以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、駆動モータ230、ソレノイド226、装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部、駆動モータ230及びソレノイド226における動作/非動作といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線、及び検出センサ227が初期位置にある移動体を検出したことを示す初期位置検出信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別(例えば「突確」など)を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「ボタン予告」や「ウィンドウ予告」といった複数種類の予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
「ボタン予告」となる予告演出が実行される場合には、全図柄変動が開始されてから、2つ以上の飾り図柄表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)にて飾り図柄が導出表示されるより前に、操作有効期間中演出となる所定の演出動作が行われる。操作有効期間中演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作を促す演出動作であればよい。このように、遊技者による所定の操作(例えばプッシュボタン31Bの押下操作など)を促す操作有効期間中演出は、操作促進演出ともいう。
遊技者による所定の操作を促す演出動作としては、画像表示装置5に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させるもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域内あるいは遊技領域外に設けられた演出用模型が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。
操作有効期間中演出が行われるときには、遊技者によるプッシュボタン31Bなどの操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者によるプッシュボタン31Bの押下操作などが検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、操作有効期間中演出の実行を停止するとともに、ボタン操作時演出となる所定の演出動作が行われる。ボタン操作時演出は、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを認識可能に予告する演出動作であればよい。こうして、プッシュボタン31Bに対する押下操作といった所定の操作が、操作有効期間内に検出されたときに、操作有効期間中演出をボタン操作時演出に切り替えることなどにより、演出態様を変化させることができればよい。
「ウィンドウ予告」となる予告演出では、例えば「ボタン予告」となる予告演出に対応して操作有効期間が開始されるよりも後の所定タイミングにて、予め用意された複数種類のキャラクタなどを示す演出画像のうち、いずれかの演出画像を画像表示装置5の表示画面にてウィンドウ内に出現させるように表示させるなどの演出動作が実行される。なお、キャラクタなどを示す演出画像の表示とともに、そのキャラクタからのメッセージを報知するメッセージ画像を表示させたり、メッセージを報知する所定の音声をスピーカ8L、8Rから出力させるといった、各種の演出動作が行われてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある(非リーチ)。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある(リーチハズレ)。
次に、本実施形態に係る遊技機1に設けられた演出装置200の構造詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置を前方からみた斜視図である。なお、以下の説明においては、図3に示すように、遊技者が位置する側をパチンコ遊技機1の前方とし、その反対の方向を後方とする。また、遊技者から見て上下左右の方向を、そのままパチンコ遊技機1の上下左右の方向と定義して説明する。
図3に示すように、演出装置200は、演出装置200の各構成部材を保持するベース体201と、ベース体201の右上部及び左上部に設けられた遊技効果ランプ9と、ベース体201の中央後方に設けられ、パチンコ遊技機1の進行に従って移動する演出移動体210とを有している。
ベース体201は、演出装置200の各構成部品を保持して、遊技盤2の後面に取り付けられる。図3において、ハッチングが付されたベース体201の領域は、遊技盤2の後方に取り付けられることにより、遊技者が視認することができない領域を示すものであり、ベース体201の断面を示すものではない。演出移動体210は、図3に示す位置にある場合に、その一部(下部)がベース体201に覆われる。そのため、遊技者は、ベース体201に覆われた演出移動体210の一部を視認することができないか、視認することが困難となる。なお、図3に示す演出移動体210は、後述するように、最も下方に位置する初期状態にある。
演出移動体210は、本実施形態においては蝶を模した外観をなしている。演出移動体210は、まるで、蝶が飛んでいるかの如く移動することで遊技者の視線を惹きつけ、パチンコ遊技機1の演出効果を高める。なお、演出移動体210の具体的な移動態様や、演出移動体210を駆動するための構成要素については後述する。
遊技効果ランプ9は、パチンコ遊技機1の遊技の進行に従って、所定のパターンで点灯あるいは点滅する。図4は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置に取り付けられた遊技効果ランプの分解斜視図である。図4に示すように、遊技効果ランプ9は、複数のLED53が取り付けられたランプ制御基板14と、LED53からの光を拡散して出射する拡散板51と、拡散板51からの光に装飾を施して出射する装飾板52とから構成されている。
拡散板51は、例えば、透光性を有する合成樹脂から構成され、その表面には複数の凹凸51aが形成されている。これらの複数の凹凸51aにより、LED53から出射された光は種々の方向に拡散される。これにより、拡散板51から出射される光は、明るさにムラが生じることになり、このムラが光の模様となって遊技者に視認される。
