JP6036678B2 - シリケート蛍光体粒子の製造方法およびシリケート蛍光体粒子 - Google Patents

シリケート蛍光体粒子の製造方法およびシリケート蛍光体粒子 Download PDF

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Description

本発明は、白色LED用のシリケート蛍光体粒子の製造方法およびシリケート蛍光体粒子に関し、更に詳しくは、内部量子効率が高く、かつ平均粒子径が所定の範囲内である黄緑色〜緑色に発色するシリケート蛍光体粒子の製造方法およびシリケート蛍光体粒子に関する。
白色LED用の蛍光体材料としてよく知られている酸化物蛍光体として、例えば、組成式(Sr、Eu)SiO、(Sr、Ba、Eu)SiO、(Sr、Ba、Eu)SiO:Euなどで表されるアルカリ土類金属シリケート蛍光体がある。これらは、高輝度型白色LED用蛍光体に使用される蛍光体であり、青色LEDからの励起光の一部を吸収することにより黄色に発光し、さらに青色励起光と混ざり合うことにより白色光を得ている。特に、高演色型白色LED用蛍光体に用いられる(Sr、Ba、Eu)SiOは、黄緑色〜緑色に発色することで演色性を高めている。
特許文献1及び特許文献2には、(Sr、Ba、Eu)SiOにCaが添加された、(Sr1−a3−b3−xBaa3Cab3EuSiOの化学式で表されるシリケート蛍光体(ただし、a3、b3、xは、各々、0≦a3≦1、0≦b3≦1、0<x<1を満足する数値)が開示されている。このシリケート蛍光体は、Ba−Sr−Caの組成を変えることによって、発光のピーク波長が505nm以上598nm以下程度の範囲内で変化させることができるとされている。さらに、170〜350nmの範囲内の光照射の下で比較的高効率の発光を示す蛍光体であることも知られている。
シリケート蛍光体の製造方法では、構成成分元素の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化ユーロピウム(Eu)、および二酸化ケイ素(SiO)の他、必要に応じて炭酸カルシウム(CaCO)の粉末を湿式混合法にて混合および乾燥させる。その後、混合乾燥物粉末を大気中で仮焼成し、得られた仮焼粉末中に塩化カルシウム(CaCl)や塩化アンモニウム(NHCl)などのフラックスを所定量加えて乾式混合後、H雰囲気中で本焼成する。この方法によれば、一般的に安価かつ容易に上記シリケート蛍光体を製造できることが知られている。また、この方法では、得られた焼成物から洗浄を経て粒子が取り出され、平均粒子径が10〜20μmの高輝度粒子が得られるといわれている。
しかしながら、上述の製造方法で得られたシリケート蛍光体の発光特性は、必ずしも高いとはいえない場合が多い。すなわち、上述の製造方法により得られたシリケート蛍光体についてよく観察すると焼結収縮が少なく、外観色は黄色味が強いことがある。通常、シリケート蛍光体である酸化物粒子を、フラックスを用いて焼成すると、そのフラックス効果により、フラックス中に酸化物粒子の溶解が起こる。その結果、液相を介して構成成分元素の拡散により粒成長し、また、Eu2+ドーピングが促進されることで、蛍光体特性の向上した粒子が得られるといわれている。ところが、上述の製造方法により得られたシリケート蛍光体である酸化物粒子や炭酸塩の原料を混合して、得られた混合物を仮焼、本焼成する、いわゆる固相法におけるシリケート蛍光体の製造方法においては、フラックスの効果が確実に発揮されるとは言えず、安定して高い発光特性のシリケート蛍光体を得ることができないという問題がある。
特許3985486号 特開2004−115633号公報
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために本発明者らによる鋭意研究の末、提案されたものであり、フラックス効果が十分発揮され、黄緑色から緑色の範囲で安定して高い発光特性を有するシリケート蛍光体(Sr、Ba、Eu)SiO及びシリケート蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明が提供するシリケート蛍光体粒子の製造方法は、
少なくとも出発原料として炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化ユーロピウム、二酸化ケイ素を混合し、大気中で仮焼成して仮焼成粉を得て、その後、構成成分元素の酸化物及び塩化物からなるフラックスを前記仮焼成粉に添加混合し、得られた混合粉を水素雰囲気中で還元焼成して得られる、
組成式(1):(Sr1−a−xBaEuSiO
(但し、a及びxは0.55≦a≦0.70、0.05≦x≦0.10)
