JP6033669B2 - 金属製バックル及びその製造方法 - Google Patents

金属製バックル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6033669B2
JP6033669B2 JP2012282413A JP2012282413A JP6033669B2 JP 6033669 B2 JP6033669 B2 JP 6033669B2 JP 2012282413 A JP2012282413 A JP 2012282413A JP 2012282413 A JP2012282413 A JP 2012282413A JP 6033669 B2 JP6033669 B2 JP 6033669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piece
insertion hole
locked
female
female member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012282413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014124301A (ja
Inventor
拓夫 戸田
拓夫 戸田
宣明 藤原
宣明 藤原
中山 英樹
英樹 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CASTEM CO., LTD.
Original Assignee
CASTEM CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CASTEM CO., LTD. filed Critical CASTEM CO., LTD.
Priority to JP2012282413A priority Critical patent/JP6033669B2/ja
Publication of JP2014124301A publication Critical patent/JP2014124301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6033669B2 publication Critical patent/JP6033669B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、物品、例えばバッグのバッグ本体と蓋体とを離脱可能に連結する金属製のバックルと、そのバックルの製造方法に関するものである。
従来、雌部材が、対向する幅広の側壁を一対の対向壁で連結しかつ一側を開口した筒体と、対向壁に対応して設けられた窓部と、筒体の他側に形成されたベルト連結部とを有し、雄部材が、開口に当接可能に形成された連結体と、この連結体の一側に突設され開口より進入して窓部へ係止される一対の可撓アームと、連結体の他側に形成されたベルト連結部とを有するプラスチック製バックルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このバックルでは、雄部材の一対の可撓アーム間に楔状の案内部材が同一方向に突設され、雌部材の筒体の内空部に雄部材との連結終了時に案内部材と楔着(きっちゃく)可能な案内溝が形成される。また一対の可撓アームの先端部には外側を弓形状とした係止体がそれぞれ形成され、各係止体の基部には、雌部材における窓部の孔縁に係脱可能な係止段部が設けられる。
このように構成されたプラスチック製バックルでは、連結時に雌部材の案内溝と雄部材の案内部材とが楔着するので、主体となる中央側の強固な連結状態が得られて、連結後における両者のがたつきや縦横の振れがなく、安定な連結状態に維持できる。また挿入及び離脱の途中においては、案内溝と案内部材との摺動はなく、かつ楔着状態は極めて迅速かつ簡単に解除できるので、着脱操作は容易に軽快にできるとともに、バックル自体の損耗や故障が少ない。更に筒体内面には案内溝が内蔵されるので、それがリブの作用をして、雌部材の強度を向上できるようになっている。
一方、ストラップに取付けられる金属製の雄の部分と、2つの平らな面を有する挿入プレートと、雄の部分を収容するための雌の部分とを備えた合成バックルが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この合成バックルでは、雌の部分が、ストラップに取付けられる金属製のロッキング本体と、挿入プレートを取外し可能にロックできる少なくとも2つのロッキング脚部とを有する。また雄の部分は、挿入プレートの対向面上でこの挿入プレートと係合する少なくとも2つのロッキング脚部の間に挿入される。更に金属製ロッキング本体の少なくとも一部を囲むプラスチック・ハウジングは、ロッキング脚部を開き、雄の部分から金属製のロッキング本体を解放できる柔軟なアームを有する。
このように構成された合成バックルでは、金属製バックルの強度と、プラスチック製バックルの軽量と美しさの両方を兼ね備える。即ち、全てのロッキング部分が強度の高い金属で形成されるという利点を持つとともに、バックルの本体がプラスチックで形成されているので、外見が美しく、軽量である。この結果、プラスチック部分に応力やトルクが作用しないので、バックルの耐久性は極めて高い。
