JP6036471B2 - 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、およびプロセスカートリッジに関する。
従来から、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等においては、感光体等の像保持体の表面の残存トナー等を除去するための清掃手段として、クリーニングブレードが用いられている。
例えば特許文献1には、感光体ベルトに、高分子樹脂粉末,ステアリン酸亜鉛粉末,シリカ粉末等からなるトナー、またはステアリン酸亜鉛粉末を塗布することによって、表面に低摩擦膜が形成され、低摩擦膜は、クリーニングブレードの接触位置から、感光体ベルトの移動方向における上流側の定められた面積に形成された画像形成装置が開示されている。
また特許文献2には、ポリオール、イソシアネート化合物を少なくとも含むポリウレタン組成部を硬化・成形してなる注型タイプのポリウレタン部材からなるものであり、前記ポリウレタン部材は、外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つ、ハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であるクリーニングブレードが開示されている。
特開平5−119676号公報 特開2010−134111号公報
本発明は、感光体における偏摩耗の発生が抑制された画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を有する画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
請求項5に係る発明は、
円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、
前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項に記載のプロセスカートリッジである。
請求項1に係る発明によれば、感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し且つ感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が上記範囲である電子写真感光体と、少なくとも電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を前記範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードと、を有するとの要件を満たさない場合に比べ、感光体における偏摩耗の発生が抑制された画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり且つハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であるとの要件を満たさない場合に比べ、クリーニングブレードにおいて耐摩耗性と欠けの抑制とが両立された画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し且つ感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が上記範囲である電子写真感光体と、少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を前記範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードと、を有するとの要件を満たさない場合に比べ、感光体における偏摩耗の発生が抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり且つハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であるとの要件を満たさない場合に比べ、クリーニングブレードにおいて耐摩耗性と欠けの抑制とが両立されたプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態におけるクリーニング装置の一例を示す模式断面図である。 本実施形態における感光体およびクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態における感光体およびクリーニングブレードの他の一例を示す概略図である。 本実施形態における感光体およびクリーニングブレードの他の一例を示す概略図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードが支持部材に支持されている状態を示す概略図である。 本実施形態における像保持体の第1の態様を示す概略部分断面図である。 本実施形態における像保持体の第2の態様を示す概略部分断面図である。 浸漬塗布法による膜形成の方法を示す概略断面図である。 浸漬塗布法の一種である突き上げ塗布法による膜形成の方法を示す概略断面図である。
以下、本発明の画像形成装置およびプロセスカートリッジの実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、を有する。
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、表面にトナー像が形成され且つ該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、を備え、画像形成装置に対して脱着自在である。
尚、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体は、円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である。また、前記クリーニングブレードは、少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成される。
尚、感光層の最外表面を構成する層(以下単に「最外層」とも称す)において厚さに傾斜を有するとは、最外層が軸方向において一端から他端に向かって徐々に平均膜厚が厚くなっていくことを表す。但し、一端から他端に向かって膜厚が厚くなっていく割合は必ずしも一定でなくてもよい。
従来から、画像形成装置における電子写真感光体(以下単に「感光体」とも称す)を作製する際に最外層を形成する手段として浸漬塗布法が用いられている。浸漬塗布法では、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体を最外層を形成するための塗布液の中に浸漬し、導電性支持体の軸方向の一端側から徐々に引き上げることによって表面に前記塗布液を塗布する。しかし、流動性を有する塗布液は引き上げの際に重力によって徐々に下方に移動する(垂れる)ため、引き上げの際の上方側の端に比べ下方側の端の方が塗布膜厚が厚くなり、その結果最外層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前記範囲である感光体が製造されることがあった。
そして、感光層の最外層が軸方向において厚さに傾斜を有する感光体を、該感光体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃を行う画像形成装置に用いた場合、最外層において偏摩耗が生じることがあった。このメカニズムは必ずしも明確ではないものの、以下のごとく推察される。
画像形成装置では感光体の表面が帯電手段によって帯電されるが、この帯電が繰り返されることによって感光体の最外層では、層中に含まれる樹脂の分子鎖が徐々に切断されていくものと考えられる。尚、分子鎖が切断された箇所は強度が落ちるため、クリーニングブレードとの摺擦による摩耗がより促進される。ここで、最外層において樹脂の分子鎖の切断が全体的にムラなく発生するのであれば、クリーニングブレードとの摺擦による摩耗も全体的に促進されるものと考えられる。しかし、最外層が軸方向において厚さに傾斜を有する感光体では、最外層の厚さが薄いほど帯電の負荷による樹脂の分子鎖の切断が顕著に進行するものと思われ、そのため最外層の厚さが薄い側ほど摩耗の進行が促進されるものと考えられる。その結果、軸方向の一端側と他端側とで摩耗の進行度合いが異なり、偏摩耗が生じるものと推察される。
尚、この偏摩耗の発生は、前記浸漬塗布法によって最外層を形成した場合に限られるわけではなく、他の手段によって最外層を形成した場合であっても、軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲であるとの要件を備える感光体に発生し得る。
また、帯電手段として、感光体に対し接触して交流電流を帯電させる接触式交流帯電器を用いる場合には、特に帯電による負荷が大きくなり最外層中の樹脂の分子鎖の切断もより進行するものと考えられ、上記の偏摩耗もより顕著に発生する。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジは、少なくとも感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を前記範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備えており、前述の偏摩耗の発生が抑制される。この効果が奏されるメカニズムは、必ずしも明確でないものの、以下のごとく推察される。
感光体上に均一に電荷がかかると、膜厚が薄い側の端部にはより大きな負荷がかかるため最外層の分子鎖が切れやすい状態となる。そこにクリーニングブレードが接触することにより切れた分子鎖がかきとられ摩耗していく。しかし、本実施形態におけるクリーニングブレードは、ブレード自体の剛性は保ちながら低摩擦係数で使用し得るため、高いクリーニング性を維持しつつ且つ摩擦による感光体の摩耗を低減させられ、特に高負荷がかかる膜厚が薄い側についても摩耗率を低減し得るものと推察される。
・クリーニングブレード:吸熱ピークトップ温度
本実施形態のクリーニングブレードは、感光体との接触部分を構成する部材の示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上220℃以下である。更には185℃以上215℃以下であることが望ましく、190℃以上210℃以下であることがより望ましい。
従来においては、クリーニングブレードに耐摩耗性を付与しようとすると求められるゴム物性が得られず、その結果繰返しの使用によってブレードの被クリーニング部材(像保持体等)との接触部分に欠けが生じることがあった。つまり、耐摩耗性と欠けの抑制とを両立することが困難であった。これに対し本実施形態のクリーニングブレードであれば、優れた耐摩耗性と欠けの抑制とが両立される。吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上と高いポリウレタン部材は、ポリウレタンの結晶性を高めることで達成され、本実施形態のクリーニングブレードは、結晶性を高めることで優れた耐摩耗性が得られるものと推察される。
また、本実施形態では、接触部分を構成する部材の吸熱ピークトップ温度が上記範囲のクリーニングブレードと本実施形態の感光体とを組み合わせることで、更に感光体における偏摩耗の発生が抑制される。
吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃未満である、即ち結晶性が低いと、耐摩耗性に劣り且つ感光体において偏摩耗が発生する。一方、吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が220℃を超える、即ち結晶性が高過ぎると、ゴム弾性が失われるために永久伸び性に劣り、被クリーニング部材と摺動することで欠けの発生が生じる。
本実施形態のクリーニングブレードは、結晶性を高めつつ且つ適正な範囲に制御し、つまり吸熱ピークトップ温度(溶融温度)を適正な範囲とすることで、欠けを抑制し優れた耐摩耗性を実現し、且つ感光体における偏摩耗の発生が抑制される。
尚、吸熱ピークトップ温度(溶融温度)は、示差走査熱量測定(DSC)にてASTM D3418−99に準じて行なわれる。測定には、パーキンエルマー社製Diamond−DSCを使用し、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の溶融温度を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空のパンをセットし測定を行う。
吸熱ピークトップ温度(溶融温度)を上記範囲に制御する手段としては、ポリウレタン部材の結晶性を高めつつ且つ適正な範囲に制御する方法が挙げられる。特に限定されるものではないが、結晶性をより高めるには、ポリウレタンにおけるハードセグメント凝集体をより成長させる方法が挙げられ、より具体的にはポリウレタンにおける架橋構造の形成の際に化学架橋(架橋剤による架橋)よりも物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)がより効率的に進行するよう調整する方法が挙げられる。尚、ポリウレタンの重合の際に重合温度を低く設定するほど熟成時間が長くなり、その結果物理架橋がより多く進行する傾向にある。
上記制御方法の詳細については、後に詳述する。
−画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成−
まず、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成について、図面を用い一例を挙げて、詳細に説明する。但し、本実施形態に係る画像形成装置およびプロセスカートリッジの構成は、図1に示す態様に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図1中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム(電子写真感光体の一種)、33は各現像ユニット(現像手段の一種)、34はクリーニング装置(クリーニング手段の一種)、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット(静電荷像形成手段の一種)、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置(転写手段の一種)、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。尚、一次転写装置51と中間転写ベルト230と二次転写装置52とで本実施形態における転写装置を構成する。
図1に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色(本実施形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の作像ユニット22(具体的には22a乃至22d)を配列し、その図1内における上方には各作像ユニット22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する。一方、本体ハウジング21の図1内における下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設する。また、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
本実施形態において、各作像ユニット22(22a乃至22d)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット40と、を備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム(像保持体)31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電ロール(帯電手段)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34と、を一体的にサブカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット(現像手段)33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施形態では例えば負極性)で現像するものである。尚、感光体ユニット30からなるサブカートリッジとクリーニング装置34とは、一体化されてプロセスカートリッジ(所謂Customer Replaceable Unit)を構成している。
また、図1中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)および各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くよう配置したものである。
また、本実施形態において、ベルトモジュール23は、例えば一対の支持ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写する。更に、中間転写ベルト230の最下流作像ユニット22dの下流側の支持ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する。
本実施形態では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなす背面ロール(本例では支持ロール232を兼用)と、を備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、背面ロール(支持ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体を送り出す送出しロール61が設けられ、この送出しロール61の直後には記録媒体を送出する搬送ロール62が配設されると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を定められたタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーションロール(位置合わせロール)63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排紙部68に排出記録媒体が収容される。
更に、本実施形態では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体は送出しロール72および搬送ロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出される。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を、排出ロール67を逆転させ且つ入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
[クリーニング装置]
次に、図1に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図2は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図1中に示すクリーニング装置34と共に、一体化されてプロセスカートリッジ化されている感光体ドラム31、帯電ロール32、現像ユニット33を示した図である。
図2中、32は帯電ロール(帯電手段)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
クリーニング装置34は、残留トナーが収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するクリーニングケース341を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には感光体ドラム31に接触配置されるクリーニングブレード342を図示外のブラケットを介して取り付ける一方、クリーニングケース341の開口上縁には感光体ドラム31との間が気密に保たれるフィルムシール344を取り付けたものである。尚、符号345はクリーニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃トナー容器に導く搬送部材である。
尚、本実施形態では、各作像ユニット22(22a乃至22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレードとして本実施形態のクリーニングブレードが用いられている。また、クリーニングブレード342は、図2にはクリーニング装置34内のフレーム部材に直接固定した態様を示したが、これに限られず、バネ材を介して固定されてもよい。
次いで、本実施形態におけるクリーニングブレードの構成について説明する。
尚、ここでまず、クリーニングブレードの各部について説明する。以下においては、図3に示すごとく、クリーニングブレードは、駆動する感光体31に接触して感光体31の表面をクリーニングする接触角部3Aと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触角部3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、を有する。
また、接触角部3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触角部3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
尚、本明細書において、クリーニングブレードの感光体と接触する部分を含む領域を構成する部材を「接触部材」と称する。つまり、本実施形態のクリーニングブレードは前記接触部材のみからなっていてもよい。
また、クリーニングブレードが、前記接触部材と該接触部材以外の領域とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合には、接触部材以外の領域を構成する部材を「非接触部材」と称する。非接触部材は、1種の材料で構成されていても材料異なる2種以上の部材から構成されていてもよい。
ここで、図面を用いて、本実施形態のクリーニングブレードの構成について詳述する。図3は、第1の実施形態に係るクリーニングブレードを示す概略図であり、感光体ドラムの表面に接触した状態を示す図である。また、図4は第2の実施形態に係るクリーニングブレードが、図5は第3の実施形態に係るクリーニングブレードが、感光体ドラムの表面に接触した状態を示す図である。
