以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
遊技盤2における遊技領域の右上側には、可変表示装置5を囲むように内側装飾部40が形成されており、内側装飾部40の右側には、遊技の際に動作する演出可動機構50が設けられている。内側装飾部40は、この実施の形態では、遊技領域における遊技球が打ち込まれる遊技面から前面側(遊技者側)に突出して形成されており、遊技球は、内側装飾部40より外側を流下する。なお、内側装飾部40には、内側装飾部40の内部や可変表示装置5の裏面側を通って遊技球を下方に流下させるワープが形成されていてもよい。また、この実施の形態では、パチンコ遊技機1の遊技領域は、可変表示装置5の左側に形成されているが、内側装飾部40が左側に形成されて遊技領域が可変表示装置5の右側に形成されてもよいし、可変表示装置5を中心として遊技領域が左右に分かれて形成されてもよい。
図2は、演出可動機構50の構成の概要を示す図であり、図3は、演出可動機構50を構成要素ごとに分解して示す図である。演出可動機構50は、可変表示装置5の右側に配設されて内側装飾部40の一部を構成する。演出可動機構50は、図3に示すように、ベース体52と、サイドベース体59と、モータ60と、モータベース62と、駆動ギヤ64と、可動体70と、緩衝体80と、位置検出センサ81と、スプリング82とから構成されている。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右方向を説明する。
ベース体52は、内側装飾部40の装飾面の一部(右上側)を構成し、モータベース62や可動体70などを移動可能に支持する。ベース体52は、上側に位置して左右方向に延在する左右延在部52aと、右側に位置して上下方向に延在する上下延在部52bとが一体に形成され、画像表示装置5の上側および右側に位置するように配設される。
ベース体52の左右延在部52aには、右方の初期位置Sから左方の可動位置Mの間でモータベース62及び駆動ギヤ64が移動するためのガイド部53が形成されている。ガイド部53は、周囲より後方に凹んだ凹部となっており、モータベース62や駆動ギヤ64がスムースに移動するよう平面に形成されている。ガイド部53の上下方向の中央には、モータベース62の移動を案内するガイド孔54が形成されており、ガイド部53の下端には、駆動ギヤ64と噛み合うラックギヤ55がガイド孔54と平行に形成されている。ガイド部53は、図2に示すように、左方の可動位置Mに向けて下側に傾斜しており(例えば水平方向に対して約10度傾斜するなど)、ガイド孔54やラックギヤ55も同様に可動位置Mに向かって下側に傾斜している。ガイド部53の左端には、右側部が切りかかれた略コの字状のポケット56が設けられており、このポケット56には、例えば樹脂などで形成される緩衝体80が配設されている。緩衝体80は、モータベース62や可動体70が左端の可動位置Mまで移動したときに生じる衝撃を緩和するものであり、樹脂などに代えて、または加えて、スプリングや磁石などを用いて衝撃を緩和させてもよい。また、ガイド部53の右端には、モータベース62が始動位置Sに位置することを検出する位置検出センサ81が取り付けられている。この実施の形態では、位置検出センサ81として、モータベース62を検出するフォトインタラプタを用いているが、モータベース62の位置を検出することができるものであれば、機械的にモータベース62の移動を検出するセンサなど如何なるものを用いてもよい。また、モータベース62が始動位置Sに位置することを検出するものに代えて、モータベース62が可動位置Mに位置することを検出してもよいし、始動位置Sと可動位置Mとの間の特定の位置に位置することを検出してもよい。さらに、モータベース62の位置を検出するものに限定されず、可動体70の位置を検出してもよいし、モータ62の回転位置や回転量を検出してもよいし、位置検出センサを2つ以上備えたり、こうした検出センサを備えないものとしてもよい。
ベース体52の右側の上下延在部52bの下方には、可動体70の動作を案内するガイドレール57が形成されている。ガイドレール57は、前後方向に貫通する貫通孔57aが形成された枠状に構成されており、左方に向けて上側に傾斜している(例えば水平方向に対して約40度傾斜するなど)。また、ガイドレール57は、可動体70がベース体52と干渉しないように、周囲よりも若干前方に突出している。ガイドレール57の左上方には、先端が左上方に突出する突起部58が形成され、この突起部58にはスプリング82の一端が取り付けられる。ベース体52の右端には、サイドベース体59が取り付けられている。サイドベース体59によって、パチンコ遊技機1の内側が露出してしまうのを防止できるとともに、可動体70の左方から右方への移動に伴ってパチンコ遊技機1の内部に異物が侵入してしまうのを防止できる。