特開平8−131215号公報(請求項1、段落[0025]、[0040]、図1、図2) 特開2000−184904号公報(要約書の[解決手段]、段落[0009]、図1、図2、図8、図9)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたプラスチック製バックルでは、金属製バックルと比べて、機械的強度が低く、また熱的性質や化学的性質についても劣る不具合があった。また、上記従来の特許文献2に示された合成バックルでは、金属製のロッキング本体等をプレス成形、鋳造、鍛造等の工法で製造する場合、微細な形状を精度良く成形することが困難であり、金属製のロッキング本体等を切削工法で製造する場合、加工工数が増大する問題点があった。更に、上記従来の特許文献2に示された合成バックルでは、金属製ロッキング本体とプラスチック・ハウジングとを組立てて雌の部分を製造するため、雌の部分の意匠面での自由度が制限されるとともに、雌の部分の小型化や軽量化を図ることが困難となる問題点もあった。
本発明の第1の目的は、機械的強度が高く、また熱的性質や化学的性質についても優れ、更に耐光性及び耐候性が良く錆び難く、しかも微細な形状を精度良く成形できる、金属製バックル及びその製造方法を提供することにある。また本発明の第2の目的は、雌部材及び雄部材をそれぞれ一部品で構成することにより、意匠面での自由度を制限することなく、小型化及び軽量化を図ることができる、金属製バックル及びその製造方法を提供することにある。更に本発明の第3の目的は、雌部材及び雄部材を比較的硬いステンレス鋼等により形成しても、破損することなく耐久性を向上できる、金属製バックル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1〜図5に示すように、物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル10であって、第1部材(図示せず)に取付けられ差込穴13aが形成された雌部材11と、第2部材(図示せず)に取付けられ雌部材11の差込穴13aに離脱可能に挿入される挿入部16が形成された雄部材12とを備え、雌部材11及び雄部材12が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、差込穴13aに挿入部16を挿入した状態で一時的に固定する係止手段20が雌部材11及び雄部材12に設けられ、係止手段20が、雄部材12の挿入部16に形成された係止片21と、雌部材11の差込穴13aに形成され係止片21が係止する被係止片22と、係止片21に連設され係止片21を被係止片22から離脱させるように弾性変形可能なアーム部23と、アーム部23を弾性変形させて係止片21を被係止片22から離脱させるために操作する操作部24とを有し、アーム部23が略円形に湾曲する湾曲板状に形成され、アーム部23の降伏点を越えるような荷重が操作部24に作用しようとするときに、この荷重を弾性変形することにより吸収してアーム部23に降伏点を越える荷重が作用するのを阻止する荷重吸収部27が雄部材12に弾性変形可能な蛇行する板状に形成されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、図11〜図15に示すように、物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル70であって、第1部材に取付けられ差込穴73aが形成された雌部材71と、第2部材に取付けられ雌部材71の差込穴73aに離脱可能に挿入される挿入部76が形成された雄部材72とを備え、雌部材71及び雄部材72が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、差込穴73aに挿入部76を挿入した状態で一時的に固定する係止手段80が雌部材71及び雄部材72に設けられ、係止手段80が、雄部材72の挿入部76に形成された係止片81と、雌部材71の差込穴73aに形成され係止片81が係止する被係止片82と、係止片81に連設され係止片81を被係止片82から離脱させるように弾性変形可能なアーム部83と、アーム部83を弾性変形させて係止片81を被係止片82から離脱させるために操作する操作部84とを有し、アーム部83が波板状に形成されかつこの波の進行方向と直交する方向に弾性変形可能に構成されたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、図16〜図21に示すように、物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル100であって、第1部材に取付けられ差込穴103aが形成された雌部材101と、第2部材に取付けられ雌部材101の差込穴103aに離脱可能に挿入される挿入部106が形成された雄部材102とを備え、雌部材101及び雄部材102が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、差込穴103aに挿入部106を挿入した状態で一時的に固定する係止手段110が雌部材101及び雄部材102に設けられ、係止手段110が、雄部材102の挿入部106に形成された係止片111と、雌部材101の差込穴103aに形成され係止片111が係止する被係止片112と、被係止片112