3Bの配置面40に係止された状態において、アーム60の上方を覆うように構成されている。下部前面枠3Bや表示用ユニット50は、遊技者が見下ろす位置に設けられており、このようにアーム60の上方を覆う突起部45が設けられることよって、アーム60の内部やアーム60の裏側が遊技者に視認されるのを抑制できるとともに、アーム60の内側やアーム60の裏側を通じてパチンコ遊技機1に対して不正な行為がなされてしまうのを抑制できる。
表示用ユニット50は、下部前面枠3Bの配置面40に配置される。表示用ユニット50は、パチンコ遊技機1の筐体に固定される取付部51と、下部前面枠3Bの配置面40中央に配置される表示部54と、取付部51と表示部54とに接続されて表示部54を保持するアーム60とを備える。なお、この実施の形態では、アーム60の根元側(左側)に接続された取付部51が「遊技用装置本体」に相当し、アーム60の先端側(右側)に接続された表示部54が「装飾体」に相当する。
図6は、表示部54の構成要素を分解して表示用ユニット50を前方から示す斜視図であり、図7は、表示部54の構成要素を分解して表示用ユニット50を後方から示す斜視図である。この実施の形態では、表示部54は、表示画面が斜め上方に向けて露出するように表示体55が配置され、この表示体55に、下側から支持板57aが取り付けられるとともに、上側、下側、後側から、カバー56、57、58が取り付けられて構成される。表示体55は、例えばLCD(液晶表示装置)やタッチパネルを用いることができる。表示体55は、例えば、持点表示部35や操作部36に関連した情報を表示してもよいし、画像表示装置5と連動した演出画像などを表示してもよい。
表示体55は、後方下向きに伸びる支持棒部55aを有する。表示体55を下方から支持する支持板57aは、前後方向の中央よりやや後方に支持棒部55aの長手方向に対して略垂直な板面の斜面部57bを有し、この斜面部において支持棒部55aとビス止めされることによって表示体55を斜めの向きに支持する。支持板57aは、斜面部57bよりも前方の部位と表示体55を下方から覆うカバー57とが接続され、斜面部57bよりも後方の部位と表示体55を後方から覆うカバー58とが接続され、2つのカバー57、58を連結する。このため、表示体55から支持板57aにかかる荷重は、カバー57とカバー58とに分散される。表示体55を後方から覆うカバー58には、下部前面枠3Bの係止部41に対応した係止孔58aが形成されている。また、カバー58の背面には、下部前面枠3Bの位置決め凹部43aと位置決め凸部43bとに対応した、位置決め凸部59aと位置決め凹部59bとが形成されている。なお、表示用ユニット50は、下側から支持板57aが取り付けられるとともに上側、下側、後側からカバー56、57、58で覆われて構成されるものに限らず、2つや4つ以上の部材からなるカバーで覆われて構成されるなどとしてもよい。
表示部54は、アーム60を介して取付部51に接続され、取付部51がパチンコ遊技機1の筐体に取り付けられることによって保持される。図8は、アーム60のカバー64〜67を分解して表示用ユニット50を示す斜視図であり、図9は、表示体55とアーム60との接続を説明するための図であり、図10及び図11は、構成要素ごとに分解してアーム60と取付部51とを示す分解図である。なお、図8では、表示部54のカバー56〜58を省略して示しており、図9では、表示部54のカバー56〜58とアーム60のカバー63〜67とを省略して示している。
取付部51は、図9及び図10に示すように、支持板52の前面にカバー53が取り付けられて構成されている。支持板52は、剛性の高い材料で形成され、例えば金属板に対して打ち抜き加工や押し曲げ加工を施して形成することができる。支持板52には、支持板52とパチンコ遊技機1の筐体やカバー53との取り付けのための複数のビス孔や位置決め凸部、位置決め孔などが形成されており、支持板52の中央よりも上側には、アーム60(カバー64)の上下方向の長さ(幅)に対応した幅で切り欠かれた矩形状の切り欠き部52aが形成されている。この切り欠き部52aの下端と中央には、略略水平な板面を有する軸受け部52bが前方に突出して設けられており、この軸受け部52bのそれぞれには、上下方向に貫通する軸孔が形成されている。また、支持板52の前方に取り付けられるカバー53には、アーム60(アーム部材61及びカバー64)を配置するためのアーム配置部53aが形成されている(図9参照)。アーム配置部53aには、アーム60(カバー64)の幅に対応した幅であけられた矩形状の貫通孔53bが形成されており、この貫通孔53bの表示部54側(右側)には、カバー53の前端面よりも後方に退避した(オフセットした)当接面53cが形成されている。取付部51は、支持板52が例えばビス止めなどによってパチンコ遊技機1の筐体に固定されることにより、下部前面枠3Bとは独立してパチンコ遊技機1の筐体に取り付けられる。