なお、この実施の形態では、一体に形成されたベース体52に、ガイド部53とガイドレール57とのそれぞれが形成されているが、ガイド部53が形成された部材と、ガイドレール57が形成された部材とがそれぞれに形成されてもよい。
モータベース62は、ベース体52に対して移動可能に取り付けられている。モータベース62の裏面には、ベース体52のガイド孔54に挿通する2つのガイド突起62aが形成されている(図4参照、図3では1つのガイド突起62aのみが示されている)。2つのガイド突起62aは、ガイド孔54が傾斜して形成されているのに合わせて斜めの位置関係に設けられており、2つのガイド突起62aがガイド孔54に挿通してモータベース62が移動することにより、モータベース62は、その姿勢が変わることなくガイド孔54にガイドされて移動する(図5参照)。なお、モータベース62は、ガイド突起62aがガイド孔54に挿通した状態でベース体52の後方から図示しない軸止めが取り付けられてベース体52に支持される。また、モータベース62の下端には、可動体70の第1リンク部材73と係合する突起63が形成されているとともに、可動体70の回転支軸72aが挿通される貫通孔64が形成されて、可動体70が取り付けられる。なお、モータベース62の右下部は、位置検出センサ81によって検出される被検出部として機能する。
モータベース62には、前方からモータ60がネジ止めなどによって取り付けられる。モータ60は、例えばステッピングモータなど、種々のものを用いることができる。モータ60の回転軸60aは、モータベース62の貫通孔62bを通って後方に延出し、先端に駆動ギヤ64が取り付けられる。駆動ギヤ64は、ベース体52のラックギヤ55と噛み合うように構成されている。モータ60から動力が出力されて駆動ギヤ64が回転すると、モータ60やモータベース62がベース体52に対してガイド孔54に案内されて移動する。
可動体70は、モータ60から動力が出力されてモータベース62が移動することによって可動する。可動体70は、可動体ベース72と、第1リンク部材73と、第2リンク部材74と、右連動部材75と、左連動部材76と、前面部材77と、を備える。
可動体ベース72は、長尺の板状に形成されており、第1リンク部材73、第2リンク部材74、右連動部材75、左連動部材76を支持して、前面に前面部材77が取り付けられる。可動体ベース72の裏面上側には、後方に突出する回転支軸72aが形成されており、装飾部材77の裏面下側には、後方に突出するガイド軸77aが形成されている(図4参照)。可動体ベース72と前面部材77とは、上方の回転支軸72aがモータベース62の貫通孔64に挿通することによってモータベース62に対して回動可能に支持されるとともに、下方のガイド軸77aがベース体52のガイド孔57aに挿通することによってベース体52に対して移動可能に支持される。これにより、モータベース62が略左右方向に移動すると、ガイド軸72bがベース体52のガイドレール57に案内されながら、可動体ベース72の上側が略左右方向に移動する。これにより、可動体ベース72と装飾部材77は、モータベース62の移動に伴って姿勢を回転させながら移動する。また、前面部材77の下端には、スプリング82の一端を掛けるための突起部77bが形成されており、この突起部77bと、ベース体52のガイドレール57左上方の突起部58とに、突起部77bが左上方に付勢されるようにスプリング82が取り付けられている。これにより、可動体70は、モータベース62が左方に位置してガイド突起72bが左上方に位置するようにスプリング82によって付勢され、結果として、モータベース62は、スプリング82によって可動位置に向けて付勢される。
また、可動体ベース72の前面略中央には、前方に突出する支軸72bが形成されており、可動体ベース72の前面上側には、前方に突出する2つのガイド突起72cが形成されている。支軸72bは、回転支軸72aから可動体ベース72の長手方向に沿って離れた位置に形成されており、2つのガイド突起72cは、回転支軸72aと支軸72bとを結んだ直線状から離れて、可動体ベース72の長手方向に沿って形成されている。さらに、可動体ベース72の前面には、可動体70を補強するとともに第1リンク部材73の動作を案内するリブ72dが、可動体ベース72の長手方向に沿って形成されている。
第1リンク部材73は、長尺状に形成され、可動体ベース72に対して移動可能に取り付けられる。第1リンク部材73の一端には、モータベース62の突起63が挿通される貫通孔73aが形成されている。この貫通孔73aは、モータベース62の突起63よりも若干大きく形成されている。また、第1リンク部材73には、第1リンク部材73の長手方向に長い2つの長孔73bが形成されているとともに、第2リンク部材74と係合する切り欠き73cが形成されている。第1リンク部材73は、2つの長孔73bに可動体ベース72の2つのガイド突起72cが挿通するとともに、貫通孔73aにモータベース62の突起63が挿通するように、可動体ベース72とモータベース62とに取り付けられる。
