[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(入退管理システムの構成)
まず、第1実施形態に係る入退管理システム1(以下、単にシステム1ともいう)の全体構成の概要について説明する。図1に示す入退管理システム1は、各セキュリティエリア3の入退口5での通過を管理するシステムとして構成されており、具体的には、複数のセキュリティエリア3にそれぞれ設けられた電気錠50を、各セキュリティエリア3の近傍にて迅速に一括施錠又は一括解錠することが可能なシステムとして構成されている。
図1に示すように、この入退管理システム1には、施設内(施設3の内部)の所定位置(管理部屋内等)において、当該システムの全体的な制御を行い得る管理サーバ(管理装置)10が設けられている。また、施設3内の各セキュリティエリア(管理区域)20には、扉40と、電気錠50と、カードリーダ60と、入退コントローラ70(以下、単にコントローラ70ともいう)とが設けられている。以下、入退管理システム1を構成するこれらのセキュリティエリア20等について詳述する。なお、施設3は、例えば企業や公的機関などの建物などであってもよく、店舗などであってもよい。
また、施設3には、部屋によって構成される管理区域、或いは階全体、或いは棟全体等として構成される管理区域が設けられている。セキュリティエリア20は、このような管理区域として構成され、オフィス、会議室、倉庫、店舗等の様々な用途に用いられるエリアとなっており、1つのフロアとして区切られた構成となっている。なお、以下の説明では、セキュリティエリア20が3つの部屋として構成され、入退口30がこの部屋の出入口(開口部)として構成された例を代表例として説明するが、セキュリティエリア20の構成はこれに限定されないことは勿論である。
本構成では、施設3内に複数のセキュリティエリア20が設けられており、図1では、セキュリティエリア20として、第1セキュリティエリア21、第2セキュリティエリア22、第3セキュリティエリア23が設けられた例を示している。
扉40は、開口部として構成された入退口30(出入口)を開放及び閉塞可能な公知の扉として構成されており、例えば、スライド式、或いは回動式のものとして構成されている。本構成では、扉40が入退口30を閉塞しているときには、セキュリティエリア20への人の入場及びセキュリティエリア20からの人の退場ができないようになっており、扉40が入退口30を閉塞していないときに、入退口30を人が通ることが可能となっている。なお、図1に示す代表例では、第1セキュリティエリア21の入退口31を開閉し得るように扉41が設けられており、第2セキュリティエリア22の入退口32を開閉し得るように扉42が設けられており、第3セキュリティエリア23の入退口33を開閉し得るように扉43が設けられている。
電気錠50は、セキュリティエリア20の入退口30に設けられた扉40を施錠可能及び解錠可能に構成されており、外部から施錠の指示が与えられているときに扉40を施錠し、外部から解錠の指示が与えられているときに扉40を解錠するように機能するものである。この電気錠50は、制御によって解錠状態と施錠状態とが切替可能なものであればよく、様々な公知の電気錠を用いることができる。本構成では、例えば、通電することにより電気錠内部の電磁石が動作されて扉40の施解錠を行う電磁式電気錠等が用いられている。また、各電気錠50は、対応する入退コントローラ70と電気的に接続されており、入退コントローラ70からの電気信号によって制御される構成となっている。具体的には、図1に示すように、第1セキュリティエリア21には扉41を施錠及び開錠可能な構成で電気錠51が設けられており、第2セキュリティエリア22には扉42を施錠及び開錠可能な構成で電気錠52が設けられており、第3セキュリティエリア23には扉43を施錠及び開錠可能な構成で電気錠53が設けられている。また、各電気錠51、52、53は、それぞれに対応する各入退コントローラ71、72、73と電気的に接続されており、入退コントローラ71、72、73のそれぞれからの電気信号によって制御される構成となっている。例えば、電気錠51は、当該電気錠51に対応付けられた入退コントローラ71から開錠の指示を受けているときには開錠状態に切り替わり、入退コントローラ71から施錠の指示を受けているときには施錠状態に切り替わるようになっている。同様に、電気錠52は、当該電気錠52に対応付けられた入退コントローラ72から開錠の指示を受けているときには開錠状態に切り替わり、入退コントローラ72から施錠の指示を受けているときには施錠状態に切り替わるようになっている。また、電気錠53は、当該電気錠53に対応付けられた入退コントローラ73から開錠の指示を受けているときには開錠状態に切り替わり、入退コントローラ73から施錠の指示を受けているときには施錠状態に切り替わるようになっている。
カードリーダ60は、例えば公知のICカードリーダによって構成されている。このカードリーダ60は、利用者が第1種類の記録媒体である運用カード100を当該カードリーダ60に接触又は近接させたときに、この運用カード100から少なくとも利用者の固有ID(第1固有ID)を読み取り、その読み取った当該固有IDを対応する入退コントローラ70に入力するように構成されている。また、カードリーダ60は、利用者が第2種類の記録媒体である特定ICカード200を当該カードリーダ60に接触又は近接させたときに、この特定ICカード200から少なくとも利用者の固有ID(第2固有ID)を読み取り、その読み取った当該固有IDを対応する入退コントローラ70に入力するように構成されている。
各カードリーダ60は、各電気錠50に対応してそれぞれ設けられており、それぞれがセキュリティエリア20の外側の各入退口30付近(例えば、扉40に隣接する位置)に配置され、セキュリティエリア20の外部からの操作(ICカードを翳して読み取らせる操作や操作部61gに対する操作等)が可能となるように構成されている。本構成では、図1に示すように、第1セキュリティエリア21の外部において入退口31付近にカードリーダ61が設けられており、第2セキュリティエリア22の外部において入退口32付近にカードリーダ62が設けられており、第3セキュリティエリア23の外部において入退口33付近にカードリーダ63が設けられている。そして、例えば、第1セキュリティエリア21の入退口31を通って第1セキュリティエリア21内に入ろうとする際には、外側のカードリーダ61で読み取り操作を行うことで当該入退口31に対応する電気錠51の開錠を行うようになっている。また、第2セキュリティエリア22の入退口32を通って第2セキュリティエリア22内に入ろうとする際には、外側のカードリーダ62で読み取り操作を行うことで当該入退口32に対応する電気錠52の開錠を行うようになっている。また、第3セキュリティエリア23の入退口33を通って第3セキュリティエリア23内に入ろうとする際には、外側のカードリーダ63で読み取り操作を行うことで当該入退口33に対応する電気錠53の開錠を行うようになっている。
本構成では、いずれのカードリーダ60も同様の構成となっており、具体的には図3のような外観をなし、アンテナ、表示部、操作部等を備えている。なお、以下ではカードリーダ61を例に挙げて具体的に説明するが、カードリーダ62,63についてもカードリーダ61と同様の構成となっている。