装飾板52は、例えば、透光性を有する合成樹脂から構成されており、その裏面には拡散板51から入射した光を拡散するための複数の凹凸(不図示)が形成されている。このように、LED53から出射された光は、拡散板51に形成された凹凸51aと、装飾板52に形成された凹凸(不図示)とで拡散されるため、装飾板52から出射する光に複雑な模様を付すことができる。また、装飾体52の表面には、蝶を模した演出移動体210の模様に即した略渦巻き状の模様体52aが形成されている。この模様体52aには、例えば、外光を反射する反射膜が貼付されている。これにより、装飾板52から出射された模様が付された光と、模様体52aが反射した外光とにより、遊技効果ランプ9の装飾性を高めることができる。
なお、LED53から出射する光の態様(例えば、点灯時間、点滅間隔、点滅時間、光量)を、パチンコ遊技機1の遊技の進行に応じて異ならせることで、より演出効果を高めることができる。例えば、大当たり種別が「非確変」又は「確変」となった場合においては、光量を最大限にしたLED53からの光を、短い間隔で点滅させてもよい。また、複数のLED53を例えば左側にあるLED53から右側にあるLED53に順に発光させるようにしてもよいし、ランダムに発光させるようにしてもよい。これにより、大当たり種別が「非確変」又は「確変」となった場合における演出を盛り上げることができる。
一方、大当り種別が「突確」となった場合や、「小当たり」となった場合には、光量を低めに抑えたLED53からの光を点灯(あるいは長い間隔で点滅させる等)するようにしてもよい。これにより、大当たり種別が「非確変」又は「確変」となった場合における演出との違いが明確に表現される。このように、開閉扉を開放状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が、比較的長い時間(例えば29秒など)となる場合と、比較的短い時間(例えば0.1秒など)となる場合とで、LED53から出射する光の態様を異ならせることで、より盛り上がりのある演出を実行することができる。
次に、演出移動体210、及び演出移動体210を移動するための各種移動手段の構成について詳細に説明する。図5は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置を後方からみた斜視図である。ベース体201の後面には、演出移動体210を移動するための駆動源である駆動モータ230が設けられている。駆動モータ230は、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。駆動モータ230は、駆動パルスに同期して回転するため、所定の角度だけ回転させることができる。
演出移動体210は、駆動モータ230の駆動を受けて、上下左右方向に移動する。演出移動体210の移動は、ガイド体220に形成されたガイド溝250(図7)により、その移動経路が確定されている。すなわち、演出移動体210は、ガイド溝250(図7)が延びる方向に沿って移動する。なお、ガイド体220には、ガイド溝250(図7)を覆うガイド蓋221が取り付けられている。これにより、ガイド溝250(図7)に塵芥等が蓄積することを防止することができる。
図6は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置を前方からみた分解斜視図である。図7は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置を後方からみた分解斜視図である。なお、図6、7においては、遊技効果ランプ9の図示は省略している。図6、7において、ベース体201から離れた位置に図示した、演出移動体210を含む複数部材から構成された集合体228は、ベース体201に取り付けられた駆動モータ230からの駆動を受けて移動し、ベース体201との相対的な位置関係が変化する。一方で、図7に示す、ベース体201に取り付けられた状態で示した駆動モータ230と、ガイド溝250が形成されたガイド体220と、第2ラック240及び第3ラック245とは、ベース体201に固定されている。そのため、これらの各部材は、駆動モータ230が駆動しても、ベース体201との相対的な位置関係は変化することはない。
図7に示すように、演出ベース体201の後面には、駆動モータ230と、ガイド溝250が形成されたガイド体220と、第2ラック240及び第3ラック245とが取り付けられている。駆動モータ230の駆動軸(不図示)には、駆動ギヤ231が取り付けられている。駆動モータ230の駆動により、駆動ギヤ231は回転する。なお、駆動ギヤ231には、第1ラック232に形成されたギヤ232aが噛み合っており、駆動ギヤ231の回転を受けて第1ラック232を含む集合体228は上下方向に沿って移動する。
ガイド体220には、平面視して略ひし形状に形成されたガイド溝250が形成されている。ここで、平面視とは、ガイド溝250が延びる方向(形成された方向)を視認することができるように、図中後方から前方に向いてガイド体220を見ることをいう。ガイド体220には、ガイド溝250を覆うガイド蓋221が取り付けられる。また、ガイド体220には、第1ラック232に形成された後述する検出片233を検知する初期位置検出センサ227が取り付けられている。初期位置検出センサ227は、例えば、フォトセンサであり、発光部から出射された光を検出片233が遮るのを受光部で検出することによって、検出片233の有無を判定する。初期位置検出センサ227は、演出移動体210が初期位置(最も下方にある位置)にある場合に、検出片223を検出することができる位置に設けられている。
第2ラック240には、第1従動ギヤ222と噛合するギヤ240aと、集合体228の上下方向の移動を許容する、上下方向にあけられたガイド孔240bとが形成されている。駆動モータ230の駆動を受けて集合体228が上下に移動すると、第2ラック240に形成されたギヤ240aに噛合した第1従動ギヤ222は回転する。第2ラック240は、ガイド孔240bに第1伝達バー234及び第2伝達バー236が挿通されているとともに、左右の方向に位置する第1ラック232及び第1L字バー224に挟まれた状態にある。このような構成により、集合体228はベース体201に対して前後左右方向の移動が制限されている。なお、集合体228には、ガイド孔240bに挿入され、集合体228が上下方向に移動する際にガイド孔240bに接触しながら移動する摺動リング237aが設けられている。これにより、集合体228の上下方向のスムーズな移動が実現される。
第3ラック245には、第2従動ギヤ223と噛合するギヤ245aと、集合体228の上下方向の移動を許容する、上下方向にあけられたガイド孔245bとが形成されている。駆動モータ230の駆動を受けて集合体228が上下に移動すると、第3ラック245に形成されたギヤ245aに噛合した第2従動ギヤ223は回転する。第3ラック245は、ガイド孔245bに第2伝達バー236が挿通されているとともに、左右の方向に位置する側方押え材225及び第2L字バー229に挟まれた状態にある。このような構成により、集合体228のベース体201に対する前後左右方向の移動が制限されている。なお、集合体228には、ガイド孔245bに挿入され、集合体228が上下方向に移動する際にガイド孔245bに接触しながら移動する摺動リング237bが設けられている。これにより、集合体228の上下方向のスムーズな移動が実現される。