図3に示す第1の実施形態に係るクリーニングブレード342Aは、感光体ドラム31と接触する部分つまり接触角部3Aを含めて、全体が単一の材料から構成されており、即ち接触部材のみからなる態様である。
尚、本実施形態のクリーニングブレードは、図4に示す第2の実施形態のごとく、感光体ドラム31と接触する部分つまり接触角部3Aを含み、腹面3C側全面に渡って形成され且つ接触部材からなる第一層3421Bと、該第一層よりも背面3D側に形成され且つ接触部材とは異なる材料からなる背面層としての第二層3422Bと、が設けられた2層構成であってもよい。
更に、本実施形態のクリーニングブレードは、図5に示す第3の実施形態のごとく、感光体ドラム31と接触する部分つまり接触角部3Aを含み、1/4にカットされた円柱が奥行き方向に伸びた形状を有し該形状の直角部分が接触角部3Aを形成する、接触部材からなる接触部材(エッジ部材)3421Cと、接触部材3421Cの厚み方向の背面3D側および幅方向の先端面3Bとは反対側を覆い、つまり前記接触部材3421C以外の部分を構成する、接触部材とは異なる材料からなる背面部材3422Cと、が設けられた構成であってもよい。
尚、図5では接触部材として1/4にカットされた円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4にカットされた形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
ついで、本実施形態のクリーニングブレードにおいて少なくとも感光体と接触する部分を構成する接触部材の組成について説明する。
(接触部材)
本実施形態のクリーニングブレードにおける接触部材は、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ。
ポリウレタンの結晶性を高め、吸熱ピークトップ温度を上記範囲に制御する方法としては、例えば、ポリウレタンにおけるハードセグメント凝集体をより成長させる方法が挙げられる。具体的には、ポリウレタンにおける架橋構造の形成の際に化学架橋(架橋剤による架橋)よりも物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)がより効率的に進行するよう調整することで、ハードセグメント凝集体がより成長しやすい環境となる。尚、ポリウレタンの重合の際に重合温度を低く設定するほど熟成時間が長くなり、その結果物理架橋がより多く進行する傾向にある。
・吸熱ピークトップ温度
結晶性の指標としては、吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が挙げられる。本実施形態におけるクリーニングブレードでは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)が180℃以上であり、更には185℃以上であることがより望ましく、190℃以上であることが更に望ましい。尚、上限値としては220℃以下であり、更には215℃以下であることがより望ましく、210℃以下であることが更に望ましい。
・ハードセグメント凝集体の粒子径および粒度分布
また、本実施形態では、ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であることが望ましい。
ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であることにより、ブレード表面での結晶面積が増え、摺動性向上の利点がある。一方、20μm以下であることにより、低摩擦化を維持しつつ、靱性(耐欠け性)を失わないとの利点がある。
上記平均粒子径は、更に5μm以上15μm以下であることがより望ましく、5μm以上10μm以下であることが更に望ましい。
また、前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることが望ましい。
ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であることは、つまり様々な粒子径のものが混在していることを表し、小さい凝集体によって、ソフトセグメントとの接触面積が増えることによる高硬度化の効果が得られ、一方大きい凝集体によって、摺動性向上の効果が得られる。
上記粒度分布は、更に2μm以上5μm以下であることがより望ましく、2μm以上3μm以下であることが更に望ましい。
尚、ハードセグメント凝集体の平均粒子径および粒度分布は、以下の方法により測定される。偏光顕微鏡(オリンパス製BX51−P)を用い、倍率×20にて画像を撮影し、画像処理を施して画像を2値化し、クリーニングブレード1本につき5点(1点につき5個の凝集体を測定)、クリーニングブレード20本について粒子径を測定し、計500個から平均粒子径を算出する。
尚、画像の2値化は、画像処理ソフトOLYMPUS Stream essentials(オリンパス社製)を用い、結晶部を黒、非晶部を白になるよう色相/彩度/輝度の閾値を調整する。
また、測定された500個の粒子径から以下の式により粒度分布(標準偏差σ(μm))を算出する。
標準偏差σ(μm)=√{(X1−M)+(X2−M)+・・・
・・・+(X500−M)}/500
Xn:測定粒径n(n=1から500)
M:測定粒径の平均値
ハードセグメント凝集体の粒子径および粒度分布を上記範囲に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、触媒による反応制御、架橋剤による三次元ネットワーク制御、熟成条件による結晶成長制御等の方法が挙げられる。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。尚、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが望ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の樹脂材料から選択し得るが、本実施形態においては、以下の組み合わせが好適である。
・ソフトセグメント材料
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
・ハードセグメント材料
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、総研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが望ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料を用いる場合、ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより望ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に望ましい。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られ、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制されて、長期に渡って良好なクリーニング性が維持される。
・ポリイソシアネート
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は、20質量部以上40質量部以下が望ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより望ましく、20質量部以上30質量部以下が更に望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
・架橋剤
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤のイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は2質量部以下が望ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
・ポリウレタンゴムの製造方法
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴム部材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
尚、接触部材における吸熱ピークトップ温度(溶融温度)を前記範囲に制御する手段としては、ポリウレタン部材の結晶性を高めつつ且つ適正な範囲に制御する方法が挙げられ、例えばポリウレタンにおけるハードセグメント凝集体をより成長させる方法が挙げられる。具体的には、ポリウレタンにおける架橋構造の形成の際に化学架橋(架橋剤による架橋)よりも物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)がより効率的に進行するよう調整する方法が挙げられ、ポリウレタンの重合の際に重合温度を低く設定するほど熟成時間が長くなり、その結果物理架橋がより多く進行する傾向にある。
かかるポリウレタンゴム部材は、上述したポリオールに、イソシアネート化合物および架橋剤等を配合して、分子配列のムラが抑制され得る成形条件で成形する。
具体的には、ポリウレタン組成物を調整する際に、ポリオールやプレポリマーの温度を低くしたり、硬化・成形の温度を低くしたりすることにより、架橋の進行が遅くなるよう調整する。これらの温度(ポリオールやプレポリマーの温度、硬化・成形の温度)を低く設定して反応性を下げることにより、ウレタン結合部が凝集し、ハードセグメントの結晶体が得られるので、ハードセグメント凝集体の粒子径が求められる結晶径となるよう温度を調整する。
これにより、ポリウレタン組成物に含まれる分子が並んだ状態となり、DSCを測定した際に、結晶融解エネルギーの吸熱ピークトップ温度が前記範囲の結晶体を含むポリウレタンゴム部材が成形される。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、および架橋剤の量や、架橋剤の比率等は求められる範囲に調整する。
尚、クリーニングブレードの成形は、上記方法により調製されたクリーニングブレード形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
ここで、一例を挙げて、接触部材の製造方法の詳細を説明する。
まず、ソフトセグメント材料(例えばポリカプロラクトンポリオール)と、ハードセグメント材料(例えば2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂)を、混合(例えば質量比8:2)する。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
続いて、イソシアネート化合物を更に加え、例えば窒素雰囲気下で反応させてプレポリマーを得る。この際の温度は40℃以上100℃以下であることが望ましく、更には60℃以上90℃以下であることが望ましい。また反応時間は30分間以上6時間以下であることが望ましく、更には1時間以上4時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、架橋剤(例えば1,4−ブタンジオールやトリメチロールプロパン)を加えて混合し、クリーニングブレード形成用の組成物を調製する。