第2リンク部材74は、円形板状の円形部74aと、円形部74aから180度離れて外側に突出する2つの突出部74bとを有した形状に形成されており、中央に可動体ベース72の支軸72bが挿通される貫通孔74cが形成されている。第2リンク部材74の円形部74aには、後方に突出する離心突起74dが貫通孔74aから離れた位置に形成されており(図7参照)、2つの突出部74bのそれぞれには、前方に突出する突起74eが形成されている。第2リンク部材74は、貫通孔74cに可動体ベース72の支軸72dが挿通し、離心突起74dが第1リンク部材73の切り欠き73cと係合するように、可動体ベース72に対して組み付けられる。
右連動部材75と左連動部材76とのそれぞれは、可動体ベース72に対して移動可能に取り付けられている。右連動部材75と左連動部材76とは、それぞれ板状に形成されており、前方から見て、可動体ベース72の支軸72bに対して略点対称な形状に形成されている。右連動部材75と左連動部材76とには、可動体ベース72の短手方向に長い第1長孔75a、76aと、可動体ベース72の長手方向に長い第2長孔75b、76bとが形成されている。右連動部材75と左連動部材76とのそれぞれは、第1長孔75a、76aに可動体ベース72の支軸72bが挿通し、第2長孔75b、76bに第2リンク部材74の突起74eが挿通するように、可動体ベース72に対して組み付けられる。
図4は、可動体70とモータベース62を後方から示す図である。図4に示すように、モータ60への配線90は、モータ60から下方へ向かって可動体70の裏面や可動体70の内部を通じてなされ、可動体70の下側から電源などへと繋げられる。この実施の形態では、モータ60やモータベース62は、ベース体52に対して大きく移動するので、このように比較的可動距離が小さい可動体70の下側を通じてモータ60の配線90がなされることにより、可動体70の動作に伴ってモータ60への配線90が切れてしまったり絡まってしまうのを抑制することができる。
図5は、演出可動機構50の動作を説明するための図であり、(a)は、可動体70が初期位置に位置する状態、(b)は、可動体70が可動位置に位置する状態を示す。図6は、図5中のモータ及びモータケース62を省略して示す図である。図7は、可動体70の動作を説明するための図であり、(a)、(b)は、可動体70が初期位置に位置する状態、(c)、(d)は、可動体70が可動位置に位置する状態を示す。演出可動機構50では、モータ60から動力が出力されると、ベース体52のラックギヤ55に対して駆動ギヤ64が回転することにより、ベース体52に対してモータベース62やモータ60が移動する。ここで、モータベース62の2つのガイド突起62aが、ベース体52のガイド孔54に挿通しているので、モータベース62はガイド孔54に案内されて姿勢を変えることなく移動する。また、モータベース62には、可動体70の可動体ベース72が回動可能に取り付けられているので、モータベース62の移動とともに可動体70の上端部が移動する。可動体70は、前面部材77の下端のガイド軸77aがベース体52の下方のガイド孔57aに挿通しており、可動体70の上端部がモータベース62とともに移動することによって、可動体70の下端部がガイド孔57aに案内されて移動する。これにより、可動体70は、モータベース62の移動に伴って姿勢を回転させながら移動する。具体的には、可動体70は、モータベース62が右方の初期位置に位置するときには、右連動部材75及び左連動部材76が内側に閉じた状態で、長手方向が略鉛直方向に沿った姿勢で画像表示装置5の右方に位置し(図5(a)参照)、モータベース62が左方の可動位置に位置するときには、右連動部材75及び左連動部材76が外側に開いた状態で、長手方向が鉛直方向に対して略45度で傾斜した姿勢で画像表示装置5の前方に位置する(図5(b)参照)。
また、可動体70には、可動体70の長手方向に沿った第1リンク部材73が、可動体ベース72の回転支軸72aとは異なる位置においてモータベース62に取り付けられているので、回転支軸72a回りに可動体ベース72が回転すると、第1リンク部材73が可動体ベース72に対して長手方向に移動する。この実施の形態では、モータベース62が右方に位置するときに第1リンク部材73が下方に位置し(図7(a)参照)、モータベース62が左方に位置するときには第1リンク部材73が上方に位置する(図7(c)参照)。第1リンク部材73が移動すると、第1リンク部材73の切り欠き73cと係合する第2リンク部材74の離心突起74dが押され、第2リンク部材74が支軸72b回りに回転する。ここで、第2リンク部材74の突出部74bに形成された突起74eは、右連動部材75と左連動部材76とに形成された、可動体70の長手方向に沿って長い第2長孔75b、76bに挿通している。このため、第2リンク部材74が支軸72b回りに回転すると、第2リンク部材74の突起74eが、第2長孔75b、76b内で長手方向に移動しながら、第2長孔75b、76bの縁を可動体70の短手方向に押す。このため、第2リンク部材74が回転すると、右連動部材75と左連動部材76とが可動体70の短手方向に移動する(図7(b)、(d)参照)。つまり、可動体70は、モータベース62の移動に伴って、姿勢を回転させながら移動するとともに、右連動部材75と左連動部材76とが可動体ベース72に対して短手方向に移動する。