アーム60は、複数の関節を有し、取付部51から前方に張り出して設けられる。アーム60は、図9及び図10に示すように、取付部51に接続されるアーム部材61と、アーム部材61に接続されるアーム部材62と、アーム部材62と表示体55とに接続されるアーム部材63とを有する。3つのアーム部材61〜63とのそれぞれは、剛性の高い材料で形成され、例えば金属板に対して打ち抜き加工や押し曲げ加工を施して形成することができる。アーム部材61は、略水平に延在して角が丸い長方形状の板面を有する上板部61aと下板部61bとが、上下方向に延在する接続部61cによって接続された形状に形成されている。上板部61aと下板部61bとには、上下方向に貫通する2つの貫通孔が形成されている。この上板部61aと下板部61bとを貫通する貫通孔には、第1回動軸R1と第2回動軸R2とが挿通される。接続部61cは、背面側の中央において上板部61aと下板部61bとを接続する。接続部61cには、カバー64を取り付けるための2つのビス孔や2つの位置決め孔が上下方向に並んで形成されている。アーム部材62は、アーム部材61と同様に、略水平に延在して角が丸い長方形状の板面を有する上板部62aと下板部62bとが、上下方向に延在する接続部62cによって接続された形状に形成されている。上板部62aと下板部62bとには、前方中央に切り欠き部62dが形成されており、上下方向に貫通する2つの貫通孔がそれぞれに形成されている。この上板部62aと下板部62bとを貫通する貫通孔には、第2回動軸R2と第3回動軸R3とが挿通される。接続部62cは、背面側の中央において上板部62aと下板部62bとを接続している。接続部62cには、カバー65を取り付けるための2つのビス孔や2つの位置決め孔が上下方向にに並んで形成されている。アーム部材63は、アーム部材61やアーム部材62よりも水平方向に長い形状に形成されており、板面が鉛直な支持板部63cを有し、その上端と下端とが前方に曲げられた形状に形成されている。アーム部材63において、上端から前方に曲げられた上板部63aと下端にから前方に曲げられた下板部63bとの根元側(左側)には、第3回動軸R3が挿通される貫通孔が形成されている。また、支持板部63cには、長手方向(左右方向)の中央に矩形状の貫通孔63dが形成されているとともに、カバー66、67を取り付けるためのビス孔や位置決め孔が形成されている。
アーム部材61は、アーム部材61の貫通孔と取付部51の軸孔とに第1回動軸R1が挿通されて軸止めされることにより、取付部51に対して回動可能に支持される。また、アーム部材62は、アーム部材62の貫通孔とアーム部材61の貫通孔とに第2回動軸R2が挿通されて軸止めされることにより、アーム部材61に対して回動可能に支持される。そして、アーム部材63は、アーム部材63の貫通孔とアーム部材62の貫通孔とに第3回動軸R3が挿通されて軸止めされることにより、アーム部材62に対して回動可能に支持される。これにより、アーム60は、取付部51に対して、3つの関節(回動軸R1、R2、R3)で動作可能に構成される。
アーム部材63の先端側(右側)には、図11に示すように、表示体55が接続される。アーム部材63の先端(右端)には、上板部63aから前方に延在する上方接続部64aと、下板部63bから前方に延在する下方接続部64bと、支持板部63cから90度折れ曲がって前方に延在する中央接続部64cとが形成されている。上方接続部64a及び下方接続部64bは板面が水平であり、中央接続部64cは板面が鉛直である。そして、上方接続部64a、下方接続部64b、中央接続部64cのそれぞれは、先端が表示体55の傾斜に沿って曲げられてビス孔が形成され、表示体55とビス止めされる。このとき、表示体55は、前方から順に、中央接続部64c、下方接続部64b、上方接続部64aに接続される。このように、表示体55は、アーム部材63における上板部63a、下板部63b、支持板部63cからそれぞれに延在した上方接続部64a、下方接続部64b、中央接続部64cの3箇所で保持されるので、様々な角度からの力に対する表示体55の取付安定性を高くすることができる。また、表示部54は、カバー56、57、58ではなく、表示体55に対してアーム部材63が直接に接続されるので、より確実に表示部54を保持することができる。なお、このようにアーム部材63における上板部63a、下板部63b、支持板部63cからそれぞれに延在した上方接続部64a、下方接続部64b、中央接続部64cの3箇所において、表示部54とアーム部材63とが接続されるものに限定されず、2箇所または1箇所においてアーム部材63と表示部54とが接続されてもよい。また、表示部54は、前方から中央接続部64c、下方接続部64b、上方接続部64aの順に、アーム54と接続されるものに限定されず、例えば、前方から下方接続部64b、中央接続部64c、上方接続部64aの順などで接続されてもよい。さらに、表示体55とアーム部材63とが直接に接続されるのに代えて、または加えて、表示体55のカバー56、57、58にアーム部材63が接続されることによって、表示部54がアーム60に保持されてもよい。