次いで、遠心成形機の金型に上記クリーニングブレード形成用の組成物を流し込み、硬化反応させる。この際の金型温度は80℃以上160℃以下であることが望ましく、更には100℃以上140℃以下であることが望ましい。また反応時間は20分間以上3時間以下であることが望ましく、更には30分間以上2時間以下であることが望ましい。
更に架橋反応させ、冷却した後にカットしクリーニングブレードが形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
・物性
前記特定部材においては、ポリウレタンゴム中における化学架橋(架橋剤による架橋)「1」に対する物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)の比率が、1:0.8乃至1:2.0であることが望ましく、更には1:1乃至1:1.8であることが望ましい。
化学架橋に対する物理架橋の比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体がより成長され結晶由来の低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
尚、上記化学架橋と物理架橋との比率は、以下のMoobey−Rivilin式を用いて算出する。
Z=2C(λ−1/λ)+2C(1−1/λ
Z:応力、λ:歪、C:化学架橋密度、C:物理架橋
尚、引張り試験による応力−歪曲線より10%伸長時のZとλを用いる。
前記特定部材においては、ポリウレタンゴム中におけるソフトセグメント「1」に対するハードセグメントの比率が、1:0.15乃至1:0.3であることが望ましく、更には1:0.2乃至1:0.25であることが望ましい。
ソフトセグメントに対するハードセグメントの比率が上記下限値以上であることにより、ハードセグメント凝集体量も増えることにより低摩擦性の効果が得られる。一方、上記上限値以下であることにより、靱性維持の効果が得られる。
尚、上記ソフトセグメントとハードセグメントとの比率は、H−NMRを用い、ハードセグメント成分としてイソシアネート、鎖延長剤、ソフトセグメント成分としてポリオールのスペクトル面積から組成比を算出する。
本実施形態における前記ポリウレタンゴム部材の重量平均分子量は、1000乃至4000の範囲内であることが望ましく、1500乃至3500の範囲内であることがより望ましい。
ついで、本実施形態のクリーニングブレードが、図4に示す第2実施形態や図5に示す第3実施形態のごとく、接触部材と該接触部材以外の領域(非接触部材)とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合における、非接触部材の組成について説明する。
(非接触部材)
本実施形態のクリーニングブレードにおける非接触部材は、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。
・反撥弾性
非接触部材は、50℃の反撥弾性が70%以下である材料で構成されることが望ましい。更には、60%以下であることがより望ましく、50%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に30%以上であることが望ましく、40%以上であることがより望ましい。
50℃の反撥弾性(%)の測定は、JIS K6255(1996年)に準じて50℃環境下にて行われる。尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6255に規定の試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって試験片を形成し、この試験片について上記の測定が行われる。
非接触部材における50℃反撥弾性の制御方法としては、特に限定されるものではないが、例えば非接触部材がポリウレタンである場合であればポリオールの低分子量化や疎水性化によりガラス転移温度(Tg)を調整することで大きくなる傾向にある。
・永久伸び
また、本実施形態のクリーニングブレードにおける非接触部材は、100%永久伸びが1.0%以下である材料で構成されることが望ましく、0.5%以下であることがより望ましく、0.4%以下であることが更に望ましい。また、その下限値としては、更に0.1%以上であることが望ましく、0.2%以上であることがより望ましい。
ここで、上記100%永久伸び(%)の測定方法について説明する。
JIS K6262(1997年)に準拠して、短冊状試験片を用い、100%引張りひずみを与えて24時間放置し、下記式の通り標線間距離より求められる。
Ts=(L2−L0)/(L1−L0)×100
Ts:永久伸び
L0:引張り前の標線間距離
L1:引張り時の標線間距離
L2:引張り後の標線間距離
尚、クリーニングブレードの非接触部材がJIS K6262に規定の短冊状試験片の寸法以上の大きさである場合には、該部材から短冊状試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、非接触部材が短冊状試験片の寸法未満の大きさである場合には、該部材と同じ材料によって短冊状試験片を形成し、この短冊状試験片について上記の測定が行われる。
非接触部材における100%永久伸びの制御方法としては、特に限定されるものではないが、例えば架橋剤量や、非接触部材がポリウレタンである場合であればポリオールの分子量を調整することで変動する傾向にある。
非接触部材に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ポリウレタンゴムがよい。ポリウレタンゴムとしては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンが挙げられ、特にエステル系ポリウレタンが望ましい。
尚、ポリウレタンゴムを製造する際には、ポリオールとポリイソシアネートとを用いる方法がある。
ポリオールとしては、ポリテトラメチルエーテルグリコール、ポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。中でもMDIが望ましい。
更に、ポリウレタンを硬化させる硬化剤として、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの硬化剤が挙げられる。
具体例を一例挙げて説明すると、例えば脱水処理したポリテトラメチルエーテルグリコールにジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを混入し反応させ生成したプレポリマーに、硬化剤として1,4−ブタジオールおよびトリメチロールプロパンを併用したものを用いることが望ましい。尚、反応調整剤等の添加剤を添加してもよい。
非接触部材の作製方法は、作製に用いる原材料に応じて、従来公知の方法が利用され、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して形成し、定められた形状に切断加工等することにより作製される。
(クリーニングブレードの製造)
尚、図4に示す二層構成などの複数層構成の場合には、接触部材としての第一層および非接触部材としての第二層(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることによりクリーニングブレードが作製される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
また、図5に示す接触部材(エッジ部材)と非接触部材(背面部材)とを有する構成の場合には、図5に示す接触部材3421Cを2つ、腹面3C側同士を重ね合わせた半円柱の形状に対応する空洞(接触部材形成用の組成物を流し込む領域)を有する第一金型と、接触部材3421Cおよび非接触部材3422Cを2つ、腹面3C側同士を重ね合わせた形状に対応する空洞を有する第二金型と、を準備する。前記第一金型の前記空洞に接触部材形成用の組成物を流し込んで硬化させ接触部材3421Cが2つ重なった形状の第一成形物を形成する。次いで、上記第一金型を取り外した後、更に第二金型の空洞の内部に前記第一成形物が配置されるよう、第二金型を設置する。その後、第二金型の空洞内に、前記第一成形物を覆うよう非接触部材形成用の組成物を流し込み硬化させ、前記接触部材3421Cおよび非接触部材3422Cが2つ腹面3C側同士で重なった形状の第二成形物を形成する。次いで、形成された第二成形物を真ん中、つまり腹面3Cとなる部分で切断して、半円柱形状の接触部材が真ん中で分断されて1/4に切断された円柱形状となるようカットし、更に定められた寸法にカットすることで図5に示すクリーニングブレードが得られる。
また、前記垂直抗力は、言い換えればクリーニングブレードの感光体への垂直方向への押し付け力である。該垂直抗力は、クリーニングブレードが感光体に食込む長さ、クリーニングブレードと感光体との接触部における角度W/A(Working Angle)、クリーニングブレード全体の反撥弾性、クリーニングブレードの自由長、クリーニングブレードの厚み方向長さ等により調整される。
本実施形態におけるクリーニングブレードは、感光体に押し付けられる力NF(Normal Force)が1.35gf/mm以上3.15gf/mm以下の範囲であることが望ましく、1.5gf/mm以上2.25gf/mm以下の範囲であることがより望ましい。
また、クリーニングブレードの先端部が感光体に食込む長さが0.7mm以上1.5mm以下の範囲であることが望ましく、1.0mm以上1.4mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと感光体との接触部における角度W/A(Working Angle)は6°以上15°以下の範囲であることが望ましく、8.5°以上12.5°以下の範囲であることがより望ましい。
図2および図6に示すごとく、クリーニングブレード342は背面3Dに支持部材(ホルダー)3423が接着されて支持される。クリーニングブレード342の背面3Dの先端面3B側端部から、背面3Dに接着されている状態での支持部材3423の先端面3B側端部までの長さ、つまり背面3Dにおいて支持部材3423にて支持されていない領域の幅方向長さ(所謂ブレード自由長(F))は6.0mm以上8.0mm以下の範囲であることが望ましく、7mm以上7.5mm以下の範囲であることがより望ましい。
尚、通常は支持部材3423と背面3Dとの接着面はその全面に接着剤が塗布されて貼り付け合わされる。しかし、接着剤が支持部材3423の先端面3B側端部よりも更に先端面3B側にはみ出た状態で貼り付けられていてもよいし、逆に支持部材3423の先端面3B側端部にまで接着剤が塗布されていない状態、つまり支持部材3423の端部側に接着されない領域を有している状態で貼り付けられていてもよい。但し、上記いずれの場合であっても、ブレード自由長(F)は接着剤が塗布されている領域の端部ではなく支持部材3423の先端面3B側端部を基準とする。
また、クリーニングブレード(支持部材を含まず)の厚さ(図6に示す厚み方向長さ(T))は1.5mm以上2.0mm以下の範囲であることが望ましく、1.9mm以上2.0mm以下の範囲であることがより望ましい。
[感光体]
次に、図1に示すタンデム型画像形成装置内に配置された感光体31について詳述する。
本実施形態における感光体としては、例えば、導電性支持体と感光層とを有する態様が挙げられる。
