以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態の例では、監視区域が住戸であり、警備装置が家庭用の警備装置、いわゆるホームセキュリティ用の警備装置である。
図1は、本実施の形態に係る警備装置を備えた警備システムの構成を示しており、図2は警備装置の構成を示している。まず、図1を参照し、警備システム1の概要を説明する。
図1において、警備システム1は、監視区域(住戸)を遠隔から監視する監視センタ3と、監視区域に設置されて監視センタ3と通信する警備装置5とを備える。監視センタ3は、警備会社が運営するセンタ装置7を備えた施設であり、このセンタ装置7が警備装置5と通信する。警備装置5は、監視区域に設置されたセンサと接続されて監視区域における異常の監視を行い、検知した異常を監視センタ3に通報する。また、警備装置5は、監視区域の利用者に付帯する利用者端末9とも通信可能に接続される。利用者端末9は、監視区域から離れているときに利用者が利用可能な端末であり、典型的には携帯電話及び携帯端末である。
警備装置5は、より具体的には警備コントローラ11とサーバ装置13とで構成されている。警備コントローラ11は、警備関連の主な機能を実現する構成であり、異常検知用のセンサと接続されて異常有無を監視し、検出した異常を監視センタ3に通報する。警備コントローラ11は監視センタ3のセンタ装置7と公衆回線網15を介して接続される。サーバ装置13は、利用者端末9との通信を実現する構成であり、警備コントローラ11が検知した異常を利用者端末9に伝える。サーバ装置13は、利用者端末9とインターネット17を介して接続され、警備コントローラ11とはLAN19を介して接続される。サーバ装置13はwebサーバ機能を有し、利用者端末9に対してホームページ上で情報を伝える。また、サーバ装置13はメール送信機能も持ち、電子メールを利用者端末9へ送る。
警備コントローラ11では、警戒セットモードと警戒解除モードが切替設定される。警備コントローラ11は、警戒セットモード中に異常を検知すると、この異常の情報を異常信号として監視センタに送信し、サーバ装置13は警備コントローラ11が検知した異常の情報からホームページのコンテンツを生成する。また、サーバ装置13は、通知の必要性に応じて利用者端末9に電子メールにて異常を通知する。利用者は、利用者端末9からインターネットを介して、サーバ装置13が提供するホームページを閲覧する。
また、警備コントローラ11は、異常が復旧したことを検知すると異常復旧の情報を復旧信号として監視センタ3に送信し、サーバ装置13は警備コントローラ11が検知した異常復旧の情報でホームページを更新する。また、サーバ装置13は、通知の必要性に応じて利用者端末9に電子メールにて異常復旧を通知する。
他方、警戒解除モード中は、防災センサや非常ボタンなど24時間監視する必要がある異常についてのみ上述の処理を実行する。
また、図1に示すように、監視区域である住戸には、錠(錠前)21と電気錠23とが設けられている。錠21は、鍵によって施錠及び解錠される。電気錠23の施錠及び解錠は、警備装置5により制御され、具体的にはサーバ装置13により制御される。錠21と電気錠23は別々の扉25、27に取り付けられている。したがって、錠21と電気錠23のどちらかを解錠すれば、監視区域に入ることができる。電気錠23は、本発明の入場規制装置に相当する。なお、錠21と電気錠23とが別々に設けられる例に限定されず、電気錠23が鍵によって住戸外から解錠できる場合には、電気錠23だけを設ける構成としてよい。この場合には、電気錠23の鍵を本例における錠21の鍵として警備会社に預ける。
上記の錠21を解錠する鍵は、原則的には警備会社が預かっている。そして、警備装置5から監視センタ3に異常通報が送られると、警備会社の対処員が鍵を持って監視区域に急行する。監視区域に到着した対処員は監視区域の外周を点検した後に、所持する鍵を使用して監視区域内に入り内部の点検を行う。
しかし、監視区域によっては、警備会社が鍵を預かることができないケースが存在する。この場合、警備会社では異常通報を受け対処員が急行しても、監視区域に入ることができない。このような場合に、本実施の形態では、以下に詳細に説明するように、警備装置5、特にサーバ装置13が好適に機能して、迅速な処置を実現する。
なお、図1に示されるように本実施の形態の例では、警備装置5において、警備コントローラ11とサーバ装置13とが別体に構成されていた。しかし、サーバ装置13と警備コントローラ11とは通信可能に構成されていればよく、上記構成に限定されない。勿論、サーバ装置13と警備コントローラ11が一体的に構成されていてもよい。一体的に構成する場合は、制御部や通信部、記憶部などサーバ装置13と警備コントローラ11とで共通するハードウェアを共用するよう構成することでコストを低廉にすることができる。
また、錠21は、金属製の鍵を使う機械的な錠に限定されず、磁気やICカード等の媒体を利用する接触又は非接触タイプの錠でもよい。また、本発明の範囲内で、錠21は、物理的な鍵を使う錠に限定されず、物理的でない鍵を使う錠を設けた監視区域にも本発明が適用される。物理的でない鍵を使う錠は、例えば、暗証番号タイプの錠や、バイオメトリクスタイプの錠である。これらの錠の場合には、暗証番号が知らされていなかったり、対処員のバイオメトリクスデータが登録されていない場合、すなわち、対処員が監視区域に入ることを許可されておらず解錠不可な場合が、鍵を預かっていない場合と同等と考えてよい。
以上に、警備システム1の概略を説明した。次に、警備システム1の各部の構成について説明する。
<監視センタ>
