JP6035978B2 - 赤色蛍光体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、一般式 (Mg1−xZn(Ti1−yMn)O(式中、0<x≦0.6、0<y≦0.007である。)で表される赤色蛍光体およびその製造方法に関する。

現在、照明装置として用いられている放電式蛍光灯、白熱電球などは、水銀などの有害な物質が含まれている、寿命が短いといった諸問題を抱えている。ところが近年になって青色や紫外に発光するLEDが次々と開発され、そのLEDから発生する紫外〜青色の光と紫外〜青色の波長域に励起帯を持つ蛍光体とを組合せることにより、白色に発光させ、その白色光を次世代の照明として利用する研究、開発が盛んに行われている。この白色LED照明は、熱の発生が少ないこと、半導体素子と蛍光体とから構成されているため、従来の白熱電球のように切れることがなく長寿命であること、水銀などの有害な物質が不要であるといった利点があり、理想的な照明装置である。

上述したLEDと蛍光体とを組合せて白色光を得るには、一般的に2つの方式が考えられている。一つは青色発光するLEDと、当該青色発光を受けて励起され黄色発光する蛍光体とを組み合わせ、この青色発光と黄色発光との組み合わせにより白色発光を得るものである。この場合の黄色蛍光体としては、YAl12:Ce蛍光体(YAG:Ce蛍光体)が広く用いられている。

もう一つは、近紫外・紫外発光するLEDと、当該近紫外・紫外発光を受けて励起され赤色(R)発光する蛍光体、緑色(G)発光する蛍光体、青色(B)発光する蛍光体とを組み合わせ、当該RGBの光により白色発光を得るものである。このRGBの光により白色発光を得る方法は、RGBの蛍光体の組合せや混合比などにより、白色光以外にも任意の発光色を得ることが可能であり、照明装置としての応用範囲が広い。そして、当該用途に使用される蛍光体としては、赤色蛍光体であれば、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、(La、Mn、Sm)S・Ga:Euがあり、緑色蛍光体であれば、例えば、ZnS:Cu・Al、SrAl:Eu、BAM:Eu・Mnがあり、青色蛍光体であれば、例えば、BAM:Eu、Sr(PO)Cl:Eu、ZnS:Ag、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO)Cl:Euがある。そして、これらのRGBの蛍光体を、近紫外・紫外発光するLEDなどの発光部と組合せることにより、白色または所望の発色をおこなうLEDを始めとした、光源や照明装置を得ることが可能となる。

しかし、青色LEDと黄色蛍光体(YAG:Ce)の組合せによる白色LED照明については、可視光領域の長波長側の発光が不足してしまうため、若干青みを帯びた白色の発光となってしまい、電球のようなやや赤みを帯びた白色発光を得ることができない。また、近紫外・紫外LEDとRGBの蛍光体との組合せによる白色LED照明では、3色の蛍光体のうち赤色蛍光体が他の蛍光体に比べ長波長側の励起効率が悪く、発光効率が低いために、赤色蛍光体のみ混合割合を多くせざるを得ず、輝度を向上させる蛍光体が不足し高輝度の白色が得られない。更に、当該蛍光体の発光スペクトルがシャープであるため演色性が悪いといった問題がある。

そのため最近では、長波長側に良好な励起を持ち、半値幅の広い発光ピークが得られるシリコンナイトライド系などの窒素を含有した蛍光体(例えば、特許文献1、2参照)や、サイアロンを母体とする蛍光体(例えば、特許文献3、4参照)が報告されている。そして、当該窒素を含有した蛍光体は、酸化物系蛍光体などに比べ共有結合の割合が多くなるため、波長400nm以上の光においても良好な励起帯を持つといった特徴があり、白色LED用蛍光体として注目を集めている。

しかし、上記の窒化物蛍光体は、高温での焼成を必要とするとともに、窒素雰囲気下で加圧状態での焼成が必要であるなど、製造方法に特殊な焼成炉が必要になり、製造コストが増大するなどの問題もある。また、赤色の窒化物蛍光体として多く研究されているCaAlSiN:Eu蛍光体は、主波長が600〜610nm程度と赤色としては短波長であり、RGBの3原色で表示される色再現範囲が狭くなるという問題、つまり色純度が悪いという問題がある。

