JP6034122B2 - セラミックヒータの検査方法および製造方法 - Google Patents

セラミックヒータの検査方法および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックヒータの検査方法および製造方法に関する。
圧縮着火方式による内燃機関(例えばディーゼルエンジン)の補助熱源として使用されるグロープラグとして、一般的に、セラミックの基体に発熱素子を内蔵する棒状のセラミックヒータを備えたグロープラグが知られている(特許文献1)。このセラミックヒータの一般的な製造方法としては、まず、焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミック上に、焼成後に発熱素子となる導電性セラミック(素子成形体)を配置し、その上に、焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックを配置して素子保持体を作製する。作製した素子保持体を焼成した後、素子保持体の外表面に研磨をおこなうことでセラミックヒータが完成する。
特開2004−296333号公報 特開2003−25195号公報
しかしながら、導電性セラミックの素子成形体は、セラミックの粉体を圧縮して固めたものであり、製造工程中に欠けやヒビなどが生じやすい。そのため、セラミックヒータの製造時に、欠けやヒビなどの異常が生じた素子成形体が、基体となる絶縁性セラミックとともに焼成されて、発熱素子に異常が生じているセラミックヒータが製造されることがあった。また、このような、発熱素子に異常が生じているセラミックヒータは、通常、グロープラグ製造後の発熱素子に通電をおこなう通電検査や外観検査によって取り除くことができるものの、例えば、素子成形体にヒビが入っているものの、電気的には良好に接続された素子成形体であれば、通電検査や外観検査により取り除くことができないこともあった。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、
焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して得られる素子保持体を焼成することによって製造されるセラミックヒータの検査方法であって、
前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、
前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を前記素子成形体の少なくとも一部を含むように撮影し、前記配置面の画像を取得する第2の取得工程と、
前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置された状態を表す画像をパターン画像として、取得した前記配置面の画像と前記パターン画像とによるパターンマッチングをおこない、前記パターン画像との相関値を算出する算出工程と、
算出された前記相関値に基づいて、前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置されているか否かを判定する第2の判定工程と、を備え、
前記第2の判定工程が前記第1の取得工程よりも前に行われることを特徴とする。
本発明の第2の形態は、
セラミックヒータの製造方法であって、
焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を形成する成形工程と、
焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、前記素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して素子保持体を形成する配置形成工程と、
前記素子保持体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、を備え、
前記配置形成工程は、
前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、
前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を前記素子成形体の少なくとも一部を含むように撮影し、前記配置面の画像を取得する第2の取得工程と、
前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置された状態を表す画像をパターン画像として、取得した前記配置面の画像と前記パターン画像とによるパターンマッチングをおこない、前記パターン画像との相関値を算出する算出工程と、
算出された前記相関値に基づいて、前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置されているか否かを判定する第2の判定工程と、を含み、
前記第2の判定工程が前記第1の取得工程よりも前に行われることを特徴とする。また、本発明は、以下の形態としても実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、
焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して得られる素子保持体を焼成することによって製造されるセラミックヒータの検査方法であって、
前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、を備えることを特徴とするセラミックヒータの検査方法が提供される。
この構成によれば、素子成形体に欠けを含む異常が生じていると、撮影画像において、素子成形体が配置されるべき領域に基体成形体と画像の階調値が異なる基体成形体が現れるため、この領域の画像の階調値に基づいて、素子成形体に異常が生じているか否かを判定することができる。これにより、異常が生じている素子成形体を含んだ素子保持体を見つけることができ、発熱素子に欠けやヒビなどの異常が生じているセラミックヒータの製造を抑制することができる。特に、通電検査や外観検査によって取り除くことができなかった素子成形体であっても、上述の検査方法により取り除くことができる。