カードリーダ61は、図3のような外観をなし、図4のようなハードウェア構成となっている。このカードリーダ61は、制御部61a、通信処理部61b、表示部61d、スピーカ61e、外部インタフェース61f、操作部61g、メモリ61h等を備えている。制御部61aは、CPU等により構成され、各種情報処理を行うように機能する。通信処理部61bは、制御部61aと協働して後述の非接触通信処理を行うように機能する。表示部61dは、液晶表示器やLED等の公知の表示装置によって構成されており、例えばカードリーダ61によって読み取られた第1固有IDや、当該第1固有IDが個別解錠許可条件を満たすか否かの判断結果等を表示可能に構成されている。スピーカ61eは、公知のスピーカ等によって構成され、アラーム音等の各種音声を発するように機能する。外部インタフェース61fは、入退コントローラ71に対する情報の送信又は入退コントローラ71からの情報を受信するように機能する。操作部61gは、例えば操作ボタンとして構成され、図3に示すようにカードリーダ61の前面部付近に配置され、ユーザが操作部61gを操作したときに、その操作内容に応じた情報が制御部61aに入力されるようになっている。なお、図3では、操作部61gを簡略的に図示しているが、この操作部61gは、複数のボタンや十字キーなどによって構成されていてもよく、タッチパネルなどによって構成されていてもよい。メモリ61hは、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶デバイスによって構成されており、各種情報を記憶するように機能する。
また、通信処理部61bは、図4に示すように、送信部61A、受信部61B等を備えており、送信部61Aは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部61aに接続され、制御部61aより出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ61cに出力されるようになっている。
また、アンテナ61cには、受信部61Bの入力端子が接続されており、アンテナ61cによって受信された電波信号(受信信号)は、受信部61Bに入力されるようになっている。受信部61Bは、例えば、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部等によって構成されており、アンテナ61cによって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化すると共に、復号化部にて復号化し、その復号化された信号を受信データとして制御部61aに出力している。また、アンテナ61cは、例えば図3に示すようにカードリーダ60の前面部付近に配置され、カードリーダ60付近に翳された運用カード100や特定ICカード200との間で電波を送受信するように構成されている。
本構成では、複数の電気錠50にそれぞれ対応して設けられた各カードリーダ60が「読取部」の一例に相当し、第1固有IDが記録された第1種類の運用カード100と、第2固有IDが記録された第2種類の特定ICカード200とを読取可能に構成されている。
運用カード100は、「第1記録媒体」の一例に相当し、アンテナ61cを介して上記通信処理部61bと無線通信を行いうる公知の非接触ICカードとして構成されている。この運用カード100は、例えばRFIDタグとして機能するICチップを内蔵しており、具体的には、図5(A)に示すように、アンテナ100a、電源部100b、復調部100c、制御部100d、メモリ100e、変調部100f、負荷変調部100g、コンデンサ100h等を備えている。そして当該運用カード100を使用する使用者に割り当てられた固有ID(第1固有ID)がメモリ100eに記録された構成をなしている。この運用カード100は、通信処理部61b及びアンテナ61cより送信された搬送波をアンテナ100aを介して受信すると、電源部100bにおいて搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御部100d及びその他の構成要素に供給するように構成されている。
また、運用カード100では、搬送波に重畳されているアンテナ61cからの送信データが復調部100cによって復調され、制御部100dに出力されるようになっている。制御部100dは、動作用電源が供給されて起動すると、リーダ側からの送信データ(アンテナ61cからの送信データ)を受けてメモリ100eに記憶されているデータを読み出している。変調部100fは、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御部100dが出力する応答データによって変調している。更に、アンテナ100aには、負荷変調部100gを構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されており、変調部100fより出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調部100gのスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信されるようになっている。なお、図4、図5(A)では、カードリーダ60及び運用カード100の一例を挙げたが、電磁波を媒介として通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
特定ICカード200は、「第2記録媒体」の一例に相当し、アンテナ61cを介して上記通信処理部61bと無線通信を行いうる公知の非接触ICカードとして構成されている。この特定ICカード200も、ハードウェア構成は運用カード100と同様であり、例えばRFIDタグとして機能するICチップを内蔵しており、具体的には、図5(B)に示すように、アンテナ200a、電源部200b、復調部200c、制御部200d、メモリ200e、変調部200f、負荷変調部200g、コンデンサ200h等を備えている。そして当該特定ICカード200を使用する使用者に割り当てられた固有ID(第2固有ID)がメモリ200eに記録された構成をなしている。この特定ICカード200は、通信処理部61b及びアンテナ61cより送信された搬送波をアンテナ200aを介して受信すると、電源部200bにおいて搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御部200d及びその他の構成要素に供給するように構成されている。
また、特定ICカード200では、搬送波に重畳されているアンテナ61cからの送信データが復調部200cによって復調され、制御部200dに出力されるようになっている。制御部200dは、動作用電源が供給されて起動すると、リーダ側からの送信データ(アンテナ61cからの送信データ)を受けてメモリ200eに記憶されているデータを読み出している。変調部200fは、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御部200dが出力する応答データによって変調している。更に、アンテナ200aには、負荷変調部200gを構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されており、変調部200fより出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調部200gのスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信されるようになっている。なお、図4、図5(B)では、カードリーダ60及び特定ICカード200の一例を挙げたが、電磁波を媒介として通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