特開2005−060714号公報 特開2006−306982号公報 特開2005−307012号公報 特開2005−255885号公報 特開2006−232948号公報 特開2008−69334号公報 特開2011−26610号公報

前記窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体以外に良好な赤色発光を示す蛍光体として、特許文献5には、一般式が、MTiO(MはSr、Ca,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素)で表わされるチタン酸塩を含む母体結晶に、3価のEuを賦活して得られた赤色発光蛍光体が、特許文献6、7にはMgTiO:Mn4+蛍光体、ZnTiO:Mn4+蛍光体等の酸化物蛍光体が示されている。しかし、これらの蛍光体は温度特性が著しく悪いといった欠点がある。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造が容易であり、発光強度の温度特性が良好で、色純度の良い赤色蛍光体を提供するものである。

本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、
組成式
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006であり結晶系が正方晶である赤色蛍光体とすることで、蛍光強度保持率(I 100 /I 25 )が78%以上と発光強度の温度特性が良好で、色純度の良い赤色蛍光体を提供することが可能となることを見出し、本発明に至った。

即ち、本発明は、組成式
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006であり結晶系が正方晶であり、蛍光強度保持率(I 100 /I 25 )が78%以上である赤色蛍光体に関する。

また、本発明は、組成式、 (Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006、である組成となるように、マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質とを混合し、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気で1000〜1700℃の温度範囲で焼成することを特徴とする前記赤色蛍光体の製造方法に関する。

また、本発明は、前記の焼成して得られた焼成物を、さらに、酸素を含む雰囲気下、500℃〜600℃の温度範囲で、10〜200時間、熱処理することを特徴とする前記赤色蛍光体の製造方法に関する。

本発明によれば、組成式
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006である赤色蛍光体とすることで、製造が容易であり、蛍光強度保持率(I 100 /I 25 )が78%以上と発光強度の温度特性が良好で、色純度の良い赤色蛍光体が提供される。

本発明の赤色蛍光体の一実施形態の結晶構造(立方晶)を示すモデル図である。 本発明の赤色蛍光体の一実施形態の結晶構造(正方晶)を示すモデル図である。 実施例3で得られた赤色蛍光体のXRDパターンを示す図である。 組成式(Mg1−xZn(Ti0.996Mn0.004)O赤色蛍光体の蛍光スペクトルを示す図である。 参考例8で得られた赤色蛍光体のXRDパターンを示す図である。

以下、本発明について詳しく説明する。

本発明は、組成式 (Mg1−xZn(Ti1−yMn)Oで表され、0<x≦0.6、0<y≦0.007、である赤色蛍光体に関するものである。

MgTiO:Mnが赤色発光を有していることは、特許文献6及び7に記載されている。しかし、本願発明者らが検討した結果、MgTiO:Mn蛍光体は、25℃の蛍光強度(I25)に対して、100℃での蛍光強度(I100)が、70%以下と蛍光強度の温度依存性が著しく悪く、実用レベルには無いことが分かった。

前述のように、蛍光体をLED照明用に使用する場合には、一般的にはLEDの発熱により発光素子周辺部は100℃以上まで過熱されるため、蛍光体の蛍光強度および発光色の温度特性が良好なことが求められる。

発明者は、MgTiO:Mn蛍光体の蛍光強度温度依存性の改善について鋭意検討した結果、Mgサイトの一部を二価の金属元素、具体的にはZnで置換することにより、蛍光強度温度依存性が改善されることを見出した。

次に、本発明の赤色蛍光体について具体的に説明する。

本発明の赤色蛍光体は、
組成式、
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.6、0<y≦0.007、である赤色蛍光体である。

前記xが0及び0.6を超える場合には、蛍光強度が悪化するとともに、蛍光強度温度依存性が悪くなるため好ましくない。また、前記yが0.007を超えると蛍光強度が悪化するために好ましくない。