次に、駆動モータ230の駆動により、ベース体201との相対的な位置関係が変化する集合体228の構造詳細について説明する。図8は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置の一部を後方左側からみた分解斜視図である。また、図9は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置の一部を後方右側からみた分解斜視図である。
第1ラック232には、駆動ギヤ231(図7)に噛み合うギヤ232aが前面に形成されている。第1ラック232は、駆動ギヤ231の回転を受けて上下方向に移動する。また、第1ラック232は、例えば、フォトセンサからなる初期位置検出センサ227(図7)に検出される矩形状の検出片233が、左面から突出して形成されている。第1ラック232は、上下方向のみに移動するが、検出片233は、第1ラック232が最も下方(初期位置)に位置する際に初期位置検出センサ227に検出される。また、第1ラック232には、左右方向に貫く貫通孔であり、第1伝達バー234が挿通される第1伝達バー挿通孔232bが形成されている。この第1伝達バー挿通孔232bの孔径は、第1伝達バー挿通孔234の外径よりも大きい。これにより、第1伝達バー234は、第1伝達バー挿通孔232b内を挿通自在となっている。
移動体取付板215は、演出移動体210を保持する移動体保持板213が取り付けられるとともに、第1伝達バー234及び第2伝達バー236が挿通されてこれらを保持する。移動体取付板215には、演出移動体210を保持する移動体保持板213の取付孔を構成するとともに、移動体保持板213の左右方向の移動を許容する移動体ガイド孔215aが形成されている。移動体保持板213は、摺動係止部238により移動体取付板215に取り付けられている。また、移動体取付板215の両サイドには、断面が略L字状の第1L字バー224及び第2L字バー229が取り付けられている。
第1L字バー224には、第1伝達バー234が挿通される第1伝達バー挿通孔224aと、第2伝達バー236が挿通される第2伝達バー挿通孔224bとが形成されている。第1伝達バー挿通孔224aの孔径は、第1伝達バー234の外径よりも大きい。これにより、第1伝達バー234は、第1伝達バー挿通孔224a内を挿通自在となっている。また、第2伝達バー挿通孔224bの孔径は、第2伝達バー236の外径よりも大きい。これにより、第2伝達バー236は、第2伝達バー挿通孔224b内で回転自在となっている。また、第1L字バー224には、その右面に、第1ラック232に形成された取付孔232c(図9)に挿通され、図示しないねじ等の締結手段によって締結される取付突起216aが形成されている。これにより、第1ラック232は第1L字バー224に固定される。
第2L字バー229には、第2伝達バー236が挿通される第2伝達バー挿通孔229aが形成されている。第2伝達バー挿通孔229aの孔径は、第2伝達バー236の外径よりも大きい。これにより、第2伝達バー236は、第2伝達バー挿通孔229a内で回転自在となっている。また、第2L字バー229には、その左面に、側方押え材225に形成された取付孔225a(図8)に挿通され、図示しないねじ等の締結手段によって締結される取付突起216bが形成されている。これにより、側方押え材225は第2L字バー229に固定される。
第1伝達バー234は、断面が円形の棒状部材であり、第1ラック232に形成された第1伝達バー挿通孔232bと、第1L字バー224に形成された第1伝達バー挿通孔224aとに連通している。また、第1伝達バー234の一端には、ガイド突起235が固定されている。ガイド突起235には、ガイド体220に形成されたガイド溝250(図7)に挿着された突起部262が前面に形成されている。また、第1伝達バー234の他端は、伝達バー係止板214に形成された第1伝達バー挿入部214aに挿入され、図示しないねじ等の締結手段により固定されている。なお、伝達バー係止板214は、移動体保持板213に固定されている。
駆動モータ230(図7)が駆動すると、集合体228は上下方向に移動する。ガイド突起235は、その突起部262がガイド溝250(図7)に嵌っているため、ガイド溝250に沿って移動する。なお、第1伝達バー234は、第1ラック232に形成された第1伝達バー挿通孔232b、及び第1L字バー224に形成された第1伝達バー挿通孔224aに挿通自在である。そのため、ガイド突起235がガイド溝250(図7)に沿って斜め方向に移動すると、ガイド突起235が取り付けれらた第1伝達バー234は、左右方向に移動する。これにより、第1伝達バー234に接続された伝達バー係止板214、移動体保持板213、及び演出移動体210も、第1伝達バー234の左右方向の移動に従ってに左右方向に移動する。一方、第2伝達バー236は、端部に取り付けられた第1従動ギヤ222及び第2従動ギヤ223により、左右方向の動きは制限される。そのため、伝達バー係止板214が左右方向に移動すると、第2伝達バー挿通部214bは第2伝達バー236が挿入された状態でスライドする。このようにして、演出移動体210は、ガイド体220に形成されたガイド溝250に沿って移動する。
なお、移動体保持板213は、移動体取付板215との間に摺動リング237cを介在させた状態で移動体取付板215に取り付けられている。これにより、移動体保持板213の移動体取付板215に対する左右方向の移動がスムーズに行える。また、移動体取付板215には、略矩形状にえぐりとられたような凹部215bが形成されている。これにより、伝達バー係止板214が左右に移動する際、第1伝達バー挿入部214a等の出っ張りが移動体取付板215に引っ掛かることを防止することができる。これにより、伝達バー係止板214の移動がスムーズに行える。
第2伝達バー236は、断面が円形の棒状部材であり、一端に第2ラック240に形成されたギヤ240a(図7)と噛み合う第1従動ギヤ222が取り付けられている。また、第2伝達バー236の他端には、第3ラック245に形成されたギヤ245a(図7)と噛み合う第2従動ギヤ223が取り付けられている。駆動モータ230(図7)の駆動を受けて集合体228が上下方向に移動することにより、第1従動ギヤ222、及び第2従動ギヤ223は、第2伝達バー236とともに回転する。このように、間隔をあけて配置した第1従動ギヤ222と第2従動ギヤ223とを、第2伝達バー236で接続することで、集合体228の姿勢を安定させることができ、集合体228を傾かせることなく上下方向に移動させることが可能となる。
