JP6036471B2 - 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置である。
前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項1に記載の画像形成装置である。
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
請求項5に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項4に記載のプロセスカートリッジである。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、表面にトナー像が形成され且つ該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、を備え、画像形成装置に対して脱着自在である。
画像形成装置では感光体の表面が帯電手段によって帯電されるが、この帯電が繰り返されることによって感光体の最外層では、層中に含まれる樹脂の分子鎖が徐々に切断されていくものと考えられる。尚、分子鎖が切断された箇所は強度が落ちるため、クリーニングブレードとの摺擦による摩耗がより促進される。ここで、最外層において樹脂の分子鎖の切断が全体的にムラなく発生するのであれば、クリーニングブレードとの摺擦による摩耗も全体的に促進されるものと考えられる。しかし、最外層が軸方向において厚さに傾斜を有する感光体では、最外層の厚さが薄いほど帯電の負荷による樹脂の分子鎖の切断が顕著に進行するものと思われ、そのため最外層の厚さが薄い側ほど摩耗の進行が促進されるものと考えられる。その結果、軸方向の一端側と他端側とで摩耗の進行度合いが異なり、偏摩耗が生じるものと推察される。
また、帯電手段として、感光体に対し接触して交流電流を帯電させる接触式交流帯電器を用いる場合には、特に帯電による負荷が大きくなり最外層中の樹脂の分子鎖の切断もより進行するものと考えられ、上記の偏摩耗もより顕著に発生する。
感光体上に均一に電荷がかかると、膜厚が薄い側の端部にはより大きな負荷がかかるため最外層の分子鎖が切れやすい状態となる。そこにクリーニングブレードが接触することにより切れた分子鎖がかきとられ摩耗していく。しかし、本実施形態におけるクリーニングブレードは、ブレード自体の剛性は保ちながら低摩擦係数で使用し得るため、高いクリーニング性を維持しつつ且つ摩擦による感光体の摩耗を低減させられ、特に高負荷がかかる膜厚が薄い側についても摩耗率を低減し得るものと推察される。
本実施形態のクリーニングブレードは、感光体との接触部分を構成する部材の示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上220℃以下である。更には185℃以上215℃以下であることが望ましく、190℃以上210℃以下であることがより望ましい。
また、本実施形態では、接触部分を構成する部材の吸熱ピークトップ温度が上記範囲のクリーニングブレードと本実施形態の感光体とを組み合わせることで、更に感光体における偏摩耗の発生が抑制される。
本実施形態のクリーニングブレードは、結晶性を高めつつ且つ適正な範囲に制御し、つまり吸熱ピークトップ温度(溶融温度)を適正な範囲とすることで、欠けを抑制し優れた耐摩耗性を実現し、且つ感光体における偏摩耗の発生が抑制される。
上記制御方法の詳細については、後に詳述する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成について、図面を用い一例を挙げて、詳細に説明する。但し、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成は、図1に示す態様に限定されるものではない。
図1中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム(電子写真感光体の一種)、33は各現像ユニット(現像手段の一種)、34はクリーニング装置(クリーニング手段の一種)、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット(静電荷像形成手段の一種)、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置(転写手段の一種)、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。尚、一次転写装置51と中間転写ベルト230と二次転写装置52とで本実施形態における転写装置を構成する。
また、図1中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を、排出ロール67を逆転させ且つ入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
次に、図1に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図2は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図1中に示すクリーニング装置34と共に、一体化されてプロセスカートリッジ化されている感光体ドラム31、帯電ロール32、現像ユニット33を示した図である。
図2中、32は帯電ロール(帯電手段)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
尚、ここでまず、クリーニングブレードの各部について説明する。以下においては、図3に示すごとく、クリーニングブレードは、駆動する感光体31に接触して感光体31の表面をクリーニングする接触角部3Aと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、を有する。
また、接触角部3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
また、クリーニングブレードが、前記接触部材と該接触部材以外の領域とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合には、接触部材以外の領域を構成する部材を「非接触部材」と称する。非接触部材は、1種の材料で構成されていても材料異なる2種以上の部材から構成されていてもよい。
尚、図5では接触部材として1/4にカットされた円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4にカットされた形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
本実施形態のクリーニングブレードにおける接触部材は、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ。
結晶性の指標としては、吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が挙げられる。本実施形態におけるクリーニングブレードでは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上であり、更には185℃以上であることがより望ましく、190℃以上であることが更に望ましい。尚、上限値としては220℃以下であり、更には215℃以下であることがより望ましく、210℃以下であることが更に望ましい。
また、本実施形態では、ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であることが望ましい。
ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であることにより、ブレード表面での結晶面積が増え、摺動性向上の利点がある。一方、20μm以下であることにより、低摩擦化を維持しつつ、靱性(耐欠け性)を失わないとの利点がある。
上記平均粒子径は、更に5μm以上15μm以下であることがより望ましく、5μm以上10μm以下であることが更に望ましい。
ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることは、つまり様々な粒子径のものが混在していることを表し、小さい凝集体によって、ソフトセグメントとの接触面積が増えることによる高硬度化の効果が得られ、一方大きい凝集体によって、摺動性向上の効果が得られる。
上記粒度分布は、更に2μm以上5μm以下であることがより望ましく、2μm以上3μm以下であることが更に望ましい。
尚、画像の2値化は、画像処理ソフトOLYMPUS Stream essentials(オリンパス社製)を用い、結晶部を黒、非晶部を白になるよう色相/彩度/輝度の閾値を調整する。
標準偏差σ(μm)=√{(X1−M)2+(X2−M)2+・・・
・・・+(X500−M)2}/500
Xn:測定粒径n(n=1から500)
M:測定粒径の平均値
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴム部材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
具体的には、ポリウレタン組成物を調整する際に、ポリオールやプレポリマーの温度を低くしたり、硬化・成形の温度を低くしたりすることにより、架橋の進行が遅くなるよう調整する。これらの温度(ポリオールやプレポリマーの温度、硬化・成形の温度)を低く設定して反応性を下げることにより、ウレタン結合部が凝集し、ハードセグメントの結晶体が得られるので、ハードセグメント凝集体の粒子径が求められる結晶径となるよう温度を調整する。
これにより、ポリウレタン組成物に含まれる分子が並んだ状態となり、DSCを測定した際に、結晶融解エネルギーの吸熱ピークトップ温度が前記範囲の結晶体を含むポリウレタンゴム部材が成形される。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、および架橋剤の量や、架橋剤の比率等は求められる範囲に調整する。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加えて混合し、クリーニングブレード形成用の組成物を調製する。
更に架橋反応させ、冷却した後にカットしクリーニングブレードが形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
前記特定部材においては、ポリウレタンゴム中における化学架橋(架橋剤による架橋)「1」に対する物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)の比率が、1:0.8乃至1:2.0であることが望ましく、更には1:1乃至1:1.8であることが望ましい。
化学架橋に対する物理架橋の比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体がより成長され結晶由来の低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
Z=2C1(λ−1/λ2)+2C2(1−1/λ3)
Z:応力、λ:歪、C1:化学架橋密度、C2:物理架橋
尚、引張り試験による応力−歪曲線より10%伸長時のZとλを用いる。
ソフトセグメントに対するハードセグメントの比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体量も増えることにより低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
本実施形態のクリーニングブレードにおける非接触部材は、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。
・反撥弾性
非接触部材は、50℃の反撥弾性が70%以下である材料で構成されることが望ましい。更には、60%以下であることがより望ましく、50%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に30%以上であることが望ましく、40%以上であることがより望ましい。
また、本実施形態のクリーニングブレードにおける非接触部材は、100%永久伸びが1.0%以下である材料で構成されることが望ましく、0.5%以下であることがより望ましく、0.4%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に0.1%以上であることが望ましく、0.2%以上であることがより望ましい。
JIS K6262(1997年)に準拠して、短冊状試験片を用い、100%引張りひずみを与えて24時間放置し、下記式の通り標線間距離より求められる。
Ts=(L2−L0)/(L1−L0)×100
Ts:永久伸び
L0:引張り前の標線間距離
L1:引張り時の標線間距離
L2:引張り後の標線間距離
尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6262に規定の短冊状試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から短冊状試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が短冊状試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって短冊状試験片を形成し、この短冊状試験片について上記の測定が行われる。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
尚、図4に示す二層構成などの複数層構成の場合には、接触部材としての第一層および非接触部材としての第二層(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることによりクリーニングブレードが作製される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
尚、通常は支持部材3423と背面3Dとの接着面はその全面に接着剤が塗布されて貼り付け合わされる。しかし、接着剤が支持部材3423の先端面3B側端部よりも更に先端面3B側にはみ出た状態で貼り付けられていてもよいし、逆に支持部材3423の先端面3B側端部にまで接着剤が塗布されていない状態、つまり支持部材3423の端部側に接着されない領域を有している状態で貼り付けられていてもよい。但し、上記いずれの場合であっても、ブレード自由長(F)は接着剤が塗布されている領域の端部ではなく支持部材3423の先端面3B側端部を基準とする。
次に、図1に示すタンデム型画像形成装置内に配置された感光体31について詳述する。
本実施形態における感光体としては、例えば、導電性支持体と感光層とを有する態様が挙げられる。
ここで、本実施形態における感光層は電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。さらには、下引層等のその他の層を設けてもよい。
図7は、本実施形態における感光体の層構成の一例を示す模式断面図であり、図7中、1は支持体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、4は下引層を表す。
図7に示す感光体は、支持体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成され、電荷輸送層2Bが最外層に相当する(第1の態様)。
図8に示す感光体は、支持体1上に、下引層4、感光層6がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図7に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層であり、感光層6が最外層に相当する(第2の態様)。
第1の態様に係る感光体は、図7に示す通り、支持体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有する。
支持体1としては、導電性を有する支持体が用いられ、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、および金属ベルト、または、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