各入退コントローラ(コントローラともいう)70は、各入退口30に対応して設けられており、それぞれが対応する電気錠50と通信可能に接続されると共に、対応するカードリーダ60と通信可能に接続されている。例えば入退コントローラ71は、入退口31に対応して設けられており、当該入退口31を開閉する扉41を施錠可能に設けられた電気錠51と通信可能に接続され、当該入退口31付近に設けられたカードリーダ61と通信可能に接続されている。同様に、入退コントローラ72は、入退口32に対応して設けられており、当該入退口32を開閉する扉42を施錠可能に設けられた電気錠52と通信可能に接続され、当該入退口32付近に設けられたカードリーダ62と通信可能に接続されている。また、入退コントローラ73は、入退口33に対応して設けられており、当該入退口33を開閉する扉43を施錠可能に設けられた電気錠53と通信可能に接続され、当該入退口33付近に設けられたカードリーダ63と通信可能に接続されている。
また、いずれの入退コントローラ70も、管理サーバ10と通信可能に接続されている。そして、各入退コントローラ70は、後述する個別解錠許可条件や一括制御許可条件などを管理サーバ10から受信すると共に、それぞれが対応する電気錠50に施錠及び解錠の指示を発信するように電気錠50に対応した情報処理装置として構成されている。また、各入退コントローラ70は、自身以外の他の入退コントローラ70に対して電気錠の施錠又は解錠を指示可能に構成されており、外部(自身以外の他の入退コントローラ70)から電気錠の施錠又は解錠の指示を受けた場合には、その指示に応じて自身に対応する電気錠を施錠又は解錠可能に構成されている。
図2に示すように、各入退コントローラ70はいずれも情報処理装置として構成され、CPU70a、通信部70b、メモリ70c、表示部70dなどを備えている。CPU70aは、様々な演算処理や制御を行うものである。また、通信部70bは、外部装置との間で無線通信又は有線通信を行うための公知の通信インタフェースとして構成されている。また、メモリ70cは、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶デバイスにより構成されている。また、表示部70dは、液晶表示器やLED等の公知の表示装置によって構成されている。本構成では、入退コントローラ71、72、73が同様のハードウェア構成となっており、入退コントローラ71にはCPU71a、通信部71b、メモリ71c、表示部71dが設けられ、入退コントローラ72にはCPU72a、通信部72b、メモリ72c、表示部72dが設けられ、入退コントローラ73にはCPU73a、通信部73b、メモリ73c、表示部73dが設けられている。
各コントローラ70のメモリ70cには、図6に示すように、自身のIPアドレス(即ち、メモリ70cを備える入退コントローラ70のIPアドレス)と、管理サーバ10のIPアドレスと、がシステム情報(1)として記録され、管理サーバ10に接続している他の入退コントローラ70のIPアドレスがシステム情報(2)として記録されている。この構成により、入退コントローラ70は管理サーバ10や他の入退コントローラ70と通信可能に構成されている。また、各入退コントローラ70のメモリ70cには、図6に示すように、各入退コントローラ70に対応するセキュリティエリア20の入室権限のある(通過許可対象である)運用カード100の第1固有IDのリストがシステム情報(3)として記録され、更には、それら第1固有IDと、特定ICカード200の第2固有IDとの紐付け情報がシステム情報(4)として記録されている。また、本構成では、管理サーバ10から入退コントローラ70に対し更新データが送信された場合に、その入退コントローラ70のメモリ70cの内容が、その送信された更新データを反映した内容に更新されるようになっている。
管理サーバ(管理装置)10は、主に当該システム1の全体的な制御を行うように構成されており、上述したように、各入退コントローラ70と通信可能に接続されている。この管理サーバ10は、外部からの情報入力が可能なコンピュータとして構成され、図2に示すように、CPU10a、通信部10b、メモリ10c、表示部10d及び操作部10eを備えた構成となしている。CPU10aは、各種情報処理を行うように構成されており、主に当該管理サーバ10全体の制御を行うように機能している。通信部10bは、外部装置と有線通信又は無線通信を行うための通信インタフェースとして構成されている。メモリ10cは、ROM、RAM、不揮発性メモリ、ハードディスク等の記憶デバイスにより構成されている。表示部10dは、液晶モニタ等の公知の表示装置によって構成され、各種情報(例えば管理サーバ10の動作状態など)を表示可能に構成されている。操作部10eは、キーボードやマウス等の公知の入力デバイスにより構成されている。
(一括解錠時の認証処理)
次に、一括解錠時の認証処理について説明する。
上記のように構成される入退管理システム1において、利用者が電気錠50の一括解錠を行う時の認証処理について図7に示すフローチャートを用いて説明する。本構成では、図7のような認証処理が各入退コントローラ70によって行われるようになっている。なお、以下では、運用カード100を所持するある個人Aが、第1セキュリティエリア21に設けられたカードリーダ61で読み取り操作を行う場合を具体例として説明するが、第2セキュリティエリア22のカードリーダ62や第3セキュリティエリア23のカードリーダ63で読み取り操作を行う場合も同様である。
入退コントローラ71では、所定の開始条件の成立時(例えば電源投入時や所定の外部操作時)に図7の認証処理が開始される。なお、図7では、繰り返し処理を省略しているが、図7の処理において、S16、S8、S5の処理の後には、S1に戻ってS1以降の処理が繰り返されるようになっており、所定の終了条件の成立時(例えば電源オフ時や所定の終了操作が行われた時など)に図7の処理が終了するようになっている。
図7の処理では、まず、カードリーダ61によって運用カード100の操作が検出されたか否かを確認する(S1)。ここでは、カードリーダ61によって運用カード100の操作が検出されない間はS1の処理を繰り返す待機状態となり、カードリーダ61によって運用カード100の操作が検出され、運用カード100の読み取りがなされた場合には、カードリーダ61が読み取った運用カード100のデータを取得する(S2)。
S2にてカードリーダ61が読み取った運用カード100のデータ(第1固有ID等)を取得した後には、その取得した運用カード100のデータ(第1固有ID等)に基づいて、その運用カード100が許可対象者のカードであるか否かを判断する(S3)。
本構成では、図9のように、第1セキュリティエリア21への入場を許可すべき許可者のリストとして、複数の第1固有IDがメモリ71cに記憶されている。そして、S2で取得された第1固有IDがメモリ71cに登録されたリストに含まれる場合、許可者と判断してS3にてYesに進む。一方、そして、S2で取得された第1固有IDがメモリ71cに登録されたリストに含まれない場合、許可者ではないと判断してS3にてNoに進む。図9の例では、例えば、第1セキュリティエリア21への入場を許可すべき許可者として「愛知太郎」が登録され、この愛知太郎に割り当てられた運用カード100に記録される第1固有ID(「4835155」というデータ)がメモリ71cに登録されている。従って、例えば愛知太郎が、「4835155」という第1固有IDが記録された運用カード100を操作し、この第1固有IDがS1、S2で取得された場合には、許可者として判定され、S3にてYesに進むことになる。