監視センタ3は、既に説明したように、警備会社が運営するセンタ装置7を備えた施設である。センタ装置7は、1又は複数のコンピュータで構成されており、本発明に関連する監視センタ3の機能を実現する。監視センタ3では、警備装置5から受信する各種情報をディスプレイに表示して監視員が監視区域を常時監視している。
また、監視センタ3のセンタ装置7は、監視区域の住所、電話番号、警備装置の識別番号、サーバ装置のIPアドレス、利用者の氏名、住所、電話番号、利用者端末の電子メールアドレス、過去の対処履歴などを対応付けて記憶管理するデータベースを具備している。また、センタ装置7では、現在勤務している対処員の担当地域、現在の状態なども関連付けて記憶管理される。
センタ装置7のディスプレイには、警備装置5から受信した異常信号に基づいて対処すべき監視区域の情報及び異常の情報が表示される。また、警備装置5から復旧信号を受信すると、ディスプレイには異常が復旧したことが表示される。
監視員は、かかるディスプレイの表示を見て監視区域に異常が発生していると判断すると、監視対象への対処員の対処指示や、利用者に対する確認処理などの必要な措置をとる。
対処員は、通常、各自の担当する地域にて待機又は巡回しており、監視センタ3から対処指示を受けると、異常の発生した監視区域に急行する。対処員は、監視区域となる建物に入館するための鍵を所持しており、監視区域に到着すると、まず、外周部分を点検し、次いで所持する鍵で錠21を解錠して内部の点検を実施する。このとき、対処員が監視区域に入館するための鍵を所持していなければ、外周部分を点検した後に、後述するように、利用者から電気錠23を解錠してもらい建物内部の点検を実施する。対処員は、監視区域の対処が終了すると監視センタ3に対処結果を報告する。
<警備コントローラ>
警備コントローラ11は、図2に示されるように、通信部31、センサI/F(インターフェース)33、記憶部35、操作部37及び制御部39を備えており、制御部39が警備コントローラ11の全体を制御する。
通信部31は、警備コントローラ11と監視センタ3、及び警備コントローラ11とサーバ装置13を接続する通信インターフェースである。前述したように、警備コントローラ11と監視センタ3はネットワークとしての公衆回線網15を介して接続され、警備コントローラ11とサーバ装置13はLAN19により接続される。通信部31は、後述するサーバ装置13の通信部51と共に本発明の通信手段として機能する。
センサI/F33は、監視区域である住戸内/外の適宜な場所に配置された各種センサと接続され、それら各種センサから検知信号を受信する通信インターフェースであり、本発明のセンサ信号入力部として機能する。各種のセンサは、扉の開閉を検出するマグネットセンサや赤外線にて人体を検出する赤外線センサなどの防犯センサ、煙感知器や熱感知器などの防災センサ、利用者に操作される非常ボタンなどである。各種センサにはそれぞれ固有のID番号が付与されており、検知信号にはこのID番号が含まれる。
記憶部35は、警備コントローラ11の警備機能を実現するのに必要なデータを記憶する構成である。記憶部35は、各種センサのID番号毎に、センサの種類、及びセンサの設置位置を対応付けたセンサ情報を記憶している。センサ情報は、これらデータのテーブルであってよい。また、記憶部35は、警備装置5の識別情報(警備装置ID)を記憶しており、この情報は、通報用の異常信号等の生成に用いられる。
操作部37は、警戒セットモードと警戒解除モードを設定するスイッチである。警戒セットモードとは、上述の防犯センサ(マグネットセンサや赤外線センサなど)が監視対象の状態変化を検出したときに、監視センタ3に異常通報するモードである。警戒解除モードとは、防犯センサが監視対象の状態変化を検出しても、異常を通報しないモードをいう。なお、防災センサ、非常ボタンによる検知信号が入力されたときは、警戒セットモードと警戒解除モードの何れのモードであっても、異常が通報される。操作部37は、例えば利用者により外出する際に操作されて警戒セットモードを設定し、帰宅したときに操作されて警戒解除モードを設定する。操作部37への操作に応じて、制御部39にてモード設定処理が行われる。すなわち、制御部39では、操作に対応する現在のモードが記憶保持され、現在のモードに対応する制御が行われる。
また、操作部37は、対処員や利用者から異常の復旧操作を受けると操作者を認証し、認証OKであれば復旧操作信号を制御部39に出力する。
制御部39は、前述のように警備コントローラ11の全体を制御する構成である。制御部39は、CPU等で構成されてよく、警備コントーラ11の機能を実現するプログラムを実行する。制御部39で実行するプログラムは、記憶部35に記憶されていてよい。
制御部39は、図示のように判定部41及び通報部43を有している。これら判定部41及び通報部43も、これら構成の機能を実現するプログラムを制御部39が実行することにより実現される。
判定部41は、センサから検知信号を受信すると、現在のモード及び記憶部35のセンサ情報と比較して異常の有無を判定する。判定部41は、警戒セットモードに設定されているときに、各種センサの何れかから検知信号を受信すると異常と判定する。また、判定部41は、警戒解除モードに設定されているときに、防災センサ、非常ボタンの何れかから検知信号を受信すると異常と判定する。
より詳細には、記憶部35のセンサ情報は、各センサのID情報(本実施の形態の例ではID番号)とセンサ種類を対応付けたテーブルである。また、判定部41では、予めモードごとに、異常判定対象のセンサ種類が決められている。異常判定対象のセンサ種類とは、検知信号が入力されたときに異常と判定するセンサの種類である。モード毎の異常判定対象のセンサ種類が判定部41のプログラム上で決められていてもよく、また、各モードと異常判定対象のセンサ種類を対応付けるテーブルが記憶部31に記憶されており、判定部41により参照されてもよい。