ここで、本実施形態における感光層は電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。さらには、下引層等のその他の層を設けてもよい。
以下、本実施形態における感光体の構成について、図7乃至図8を参照して説明するが、本実施形態は図7乃至図8によって限定されることはない。
図7は、本実施形態における感光体の層構成の一例を示す模式断面図であり、図7中、1は支持体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、4は下引層を表す。
図7に示す感光体は、支持体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成され、電荷輸送層2Bが最外層に相当する(第1の態様)。
図8は、本実施形態における感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図8中、6は機能一体型の感光層を表し、他は、図7中に示したものと同義である。
図8に示す感光体は、支持体1上に、下引層4、感光層6がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図7に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層であり、感光層6が最外層に相当する(第2の態様)。
以下、本実施形態における感光体の各層について、図7に示す感光体を代表例として取り上げて説明する。
(第1の態様)
第1の態様に係る感光体は、図7に示す通り、支持体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有する。
・導電性支持体
支持体1としては、導電性を有する支持体が用いられ、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、および金属ベルト、または、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸着またはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
第1の態様に係る感光体がレーザープリンターに使用される場合であれば、支持体1の表面は中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化することが望ましい。但し、非干渉光を光源に用いる場合には粗面化は特に行わなくてもよい。
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、または回転する砥石に支持体を接触させ、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が望ましい。
また、他の粗面化の方法としては、支持体1表面を粗面化することなく、導電性または半導電性粉体を樹脂中に分散させて、支持体表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も望ましく用いられる。
ここで、陽極酸化による粗面化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であるため、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが望ましい。陽極酸化膜の膜厚については、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
また、支持体1には、酸性水溶液による処理またはベーマイト処理を施してもよい。
リン酸、クロム酸およびフッ酸を含む酸性処理液による処理は以下のようにして実施される。先ず、酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が望ましい。処理温度は42℃以上48℃以下が望ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が望ましい。
ベーマイト処理は、90℃以上100℃以下の純水中に5分間以上60分間以下浸漬すること、または90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分間以上60分間以下接触させることにより行われる。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が望ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の他種に比べ被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
・下引層
下引層4は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有した層として構成される。
無機粒子としては、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ω・cm以上1011Ω・cm以下のものが望ましく用いられる。
中でも上記抵抗値を有する無機粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子(導電性金属酸化物)を用いるのが望ましく、特に酸化亜鉛は望ましく用いられる。
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、または、粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いてもよい。無機粒子の体積平均粒径は50nm以上2000nm以下(望ましくは60nm以上1000nm以下)の範囲であることが望ましい。
また、無機粒子としては、BET法による比表面積が10m/g以上のものが望ましく用いられる。
さらに無機粒子に加えて、アクセプター性化合物を含有させてもよい。アクセプター性化合物としてはいかなるものでも使用し得るが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質などが望ましく、特にアントラキノン構造を有する化合物が望ましい。さらに、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物等、アントラキノン構造を有するアクセプター性化合物が望ましく用いられ、具体的にはアントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
これらのアクセプター性化合物の含有量は任意に設定してもよいが、望ましくは無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下含有される。さらに0.05質量%以上10質量%以下が望ましい。
アクセプター化合物は、下引層4の塗布時に添加するだけでもよいし、無機粒子表面にあらかじめ付着させておいてもよい。無機粒子表面にアクセプター化合物を付与させる方法としては、乾式法、または、湿式法が挙げられる。
乾式法にて表面処理を施す場合には無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接または有機溶媒に溶解させたアクセプター化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって処理される。添加または噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが望ましい。添加または噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けの温度、時間については任意の範囲で実施される。
湿式法としては、無機粒子を溶剤中で攪拌し、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて分散し、アクセプター化合物を添加し攪拌または分散したのち、溶剤除去することで処理される。溶剤除去方法はろ過または蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けの温度、時間については任意の範囲で実施される。湿式法においては表面処理剤を添加する前に無機粒子含有水分を除去してもよく、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いてもよい。
また、無機粒子はアクセプター化合物を付与する前に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、公知の材料から選択される。例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が望ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤も望ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としてはいかなる物を用いてもよいが、具体的例としては3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用し得るが、乾式法または湿式法を用いることがよい。また、アクセプター付与とカップリング剤等による表面処理とを並行して行ってもよい。
下引層4中の無機粒子に対するシランカップリング剤の量は、任意に設定されるが、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
下引層4に含有される結着樹脂としては、公知のいかなるものでも使用し得るが、例えばポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等が用いられる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が望ましく用いられる。これらを2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
尚、下引層形成用塗布液中のアクセプター性を付与した金属酸化物とバインダー樹脂、または無機粒子とバインダー樹脂との比率は、任意に設定される。
下引層4中には種々の添加剤を用いてもよい。添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が用いられる。シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いてもよい。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等である。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独で若しくは複数の化合物の混合物または重縮合物として用いてもよい。
下引層形成用塗布液を調製するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から選択される。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が用いられる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独または2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かし得る溶剤であれば、いかなるものでも使用される。