リン酸、クロム酸およびフッ酸を含む酸性処理液による処理は以下のようにして実施される。先ず、酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が望ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が望ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
下引層4は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有した層として構成される。
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
また、下引層4は、ビッカース強度が35以上とされていることが望ましい。
さらに、下引層4はいかなる厚さに設定してもよいが、厚さが15μm以上が望ましく、さらに望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
電荷発生層2Aは、少なくとも電荷発生材料および結着樹脂を含有する層であることが望ましい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対しては、金属フタロシアニン顔料や無金属フタロシアニン顔料が望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対してはジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン等がより望ましい。電荷発生材料としては、380nm以上500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が望ましく、700nm以下800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属および無金属フタロシアニン顔料が望ましい。
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
電荷輸送層2Bは、図7に示す感光体において最外層であることから、樹脂を含有し、且つ軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲である。
電荷輸送層2Bにおける結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプやビスフェノールZ、またはビスフェノールCタイプ等のポリカーボネート樹脂、および、これらと4,4’−ジヒドロキシビフェニル化合物等のビスフェノール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これ等の結着樹脂は、単独または2種以上混合して用いられる。
上記フッ素含有粒子としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体が挙げられ、この中から1種または2種以上が用いられる。
尚、絶縁性無機粒子の比表面積は、BET式の比表面積測定器(フローソープII2300:島津製作所社製)を用いて測定される。
被覆処理は湿式法、乾式法等の公知の方法が用いられる。
前記フッ素変性シリコーンオイルの添加量は0ppmであることが好ましいが、添加する場合には、電荷輸送層用塗布液中における添加量が0.1ppmから1000ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5ppmから500ppmの範囲である。
フッ素系界面活性剤やフッ素系グラフトポリマーの含有量は、フッ素含有粒子の質量に対して1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
感光体における最外層(第1の態様においては電荷輸送層)の形成は、例えば最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体の表面に最外層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することによって行われる。本実施形態における上記塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば浸漬塗布法や、該浸漬塗布法の一種である突き上げ塗布法が適用される。
尚、浸漬塗布法に用いる塗布液の粘度が低いほど膜厚差が大きくなる傾向にある。また膜厚差を小さくする観点で浸漬した導電性支持体の引き上げ速度を徐々にまたは段階的に遅くしていくことが行われるが、こうした制御を行わず一定速度で引き上げを行う場合や引き上げ速度を徐々にまたは段階的に速くしていく場合にはより膜厚差が大きくなる傾向にある。
最外層の内側の層(例えば第1の態様においては下引層や電荷発生層等)が既に形成された導電性支持体を、最外層(例えば第1の態様においては電荷輸送層)形成用塗布液に浸漬して取り出す浸漬塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図9は、浸漬塗布法による膜形成の方法を示す概略断面図である。なお、以下において「導電性支持体上に塗布する」とは、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体の表面に塗布することを意味する。また、「導電性支持体を上昇」とは、導電性支持体と最外層形成用塗布液の液面との相対関係であり、導電性支持体を固定し、液面を下降させる場合を含む。
次いで、環状塗布槽を用い、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体を下から突き上げて最外層形成用塗布液の塗膜を形成する、浸漬塗布法の一種である突き上げ塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図10は、突き上げ塗布による膜形成の方法を示す概略断面図である。突き上げ塗布法は、最外層形成用塗布液152を環状塗布槽157に入れ、その下部から上部へ導電性支持体151を通過させて塗布を行う方法である。環状塗布槽157の底部には、塗布液152が漏れないよう、ポリエチレンやシリコーンゴム等の柔軟性板材から成る環状のシール材158が設けられる。導電性支持体151の上下には、中間体159が取り付けられる。導電性支持体151は、環状塗布槽157の下部から上部に順次突き上げられ、シール材158を挿通させることにより、表面に塗膜154が塗布される。
また、本実施形態における感光体が図8に示す第2の態様である場合、機能一体型の感光層6が最外層となる。機能一体型の感光層6は、図7に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層であり、前述の電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bにおいて記載された材料を用いて形成され、且つ軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲であるとの要件を満たす。従って、前述の電荷輸送層の形成に用いられる塗布方法が用いられるが、中でも浸漬塗布法や突き上げ塗布法によって形成されるのが好ましい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動を説明する。
図1に示す画像形成装置において、先ず各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃される。
・下引層の形成
酸化亜鉛粒子(テイカ社製、体積平均粒径:70nm、比表面積値:15m2/g)60部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(表面処理剤)として、KBM603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)を酸化亜鉛粒子100部に対し1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて除去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