センサからの検知信号は、センサI/F33を介して制御部39に入力され、判定部41に伝えられる。センサからの検知信号は、センサのIDを含んでいる。判定部41は、センサから検知信号を受信すると、センサ情報を参照して、センサ情報にてIDと対応付けられたセンサ種類を特定する。さらに、判定部41は、制御部39に保持されている現在のモードを参照する。そして、判定部41は、特定されたセンサ種類と現在のモードに対応する異常判定対象のセンサ種類とが一致すれば、異常と判定し、一致しなければ、異常でないと判定する。上述した判定部41は、本発明の判定手段に相当する。
本実施の形態では、センサ種類が、防犯センサ、防災センサ及び非常ボタンの3種類である。警戒セットモードでは、これら3種のセンサが異常判定対象のセンサ種類に設定されている。したがって、どの種類のセンサから検知信号が入力されたときも、異常と判定される。一方、警戒解除モードでは、防災センサと非常ボタンが、異常判定対象のセンサ種類に設定されており、したがって、これら2種のセンサの少なくとも一方から検知信号が入力されると異常と判定される。
次に、制御部39の通報部43について説明する。通報部43は、判定部41が異常と判定するとかかる異常を示す異常信号を通信部31より監視センタ3及びサーバ装置13に送信する。異常信号は、警備装置5の識別番号、異常を検知したセンサのID番号、センサの種類及びその設置位置の情報を含む。
また、通報部43は、操作部37からの復旧操作信号の入力により異常が復旧したと判定部41が判定すると、復旧信号を監視センタ3及びサーバ装置13に送信する。復旧信号は、警備装置5の識別番号を少なくとも含む。
ここで、異常信号及び復旧信号は以下のようにして生成される。警備装置5の識別情報(上記の例では識別番号)は予め警備コントローラ11の記憶部35にセンサ情報とともに記憶されている。判定部41にて異常と判定されると、通報部43は、警備装置の識別情報を記憶部35から読み出し、また、センサからの検知信号に含まれるセンサID(上記の例ではID番号)に対応づけられたセンサ種類及び設置位置の情報を記憶部35のセンサ情報から取得し、これら情報を含んだ異常信号を生成する。復旧信号は、判定部41が操作部37からの復旧操作信号を受信したときに通報部43にて生成される。
なお、異常信号及び復旧信号は、上記のすべての情報を含まなくてもよく、システム仕様に応じて必要な情報を含んでいればよい。
上記の通報部43は、本発明の通報手段に相当する。通報手段は、監視区域の異常と判定されると監視センタへの通報処理を実行する構成である。より具体的処理としては、通報手段は、上記の例に示されたように、判定手段により異常と判定されると、記憶部に記憶された警備装置の識別情報とセンサ情報とを読み出して、それらを含む異常信号を生成し、生成した異常信号を通信手段に監視センタへ送信させる処理を行う構成である。センサ情報としては、異常判定時のセンサからの検出信号に含まれるセンサ識別情報に対応するセンサ情報が記憶部から読み出されて異常信号に含められる。上記の異常信号の生成と送信が通報処理に相当する。
<サーバ装置>
次に、サーバ装置13の構成について説明する。サーバ装置13は、webサーバ及びメールサーバの機能を有するコンピュータである。図2に示されるように、サーバ装置13は、通信部51、記憶部53、電気錠I/F55及び制御部57を有しており、制御部57がサーバ装置13の全体を制御する。
通信部51は、サーバ装置13とネットワーク、及びサーバ装置13と警備コントローラ11を接続する通信インターフェースである。サーバ装置13が接続されるネットワークはインターネット17であり、サーバ装置13は、インターネット17を介して利用者端末9と接続される。通信部51は、前述したように警備コントローラ11の通信部31と共に本発明の通信手段を構成する。
記憶部53は、ROM/RAM、ハードディスクドライブ(HDD)などで構成され、監視センタ3やプロバイダなどから割り当てられたサーバ装置のIPアドレスと、鍵受領情報と、利用者情報と、メールフォームと、異常状態保持テーブルと異常通知履歴とを記憶している。
鍵受領情報は、対処員が監視区域である住戸出入口の錠21を解錠できるか否かを示す情報である。本実施の形態では、鍵受領情報は、警備会社に錠21の鍵を預けているか否かを記憶するフラグ情報である。この鍵受領情報は、サーバ装置13の設置時に入力されてよい。
記憶部53は、鍵受領情報を記憶することで、本発明の記憶部、すなわち監視区域の錠の解錠可否を記憶する構成に相当している。記憶部53と警備コントローラ11の記憶部35とが本発明の記憶部に相当するといってもよい。
なお、鍵受領情報は、出入口錠が鍵21により解錠されるものでなければ、適宜対応する情報が入力されてよい。例えば、住戸出入口の錠がカード錠であれば、鍵受領情報は、カードキーを預けたか否かの情報であってよい。また、本発明では、既に説明したように、錠21が物理的でないタイプのものでもよく、例えば、バイオメトリクス情報による生体認証錠であってよい。この場合、記憶部53は、鍵受領情報として、対処員の生体情報が登録されているか否かをフラグとして記憶する。このように、記憶部53は、対処員が監視区域の錠を解錠可能か否かの情報を記憶していればよく、具体的な情報は錠のタイプに応じて異なってよい。