この実施の形態の演出可動機構50では、ベース体52のガイド孔54やラックギヤ55が左方の可動位置Mに向かって下側に傾いて(図5中、角度θ)形成されている。このため、特にモータベース62やモータ60が重力によって左方に付勢されている。例えば、図5に示すように、モータ60(重さm)は、重力によって力(mg・sinθ)で可動位置Mに向かって付勢され、モータベース62が初期位置から可動位置に移動することによってモータ60の重心位置が高さhだけ低くなる。このため、演出可動機構50では、モータ60の出力よりも大きな力でモータベース62を初期位置から可動位置に向けて移動させることができ、ベース体52のガイド孔54やラックギヤ55が水平に形成されているものに比して、モータベース62を左方に迅速に移動させて可動体70を迅速に可動させることができる。これにより、演出可動機構50によってインパクトの大きい演出を行うことができる。
しかも、この実施の形態では、スプリング82によって、可動体70が可動位置における姿勢となるように、つまり、モータベース62が可動位置に向けて移動するように付勢されているので、モータベース62を左方の可動位置に向けてより迅速に移動させることができ、演出可動機構50によってインパクトの大きい演出を行うことができる。また、演出可動機構50では、緩衝体80がベース体52のガイド孔54の左方に設けられており、モータベース62が可動位置に移動したときには、図5(b)に示すように、モータベース62が緩衝体80と当接して、モータベース62が可動位置に移動することによる衝撃を緩和させることができる。
また、演出可動機構50では、ガイド部52が可動位置へ向かって下側に傾斜して形成されているので、モータベース62を可動位置から初期位置へと戻す移動をさせるときには、比較的大きな力が必要となる。このため、モータベース62を可動位置から初期位置に移動させるときには、モータべース62を初期位置から可動位置へ移動させるときよりも、モータ60から大きいトルクを出力することが好ましい。具体的には、例えば、モータ60としてステッピングモータを用いる場合には、図8に示すように、モータベース62を初期位置から可動位置へ移動させるときには、モータ60に第1のデューティ比(パルス1周期における電圧を印加する時間割合)の電圧パルスを作用させ(図8(a)参照)、モータベース62を可動位置から初期位置へと移動させるときには、モータ60に第1のデューティ比よりも大きい第2のデューティ比の電圧パルスを作用させればよい(図8(b)参照)。こうすればモータベース62を可動位置から初期位置へと移動させるときには、単位時間あたりのモータ60に電圧が印加される時間が長くなり、モータ60から大きなトルクが出力される。これにより、モータベース62を可動位置から初期位置へスムースに移動させることができる。なお、この実施の形態の演出可動機構50では、モータベース62を初期位置から可動位置へ移動させるときには、モータベース62を可動位置から初期位置へと戻す移動をさせるときよりも、モータベース62が迅速に移動する。このため、図8に示す例では、モータベース62を初期位置から可動位置へ移動させるときには、モータベース62を可動位置から初期位置へと戻す移動をさせるときよりも、大きな周波数(図8に示す例では2倍)の電圧パルスを作用させて、大きな回転速度でモータ60を駆動している。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図10に示す大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を遊技球が通過(進入)すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、内側フレーム40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図10に示す演出制御基板12によって表示装置5における表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート26を遊技球が通過するなどといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となったり、このリーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)により、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される。