なお、メモリ71cに登録される各第1固有IDは、「個別解錠許可条件」に相当するものであり、電気錠51の個別の解錠を許可する複数の固有情報を特定するデータに相当する。また、メモリ71cは、第1登録部に相当し、このようなデータを個別解錠許可条件として登録する機能を有する。また、メモリ72c、73cにも図9と同様のデータが登録されており、メモリ72cに登録される各第1固有IDも「個別解錠許可条件」に相当し、電気錠52の個別の解錠を許可する複数の固有情報を特定するデータに相当する。そして、メモリ72cも第1登録部に相当し、このようなデータを個別解錠許可条件として登録する機能を有する。同様に、メモリ73cに登録される各第1固有IDも「個別解錠許可条件」に相当し、電気錠53の個別の解錠を許可する複数の固有情報を特定するデータに相当する。そして、メモリ73cも第1登録部に相当し、このようなデータを個別解錠許可条件として登録する機能を有する。
このように、図7の処理では、S2で読み取った第1固有IDに基づいて認証処理を行い、当該第1固有IDが通過許可対象であるか否か、即ち、第1固有IDがメモリ71cに登録された個別解錠許可条件を満たすか否か判断する(S3)。そして、S2で読み取った第1固有IDがメモリ71cに登録された第1固有ID(個別解錠許可条件のデータ)と一致しない場合にはS3にてNoに進む。この場合、S2で読み取った第1固有IDをメモリ71cに記録させ、入室履歴(入室が拒否された者の履歴)として登録する(S4)。そして、S5で、表示部71dに入室不許可である旨を表示し、電気錠51の施錠状態を保持して、認証処理を終了する。
一方、S2で読み取った第1固有IDがメモリ71cに登録された第1固有ID(個別解錠許可条件のデータ)と一致する場合にはS3にてYesに進み、その第1固有IDで特定される個人Aが特定ICカード200の保持者か否かを判断する(S6)。このS6の処理では、S2で読み取られた第1固有IDが、第2固有IDと対応付けられて一括制御許可条件としてメモリ71cに登録されているか否か判断する。本構成では、図9のように、メモリ70cにおいて、第2固有IDと対応付けられた第1固有IDと、第2固有IDと対応付けられていない第1固有IDとが記憶されており、第2固有IDと対応付けられた第1固有IDによって特定される者は特定ICカード200の保持者に該当する。一方、第2固有IDと対応付けられていない第1固有IDによって特定される者は特定ICカード200の非保持者に該当する。S6の処理では、メモリ71cにおいてS2で読み取られた第1固有IDに第2固有ID(特定ICカード200の固有ID)が対応付けられているか否かを判断し、対応付けられていない場合にはNoに進む。この場合、S2で読み取った第1固有IDをメモリ71cに記録させ、入室履歴(入室を許可した者の履歴)として登録する(S7)。そして、S8では、表示部71dに入室許可である旨を表示し、電気錠51を解錠して、認証処理を終了する。
一方、S6の処理において、S2で読み取られた第1固有IDと第2固有ID(特定ICカード200の固有ID)とが対応付けられてメモリ71cに登録されていると判断される場合にはYesに進む。この場合、カードリーダ61により特定ICカード200の読み取り処理を行うことになる(S9〜S12)。S6でYesに進む場合、少なくとも第1固有IDの読み取り後の一定期間、一括制御許可条件に該当する第2固有ID(即ち、S2で読み取られた第1固有IDに対応する第2固有ID)がカードリーダ61によって読み取られたか否かを確認することになる。
具体的には、S6でYesに進む場合、まずNを0に初期化する(S9)。このNの値は、S9の処理後の所定時間内に特定ICカード200の検出が失敗した回数を示すものである。S9の処理の後には、Nの現在値が予め設定してある上限回数の設定値を上回ったか否か判断する(S10)。Nの値が設定値を上回ったと判断された場合には、S10にてYesに進み、S2で読み取られた第1固有IDをメモリ71cに記録させ、入室履歴(入室を許可した者の履歴)として登録する(S7)。そして、S8で、表示部71dに入室許可である旨を表示し、電気錠51を解錠して、認証処理を終了する。
S10の判断処理において、Nが設定値(上記上限回数)以下であると判断された場合には(S10でNo)、カードリーダ61によって特定ICカード200が検出されたか否か判断する(S11)。S11において特定ICカード200が検出されていないと判断された場合には、S11にてNoに進み、現在のNの値に1を加え(即ち、Nをインクリメント)、S10の処理に戻り、S10以降の処理を繰り返す。このように、本構成では、S6でYesに進んだ後、カードリーダ61が特定ICカード200を検出するまでの間、又はNの値が設定値(上限回数)を上回るまでの間、S10〜S12の判定処理を繰り返す。一方、S11の処理において、特定ICカード200が検出されたと判断された場合、S11でYesに進み、S13以降の処理を行う。
S13では、S11で検出と判断された特定ICカード200に記録された第2固有IDを取得する。そして、S14では、S13で読み取りを行った特定ICカード200が、S2で読み取りを行った運用カード100と紐付けがあるか否か判断する(S14)。具体的には、S13で取得された特定ICカード200の第2固有IDとS2で取得された第1固有IDとが対応付けられてメモリ71cに登録されているか否かを判断する。特定ICカード200と運用カード100との紐付けがない場合、即ち、S11で検出と判断された特定ICカード200の固有IDがメモリ71cに登録されていない場合や、特定ICカード200の固有IDと対応付けられている第1固有IDがS2で取得した第1固有IDと異なる場合には、S14にてNoに進み、S6でNoに進む場合やS10でYesに進む場合と同様の処理(S7、S8の処理)を行う。
一方、S14で、特定ICカード200が、運用カード100と紐付けがあると判断した場合、即ち、S11で検出と判断された特定ICカード200の第2固有IDと、S2で取得した第1固有IDとが対応付けられてメモリ71cに登録されている場合には、S14にてYesに進む。そして、S14にてYesに進む場合には、入退コントローラ71が、他の入退コントローラ72,73へ解錠指示信号を送信する(S15)。S15において入退コントローラ71から他の入退コントローラ72及び入退コントローラ73に解錠指示信号が送信された場合、これを受信した他の入退コントローラ72,73は、それぞれ対応する電気錠52及び電気錠53を解錠する。なお、入退コントローラ71は、S15の処理において、他の入退コントローラ72,73へ解錠指示信号を送信すると共に、自身に対応付けられた電気錠51の解錠も行う。このようにS15で一括解錠処理を行った後には、S16の処理を行い、S2で取得された運用カード100の第1固有IDとS13で取得された特定ICカード200の第2固有IDとを対応付けたデータを入室履歴(一括解錠処理によって入室した者の履歴)としてメモリ71cに記録し、認証処理を終了する。
本構成では、複数の電気錠50にそれぞれ対応し且つ複数のカードリーダ60(読取部)にそれぞれ対応して設けられた複数のコントローラ70(入退コントローラ71、入退コントローラ72及び入退コントローラ73)が一括制御部80を構成している。この一括制御部80は、複数のカードリーダ60のいずれかによって読み取られた第2固有IDが入退コントローラ70のメモリ70cに登録された一括制御許可条件を満たす場合に一括施錠又は一括解錠を行うように機能する。より具体的には、いずれかのカードリーダ60(読取部)によって運用カード100(第1記録媒体)の第1固有ID(第1固有情報)及び特定ICカード200(第2記録媒体)の第2固有ID(第2固有情報)が読み取られ、それら読み取られた第1固有IDと第2固有IDとの対応関係がメモリ70c(第2登録部)に登録された一括制御許可条件(図6に示すシステム情報(4)であり、図9のような、第1固有IDと対応する第2固有IDとの組み合わせのリスト)を満たす場合に、複数の電気錠50の全てに対して後述の一括施錠又は上述の一括解錠を行うように制御可能に構成されている。