分散方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法が用いられる。さらにこの下引層4を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
このようにして得られた下引層形成用塗布液を用い、支持体1上に下引層4が成膜される。
また、下引層4は、ビッカース強度が35以上とされていることが望ましい。
さらに、下引層4はいかなる厚さに設定してもよいが、厚さが15μm以上が望ましく、さらに望ましくは15μm以上50μm以下とされていることが望ましい。
また、下引層4の表面粗さ(十点平均粗さ)はモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂などの粒子を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が用いられる。
また、表面粗さ調整のために下引層を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が用いられる。
塗布したものを乾燥させて下引層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜し得る温度で行われる。
・電荷発生層
電荷発生層2Aは、少なくとも電荷発生材料および結着樹脂を含有する層であることが望ましい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が挙げられる。これらの中でも、近赤外域のレーザー露光に対しては、金属フタロシアニン顔料や無金属フタロシアニン顔料が望ましく、特に、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報、特開平5−43823号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより望ましい。また、近紫外域のレーザー露光に対してはジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、チオインジゴ系顔料、ポルフィラジン化合物、酸化亜鉛、三方晶系セレン等がより望ましい。電荷発生材料としては、380nm以上500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が望ましく、700nm以下800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属および無金属フタロシアニン顔料が望ましい。
電荷発生材料としては、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが望ましい。このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、従来のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とは異なるものであり、分光吸収スペクトルの最大ピーク波長を従来のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料よりも短波長側にシフトさせたものである。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが望ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが望ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより望ましく、一方、BET比表面積が45m/g以上であることが望ましく、50m/g以上であることがより望ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に望ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
また、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが望ましく、1.0μm以下であることがより望ましく、更に望ましくは0.3μm以下である。
更に、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが望ましい。
また、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に回折ピークを有するものであることが望ましい。
また、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、25℃から400℃まで昇温したときの熱重量減少率が2.0%以上4.0%以下であることが望ましく、2.5%以上3.8%以下であることがより望ましい。
電荷発生層2Aに使用される結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。望ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
電荷発生層2Aは、例えば、上記電荷発生材料および結着樹脂を溶剤中に分散した塗布液を用いて形成される。
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
また、電荷発生材料および結着樹脂を溶剤中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法が用いられる。さらにこの分散の際、電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、望ましくは0.3μm以下、さらに望ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
また、電荷発生層2Aを形成する際には、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
このようにして得られる電荷発生層2Aの膜厚は、望ましくは0.01μm以上5.0μm以下、さらに望ましくは0.05μm以上2.0μm以下である。
・電荷輸送層
電荷輸送層2Bは、図7に示す感光体において最外層であることから、樹脂を含有し、且つ軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲である。
電荷輸送層2Bは、少なくとも電荷輸送材料と結着樹脂とを含有する層であるか、または樹脂として高分子電荷輸送材を含有する層であることが望ましい。
電荷輸送層2Bにおける結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプやビスフェノールZ、またはビスフェノールCタイプ等のポリカーボネート樹脂、および、これらと4,4’−ジヒドロキシビフェニル化合物等のビスフェノール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これ等の結着樹脂は、単独または2種以上混合して用いられる。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
また、最外層はフッ素含有粒子を含んで構成されてもよいが、フッ素含有粒子を含まない場合にはクリーニングブレードとの摩擦係数がより高くなり摩耗がより促進される傾向にある。そのため、フッ素含有粒子を含まない態様においては、本実施形態による前述の偏摩耗の抑制効果がより顕著に発揮される。
最外層である電荷輸送層2Bの固形分全量に対するフッ素含有粒子の含有量は0質量%であることが好ましいが、添加する場合には2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
上記フッ素含有粒子としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体が挙げられ、この中から1種または2種以上が用いられる。
最外層である電荷輸送層には、絶縁性無機粒子を添加してもよい。絶縁性無機粒子としては、二酸化珪素、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム等が挙げられ、この中から1種または2種以上を選択して用いる。特に、二酸化珪素、アルミナが好ましい。
尚、絶縁性無機粒子は比表面積で300m/g以下の範囲が好ましい。比表面積が300m/g以下であることにより、粒子の凝集性が抑制され電荷輸送層中への分散の際の凝集が抑制され、求められる耐久性が得られる。
尚、絶縁性無機粒子の比表面積は、BET式の比表面積測定器(フローソープII2300:島津製作所社製)を用いて測定される。
さらに、絶縁性無機粒子は、アミノ基およびフェニル基を有する材料で被覆処理されていてもよい。アミノ基およびフェニル基を有する化合物としては、例えばp−アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、フェニルアミノメチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
被覆処理は湿式法、乾式法等の公知の方法が用いられる。
電荷輸送層2Bの固形分全量に対する絶縁性無機粒子の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。電荷輸送層2Bの固形分全量に対する絶縁性無機粒子の含有量が1質量%以上であることにより、電荷輸送層2Bの改質効果が効果的に発揮される。一方、当該含有量が30質量%以下であることにより、電荷輸送層において良好に分散され凝集の発生が抑制される。
また、電荷輸送層2Bにフッ素含有粒子を添加する場合には、更に表面形状のムラを抑制する目的で、下記式(1)で表されるフッ素変性シリコーンオイルを添加してもよい。
(式(1)中、mおよびnは、それぞれ独立に1以上の正数を、Xはフッ素原子を含む基を表す。)
上記式(1)であらわされるフッ素変性シリコーンオイルは、特にフルオロアルキル基を有するものが好ましく用いられる。
前記フッ素変性シリコーンオイルの添加量は0ppmであることが好ましいが、添加する場合には、電荷輸送層用塗布液中における添加量が0.1ppmから1000ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5ppmから500ppmの範囲である。
電荷輸送層2Bは、上記成分を溶剤に加えた塗布液を用いて形成される。電荷輸送層の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状または直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、単独または2種以上混合して用いられる。尚、混合する際に使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解し得るものであれば、いかなるものも使用し得る。電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1から1:5が好ましい。