さらに、前記xが、0より大きく、0.3以下の場合には、蛍光強度温度依存性がより改善されるため好ましい。また、前記yが0.002以上、0.006以下の場合には、蛍光強度温度依存性がより改善されるため好ましい。

本発明の赤色蛍光体は、CuKα線を用いたX線回折(XRD)装置により結晶相を同定すると、立方晶または正方晶となる。結晶相が正方晶となる場合には、蛍光強度が大きくなり好ましい。

本発明の赤色蛍光体の母体材料であるMTiO(MはMgとZnの2種以上からなる)は、立方晶系に分類される逆スピネル構造の結晶構造を有している。逆スピネル構造とは、図1に示すように、Mg原子、Zn原子が4個の酸素原子に囲まれた4配位サイトを占有し、Ti原子と残りのMg原子、Zn原子が6個の酸素原子に囲まれた6配位サイトをランダムに占有した結晶構造である。

一方、結晶相が正方晶の場合には、図2に示すように、Mg原子、Zn原子は4個の酸素原子に囲まれた4配位サイトを占有し、Ti原子及び残りのMg原子が6個の酸素原子に囲まれた6配位サイトを占有している。この際、6配位サイト内のTi原子とMg原子の位置が規則的に配置された結晶構造となる。このように、規則的な原子配置となることで蛍光強度が改善するものと推察される。

大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気中で、400〜600℃、より好ましくは500℃〜600℃の温度範囲で、8時間以上、より好ましくは10〜200時間熱処理することで、立方晶系のMTiO(MはMgとZnの2種以上からなる)は、正方晶系のMTiO(MはMgとZnの2種以上からなる)へと相転移する。

次に、本発明の赤色蛍光体の製造方法について具体的に説明する。

本発明の赤色蛍光体は、組成式、
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
において、0<x≦0.6、0<y≦0.007で表される組成となるように、マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質とを混合し、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気で1000〜1700℃の温度範囲で焼成することにより得られる。

原料のマグネシウム源となる物質は、マグネシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いることができる。これらの化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。これの中でも、マグネシウムの酸化物が安定で取り扱い易く好ましい。また、マグネシウム源として、平均粒径が10μm以下のものを使用すると、均一混合が容易に可能となる点、より低温で焼成が可能となる点で好ましい。

原料の亜鉛源となる物質は、亜鉛の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いることができる。これらの化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。これの中でも、亜鉛の酸化物が安定で取り扱い易く好ましい。また、亜鉛源として、平均粒径が10μm以下のものを使用すると、均一混合が容易に可能となる点、より低温で焼成が可能となる点で好ましい。

原料のチタン源となる物質は、チタンの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いることができる。これらの化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。これの中でも、チタンの酸化物が安定で取り扱い易く好ましい。また、チタン源として、平均粒径が10μm以下のものを使用すると、均一混合が容易に可能となる点、より低温で焼成が可能となる点で好ましい。

原料のマンガン源となる物質は、マンガンの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を用いることができる。これらの化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。これの中でも、マンガンの炭酸塩が安定で取り扱い易く好ましい。また、マンガン源として、平均粒径が10μm以下のものを使用すると、均一混合が容易に可能となる点、より低温で焼成が可能となる点で好ましい。

焼成においては、焼結を促進し、より低温で粒成長した赤色蛍光体を生成させることを目的に、焼結助剤となる物質を添加することが好ましい。焼結助剤として用いる物質は、フッ化物等の化合物が挙げられ、具体的には、フッ化マグネシウムが挙げられる。また、添加量としては、(Mg1−xZn(Ti1−yMn)Oの1molに対して、フッ化マグネシウムを0.001から0.05molが適当である。

マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質とを混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。

マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質との混合物を、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気で1000〜1700℃の温度範囲で焼成することで、前記組成式で表される赤色蛍光体を得ることができる。1000℃より低いと赤色蛍光体の生成に長時間の加熱を要し、実用的ではない。1700℃より高いと赤色蛍光体の融点に近くなり、使用する坩堝との反応が発生するために、蛍光強度が低下するために好ましくない。大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気中で1000〜1700℃の焼成が可能であれば、焼成に使用される加熱炉については、特に制約は無い。例えば、高周波誘導加熱炉、抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャー式電気炉などを使用することができる。混合物を充填する坩堝には、アルミナ製坩堝、マグネシア製坩堝、石英坩堝などの金属酸化物製坩堝を用いることができる。焼成によって得られる赤色蛍光体は、凝集が少なく、分散性が良好な粉体である。

上記の焼成により得られた焼成物である赤色蛍光体は更にアニール処理しても良い。得られた焼成物を、大気中、若しくは酸素が含まれる雰囲気中、500〜600℃の温度範囲で、10から200時間熱処理することで、蛍光強度が大きく、蛍光強度温度特性の良好な赤色蛍光体を得ることができるため、好ましい。熱処理時間が200時間以上では、蛍光強度の改善はほぼ上限に達しており、製造コストの増大を招くだけであり、好ましくない。

本発明の赤色蛍光体の好ましい一態様は、前記記載の製造方法により得られる蛍光体粉末であり、より詳しくは、マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質とを混合し、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気中、1000〜1700℃の温度範囲で焼成し、次いで、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気中、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより得られる、組成式:
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、
0<x≦0.6、0<y≦0.007である赤色蛍光体である。

本発明の赤色蛍光体は、組成式
(Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
で表され、0<x≦0.6、0<y≦0.007である赤色蛍光体とすることで、製造が容易であり、発光強度の温度特性が良好で、色純度の良い赤色蛍光体を提供することができる。

以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。

(実施例1)
酸化マグネシウムと酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸マンガンを、表1の赤色蛍光体の設計組成となるように秤量し、エタノールを加え湿式ボールミルを用いて15時間混合した。その後、エタノール溶媒をエバポレーターを用いて除去し、混合粉末を得た。得られた混合粉末をアルミナ製のるつぼに入れて、抵抗加熱式の電気炉に仕込み、大気中で、1200℃まで昇温した後、1200℃で9時間保持して、赤色蛍光体焼成物を得た。

得られた赤色蛍光体焼成物を解砕して粒子径が5〜20μmの粉末を分級によって得た後、得られた粉末をアルミナ坩堝に入れて、抵抗加熱式の電気炉に仕込み、大気中で、500℃まで昇温した後、500℃で120時間保持して、本発明の赤色蛍光体を得た。

得られた赤色蛍光体のXRD測定を行い、生成結晶相の同定を行った。その結果を表1に示す。

さらに、得られた赤色蛍光体の蛍光特性を評価するために、蛍光分光光度計(日本分光社製FP−6500)を用いて、励起波長400nmにおける蛍光スペクトルを測定した。得られた蛍光スペクトルから蛍光ピーク波長とその波長における発光強度を導出した。また、輝度の指標になる相対蛍光強度は、市販品のYAG:Ce系蛍光体(化成オプトニクス社製P46Y3)の励起波長450nmによる発光スペクトルの最高強度の値を100%とした場合の蛍光ピーク波長における発光強度の相対値とした。また、発光色の計算はJIS―Z8701に従い行われ、蛍光分光光度計(日本分光社製FP−6500)に備えられている発光色測定及び解析プログラムを用いて、色度座標(x、y)及び主波長を求めた。実施例1に係る赤色蛍光体の蛍光特性の評価結果を表1に示す。

(実施例2〜4、参考例5〜7
表1の赤色蛍光体の設計組成となるように、実施例2〜4、参考例5〜7に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。また、実施例3のXRDパターンを図3に示す。生成結晶相は正方晶MgTiO相に帰属され、生成結晶相は正方晶系の単一相であることが分かる。

表1より、実施例1〜4のように、前記組成式において、xが0<x≦0.3の範囲である赤色蛍光体が、相対蛍光強度及び蛍光強度保持率が特に大きくなることが分かる。また、主波長も645nm以上と良好な色純度を示すことが分かる。