次に、第1伝達バー234の端部に取り付けられて、ガイド溝250(図7)に沿って移動する演出装置200の一部について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置の一部を後方からみた分解斜視図である。また、図11は、図10で示した本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出装置の一部を前方からみた分解斜視図である。
伝達バー係止板214には、上述したように、第1伝達バー234(図8)の一端が挿入され固定される第1伝達バー挿入部214aと、第2伝達バー236が挿通される第2伝達バー挿通部214bとが形成されている。伝達バー係止板214は、例えば図示しないねじ等により、移動体保持板213に固定されている。
移動体保持板213は、演出移動体210を動作させる駆動源であるソレノイド226と、ソレノイド226による駆動により回転動作をする回転アーム246と、回転アーム246の回転を受けて回転する回動片248、左可動片251、及び右可動片252と、複数のLED255が搭載されたランプ制御基板254と、演出移動体210を構成する左移動体211及び右移動体212とを保持している。
ソレノイド226は、移動体保持板213の左側後面に取り付けられている。ソレノイド226は、上下方向に移動する図示しない可動鉄心を有している。この可動鉄心は、非励磁状態ではバネの弾性力により下方へ付勢された状態にある。一方、ソレノイド226が励磁状態にされると、可動鉄心はバネの弾性力に抗して後退する。可動鉄心は、回動アーム246の突出端246aに接続されている。これにより、ソレノイド226の励磁状態と、非励磁状態とを切替えることにより、回動アーム246の突出端246aを上下方向に移動させることができる。
回動アーム246は、一端にソレノイド226に接続された突出端246aと、他端にC字状に形成されたつまみ部246bとを有している。また、回動アーム246の略中央部は、移動体保持板213に回動可能に取り付けられて、回動アーム246の回動軸247を構成する。回動アーム246は、ソレノイド226の励磁状態と、非励磁状態とを切替えて突出端246aが上下方向に移動することで、回動軸247を中心に回動する。つまみ部246bは、回動片248(図11)の回動突起248cと係合しており、回動アーム246が回動することにより、回動突起248cを上下方向に移動させる。
回動片248は、略扇型状の2枚のフランジ248aと、2枚のフランジ248aを後方で接続するウェブ248bとで概略構成されている。図11中の左側のフランジ248aには、回動アーム246のつまみ部246bに係合する回動突起248cが突出して形成されているとともに、略C字状のつまみ部248dが形成されている。このつまみ部248dは、左可動片251に形成された回動突起251bと係合している。一方、図11中の右側のフランジ248aには、略C字状のつまみ部248dのみが形成されている。このつまみ部248dは、右可動片252に形成された図示しない回動突起と係合している。なお、回動片248は、回動軸249を中心に回動可能に取り付けられている。このような構成により、回動アーム246が回動して回動突起248cが上下方向に移動すると、回動片248は回動軸249を中心にして回動する。これにより、つまみ部248dに係合する左可動片251に形成された回動突起251b及び右可動片252に形成された回動突起(不図示)は、前後方向に移動する。
左可動片251には、下方に向けて突出した回動突起251bと、演出移動体210の一部である左移動体211を取り付けるための2つの取付孔251a(図11)とが形成されている。左可動片251は、回動軸251cを中心に回動可能に取り付けられている。2つの取付孔251a(図11)には、左移動体211の後面から突出した取付突起211aが挿入され、例えば、図示しないねじが螺合されている。これにより、左移動体211は左可動片251に固定されている。また、左可動片251に形成された回動突起251bは、回動片248に形成されたつまみ248dと係合している。これにより、左可動片251は、回動片248が回動することにより、図中矢印で示すように回動軸251cを中心に回動する。
右可動片252には、左可動片251と同様に、下方に向けて突出した回動突起(不図示)と、演出移動体210の一部である右移動体212を取り付けるための2つの取付孔252a(図11)とが形成されている。右可動片252は、回動軸252bを中心に回動可能に取り付けられている。2つの取付孔252a(図11)には、右移動体212の後面から突出した取付突起212aが挿入され、例えば、図示しないねじが螺合されている。これにより、右移動体212は右可動片252に固定されている。また、右可動片252に形成された回動突起(不図示)は、回動片248に形成されたつまみ248dと係合している。これにより、右可動片252は、回動片248が回動することにより、図中矢印で示すように回動軸252cを中心に回動する。
演出移動体210は、蝶を模した外観をなしており、左移動体211と右移動体212とから構成されている。前述したように、左移動体211は、左可動片251に取り付けられており、左可動片251の動きに合わせて動作する。また、右移動体212は、右可動片252に取り付けられおり、右可動片252の動きに合わせて動作する。左移動体211及び右移動体212は、同一のソレノイド226により駆動されているため、前後方向への移動が同じタイミングで行われる。これにより、左移動体211及び右移動体212により表現された蝶が、まるで羽ばたいているかの如く、遊技者に視認される。
また、左移動体211は、後方からの光を透光する透光部211bと、外光を反射する反射部211cとを有している。右移動体212も同様に、後方からの光を透光する透光部212bと、外光を反射する反射部212cとを有している。演出移動体210の後方には、複数のLED255が取り付けられたランプ制御基板254が取り付けられている。LED255から出射された光は、透光部211b及び透光部212bを透過し、遊技者に視認される。このように、演出移動体210は、外光を反射させるだけでなく、後方からの光も照射することで、遊技者を魅了する装飾を施すことができる。
演出装置200は、演出移動体210をガイド体220に形成されたガイド溝250に沿って移動させる際に、左移動体211と右移動体212とを動作させる。これにより、演出移動体210が表現する蝶が羽ばたき、移動しているが如く遊技者に視認させることができる。