なお、「素子成形体の欠け」とは、電気的、機械的に完全に断絶する欠けだけでなく、電気的には接続しているものの、機械的には断絶しているヒビも含む。
(2)上記形態のセラミックヒータの検査方法において、
前記第1の判定工程は、前記特定の領域の画像の階調値を2値化処理した後の階調値の平均が所定の範囲に含まれるか否か、および/または、前記特定の領域の画像の階調値を2値化処理した後の階調値の偏差が所定の範囲に含まれるか否かによって、前記異常が生じているか否かを判定することを特徴としていてもよい。
この構成によれば、階調値の平均や偏差が所定の範囲に含まれているか否かによって、素子成形体が配置されるべき領域に基体成形体と画像の階調値が異なる基体成形体が現れているか否かを容易に判定することができる。よって、階調値の平均や偏差によって、素子成形体に異常が生じているか否かを容易に判定することができる。
(3)上記形態のセラミックヒータの検査方法において、
前記素子成形体は、焼成後に発熱部となる略U字状の先端部を備え、
前記第1の取得工程は、前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の前記先端部を含む領域を前記特定の領域として撮影するように設定された撮影装置によって、前記撮影をおこなうことを特徴としていてもよい。
通常、素子成形体は、先端側が折り返された略U字状となっている。この構成によれば、欠けやヒビなどの異常が生じやすい素子成形体の先端部について、異常が生じているか否かを判定することができるため、異常が生じているセラミックヒータの製造をより抑制することができる。
(4)上記形態のセラミックヒータの検査方法において、
前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を前記素子成形体の少なくとも一部を含むように撮影し、前記配置面の画像を取得する第2の取得工程と、
前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置された状態を表す画像をパターン画像として、取得した前記配置面の画像と前記パターン画像とによるパターンマッチングをおこない、前記パターン画像との相関値を算出する算出工程と、
算出された前記相関値に基づいて、前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置されているか否かを判定する第2の判定工程と、を備えることを特徴としていてもよい。
特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、素子成形体に欠けやヒビなどが生じているか否かを判定するにあたり、基体成形体上に素子成形体が正常な位置に配置されていないと、精度良く判定できないことがある。そこで、この構成によれば、基体成形体上に素子成形体が正常な位置に配置されているか否かによって、配置面の画像とパターン画像との相関値が変化するため、相関値によって、素子成形体が正しい位置に配置されているか否かを判定することができる。これにより、特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、素子成形体に欠けやヒビなどが生じているか否か精度良く判定することができる。
(5)本発明の一形態によれば、
焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を形成する成形工程と、
焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、前記素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して素子保持体を形成する配置形成工程と、
前記素子保持体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、を備えるセラミックヒータの製造方法が提供される。
このセラミックヒータの製造方法において、前記配置形成工程は、
前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、を含んでいてもよい。
この構成によれば、素子成形体に欠けを含む異常が生じていると、撮影画像において、素子成形体が配置されるべき領域に基体成形体と画像の階調値が異なる基体成形体が現れるため、この領域の画像の階調値に基づいて、素子成形体に異常が生じているか否かを判定することができる。これにより、異常が生じている素子成形体を含んだ素子保持体を見つけることができ、発熱素子に欠けやヒビなどが生じているセラミックヒータの製造を抑制することができる。特に、通電検査や外観検査によって取り除くことができなかった素子成形体であっても、上述の検査方法により取り除くことができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、上記検査方法を工程の一部に含んだグロープラグの検査方法、上記製造方法によって製造されたセラミックヒータ、このセラミックヒータを使用したグロープラグ、上記製造方法を工程の一部に含んだグロープラグの製造方法等の形態で実現することができる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
