[第1の実施形態]
以下、本発明のセキュリティシステムを具体化した第1の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態のセキュリティシステムを会社の建物に具体化した概略構成を斜視図により示す。建物1は、玄関2に扉3を備える。建物1は、その内部に複数の部屋4,5,6,7,8を備える。
玄関2の外壁及び内壁には、外部セキュリティ・セット解除装置21が設けられる。扉3には、電気錠22(図4参照)が設けられる。建物1に設けられる複数の窓9のそれぞれには、マグネットセンサ23が設けられる。建物1の内部の各部屋4〜8の天井のそれぞれには、パッシブセンサ24が設けられる。この他、建物1には、防犯カメラ25及び防犯システム26(図4参照)が設けられる。これらの装置・機器21〜26は、本発明の外部セキュリティシステムに係る構成要素である。この実施形態の外部セキュリティシステムは、建物1又は各部屋4〜8への異常侵入を各種検知機器23,24により監視し、その異常侵入を検知したときに建物1の外部の管理者等へ通報するように構成される。ここで、外部セキュリティ・セット解除装置21は、外部セキュリティシステムによる警備(以下、「外部セキュリティシステムによる警備」を「外部セキュリティの警備」と言う。)をセット及び解除するために操作される装置であり、本発明におけるセット操作手段及び解除操作手段に相当する。マグネットセンサ23は、窓9の開閉を検知するためのものであり、本発明における異常侵入を監視するための各種検知機器に相当する。パッシブセンサ24は、部屋4〜8における人の存在を検知するために人体が発する赤外線を検知するものであり、同じく本発明における各種検知機器に相当する。
建物1の各部屋4〜8として、玄関2に続く応接部屋4、通常の業務を行う業務部屋5、社員等の更衣部屋6、重要資料等を保管する資料部屋7及び経理業務を行う経理部屋8が設けられる。
応接部屋4には、客人の貴重品等を保管するためのネットワーク貴重品ロッカー31が設けられる。このロッカー31は、建物1の内部に設定されたローカル・エリア・ネットワーク(LAN)41(図2,3参照)に接続される。
業務部屋5には、複数台のネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク書庫33、オフィス機器としてのファクシミリ34及びコピー機35が設けられる。ネットワークパソコン・デスク32は、パソコンと、そのパソコンが管理するデスクとから構成される。ネットワーク書庫33は、業務資料等を保管するために使用される。これらパソコン・デスク32、書庫33、ファクシミリ34及びコピー機35は、それぞれLAN41(図2,3参照)に接続される。
更衣部屋6の外壁には、社員の出勤及び退勤を記録するためのネットワーク勤怠リーダ36が設けられる。同じく、更衣部屋6には、社員の貴重品等を保管するためのネットワーク貴重品ロッカー31と、社員の衣類等を保管するためのネットワーク更衣ロッカー37が設けられる。勤怠リーダ36、貴重品ロッカー31及び更衣ロッカー37は、それぞれLAN41(図2,3参照)に接続される。
資料部屋7の出入口7aには、入室を管理するためのネットワーク入室リーダ38、退室を管理するためのネットワーク退室リーダ39及び出入口7aの扉10を施錠する電気錠48(図9参照)が設けられる。同じく、資料部屋7には、会社の重要資料を保管するためのネットワーク書庫33と、重要資料に関する電子情報を保管するためのネットワークパソコン・デスク32が設けられる。入室リーダ38、退室リーダ39、書庫33及びパソコン・デスク32は、それぞれLAN41(図2,3参照)に接続される。
経理部屋8の出入口8aには、入室を管理するためのネットワーク入室リーダ38及び出入口8aの扉11を施錠する電気錠48(図9参照)が設けられる。同じく、経理部屋8には、会社の金銭を保管するためのネットワーク金庫40と、経理に関する電子情報等を保管するためのネットワークパソコン・デスク32が設けられる。入室リーダ38、金庫40及びパソコン・デスク32は、それぞれLAN41(図2,3参照)に接続される。
図2に、上記した各種内部機器31〜40の構成を概念図により示す。ネットワーク入室リーダ38は、筐体42の正面に、テンキーよりなる入力装置43、液晶ディスプレイよりなる表示部44及び非接触式のICカードリーダよりなる個人認証装置45を備え、筐体42の内部に、制御装置46及び記憶装置47を備える。個人認証装置45は、入室者が携帯するICカードに記録された本人情報を読み取るために使用される。個人認証装置45は、ICカードから発信される信号を受信するアンテナ(図示略)を有する。個人認証装置45は、ICカードが近付けられることにより、そのカードに記録された本人情報を含む信号をアンテナで受信して本人情報を読み取る。入力装置43は、入室者に関する暗証番号等を入力するために使用される。表示部44は、入力した個人情報や暗証番号、必要なメッセージ等を表示する。制御装置46は、電気錠48(図9参照)に関する解錠及び施錠を制御する。記憶装置47は、制御プログラムや個人認証のための本人情報等を予め記憶する。前述したネットワーク勤怠リーダ36,ネットワーク退室リーダ39及び外部セキュリティ・セット解除装置21の基本構成は、この入室リーダ38のそれに準ずることから説明を省略する。
ネットワーク書庫33は、複数の保管部51aを含むキャビネット51の正面に、タッチパネルディスプレイよりなる表示部52及び入力装置53、非接触式のICカードリーダよりなる個人認証装置54を備え、キャビネット51の内部に、制御装置55及び記憶装置56を備える。個人認証装置54は、この書庫33の使用者が携帯するICカードに記録された本人情報を読み取るために使用され、その基本構成は、上記した入室リーダ38のそれに準ずる。入力装置53は、使用者に関する暗証番号等を入力するために使用される。表示部52は、入力した個人情報や暗証番号、必要なメッセージを表示する。制御装置55は、各保管部51aの電気錠57(図7参照)に関する解錠及び施錠を制御する。記憶装置56は、制御プログラムや個人認証のための本人情報等を予め記憶する。前述したネットワーク金庫40の基本構成は、このネットワーク書庫33のそれに準ずることから説明を省略する。
ネットワーク貴重品ロッカー31は、複数の保管部61aを含むキャビネット61の正面に、タッチパネルディスプレイよりなる表示部62及び入力装置63、非接触式のICカードリーダよりなる個人認証装置64を備え、キャビネット61の内部に、制御装置65及び記憶装置66を備える。個人認証装置64は、このロッカー31の使用者が携帯するICカードに記録された本人情報を読み取るために使用され、その基本構成は、入室リーダ38のそれに準ずる。入力装置63は、使用者に関する暗証番号等を入力するために使用される。表示部62は、入力した個人情報や暗証番号、必要なメッセージを表示する。制御装置65は、保管部61aの電気錠57(図7参照)に関する解錠及び施錠を制御する。記憶装置66は、制御プログラムや個人認証のための本人情報等を予め記憶する。前述したネットワーク更衣ロッカー37の基本構成は、このネットワーク貴重品ロッカー31のそれに準ずることから説明を省略する。
ネットワークパソコン・デスク32は、複数の保管部71aを含むデスク71と、そのデスク71の上に設置されたパソコン72とから構成される。パソコン72は、モニターよりなる表示部73、キーボード及びマウスよりなる入力装置74、非接触式のICカードリーダよりなる個人認証装置75、制御装置76及び記憶装置77を備える。個人認証装置75は、このパソコン・デスク32の使用者が携帯するICカードに記録された本人情報を読み取るために使用され、その基本構成は、入室リーダ38のそれに準ずる。入力装置74は、必要な情報等を入力するために使用される。表示部73は、必要な情報を表示する。制御装置76は、パソコン72を制御すると共に、デスク71の保管部71aの電気錠78(図8参照)に関する解錠及び施錠を制御する。記憶装置77は、パソコン72に関する制御プログラム、デスク71に関する制御プログラム、個人認証のための本人情報等を予め記憶する。
図3に、この実施形態のセキュリティシステムに係る電気的構成をブロック図により示す。このセキュリティシステムは、建物1又は各部屋4〜8への異常侵入を各種検知機器23,24により監視し、その異常侵入を検知したときに建物1の外部の管理者等としての管理センター29へ通報するようにした外部セキュリティシステム12と、建物1又は各部屋4〜5の内部に設置される各種内部機器31〜40の使用を管理するようにした内部セキュリティシステム13とをLAN41及び電話回線14を介して統合して構成される。外部セキュリティシステム12を構成する外部セキュリティセット・解除装置21はLAN41に接続される。同じく、外部セキュリティシステム12を構成する管理センター25は、電話回線14を介してLAN41に接続される。一方、内部セキュリティシステム13の各種内部機器を構成するネットワーク勤怠リーダ36、複数のネットワーク保管庫等(書庫33、ロッカー31,37、金庫40)、複数のネットワークパソコン・デスク32、複数のネットワーク入室リーダ38、ネットワーク退室リーダ39及びオフィス機器(ファクシミリ34、コピー機35)は、それぞれLAN41に接続される。