また、図4には、xの値を0.00〜1.00まで変化させた場合の蛍光スペクトルを示す。図4より明らかなように、xの値を増加させることにより、発光ピークは長波長側へシフトしており、xの値により発光色を調整することが可能であることが分かる。

(実施例10〜12、参考例8、9
分級後の熱処理条件を表1の保持時間とした以外は、実施例3と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。また、図5には、参考例8のXRDパターンを示す。図5より明らかなように、熱処理を行わない場合には、赤色蛍光体は、立方晶系MgTiOに帰属され、立方晶の単一相となっていることが分かる。

表1より、実施例3、10〜12のように、熱処理時の保持時間を10時間以上とした場合には、生成結晶相が正方晶となり、相対蛍光強度及び蛍光強度保持率が特に大きくなることが分かる。また、主波長も645nm以上と良好な色純度を示すことが分かる。

(実施例13、14)
分級後の熱処理条件を表1の保持温度とした以外は、実施例3と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、実施例13のように熱処理温度を430℃とした場合には、生成結晶相が立方晶と正方晶との混晶で、比較的に相対蛍光強度が小さくなる。一方、実施例3、14のように、熱処理温度を500℃、570℃とした場合には、生成結晶相が正方晶となり、相対蛍光強度及び蛍光強度保持率が特に大きくなることが分かる。また、主波長も645nm以上と良好な色純度を示すことが分かる。

(実施例16、17、参考例15、18
表1の赤色蛍光体の設計組成となるように、実施例16、17、参考例15、18に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例3と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、実施例16、17のように、前記組成式において、0.002≦y≦0.006の範囲である赤色蛍光体が、相対蛍光強度及び蛍光強度保持率が特に大きくなることが分かる。また、主波長も645nm以上と良好な色純度を示すことが分かる。


(比較例1〜3)
表1の赤色蛍光体の設計組成となるようにとなるように、比較例1〜3に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、比較例1〜3のように、前記組成式において、x=0では、蛍光強度保持率が小さくなることが分かる。また、x>0.60の範囲では、相対蛍光強度及び蛍光強度保持率が小さくなることが分かる。

(比較例4〜8)
分級後の熱処理条件を表1の保持時間とした以外は、比較例1と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を比較例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、前記組成式において、x=0では、熱処理の保持時間を変化させた場合にも、蛍光強度保持率が小さくなることが分かる。

(比較例9、10)
分級後の熱処理条件を表1の保持温度とした以外は、比較例1と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を比較例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、前記組成式において、x=0では、熱処理の保持温度を変化させた場合にも、蛍光強度保持率が小さくなることが分かる。

(比較例11〜13)
表1の赤色蛍光体の設計組成となるように、比較例11〜13に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で赤色蛍光体を得た。得られた赤色蛍光体の生成結晶相、及び蛍光特性を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表1に示す。

表1より、前記組成式において、yが0.008以上では、蛍光強度保持率が小さくなることが分かる。特に、yが0.010以上では、相対蛍光強度および蛍光強度保持率が顕著に小さくなることが分かる。

Claims (3)

  1. 組成式 (Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
    で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006であり
    結晶系が正方晶であり、
    蛍光強度保持率(I 100 /I 25 )が78%以上
    である赤色蛍光体。
  2. 組成式 (Mg1−xZn(Ti1−yMn)O
    で表され、0<x≦0.30.002≦y≦0.006、である組成となるように、マグネシウム源となる物質と、亜鉛源となる物質と、チタン源となる物質と、マンガン源となる物質とを混合し、大気中、若しくは酸素を含んだ雰囲気で1000〜1700℃の温度範囲で焼成することを特徴とする請求項記載の赤色蛍光体の製造方法。
  3. 焼成して得られた焼成物を、さらに、酸素を含む雰囲気下、500℃〜600℃の温度範囲で、10〜200時間、熱処理することを特徴とする請求項記載の赤色蛍光体の製造方法。
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