また、各入退コントローラ70(具体的には各入退コントローラのCPU)は、「個別解錠制御部」の一例に相当し、カードリーダ60によって読み取られた第1固有IDが自身のメモリ70cに登録された個別解錠許可条件(図6に示すシステム情報(3)であり、図9のような第1固有IDのリスト)を満たす場合に、その読み取ったカードリーダ60に対応する電気錠50を解錠するように機能する。例えば、入退コントローラ71は、カードリーダ61によって読み取られた第1固有IDが自身のメモリ71cに登録された個別解錠許可条件を満たす場合(即ち、メモリ71cに記憶された第1固有IDのリストに含まれる場合)に、その読み取ったカードリーダ61に対応する電気錠51を解錠するように機能する。また、入退コントローラ72、73も同様の機能を有し、同様に、「個別解錠制御部」として機能する。
また、メモリ70cは、「第2登録部」の一例に相当し、複数の電気錠50の一括制御を許可する固有情報を特定するデータを一括制御許可条件として登録するように機能する。例えば、メモリ71cには、図9のように、複数の電気錠50の一括制御を許可する固有情報を特定するデータ(第1固有情報と第2固有情報とを対応付けた複数の組み合わせデータ)を一括制御許可条件として登録している。また、他のメモリ72cやメモリ73cでも同様のデータが登録され、同様に第2登録部として機能している。
また、メモリ70cは、「履歴記憶部」の一例に相当し、カードリーダ60によって第1固有IDが読み取られ、且つ当該カードリーダ60によって読み取られた第2固有IDが一括制御許可条件を満たさない場合に、カードリーダ60によって読み取られた第1固有IDを記憶するように機能する。例えば、メモリ71cは、カードリーダ61によって第1固有IDが読み取られ、且つ当該カードリーダ61によって読み取られた第2固有IDが一括制御許可条件を満たさない場合(即ち、S2で得られた第1固有IDとS13で得られた第2固有IDとがメモリ71cに登録されておらず、S14でNoに進む場合)、カードリーダ60によって読み取られた第1固有IDを記憶するように機能する。また、他のメモリ72c、73cも同様の機能を有し、同様に履歴記憶部として機能している。
また、S15の処理と同時に、各入退コントローラ70のCPU71a,72a,73aは、一括解錠が行われた旨を外部に知らせるために報知処理を行う。この報知処理としては、例えば、各入退コントローラ70にてアラーム(警報音)を発するような処理が挙げられる。この場合、CPU71a,72a,73a及び各入退コントローラ70に設けられた図示しないブザーやスピーカ等が「報知部」の一例に相当し、一括制御部80が一括解錠を行う場合に所定の報知を行うように機能する。なお、報知処理の例はこれに限られず、例えば、各入退コントローラ70の表示部71d、72d、73dにて一括解錠が行われた旨のメッセージを表示するような処理でもよい。或いは、各入退コントローラ70から外部装置(管理サーバ10やその他の外部装置)に一括解錠が行われた旨の情報を送信するような処理であってもよい。
また、本構成では、図7のS15において一括制御部80により一括解錠が行われた場合、いずれかのカードリーダ60で、特定ICカード200の読み取りが行われない限り、その一括解錠状態を予め設定された一定時間が経過するまで維持するようになっている。例えば、各入退コントローラ70は、S15にて一括解錠処理が行われてから予め決められた時間(例えば数分)は対応する電気錠50を解錠状態で維持し、その時間が経過した後には全ての電気錠50を施錠状態に復帰させるようにしてもよい。
また、一括制御部80は、S15にて一括解錠の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、一括施錠の制御を行う構成であってもよい。即ち、このような第2固有IDが記録された特定ICカード200がカードリーダ60によって読み取られた場合に、そのカードリーダ60に接続された対応する入退コントローラ70から他のコントローラ70に一括施錠の指示を送信し、全てのコントローラ70が各々に対応する電気錠50を施錠するように制御を行ってもよい。この場合、一括施錠のトリガとなる上記第2固有IDは、S15にて一括解錠のトリガとなった第2固有IDと同一のものとしてもよく、別のID(その読み取りを行ったカードリーダ60に対応する入退コントローラ70のメモリ70cに登録されている第2固有ID)としてもよい。また、一括施錠のトリガとなる第2固有IDを読み取るカードリーダ60は、S15で一括解錠の指示を発した入退コントローラ70に対応するカードリーダ60のみを候補としてもよく、全てのカードリーダ60を候補としてもよい。
或いは、一括制御部80は、S15にて一括解錠の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、一括解錠の状態を解除する構成であってもよい。即ち、このような第2固有IDが記録された特定ICカード200がカードリーダ60によって読み取られた場合に、そのカードリーダ60に接続された対応する入退コントローラ70から他のコントローラ70に一括解錠の解除指示を送信するようにしてもよい。この場合、その解除指示を送信したコントローラ及び解除指示を受けたコントローラ70は、対応する電気錠50の即時の施錠(上述の一括施錠の制御)を行う構成であってもよく、通常の解錠時(即ち、S7、S8での個別解錠時)と同様の制御(例えば、所定の短時間が経過した後、自動的に施錠する制御)を行う構成であってもよい。この場合、一括解錠を解除するトリガとなる上記第2固有IDは、S15にて一括解錠のトリガとなった第2固有IDと同一のものとしてもよく、別のID(その読み取りを行ったカードリーダ60に対応する入退コントローラ70のメモリ70cに登録されている第2固有ID)としてもよい。また、一括解錠を解除するトリガとなる第2固有IDを読み取るカードリーダ60は、S15で一括解錠の指示を発した入退コントローラ70に対応するカードリーダ60のみを候補としてもよく、全てのカードリーダ60を候補としてもよい。
(一括施錠時の認証処理)
次に、入退管理システム1において、利用者が電気錠50の一括施錠を行う時の認証処理について図8に示すフローチャートを用いて説明する。本構成では、図8のような認証処理が各入退コントローラ70によって行われるようになっている。なお、以下では、特定ICカード200を所持するある個人Aが、第1セキュリティエリア21に設けられたカードリーダ61で読み取り操作を行う場合を具体例として説明するが、第2セキュリティエリア22のカードリーダ62や第3セキュリティエリア23のカードリーダ63で読み取り操作を行う場合も同様である。
入退コントローラ71では、所定の開始条件の成立時(例えば電源投入時や所定の外部操作時)に図8の認証処理が開始される。なお、図8では、繰り返し処理を省略しているが、図8の処理において、S33、S27、S24の処理の後には、S21に戻ってS21以降の処理が繰り返されるようになっており、所定の終了条件の成立時(例えば電源オフ時や所定の終了操作が行われた時など)に図8の処理が終了するようになっている。
図8の処理では、まず、カードリーダ61によって特定ICカード200の操作が検出されたか否かを確認する(S21)。ここでは、カードリーダ61によって特定ICカード200の操作が検出されない間はS21の処理を繰り返す待機状態となり、カードリーダ61によって特定ICカード200の操作が検出され、特定ICカード200の読み取りがなされた場合には、カードリーダ61が読み取った特定ICカード200のデータを取得する(S22)。
S22にてカードリーダ61が読み取った特定ICカード200のデータ(第2固有ID等)を取得した後には、その取得した特定ICカード200のデータ(第2固有ID等)に基づいて、その特定ICカード200が許可対象者のカードであるか否かを判断する(S23)。