次に、図3に示す各種機器の構成を詳しく説明する。図4に、外部セキュリティ・セット解除装置21に係る構成をブロック図により示す。この装置21は、ユーザーインターフェース30、制御装置46及び記憶装置47を備える。ユーザーインターフェース30は、前述した個人認証装置45、入力装置43及び表示部44を含む。制御装置46は、制御部46a及び判断部46bを含む。記憶装置47は、履歴情報を記憶する記憶部47aと、権限情報を記憶する記憶部47bと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部47cとを含む。個人認証装置45、入力装置43及び表示部44は、制御部46aに接続される。履歴情報に係る記憶部47aは、制御部46aに接続される。権限情報及びログイン、ログアウト情報に係る記憶部47b,47cは、それぞれ判断部46bを介して制御部46aに接続される。また、前述した複数のマグネットセンサ23、複数のパッシブセンサ24、防犯カメラ25、防犯システム26及び玄関2の扉3の電気錠22は、制御部46aに接続される。制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等を履歴情報として記憶部47aに記憶させる。制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される使用者のログイン、ログアウト情報を、判断部46bを介した記憶部47bに記憶させる。また、判断部46bは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等が、所定の権限に対応するものであるかを記憶部47bに記憶される権限情報に基づいて判断すると共に、各個人と対応するログイン、ログアウト情報が記憶部47cに存在するかを判断する。一方、制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等が、権限情報に対応するものと判断したとき、外部セキュリティをセットしたり、解除したりする。外部セキュリティがセットされた状態において、制御部46aは、マグネットセンサ23及びパッシブセンサ24等からの信号に基づいて建物1に対する異常侵入を検知したとき、その異常侵入の発生をLAN41及び電話回線14を介して管理センター29へ通報するようになっている。また、外部セキュリティが解除されたとき、制御部46aは、電気錠22を解錠すると共に、マグネットセンサ23及びパッシブセンサ24等からの信号入力をキャンセルする。
図5に、管理センター29に係る構成をブロック図により示す。管理センター29は、パソコンより構成され、ユーザーインターフェース15、制御装置16及び記憶装置17を備える。ユーザーインターフェース15は、入力装置15a及び表示部15bを含む。制御装置16は、制御部16aを含む。記憶装置17は、履歴情報を記憶する記憶部17aと、機器動作情報を記憶する記憶部17bと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部17cとを含む。入力装置15a及び表示部15bは、制御部16aに接続される。各種記憶部17a〜17cは、それぞれ制御部16aに接続される。制御部16aは、電話回線14及びLAN41を介して外部セキュリティ・セット解除装置21、ネットワーク勤怠リーダ36、ネットワーク保管庫等31,33,37,40、ネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39等から送られる履歴情報、それらの機器31〜33,36〜40に関する動作情報及びログイン、ログアウト情報をそれぞれ各種記憶部17a〜17cに記憶させる。また、制御部16aは、外部セキュリティ・セット解錠装置21から異常侵入に係る報知があった場合に、その異常侵入の発生を表示部15bに表示するようになっている。
図6に、ネットワーク勤怠リーダ36に係る構成をブロック図により示す。この勤怠リーダ36は、ユーザーインターフェース30、制御装置46及び記憶装置47を備える。ユーザーインターフェース30は、前述した個人認証装置45、入力装置43及び表示部44を含む。制御装置46は、制御部46aを含む。記憶装置47は、履歴情報を記憶する記憶部47aと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部47cとを含む。個人認証装置45、入力装置43及び表示部44は、制御部46aに接続される。各記憶部47a,47cは、それぞれ制御部46aに接続される。制御部46aは、LAN41を介して外部セキュリティ・セット解除装置21、ネットワーク保管庫等31,33,37,40、ネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39から送られる履歴情報及びログイン、ログアウト情報、並びに当該リーダ36の個人認証装置45及び入力装置43により入力される履歴情報及びログイン、ログアウト情報を、それぞれ各記憶部47a,47cに記憶させる。
図7に、ネットワーク保管庫等(書庫33、ロッカー31,37、金庫40等)に係る構成をブロック図により示す。これら機器31,33,37,40は、ユーザーインターフェース58、制御装置55,56、記憶装置56,66及び保管部51a,61aを備える。ユーザーインターフェース58は、前述した個人認証装置54,64、入力装置53,63及び表示部52,62を含む。制御装置55,65は、制御部59a及び判断部59bを含む。記憶装置56,66は、履歴情報を記憶する記憶部60aと、権限情報を記憶する記憶部60bと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部60cとを含む。また、保管部51a,61aには、複数の電気錠57が設けられる。個人認証装置54,64、入力装置53,63及び表示部52,62は、制御部59aに接続される。履歴情報に係る記憶部60aは、制御部59aに接続される。権限情報及びログイン、ログアウト情報に係る記憶部60b,60cは、それぞれ判断部59bを介して制御部59aに接続される。各電気錠57は、それぞれ制御部59aに接続される。制御部59aは、個人認証装置54,64及び入力装置53,63により入力される本人情報及び暗証番号等を履歴情報として記憶部60aに記憶させる。制御部59aは、個人認証装置54,64及び入力装置53,63により入力される使用者のログイン、ログアウト情報を、判断部59bを介して記憶部60cに記憶させる。また、判断部59bは、個人認証装置54,64及び入力装置53,63により入力される本人情報及び暗証番号等が、所定の権限に対応するものであるかを権限情報に基づいて判断すると共に、各個人と対応するログイン、ログアウト情報が記憶部60cに存在するか否かを判断する。一方、制御部59aは、個人認証装置54,64及び入力装置53,63により入力される本人情報及び暗証番号等が、権限情報に対応するものと判断したとき、保管部51a,61aの電気錠57を解錠するようになっている。
図8に、ネットワークパソコン・デスク32に係る構成をブロック図により示す。このパソコン・デスク32は、ユーザーインターフェース79、制御装置76、記憶装置77及び保管部71aを備える。ユーザーインターフェース79は、前述した個人認証装置75、入力装置74及び表示部73を含む。制御装置76は、制御部76a及び判断部76bを含む。記憶装置77は、履歴情報を記憶する記憶部77aと、権限情報を記憶する記憶部77bと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部76cとを含む。また、デスク71の保管部71aには、複数の電気錠78が設けられる。個人認証装置75、入力装置74及び表示部73は、制御部76aに接続される。履歴情報に係る記憶部77aは、制御部76aに接続される。権限情報及びログイン、ログアウト情報に係る記憶部77b,77cは、それぞれ判断部76bを介して制御部77aに接続される。各電気錠78は、それぞれ制御部76aに接続される。制御部76aは、個人認証装置75及び入力装置74により入力される本人情報及び暗証番号等を履歴情報として記憶部77aに記憶させる。制御部76aは、個人認証装置75及び入力装置74により入力される使用者のログイン、ログアウト情報を、判断部76bを介して記憶部77cに記憶させる。また、判断部76bは、個人認証装置75及び入力装置74により入力される本人情報及び暗証番号等が、所定の権限に対応するものであるかを権限情報に基づいて判断すると共に、各個人と対応するログイン、ログアウト情報が存在するか否かを判断する。一方、制御部76aは、個人認証装置75及び入力装置74により入力される本人情報及び暗証番号等が、権限情報に対応するものと判断したとき、当該パソコン72の使用を許容すると共に、保管部71aの電気錠78を解錠するようになっている。
図9に、ネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39に係る構成をブロック図により示す。これらリーダ38,39は、ユーザーインターフェース30、制御装置46及び記憶装置47を備える。ユーザーインターフェース30は、前述した個人認証装置45、入力装置43及び表示部44を含む。制御装置46は、制御部46a及び判断部46bを含む。記憶装置47は、履歴情報を記憶する記憶部47aと、権限情報を記憶する記憶部47bと、ログイン、ログアウト情報を記憶する記憶部47cとを含む。また、各部屋7,8の扉10,11には、電気錠48が設けられる。個人認証装置45、入力装置43及び表示部44は、制御部46aに接続される。履歴情報に係る記憶部47aは、制御部46aに接続される。権限情報及びログイン、ログアウト情報に係る記憶部47b,47cは、それぞれ判断部46bを介して制御部46aに接続される。電気錠48は、制御部46aに接続される。制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等を履歴情報として記憶部47aに記憶させる。制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される使用者のログイン、ログアウト情報を、判断部46bを介して記憶部47cに記憶させる。また、判断部46bは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等が、所定の権限に対応するものであるかを権限情報に基づいて判断すると共に、各個人と対応するログイン、ログアウト情報が存在するか否かを判断する。一方、制御部46aは、個人認証装置45及び入力装置43により入力される本人情報及び暗証番号等が、権限情報に対応するものと判断したとき、扉10,11の電気錠48を解錠したり、施錠したりするようになっている。