利用者情報は、警備装置5の利用者毎に、利用者のID、パスワード、利用者端末9の情報などを記憶管理するデータベースである。利用者のID及びパスワードは、利用者を識別し認証するための情報である。利用者端末9の情報としては、利用者端末9の電子メールアドレスが記憶される。
メールフォームとしては、メール特定データとして、送信元アドレス、件名、本文などが記述された送信フォームが記憶されている。送信フォームの本文部分には、後述のwebサーバ部61が利用者のために利用者端末9からアクセスできるように公開するホームページのURLが記述される。また、送信フォームとしては、異常の発生を通知するフォームと、異常の復旧を通知するフォームとが記憶される。
異常状態保持テーブルは、異常を検知したセンサの情報を記憶するテーブルである。サーバ装置13が警備コントローラ11から異常信号を受信すると、異常信号が制御部57に伝えられる。そして、異常状態保持テーブルは、制御部57の書き込み処理を受けてかかる異常の状態を保持する。また、サーバ装置13が警備コントローラ11から当該異常に関する復旧信号を受信すると、異常状態保持テーブルでは、制御部57の書き込み処理によりこの異常のレコードがテーブルから消去されて、異常状態の保持が解除され、すなわち異常状態の保持が終了する。
図3は、異常状態保持テーブルの例を示している。異常信号には、前述したように、センサID、センサ種類及びセンサ設置場所の情報が含まれている。異常状態保持テーブルは、図3に示されるように、これら異常信号に含まれる情報をテーブル形式で保持する。
異常通知履歴としては、後述するメール配信サーバ部63から異常通知メールが送信された利用者の情報が記憶される。この異常通知履歴は、異常状態保持テーブルにて異常状態の保持が解除されると履歴が消去され、すなわち、履歴がリセットされる。これにより、異常状態保持テーブルに異常が保持されている間のみ、異常通知履歴として異常通知メールの送信履歴が保持される。
電気錠I/F55は、電気錠23に接続されるインターフェースであり、制御部57からの制御信号を電気錠23に送り、電気錠23からの信号を制御部57に入力する。電気錠23への制御信号としては、解錠及び施錠を指示する信号が送られる。ここで、電気錠23は、既に説明したように本発明の入場規制装置の一形態である。そして、電気錠I/F55は警備装置5を電気錠23と接続する構成であり、本発明の規制装置接続部に相当する。さらに、制御部57の電気錠制御部65が電気錠I/F55を介して電気錠23を制御する構成であり、すなわち入場規制装置による入場の規制を解除する処理を行う構成であり、本発明の処理手段に相当する。
制御部57は、前述のようにサーバ装置13の全体を制御する構成である。制御部57は、CPUやMPU等で構成されており、サーバ装置13の機能を実現するプログラムを実行する。制御部57で実行するプログラムは、記憶部53に記憶されていてよい。
制御部57は、図示のようにwebサーバ部61、メール配信サーバ部63及び電気錠制御部65を有している。これらwebサーバ部61、メール配信サーバ部63及び電気錠制御部65も、これら構成の機能を実現するプログラムを制御部57が実行することにより実現される。
webサーバ部61は、サーバ装置13のCPUやMPUに読み込まれて実行されるサーバプログラムにより実現される。webサーバ部61は、ホームページ(webページ)を利用者端末9に提示することにより利用者に情報を伝える。また、webサーバ部61は、ボタンや入力欄などの入力機能が設定されたホームページを利用者端末9に提示することにより、利用者端末9を入力可能な状態とし、利用者の指示等の入力情報を利用者端末9から受信する。具体的には、webサーバ部61は、ホームページの提供により、警備コントローラ11で検出された異常の情報を利用者端末9に送信し、また、入力可能なホームページの提供により、電気錠23の解錠指示を利用者端末9から受け付ける。この解錠指示は、本発明の規制解除信号(入場規制装置による規制の解除を指示する信号)に相当する。
webサーバ部61は、上記の異常情報提示と解錠指示入力の2つの機能を実現するために、異常状態保持テーブルの情報を示すコンテンツ、及び電気錠23の解錠を入力するためのコンテンツをインターネットに公開するHTML文書(ホームページ)を記憶している。webサーバ部61は、異常状態保持テーブルの内容が更新されるとこれにあわせてコンテンツを更新して記憶する。すなわち、異常状態保持テーブルに異常が保持されていれば、かかる異常を表示するコンテンツを記憶し、異常が保持されていなければ、監視区域が正常であることを表示するコンテンツを記憶する。
webサーバ部61は、通信部51を介してネットワークからのアクセスがあると、記憶部53の利用者情報に基づき当該アクセスが利用者端末(利用者)9からのアクセスであるか認証を行う。認証処理では、利用者情報のIDとパスワードの照合が行われ、すなわち、これらIDとパスワードが利用者からの入力情報と記憶された利用者情報とで一致するか否かが判定されてよい。認証処理については既に種々の手法が知られるところであり、ここでの詳細な説明は省略する。認証処理の結果、利用者端末からのアクセスであることが認証できれば、アクセス元である利用者端末9とのセッションを開始してホームページのコンテンツ情報を送信する。これにより、異常状態保持テーブルの情報がホームページに載せて利用者端末9に送信され、利用者端末9の画面に表示され、閲覧可能になる。