本構成では、上述したように第1セキュリティエリア21への入場を許可すべき許可者のリストとして、複数の第1固有IDがメモリ71cに記憶されており、その中の特定の第1固有IDと対応付けて第2固有IDが記憶されている。S23の処理では、S22で取得された第2固有IDがメモリ71cに登録されたリストに含まれるか否かを判断し、含まれている場合にはYesに進む。一方、そして、S22で取得された第2固有IDがメモリ71cに登録されたリストに含まれない場合、S23ではNoに進む。図9の例では、例えば、第1セキュリティエリア21への入場を許可すべき許可者として「愛知太郎」が登録され、この愛知太郎に割り当てられた第1固有ID(「4835155」というデータ)と対応付けて、第2固有ID(「6646888」というデータ)がメモリ71cに登録されている。従って、例えば愛知太郎が、「6646888」という第2固有IDが記録された特定ICカード200を操作し、この第2固有IDがS21、S22で取得された場合には、S23にてYesに進むことになる。
このように、図8の処理では、S22で読み取った第2固有IDに基づいて認証処理を行い、第2固有IDがメモリ71cに登録された一括施錠許可条件を満たすか否か判断する(S23)。そして、S22で読み取った第2固有IDがメモリ71cに登録された第2固有IDと一致しない場合にはS23にてNoに進む。この場合、S22で読み取った第2固有IDをメモリ71cに記録させ、入室履歴(一括施錠が拒否された者の履歴)として登録する(S24)。そして、例えば表示部71dにより、一括施錠が不許可である旨を表示し、認証処理を終了する。この場合、各電気錠50は特に新たな制御がなされないことになる。
一方、S22で読み取った第2固有IDがメモリ71cに登録された第2固有IDと一致する場合にはS23にてYesに進む。この場合、カードリーダ61により運用カード100の読み取り処理を行うことになる(S25、S26、S28、S29)。S23でYesに進む場合、少なくとも第2固有IDの読み取り後の一定期間、一括制御許可条件に該当する第1固有ID(即ち、S22で読み取られた第2固有IDに対応する第1固有ID)がカードリーダ61によって読み取られたか否かを確認することになる。
具体的には、S23でYesに進む場合、まずNを0に初期化する(S25)。このNの値は、S25の処理後の所定時間内に運用カード100の検出が失敗した回数を示すものである。S25の処理の後には、Nの現在値が予め設定してある上限回数の設定値を上回ったか否か判断する(S26)。Nの値が設定値を上回ったと判断された場合には、S26にてYesに進み、S22で読み取られた第2固有IDをメモリ71cに記録させ、入室履歴(一括施錠が拒否された者の履歴)として登録する(S27)。そして、例えば表示部71dに一括施錠が不許可である旨を表示し、認証処理を終了する。この場合、各電気錠50は特に新たな制御がなされないことになる。
S28の判断処理において、Nが設定値(上記上限回数)以下であると判断された場合には(S26でNo)、カードリーダ61によって運用カード100が検出されたか否か判断する(S28)。S28において運用カード100が検出されていないと判断された場合には、S28にてNoに進み、現在のNの値に1を加え(即ち、Nをインクリメント)、S26の処理に戻り、S26以降の処理を繰り返す。このように、本構成では、S23でYesに進んだ後、カードリーダ61が運用カード100を検出するまでの間、又はNの値が設定値(上限回数)を上回るまでの間、S26、S28、S29の判定処理を繰り返す。一方、S28の処理において、運用カード100が検出されたと判断された場合、S28でYesに進み、S30以降の処理を行う。
S30では、S28で検出と判断された運用カード100に記録された第1固有IDを取得する。そして、S31では、S30で読み取りを行った運用カード100が、S22で読み取りを行った特定ICカード200と紐付けがあるか否か判断する(S31)。具体的には、S30で取得された運用カード100の第1固有IDとS22で取得された第2固有IDとが対応付けられてメモリ71cに登録されているか否かを判断する。特定ICカード200と運用カード100との紐付けがない場合、即ち、S28で検出と判断された運用カード100の固有IDがメモリ71cに登録されていない場合や、運用カード100の固有IDと対応付けられている第2固有IDがS22で取得した第2固有IDと異なる場合には、S31にてNoに進み、S26でYesに進む場合と同様の処理(S27)を行う。
一方、S31で、特定ICカード200が、運用カード100と紐付けがあると判断した場合、即ち、S28で検出と判断された運用カード100の第1固有IDと、S22で取得した第2固有IDとが対応付けられてメモリ71cに登録されている場合には、S31にてYesに進む。そして、S31にてYesに進む場合には、入退コントローラ71が、他の入退コントローラ72,73へ施錠指示信号を送信する(S32)。S32において入退コントローラ71から他の入退コントローラ72及び入退コントローラ73に施錠指示信号が送信された場合、これを受信した他の入退コントローラ72,73は、それぞれ対応する電気錠52及び電気錠53を施錠する。なお、入退コントローラ71は、S32の処理において、他の入退コントローラ72,73へ施錠指示信号を送信すると共に、自身に対応付けられた電気錠51の施錠も行う。このようにS32で一括施錠処理を行った後には、S33の処理を行い、S22で取得された特定ICカード200の第2固有IDとS30で取得された運用カード100の第1固有IDとを対応付けたデータを入室履歴(一括施錠処理を行った者の履歴)としてメモリ71cに記録し、認証処理を終了する。
また、S32の処理と同時に、各入退コントローラ70のCPU71a,72a,73aは、一括施錠が行われた旨を外部に知らせるために報知処理を行う。この報知処理としては、例えば、各入退コントローラ70にてアラーム(警報音)を発するような処理が挙げられる。この場合も、CPU71a,72a,73a及び各入退コントローラ70に設けられた図示しないブザーやスピーカ等が「報知部」の一例に相当し、一括制御部80が一括施錠を行う場合に所定の報知を行うように機能する。なお、報知処理の例はこれに限られず、例えば、各入退コントローラ70の表示部71d、72d、73dにて一括解錠が行われた旨のメッセージを表示するような処理でもよい。或いは、各入退コントローラ70から外部装置(管理サーバ10やその他の外部装置)に一括施錠が行われた旨の情報を送信するような処理であってもよい。
また、本構成では、図8のS32において一括制御部80により一括施錠が行われた場合、いずれかのカードリーダ60で、特定ICカード200の読み取りが行われない限り、その一括施錠状態を予め設定された一定時間が経過するまで維持するようになっている。例えば、各入退コントローラ70は、S32にて一括施錠処理が行われてから予め決められた時間(例えば数分)は対応する電気錠50を施錠状態で維持し、その時間が経過した後には全ての電気錠50を解錠状態又は通常状態(運用カード100の受け付けを許可する状態)に制御するようにしてもよい。また、本構成の一括制御部80では、S32にて一括施錠を行った後、所定の一括施錠解除条件を満たすまで(例えば、上述の一定時間が経過するまで、或いは後述するように特定ICカード200の新たな読み取りがなされるまで)の間、いずれかのカードリーダ60によって個別解錠許可条件を満たす第1固有情報が読み取られた場合(即ち、いずれかのカードリーダ60によってメモリ70cに登録された第1固有IDが記録された運用カード100が読み取られた場合)、個別解錠制御部による解錠制御(即ち、運用カード100を読み取ったカードリーダ60に対応する入退コントローラ70での電気錠50の解錠制御)を停止して一括施錠の状態を維持するようになっている。