図10に、オフィス機器(ファクシミリ34、コピー機35)に係る構成をブロック図により示す。これら機器34,35は、ユーザーインターフェース85、動作部86、制御装置87及び記憶装置88を備える。ユーザーインターフェース85は、入力装置89及び表示部90を含む。制御装置87は、制御部87aを含む。記憶装置88は、履歴情報を記憶する記憶部88aを含む。動作部86は、所定の機構86aを含む。入力装置89及び表示部90は、制御部87aに接続される。履歴情報に係る記憶部88aは、制御部87aに接続される。機構86aは制御部87aに接続される。制御部87aは、入力装置89により入力される操作指令に基づいて機構86aを制御すると共に、その動作履歴等を履歴情報として記憶部88aに記憶させるようになっている。
この実施形態において、内部セキュリティシステム13を構成する各種内部機器、すなわち、ネットワーク勤怠リーダ36、ネットワーク保管庫等31,33,37,40、ネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク入室リーダ38、ネットワーク退室リーダ39及びオフィス機器34,35の各制御装置46,55,65,76,87は、外部セキュリティ・セット解除装置21により外部セキュリティの警備が解除されないときは当該内部機器31〜40の使用を禁止し、外部セキュリティ・セット解除装置21により外部セキュリティの警備が解除されたときに当該内部機器31〜40の使用を一斉に許可するようになっている。この実施形態において、各制御装置46,55,65,76,87は、本発明における使用許可手段に相当する。
この実施形態において、外部セキュリティ・セット解除装置21、上記した各種内部機器31〜40の入力装置43,53,63,74,89及び個人認証装置45,54,64,75は、各種内部機器31〜40の使用者が内部セキュリティシステム13による管理下にログイン及びログアウトするために使用される。この実施形態において、各入力装置43,53,63,74,89及び個人認証装置45,54,64,75は、本発明におけるログイン・ログアウト手段に相当する。各入力装置43,53,63,80,87及び個人認証装置45,54,64,75により入力されたログイン及びログアウトに関する情報は、LAN41を介して外部セキュリティ・セット解除装置21、管理センター29、ネットワーク勤怠リーダ36、ネットワーク保管庫等31,33,37,40、ネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39における記憶装置17,47,56,66,77の記憶部17c,47c,60c,77cに共通情報として記憶されるようになっている。ここで、外部セキュリティ・セット解除装置21の制御装置46は、その記憶部47cにおけるログイン及びログアウトに関する情報に基づいて当該装置21による外部セキュリティの警備のセットを許可するようになっている。この実施形態において、この制御装置46は、本発明におけるセット許可手段に相当する。また、外部セキュリティ・セット解除装置21の制御装置46は、記憶装置47の記憶部47cにおけるログイン及びログアウトに関する情報に基づいて使用者が建物1又は各部屋4〜8の中に居残っていないと判断したとき、当該装置21が操作されるときに、各種内部機器31〜40の動作を強制的に処置するようになっている。この実施形態において、この制御装置46は、本発明における強制処置手段に相当する。更に、外部セキュリティ・セット解除装置21の表示部44は、当該装置21が操作されるときに、各種内部機器31〜40の動作状態を一括表示するようになっている。この実施形態で、この表示部44は、本発明における表示手段に相当する。
ここで、上記したセキュリティシステムにおいて、外部セキュリティ・セット解除装置21を使用して外部セキュリティを解除するときの、当該装置21の制御装置46が実行する制御内容につき、図11のフローチャートに従って説明する。
処理がこのルーチンに移行すると、制御装置46は、ステップ100で、個人認証装置45により入力されたICカードの本人情報を読み取り、ステップ110で、外部セキュリティの警備を解除するために入力装置43により入力された暗証情報を読み取ると、ステップ120で、記憶装置47に記憶された本人情報を検索する。ここで、制御装置46は、記憶装置47の記憶部47aに記憶されている履歴情報から本人情報を検索する。
次に、ステップ130で、制御装置46は、ICカードの本人情報に該当する本人情報が記憶装置47に記録された本人情報の中にあるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、不正操作が行われたものとして、ステップ170で、制御装置46は、表示部44によりエラー表示を行うと共に、不正操作の履歴情報を記憶装置47に記憶させる。その後、ステップ180で、制御装置46は、外部セキュリティの警備を維持する。
一方、ステップ130の判断結果が肯定である場合、正当操作が行われたものとして、ステップ140で、制御装置46は、その操作を行う者が、適正な使用権限を有するものであるか否かを、記憶装置47に記憶された権限情報に基づいて判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置46は、ステップ180,190へ移行して、上記した処理を実行する。
一方、ステップ140の判断結果が肯定である場合、適正な使用者による操作であるものとして、ステップ150で、制御装置46は、外部セキュリティの警備を解除する。すなわち、制御装置46は、外部セキュリティを解除するために、電気錠22を解錠すると共に、マグネットセンサ23及びパッシブセンサ24等からの信号入力をキャンセルする。
その後、ステップ160で、制御装置46は、内部セキュリティシステム13に係る各種内部機器31〜40の使用を許可する。すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21の制御装置46は、各種内部機器31〜40の制御装置46,55,65,76,87へ、使用を許可する信号をLAN41を介して送る。内部セキュリティシステム13では、各種内部機器31〜40を起動しようとしても、外部セキュリティ・セット解除装置21からの許可信号の受信がない限り、各種内部機器31〜40の起動は行われない。
次に、上記したセキュリティシステムにおいて、外部セキュリティ・セット解除装置21を使用して外部セキュリティをセットするときの、当該装置21の制御装置46が実行する制御内容につき、図12のフローチャートに従って説明する。
処理がこのルーチンに移行すると、制御装置46は、ステップ200で、個人認証装置45により入力されたICカードの本人情報を読み取り、ステップ201で、外部セキュリティの警備をセットするために入力装置43により入力された暗証情報を読み取ると、ステップ202で、記憶装置47に記憶された本人情報を検索する。ここで、制御装置46は、記憶装置47の記憶部47aに記憶されている履歴情報から本人情報を検索する。
その後、ステップ203で、制御装置46は、ICカードの本人情報に該当する本人情報が記憶装置47に記録された本人情報の中にあるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、不正操作が行われたものとして、ステップ212で、制御装置46は、表示部44によりエラー表示を行うと共に、不正操作の履歴情報を記憶装置47に記憶させる。その後、ステップ213で、制御装置46は、外部セキュリティの警備解除を維持し、その後の処理を一旦終了する。
一方、ステップ203の判断結果が肯定である場合、正当操作が行われたものとして、ステップ204で、制御装置46は、その操作を行う者が、適正な使用権限を有するものであるか否かを、記憶装置47に記憶された権限情報に基づいて判断する。この判断結果が否定である場合、制御装置46は、ステップ212,213へ移行して、上記した処理を実行する。
一方、ステップ204の判断結果が肯定である場合、ステップ205で、制御装置46は、建物1の中の社員が全員ログアウトしたか否かを、記憶装置47に記憶されたログイン、ログアウト情報に基づいて判断する。この判断結果が否定である場合、ステップ210で、制御装置46は、ログアウトしていない居残り者を表示部44に一括表示する。この表示を受けて、外部セキュリティの警備をセットしようとする操作者は、電話連絡等により居残り者へログアウトを催促したりすることになる。これにより、居残り者が、最寄りの各種内部機器31〜40を使用してログアウトを行うことにより、そのログアウト情報が、各種内部機器31〜40からLAN41を通じて外部セキュリティ・セット解除装置21へ送られ、同装置21の記憶装置47に記憶されることになる。
その後、ステップ211で、制御装置46は、居残り者がログアウトしたか否かを、記憶装置46に記憶されたログイン、ログアウト情報に基づいて判断する。この判断結果が否定である場合、ステップ213で、制御装置46は、外部セキュリティの警備解除を維持する。一方、ステップ211の判断結果が肯定である場合、制御装置46は、処理をステップ205へ戻る。