次に、ガイド体220に形成されたガイド溝250の詳細と、ガイド溝250に沿って移動する演出移動体210の動作について説明する。図12は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成するガイド体の平面図である。また、図13〜17は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の演出装置に着目した図であり、(a)は後方からみた斜視図、(b)は演出移動体に着目した正面図、(c)は(a)中の“C”で囲んだ領域の拡大図である。なお、図12においては、ガイド溝250に嵌まった突起部262が、ガイド溝250を移動する様子が理解できるように、2点鎖線で突起部262を図示している。なお、図12に示す突起部262の符号262の後に異なる小文字のアルファベットを付すことで、異なる位置にある突起部262を互いに区別している。なお、どの位置にある突起部262であるかを特に区別しない場合は、単に突起部262と記載するものとする。
図12に示すように、ガイド体220に形成されたガイド溝250は、ガイド溝250の外周部を構成する立設した外周壁260と、ガイド溝250の内周部を構成する立設した内周壁261と、外周壁260と内周壁261とを接続する底面263とから構成されている。なお、ガイド溝250は、上下方向に形成された直線区間250aと、直線部250aよりも上方に位置する略ひし形状のひし形区間250bとを有している。
外周壁260は、一部がU字状に形成されて直線区間250aを形成するとともに、ガイド溝250のひし形区間250bの外縁を構成する。内周壁261は、外周壁260と間隔をあけて設けられた略ひし形状をなした壁体であり、ガイド溝250のひし形区間250bの内縁を構成する。
図12において、ガイド溝250の下端に、ガイド突起235(図13(c))の突起部262aが位置している場合を、演出移動体210が初期位置にあると規定する。図13は、演出移動体が初期位置にある場合の演出装置を示している。なお、図13(b)は、パチンコ遊技機1を遊技している遊技者が視認することができる演出移動体210の状況を示している。図13(a)、(c)に示すように、演出移動体210が初期位置にある場合、ガイド突起235は、ガイド溝250の下端に位置する。また、第1ラック232に形成された検出片233は、初期位置検出センサ227の発光部から出射された光を遮る位置にある。このように演出移動体210が初期位置にあると、図13(b)に示すように、演出移動体210の一部は、遊技盤2に覆われて視認不可能か、あるいは視認困難な状態にある。そのため、演出移動体210が初期位置にある場合、演出移動体210は遊技者に視認され難く注目されにくい。
演出移動体210が初期位置にある状態から、駆動モータ230を駆動して第1ラック232を上昇させることで、第1伝達バー234の先端に取り付けられたガイド突起235は上昇する。これにより、突起部262は、突起部262aの位置から突起部262bの位置まで、経路270(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。この経路270は、ガイド溝250の上下方向に延びる直線区間250aを含んでおり、この経路270上には突起部262の上方向に沿った移動を遮るものは存在しない。そのため、突起部262は、第1ラック232の上方向に沿った移動に伴って、上方向に沿って移動する。
図14は、突起部262が突起部262b(図12)の位置にある場合の演出装置を示している。図14(a)、(c)に示すガイド突起235は、図13に示すガイド突起235よりも上方に位置している。また、第1ラック232に形成された検出片233は、初期位置検出センサ227から離れた位置に存在し、初期位置検出センサ227によって検出されることはない。このように、演出移動体210が初期位置から上方向に沿って移動することにより、図14(b)に示すように、遊技盤2により覆われていた演出移動体210の一部が出現し、遊技者はより広い範囲の演出移動体210を視認することができる。なお、図13に示す演出移動体210においては、演出移動体210の一部が視認不可能か視認困難な状態にあり、演出移動体210は着目されにくい状態であった。そこで、ガイド突起235(突起部262)の移動経路の一部である経路270を上方向に沿った経路とすることで、遊技盤2に覆われていた演出移動体210の一部を即座に視認可能な状態にすることができる。これにより、遊技者に演出移動体210に注目させることができる。
演出移動体210が図14に示す位置にある状態から、駆動モータ230を駆動して第1ラック232を上昇させることで、ガイド突起235はさらに上昇する。これにより、突起部262は、突起部262bの位置から突起部262cの位置まで、経路271(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。なお、突起部262bは、ガイド溝250の内周壁261に接した状態にある。この状態で、突起部262bを有するガイド突起235が上方向に沿って移動しようとすると、突起部262bは内周壁261に接しながら内周壁261に沿って移動する。これにより、突起部262bは、右上方向(図面上では左上方向)に移動して突起部262cの位置まで移動する。このように、突起部262が右方向に移動するため、図15(a)、(c)に示すように、突起部262の右方向への移動量だけ、演出移動体210、第1伝達バー234、及びガイド突起235は右方向に移動する。これにより、図14(c)において第1ラック232から突出していた第1伝達バー234は、図15(c)において第1ラック232から引っ込んで視認することができない。
このように、突起部262を有するガイド突起235が、ガイド溝250に沿って右上に移動するに従って、演出移動体210も右上方向に移動する。これにより、演出移動体210は、上下方向の移動(経路270に従った移動)から向きを変えて、右上方向に移動(経路271に従った移動)することとなる。このように、演出移動体210は種々の方向に移動する。また、図15(b)に示すように、右上方向に移動した演出移動体210は、遊技盤2に覆われていた演出移動体210の一部を出現させる。
さらに駆動モータ230を駆動し、第1ラック232を上昇させることで、突起部262を有するガイド突起235はさらに上昇する。これにより、突起部262は、突起部262cの位置から突起部262dの位置まで、経路272(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。これにより、突起部262は内周壁261に接した状態から、外周壁260に接した状態となる。