で表される黄緑色から緑色に発光するシリケート蛍光体粒子の製造方法において、
前記構成成分元素の酸化物及び塩化物からなる前記フラックスは、酸化バリウム、塩化バリウム、二酸化ケイ素からなり、酸化バリウム:塩化バリウム:二酸化ケイ素=30〜60mol%:33〜55mol%:5〜25mol%の範囲内の配合比率で配合し、かつ前記仮焼成粉の総量に対して10〜30質量%を添加混合する。
本発明によれば、黄緑色から緑色に発光するシリケート蛍光体(Sr、Ba、Eu)SiOを、構成成分元素の酸化物および炭酸塩からなる原料を使用する固相法による製造時に、特定のフラックスを特定の比率で特定量添加することにより、黄緑色〜緑色に発光し、内部量子効率が73%以上と高発光特性を有するシリケート蛍光体粒子を安定的に製造することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
1.シリケート蛍光体
2.シリケート蛍光体の製造方法
2−1.第1工程:原料粉末の混合と仮焼成による仮焼成粉末の作製
2−2.第2工程:フラックスの調製と仮焼成粉との混合
2−3.第3工程:本焼成
2−4.第4工程:洗浄および乾燥
2−5.蛍光体粒子の評価
<1.シリケート蛍光体>
シリケート蛍光体は、白色LEDに好適に使用することができるアルカリ土類金属シリケート蛍光体であり、黄緑色〜緑色に発光するアルカリ土類金属シリケート蛍光体粒子である。シリケート蛍光体は、構成元素として少なくともケイ素(Si)と酸素(O)の他に、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びユーロピウム(Eu)を含み、組成式(1):(Sr1−a−xBaEuSiO(但し、a及びxは0.55≦a≦0.70、0.05≦x≦0.10)で表される。また、シリケート蛍光体は、レーザ回折式湿式粒度分布測定装置によって測定した平均粒径がD50で20〜30μmの蛍光体粒子である。レーザ回折式湿式粒度分布測定装置は、例えば株式会社島津製作所製SALD7000を使用することができる。
シリケート蛍光体の組成及び発光特性についてさらに具体的に説明する。まず、本発明に係るシリケート蛍光体は(Sr、Ba、Eu)SiOの一般式で表され、各構成成分の組成は、組成式(1):(Sr1−a−xBaEuSiO(但し、a及びxは0.55≦a≦0.70、0.05≦x≦0.10)で表される。すなわち、Baは55〜70mol%、Srは20〜40mol%、Euは5〜10mol%の範囲である。
ここで、例えば、シリケート蛍光体の組成を(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOで表される化合物相とすると、波長525〜526nmの緑色発光するシリケート蛍光体が得られる。また、Baを55〜70mol%、Srを20〜40mol%とすると、波長430〜470nmの光で励起した際の発光スペクトルは、510〜570nmの波長範囲に発光ピークを有する。賦活元素であるEuの組成範囲は、5mol%未満では発光輝度が低下し、逆に10mol%を超えると濃度消光によって充分な発光輝度を得ることはできないため、5〜10mol%の範囲が好ましい。
また、Srの置換量を多くしたり、Baの一部にCaを加えることで、発光色は更に黄色味を帯び、550nm以上の長波長側に発光ピークはシフトさせことができる。しかしながら、この方法では、発光効率は低下し、耐水性も徐々に低下する。そのため、カルシウム(Ca)は必要に応じて添加する。
本発明におけるシリケート蛍光体粒子の製造方法では、特定のフラックスを特定の比率で特定量添加することで、内部量子効率が73%以上のシリケート蛍光体を得ることができる。なお、本焼成時に母結晶のバリウムストロンチウムシリケート粒子中にフラックス成分が拡散して組成ずれを起こすことが懸念されるが、本発明では焼成時間が比較的短時間で終了できるメリットもあり、粒子内の組成ずれによる発光ピークのシフトすることはほとんど認められない。
シリケート蛍光体粒子の平均粒子径は20〜30μmである。このようなシリケート蛍光体では、例えば白色LEDの製造において緑色や黄色蛍光体と共に樹脂に練る込む際に良好に分散するようになり、練り込み性を向上させることができる。なお、シリケート蛍光体粒子の粒子径は、フラックス種やその添加量、または焼成温度によって、数μm〜50μmの範囲で変えることができる。
<2.シリケート蛍光体の製造方法>
次に、本発明のシリケート蛍光体粒子の製造方法について、工程に従って詳細に説明する。
<2−1.第1工程:原料粉末の混合と仮焼成による仮焼成粉末の作製>