また、webサーバ部61は、解錠指示の入力を受け付けるホームページの提供については、以下のような処理を行う。サーバ装置13において、記憶部53は、異常通知履歴として、メール配信サーバ部63から異常通知メールが送信された利用者の情報を記憶している。そこで、webサーバ部61は、上述したアクセス時の認証結果を利用し、異常通知メールの送信先の利用者からのアクセスであるか否かを判定する。具体的には、認証結果のID、パスワードから特定される利用者と、異常通知履歴に記録された利用者とが一致するか否かが判定される。また、webサーバ部61は、異常状態保持テーブルを参照し、同テーブルに異常が保持されているか否かを判定する。webサーバ部61は、これらの判定結果に基づき、アクセスしてきた利用者の利用者端末9へ異常通知メールを送信してあり、かつ、異常状態保持テーブルに異常が保持されている場合のみ、解錠指示の入力を受け付けるホームページを利用者端末9に提供し、解錠指示の入力を受け付ける。
webサーバ部61は、セッション中の利用者端末9から電気錠23の解錠指示の入力を受け付けた場合、電気錠制御部65に解錠要求信号を出力する。また、webサーバ部61は、電気錠制御部65から解錠OKまたは解錠NGの入力があると、コンテンツを編集してホームページ上に電気錠23の制御結果を表示する。
なお、利用者端末9からの解錠入力は、上述のようにwebサーバ部61にて受け付ける例に限定されない。解錠入力は、利用者端末9からサーバ装置13に直接電子メールや所定のコマンドを送信することにより受け付けられてもよい。この場合、記憶部53の利用者情報と異常通知履歴情報とに基づいて、異常通知メールの送信先であることが認証でき、かつ異常状態保持テーブルに異常が保持されていれば解錠入力を受け付ける。
図4は、利用者端末9に提供されるホームページの例を示している。図の例では、「現在の状態」が、異常状態保持テーブルに保持されている異常の情報であり、具体的には、異常が検知されたセンサの種類と設置位置が表示されている。
図4の例では、異常通知メールが既に利用者端末9に送信されているとする。異常通知済みであるので、ページ下部に示すように、電気錠の解錠指示のボタンが表示されている。このボタンをクリックする(押す)ことで、解錠指示が入力され、サーバ装置13へ送信される。
この例のように、異常状態表示のページと、解錠指示入力受付のページとは、一つのホームページであってよい。なお、本実施の形態では、異常通知メールが送信されていない場合、又は、異常状態保持テーブルに異常が保持されていない場合(復旧している場合)は、図4のホームページから解錠受付のボタンが削除される。この場合には、解錠指示の受付が行われない。
以上にwebサーバ部61について説明した。webサーバ部61は、上記のように異常通知履歴に基づいて異常通知が実行された利用者端末9へのホームページ上でのみ解錠指示を入力可能としている。webサーバ部61は、警備装置に設けられた規制解除受付手段ということができる。規制解除受付手段は、入場規制装置の規制解除信号を利用者端末から受け付ける構成であり、特に、利用者端末への異常通知処理を実行したことを条件に利用者端末から入場規制装置の規制解除信号を受信可能とするように構成されている。より詳細には、上記の例に見られたように、記憶手段が、異常通知手段により利用者端末へ異常通知処理を実行したことを異常通知履歴として記憶し、規制解除受付手段が、記憶手段の異常通知履歴を参照して、異常通知履歴が記録されていることを条件に規制解除信号を受信可能とする。この際、上記の例では、規制解除受付手段の処理によって利用者端末が規制解除信号を送信可能な状態とし、これにより規制解除信号を受信可能となっている。
また、本実施の形態では、記憶部53が、上述の異常状態保持テーブルを記憶しており、そして、webサーバ部61は、異常状態がテーブルに保持されているときに場合に解錠指示を入力可能とし、これにより、電気錠制御部65が異常状態の保持が解除されるまでの間に限り電気錠23を解除可能となる構成が実現されている。ここでは、記憶手段(記憶部53)が、センサが異常を検出したときに異常が復旧するまで異常状態を保持しており、より詳細には、記憶手段は、判定手段が異常と判定すると、判定された異常の情報を保持し、同センサから異常の検知信号が入力されなくなって判定手段が復旧と判定すると、異常の情報を削除し、これにより異常が復旧するまで異常状態を保持する。そして、規制解除受付手段(webサーバ部61)が、記憶手段の異常状態の情報を参照し、記憶手段に異常状態が保持されていることを条件として規制解除信号を利用者端末から受け付ける。ここでは上記のように利用者端末を規制解除信号の送信が可能な状態に制御する。そして、規制解除受付手段は規制解除信号を受け取ると処理手段(電気錠制御部65)に渡すので、処理手段は、異常状態の保持が解除されるまでの間に限り、入場規制装置による入場の規制を解除可能となる。
次に、メール配信サーバ部63について説明する。メール配信サーバ部65は、サーバ装置13のCPUやMPUに読み込まれて実行されるメール配信プログラムにより実現される。メール配信サーバ部63は、監視コントローラ11の判定部41にて監視区域の異常と判定されると利用者端末9への異常通知処理を実行する。異常通知処理としては異常通知メールが送信される。本実施の形態では、下記のように、メール配信サーバ部63は、対処員が監視区域の錠21を解錠可能か否かに応じて、異常通知処理を実行するか否かを異ならせる。
メール配信サーバ部63は、記憶部53の鍵受領情報を参照する。鍵受領情報は、錠21を解錠する鍵を預かっているか否かの情報であり、鍵を預かっていれば錠21を解錠可能である。メール配信サーバ部61は、鍵受領情報に基づき、対処員が錠21を解錠できるか否かを判定する。そして、メール配信サーバ部61は、錠21を解錠できないと判定すると利用者端末9へのメール送信を許容し(これにより通知が必須になる)、錠21を解錠できると判定すると利用者端末9へのメール送信を禁止する。