電荷輸送層2Bの塗布液の分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
また、電荷輸送層2Bの分散安定剤として、フッ素系界面活性剤や、フッ素系グラフトポリマーを用いることで、塗布液としての分散性が安定する。フッ素系グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマーおよびパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が好ましい。
フッ素系界面活性剤やフッ素系グラフトポリマーの含有量は、フッ素含有粒子の質量に対して1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
こうして得られる電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。但し、軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲となる最外層は、浸漬塗布法や突き上げ塗布法によって容易に形成される。
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
−最外層の形成方法(浸漬塗布法)−
感光体における最外層(第1の態様においては電荷輸送層)の形成は、例えば最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体の表面に最外層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することによって行われる。本実施形態における上記塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば浸漬塗布法や、該浸漬塗布法の一種である突き上げ塗布法が適用される。
尚、浸漬塗布法では、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体を最外層を形成するための塗布液の中に浸漬し、導電性支持体の軸方向の一端側から徐々に引き上げることによって表面に前記塗布液を塗布する。しかし、流動性を有する塗布液は引き上げの際に重力によって徐々に下方に移動する(垂れる)ため、引き上げの際の上方側の端に比べ下方側の端の方が塗布膜厚が厚くなり、その結果最外層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲である感光体が製造される。
尚、浸漬塗布法に用いる塗布液の粘度が低いほど膜厚差が大きくなる傾向にある。また膜厚差を小さくする観点で浸漬した導電性支持体の引き上げ速度を徐々にまたは段階的に遅くしていくことが行われるが、こうした制御を行わず一定速度で引き上げを行う場合や引き上げ速度を徐々にまたは段階的に速くしていく場合にはより膜厚差が大きくなる傾向にある。
(浸漬塗布法)
最外層の内側の層(例えば第1の態様においては下引層や電荷発生層等)が既に形成された導電性支持体を、最外層(例えば第1の態様においては電荷輸送層)形成用塗布液に浸漬して取り出す浸漬塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図9は、浸漬塗布法による膜形成の方法を示す概略断面図である。なお、以下において「導電性支持体上に塗布する」とは、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体の表面に塗布することを意味する。また、「導電性支持体を上昇」とは、導電性支持体と最外層形成用塗布液の液面との相対関係であり、導電性支持体を固定し、液面を下降させる場合を含む。
図9において、最外層形成用塗布液152を塗布槽153に入れ、その中に導電性支持体151を浸漬し、次いで取り出す(上昇させる)ことにより塗布が行われ、塗膜154が形成される。その際、最外層形成用塗布液152は、塗布槽153から溢れるよう塗布槽153の底側から最外層形成用塗布液152を供給することが好ましい。この場合、図には示していないが、塗布槽の周囲には溢れ出た最外層形成用塗布液152を回収するための受けが設けられる。
(突き上げ塗布法)
次いで、環状塗布槽を用い、最外層の内側の層が既に形成された導電性支持体を下から突き上げて最外層形成用塗布液の塗膜を形成する、浸漬塗布法の一種である突き上げ塗布法に関し、図面を用いてその一例を説明する。
図10は、突き上げ塗布による膜形成の方法を示す概略断面図である。突き上げ塗布法は、最外層形成用塗布液152を環状塗布槽157に入れ、その下部から上部へ導電性支持体151を通過させて塗布を行う方法である。環状塗布槽157の底部には、塗布液152が漏れないよう、ポリエチレンやシリコーンゴム等の柔軟性板材から成る環状のシール材158が設けられる。導電性支持体151の上下には、中間体159が取り付けられる。導電性支持体151は、環状塗布槽157の下部から上部に順次突き上げられ、シール材158を挿通させることにより、表面に塗膜154が塗布される。
電子写真装置中で発生するオゾンや窒素酸化物、または光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層を構成する各層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等が挙げられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。
・機能一体型の感光層
また、本実施形態における感光体が図8に示す第2の態様である場合、機能一体型の感光層6が最外層となる。機能一体型の感光層6は、図7に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層であり、前述の電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bにおいて記載された材料を用いて形成され、且つ軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が前述の範囲であるとの要件を満たす。従って、前述の電荷輸送層の形成に用いられる塗布方法が用いられるが、中でも浸漬塗布法や突き上げ塗布法によって形成されるのが好ましい。
−作動−
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動を説明する。
図1に示す画像形成装置において、先ず各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃される。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において「部」は「質量部」を意味する。
−電子写真感光体A1−
・下引層の形成
酸化亜鉛粒子(テイカ社製、体積平均粒径:70nm、比表面積値:15m/g)60部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(表面処理剤)として、KBM603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)を酸化亜鉛粒子100部に対し1.25部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて除去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子100部、電子受容性化合物としてアントラキノン1部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)22.5部、およびブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)25部をメチルエチルケトン142部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.008部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)6.5部と、を添加し、下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、加熱乾燥温度175℃、加熱乾燥湿度40RH%、加熱乾燥時間20分の条件で加熱乾燥(乾燥硬化)を行い、厚さ15μmの下引層を得た。
・電荷発生層の形成
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
・電荷輸送層(最外層)の形成
次に、電荷輸送物質として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1部と、を混合して、テトラヒドロフラン24部およびトルエン11部を混合溶解して、混合溶解液を得た。
この混合溶解液を、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、4900N/cm(500kgf/cm)まで昇圧して分散処理を6回繰り返し、電荷輸送層形成用の塗布液を得た。尚、得られた塗布液の粘度は250Pa・sであった。
得られた塗布液を、図9に示す浸漬塗布装置の塗布槽に満たし、電荷発生層を形成した前記アルミニウム基材(導電性支持体)を該塗布液中に浸漬した後、一定速度(150mm/min)で引き上げ、塗布膜を形成した。その後、140℃で25分乾燥させて電荷輸送層を形成し、電子写真感光体A1を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
−電子写真感光体A2−
電子写真感光体A1の作製において、電荷輸送層形成用の塗布液の粘度を270Pa・sに変更し、さらに電荷輸送層を形成する浸漬塗布の際の引き上げ速度を170mm/minに変更した以外は、同様の方法にて電子写真感光体A2を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
−電子写真感光体A3−
電子写真感光体A1の作製において、電荷輸送層形成用の塗布液の粘度を230Pa・sに変更し、さらに電荷輸送層を形成する浸漬塗布の際の引き上げ速度を135m/minに変更した以外は、同様の方法にて電子写真感光体A3を得た。
尚、得られた感光体の最外層である電荷輸送層では、軸方向において厚さの傾斜が存在することが確認された。
<感光体膜厚測定>
上記より得られた各電子写真感光体の最外層(電荷輸送層)の膜厚を、渦電流膜厚測定装置(フィッシャー・インスットルメント社製、製品名:フィッシャースコープ)にて測定した。具体的には、感光体の軸方向両端よりそれぞれ40mm内側の位置(一端部および他端部)と軸方向中心の位置(中心部)において、それぞれ周方向に15°刻みで最外層の膜厚を測定し、平均して各位置での平均膜厚を求めた。
結果を下記表1に示す。
−クリーニングブレードA1−
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のソフトセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料およびハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡をかまないように混合し、クリーニングブレード形成用組成物A1を調製した。