そして、ステップ205の判断結果が肯定になると、ステップ206で、制御装置46は、各種内部機器31〜40に電源オン状態のものが有るか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、各種内部機器31〜40の電源がオフされているものとして、ステップ214で、制御装置46は、外部セキュリティの警備を開始する。すなわち、制御装置46は、外部セキュリティの警備をセットするために、電気錠22を施錠すると共に、マグネットセンサ23及びパッシブセンサ24等からの信号入力を有効化する。その後、ステップ215で、制御装置46は、各種内部機器31〜40を操作不能とする。すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21により外部セキュリティの警備解除が行われない限り、各種内部機器31〜40の使用を不可能とする。
一方、ステップ206の判断結果が肯定である場合、各種内部機器31〜40の中に電源オン状態のものがあることから、ステップ207で、制御装置46は、電源オン状態の内部機器31〜40を表示部44に一括表示する。この表示を受けて、操作者は、外部セキュリティ・セット解除装置21の入力装置43の操作により、内部機器31〜40を強制的に処置することになる。例えば、強制的処置として、操作者は、各種内部機器31〜40の電源を強制的にオフすることでそれらの動作を強制的に終了させるための操作をすることになる。
そして、ステップ208で、制御装置46は、各種内部機器31〜40を強制的に処置するための操作が有るか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、ステップ209で、制御装置46は、電源オン状態の各種内部機器31〜40を強制的に処置する。その後、制御装置46は、処理をステップ206へ戻す。このとき、ステップ206の判断結果は否定になることから、制御装置46は、ステップ214で、外部セキュリティの警備を開始し、ステップ215で、各種内部機器31〜40を操作不能とする。
一方、ステップ208の判断結果が否定である場合、電源オン状態の内部機器31〜40を強制的に処置するための操作がないことから、ステップ213で、制御装置46は、外部セキュリティの警備解除を維持する。
以上説明したこの実施形態のセキュリティシステムによれば、外部セキュリティシステム12は、建物1又は各部屋4〜8への異常侵入を各種検知機器であるマグネットセンサ23及びパッシブセンサ24等により監視し、その異常侵入を検知したときに建物1の外部の管理センター29へ通報することにより、建物1又は各部屋4〜8の警備を行うようになっている。そして、管理センター29は、通報を受けて警備員を警備対象である建物1へ急行させることにより、異常侵入に対処するようになっている。
一方、内部セキュリティシステム13は、建物1又は各部屋4〜8の内部に設置される各種内部機器であるネットワーク勤怠リーダ36、複数のネットワーク保管庫等(書庫33、ロッカー31,37、金庫40)、複数のネットワークパソコン・デスク32、複数のネットワーク入室リーダ38、ネットワーク退室リーダ39及びオフィス機器(ファクシミリ34、コピー機35)の使用を管理することにより、それら内部機器31〜40の不正使用に備えるようになっている。
この実施形態のセキュリティシステムは、これら外部セキュリティシステム12と内部セキュリティシステム13とを統合することにより、両システム12,13を相互に連繋させるようになっている。すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21は、外部セキュリティの警備を解除するために、所定権限を有する操作者のみ操作が許容されるようになっている。そして、外部セキュリティ・セット解除装置21を使用して外部セキュリティの警備が解除されたときに、その装置21の制御装置46は、内部セキュリティシステム13における各種内部機器31〜40の使用を一斉に許可するようになっている。従って、外部セキュリティの警備が解除されない限り、内部セキュリティシステム13における各種内部機器31〜40が使用できることはない。つまり、外部セキュリティの警備がセットされた状態では、各種内部機器31〜40を通常の操作で使おうとしても動作させることができない。このことは、各種内部機器31〜40の使用が、外部セキュリティシステム12による使用制限と、内部セキュリティシステム13による本来の使用制限との二重の制限を受けることを意味する。例えば、ネットワーク金庫40を正規の個人認証の操作を経て使おうとしても、その金庫40を解錠することができないことになる。この結果、外部セキュリティシステム12と内部セキュリティシステム13とを統合して連携させることができ、これにより内部セキュリティシステム13による各種内部機器31〜40の管理をより確実で堅牢なものにすることができる。
一方、この実施形態のセキュリティシステムによれば、外部セキュリティ・セット解除装置21は、外部セキュリティの警備をセットするために、所定の権限を有する操作者のみが操作が許容されるようになっている。また、各種内部機器31〜40の使用者は、それら内部機器31〜40の個人認証装置45,54,64,75及び入力装置43,53,63,74,89を使用して、内部セキュリティシステム13による管理下にログイン及びログアウトすることにより、各種内部機器31〜40の使用がはじめて可能となり、その使用者に関するログイン情報及びログアウト情報が各種内部機器31〜33,36〜40及び外部セキュリティ・セット解除装置21に与えられ、それらの記憶装置47,56,66,77に記憶される。そして、外部セキュリティ・セット解除装置21の制御装置46は、記憶装置47に記憶されたログイン情報及びログアウト情報に基づき、同装置21が操作されることで外部セキュリティの警備がセットされることを許可するようになっている。従って、各種内部機器31〜40の使用者に関するログイン情報及びログアウト情報に基づいて判断しない限り(すなわち、この実施形態では、ログアウト情報により使用者全員が建物1の中に居残っていないと判断しない限り)、外部セキュリティの警備をセットできることはない。このため、外部セキュリティの警備がセットされるときに、建物1の中の無用な居残り者を確認することが可能となる。このため、外部セキュリティの警備がセットされた状態で建物1の中に人が閉じ込められることもなく、外部セキュリティシステム12が作動してしまい、異常信号が管理センター29へ送信されることもなく、警備員が無駄に警備対象へ駆け付けるということもなくなる。また、建物1の中に悪意を有する者が故意に居残ることもでき難くなり、建物1の中で管理された各種内部機器31〜40を不正に使用することもでき難くなる。この意味でも、外部セキュリティシステム12と内部セキュリティシステム13とを統合して連携させることができ、これにより内部セキュリティシステム13による各種内部機器31〜40の管理をより確実で堅牢なものにすることができる。
また、この実施形態のセキュリティシステムによれば、外部セキュリティ・セット解除装置21の制御装置46は、記憶装置47に記憶されたログイン情報及びログアウト情報に基づき、使用者である社員が建物1又は各部屋4〜8の中に居残っていないと判断したとき、同装置21が操作されるときに、各種内部機器31〜40の動作を強制的に処置するようになっている。すなわち、この実施形態では、電源オン状態の内部機器31〜40の電源を強制的にオフするようになっている。従って、建物1又は各部屋4〜8の中に社員等が居残っていないときでも、外部セキュリティの警備をセットするときには、各種内部機器31〜40の電源が強制的にオフされることから、各種内部機器31〜40を確実に使用不能とすることができ、それら内部機器31〜40に係る内部セキュリティが強化される。このため、万一、外部セキュリティシステム12が故障等しても、各種内部機器31〜40の動作が確実に制限される。この意味でも、外部セキュリティシステム12と内部セキュリティシステム13とを統合して連携させることができ、これにより内部セキュリティシステム13による各種内部機器31〜40の管理をより確実で堅牢なものにすることができる。
更に、この実施形態のセキュリティシステムによれば、外部セキュリティの警備を開始するために、外部セキュリティ・セット解除装置21が操作されるときに、その装置21の表示部44が、各種内部機器31〜40の動作状態、すなわち、電源オン状態の内部機器31〜40を特定して一括表示するようになっている。従って、外部セキュリティ・セット解除装置21の操作者は、表示部44により一括表示される動作状態を確認することにより、外部セキュリティの警備をセットするのに先立ち、各種内部機器31〜40の動作を任意に強制終了させることが可能となる。この実施形態では、操作者の操作により強制的に電源をオフするので、各種内部機器31〜40の動作が確実に制限される。この意味でも、外部セキュリティシステム12と内部セキュリティシステム13とを統合して連携させることができ、これにより内部セキュリティシステム13による各種内部機器31〜40の管理をより確実で堅牢なものにすることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明のセキュリティシステムを具体化した第2の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