この実施の形態では、リーチ演出が行われるときに、特図変動時演出制御パターンに従って演出可動機構50による演出動作が行われる。演出可動機構50による演出動作としては、モータ60を駆動制御することにより、モータベース62が右方の始動位置に位置する状態としたり(図5(a)参照)、モータベース62が左方の可動位置に位置する状態とする(図5(b)参照)。
リーチ演出における演出可動機構50を用いた演出動作では、大当り期待度が高いリーチ演出のときほど、演出効果の高い演出動作が行われるように予め演出パターンを定めておいてもよい。例えば、ノーマルリーチ演出が行われるときには、モータベース62を途中まで移動させて一旦停止させてから初期位置に戻して停止させ、スーパーリーチ演出が行われるときには、モータベース62を完全に左方の可動位置まで移動させて停止させてもよい。
なお、演出可動機構50を用いた演出動作については、これらの例に限定されるものではなく、モータ60を駆動することによって実現できる種々の演出動作が採用されればよい。また、リーチ演出以外の演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよい。例えば、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよいし、大当り演出において、演出可動機構50を用いた演出動作が行われてもよい。また、演出可動機構50を用いた演出動作では、モータ60の回転速度が演出動作ごとに変更されてもよい。
以上説明した本実施の形態のパチンコ遊技機1では、右方の初期位置と左方の可動位置との間を案内するガイド孔54及びラックギヤ55がベース体52に形成されて、モータ60やモータベース62がガイド孔54及びラックギヤ55に案内されて移動することにより可動体70が可動する。そして、ベース体52のガイド孔54やラックギヤ55が可動位置に向けて下側に傾いて形成されており、モータ60やモータベース62が重力によって可動位置に向けて付勢されるので、モータベース62を初期位置から可動位置へと迅速に移動させて可動体70を迅速に可動させることができる。これにより、演出可動機構50によってインパクトの大きな演出をすることができる。
また、パチンコ遊技機1では、可動体70の下端を左上方に付勢するスプリング82が設けられており、可動体70が可動位置における姿勢となるように、つまり、モータベース62が可動位置に向けて移動するように付勢されているので、モータベース62を左方の可動位置に向けてより迅速に移動させることができる。また、パチンコ遊技機1では、モータベース62が可動位置に移動したときにモータベース62と当接する緩衝体80が、ベース体52のガイド孔54の左方に設けられているので、モータベース62が可動位置に移動することによる衝撃を緩和させることができる。また、パチンコ遊技機1では、モータベース62を可動位置から初期位置へと戻す移動をさせるときには、モータベース62を初期位置から可動位置へ移動させるときよりも、モータ60から大きいトルクを出力させることによって、モータベース62を可動位置から初期位置へと戻すのをスムースに行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば、上記実施の形態で説明した演出可動機構50では、モータ60を支持するモータベース62が移動することによって可動体70を可動させるものとしたが、モータ60は、ベース体52に固定されていてもよい。この場合にも、モータ60の駆動力によって移動する被案内部(例えばラックギヤなど)の移動を案内する案内部(例えばレールなど)が初期位置から可動位置に向けて下側に傾斜して設けられることで、重力によって被案内部が可動位置に向けて付勢され、被案内部を可動位置に向けて迅速に移動させることができる。この場合には、被案内部に、ギヤ機構などの駆動機構や発光させるためなどの回路機構が取り付けられていると、重量が大きくなって重力による被案内部への付勢力が大きくなり、より迅速に被案内部を可動位置に向けて移動させることができる。
上記実施の形態では、モータベース62の移動に伴って可動体70が姿勢を回転させながら移動するとともに、右連動部材75及び左連動部材76が可動体ベース72に対して可動するものとしたが、可動体70は、ガイド孔54やラックギヤ55に案内された被案内部の移動とともに可動するものであればよく、例えば、被案内部の移動に伴って、画像表示装置5の前方を覆ったり画像表示装置5の前方から移動したりするシャッター機構など、モータベース62の移動とともに単に移動するものなどとしてもよい。
上記実施の形態では、遊技盤2の内側装飾部40に演出可動機構50が設けられるものとしたが、演出可動機構50は任意の場所に設けられればよく、例えば遊技機用枠3に演出可動機構50が設けられるなどとしてもよい。
上記実施の形態では、遊技機として、パチンコ遊技機1に、本発明を適用して説明したが、例えば、スロットマシンやゲーム機などに上述の演出可動機構50が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。