メール配信サーバ部63は、メール送信が許容される場合には、警備コントローラ11から受信した異常信号または復旧信号に対応する送信フォームを記憶部53のメールフォームから読み出して、利用者情報として記憶された利用者端末9のメールアドレスに宛てて電子メールを送信する。ここでは、利用者情報のメールアドレスが読み出され、送信フォームの宛先欄にメールアドレスに書き込まれ、送信処理が行われる。
また、メール配信サーバ部63は、異常通知の電子メールを送信したときに、送信先となる利用者の情報を異常通知履歴として記憶部53に記憶する。
例えば、警備コントローラ11から異常信号を受信して、この受信した異常の情報が異常状態保持テーブルに書き込まれると、メール配信サーバ部63は、送信フォームとして、異常の発生を通知するフォームを読み出して利用者端末9に電子メールを送信し、送信先の情報を記憶部53に記憶する。他方、警備コントローラ11から復旧信号を受信して、この受信した異常復旧の情報に従って異常状態保持テーブルの異常が消去されると、メール配信サーバ部63は、送信フォームとして、異常の復旧を通知するフォームを読み出して利用者端末9に電子メールを送信する。
上記のメール配信サーバ部63は、本発明の異常通知手段として機能している。異常通知手段は、監視区域の異常と判定されると利用者端末への異常通知処理を実行する構成であり、特に、対処員が監視区域への入場を規制する錠を解錠可能か否かに応じて異常通知処理を実行するか否かを異ならせるように構成されている。より具体的処理としては、異常通知手段は、上記の例に示されたように、異常通知処理として、記憶部に予め記憶されている異常通知メッセージを、同じく記憶部に予め記憶されている利用者端末の送信先(例えば電子メールアドレス)へと送信する。異常通知メッセージに、異常検出結果に応じた情報(時間、異常内容等)が含められてよい。また、異常通知手段は、上記の例に示されたように、記憶部に予め記憶された対処員が監視区域の錠を解錠可能か否かの情報を読み出し、この読み出した情報に従って対処員が解錠可能か否かを判定し、判定結果に応じて異常通知処理を実行するか否かを異ならせる。具体的には、異常判定手段は、解錠可能な場合には異常通知処理の実行を禁止し、解錠不可の場合には異常通知処理の実行を許可する。
次に、電気錠制御部65について説明する。電気錠制御部65は、電気錠I/F55を介して電気錠23を制御する。電気錠23は通常施錠状態に保持されており、電気錠制御部65から解錠信号を受けて所定時間だけ錠を解錠する。
電気錠制御部65は、利用者端末9からの解錠入力をwebサーバ部61が受け付けたとき、電気錠23に解錠信号を出力する。すなわち、電気錠制御部65は、電気錠(入場規制装置)の処理手段としての機能を、webサーバ部61と共に果たしている。そして、電気錠制御部65は、電気錠23の制御結果として解錠OKであれば、webサーバ部61に解錠OKを通知し、解錠NGであればwebサーバ部61に解錠NGを通知する。
以上に、警備装置5の各部の構成について詳細に説明した。次に、図5〜図7のフローチャートを参照し、警備装置5の動作を説明する。ここでは、主として異常が発生したときの警備装置5の動作を説明する。
図5は、警備コントローラ11における異常通報処理のフローチャートである。センサから検知信号が入力されると、制御部39の判定部41がモード設定に応じて異常の有無を判定する。判定部41により異常と判定されると、図5の処理が行われる。
図5に示すように、判定部41により異常有りと判定されると、通報部43は、LAN19を介してサーバ装置13に異常信号を送信し(S1)、また、公衆回線網15を介して監視センタ3のセンタ装置7へ異常信号を送信する(S3)。監視センタ3が異常信号を受信すると、警備会社の対処員が監視区域に行く。このとき、対処員は、監視区域の鍵を預かっていれば、監視区域の錠21を解錠して内部を点検する。鍵を預かっていない場合は、後述する電気錠23の解錠を経て内部を点検することになる。
次に、通報部43は、判定部41により異常から復旧したと判定されるのを待つ(S5)。例えば、センサから検知信号が入力されなくなり、対処員が点検後に所定の復旧操作を行うと、復旧が行われる。判定部41により復旧と判定されると(S5、Yes)、通報部43は、LAN19を介してサーバ装置13に復旧信号を送信し(S7)、また、公衆回線網15を介して監視センタ3のセンタ装置7へ復旧信号を送信し(S9)、処理を終了する。
図6は、サーバ装置13における利用者端末9への異常通知処理のフローチャートである。サーバ装置13が異常信号又は復旧信号を受信すると(S11)、Webサーバ部61が、受信信号に含まれる情報と記憶部53の異常状態保持テーブルの情報に差分があるか否かを判定する(S13)。差分が無ければ処理が終了し、差分が有れば、異常状態保持テーブルに差分の情報が書き込まれる(S15)。
例えば、新しく異常が発生し、異常信号が受信されたとする。異常信号は、前述したように、異常を検知したセンサのID番号、センサの種類及びその設置位置の情報を含んでいる。これらの情報は、異常状態保持テーブルにまだ保持されていない。そこで、これらの情報が差分となり、異常状態保持テーブルに書き込まれる。
また、異常から復旧し、復旧信号が受信されたとする。復旧信号を受信すると、異常状態保持テーブルとの差分の有無にかかわらず、異常状態保持テーブルに保持されている全てのレコードを消去する。そして、異常状態保持テーブルが書き換えられると、Webサーバ部61の提供するホームページが更新されて、異常状態保持テーブルに合わせられる(S17)。