尚、この実施形態を含む以下の各実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、各種検知機器の動作の仕様が第1の実施形態と異なる。この実施形態におけるその他の構成については、第1の実施形態のそれと同じである。従って、この実施形態でも、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図13に、図1の経理部屋8を拡大して示す。この実施形態で、経理部屋8の天井には、一台の防犯カメラ25が設置される。この防犯カメラ25は、建物1の内部に設置された複数台の防犯カメラの一つである。この防犯カメラ25は、ネットワーク金庫40に向けて配置され、その金庫40を操作する人物を撮影するようになっている。この防犯カメラ25は、本発明における各種検知機器の一つに相当する。図14に、この実施形態のセキュリティシステムに係る電気的構成をブロック図により示す。この実施形態では、外部セキュリティ・セット解除装置21が防犯カメラ25の動作を制御するようになっている。また、この実施形態では、サーバ50が設けられ、そのサーバ50と各種検知機器23〜25、外部セキュリティ・セット解除装置21及び各種内部機器31〜40との間でLAN41を介してデータのやりとりを行うようになっている。サーバ50の構成は、図8に示すネットワークパソコン・デスク32のそれと基本的に同じである。
この実施形態では、外部セキュリティ・セット解除装置21により、外部セキュリティシステム12による警備が解除されて内部セキュリティシステム13における各種内部機器31〜40の使用が許可されたときの各種検知機器23〜25につき、その動作を各種内部機器31〜40の動作に合わせた任意な仕様(任意仕様)に設定できるようになっている。この任意仕様を設定するために、本発明における通常時任意設定操作手段として、外部セキュリティ・セット解除装置21、各種内部機器31〜40及びサーバ50が使用可能となっている。
すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21は、各種検知機器23〜25の動作を通常仕様とは異なる任意仕様に設定するために操作可能となっている。この設定のための権限は、特定の管理者にのみ許可される。その他の各種内部機器31〜40及びサーバ50による任意仕様の設定についても、外部セキュリティ・セット解除装置21と同様である。ちなみに、防犯カメラ25の通常仕様は、外部セキュリティシステム12が作動しているときに、経理部屋8に不法に侵入する者を撮影することである。
次に、上記の任意仕様の設定と、その動作の一例について説明する。ここでは、管理者が経理部屋8のネットワーク金庫40を操作することで、「誰かがネットワーク金庫40を開けようと操作したとき、その操作開始から経理部屋8の防犯カメラ25による撮影を開始させ、その操作終了後5分経過時に防犯カメラ25による撮影を停止させる。」という任意仕様を設定する場合について説明する。図15に、管理者が行う任意仕様の設定の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ300で、管理者は、ネットワーク金庫40にて個人認証装置54を使用してID認証を行う。ID認証が完了すると、ステップ310で、管理者は「管理者メニュー」を選択する。この「管理者メニュー」には、管理者が設定することのできる各種項目が列挙される。次に、ステップ320で、管理者は、「管理者メニュー」の項目の一つとして「任意動作設定」を選択する。同じく、ステップ330で、管理者は、「任意動作メモリ1」を選択する。更に、ステップ340で、管理者は、「適用操作」の項目の中で「通常操作」を選択する。その後、ステップ350で、管理者は「任意動作機器設定」の項目で「防犯カメラ番号」を選択する。ここでは、経理部屋8の防犯カメラ25の番号が選択される。そして、ステップ360で、管理者は、「任意動作選択」の項目で「操作開始から操作終了後5分間稼働」を選択する。その後、ステップ370で、管理者は、「入力完了」を選択する。これにより、ステップ380で、ネットワーク金庫40の制御装置55が「任意動作メモリ1」に任意設定完了を記録する。
上記のような操作により、「誰かがネットワーク金庫40を開けようと操作したとき、その操作開始から経理部屋8の防犯カメラ25による撮影を開始させ、その操作終了後5分間経過時に防犯カメラ25による撮影を停止させる。」という任意仕様が設定される。図16に、その設定された任意仕様の動作の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ400で、経理部屋8に入った使用者(管理者)がネットワーク金庫40の個人認証装置54を使用してID認証を行う。すると、ステップ410で、ネットワーク金庫40の制御装置55が、外部セキュリティ・セット解除装置21に設定済みの任意仕様を指令する。すると、ステップ420で、経理部屋8の防犯カメラ25が作動を開始して、ネットワーク金庫40の前の使用者の撮影を開始する。その後、ステップ430で、使用者がネットワーク金庫40の操作を終了すると、ステップ440で、操作終了後5分間経過時に外部セキュリティ・セット解除装置21に防犯カメラ25による撮影停止を指令する。これにより、ステップ450で、経理部屋8の防犯カメラ25による撮影が停止する。ここで、防犯カメラ25による撮影画像は、防犯カメラ25から外部セキュリティ・セット解除装置21及びLAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録されるようになっている。
以上説明したこの実施形態のセキュリティシステムによれば、予め必要に応じて外部セキュリティ・セット解除装置21及び各種内部機器31〜40を操作することで、外部セキュリティによる警備が解除された後でも、各種検知機器23〜25の動作を各種内部機器31〜40の動作に合わせた任意仕様に設定することができ、各種内部機器31〜40に関わる異常事態を各種検知機器23〜25を利用して監視することが可能となる。このため、必要に応じて各種内部機器31〜40の管理をより厳重なものにすることができる。
すなわち、上記説明の場合、予め必要に応じて、管理者がネットワーク金庫40を操作することで、外部セキュリティによる警備が解除された後でも、防犯カメラ25の動作をネットワーク金庫40の動作に合わせた任意仕様、すなわち「誰かがネットワーク金庫40を開けようと操作したとき、その操作開始から経理部屋8の防犯カメラ25による撮影を開始させ、その操作終了後5分経過時に防犯カメラ25による撮影を停止させる。」という設定をすることができる。このため、ネットワーク金庫40に関わる不正操作、不正な金銭の引き出し等の異常事態を防犯カメラ25を利用して監視することが可能となる。この結果、必要に応じてネットワーク金庫40の管理をより厳重なものにすることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明のセキュリティシステムを具体化した第3の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、各種内部機器の動作の仕様が第1の実施形態と異なる。この実施形態におけるその他の構成については、第2の実施形態のそれと同じである。従って、この実施形態でも、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
この実施形態では、各種検知機器23〜25により異常侵入が検知されたときの各種内部機器31〜40の動作を任意仕様に設定できるようになっている。この異常侵入における任意仕様を設定するために、本発明における異常時任意設定操作手段として、外部セキュリティ・セット解除装置21、各種内部機器31〜40及びサーバ50が使用可能となっている。
すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21は、各種検知機器23〜25により異常侵入が検知されたときの各種内部機器31〜40の動作を通常仕様とは異なる任意仕様に設定するために操作可能となっている。この設定のための権限は、特定の管理者にのみ許可されている。その他の各種内部機器31〜40及びサーバ50による任意仕様の設定についても、外部セキュリティ・セット解除装置21と同様である。
次に、上記の異常侵入に対する任意仕様の設定と、その動作の一例について説明する。ここでは、管理者が外部セキュリティ・セット解除装置21を操作することで、外部セキュリティシステム12による警備がセット後に「経理部屋8のパッシブセンサ24が人等の異常侵入を検知したとき、ネットワーク金庫40の操作が完全に不能になる。」という異常侵入に対する任意仕様の設定について説明する。図17に、管理者が行う任意仕様の設定の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ500で、管理者は、外部セキュリティ・セット解除装置21にて個人認証装置45を使用してID認証を行う。ID認証が完了すると、ステップ510で、管理者は「管理者メニュー」を選択する。この「管理者メニュー」には、管理者が設定することのできる各種項目が列挙される。次に、ステップ520で、管理者は、「管理者メニュー」の項目の一つとして「任意非常動作設定」を選択する。次に、ステップ530で、管理者は、「任意非常動作メモリ1」を選択する。更に、ステップ540で、管理者は、「検知機器」の項目の中で「パッシブセンサの番号」を選択する。ここでは、経理部屋8のパッシブセンサ24の番号が選択される。その後、ステップ550で、管理者は「任意非常動作選択」の項目で「操作不可」を選択する。そして、ステップ560で、管理者は、「入力完了」を選択する。これにより、ステップ570で、外部セキュリティ・セット解除装置21が「任意非常動作メモリ1」に任意設定完了を記録する。