に連設され係止片111を被係止片112から離脱させるように弾性変形可能なアーム部113と、アーム部113を弾性変形させて係止片111を被係止片112から離脱させるために操作する操作部114とを有し、アーム部113が平板状に形成されかつこの平板に直交する方向に弾性変形可能に構成されたことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、図22に示すように、物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックルであって、第1部材に取付けられ差込穴が形成された雌部材と、第2部材に取付けられ雌部材の差込穴に離脱可能に挿入される挿入部が形成された雄部材132とを備え、雌部材及び雄部材132が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、差込穴に挿入部を挿入した状態で一時的に固定する係止手段140が雌部材及び雄部材132に設けられ、係止手段140が、雄部材132の挿入部に形成された係止片と、雌部材の差込穴に形成され係止片が係止する被係止片と、係止片に連設され係止片を被係止片から離脱させるように弾性変形可能なアーム部143と、アーム部143を弾性変形させて係止片を被係止片から離脱させるために操作する操作部とを有し、アーム部143が略円形に湾曲する渦巻き板状に形成され、アーム部143の降伏点を越えるような荷重が操作部に作用しようとするときに、この荷重を弾性変形することにより吸収してアーム部143に降伏点を越える荷重が作用するのを阻止する荷重吸収部が雄部材132に弾性変形可能な蛇行する板状に形成されたことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、図1〜図3に示すように、物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する第1ないし第4の観点のいずれかの金属製バックル10の製造方法であって、第1部材に取付けられ差込穴13aが形成された雌部材11を、メタルインジェクションモールド工法により一体成形し、第2部材に取付けられ雌部材11の差込穴13aに離脱可能に挿入される挿入部16が形成された雄部材12を、メタルインジェクションモールド工法により一体成形することを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第5の観点に基づく発明であって、更にメタルインジェクションモールド工法に用いられる金属粉末が、ステンレス鋼粉末、クロムモリブデン鋼粉末、ニッケルクロムモリブデン鋼粉末、合金工具鋼粉末、チタン粉末、チタン合金粉末又は銅合金粉末であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の金属製バックルでは、雌部材及び雄部材をステンレス鋼等によりそれぞれ形成したので、機械的強度が高く、また熱的性質や化学的性質についても優れ、更に耐光性及び耐候性が良く錆び難い雌部材及び雄部材を得ることができる。また雌部材及び雄部材をそれぞれ一部品で構成したので、雌部材及び雄部材の意匠面での自由度を制限することなく、雌部材及び雄部材の小型化及び軽量化を図ることができる。更に雌部材及び雄部材の表面に金属光沢が現れるので、プラスチックにより成形された雌部材及び雄部材より高級感を有する。
また、係止片又は被係止片のいずれかに連設され係止片を被係止片から離脱させるように弾性変形可能なアーム部を、湾曲板状に形成したので、このアーム部を有する雄部材又は雌部材を比較的硬いステンレス鋼等により形成しても、アーム部が破損せず、アーム部の耐久性を向上できる。
更に、荷重吸収部を雄部材又は雌部材に形成したので、アーム部の降伏点を越えるような荷重が操作部に作用しようとしても、この荷重を上記荷重吸収部が弾性変形することにより吸収する。この結果、アーム部に上記降伏点を越える荷重が作用しないので、アーム部の破損を確実に防止できる。
本発明の第5の観点の金属製バックルの製造方法では、雌部材をメタルインジェクションモールド工法により一体成形し、雄部材をメタルインジェクションモールド工法により一体成形したので、雌部材及び雄部材がそれぞれ一部品で構成される。この結果、雌部材及び雄部材の意匠面での自由度を制限することなく、雌部材及び雄部材の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、微細な形状を精度良く成形できる。
本発明の第6の観点の金属製バックルの製造方法では、メタルインジェクションモールド工法に用いられる金属粉末が、ステンレス鋼粉末等であるので、機械的強度が高く、かつ熱的性質や化学的性質についても優れ、更に耐光性及び耐候性が良く錆び難い雌部材及び雄部材を製造できる。