さらに駆動モータ230を駆動して第1ラック232を上昇させることで、ガイド突起235はさらに上昇する。これにより、突起部262は、突起部262dの位置から突起部262eの位置まで、経路273(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。上述したように、突起部262dは、ガイド溝250の外周壁260に接した状態にあるため、この状態で、突起部262dを有するガイド突起235が上方向に沿って移動しようとすると、突起部262dは左上方に傾いた外周壁260に接しながら外周壁260に沿って移動する。すなわち、突起部262dは、左上方向(図面上では右上方向)に移動して突起部262eの位置まで移動する。突起部262eは、ひし形状に形成された外周壁260の頂点264に対応する位置にあり、突起部262が移動する経路の中で最も高い位置にある。このように、突起部262が左方向に移動するため、図16(a)、(c)に示すように、突起部262の左方向への移動量だけ、演出移動体210、第1伝達バー234、及びガイド突起235は左方向に移動する。これにより、図15(c)において第1ラック232から引っ込んだ位置にあって視認することができなかった第1伝達バー234は、図16(c)においては第1ラック232から突出して視認可能な状態にある。
このように、突起部262を有するガイド突起235が、ガイド溝250に沿って左上に移動するに従って、演出移動体210も左上に移動する。このように、演出移動体210を種々の方向に移動させることができ、演出移動体210の動きを複雑なものとすることができる。また、演出移動体210を最も高い位置に移動させることができるため、図16(b)に示すように、演出移動体210全体を遊技者に視認させることができる。
このように、ガイド突起235に形成された突起部262が経路270〜経路273を通ることにより、演出移動体210は、最も下側に位置する図13に示す第1位置(初期位置)から、最も上側に位置する第2位置(図16に示す位置)まで移動する。このような演出移動体210の移動は、上述したように駆動モータ230を駆動して第1ラック232を上昇させることにより実現していた。一方、演出移動体210を第2位置から第1位置(初期位置)に復帰させるためには、駆動モータ230を反対に回転させて第1ラック232を下降させることにより実現する。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機1においては、演出移動体210が、第1位置(初期位置)から第2位置まで移動する経路と、第2位置から第1位置(初期位置)まで移動する経路とを異ならせている。
演出移動体210が第2位置(図16に示す位置)にある状態から、駆動モータ230を反対方向に回転させて第1ラック232を下降させると、突起部262eは、ガイド溝250の内周壁261に接触するまで下方向に移動し、経路274を通って突起部262fの位置まで移動する。このように突起部262fは、ガイド溝250の内周壁261に接した状態にある。
図12に示すように、演出移動体210を第1位置(初期位置)から第2位置まで導くための突起部262の経路273と、演出移動体210を第2位置から第1位置(初期位置)まで導くための突起部の経路274とは、異なる経路である。演出移動体210が第2位置にあるときの突起部262eは、ひし形状に形成された外周壁260の頂点264に対応する位置にある。なお、内周壁261は、外周壁260の頂点264に対応する頂点265を有している。外周壁260の頂点264は、内周壁261の頂点265よりも左上部に位置している。これにより、突起部262は、経路273を通って突起部262eに到達するまでに内周壁261の頂点265を越えることになる。すなわち、経路273を通る突起部262は、左上に向けて移動するが、到達位置である突起部262eの位置は、内周壁261の頂点265よりも左側かつ上側にある。これにより、突起部262を突起部262eの位置から下方に移動させたとしても、突起部262を経路273に逆戻りさせることなく、経路273とは異なる経路274を通すことができる。
また、このような構成を上記とは異なる表現で記載すると次の通りである。演出移動体210を第1位置(初期位置)から第2位置まで導くための突起部262の経路270〜経路273を第1経路とし、演出移動体210を第2位置から第1位置(初期位置)まで導くための突起部262の経路274〜経路279を第2経路とする。この時、第2経路は第1経路よりも左側に位置すると認識することができる。また、外周壁260の頂点264は内周壁261の頂点265よりも左側に位置すると認識することができる。すなわち外周壁260の頂点264は、内周壁261の頂点265よりも第2経路側に位置していると言える。このような構成により、突起部262を突起部262eの位置から下方に移動させたとしても、突起部262を経路273に逆戻りさせることなく、経路273とは異なる経路274を通すことができる。
さらにガイド溝250に着目して記載すると、突起部262の経路270〜経路273からなる第1経路を形成するガイド溝250を第1ガイド溝とし、突起部262の経路274〜経路279からなる第2経路を形成するガイド溝250を第2ガイド溝とする。ここで、ガイド溝250の上部において、第1ガイド溝と第2ガイド溝との境は、外周壁260の頂点264と内周壁261の頂点265とを結んだラインと規定することができる。このように規定した場合には、外周壁260の頂点264は、内周壁261の頂点265よりも第2ガイド溝側に位置していると言える。
突起部262が突起部262fの位置にある状態から、駆動モータ230を駆動して第1ラック232を下降させることで、突起部262を有するガイド突起235は下降する。これにより、突起部262は、突起部262fの位置から突起部262gの位置まで、経路275(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。上述したように、突起部262fは、ガイド溝250の内周壁261に接した状態にある。この状態で、突起部262を有するガイド突起235が下方向に移動しようとすると、突起部262は左下方に傾いた内周壁261に接しながら内周壁261に沿って移動する。すなわち、突起部262fは、左下方向(図面上では右下方向)に移動して突起部262gの位置まで移動する。このように、突起部262が左方向に移動するため、図17(a)、(c)に示すように、突起部262の左方向への移動量だけ、演出移動体210、第1伝達バー234、及びガイド突起235は左方向に移動する。これにより、図17(c)に示すように、第1伝達バー234は、第1ラック232から大きく突出した状態となる。
このように、突起部262を有するガイド突起235が、ガイド溝250に沿って左下に移動するに従って、演出移動体210も左下方向に移動する。これにより、演出移動体210の動きを複雑なものとすることができる。また、演出移動体210が左下方向に移動したことにより、図17(b)に示すように、その一部は遊技盤2に覆われて視認困難又は視認不可な状態となる。このように、演出移動体210を遊技盤2から出現させたり、遊技盤2に隠したりすることで、遊技者に演出移動体210の動きに注目させることができる。