上記のような操作により、「経理部屋8のパッシブセンサ24が人等の異常侵入を検知したとき、ネットワーク金庫40の操作が完全に不能になる。」という異常侵入に対する任意仕様が設定される。図18に、その設定された異常侵入での任意仕様の動作の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ600で、外部セキュリティ・セット解除装置21により外部セキュリティによる警備がセットされる。すると、ステップ610で、経理部屋8のパッシブセンサ24が作動する。ここで、このパッシブセンサ24が人等の異常侵入を検知すると、ステップ620で、外部セキュリティ・セット解除装置21が異常を発報する。すなわち、管理センター29へ通報する。また、ステップ630で、外部セキュリティ・セット解除装置21が、経理部屋8のネットワーク金庫40に非常作動を指令する。これにより、その指令を受けて、ステップ640で、ネットワーク金庫40が完全に操作不能となる。すなわち、侵入者が正規の操作方法によりネットワーク金庫40を開けようとしても操作できず、ネットワーク金庫40を開けることができなくなる。
以上説明したこの実施形態のセキュリティシステムによれば、予め必要に応じて外部セキュリティ・セット解除装置21及び各種内部機器31〜40,50を操作することで、各種内部機器31〜40,50の動作を異常事態に応じた任意仕様に設定することが可能となる。これにより、各種内部機器31〜40,50を異常事態の発生に応じて任意に使用又は管理することができる。
すなわち、上記の場合では、予め必要に応じて、管理者が外部セキュリティ・セット解除装置21を操作することで、経理部屋8のネットワーク金庫40を経理部屋8への異常侵入に応じて完全に操作不能に設定することが可能となる。これにより、経理部屋8への異常侵入があったときは、ネットワーク金庫40を正規に操作しても開けることができなくなり、ネットワーク金庫40を異常侵入に応じて安全に管理することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明のセキュリティシステムを具体化した第4の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、各種内部機器の動作の仕様が第1の実施形態と異なる。この実施形態のその他の構成については、第1の実施形態のそれと同じである。従って、この実施形態でも、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図19に、この実施形態のセキュリティシステムに係る電気的構成をブロック図により示す。この実施形態では、防災システム26を備える。防災システム26は、建物1又は建物1の各部屋4〜8における火災を検知するための火災検知器としての火災センサ27を含む。また、既に説明したように(図7参照)ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40には、電気錠57が設けられる。
この実施形態では、火災センサ27により火災が検知されたときの各種内部機器31〜40の動作を任意仕様に設定できるようになっている。この火災発生時における任意仕様を設定するために、本発明における火災時任意設定操作手段として、外部セキュリティ・セット解除装置21、各種内部機器31〜40及びサーバ50が使用可能となっている。
すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21は、火災センサ27により火災が検知されたときの各種内部機器31〜40の動作を通常仕様とは異なる火災検知に合わせた任意仕様に設定するために操作可能となっている。この設定のための権限は、特定の管理者にのみ許可されている。その他の各種内部機器31〜40及びサーバ50に関する火災発生時での任意仕様の設定についても、外部セキュリティ・セット解除装置21と同様である。
次に、火災発生時の任意仕様の設定と、その動作の一例について説明する。ここでは、管理者が外部セキュリティ・セット解除装置21を操作することで、外部セキュリティシステム12による警備が解除されて各種内部機器31〜40,50の使用が許可されたときの任意仕様、すなわち「火災センサ27が煙や火炎熱を検知したとき、ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及び各扉10,11に付随した電気錠48,57をそれぞれ強制解錠する。」という火災発生時の任意仕様を設定する場合について説明する。図20に、管理者が行う任意仕様の設定の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ700で、管理者は、外部セキュリティ・セット解除装置21にて個人認証装置45を使用してID認証を行う。ID認証が完了すると、ステップ710で、管理者は「管理者メニュー」を選択する。この「管理者メニュー」には、管理者が設定することのできる各種項目が列挙される。次に、ステップ720で、管理者は、「管理者メニュー」の項目の一つとして「任意非常動作設定」を選択する。次に、ステップ730で、管理者は、「任意非常動作メモリ2」を選択する。更に、ステップ740で、管理者は、「検知機器」の項目の中で「火災センサ」を選択する。ここでは、建物1の内部に設置される全ての火災センサ27が選択される。その後、ステップ750で、管理者は「任意非常動作選択」の項目で「解錠」を選択する。そして、ステップ760で、管理者は、「入力完了」を選択する。これにより、ステップ770で、外部セキュリティ・セット解除装置21が「任意非常動作メモリ2」に任意設定完了を記録する。
上記のような操作により、「火災センサ27が煙や火炎熱を検知したとき、ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及び各扉10,11に付随した電気錠48,57をそれぞれ強制解錠する。」という火災発生時の任意仕様が設定される。図21に、その設定された任意仕様の動作の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ800で、管理者等が、外部セキュリティ・セット解除装置21により外部セキュリティによる警備を解除する。すると、ステップ810で、建物1の内部の全ての火災センサ27がその作動を継続する。防災システム26は、外部セキュリティによる警備がセット又は解除されているにかかわらず作動する。従って、火災センサ27は、継続して火災を検知するための作動を続けることになる。その後、火災センサ27が煙や火炎熱を検知すると、ステップ820で、外部セキュリティ・セット解除装置21が異常を発報する。すなわち、管理センター29へ火災発生を通報すると共に、防災システム26を作動させて警報器等を作動させる。ステップ830で、外部セキュリティ・セット解除装置21が、ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及びネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39に非常作動を指令する。この非常指令を受けて、ステップ840で、ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及び各扉10,11に付随した電気錠48,57がそれぞれ強制解錠される。これにより、火災発生時にのみネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40の扉開放が自由となり、重要書類や金銭等をネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40から早期に持ち出して火災から守ることができる。併せて、火災発生時にのみ各扉10,11の開放が自由となり、火災発生時に従業員等の避難経路を確保することができる。
以上説明したこの実施形態のセキュリティシステムによれば、予め必要に応じて外部セキュリティ・セット解除装置21及び各種内部機器31〜40,50の操作を行うことで、各種内部機器31〜40,50の使用が許可されたときの各種内部機器31〜40,50の動作を火災センサ27による火災検知に合わせた任意な仕様に設定することができ、火災発生に備えて各種内部機器31〜40,50の動作を管理することが可能となる。このため、火災による被害の低減に寄与することができる。
すなわち、上記説明の場合では、予め必要に応じて、管理者が外部セキュリティ・セット解除装置21を操作することで、ネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及びネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39に付随した電気錠48,57の動作を、火災検知に合わせて強制解錠するという任意仕様に設定することができ、火災発生に備えてネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40及びネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39の動作を管理することが可能となる。これにより、火災発生時にのみネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40の扉開放が自由となり、重要書類や金銭等をネットワーク保管庫(書庫、ロッカー、金庫)31,33,37,40から早期に持ち出して火災から守ることができる。併せて、火災発生時にのみ各扉10,11の開放が自由となり、火災発生時に従業員等の避難経路を確保することができる。この結果、火災発生時に財産や人身の安全確保に寄与することができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明のセキュリティシステムを具体化した第5の実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、各種検知機器及び各種内部機器の構成の点で第1の実施形態と一部の構成が異なる。