第1工程は、上記組成式(1)の組成となるように出発原料として炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化ユーロピウム(Eu)、二酸化ケイ素(SiO)の粉末を秤量し、すべての原料粉末を混合、乾燥させた後、混合物粉末を1000〜1100℃の温度で、酸化雰囲気で仮焼成する工程である。酸化雰囲気とは、例えば大気中で行う仮焼成である。
出発原料には、作製するアルカリ土類金属シリケート蛍光体の構成成分元素の酸化物および炭酸塩を使用する。具体的には、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化ユーロピウム(Eu)、二酸化ケイ素(SiO)の粉末を上記組成式(1)の組成となるように秤量する。原料粉末は全て99.9%以上の純度、比表面積は1〜100m/gのものを使用することが好ましい。これらの出発原料を全量配合し、混合を行う。
混合方法は、乾式、湿式でも特に制限はなく、均一混合できる装置にて混合する。乾式では、例えばボールミル、Vブレンダ、ロッキングミキサ等を利用することが好ましい。具体的な混合例を挙げると、メディア径φ10mmとした乾式ボールミルを用いて20分間混合することで、原料粉末の混合粉を得ることができる。
次に、得られた混合粉末をアルミナ製容器に入れて1000〜1100℃の酸化雰囲気中で1〜3時間仮焼処理を行う。仮焼成中は酸素不足を防止するために焼成炉容積1Lに対し、0.1L/min以上で空気を導入することが好ましい。
また、仮焼後の粉末を乾式ボールミルにて再度10分ほど解砕し、350μmの篩いにて分級しておくことが好ましい。これは、後の第2工程において、フラックスと仮焼成粉とを均一に混合するためである。
<2−2.第2工程:フラックスの調製と仮焼成粉との混合>
第2工程は、フラックスとして、酸化バリウム(BaO)と塩化バリウム(BaCl)と二酸化ケイ素(SiO)を、BaO:BaCl:SiO=30〜60mol%:33〜55mol%:5〜25mol%の範囲内となるように配合し、フラックスを調整し、このフラックスを上記第1工程により得た仮焼粉末の総量に対して10〜30質量%添加し混合する工程である。
まず、ここで使用するフラックスは、酸化バリウム(BaO)と塩化バリウム(BaCl)と二酸化ケイ素(SiO)の3種をフラックスの必須成分とする。また、それぞれの配合量は、BaO:BaCl:SiO=30〜60mol%:33〜55mol%:5〜25mol%の範囲内とする。配合したフラックスは、ロッキングミキサ等で混合する。
なお、酸化バリウム(BaO)は、炭酸バリウム(BaCO)、または水酸化バリウム(Ba(OH))を用いることもでき、その場合にはBaO換算量にて配合する。このフラックスを第1工程で作製した仮焼粉の総量に対して10〜30質量%の範囲内をくわえて、再度ロッキングミキサ等で混合する。
10質量%未満では、フラックス効果が十分でなく、また30質量%を超えて添加すると、粒成長の低下、粒子表面の汚染など、過剰なフラックス残留により発光特性の低下が起こるため好ましくない。また、塩化バリウムの一部に、塩化ストロンチウムを使用することもできる。
ここで、フラックスの配合量を、BaO:BaCl:SiO=30〜60mol%:33〜55mol%:5〜25mol%の範囲内とし、かつ仮焼成粉の総量に対して10〜30質量%を添加することが重要である。特定のフラックスをこの割合で配合することにより、黄緑色〜緑色に発光し、内部量子効率が73%以上と高発光特性を有するシリケート蛍光体粒子を得ることができる。単独の塩化物のフラックスでは、粒成長が進みにくいため、高い発光特性が得られない。また、このフラックスでは、バリウムを多く含有させることでフラックスの融点が低くなり、本焼成時に溶解しやすくなる。また、上記の配合量で混合されたフラックスとすることで、蛍光体粒子とのぬれ性が良くなり、より確実にフラックス効果が発揮される。
<2−3.第3工程:本焼成>
第3工程は、第2工程で得たフラックス入り仮焼粉末を1050〜1250℃の温度で、還元雰囲気中で本焼成する工程である。還元雰囲気とは、例えば、H雰囲気である。
第2工程で得たフラックス入り仮焼粉末をカーボン容器に充填する。焼成温度は1050〜1250℃、好ましくは1150〜1200℃であり、1〜5時間保持することで最も高発光特性が得られやすい。第3工程では、焼成温度が高すぎると、カーボン容器とフラックス入り仮焼粉末との反応や、蛍光体粒子の表面からフラックスの揮発が起こるため好ましくない。焼成時のH濃度は、1%以上、好ましくは2〜3%の雰囲気が賦活成分であるEuの還元ドープが効率的に進むためよい。安全面から4%を上限とするのが良い。