次いで、140℃に金型を調整した遠心成形機に上記クリーニングブレード形成用組成物A1を流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後カットして、長さ8mm、厚さ2mmのクリーニングブレードA1を得た。
−クリーニングブレードA2−
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA2を得た。
−クリーニングブレードA3−
実施例1において、熟成加熱温度を85℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA3を得た。
−クリーニングブレードA4−
実施例1において、熟成加熱温度を100℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を50/50に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA4を得た。
−クリーニングブレードA5−
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を65/35に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA5を得た。
−クリーニングブレードA6−
実施例1において、熟成加熱温度を70℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を35/65に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA6を得た。
−クリーニングブレードA7−
実施例1において、熟成加熱温度を70℃に変更し、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を35/65に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードA7を得た。
−比較用クリーニングブレードB1−
実施例1において、熟成加熱温度を150℃に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB1を得た。
−比較用クリーニングブレードB2−
実施例1において、熟成加熱温度を115℃に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を45/55に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB2を得た。
−比較用クリーニングブレードB3−
実施例1において、熟成加熱温度を75℃に、熟成加熱時間を32時間に変更し、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物の質量比を70/30に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB3を得た。
−比較用クリーニングブレードB4−
実施例1において、ソフトセグメント材料を1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量2000の1,9−NDアジペートに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりクリーニングブレードB4を得た。
〔物性の測定〕
クリーニングブレードの示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度(溶融温度)は、示差走査熱量測定(DSC)にてASTM D3418−99に準じて行なった。測定には、パーキンエルマー社製Diamond−DSCを使用し、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の溶融温度を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いた。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空のパンをセットし測定を行った。このときのDSCでの測定の際の昇温速度は3℃/mimとし、測定温度範囲は20℃から250℃とした。
また、クリーニングブレードのハードセグメントの凝集体の平均粒子径および粒度分布(標準偏差σ)を前述の方法により測定した。
また、ポリウレタンゴム中における化学架橋(架橋剤による架橋)と物理架橋(ハードセグメント同士の水素結合による架橋)との比率、ポリウレタンゴム中におけるハードセグメントとソフトセグメントとの比率を前述の方法により測定した。
更に、クリーニングブレードの硬度(JIS−A)を下記の方法により測定した。
硬度(JIS−A)は、JISK6253(1997)に記載のタイプA デュロメータを用いて測定した硬さであり、ブレードの感光体接触面を軸方向に3点測定し、平均値を求めることによって測定した。
<摩耗評価試験>
下記表3および表4に示すクリーニングブレードおよび感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docucenter−II C7500)に装着した。
・プロセス速度:220mm/sec
・帯電装置:交流重畳直流の帯電ロール
・現像装置:2成分磁気ブラシ現像装置
・クリーニングブレード:
NF(Normal Force)2.0gf/mm
食込み長さ1.0mm
接触角25度
角度W/A(Working Angle)11度
自由長(支持部材にて支持されていない領域の長さ)7.0mm
試験は、重合法によって作製され、形状係数が123から128の範囲に分布し、平均粒径が6μmのトナーを用い、このトナーを含む2成分現像剤を上記画像形成装置における現像器に収容して使用した。この画像形成装置によるテストプリント(1色当たりの面積率5%)の画像をプリント枚数5枚の繰り返しで50,000枚分、高温高湿(28℃、85%RH)、低温低湿(10℃、15%RH)、および中温中湿(22℃、55%RH)のそれぞれの環境で行った。
−評価試験後の感光体膜厚測定−
前記摩耗評価試験後の電子写真感光体について、最外層(電荷輸送層)の軸方向一端部、他端部および中心部での平均膜厚を、前述の方法により求めた。
更に、摩耗評価試験前後での中心部平均膜厚の変化分(試験により摩耗した膜厚/試験前の膜厚×100(%))より「摩耗率(%)」を算出した。また、一端部の平均膜厚の変化分(a)と他端部の平均膜厚の変化分(b)との比(a/b×100(%))より「偏摩耗率(%)」を算出し、以下の評価基準に従って評価した。
−摩耗率−
A:摩耗率27%以下
B:摩耗率27%を超え29%以下
C:摩耗率29%を超え31%以下
D:摩耗率31%を超える
−偏摩耗率−
A:偏摩耗率94%を超える
B:偏摩耗率88%を超え94%以下
C:偏摩耗率82%を超え88%以下
D:偏摩耗率82%以下
1 基体、2 感光層、2A 電荷発生層、2B 電荷輸送層、4 下引層、6 機能一体型の感光層、21 本体ハウジング、22、22a乃至22d 作像ユニット、23 ベルトモジュール、24 記録媒体供給カセット、25 記録媒体搬送路、30 感光体ユニット、31 感光体ドラム(感光体)、32 帯電ロール(帯電手段)、33 現像ユニット(現像手段)、34 クリーニング装置(クリーニング手段)、35、35a乃至35d トナーカートリッジ、40 露光ユニット(静電荷像形成手段)、41 ユニットケース、42 ポリゴンミラー、51 一次転写装置(転写手段)、52 二次転写装置、53 ベルトクリーニング装置、61 送出しロール、62 搬送ロール、63 位置合わせロール、66 定着装置、67 排出ロール、68 排紙部、71 手差し供給装置、72 送出しロール、73 両面記録用ユニット、74 案内ロール、76 搬送路、77 搬送ロール、151 導電性支持体、152 電荷輸送層形成用塗布液、153 塗布槽、154 塗膜、157 環状塗布槽、158 シール材、159 中間体、230 中間転写ベルト、231、232 支持ロール、331 ユニットケース、332 現像ロール、333 トナー搬送部材、334 搬送パドル、335 トリミング部材、341 クリーニングケース、342、342A、342B、342C クリーニングブレード、344 フィルムシール、345 搬送部材、521 二次転写ロール、531 クリーニングブレード、3421B 第一層、3422B 第二層、3421C 接触部材、3422C 背面部材

Claims (6)

  1. 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
    を有する画像形成装置。
  2. 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、且つ前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上である電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像をトナーによりトナー像として現像する現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記転写手段によって前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
    を有する画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
    少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
    を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
  5. 円筒状の導電性支持体および該導電性支持体の外周面上に感光層を備え、前記感光層の最外表面を構成する層が樹脂を含有し、前記感光層の最外表面を構成する層が軸方向において厚さに傾斜を有し軸方向の一端と他端との平均膜厚の差が1.7μm以上であり、且つ表面にトナー像が形成され該トナー像を記録媒体上に転写する電子写真感光体と、
    少なくとも前記電子写真感光体と接触する部分が、ポリウレタンゴムを含有し且つ示差走査熱量測定による吸熱ピークトップ温度を180℃以上220℃以下の範囲に持つ部材で構成されるクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上であり、該クリーニングブレードを前記記録媒体に前記トナー像が転写された後の前記電子写真感光体の表面に接触させてクリーニングするクリーニング手段と、
    を備え、画像形成装置に対して脱着自在であるプロセスカートリッジ。
  6. 前記クリーニングブレードにおける前記ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有し、前記ハードセグメントの凝集体の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、且つ前記ハードセグメントの凝集体の粒度分布(標準偏差σ)が2μm以上である請求項に記載のプロセスカートリッジ。
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