本発明第1実施形態の金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す平面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入した状態を示す平面図である。 図2のA−A線断面図である。 第1及び第2操作部を互いに近付く方向に差込穴内に押込んで係止片が被係止片から離脱可能になった状態を示す図2に対応する平面図である。 図4のB−B線断面図である。 本発明第2実施形態の金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す平面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入した状態を示す平面図である。 図7のC−C線断面図である。 第1及び第2操作部を互いに近付く方向に差込穴内に押込んで係止片が被係止片から離脱可能になった状態を示す図7に対応する平面図である。 図9のD−D線断面図である。 本発明第3実施形態の金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す平面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す縦断面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入した状態を示す平面図である。 図13のE−E線断面図である。 操作部を差込穴内に押込んで係止片が被係止片から離脱可能になった状態を示す図14に対応する断面図である。 本発明第4実施形態の金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す平面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前の状態を示す縦断面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入した状態を示す平面図である。 図18のF−F線断面図である。 操作部を差込穴内に押込んで係止片が被係止片から離脱可能になった状態を示す図19に対応する断面図である。 その金属製バックルの雄部材の挿入部を雌部材の差込穴に挿入する前後の状態を示す斜視図である。 本発明第5実施形態のアーム部を含む雌部材の要部平面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
物品の第1部材と第2部材とが金属製バックルにより離脱可能に連結される。図1〜図3に示すように、金属製バックル10は、第1部材に取付けられ差込穴13aが形成された雌部材11と、第2部材に取付けられ雌部材11の差込穴13aに離脱可能に挿入される挿入部16が形成された雄部材12とを備える。上記雌部材11及び雄部材12は、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成される。ここで、ステンレス鋼としては、SUS304L、SUS316L、SUS630、SUS440C、SUS420J2、SUS329J1等が挙げられる。またクロムモリブデン鋼としては、SCM415が挙げられ、ニッケルクロムモリブデン鋼としては、SNCM439が挙げられ、合金工具鋼としては、SKD11、SKD61等が挙げられる。更にチタン合金としては、6Al4VTiが挙げられ、銅合金としては、洋白が挙げられる。特に耐久性を考慮すれば、雌部材11及び雄部材12をSUS630又は6Al4VTiにより形成することが好ましい。なお、雌部材11及び雄部材12をアルミニウムや亜鉛等の金属で形成することも考えられるけれども、これらの金属は弾力性に乏しく、バックル10としての繰返しの使用に耐えないので、アルミニウムや亜鉛等の金属は適さない。
上記物品としては、図示しないが、バッグ、時計、ショルダバッグ、ブレスレット、ネックレス等が挙げられる。物品がバッグである場合、第1部材がバッグのバッグ本体又は蓋体であり、第2部材がバッグの蓋体又はバッグ本体である。また物品が時計である場合、第1部材が時計の一方のバンドであり、第2部材が時計の他方のバンドである。また物品がショルダバッグである場合、第1部材がショルダバッグのバッグ本体又はベルトであり、第2部材がショルダバッグのベルト又はバッグ本体である。また物品がブレスレット又はネックレスである場合、第1部材がブレスレット又はネックレスの一端部であり、第2部材がブレスレット又はネックレスの他端部である。また物品がスキューバダイビング用ジャケットのベルトである場合、第1部材がベルトの一端部であり、第2部材がベルトの他端部である。更に物品が消防服の安全帯である場合、第1部材が安全帯の一端部であり、第2部材が安全帯の他端部である。ここで、スキューバダイビング用ジャケットのベルトに用いられる雌部材11及び雄部材12をステンレス鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成すれば、耐光性及び耐候性が良く錆び難いという効果を奏する。また、消防服の安全帯に用いられる雌部材11及び雄部材12を熱的性質の良好な材料によりそれぞれ形成すれば、耐熱性を向上できるという効果を奏する。
上記雌部材11は、横断面が略偏平四角形状に形成された角筒部13と、この角筒部13と一体的に形成され第1部材に取付け可能な雌用取付部14とを有する(図1〜図3)。上記差込穴13aは角筒部13に形成される。また角筒部13の両側面には所定の曲率半径を有する第1及び第2切欠き部13b,13cがそれぞれ形成され、第1及び第2切欠き部13b,13cから差込穴13a内を臨むことができるように構成される。更に雌用取付部14には、第1部材を挿通可能な長孔14aが形成される。一方、上記雄部材12は、上記挿入部16と、この挿入部16と一体的に形成され第2部材に取付け可能な雄用取付部17とを有する。挿入部16は、雄用取付部17の端面に沿って設けられた基部16aと、この基部16aから離れる方向に延びて設けられた柱部16bと、この柱部16bの先端に連結され柱部16bに直交する方向に延びて設けられた庇部16cとを有する。また雄用取付部17には、第2部材を挿通可能な2つの長孔17a,17bが形成される。