第3工程では、第2工程で得られた仮焼成粉末とフラックスとを混合して還元雰囲気下で焼成を行うと、フラックスの存在により粒成長を促進させることができる。一般的に、フラックスの存在下において還元雰囲気下で焼成して得られる蛍光体粒子は、平均粒子径(D50)が数十μmの単分散に近く円形度の高い粒子となることが知られている。このような粒子を用いて、例えば、白色LEDの作製において、緑色蛍光体や黄色蛍光体と共に樹脂に練り込む場合に、良好に分散するようになり、練り込み性を向上させることができる。すなわち、第3工程では、粒成長の促進により、得られるシリケート蛍光体粒子の平均粒子径(D50)が20〜30μmとなる。なお、シリケート蛍光体粒子の平均粒子径(D50)は、フラックスの種類やその添加量の他、本焼成の温度によって、数μm〜50μmの範囲で変更することができる。
<2−4.第4工程:洗浄および乾燥>
第4工程は、第3工程の本焼成した後で、冷却し、得られた焼成物を解砕し、60℃温水中で撹拌して残留物を除去し、乾燥して蛍光体粒子を得る工程である。
第3工程における本焼成後の焼成物は、フラックスの溶解により焼結収縮した固形物となっていることがある。第4工程では、焼成物から粒子を取り出すため、焼成物をスタンプミル等で350μm程に粗粉砕後、ポットに粉砕粉と60℃の温水を加えて湿式ボールミルで3〜10分間粉砕を行う。焼成物は粒子とその粒界にフラックスが残留している。第4工程では、温水により粒子界面にあるフラックスは溶解し、シリケート蛍光体粒子のみが残る形で取り出される。フラックスが溶解した溶解物とシリケート蛍光体粒子を固液分離した後、アルコール洗浄を経て乾燥することでシリケート蛍光体粒子が得られる。
このように、シリケート蛍光体粒子の製造方法では、特定のフラックスを特定の比率で特定量添加することにより、平均粒子径が20〜30μmであり、内部量子効率が73%以上と高発光特性を有するシリケート蛍光体粒子を安定的に製造することができる。そして、このような優れた発光特性を有するシリケート蛍光体粒子を白色LED用蛍光体に適用することで、極めて優れた演色性を示す白色LED用蛍光体を提供することができる。
<2−5.蛍光体粒子の評価>
蛍光体粒子は、日本分光株式会社製の分光蛍光光度計FP6500により450nmの励起し、粉末の吸収率(abs)、外部量子効率(EQE)、内部量子効率(IQE)、発光ピーク長(Em)を求めることで発光特性を評価することができる。また日本分光株式会社製の乾式粒度分布計VD400nanoにより、粒度分布を測定し平均粒子径(D50)を求めることができる。
以下に、本発明を適用した実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の第1〜第4工程を通して、組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOである蛍光体粒子の作製を行った。
「第1工程:原料粉末の混合と仮焼成による仮焼成粉末の作製」
組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOとなるように、それぞれ出発原料の炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化ユーロピウム、二酸化ケイ素の粉末を秤量した。
具体的には、炭酸ストロンチウム(SrCO:堺化学SW−K)201.0g、炭酸バリウム(BaCO:日本化学製LSR)791.8g、酸化ユーロピウム(Eu:高純度化学製)72.7g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)174.1gの粉末をSUS製ポットに入れ20分間、乾式ボールミル混合を行った。80℃で乾燥させた後、混合物粉末を1000℃×1時間、炉容積50Lの中に乾燥空気を導入(10L/分)して仮焼成した。得た100gの仮焼粉末を取り出し、乾式ボールミルにて10分間解砕した後、350μmの篩いにて分級し、仮焼成粉末を得た。
「第2工程:フラックスの調製と仮焼成粉との混合」
BaO:BaCl:SiO=50mol%:45mol%:5mol%の配合比となるように、酸化バリウム(BaO:高純度化学製)76.7gと塩化バリウム(無水BaCl:和光純薬製)93.7g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)3.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした。このフラックスの配合量は、第1工程で作製した仮焼粉総量に対して10質量%を仮焼粉に添加して、再度乾式混合し、混合粉末を得た。
「第3工程:本焼成」
第2工程で得た混合粉末をカーボン容器に入れて1200℃で1時間、Ar−3%H雰囲気中で本焼成し、焼成物を得た。