さらに駆動モータ230を駆動し、第1ラック232を下降させることで、突起部262を有するガイド突起235は下降する。これにより、突起部262は、突起部262gの位置から外周壁260に接する突起部262hの位置まで、経路276(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。
さらに駆動モータ230を駆動し、第1ラック232を下降させることで、突起部262は、外周壁260に接しながら外周壁260に沿って移動する。これにより、突起部262hは、右下方向(図面上では左下方向)に移動して突起部262iの位置まで、経路277(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。
さらに駆動モータ230を駆動し、第1ラック232を下降させることで、突起部262は、外周壁260に接しながら外周壁260に沿って移動する。これにより、突起部262iは、右下方向(図面上では左下方向)に移動して突起部262jの位置まで、経路278(矢印の始端から終端まで)を通って移動する。
さらに駆動モータ230を駆動し、第1ラック232を下降させることで、突起部262jは、経路279(矢印の始端から終端まで)を通って突起部262aの位置まで移動する。これにより、演出移動体210は、第1位置(初期位置)まで復帰する。このように演出移動体210が第1位置(初期位置)まで復帰すると、初期位置検出センサ227により検出片233が検出される。
このように、演出移動体210は、ガイド体220に形成されたガイド溝250に沿って移動することで、初期位置である第1位置から最も高い位置である第2位置までの移動と、第2位置から第1位置までの移動とを行う。また、ソレノイド226(図10)の動作/非動作を繰り返して、左移動体211及び右移動体212(図10)を回動させながら演出移動体210を移動させることで、蝶を模した演出移動体210が羽ばたきながら移動しているかのごとく遊技者に視認させることができる。また、演出移動体210の移動は、演出移動体210の後方に設けられたランプ制御基板254のLED255(図11)の発光や、遊技効果ランプ9(図4)のLED53の発光を伴いながら行ってもよい。これにより、演出移動体210に光が照射され演出移動体210の見栄えを向上させることができる。
なお、演出移動体210の移動は、初期位置検出センサ227が検出片233を検出し、初期位置(第1位置)にある演出移動体210が検出されることに基づいて行われる。具体的には、初期位置検出センサ227によって、演出移動体210が第1位置にあることが所定回数検出されるまで、演出移動体210の移動を行う。これにより、演出移動体210による演出を行った後に、演出移動体210を初期位置(第1位置)でとめておくことができる。そのため、初期位置(第1位置)にある演出移動体210は、遊技盤2によりその一部が覆われて目立ちにくいため、演出移動体210による演出が終了したこと遊技者に伝え、遊技者の視線を演出移動体210からそらすことが可能となる。また、初期位置(第1位置)にある演出移動体210が検出されることに基づいて、演出移動体210を移動するようにしてもよい。これにより、演出移動体210の正確な位置が把握され、演出移動体210を正確に移動させることが可能となる。
なお、演出移動体210を移動させるタイミングとしては、リーチ演出時や、遊技が行われておらず、パチンコ遊技機1がデモンストレーション状態時である場合等である。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されている。リーチ演出時に、演出移動体210を移動させるタイミングとしては、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合である。これらのリーチ演出が実行させると、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、リーチ演出におけるチャンスアップ予告の際にも、演出移動体210による演出を行ってもよい。このように、リーチ演出に、演出移動体210による演出が加わることにより、遊技者を魅了する演出が可能となる。その他、演出移動体210は、擬似連の場合や、大当たり確定の場合に動作させるようにしてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して演出移動体210を移動させてもよい。また、遊技媒体が遊技領域に向けて発射されている間、演出移動体210を移動させ続けてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源をONしてから、電源をOFFするまでの間、演出移動体210を移動させ続けてもよい。
また、演出移動体210の移動を、演出移動体210の後方のランプ制御基板254に設けられたLED255(図11)の発光や、遊技効果ランプ9(図4)のLED53の発光を伴いながら行ってもよい。さらに、画像表示装置5による演出画像の表示と演出移動体210の移動とを連動させることにより演出の向上を図ってもよい。例えば、演出移動体210の移動と連動させて、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させてもよい。さらに、演出移動体210の移動時に、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、通常の動作態様と異なる動作態様としてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1においては、演出移動体210を第1位置(初期位置)から第2位置まで導くための突起部262の経路270〜経路273と、演出移動体210を第2位置から第1位置(初期位置)まで導くための突起部の経路274〜経路279とは、異なる経路となっている。これにより、演出移動体210の動きを多様なものとすることができ、遊技機の興趣を向上させることができる。
また、外周壁260の頂点264は、内周壁261の頂点265よりも第2経路側に位置させている。これにより、外周壁260に接触しながら移動する突起部262は、内周壁261の頂点265を越えて、外周壁260の頂点264(第2位置)に到達する。外周壁260の頂点264に到達した突起部262は、そのまま第2経路に進入し、逆戻りすることがない。これにより、演出移動体210の多様な動きを実現することができ、これにより遊技機の興趣を向上させることができる。
また、演出移動体210を移動させる際に、演出移動体210を構成する左移動体211及び右移動体212を回動させる。これにより、蝶を模した演出移動体が羽ばたきながら移動しているかの如く遊技者に視認させることができる。