次に、メール配信サーバ部63が、記憶部53の鍵受領情報を参照し、監視区域の錠21の鍵を預かっているか否か、すなわち、監視区域に入場できるか否かを判定する(S19)。入場可能であれば、処理を終了する。入場不可の場合、メール配信サーバ部63は、利用者端末9へ電子メールを送信する(S21)。このとき、メール配信サーバ部63は、警備コントローラ11から受信した異常信号または復旧信号に対応する送信フォームを記憶部53のメールフォームから読み出して、利用者情報として記憶された利用者端末9のメールアドレスに宛てて電子メールを送信する。電子メールには、異常の通知と共に、Webサーバ61が提供するホームページのURLが記載される。メール配信サーバ部63は、異常通知の電子メールを送信したときに、送信先となる利用者の情報を異常通知履歴として記憶部53に記憶する(S23)。
次に、図7は、webサーバ部61によるホームページの提供処理を示している。利用者端末9からのアクセス要求を受けると、webサーバ部61は、IDとパスワードの入力を受け付けて認証処理を行う(S31)。認証に成功すると、webサーバ部61は、アクセス要求が異常通知メールの送信先から成されたものか否かを判定する(S33)。ここでは、認証時のIDから利用者が特定される。そして、記憶部53の異常通知履歴が参照されて、アクセス元の利用者が異常通知履歴に記録されているか否かが判定される。
ステップS33の判定がNoであれば、すなわち、異常通知メールを送信していない利用者端末9からアクセス要求がなされたのであれば、webサーバ部61は、電気錠23の解錠指示を入力できないホームページを利用者端末9へ送信する(S37)。ここでは、異常状態保持テーブルの状態を示すだけで、解錠指示のボタンが無いホームページが送信される。具体的には、図4の例のホームページから解錠指示のボタンが削除されたものが送信される。
ステップS33の判定がYesであり、異常通知メールを送信した利用者端末9からアクセス要求があった場合、webサーバ部61は、記憶部53の異常状態保持テーブルを参照し、異常状態が保持されているか否かを判定する(S35)。ステップS35がNoであれば、既に異常が復旧しているので、ステップS37に進み、電気錠23の解錠指示を入力できないホームページを利用者端末9へ送る。
ステップS35がYesであり、すなわち異常状態が保持されている場合、webサーバ部61は、電気錠23の解錠指示を入力可能なホームページを利用者端末9へ送信する(S39)。ここでは、図4の例の通り、異常状態保持テーブルの状態を示すと共に、解錠指示のボタンを有するホームページが利用者端末9へ送信される。
webサーバ部61は、ステップS39で解錠指示を入力可能なホームページを提供した後、利用者端末9から解錠指示を受け付けたか否かを判定する(S41)。利用者端末9で解錠指示が入力され(図4の解錠指示のボタンがクリックされ)、解錠指示がサーバ装置61へ送信されると、ステップS41の判定がYesになる。解錠指示を受け付けると、webサーバ部61が電気錠制御部65に解錠要求信号を出力し、電気錠制御部65が電気錠I/F58を介して電気錠23を制御し、これにより電気錠23を解錠する(S43)。また、このとき、電気錠23の制御結果により、ホームページを更新して利用者端末9に送信する。他方、利用者端末9から解錠指示の入力がないまま、利用者端末9とのセッションが切断されるとステップS41の判定がNoとなる。
上記の図6及び図7の処理により、鍵を預かっていない利用者の場合には、異常通知メールが送信され、そして、異常状態を伝えるホームページにて電気錠23の解錠指示の入力が受け付けられ、解錠指示に従って電気錠23が解錠される。一方、鍵を預かっている利用者の場合には、異常通知メールは送信されない。また、ホームページ上でも電気錠23の解錠指示の受付は行われず、異常状態保持テール部の状態のみがホームページに載せられる。
以上に、本実施の形態に係る警備装置5の異常発生時の動作について説明した。次に、本実施の形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、メール配信サーバ部61は、対処員が錠21を解錠できない場合に利用者端末9への異常通知メール送信を許容し、対処員が錠21を解錠できる場合には利用者端末9への異常通知メール送信を禁止している。これにより、解錠不可な場合の異常通知が必須となる一方、解錠可能な場合は異常通知が一律に禁止された。変形例では、後者の場合、すなわち錠21を解錠可能な場合に、異常通知処理の実行可否を任意に設定可能としてよい。この設定は、鍵受領情報の入力時に行われてよい。
図8は上記変形例に適合する鍵受領情報を示している。鍵受領情報は、前述の通り、サーバ装置13の記憶部53に記憶され、メール配信サーバ部61の処理に使用される。鍵受領情報としては、鍵の預かりの有無と、通知の可否が記憶される。鍵が無い(預かっていない)ときは、通知は可である。鍵が有る(預かっている)ときは、通知は、可又は否である。メール配信サーバ部61は、鍵受領情報を参照して、異常通知の可否の設定に従って、異常通知メールを送信するか否かを決定する。
このように、本発明において、異常通知手段は、対処員が錠21を解錠不可な場合は異常通知処理の実行を必須とし、対処員が錠21を解錠可能な場合は異常通知処理の実行可否を設定自在としてよい。より詳細には、上記の例のように、解錠可能な場合の異常通知処理の実行可否を予め記憶手段に記憶しておき、異常通知手段は、記憶手段から実行可否の情報を読み出して、その情報に従って異常通知処理を実行するか否かを決定してよい。この変形例によっても、錠21の解錠可否に応じて異常通知処理を実行するか否かを異ならせることができる。