「第4工程:洗浄および乾燥」
第3工程で得た焼成物をスタンプミルで粗粉砕し、350μmの篩いで分級した。粉砕粉を50gポットに入れ、60℃の温水を加えて湿式ボールミルを10分間行った。溶解物と粒子を固液分離した後、アルコール洗浄し、80℃で大気乾燥して、シリケート蛍光体粒子を得た。
(実施例2)
実施例1の原料組成において、「第2工程」でのフラックス配合比を以下の通りとした以外は実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOであるシリケート蛍光体粒子を作製した。
「第2工程」
BaO:BaCl:SiO=36mol%:55mol%:9mol%の配合比となるように、酸化バリウム55.2gと塩化バリウム114.5g、二酸化ケイ素5.4gを秤量し、乾式混合してフラックスとした。
(実施例3)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」でのフラックス配合比を以下の通りとした以外は実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
「第2工程」
BaO:BaCl:SiO=60mol%:35mol%:5mol%の配合比となるように、酸化バリウム92.5gと塩化バリウム72.9g、二酸化ケイ素3.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした。
(実施例4)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」でのフラックス配合比を以下の通りとした以外は実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
「第2工程」
BaO:BaCl:SiO=40mol%:40mol%:20mol%の配合比となるように、酸化バリウム61.3gと塩化バリウム83.3g、二酸化ケイ素12.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした。
(実施例5)
実施例3の「第2工程」のフラックスの配合量を第1工程で作製した仮焼粉総量の「10質量%」を「20質量%」に変更した以外は実施例3と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(実施例6)
実施例3の「第2工程」のフラックスの配合量を第1工程で作製した仮焼粉総量の「10質量%」を「30質量%」に変更した以外は実施例3と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(実施例7)
組成式(Sr0.34Ba0.59Eu0.07SiOとなるように、それぞれ出発原料の炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化ユーロピウム、二酸化ケイ素の粉末を秤量した。その後は、実施例1と同様に処理して組成式(Sr0.34Ba0.59Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例1)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、配合するフラックスとして塩化バリウムのみとし、第1工程で作製した仮焼粉総量に対して10質量%のフラックスを仮焼粉に添加する以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例2)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、配合するフラックスとして塩化バリウムのみとし、第1工程で作製した仮焼粉総量に対して20質量%のフラックスを仮焼粉に添加した以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例3)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、配合するフラックスとして酸化バリウムのみとし、第1工程で作製した仮焼粉総量に対して10質量%のフラックスを仮焼粉に添加した以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例4)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、配合するフラックスとして二酸化ケイ素のみとし、第1工程で作製した仮焼粉総量に対して10質量%のフラックスを仮焼粉に添加した以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例5)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、BaO:BaCl:SiO=20mol%:40mol%:40mol%の配合比となるように、酸化バリウム(BaO:高純度化学製)30.7gと塩化バリウム(無水BaCl:和光純薬製)83.3g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)24.