図22に、図1の資料部屋7を拡大して示す。この実施形態で、資料部屋7の天井には、一台の防犯カメラ91が設置される。この防犯カメラ91は、建物1の内部に設置された複数台の防犯カメラの一つである。この防犯カメラ91は、対人追従型のカメラであり、資料部屋7に入室した人物を撮影対象としてその人物の動きに追従できるように撮影方向を自動的に変更するようになっている。この防犯カメラ91は、本発明における各種検知機器の一つに相当する。また、この実施形態で、資料部屋7の出入口7aには、第1の実施形態におけるネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39に代わって、ネットワーク顔識別入室リーダ92及びネットワーク顔識別退室リーダ93が設けられる。ネットワーク顔識別入室リーダ92は本発明の入室認証装置に相当し、ネットワーク顔識別退室リーダ93は本発明の退室認証装置に相当する。更に、資料部屋7の中には、出入口7aに対応して、ネットワーク持出管理ゲート94が設けられる。この持出管理ゲート94は、ネットワーク書庫33に保管された資料が資料部屋7から持ち出されようとするとき、その持ち出す人の本人情報と資料に関する情報を非接触で自動的に読み取るようになっている。ネットワーク書庫33は、本発明の保管庫に相当する。
図23に、ネットワーク書庫33に関する構成を概念図により示す。この実施形態で、この書庫33に保管されるファイル95等の個々の資料には、それぞれICタグ96が取り付けられる。ICタグ96は、それが取り付けられる資料を特定する情報(資料情報)を格納し、その資料情報を微弱な電波により発信するようになっている。また、この書庫33の棚33aには、ICタグ96が発信する資料情報を読み取るための読取装置97が設置される。この読取装置97は、平板形状をなし、その内部全体に配置されたアンテナ97aを含む。図23に実線で示すように、ファイル95が棚33aに収まった状態では、読取装置97がICタグ96の資料情報を読み取り、図23に鎖線で示すように、ファイル95が書庫33から取り出されると、読み取り装置97がICタグ96の資料情報を読み取らなくなる。従って、読取装置97による資料情報の読み取りの有無に基づいて、個々の資料が書庫33から取り出されたか否かを検知するようになっている。
図24に、ネットワーク顔識別入室リーダ92を正面図により示す。この顔識別入室リーダ92は、筐体92aの正面に、テンキーよりなる入力装置98、注目ランプよりなる表示部99a、OK・エラーランプよりなる別の表示部99b、非接触式のICカードリーダよりなる個人認証装置101、カメラよりなる撮影装置102及び複数の赤外線ライトよりなる照射装置103を備え、筐体92aとは別体に、制御装置104及び記憶装置105を備える。個人認証装置101は、入室しようとする使用者が携帯するICカードに記録された本人情報を読み取るために使用される。個人認証装置101は、ICカードから発信される信号を受信するアンテナ(図示略)を有する。個人認証装置101は、ICカードが近付けられることにより、そのカードに記録された本人情報を含む信号をアンテナで受信して本人情報を読み取る。入力装置98は、使用者に関する暗証番号等を入力するために使用される。各表示部99a,99bは、使用者に指示や情報を与えるために点灯する。撮影装置102は、使用者の顔画像を撮影するようになっている。表示部99aは、撮影時に使用者を撮影装置102に注視させるために点灯するようになっている。照射装置103は、撮影時に使用者の顔を照射するようになっている。制御装置104は、電気錠48(図26,28参照)に関する解錠及び施錠を制御する。記憶装置105は、制御プログラムや個人認証のための本人情報等を予め記憶する。前述したネットワーク顔識別退室リーダ93の基本構成は、この入室リーダ92のそれに準ずることから説明を省略する。
図25に、ネットワーク持出管理ゲート94を斜視図により示す。この持出管理ゲート94は、左右に塀状に起立するゲートフレーム94a,94bと、両ゲートフレーム94a,94bを支持するベースフレーム94cとによりチャネル状をなしている。各ゲートフレーム94a,94bの下部には、制御装置106が設けられる。各ゲートフレーム94a,94bの上部には、ICカードリーダ及びICタグリーダよりなる読取装置107が設けられる。これら二つのゲートフレーム94a,94bの間をファイル95を持った人が通るとき、読取装置107が、その人が携帯するICカードの本人情報及びファイル95に付けたICタグ96の資料情報を読み取るようになっている。
図26に、この実施形態のセキュリティシステムに係る電気的構成をブロック図により示す。この実施形態では、防犯カメラ91、ネットワーク顔識別入室リーダ92及びネットワーク顔識別退室リーダ93を変更し、ネットワーク持出管理ゲート94を新たに追加した点で、図14に示すブロック図の構成と異なる。ネットワーク顔識別入室リーダ92及びネットワーク顔識別退室リーダ93には、電気錠48が接続される。この実施形態では、防犯カメラ91が外部セキュリティシステム12の各種検知機器の一つを構成し、ネットワーク顔識別入室リーダ92、ネットワーク顔識別退室リーダ93及びネットワーク持出管理ゲート94が、それぞれ内部セキュリティシステム13の各種内部機器の一つを構成する。
この実施形態では、第2の実施形態と同様、外部セキュリティ・セット解除装置21により、外部セキュリティシステム12による警備が解除されて内部セキュリティシステム13における各種内部機器31〜37,40,92〜94の使用が許可されたときの各種検知機器23,24,91につき、その動作を各種内部機器31〜37,40,92〜94の動作に合わせた任意仕様に設定できるようになっている。この任意仕様を設定するために、本発明における通常時任意設定操作手段として、外部セキュリティ・セット解除装置21、各種内部機器31〜37,40,92,93及びサーバ50が使用可能となっている。すなわち、外部セキュリティ・セット解除装置21は、各種検知機器23,24,91の動作を通常仕様とは異なる任意仕様に設定するために操作可能となっている。この設定のための権限は、特定の管理者にのみ許可される。その他の各種内部機器31〜37,40,92〜94及びサーバ50による任意仕様の設定についても、外部セキュリティ・セット解除装置21と同様である。この任意仕様の設定の仕方については、第2の実施形態のそれに準ずることから、説明を省略する。ちなみに、防犯カメラ91の通常仕様は、外部セキュリティシステム12が作動しているときに、資料部屋7に不法に侵入する者を撮影することである。この実施形態で、サーバ50は、本発明の記録装置に相当する。
次に、図26において変更及び追加した各種機器の構成を詳しく説明する。図27に、この実施形態におけるネットワーク書庫33に係る構成をブロック図により示す。この実施形態で、ネットワーク書庫33は、ユーザインターフェース58に、読取装置97が追加された点で、図7のブロック図と構成が異なる。読取装置97は、制御装置55の制御部59aに接続される。制御部59aは、読取装置97により入力されるICタグ96の資料情報を履歴情報として記憶装置56の記憶部60aに記憶させる。その他の構成については、図7に示すブロック図の構成と同じである。
図28に、ネットワーク顔識別入室リーダ92及びネットワーク顔識別退室リーダ93に係る構成をブロック図により示す。この実施形態で、これらリーダ92,93は、図9のブロック図に示すネットワーク入室リーダ38及びネットワーク退室リーダ39と同様、ユーザーインターフェース30、制御装置104及び記憶装置105を基本構成として備える。ユーザインターフェース30は、入力装置98、表示部99a,99b、個人認証装置101、撮影装置102及び照射装置103を含む。制御装置104は、制御部104a及び判断部104bを含む。記憶装置105は、履歴情報の記憶部105a、権限情報の記憶部105b及びログイン、ログアウト情報の記憶部105cを含む。制御部104aには、入力装置98、表示部99a,99b、個人認証装置101、撮影装置102及び照射装置103が接続される。制御部104aは、撮影装置102と共に照射装置103を作動させ、撮影装置102により入力される顔画像情報を履歴情報として記憶部105aに記憶させるようになっている。その他の構成については、図9に示すブロック図の構成と同じである。
図29に、ネットワーク持出管理ゲート94に係る構成をブロック図により示す。このゲート94は、制御装置106、記憶装置108及びユーザーインターフェース109を備える。ユーザーインターフェース109は、読取装置107を含む。制御装置106は、制御部106aを含む。記憶装置108は、記憶部108aを含む。読取装置107は、制御部106aに接続され、制御部106aは、記憶部108aに接続される。制御部106aは、読取装置107を作動させ、読取装置107により入力される情報を履歴情報として記憶部108aに記憶させるようになっている。
次に、資料部屋7の防犯カメラ91に関する任意仕様の動作の一例について説明する。ここでは、防犯カメラ91に関する任意仕様として、「内部セキュリティシステム13の作動中に、正規の手順で資料部屋7に入室してから退室するまでの人の動きを防犯カメラ91により追跡撮影する。」という場合について説明する。この任意仕様は、図15に示すフローチャートで説明したと同様の手順により設定されるものである。図30に、その任意仕様に係る動作の流れをフローチャートに示す。