次に、別の変形例について説明する。本実施の形態では、警備装置5は、異常通知メールを送信した後、電気錠23の解錠指示を受け付けた。すなわち、警備装置5は、異常通知処理を行ってから、入場規制装置の規制解除信号を受け付けるように構成されていた。しかし、異常通知処理を行った後の処理は、上記に限定されない。他の装置に対して他の処理が行われてよい。
上記の実施の形態における入場規制装置に対する処理と、変形例における他の処理を包含する表現としては、警備装置5が、監視区域に設置された設置装置に対して処理を行うということができる。すなわち、警備装置5が、異常通知処理を行った後、監視区域の設置装置の動作を指示する動作指示信号を受け付ける受付手段と、受け付けられた動作指示信号に従って設置装置の動作を制御する処理手段を備えるといってよい。設置装置は上記の電気錠でもよい。あるいは、設置装置は、遠隔操作が可能な消火装置でもよく、この場合は、消火指示信号が受け付けられて、消火装置に消火動作を行わせてよい。
また、本実施の形態では、異常通知メールを送信した利用者からの解錠指示を受け付ける例について説明した。しかし、これに限定されず、鍵受領情報に鍵を預けたことが記憶されていない場合に解錠指示を受け付けるようにしてよい。すなわち、鍵を預けたことが記憶されておらず、かつ、異常が保持されている場合に、利用者がwebサーバにアクセスすると、解錠指示を入力できるホームページを利用者端末に送信する。これにより、異常通知メールを受信していない利用者でも遠隔から錠を解錠でき、対処員と協力して迅速に異常対処できる。
以上に本発明の好適な実施の形態について説明した。以下、本発明により得られる利点について説明する。
本発明によれば、警備装置が、監視区域への入場を規制する錠を対処員が解錠可能か否かを予め記憶している。そして、解錠可能でなければ、異常検出時に利用者端末への異常通知処理を実行する。これにより、対処員が監視区域の錠を解錠不可な場合でも、異常発生を利用者端末に通知することにより、利用者の協力を受けることが可能になり、異常に対する迅速な対応を可能にできる。
本発明では、上記の実施の形態に見られたように、異常通知手段は、対処員が監視区域の錠を解錠可能な場合には異常通知処理を禁止し、解錠不可の場合には異常通知処理を実行してよい。
本発明は、特に、セキュリティ性を高く設定した警備装置及び警備システムにおいて有用であり、以下、この点についてより詳細に説明する。セキュリティ性を高くする場合、利用者端末から自由に警備装置を遠隔操作できることは本来は好ましくない。セキュリティ性を損なう操作等の可能性があるからである。そこで、高いセキュリティ性を得るために、本発明は、基本的には異常検出を利用者端末に積極的に通知はせずむやみに不安感を煽らないように構成されている。さらに上記の例では利用者端末からのアクセスがあれば異常状態保持テーブルの情報を提供するものの、電気錠の解錠指示などは受け付けない。そして、異常は監視センタにのみ通報され、予め預けた鍵を使って対処員が異常に対処する。しかし、例外的に鍵を預かれない場合には、対処の迅速性が損なわれるのを防ぐ必要がある。そこで、本発明は、このような場合に限定的に利用者端末に異常通知を行うことで、対処の迅速性を確保している。上記の例では電気錠の解錠により対処員が監視区域内を点検できる。
ここで、仮に、本発明を適用せず、鍵を預かっているか否かによらず、一律に異常通知を行い、遠隔操作による電気錠の解錠も許容したとする。この場合には、誤動作等の可能性が増大し、その分だけセキュリティ性が低下する。このような点を考慮し、本発明は、鍵を預かれない場合など、対処員が監視区域の錠を解錠不可の場合に限定的に異常通知を行う。これにより、本発明は、高いセキュリティ性を確保しつつ、対処員が解錠不可の場合にもより迅速に異常に対処できる。
また、本発明は、図8を用いて変形例として説明したように、対処員を監視区域へ入場規制する錠を解錠可能な場合は異常通知処理の実行可否の設定を自在としてよい。この場合、対処員が監視区域の錠を解錠不可の場合に異常通知処理の実行を必須として対応の迅速性を確保するとともに、対処員が監視区域の錠を解錠可能な場合でも異常通知処理を実行するか否かを任意に設定可能として利用者の要望や監視区域の条件等に合わせた適切な設定が可能になる。
また、本発明の警備装置は、さらに、監視区域への入場を規制する入場規制装置と接続される規制装置接続部と、異常通知手段が異常通知した利用者端末から規制解除信号を受信したときに入場規制装置による入場の規制を解除する処理手段と、を備える。上記の実施の形態では、入場規制装置が電気錠であった。本発明によれば、異常通知処理を受けた利用者端末からの遠隔操作によって入場規制を解除できるので、対処員が監視区域に入ることができ、異常に対する迅速な対応が可能となる。
また、本発明の警備装置において、記憶部は、判定手段が異常を判定すると該異常が復旧するまで異常状態を保持し、処理手段は、該異常状態の保持が解除されるまでの間に限り、入場規制装置による入場の規制を解除可能とする。上記の実施の形態では、異常状態保持テーブルに異常状態が保持され、異常状態が保持されているときのみ電気錠の解錠指示が受け付けられた。このように、本発明によれば、異常が復旧するまでは遠隔での入場規制解除が可能であるが、異常が復旧すると遠隔での入場規制解除が不可能になる。遠隔からの入場規制解除は非常手段であり、セキュリティ性を高めるためには、遠隔操作を制限することが望まれる。本発明では、異常が復旧すると遠隔操作による入場規制解除を禁止できるので、セキュリティ性を向上することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。