第1実施形態におけるグロープラグの断面構成を説明するための説明図である。 セラミックヒータの概略構成を説明するための説明図である。 第1実施形態におけるセラミックヒータの製造工程を示したフローチャートである。 成形工程によって作製される素子成形体を例示した説明図である。 成形工程によって作製される基体成形体を例示した説明図である。 配置工程によって作製される組立体を説明するための説明図である。 検査装置を例示した説明図である。 検査工程を示したフローチャートである。 配置面画像Ifを例示した説明図である。 相関値Rの算出方法を説明するための説明図である。 領域画像Isの取得方法を説明するための説明図である。 素子成形体の一部が欠けた組立体の配置面画像Ifを説明するための説明図である。 素子成形体の一部が欠けた組立体の領域画像Isを説明するための説明図である。 プレス工程によって作製される素子保持体を説明するための説明図である。 焼成工程によって作製される焼成体を説明するための説明図である。 切断工程によって作製される切断体を説明するための説明図である。 センタレス研磨工程によって作製される研磨体を説明するための説明図である。 R研磨工程によって作製されるセラミックヒータを説明するための説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態におけるグロープラグ1の断面構成を説明するための説明図である。以下の説明では、グロープラグ1においてセラミックヒータ30が配置されている側(図1下方側)をグロープラグ1の「先端側」と呼び、環状部材70が配置されている側(図1上方側)をグロープラグ1の「後端側」と呼ぶ。
グロープラグ1は、主体金具10と、中軸20と、セラミックヒータ30と、外筒50と、絶縁部材60と、環状部材70とを主に備えている。主体金具10は、略筒形状の外形を備え、内側に中軸20を収容している。中軸20は、略棒形状の外形を備え、後端部21が主体金具10から突出している。中軸20の先端部22は、セラミックヒータ30の後端部31と対向している。中軸20とセラミックヒータ30は、リード線41を介して電気的に接続されている。セラミックヒータ30は、略棒形状の外形を備え、先端部32が外筒50から突出するようにして外筒50に保持されている。外筒50は、略筒形状の外形を備え、主体金具10の先端側に接合されている。主体金具10の後端側と中軸20との間隙には、絶縁部材60とシールパッキン65が挿入されている。絶縁部材60の後端側には、環状部材70が取り付けられている。グロープラグ1は、主体金具10、中軸20、セラミックヒータ30、および、外筒50の軸心が、グロープラグ1の軸心C1と一致するように構成されている。
主体金具10は、炭素鋼やステンレス鋼などによって形成され、取付ネジ部11と、工具係合部12とを備えている。取付ネジ部11は、ネジ山が形成された部位であり、図示しないディーゼルエンジンヘッドのネジ孔に螺合される。工具係合部12は、取り付け工具が係合するための部位であり、取付ネジ部11の後端側に形成されている。また、主体金具10の軸孔13は、主体金具10の軸方向に延伸するように形状された中空部であり、内側に、中軸20、および、セラミックヒータ30の後端部31が配置されている。
中軸20は、炭素鋼やステンレス鋼などの導電性部材によって形成され、先端部22に縮径部23を備えている。縮径部23は、縮径部23より後端側の部分である主軸部24よりも径が小さくなるように形成されている。中軸20の縮径部23は、導電性のリード線41を介してセラミックヒータ30と電気的に接続されている。中軸20の後端部21は、グロープラグ1の外部に露出しており、導電性の環状部材70とともにグロープラグ1の端子部を構成する。この端子部は、図示しない外部電源装置から伸びるソケットに接続される。これにより、中軸20は、外部電源装置から供給された電力をセラミックヒータ30に導くように構成されている。
セラミックヒータ30は、丸棒状の外形を備え、後端部31と先端部32の間の外周面が外筒50と接触している。セラミックヒータ30の後端部31には、電極リング42が取り付けられ、電極リング42を介してリード線41が取り付けられている。セラミックヒータ30の先端部32は曲面状に形成され、外筒50から突出している。セラミックヒータ30の詳細については後述する。
外筒50は、ステンレス鋼などによって形成され、筒部15と、後端側縮径部52と、先端側縮径部53とを備えている。外筒50の後端側縮径部52は、その外径が筒部15よりも小さくなるように形成された部分であり、主体金具10の先端側の開口部に挿入されている。一方、先端側縮径部53は、その外径が筒部15よりも小さくなるように形成されており、軸方向先端側に延びている。また、外筒50の軸孔51は、外筒50の軸方向に延伸するように形状された中空部であり、内側にセラミックヒータ30が配置されている。
絶縁部材60は、主体金具10と中軸20とを絶縁するための環形状の部材であり、中軸20を軸孔に挿通させた状態で主体金具10の後端側の開口部に挿入される。これにより、主体金具10と中軸20との間の距離が確保される。シールパッキン65は、グロープラグ1の内部の気密を保つための部材であり、中軸20を挿通させた状態で絶縁部材60の先端側に配置されている。シールパッキン65は、主体金具10と中軸20との間の距離が確保する絶縁部材とし機能してもよい。環状部材70は、中軸20の後端部21とともにグロープラグ1の端子部を構成するための環形状の導電性部材であり、中軸20を軸孔に挿通させた状態で絶縁部材60の後端側に配置されている。
図2は、セラミックヒータの概略構成を説明するための説明図である。セラミックヒータ30は、絶縁性のセラミック基体310の内部に導電性セラミックの発熱素子320が埋設されている。発熱素子320は、発熱部321と、リード部322、323と、を備えている。発熱部321は、U字状に形成され、セラミックヒータ30の内部の先端部32側に配置されている。第1のリード部322は、発熱部321が備える2つの基端部のうちの一方と、第1の電極取出部324とを接続している。第2のリード部323は、発熱部321が備える基端部の他方と、第2の電極取出部325とを接続している。2つの電極取出部324、325は、それぞれ、セラミックヒータ30の外周面33に露出しており、第1の電極取出部324が第2の電極取出部325より後端部31側に形成されている。第1の電極取出部324は、電極リング42の内周面と接触している。すなわち、電極リング42と、セラミックヒータ30の発熱部321とは、電気的に接続されている。また、第2の電極取出部325は、外筒50と接触しており、外筒50と、セラミックヒータ30の発熱部321とは、電気的に接続されている。