更に雌部材11及び雄部材12には係止手段20が設けられ、この係止手段20は差込穴13aに挿入部16を挿入した状態で一時的に固定するように構成される。この係止手段20は、雄部材12の挿入部16に形成された係止片21と、雌部材11の差込穴13aに形成され係止片21が係止する被係止片22と、係止片21に連設され係止片21を被係止片22から離脱させるように弾性変形可能なアーム部23と、アーム部23を弾性変形させて係止片21を被係止片22から離脱させるために操作する操作部24とを有する。操作部24は、基部16aの一端から庇部16cの一端に向って延びかつ柱部16bの一側面を第1の空間25aをあけて覆うように設けられた第1操作部24aと、基部16aの他端から庇部16cの他端に向って延びかつ柱部16bの他側面を第2の空間25bをあけて覆うように設けられた第2操作部24bとからなる。また係止片21は、第1操作部24aのうち基部16a側のコーナ部に設けられた第1係止片21aと、第2操作部24bのうち基部16a側のコーナ部に設けられた第2係止片21bとからなる。また被係止片22は、角筒部13に形成された第1切欠き部13bのうち差込穴13aの入口側の縁に形成された第1被係止片22aと、角筒部13に形成された第2切欠き部13cのうち差込穴13aの入口側の縁に形成された第2被係止片22bとからなる。更にアーム部23は、第1操作部24aのうち雄用取付部17側の端部を基部16aに連結しかつ湾曲板状に形成された第1アーム部23aと、第2操作部24bのうち雄用取付部17側の端部を基部16aに連結しかつ湾曲板状に形成された第2アーム部23bとからなる。図1、図2及び図4中の符号26aは基部16aから第1係止片21aに向って突設され第1アーム部23aを保護する第1ガード片であり、符号26bは基部16aから第2係止片21bに向って突設され第2アーム部23bを保護する第2ガード片である。
一方、雄部材12には、荷重吸収部27が形成される。この荷重吸収部27は、一端が第1操作部24aの庇部16c側の端部に連結され他端が基部16aに連結されかつ第1の空間25aに収容された第1荷重吸収部27aと、一端が第2操作部24bの庇部16c側の端部に連結され他端が基部16aに連結されかつ第2の空間25bに収容された第2荷重吸収部27bとからなる。第1荷重吸収部27aは、第1の空間25a内で庇部16cと基部16aとの間を蛇行する板状に形成され、第2荷重吸収部27bは、第2の空間25b内で庇部16cと基部16aとの間を蛇行する板状に形成される。また第1及び第2荷重吸収部27a,27bは、第1及び第2アーム部23a,23bの降伏点を越えるような荷重が第1及び第2操作部24a,24bにそれぞれ作用しようとするときに、第1及び第2荷重吸収部27a,27bが弾性変形することにより上記荷重を吸収して第1及び第2アーム部23a,23bに上記降伏点を越える荷重が作用するのを阻止するように構成される。
このように構成された金属製バックル10の製造方法を説明する。雌部材11及び雄部材12はそれぞれメタルインジェクションモールド工法(金属粉末射出成形法、以下、MIM工法という。)により一体成形される。このMIM工法では、中空部又はアンダカット部の形状を有する成形体であっても射出成形できるようになっている。先ず、中空部又はアンダカット部の形状を有する第1金型に中子用コンパウンドを射出成形することにより、中子を作製する。次いで、成形品の外形を相応するキャビティを有する第2金型に上記中子を設置し、このキャビティに金属粉末コンパウンドを射出成形することにより、成形体を作製する。なお、第1金型及び第2金型には、プラスチック製の成形体を得る際に用いられる一般的な金型と同じ材質のものを用いることができ、材質等は特に限定されない。
上記中子は、成形体の中空部又はアンダカット部に対応する形状を有し、水溶性樹脂により構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂により構成されるか、或いは水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂により構成される。中子は、これらの水溶性樹脂等により構成されるため、射出成形後の中子の除去工程において、水に浸漬するだけで容易に中子を抽出して除去することができるか、或いは後工程で除去可能な状態にすることができる。また、中子を水溶性樹脂等により構成することで、焼結前に中子の全部又はその一部が抽出され、後工程において残りの部分が熱分解されるため、脱脂や焼結の際に成形体にクラックや膨れが発生するのを防止できる。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸系の水溶性樹脂が挙げられる。また、水溶性フィラーとしては、水に可溶で、融点が中子に用いる樹脂の可塑化温度、射出成形温度より高い無機化合物の粉末が好ましく、KCl、NaCl、K2SO4、Na2SO4等の無機塩化物や硫酸塩等が挙げられる。また、非水溶性フィラーとしては、融点が中子に用いる樹脂の可塑化温度、射出成形温度より高いSiO2、Al23等のセラミックスや、ガラスビーズ、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂が挙げられる。また、非水溶性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂又はポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