図8に示すように、アーム部材61、62のそれぞれには、前方からカバー64、65が取り付けられており、アーム部材63には、前方及び後方からカバー66、67が取り付けられている。カバー64〜67は、例えば樹脂を射出成形することによって形成することができる。アーム部材61の前方に取り付けられるカバー64は、アーム部材61の前方、上方、下方を覆う形状に形成されており、背面には、アーム部材61の背面側の空間を上下に仕切るリブ64aが形成されている。そして、リブ64aよりも下側には、アーム部材61と接続するためのビス孔や位置決め突起が形成されており、上側には、配線押え68を取り付けるためのビス孔が形成されている。また、リブ64aには、配線押え68との位置決めをするための位置決め突起も形成されている。カバー64の上端は、根元側(取付部51側)と先端側(表示体55側)とで高さが異なる段差部64bが形成されている。一例として、この実施の形態では、カバー64の段差部64bは、根元側が低く先端側が高い段差状に形成されている。アーム部材62の前方に取付けられるカバー65は、アーム部材61と同様に、アーム部材62の前方、上方、下方を覆う形状に形成されており、背面には、アーム部材62の背面側の空間を仕切るリブ65aが形成されている。そして、リブ65aよりも下側には、アーム部材62と接続するためのビス孔や位置決め突起が形成されており、上側には、配線押え69を取り付けるためのビス孔が形成されている。また、リブ65aには、配線押え69との位置決めをするための位置決め突起も形成されている。さらに、カバー65の先端側(アーム部材63側)は、先端側に水平な2つのスリット65bが形成されている。
アーム部材63の前方に取り付けられるカバー66には、カバー65のスリット65bに入り込むリブ66aが形成されている。カバー66の背面には、アーム部材63を取り付けるためのや位置決め凸部が先端側(表示体55側)及び根元側(アーム部材62側)に形成されているとともに、カバー67を取り付けるためのビス孔や位置決め孔が形成されている。また、カバー66の中央には、カメラ70が前方に臨むための貫通孔66bが形成されており、背面の貫通孔66b近傍には、カメラ70を取り付けるためのビス孔や位置決め突起が形成されている。カメラ70は、貫通孔66bを通じて前方を撮像することができ、例えば、遊技者がパチンコ遊技機1の前方に居るか否かの認識や、遊技者の特定の動作の認識などに用いることができる。アーム部材63の後方に取り付けられるカバー67は、図8に示すように、カバー66とカバー67とを取り付けるためのビス孔が形成されている。カバー66とカバー67とは、後方からビスなどが挿入されることによってアーム部材63に取り付けられ(図8参照)、表示用ユニット50が下部前面枠3Bの前面に係止された状態では、カバー67のビス孔が下部前面枠3Bにより覆われてカバー66、67の取り外しができないようになっている。また、カバー67の根元側(取付部51側)上方には、後方に凸となる係止部67aが形成されている。係止部67aは、下部前面枠3Bの凹部34に対応した形状に形成されており、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが係止された状態では、係止部67aが下部前面枠3Bの凹部34に係止されるように構成されている。これにより、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが係止された状態では、下部前面枠3Bに対するカバー66、67の位置が固定される。そして、カメラ70は、カバー66の貫通孔66bから前方に臨むように取り付けられているので、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが係止された状態でのカメラ70の位置を一定にすることができる。なお、表示用ユニット50は、アーム60にカメラ70が設けられるものに限定されず、カメラ70が設けられないものとしてもよい。
アーム部材61とアーム部材62とに取り付けられるカバー64、65には、背面側から配線押え68、69が取り付けられる。配線押え68、69のそれぞれは、絶縁性の部材(例えば樹脂部材や樹脂でコーティングされた部材など)で形成され、カバー64、65のリブ64a、65aよりも上方の空間を背面から覆う。配線押え68、69のそれぞれには、カバー64、65に取り付けられるためのビス孔や位置決め孔が形成されている。こうした配線押え68、69によって、カバー64、65の内部上方には、絶縁性が確保された収容空間が形成され、表示部54への電気配線などを設けることができる。