次に、電荷輸送物質として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1部と、を混合して、テトラヒドロフラン24部およびトルエン11部を混合溶解して、混合溶解液を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
電子写真感光体A1の作製において、電荷輸送層形成用の塗布液の粘度を270Pa・sに変更し、さらに電荷輸送層を形成する浸漬塗布の際の引き上げ速度を170mm/minに変更した以外は、同様の方法にて電子写真感光体A2を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
電子写真感光体A1の作製において、電荷輸送層形成用の塗布液の粘度を230Pa・sに変更し、さらに電荷輸送層を形成する浸漬塗布の際の引き上げ速度を135m/minに変更した以外は、同様の方法にて電子写真感光体A3を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
上記より得られた各電子写真感光体の最外層(電荷輸送層)の膜厚を、渦電流膜厚測定装置(フィッシャー・インスットルメント社製、製品名:フィッシャースコープ)にて測定した。具体的には、感光体の軸方向両端よりそれぞれ40mm内側の位置(一端部および他端部)と軸方向中心の位置(中心部)において、それぞれ周方向に15°刻みで最外層の膜厚を測定し、平均して各位置での平均膜厚を求めた。
結果を下記表1に示す。
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA2を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を85℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA3を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を100℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を50/50に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA4を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を65/35に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA5を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を70℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を35/65に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA6を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を70℃に変更し、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を35/65に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA7を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を150℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB1を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を115℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を45/55に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB2を得た。
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を70/30に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB3を得た。
実施例1において、ソフトセグメント材料を1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量2000の1,9−NDアジペートに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB4を得た。
クリーニングブレードの示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)は、示差走査熱量測定(DSC)にてASTM D3418−99に準じて行なった。測定には、パーキンエルマー社製Diamond−DSCを使用し、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の溶融温度を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いた。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空のパンをセットし測定を行った。このときのDSCでの測定の際の昇温速度は3℃/mimとし、測定温度範囲は20℃から250℃とした。
また、ポリウレタンゴム中における化学架橋(架橋剤による架橋)と物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)との比率、ポリウレタンゴム中におけるハードセグメントとソフトセグメントとの比率を前述の方法により測定した。
硬度(JIS−A)は、JISK6253(1997)に記載のタイプA デュロメータを用いて測定した硬さであり、ブレードの感光体接触面を軸方向に3点測定し、平均値を求めることによって測定した。
下記表3および表4に示すクリーニングブレードおよび感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docucenter−II C7500)に装着した。
・プロセス速度:220mm/sec
・帯電装置:交流重畳直流の帯電ロール
・現像装置:2成分磁気ブラシ現像装置
・クリーニングブレード:
NF(Normal Force)2.0gf/mm
食込み長さ1.0mm
接触角25度
角度W/A(Working Angle)11度
自由長(支持部材にて支持されていない領域の長さ)7.0mm
前記摩耗評価試験後の電子写真感光体について、最外層(電荷輸送層)の軸方向一端部、他端部および中心部での平均膜厚を、前述の方法により求めた。
更に、摩耗評価試験前後での中心部平均膜厚の変化分(試験により摩耗した膜厚/試験前の膜厚×100(%))より「摩耗率(%)」を算出した。また、一端部の平均膜厚の変化分(a)と他端部の平均膜厚の変化分(b)との比(a/b×100(%))より「偏摩耗率(%)」を算出し、以下の評価基準に従って評価した。
−摩耗率−
A:摩耗率27%以下
B:摩耗率27%を超え29%以下
C:摩耗率29%を超え31%以下
D:摩耗率31%を超える
−偏摩耗率−
A:偏摩耗率94%を超える
B:偏摩耗率88%を超え94%以下
C:偏摩耗率82%を超え88%以下
D:偏摩耗率82%以下
Claims (6)
- 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置。 - 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項1に記載の画像形成装置。
- 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。 - 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。 - 前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
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