図3は、第1実施形態におけるセラミックヒータの製造工程を示したフローチャートである。セラミックヒータの製造にあたり、まず、成形工程として素子成形体と基体成形体の成形をおこなう(ステップS110)。素子成形体とは、焼成後に発熱素子320(図2)となる部材である。基体成形体とは、焼成後にセラミック基体310(図2)となる部材である。素子成形体は、窒化珪素(Si3N4)を主成分とし、タングステンカーバイト(WC)を20体積%混合した導電性セラミックにバインダなどの添加剤を添加した原料粉末を射出成形することによって作製することができる。
図4は、成形工程によって作製される素子成形体820を例示した説明図である。素子成形体820は、発熱部821と、リード部822、823と、電極取出部824、825と、サポート部826とを備えている。発熱部821、リード部822、823、および、電極取出部824、825は、焼成後の発熱素子320(図2)の発熱部321、リード部322、323、および、電極取出部324、325に該当する。発熱部821は、断面積がリード部822、823の断面積よりも小さくなるように形成されている。これにより、通電時に主に発熱部821が発熱するように構成される。サポート部826は、素子成形体820を補強するための部位であり、第1のリード部822と第2のリード部823のそれぞれの発熱部821と接続されていない側の端部同士を接合するように形成されている。サポート部826は、リード部822、823の端部同士の相対的な移動を規制し、発熱部821と接続部付近における欠けなどの発生を抑制する。サポート部826は、リード部822、823よりも断面積が小さくなるように構成され、焼成後に容易に取り除くことができるように構成されている。なお、本実施形態の発熱部821は、リード部822、823とは同じ材料によって構成されているが、発熱部821は、リード部822、823よりも導電性の低い材料によって構成されていてもよい。
図5は、成形工程によって作製される基体成形体810を例示した説明図である。基体成形体810は、窒化珪素を主成分とする絶縁性セラミックにバインダなどの添加剤を添加した原料粉末を射出成形することによって作製することができる。基体成形体810は、平板状の外形を備え、一方の主面である配置面811に溝部812が形成されている。溝部812は、素子成形体820を収容するための凹部であり、素子成形体820の外周面に沿った略半円形状の断面を備えている。本実施形態の基体成形体810の断面は、配置面811と反対側の主面の両端部が面取りされた形状を備えているが、基体成形体810は、半円形状の断面形状や、矩形の断面形状を備えていてもよい。基体成形体810は、特許請求の範囲の「第1の基体成形体」に該当する。成形工程を経て、素子成形体820と基体成形体810とを成形した後、配置工程として、基体成形体810の溝部812に素子成形体820を配置する(ステップS120)。
図6は、配置工程によって作製される組立体81を説明するための説明図である。配置工程では、図示しない供給装置によって、素子成形体820が基体成形体810の配置面811の上方から溝部812に向けて供給される。供給された素子成形体820は、概ね半分程度、基体成形体810に埋め込まれるように配置される。以後、この基体成形体810に素子成形体820が配置されたものを「組立体81」とも呼ぶ。配置工程の後、検査工程において、素子成形体820が基体成形体810に正常な位置に配置されているか否かと、配置された素子成形体820に欠けやヒビなどの異常が生じていないか否かについて検査をおこなう(ステップS130)。この検査工程は以下の検査装置を用いておこなわれる。
図7は、検査装置2を例示した説明図である。検査装置2は、制御部210と、撮影部220と、照明部230と、モニタ部240と、を備えている。制御部210は、検査装置2の各部位を制御するとともに、撮影部220によって撮影された画像を用いて後述する判定をおこなう。撮影部220は、外型3の間に配置された検査対象の組立体81(以後、「対象組立体81」とも呼ぶ)を撮影する。撮影部220は、撮影時に対象組立体81との位置関係が予め設定された位置関係となるように調整されており、対象組立体81の後述する特定の領域を撮影する。照明部230は、対象組立体81に光を照射する。モニタ部240は、撮影部220によって撮影された画像や、制御部210による判定結果を表示する。
図8は、検査工程を示したフローチャートである。対象組立体81の検査をおこなうにあたり、まず、検査装置2は、対象組立体81の配置面811を撮影し、配置面811を含む画像If(以後「配置面画像If」とも呼ぶ)を取得する(ステップS210)。
図9は、配置面画像Ifを例示した説明図である。配置面画像Ifには、発熱部821と、発熱部821の周辺部が表されている。本実施形態の配置面画像Ifには、発熱部821と、外型3の一部と、配置面811の一部と、リード部822、823の一部が表されている。配置面画像Ifでは、基体成形体810は、白っぽい色で表され、素子成形体820は、黒っぽい色で表されている。これは、基体成形体810は、主に窒化珪素によって構成されているのに対して、素子成形体820は、窒化珪素にタングステンカーバイトが混合されているためである。なお、図9は、配置面画像Ifの一例であり、配置面画像Ifには、図9に表された領域以外の領域が含まれていてもよいし、図9に表された領域の一部が含まれていなくてもよい。検査装置2は、配置面画像Ifを用いて、素子成形体820が基体成形体810に正常に配置されているか否かを判定する。具体的には、まず、検査装置2は、配置面画像Ifと、後述するパターン画像Ipを用いてパターンマッチングをおこない、配置面画像Ifとパターン画像Ipとの相関値Rを算出する(ステップS220)。