また、ガイド溝250は、演出移動体210を初期位置から上方に沿って移動させるための上方に溝が延びた直線区間を有している。これにより、遊技盤2に覆われて一部が視認困難となっていた演出移動体210を即座に出現させることができるとともに、視認困難な場所での演出移動体210の無駄な動きを制限することができる。
また、演出移動体210の移動は、初期位置検出センサ227よって演出移動体210が初期位置(第1位置)にあることが検出されたことに基づいて行われる。これにより、演出移動体210の正確な移動が実現できるとともに、移動体の多様な動きを実現することができ、興趣を向上させた遊技機を提供することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上述の実施形態においては、ガイド溝250から離れた位置で演出移動体210を移動させるために、演出移動体210とガイド溝250との間に、第1伝達バー234や伝達バー係止板214等を介在させていた。しかしながら、例えば、演出移動体の後面に突起部を形成し、この突起部を演出移動体の後面に配置されたガイド溝に挿着することで、演出移動体を直接ガイド溝に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、ガイド溝が形成されたガイド体は、演出移動体の後面に対向するように設けられる。
また、演出移動体は、蝶を模したものに限定されず、その他の昆虫や生物を模したものでもよいし、文字を表記したものであってもよい。また、演出移動体を複数設けてもよい。例えば、文字を表記した複数の演出移動体を設けて、これらが一体となって1つの単語を表現するものであってもよい。また、左移動体211及び右移動体212にかえて、画像表示装置5を演出移動体210に設けるような態様であってもよい。これにより、画像表示装置5の飾り図柄による演出に合せて、画像表示装置5自体を移動させることができ、パチンコ遊技機1の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態においては、演出移動体210が初期位置にある場合に、一部が遊技盤2に覆われて視認困難である場合について説明した。しかしながら、演出移動体210が初期位置にある場合に、演出移動体210の全部が遊技盤2等に覆われて視認困難な状態としてもよい。これにより、演出移動体210を移動させることにより、突然演出移動体210が出現することになり、より効果的な演出が可能となる。このように、演出移動体210が初期位置にある場合にその全部を視認困難とする場合には、ガイド溝に形成された直線区間(図12に示す直線区間250a)は長めに設定しておくことが好ましい。これにより、演出移動体210の出現を即座に行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、演出移動体210が、遊技盤2に平行な平面上(上下左右平面上)を移動する場合について説明した。しかしながら、このような形態に限定されず、例えば、演出移動体210の移動が、前後方向の移動を伴うものであってもよい。この場合、ガイド体250に形成されたガイド溝250が延びる方向を適宜設定して対応すればよい。
また、ガイド溝の形状はひし形に限定されるものではなく、その他、多角形状の形態のものであっても同様の作用、効果を奏する。すなわち、上記実施形態のように、第1位置までの経路と第2位置までの経路を略同一の長さとするものに限定されない。これらの経路長が異なるように、ガイド溝の形状をひし形の形状からその他の四角形の形状でとしてもよいし、例えば5角形として、経路が屈曲する箇所の数を往復の経路で異ならせてもよい。
また、演出移動体210が、第1位置から第2位置までの移動している間や、第2位置から第1位置まで移動している間に、駆動モータ230の反転を繰り返して、演出移動体210を行ったり来たりさせてもよい。また、駆動モータ230のON/OFFを繰り返して、演出移動体210を徐々に移動させるようにしてもよい。
また、図18は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例を示す図であり、(a)は第1変形例に係るパチンコ遊技機に形成されたガイド溝を示す図、(b)は第2変形例に係るパチンコ遊技機に形成されたガイド溝を示す図である。
図18(a)に示すように、ガイド溝500は、外周壁501、内周壁502、内周壁503とで、略8の字状に形成されている。突起部510が最も下に位置する場合が、演出移動体210が初期位置にある場合である。この状態から駆動ギヤ231を駆動させて第1ラック232を上昇させることで、図18(a)に示すように、突起部510を矢印に沿わせて最も上の位置まで移動させることができる。突起部510が最も上に位置するようになると、駆動ギヤ231を逆方向に駆動させて、第1ラック232を下降させる。そして、突起部510を、矢印に沿わせてガイド溝500の最も下の位置まで移動させる。これにより、演出移動体210は初期位置に復帰する。図18(a)において、突起部510がこのように移動する経路は、矢印511〜526で示しており、矢印に付した番号順に突起部510は移動する。図18(a)に示すように、突起部510は、図中右側に形成されたガイド溝510を通り、最も上の位置まで移動する。さらに、突起部510は、図中左側に形成されたガイド溝510を通って、最も下の位置まで移動する。これにより、演出移動体210の移動を複雑なものとすることができる。なお、このような突起部510の動きは、図12を用いて突起部の動きの説明によって理解することができる。
また、第2変形例として、図18(b)に示すように、ガイド溝600は、外周壁601、内周壁602、内周壁603とで、略8の状に形成されている。突起部610が最も下に位置する場合が、演出移動体210が初期位置にある場合である。この状態から駆動ギヤ231を駆動させて第1ラック232を上昇させることで、図18(b)に示すように、突起部610を矢印に沿わせて最も上の位置まで移動させることができる。突起部610が最も上に位置するようになると、駆動ギヤ231を逆方向に駆動させて、第1ラック232を下降させる。そして、突起部610を、矢印に沿わせてガイド溝600の最も下の位置まで移動させる。これにより、演出移動体210は初期位置に復帰する。図18(b)において、突起部610がこのように移動する経路は、矢印611〜626で示しており、矢印に付した番号順に突起部610は移動する。図18(b)に示すように、突起部610は、数字8を書くように移動し、経路の一部が交差している。これにより、演出移動体210の移動を複雑なものとすることができる。なお、このような突起部610の動きも、図12を用いて突起部の動きの説明によって理解することができる。