また、一括制御部80は、S32にて一括施錠の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、一括解錠の制御を行う構成であってもよい。即ち、このような第2固有IDが記録された特定ICカード200がカードリーダ60によって読み取られた場合に、そのカードリーダ60に接続された対応する入退コントローラ70から他のコントローラ70に一括解錠の指示を送信し、全てのコントローラ70が各々に対応する電気錠50を解錠するように制御を行ってもよい。この場合、一括解錠のトリガとなる上記第2固有IDは、S32にて一括施錠のトリガとなった第2固有IDと同一のものとしてもよく、別のID(その読み取りを行ったカードリーダ60に対応する入退コントローラ70のメモリ70cに登録されている第2固有ID)としてもよい。また、一括解錠のトリガとなる第2固有IDを読み取るカードリーダ60は、S32で一括施錠の指示を発した入退コントローラ70に対応するカードリーダ60のみを候補としてもよく、全てのカードリーダ60を候補としてもよい。
或いは、一括制御部80は、S32にて一括施錠の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、一括施錠の状態を解除する構成であってもよい。即ち、このような第2固有IDが記録された特定ICカード200がカードリーダ60によって読み取られた場合に、そのカードリーダ60に接続された対応する入退コントローラ70から他のコントローラ70に一括施錠の解除指示を送信するようにしてもよい。この場合、その解除指示を送信したコントローラ及び解除指示を受けたコントローラ70は、対応する電気錠50の即時の解錠(上述の一括解錠の制御)を行う構成であってもよく、通常の施錠時と同様の制御(即ち、運用カード100が読み取られた場合に対応する電気錠50の解錠を行う制御)を行う構成であってもよい。この場合、一括施錠を解除するトリガとなる上記第2固有IDは、S32にて一括施錠のトリガとなった第2固有IDと同一のものとしてもよく、別のID(その読み取りを行ったカードリーダ60に対応する入退コントローラ70のメモリ70cに登録されている第2固有ID)としてもよい。また、一括施錠を解除するトリガとなる第2固有IDを読み取るカードリーダ60は、S32で一括施錠の指示を発した入退コントローラ70に対応するカードリーダ60のみを候補としてもよく、全てのカードリーダ60を候補としてもよい。
以上の通り、本構成では、複数の電気錠50の一括制御を許可する固有情報を特定するデータを一括制御許可条件として登録するメモリ70c(第2登録部)と、複数のカードリーダ60(読取部)のいずれかによって読み取られた第2固有ID(第2固有情報)がメモリ70cに登録された一括制御許可条件を満たす場合に、複数の電気錠50の全てに対して一括施錠又は一括解錠を行うように制御する一括制御部80とを備える構成となっている。
この構成では、各セキュリティエリア20(管理区域)の現場にて特定ICカード200(メモリ70cに登録された第2固有IDが記録された第2記録媒体)をカードリーダ60に読み取らせることにより、複数のセキュリティエリア20の全てを一括施錠又は一括解錠することができる。従って、特定ICカード200を所持する者がセキュリティエリア20又はその近くにいるときにはより迅速な一括施錠又は一括解錠が可能となる。
例えば、災害の発生時等において各セキュリティエリア20に滞在している者の避難経路を迅速に確保したい場合には、第2固有IDが記録された特定ICカード200を操作することによって、人手を割くことなく迅速かつ省力的に所望のセキュリティエリア20の電気錠50を一括して解錠することができる。また、犯罪発生時等において、各セキュリティエリア20の状態を現状保存しておきたい場合にも、特定ICカード200を操作することによって、複数の電気錠50を迅速に一括施錠することができる。
特に、制御すべき電気錠50の数が多く、セキュリティエリア20が広範囲に亘って存在する施設では、所望のセキュリティエリア20を一括して施錠又は解錠することで、人手を大幅に削減してより迅速に対応することが可能となる。
また、メモリ70c(第2登録部)は、いずれかの運用カード100(第1記録媒体)の第1固有ID(第1固有情報)と、いずれかの特定ICカード200(第2記録媒体)の第2固有ID(第2固有情報)とを対応付けて一括制御許可条件として登録している。そして、一括制御部80は、いずれかのカードリーダ60(読取部)によって運用カード100の第1固有ID及び特定ICカード200の第2固有IDが読み取られ、それら読み取られた第1固有IDと第2固有IDとの対応関係がメモリ70cに登録された一括制御許可条件を満たす場合に一括施錠又は一括解錠を行うように制御する構成となっている。
この構成では、第1固有IDが記録された運用カード100と、当該第1固有IDと対応付けられた第2固有IDが記録された特定ICカード200とを所持していないと一括施錠又は一括解錠を行うことができないため、権限の無い者が何らかの方法で特定ICカード200を入手して使用するような不正使用のケースにおいて一括施錠又は一括解錠を行わないようにすることができる。
また、図7を参照して説明したように、個別解錠制御部は、カードリーダ60によって第1固有IDが読み取られた場合において当該第1固有IDが個別解錠許可条件を満たす場合、その読み取ったカードリーダ60に対応する電気錠50を解錠する制御を行うように構成されている。そして、図7のように、一括制御部80は、カードリーダ60によって第1固有IDが読み取られた場合において当該第1固有IDが一括制御許可条件の対象である場合(即ち、S6でYesに進む場合)、少なくとも当該第1固有IDの読み取り後の一定期間、当該一括制御許可条件に該当する第2固有IDが当該カードリーダ60によって読み取られたか否かを確認し、当該一括制御許可条件に該当する第2固有IDがそのカードリーダ60によって読み取られた場合(即ち、S11にてYesに進む場合)に一括解錠を行うように制御するようになっている。
この構成では、運用カード100を所持していれば通常の個別解錠を支障なく行うことができる。また、運用カード100の読み取り後に特定ICカード200を確認するようにしているため、権限を有する者は運用カード100に続けて特定ICカード200を読み取らせさえずれば両記録媒体の対応関係を装置側に認識させて円滑に一括解錠を行うことができる。
また、本構成では、一括解錠の場合には図7のように先に運用カード100を確認し、一括施錠の場合には図8のように先に特定ICカード200を確認しているため、操作の順序によって一括解錠と一括施錠を使い分けることができる。
また、本構成では、それぞれのセキュリティエリア20毎に報知部が設けられている。そして、報知部は、一括制御部80が一括施錠又は一括解錠を行う場合に所定の報知を行うように構成されている。この構成では、一括施錠又は一括解錠が行われた場合にその旨を外部に知らしめることができ、その報知を受けた者は一括施錠又は一括解錠に応じた対応をとりやすくなる。一括施錠又は一括解錠に応じた対応は様々に考えられ、例えば、一括施錠時や一括解錠時の対応マニュアルが定められた環境では、一括施錠又は一括解錠がなされたことを迅速に把握してマニュアルに従った対応をとりやすくなる。
また、本構成では、カードリーダ60によって第1固有IDが読み取られ、且つ当該カードリーダ60によって読み取られた第2固有IDが一括制御許可条件を満たさない場合に、そのカードリーダ60によって読み取られた第1固有IDを記憶する履歴記憶部を有する構成となっている。