図10は、相関値Rの算出方法を説明するための説明図である。検査装置2は、配置面画像Ifの任意の一部に対象領域Adを設定し、設定した対象領域Adを表す対象画像Idとパターン画像Ipとの相関値である部分相関値Rpを算出する(図10(a))。パターン画像Ipは、対象画像Idと同じサイズの画像であり、基体成形体810に素子成形体820が正常な位置に配置された状態が表されている。検査装置2は、配置面画像Ifに対する対象領域Adの相対位置を変化させつつ、配置面画像Ifの全体に対して順次、対象領域Adを設定し、設定した対象領域Adを表す対象画像Iadとパターン画像Ipとの部分相関値Rpを順次算出する。検査装置2は、算出した部分相関値Rpのうちの最大値を配置面画像Ifとパターン画像Ipとの相関値Rとする(図10(b))。
検査装置2は、算出した相関値Rが閾値Th1より大きいか否かを判定する(ステップS230)。閾値Th1は任意に設定することができる。閾値Th1としては、90程度を例示することができる。相関値Rが閾値Th1以下の場合(ステップS230:NO)、検査装置2は、その対象組立体81を不合格と判定する(ステップS240)。パターン画像Ipとの相関値Rが小さいということは、素子成形体820の基体成形体810に対する位置や向きが正常ではない場合や、素子成形体820に欠けや変形が生じている場合などが考えられるためである。相関値Rが閾値Th1より大きい場合(ステップS230:YES)、検査装置2は、配置面画像Ifから素子成形体820の少なくとも一部を含む領域画像Isを取得する(ステップS250)。
図11は、領域画像Isの取得方法を説明するための説明図である。検査装置2は、配置面画像Ifの一部に特定領域Asを設定し、設定した特定領域Asを表す画像を領域画像Isとして取得する。特定領域Asの配置面画像Ifに対する相対的な位置や範囲は、予め設定されている。具体的には、特定領域Asの位置や範囲は、図11(a)に示すように、配置面画像Ifにおいて、基体成形体810に正常な位置に配置された素子成形体820が表されている領域内に設定される。本実施形態では、3つの特定領域As(第1特定領域As1、第2特定領域As2、第3特定領域As3)が設定されている。3つの特定領域As1、As2、As3は、それぞれ矩形の外形を備え、素子成形体820の発熱部821のU字状の外形に沿ってU字状に並んで配置されている。発熱部821は相対的に断面積が小さく欠けなどの異常が生じやすいため、特定領域Asを発熱部821に設定することによって、素子成形体820の異常をより精度良く検出することができる。なお、特定領域Asの位置や範囲や数は、配置面画像Ifにおいて、正常に配置された素子成形体820が表されている領域を少なくとも一部に含んでいれば、任意に設定することができる。
本実施形態では、検査装置2は、図11(b)に示すように、配置面画像Ifから3つの領域画像Is(第1領域画像Is1、第2領域画像Is2、第3領域画像Is3)を取得する。検査装置2は、これらの領域画像Isを用いて、素子成形体820に欠けやヒビなどの異常が生じていないか否かを判定する。具体的には、検査装置2は、まず、領域画像Isに対して2値化処理をおこない、画像を構成する各画素の階調値Xが0または255で表された2値化画像を作成する。なお、ここでは、白を表す階調値Xが「255」であり、黒を表す階調値Xが「0」である。検査装置2は、画素の階調値Xの平均値Xaと標準偏差σを算出する(ステップS260)。平均値Xaと標準偏差σは、それぞれ次式(1)(2)によって算出することができる。
Figure 0006034122
Figure 0006034122
ここで、nは、領域画像Is(2値化画像)の画素数である。本実施形態では、3つの領域画像Is(第1領域画像Is1、第2領域画像Is2、第3領域画像Is3)のそれぞれについて平均値Xaと標準偏差σを算出する。各領域画像Isの平均値Xaと標準偏差σを算出した後、検査装置2は、各領域画像Isの平均値Xaが閾値Th2より小さいか否かを判定する(ステップS270)。閾値Th2は任意に設定することができる。閾値Th2としては、50程度を例示することができる。
平均値Xaが閾値Th2以上の場合(ステップS270:NO)、すなわち、各領域画像Isの平均値Xaのうち、少なくとも1つの平均値Xaが閾値Th2以上の場合、検査装置2は、その対象組立体81を不合格と判定する(ステップS240)。平均値Xaが閾値Th2以上となっているということは、素子成形体820に欠けやヒビが生じている状態などが考えられるためである。この理由を図12、図13を用いて説明する。
図12は、素子成形体の一部が欠けた組立体の配置面画像Ifを説明するための説明図である。図12(a)に示す組立体81は、素子成形体820の一部が欠けた状態で基体成形体810の溝部812に配置されている。この組立体81の配置面画像Ifは、図12(b)に示すように、素子成形体820の欠けた部分に基体成形体810の溝部812が表されている。