カバー64は、アーム部材61に取り付けられ、取付部51のアーム配置部53aに配置される。また、カバー65は、アーム部材62に取り付けられ、カバー64の先端側(表示部54側)の内側に入り込むように配置される。ここで、アーム部材61のカバー64は、根元側が低く先端側が高い段差部64bが形成されており、この段差部64bの縁によってカバー64に対するカバー65の回動が案内されるとともに、カバー64、65の取り付け間違いを抑制することができる。カバー66、67は、アーム部材63に取り付けられ、カバー66のリブ66aがカバー65のスリット65bに入り込むように配置される。これにより、カバー65に対するカバー66の回動が案内されるとともに、カバー65、66の取り付け間違いを抑制することができる。
次に、下部前面枠3B及び表示用ユニット50の回動動作について説明する。図12は、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが一体に回動するときの動作を説明するための図であり、図13は、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが別々に回動するときの動作を説明するための図である。なお、図12及び図13では、パチンコ遊技機1の筐体(取付部51)は、同じ方向を向いており、パチンコ遊技機1の筐体に対して下部前面枠3Bと表示用ユニット50とが回動している。
表示用ユニット50と下部前面枠3Bとが係止部41によって係止された状態では、表示用ユニット50におけるアーム60の係止部67aが下部前面枠3Bの凹部34に係止され、図12(a)に示すように、下部前面枠3Bの回動軸Rとアーム60の第3回動軸R3とが同軸に位置する。これにより、図12(b)に示すように、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとは、パチンコ遊技機1の筐体に対して、同じ回動軸回りに一体に回動することができる。したがって、係止部41によって下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを係止した状態で、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを滑らかに回動させることができる。また、表示用ユニット50は、下部前面枠3Bとは独立して、取付部51がパチンコ遊技機1の筐体に取付けられているので、図13(a)に示すように、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとの係止部41による係止を解除した状態で、それぞれに独立してパチンコ遊技機1の筐体に対して回動させることができる。図12(b)に示す状態において、下部前面枠3Bと表示用ユニット50との係止を解除するには、下部前面枠3Bの背面から係止部41を回転させて、係止部41のフランジ部42の向きを表示用ユニット50の係止孔58aの向きに合わせればよい。また、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを係止させるには、表示用ユニット50を下部前面枠3Bの前面に重ね合わせて、係止部41を表示部54の係止孔58aに挿入して回転させればよい(図13(b)参照)。これにより、表示用ユニット50の係止部67aが下部前面枠3Bの凹部34に係止される。このときには、下部前面枠3Bの配置面40と表示用ユニット50の表示部54とには、位置決め凹部43a、59b及び位置決め凸部43b、59aが形成されているので、これらの凹凸が合うように下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを重ね合わせることで容易に位置合わせして係止することができる。
以上説明したこの実施の形態の表示用ユニット50では、取付部51から前方に張り出して設けられた複数の関節(回動軸R1〜R3)を有するアーム60と、アーム60に保持される表示部54とを有し、表示部54は、パチンコ遊技機1の下部前面枠3Bの前面に係止可能に形成され、アーム60は、表示部54が下部前面枠3Bの前面に係止された状態において、下部前面枠3Bの回動軸Rとアーム60の回動軸R3とが同軸に位置するので、パチンコ遊技機1の筐体に対して、表示用ユニット50を下部前面枠3Bとは独立して回動させることができるとともに、表示用ユニット50と下部延面枠3Bとを係止させた状態で同一の回動軸周りに一体に回動させることができる。したがって、表示用ユニット50と下部前面枠3Bとの一方だけを容易に交換することができ、部品を効果的に再利用することができるとともに、それぞれのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、この実施の形態では、下部前面枠3Bの軸受部32a、32bは、回動軸Rに沿って互いに離間するように形成されており、軸受部32aと軸受部32bとの間のスペースに表示用ユニット50が配置され、下部前面枠3Bの離間した部位である退避部33に、回動軸Rを回転中心とする円弧曲面の凹部34が形成されて、この凹部34に、表示用ユニット50のアーム60の係止部67aが配置されるので、表示用ユニット50の設計上の制約を低減することができる。また、表示用ユニット50におけるアーム60と取付部51とを接続する配線を容易に設けることができる。