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例6)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、BaO:BaCl:SiO=40mol%:20mol%:40mol%の配合比となるように、酸化バリウム(BaO:高純度化学製)61.3gと塩化バリウム(無水BaCl:和光純薬製)41.6g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)24.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例7)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、BaO:BaCl:SiO=60mol%:15mol%:25mol%の配合比となるように、酸化バリウム(BaO:高純度化学製)92.0gと塩化バリウム(無水BaCl:和光純薬製)31.2g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)15.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
(比較例8)
実施例1の原料組成にて、「第2工程」のフラックスの調製において、BaO:BaCl:SiO=15mol%:60mol%:25mol%の配合比となるように、酸化バリウム(BaO:高純度化学製)23.0gと塩化バリウム(無水BaCl:和光純薬製)124.9g、二酸化ケイ素(SiO:トクヤマ製NSS3N)15.0gを秤量し、乾式混合してフラックスとした以外は、実施例1と同じ条件で組成式(Sr0.24Ba0.69Eu0.07SiOのシリケート蛍光体粒子を作製した。
上記した実施例1〜7により得られた蛍光体粒子について、前述した蛍光体粒子の評価方法により、発光特性および粒度分布を評価した。その結果を表1にまとめて示す。また、比較例1〜8で得られた蛍光体粒子も同様に評価して、合わせて表1に示す。
Figure 0006036678
以上の結果から分かるように、本発明による実施例1〜6で得たシリケート蛍光体粒子は、いずれも
安定的に内部量子効率(IQE)は73%を越える高効率で、発光波長も525〜526nmで安定しており、極めて蛍光体としての発光特性が高かった。組成比を変更した実施例7も同様に、高い内部量子効率を維持しており、極めて蛍光体としての発光特性が高かった。また、実施例1〜7で得たシリケート蛍光体粒子は、いずれも平均粒子径が20〜30μmの範囲に収まるものであった。
一方、比較例1〜4では、本発明のフラックスの組合せによる最適化ができておらず、溶解が不足しているため、粒成長も十分でなく、発光特性は低かった。また比較例6〜8では本発明のフラックスを組合せているが、本発明の配合比の範囲外であるため、やはり、粒成長も十分でなく、発光特性は低かった。

Claims (1)

  1. 少なくとも出発原料として炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化ユーロピウム、二酸化ケイ素を混合し、酸化雰囲気で仮焼成して仮焼成粉を得て、その後、構成成分元素の酸化物及び塩化物からなるフラックスを前記仮焼成粉に添加混合し、得られた混合粉を還元雰囲気中で還元焼成して得られる、
    組成式(1):(Sr1−a−xBaEuSiO
    (但し、a及びxは0.55≦a≦0.70、0.05≦x≦0.10)
    で表される黄緑色から緑色に発光するシリケート蛍光体粒子の製造方法において、
    前記構成成分元素の酸化物及び塩化物からなる前記フラックスは、酸化バリウム、塩化バリウム、二酸化ケイ素からなり、酸化バリウム:塩化バリウム:二酸化ケイ素=30〜60mol%:33〜55mol%:5〜25mol%の範囲内の配合比率で配合し、かつ前記仮焼成粉の総量に対して10〜30質量%を添加混合することを特徴とするシリケート蛍光体粒子の製造方法。
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