図13は、素子成形体の一部が欠けた組立体の領域画像Isを説明するための説明図である。図13(a)には、図12(b)の配置面画像Ifに対して特定領域As(第1特定領域As1、第2特定領域As2、第3特定領域As3)を設定した状態が例示されている。配置面画像Ifの第1特定領域As1には、基体成形体810の溝部812が含まれている。図13(b)には、2値化処理後の第1領域画像Is1の各画素の階調値が例示されている。素子成形体820は、黒っぽい色をしているため、第1領域画像Is1の素子成形体820が表されている部分は画素の階調値Xが「0」になっている。一方、基体成形体810は、白っぽい色をしているので、第1領域画像Is1の基体成形体810が表されている部分は画素の階調値Xが「255」になっている。このことから、領域画像Isに基体成形体810が含まれていると、基体成形体810が含まれていない場合に比べて平均値Xaが大きくなることがわかる。領域画像Isは、基体成形体810に正常な位置に配置された素子成形体820が表れるように設定されているため、正常な素子成形体820が基体成形体810に正常に配置されている場合、領域画像Isに含まれる素子成形体820の割合が大きくなり、平均値Xaは相対的に小さくなる。一方、素子成形体820が欠けやヒビがある場合には、領域画像Isに含まれる基体成形体810の割合が増加するため、平均値Xaは相対的に大きくなる。このことから、平均値Xaが閾値Th2以上となる対象組立体81には、素子成形体820の欠けやヒビなどの異常を生じている可能性が高いと考えられる。
平均値Xaが閾値Th2よりも小さい場合(図8のステップS270:YES)、検査装置2は、標準偏差σが閾値Th3より小さいか否かを判定する(ステップS280)。閾値Th3は任意に設定することができる。閾値Th3としては、70程度を例示することができる。標準偏差σが閾値Th3以上の場合(ステップS280:NO)、検査装置2は、その対象組立体81を不合格と判定する(ステップS240)。これにより、異常が生じているにもかかわらず、ステップS270において不合格と判定されなかった組立体81を不合格にすることができる。なお、本実施形態では、平均値Xaと標準偏差σの両方を用いて対象組立体81の合否を判断するように構成されているが、検査工程は、平均値Xaと標準偏差σのいずれか一方のみを用いて対象組立体81の合否を判断する構成としてもよい。また、検査工程は、平均値Xaと標準偏差σの両方が条件を満たさない場合のみ対象組立体81を不合格とする構成としてもよい。また、本実施形態では、領域画像Isに対して2値化処理をおこなった後、平均値Xaと標準偏差σを算出しているが、2値化処理をおこなわずに平均値Xaと標準偏差σを算出する構成としてもよい。
標準偏差σが閾値Th3よりも小さい場合(ステップS280:YES)、検査装置2は、その対象組立体81を合格と判定する(ステップS290)。対象組立体81には、欠けやヒビ等の異常が生じていないと考えられるためである。以上が検査工程についての説明である。図3に戻り、検査工程が完了した後、プレス工程において、合格した組立体81を用いて素子保持体82を作製する(ステップS140)。
図14は、プレス工程によって作製される素子保持体82を説明するための説明図である。プレス工程では、まず、検査工程によって合格した組立体81の配置面811に基体成形体810と対になる別の基体成形体830を配置する。基体成形体830は、特許請求の範囲の「第2の基体成形体」に該当する。基体成形体810、830によって、素子成形体820を挟み込んだ状態で図示しないプレス機にてプレス加工をおこなう。プレス加工を経ると、基体成形体810の内部に素子成形体820を保持する素子保持体82が形成される。素子保持体82の外形は、プレス機で用いられた金型の凹部の形状に従って略楕円形状に形成されている。
素子保持体82を作製した後、脱脂・焼成工程において、素子保持体82の脱脂と焼成をおこなう(ステップS150)。まず、脱脂工程では、素子保持体82に含有されているバインダ成分を取り除くための加熱等がおこなわれる。脱脂工程での加熱温度や加熱時間等について特に限定はないが、例えば、不活性ガス(例えば、窒素)雰囲気下において、800℃で1時間程度加熱してもよい。また、加熱後に素子保持体82の外周面に離型剤の塗布をおこなってもよい。
図15は、焼成工程によって作製される焼成体35を説明するための説明図である。焼成工程では、素子保持体82に含まれているセラミックの焼成をおこなうためのホットプレス等がおこなわれる。ホットプレスは、セラミックヒータが略円柱状に成型されるように凹部が形成された金型を用いてホットプレス加工機によっておこなうことができる。焼成工程での加熱温度や加熱時間等について特に限定はないが、例えば、300kgf/cm2の不活性ガス(例えば、アルゴン)雰囲気下において、1800℃で1時間程度加圧・加熱してもよい。この焼成工程によって素子保持体82は圧縮変形し焼成体35が形成される。また、素子成形体820は焼成によって発熱素子320になり、基体成形体810、830は焼成によってセラミック基体310になる。焼成体35を作製した後、切断・研磨工程において、焼成体35の切断と研磨をおこなう(ステップS160)。
図16は、切断工程によって作製される切断体36を説明するための説明図である。まず、切断工程では、焼成体35の後端部35reが切断され、サポート部326を含むセラミック基体310の一部が除去される。これにより、切断面36fcにおいてリード部322、323が露出した切断体36が作製される。リード部322、323を露出させる方法としては、ダイヤモンドカッター等によって焼成体35の後端部reを切断する方法のほか、焼成体35の後端部reを切削してもよい。切断体36を作製した後、研磨工程において、切断体36のセンタレス研磨およびR研磨をおこなう(ステップS160)。
図17は、センタレス研磨工程によって作製される研磨体37を説明するための説明図である。センタレス研磨工程では、センタレス研磨機を用いて、切断体36の外周36foの研磨をおこなう。これにより、電極取出部324、325が露出した研磨体37が作製される。
図18は、R研磨工程によって作製されるセラミックヒータ30を説明するための説明図である。R研磨工程では、研磨体37の先端部37feのR研磨をおこなう。このR研磨は、発熱部321のU字状の曲線に沿うように、先端部37feが曲面状に加工され、セラミックヒータ30が完成する。なお、上述した配置工程(ステップS120)と、検査工程(ステップS130)と、プレス工程(ステップS140)は、特許請求の範囲の「配置形成工程」に該当する。