また、表示用ユニット50は、下部前面枠3Bの回動軸Rと同軸に位置する回動軸R3よりも、根元側(取付部51側)に2つの回動軸R1、R2を有するので、パチンコ遊技機1の筐体に対して取付部51と下部前面枠3Bとの取付け位置とにずれが生じていても、アーム60によってずれを吸収することができ、取付精度の制約を低減することができる。
また、表示用ユニット50のアーム60のカバー64、65には、空間を上下に仕切るリブ64a、65aが形成されて、リブ64a、65aよりも上側の空間を覆う配線押え68、69が取り付けられるので、配線用の収容空間を確保することができる。また、カバー64、65や配線押え68、69を絶縁性の材料で形成することによって、例えばアーム部材61やアーム部材62が金属で形成されていても、収容空間の絶縁性を確保することができる。
また、下部前面枠3Bの配置面40と表示用ユニット50の表示部54とには、位置決め凹部43a、59b、位置決め凸部43b、59aが形成されているので、これらの凹凸が合うように下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを重ね合わせることで、下部前面枠3Bと表示用ユニット50とを容易に位置合わせして係止することができる。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1で遊技を行うためには、まずパチンコ遊技機1の側方に設けられたカード挿入口28に、ICカードからなる持点カードを挿入する。この持点カードは、例えば遊技場に設置されたカード販売機で購入することができる。カード販売機から発行された持点カードには、当該カードが発行された遊技場を特定可能な遊技場コード、複数の持点カードの中から当該持点カードを特定可能な識別情報、持点カード購入の際に遊技者が支払った金額に応じてその上限が定められるカード残高などが記録されている。
持点カードをカード挿入口28に挿入して、玉貸スイッチを押せば、持点カードのカード残高から所定数のカード残高の引き落としと引き換えに所定数の持点が遊技者に付与され、付与された持点数が持点表示部に加算更新表示される。この場合の持点は持点表示部にて大きく表示されるので、遊技者の視認性は良好となり、持点のアピール度が向上する。
持点表示部に持点が存在する状態で操作ハンドルを操作すれば、遊技機1内に封入されている打玉(遊技媒体)が図示しない打球ハンマにより一発ずつ遊技領域内に打ち込まれる。打ち込まれた打玉は図示しない発射玉検出器により一つずつ検出され、検出のある毎に持点表示部の持点数が一つずつ減算更新表示される。
発射勢いが弱すぎて遊技領域にまで到達しなかった打玉はファール玉入口より回収され、遊技盤裏面に設けられた図示しないファール玉検出器で検出される。ファール玉が検出されるごとに持点表示部で持点数が一つずつ加算更新表示される。これにより、遊技者の打玉が遊技領域にまで到達する機会を得ることなく減算更新された持点を有効に再度使用することができる。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート26を通過した遊技球が図示しないゲートスイッチによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となったり、このリーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)により、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される。
遊技を終了する場合には、前記精算スイッチを押せばよい。これにより、持点表示部に表示されている遊技可能持点(遊技持玉)が、それぞれ更新後の情報として持点カードに記録される。なお、遊技可能持点の他に景品交換持点(景品持玉)などが存在する場合には、その情報が持点カードに記録されてもよい。