先ず、ステップ900で、使用者がネットワーク顔識別入室リーダ92でID認証を行う。ID認証が適正であれば、ステップ901で、同入室リーダ92の制御装置104は、その使用者の顔画像を撮影装置102で撮影して顔識別を行う。顔識別が適正であれば、同入室リーダ92の制御装置104は、ステップ902で、電気錠48を解錠して扉10の開放を許容する。このときの顔識別情報や電気錠48を解錠した情報は、同入室リーダ92の記憶装置105に履歴情報として記録されると共に、LAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録されるようになっている。
その後、使用者が資料部屋7に入室すると、ステップ903で、同入室リーダ92の制御装置104は、外部セキュリティ・セット解除装置21に設定済みの任意仕様を指令することで、資料部屋7の防犯カメラ91の作動を開始させ、防犯カメラ91によりその人物の追跡撮影を開始する。この防犯カメラ91による撮影画像は、防犯カメラ91から外部セキュリティ・セット解除装置21及びLAN41を介してサーバ50の記憶装置に逐次記録されるようになっている。
その後、ステップ904で、使用者がネットワーク書庫33でID認証を行う。ID認証が適正であれば、ステップ905で、使用者はネットワーク書庫33の操作を開始する。すなわち、同書庫33の電気錠57が解錠してドア等が開けられる。そして、使用者が同書庫33からファイル95を取り出すと、ステップ906で、同書庫33の制御装置55は、読取装置97によるICタグ96の資料情報に基づきファイル95の取り出しを検知する。
その後、ステップ907で、使用者が同書庫33の操作を終了すると、ステップ908で、同書庫33の制御装置55は、取り出した使用者の本人情報と、取り出されたファイル95の資料情報を持出情報として同書庫33の記憶装置56に記録させると共に、外部セキュリティ・セット解除装置21及びLAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録させる。
その後、ステップ909で、使用者がネットワーク持出管理ゲート94を通過するとき、同ゲート94の読取装置107が、使用者が携帯するICカードの本人情報とファイル95に付けたICタグ96の資料情報を持出情報として読み取る。すると、ステップ910で、同ゲート94の制御装置106は、その読み取った持出情報に基づき、そのファイル95の持ち出しが所定の持出権限を有する者(持出権限者)による持ち出しであるか否かを判断する。制御装置106は、このときの判断結果を、LAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録させるようになっている。
ステップ910で、持出権限者による持ち出しである場合、ステップ911で、使用者がネットワーク顔識別退室リーダ93でID認証を行う。すると、ステップ912で、同退室リーダ93の制御装置104は、使用者の顔画像を撮影装置102で撮影して顔識別を行う。顔識別が適正であれば、同退室リーダ93の制御装置104は、ステップ913で、電気錠48を解錠させて扉10の開放を許容する。このとき、使用者の本人情報、顔識別情報及び電気錠48を解錠した情報は、LAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録されるようになっている。
一方、ステップ910で、持出権限者による持ち出しではない場合、ステップ914で、同退室リーダ93の制御装置104は、電気錠48を強制施錠する。ここで、強制施錠とは、所定の管理者でなければ解錠することができない施錠を意味する。従って、たとえ使用者が正規の手順で同退室リーダ93を操作しても電気錠48を解錠することはできなくなる。そして、ステップ915で、同退室リーダ93の制御装置104は、資料の持出異常であることを管理者に通報し、その持出異常に係る情報をLAN41を介してサーバ50の記憶装置に記録させる。ここで、管理者への通報として、制御装置104は、異常持出であることの情報を、同退室リーダ93からLAN41を介して、管理者が使用するネットワークパソコン・デスク32へ送るようになっている。
その後、ステップ916で、持出権限者である管理者が外側のネットワーク顔識別入室リーダ92を操作することで、ネットワーク顔識別退室リーダ93が電気錠48の強制施錠を解除する。これにより、資料部屋7の扉10の開放が許容される。
そして、ステップ913又は916から移行してステップ917では、退室リーダ93の制御装置104は、外部セキュリティ・セット解除装置21に指令することで、防犯カメラ91による追跡撮影を終了させる。
以上説明したこの実施形態のセキュリティシステムによれば、予め必要に応じて外部セキュリティ・セット解除装置21及び各種内部機器31〜37,40,92,93を操作することで、外部セキュリティによる警備が解除された後でも、防犯カメラ91の動作を資料部屋7におけるネットワーク書庫33、ネットワーク顔識別入室リーダ92、ネットワーク顔識別退室リーダ93及びネットワーク持出管理ゲート94の動作に合わせた任意仕様に設定することができる。
そして、この実施形態では、使用者が資料部屋7に入室してから、ネットワーク書庫33を操作してその書庫33からファイル95等の資料を取り出し、その取り出した資料を持って資料部屋7から退室するまでの一連の行動を撮影した映像情報と、ネットワーク書庫33、ネットワーク顔識別入室リーダ92及びネットワーク顔識別退室リーダ93に関する操作情報、読取装置97による読取情報、並びにネットワーク持出管理ゲート94で得られる持出情報とが併せてサーバ50に記録される。従って、ネットワーク書庫33、ネットワーク顔識別入室リーダ92、ネットワーク顔識別退室リーダ93、ネットワーク持出管理ゲート94及び読取装置97の動作と、その書庫33に保管された資料の取り扱いとが防犯カメラ91を利用して監視可能となる。そして、この実施形態では、資料部屋7に入室・退室した使用者の本人情報と、その使用者がネットワーク書庫33を操作して取り扱ったファイル95等の資料情報と、使用者が資料部屋7に入室してから退室するまでの一連の映像情報とを互いにリンクさせながらサーバ50に履歴情報として残すことができる。このため、必要に応じてネットワーク書庫33、ネットワーク顔識別入室リーダ92、ネットワーク顔識別退室リーダ93及びネットワーク持出管理ゲート94と、その書庫33に保管された資料の管理をより厳重なものにすることができる。
また、この実施形態では、ネットワーク書庫33に読取装置97を設けることで、同書庫33からのファイル95等の資料の取りだしをチェックできるので、同書庫33における重要資料等の管理をより厳重なものにすることができる。更に、ネットワーク持出管理ゲート94を使用することで、持出権限のある管理者のみ資料部屋7からの資料の持ち出しを許容し、持出権限のない一般の使用者については資料の持ち出しを規制することができる。このため、資料の取り扱いについては、読取装置97とネットワーク持出管理ゲート94とを併用することで二重のチェックを行うことができ、この意味で、資料部屋7において重要資料を厳重に管理することができる。
尚、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して以下のように実施することもできる。
(1)前記実施形態では、本発明を、建物1及びその建物1の中の各部屋4〜8の全部を警備対象として警備する外部セキュリティシステム12に具体化したが、例えば、高層ビル等の建物の中の各部屋を選択的に警備するように構成した外部セキュリティシステムに具体化することもできる。
(2)前記第1の実施形態では、外部セキュリティの警備を解除するとき及びセットするときに、外部セキュリティ・セット解除装置21の個人認証装置45により入力されたICカードの本人情報を読み取り、入力装置43により入力された暗証情報を読み取ることにより、記憶装置47に記憶された本人情報と照合するようにした。これに対し、外部セキュリティの警備を解除又はセットする操作者の身体情報に基づき行われる個人認証を上記個人認証に併用したり、単独で採用したりしてもより。ここで、身体情報として、カメラで撮影される顔情報、指紋読取装置で読み取られる指紋情報、音声入力装置で読み取られる声紋情報等が挙げられる。
(3)前記第1の実施形態では、外部セキュリティの警備を解除するとき及びセットするときに、操作者が所定権限を有することを判断したが、この所定権限の有無の判断を省略してもよい。この場合、所定権限を持たない操作者でも、個人認証さえできれば、外部セキュリティの警備を解除したりセットしたりできるようにしてもよい。また、外部セキュリティの警備をセットするときには、社員全員のログアウトと、各種内部機器の電源がオフされていることが確認されれば、個人認証のみで操作可能としてもよい。
(4)前記第1の実施形態では、内部セキュリティシステムの各種内部機器として、ネットワーク勤怠リーダ36、ネットワーク保管庫等(書庫33、ロッカー31,37、金庫40)、ネットワークパソコン・デスク32、ネットワーク入室リーダ38、ネットワーク退室リーダ39及びオフィス機器(ファクシミリ34、コピー機35)を設けたが、各種内部機器として、クライアント・サーバー方式のサーバー(パソコン)及び端末(パソコン)を設けてもよい。また、オフィス機器として、スキャナ機能を有するコピー機を設けてもよい。
(5)前記第2の実施形態では、各種検知機器23〜25の動作を各種内部機器31〜40の動作に合わせた任意仕様に設定するようにしたが、それに合わせて各種内部機器の動作を任意な仕様に設定するようにしてもよい。
(6)前記第5の実施形態では、対人追従型の防犯カメラ91を使用し、資料部屋7に入室した人物の動きを追跡撮影することで、その人物の一連の行動を映像情報として記録するようにした。これに対し、撮影方向を固定した防犯カメラにより部屋全体を撮影可能とし、その防犯カメラで部屋に入室した人物を撮影することで、その人物の一連の行動を映像情報として記録すると共に、その撮影画像を画像処理することで、人物の移動ルートを推定するようにしてもよい。