このようにして製造されたセラミックヒータ30を外筒50(図2)に圧入し、第2の電極取出部325を外筒50の内周面に接触させる。また、セラミックヒータ30の後端部31に電極リング42を圧入し、第1の電極取出部324を電極リング42の内周面に接触させる。その後、セラミックヒータ30を主体金具10に組付け、各電極の電気的な接続などをおこなうことによって、グロープラグ1が完成する。
以上説明した第1実施形態のセラミックヒータ30の検査方法によれば、素子成形体820に欠けやヒビ等の異常が生じていると、配置面画像Ifにおいて、素子成形体820が配置されるべき特定領域Asに基体成形体と画像の階調値が異なる基体成形体810が現れているため、この特定領域Asの画像の階調値に基づいて、素子成形体820に異常が生じているか否かを容易に検出することができる。そのため、異常が生じている素子成形体820を含んだ素子保持体82を見つけることができ、発熱素子320に欠けやヒビなどの異常が生じているセラミックヒータ30の製造を抑制することができる。特に、通電検査や外観検査によって取り除くことができなかった素子成形体820であっても、上述の検査方法により取り除くことができる。
また、第1実施形態のセラミックヒータ30の検査方法によれば、特定領域Asの画像Isの階調値を2値化処理した後の階調値の平均が所定の範囲に含まれるか否か、および/または、特定領域Asの画像Isの階調値を2値化処理した後の階調値の偏差が所定の範囲に含まれるか否かによって、異常が生じているか否かを判定している。このため、階調値の平均や偏差が所定の範囲に含まれているか否かによって、素子成形体820が配置されるべき領域に基体成形体810と画像の階調値が異なる基体成形体810が現れているか否かを容易に判定することができる。よって、階調値の平均や偏差によって、素子成形体820に異常が生じているか否かを容易に判定することができる。
さらに、第1実施形態のセラミックヒータ30の検査方法によれば、素子成形体820は、焼成後に発熱部321となる略U字状の先端部を備え、基体成形体810の配置面811のうち、素子成形体820の先端部を含む領域を特定領域Asとして撮影するように設定された撮影装置2によって、撮影をおこなっている。これにより、欠けやヒビなどの異常が生じやすい素子成形体820の先端部について、異常が生じているか否かを判定することができるため、異常の生じているセラミックヒータ30の製造をより抑制することができる。
さらに、第1実施形態のセラミックヒータ30の検査方法によれば、素子成形体820を配置した後の基体成形体810の配置面811を素子成形体820の少なくとも一部を含むように撮影して対象画像Idを取得し、対象画像Idとパターン画像Ipとによるパターンマッチングをおこない、パターン画像Ipとの相関値Rを算出し、算出された相関値Rに基づいて、基体成形体810に素子成形体820が正常な位置に配置されているか否かを判定している。これにより、特定領域Asの画像Isの階調値の変化に基づいて、素子成形体810に欠けやヒビなどが生じているか否か精度良く判定することができる。
また、第1実施形態のセラミックヒータ30の製造方法によれば、焼成工程の前に、組立体81に異常が生じているか否かの検査をすることができるため、焼成工程や研磨工程の後に検査をおこなう場合に比べて、不要な焼成や研磨の発生を抑制することができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.変形例1:
第1実施形態の検査装置2は、3つの領域画像Is(第1領域画像Is1、第2領域画像Is2、第3領域画像Is3)のそれぞれについて平均値Xaと標準偏差σを算出するものとして説明したが、3つの領域画像Isの全体から1つの平均値Xaと標準偏差σを算出する構成としてもよい。また、検査装置2が取得する領域画像Isの数は3つに限定されず1以上の任意の数とすることができる。
B−2.変形例2:
第1実施形態の検査工程(図8)では、配置面画像Ifとパターン画像Ipとの相関値Rを用いて対象組立体81が不合格か否かを判定する工程(ステップS220、S230)を備えているが、検査工程は、相関値Rによる判定をおこなわない構成としても実現することができる。
B−3.変形例3:
第1実施形態の検査装置2は、対象組立体81を撮影して得られる配置面画像Ifから領域画像Isを取得するものとして説明したが、検査装置2は、配置面画像Ifを得るための撮影とは別に、組立体81を撮影して領域画像Isを取得してもよい。
B−4.変形例4:
第1実施形態のプレス工程では、組立体81の配置面811に対して、基体成形体810とは別の基体成形体830を配置するものとして説明したが、基体成形体830の代わりに絶縁性セラミックを含む原料粉末を組立体81の配置面811に配置し、プレス加工によって、この原料粉末と基体成形体810とを一体化してもよい。
B−5.変形例5:
第1実施形態では、特定領域Asは、配置面画像Ifにおいて、基体成形体810に正常な位置に配置された素子成形体820が表されている領域内に設定されるものとして説明したが、特定領域Asは、基体成形体810に正常な位置に配置された素子成形体820が表されている領域以外の領域を一部に含んでいてもよい。
B−6.変形例6:
第1実施形態の検査工程(図8)では、平均値Xaや標準偏差σによって対象組立体81の合否を判定しているが、領域画像Isを用いて対象組立体81の合否を判定する方法はこれに限定されない。例えば、領域画像Isに対してラベリング処理をおこない、素子成形体820を表す領域が2つ以上検出された場合には素子成形体820が2以上に分断されているものとして不合格とする構成としてもよい。また、基体成形体810と素子成形体820の階調値の差異をエッジ検出によって検出し、検出したエッジの長さが所定以上の場合、素子成形体820に欠けが生じているものとして不合格とする構成としてもよい。
B−7.変形例7:
第1実施形態の検査工程や製造方法は、グロープラグ1に使用されるセラミックヒータのほか、DPF(Diesel particulate filter)に使用されるセラミックヒータに対しても適用することができる。
1…グロープラグ
2…検査装置
3…外型
10…主体金具
11…取付ネジ部
12…工具係合部
13…軸孔
20…中軸
21…後端部
22…先端部
23…縮径部
24…主軸部
26…後端部
30…セラミックヒータ
31…後端部
32…先端部
33…外周面
35…焼成体
36…切断体
37…研磨体
40…筒状部材
41…リード線
42…電極リング
50…外筒
51…軸孔
52…縮径部
60…絶縁部材
65…気密保持部材
70…環状部材
81…組立体
82…素子保持体
210…制御部
220…撮影部
230…照明部
240…モニタ部
310…セラミック基体
320…発熱素子
321…発熱部
322…第1のリード部
323…第2のリード部
324…第1の電極取出部
325…第2の電極取出部
326…サポート部
810…基体成形体
811…配置面
812…溝部
820…素子成形体
821…発熱部
822…第1のリード部
823…第2のリード部
824…電極取出部
826…サポート部
830…基体成形体

Claims (4)

  1. 焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して得られる素子保持体を焼成することによって製造されるセラミックヒータの検査方法であって、
    前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
    取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、
    前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を前記素子成形体の少なくとも一部を含むように撮影し、前記配置面の画像を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置された状態を表す画像をパターン画像として、取得した前記配置面の画像と前記パターン画像とによるパターンマッチングをおこない、前記パターン画像との相関値を算出する算出工程と、
    算出された前記相関値に基づいて、前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置されているか否かを判定する第2の判定工程と、を備え
    前記第2の判定工程が前記第1の取得工程よりも前に行われることを特徴とするセラミックヒータの検査方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックヒータの検査方法において、
    前記第1の判定工程は、前記特定の領域の画像の階調値を2値化処理した後の階調値の平均が所定の範囲に含まれるか否か、および/または、前記特定の領域の画像の階調値を2値化処理した後の階調値の偏差が所定の範囲に含まれるか否かによって、前記異常が生じているか否かを判定することを特徴とするセラミックヒータの検査方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミックヒータの検査方法において、
    前記素子成形体は、焼成後に発熱部となる略U字状の先端部を備え、
    前記第1の取得工程は、前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の前記先端部を含む領域を前記特定の領域として撮影するように設定された撮影装置によって、前記撮影をおこなうことを特徴とするセラミックヒータの検査方法。
  4. セラミックヒータの製造方法であって、
    焼成後に発熱素子となる導電性セラミックの素子成形体を形成する成形工程と、
    焼成後に基体の一部となる絶縁性セラミックの第1の基体成形体上に、前記素子成形体を配置し、前記第1の基体成形体の前記素子成形体が配置された配置面上に、焼成後に前記基体の一部となる絶縁性セラミックの第2の基体成形体または絶縁性セラミックの粉末を配置して素子保持体を形成する配置形成工程と、
    前記素子保持体を焼成して焼成体を形成する焼成工程と、を備え、
    前記配置形成工程は、
    前記第1の基体成形体の前記配置面のうち、前記素子成形体の少なくとも一部を含む特定の領域を撮影するように設定された撮影装置によって、前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を撮影し、前記特定の領域の画像を取得する第1の取得工程と、
    取得した前記特定の領域の画像に、前記素子成形体と画像の階調値が異なる前記第1の基体成形体が含まれることによる前記特定の領域の画像の階調値の変化に基づいて、前記素子成形体の欠けを含む異常が生じているか否かを判定する第1の判定工程と、
    前記素子成形体を配置した後の前記第1の基体成形体の前記配置面を前記素子成形体の少なくとも一部を含むように撮影し、前記配置面の画像を取得する第2の取得工程と、
    前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置された状態を表す画像をパターン画像として、取得した前記配置面の画像と前記パターン画像とによるパターンマッチングをおこない、前記パターン画像との相関値を算出する算出工程と、
    算出された前記相関値に基づいて、前記第1の基体成形体に前記素子成形体が正常な位置に配置されているか否かを判定する第2の判定工程と、を含み、
    前記第2の判定工程が前記第1の取得工程よりも前に行われることを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
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