この構成では、第2固有IDが一括制御許可条件を満たさない場合に関連して読み取られた第1固有IDを履歴として残しておくことができるため、不正操作や誤った操作が行われた場合に真相究明や原因究明などを行いやすくなる。
また、一括制御部80は、複数の電気錠50にそれぞれ対応し且つ複数のカードリーダ60にそれぞれ対応して設けられた複数のコントローラ70を備える構成となっている。そして、複数のカードリーダ60のいずれかによって特定ICカード200が読み取られた場合、その読み取りを行ったカードリーダ60に対応するコントローラ70は、当該特定ICカード200の第2固有IDがメモリ70cに登録された一括制御許可条件を満たす場合に、当該コントローラ70以外の他のコントローラ70に対して施錠又は解錠を指示し、それらの他のコントローラ70は、対応する電気錠50を、その指示に応じて施錠又は解錠するようになっている。
この構成では、特定ICカード200の読み取りを行ったカードリーダ60に対応するコントローラ70から他のコントローラ70に直接的に一括施錠又は一括解錠の指示を発することができるため、一括制御許可条件の成立から他のコントローラ70による実際の施錠制御又は解錠制御までの時間を極力短くすることができ、迅速な一括制御が可能となる。
なお、システムを管理するサーバなどを一旦経由して当該サーバから他のコントローラに上記指示を出力することも考えられるが、このように構成すると、サーバが故障などによってダウンしたときに他のコントローラに上記指示(一括施錠又は一括解錠の指示)を出力できなくなる懸念がある。これに対し、本構成では、このような懸念がなく、上記指示(一括施錠又は一括解錠の指示)をより確実に他のコントローラへ出力することができる。
また、一括制御部80は、一括施錠又は一括解錠を行った場合に、その一括施錠状態又は一括解錠状態を予め設定された一定時間が経過するまで維持する構成となっている。
この構成では、設定された一定時間が経過するまで一括施錠状態又は一括解錠状態が維持されるため、少なくとも一定時間の間は一括施錠又は一括解錠の効果を確実なものにすることができる。また、設定によって一括施錠又は一括解錠を維持する時間を定めることができるため、使用環境に合わせた所望の設定時間で一括施錠又は一括解錠を行うことができる。
また、一括制御部80は、複数のカードリーダ60のいずれかによって読み取られた第2固有IDが一括制御許可条件を満たす場合に一括施錠を行う構成であり、更に、一括施錠を行った後、所定の一括施錠解除条件を満たすまでの間、いずれかのカードリーダ60によって個別解錠許可条件を満たす第1固有IDが読み取られた場合、個別解錠制御部による解錠制御を停止して一括施錠の状態を維持する構成となっている。
この構成では、一括施錠が行われた後、一括施錠解除条件を満たすまでの間は、個別の解錠操作を排除して一括施錠状態を確実に維持することができ、例えば管理区域の現状保存等を行う場合などにおいてより有利になる。
また、一括制御部80は、一括施錠又は一括解錠のいずれか一方の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、上記一方の制御とは逆の他方の制御を行うように構成されている。
この構成では、例えば一括施錠を行った後、特定ICカード200の操作によって一括解錠を行うことが可能となり、一括施錠を行った後、何らかの理由によって一括解錠状態にしたい場合(例えば、犯罪などの発生時に一括施錠状態にした後、しばらくして一括解錠状態に戻したい場合など)において作業負担を抑えて迅速に対応することができる。或いは、一括解錠を行った後、特定ICカード200の操作によって一括施錠を行うことが可能となり、一括解錠を行った後、何らかの理由によって一括施錠状態にしたい場合(例えば、災害等の非常時に一括解錠状態にした後、しばらくして一括施錠状態に戻したい場合など)において作業負担を抑えて迅速に対応することができる。
或いは、一括制御部80は、一括施錠又は一括解錠のいずれか一方の制御を行った後、更にいずれかのカードリーダ60によって一括制御許可条件を満たす第2固有IDが読み取られた場合に、一方の制御による一括施錠又は一括解錠の状態を解除するように構成されている。この構成では、一括施錠又は一括解錠が行われた後、その制御状態の維持が不要となった場合に作業負担を抑えて迅速に解除することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第1実施形態では、カードリーダ60が、セキュリティエリア20の外側の入退口30付近(例えば、扉40に隣接する位置)に配置され、セキュリティエリア20外からの操作が可能となるような構成を示したが、このカードリーダ又はこれとは別のカードリーダが、入退コントローラ70に接続されつつセキュリティエリア20の内側の入退口30付近(例えば、扉40に隣接する位置)に配置され、セキュリティエリア20内からの操作が可能となるように構成されていてもよい。。この構成によって、セキュリティエリア20の内側においても、カードリーダ60での読み取り操作によって上記一括解錠制御及び一括施錠制御を行うことができる。
なお、上記実施形態では、各セキュリティエリア20においてカードリーダ60と入退コントローラ70とが別々の位置に設けられた構成を例示したが、カードリーダ60と入退コントローラ70とが単一の筐体内に設けられた構成などであってもよく、例えば、入退コントローラ71のCPU71aがカードリーダ60の制御部61aを兼ねるような構成であってもよい。
なお、上記実施形態では、いずれかのコントローラ70において一括解錠条件が成立した場合に、当該コントローラ70を含む全てのコントローラ70において対応する電気錠50の解錠制御を行っていたが、いずれかのコントローラ70において一括解錠条件が成立した場合に、当該コントローラ70と他の特定コントローラ70に対応する電気錠50の解錠制御を行うようにしてもよい。例えば、第1入退コントローラ71において一括解錠条件が成立した場合に、第1入退コントローラ71に対応する電気錠51と、第2入退コントローラ72に対応する電気錠52のみを一括解錠し、第3入退コントローラ73に対応する電気錠53は一括解錠の対象から外すようにしてもよい。また、コントローラ毎に一括解錠の範囲が決められていてもよい。例えば、第1入退コントローラ71において一括解錠条件が成立した場合に、第1入退コントローラ71に対応する電気錠51と、第2入退コントローラ72に対応する電気錠52のみを一括解錠し、第2入退コントローラ72において一括解錠条件が成立した場合に、第1〜第3入退コントローラ71、72、73に対応する電気錠51、52、53を全て一括解錠し、第3入退コントローラ73において一括解錠条件が成立した場合に、第2入退コントローラ72に対応する電気錠52と、第3入退コントローラ73に対応する電気錠53のみを一括解錠するといった具合に、一括解錠の範囲を使い分けてもよい。また、一括施錠の場合も同様であり、いずれかのコントローラ70において一括施錠条件が成立した場合に、当該コントローラ70と他の特定コントローラ70に対応する電気錠50の解錠制御を行うようにしてもよい。例えば、第1入退コントローラ71において一括施錠条件が成立した場合に、第1入退コントローラ71に対応する電気錠51と、第2入退コントローラ72に対応する電気錠52のみを一括施錠し、第2入退コントローラ72において一括施錠条件が成立した場合に、第1〜第3入退コントローラ71、72、73に対応する電気錠51、52、53を全て一括施錠し、第3入退コントローラ73において一括施錠条件が成立した場合に、第2入退コントローラ72に対応する電気錠52と、第3入退コントローラ73に対応する電気錠53のみを一括施錠するといった具合に、一括施錠の範囲を使い分けてもよい。