なお、既に持点カードに以前遊技で獲得した景品交換持点が記録されている場合には、景品交換持点が加算更新されることとなる。以上において、持点カードには、カード残高の他、遊技可能持点(遊技持玉)および景品交換持点(景品持点)がそれぞれ記録されていることとなる。情報の書き換えが終了した持点カードは、カード挿入口28から排出される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば、上述した実施の形態では、3つのアーム部材61〜63が接続されたアーム(以下、「第1アーム」という)によって表示部54が保持されるものとしたが、第1アームとは別に複数の関節を有する第2アームを備え、第1アームと第2アームとのそれぞれによって表示部54が保持されてもよい。この場合には、第1アームと第2アームとが干渉することなく、上下方向に位置を異ならせて配置されることにより(例えば上下に並べて配置されることにより)、特に上下方向の荷重に対する表示部54の取付安定性を向上できる。また、第1アームと第2アームとが干渉することなく、前後方向に位置を異ならせて配置されることにより(例えば前後に並べて配置されることにより)、特にねじれ荷重に対して、表示部54の取付安定性を向上させることができる。例えば、上記した実施の形態では、アーム60のカバー64、65に対して配線押え68、69が取り付けられるものとしたが、配線押え68、69に代えて、第1アームと同様にアーム部材が配置されることにより、第1アームとは別に独立して表示部54を保持する第2アームが構成されてもよい。この場合には、カバー64〜67は、第1アームと第2アームとを収容することになる。また、第1アームとは独立して表示部54を保持する第2アームを備える場合に、表示部54が移動するときの第1アームの関節の動作範囲と第2アームの関節の動作範囲とが異なるように第1アームと第2アームとを構成し、関節の動作範囲が小さい方のアームに沿って配線が設けられるものとしてもよい。こうすれば、動作範囲が小さいアームに沿って配線が移動するので、表示部54の移動に伴う配線の移動を少なくすることができ、配線の撓みや断線を抑制することができる。また、関節の動作範囲が小さい方のアームに対してカバーを取り付け、カバーとアームとの間に配線の収容空間を形成してもよい。こうすれば、カバーが、関節の動作範囲が小さい方のアームに伴って移動するので、配線の収容空間を確保することができる。この場合には、カバーがアームの一部を構成してもよい。
上記した実施の形態の表示用ユニット50では、表示体55が3つの回動軸R1〜R3を有するアーム60によって保持されるものとしたが、表示体55は、複数の関節を有するアームによって保持されるものとすればよく、例えば、2つや4つ以上の回動軸を有するアームによって保持されてもよいし、回動軸に代えて、または加えてユニバーサルジョイントなどの関節を有するアームによって保持されてもよい。また、アーム60は、下部前面枠3Bの回動軸Rと同軸に位置する回動軸R3よりも、根元側(取付部51側)に2つの回動軸R1、R2を有するものとしたが、3つ以上の回動軸を有するなどとしてもよい。
表示用ユニット50は、液晶表示画面を備えるものに限らず、モータなどによって動作する役物が設けられたり、単なる装飾のための部材が設けられるものであってもよい。
また、上記した実施の形態のパチンコ遊技機1は、筐体を遊技機設置島に固定することにより、複数台併設されてもよい。この場合には、下部前面枠3Bと表示用ユニット50との少なくとも一方が、遊技機設置島のフレームに取り付けられることにより、間接的にパチンコ遊技機1に対して回動可能に取り付けられてもよい。また、カード残高の管理、カードに記録された持ち球数情報の管理を行うカードユニットがパチンコ遊技機1に隣接して配置され、表示用ユニット50がカードユニットのフレームに対して取り付けられることにより、表示用ユニット50がパチンコ遊技機1に対して回動可能に取り付けられてもよい。この場合、カードユニットは、例えば、カード挿入口と、カード挿入口に挿入されたカードを読み取るためのカードリーダライターと、パチンコ遊技機1とは独立した制御部等を備え、パチンコ遊技機1と通信可能に構成される。そして、パチンコ遊技機1と通信することにより、パチンコ遊技機1における遊技に応じて持ち球数を管理する。また、カードユニットやパチンコ遊技機1の鍵認証を行うサーバを更に備え、サーバによって有効な鍵認証がなされた場合にカードユニットとパチンコ遊技機1との通信がなされるように構成されてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機に限定されるものではなく、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機にも適用することができる。また、例えば、スロットマシンやゲーム機などの扉体の前面に上述の表示用ユニット50が設けられるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。
スロットマシンとは、例えば、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出表示された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態として所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成した遊技機である。