また金属粉末コンパウンドは、金属粉末と、バインダとの混練物からなり、水による型くずれ等が起こらないものが望ましい。金属粉末としては、平均粒径5〜15μmのステンレス鋼粉末、クロムモリブデン鋼粉末、ニッケルクロムモリブデン鋼粉末、合金工具鋼粉末、チタン粉末、チタン合金粉末又は銅合金粉末等が挙げられる。なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折・散乱式測定装置(マイクロトラック MT3000II:NIKKISO製)によって測定された体積基準のメジアン径(D50)である。また、バインダは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド等の高分子や、パラフィン系ワックス、ステアリン酸等の混合物からなる。金属粉末コンパウンドは、上記金属粉末と、ポリプロピレン、ワックス、ステアリン酸等を所定の割合で配合したバインダを、例えば加圧式ニーダや二軸押出機等の混練機を用いて混練することにより得られる。このとき、金属粉末の割合は体積比で、混練物の体積100%に対して、50〜80%の範囲とするのが好ましい。金型に注入された金属粉末コンパウンドは、中子と金型の隙間に充填されて、金型の内形、中子の外形の形状に合わせて型取りされる。注入された金属粉末コンパウンドは、金型の冷却に伴うバインダの硬化により成形される。
次に、成形体を、中子とともに第2金型から取外し、中子を成形体より除去する。中空部を成形するに際して、熱可塑性樹脂のみからなる中子を用いると、中子を脱脂工程で除去する際に、成形体にクラックや膨れが発生する等の不具合が生じることがあるけれども、上述のように中子を水溶性樹脂等により構成することにより、このような不具合は発生せず、しかも水に所定の時間、浸漬するだけで容易に中子を抽出して除去できる。そのため、量産性や製造コストの面において非常に優れる。中子の除去は、具体的には、成形体を水に浸漬させた状態で、水を撹拌することによって行われる。
更に、中子が除去された成形体を脱脂し、焼結する。脱脂は、例えば炉内雰囲気を、大気雰囲気、減圧雰囲気、真空雰囲気、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気に設定した状態の脱脂炉内に射出成形体を投入し、有機物が加熱分解される温度以上の温度、例えば250〜500℃で加熱することにより行われる。これにより、成形体に含まれるバインダや、中子に含まれる、一定以上の気孔率有する非水溶性樹脂が熱分解され、成形体から有機物が脱脂される。上記焼結は、得られた脱脂体の鋼種又は粉末の粒度に応じて最適化した焼結温度、雰囲気及び処理時間で行う。例えば、不活性ガス雰囲気、真空雰囲気等に設定した炉内において、所定の速度で昇温、加熱することにより行われる。これにより、脱脂体に含まれる金属粉末同士が焼結反応し、密度が一定以上に向上した金属粉末焼結体からなる雌部材11及び雄部材12を得ることができる。
このように製造された金属製バックル10では、中子を上記水溶性樹脂等により構成することで、水に浸漬するという容易な方法により中子を抽出除去することができ、クラックや膨れ等を発生させることなく所望の中空部又はアンダカット部を有する金属粉末焼結体からなる雌部材11及び雄部材12を得ることができる。また、雌部材11及び雄部材12に中空部又はアンダカット部があっても、それぞれ一部品で構成することができるので、雌部材11及び雄部材12の意匠面での自由度を制限することなく、雌部材11及び雄部材12の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、微細な形状を精度良く成形できる。また、MIM工法に用いられる金属粉末が、ステンレス鋼粉末等であるので、機械的強度が高く、かつ熱的性質や化学的性質についても優れ、更に耐光性及び耐候性が良く錆び難い雌部材11及び雄部材12を製造できる。更に雌部材11及び雄部材12の表面に金属光沢が現れるので、プラスチック製の雌部材及び雄部材より高級感を有する。
このように製造された金属製バックル10の使用方法を説明する。物品の第1部材と第2部材とを連結するときには、雌部材11の差込穴13aに雄部材12の挿入部16を挿入する(図1及び図2)。これにより第1係止部21aが第1被係止部22aに幅S1(図2及び図3)だけ重合し、第2係止部21bが第2被係止部22bに幅S1(図3)だけ重合して、係止部21が被係止部22に係止するので、挿入部16が差込穴13aに挿入された状態で一時的に固定される。この結果、物品の第1部材と第2部材とが連結される。一方、物品の第1部材から第2部材を離脱させるときには、雄部材12の第1及び第2操作部24a,24bを互いに近付ける方向に差込穴13a内に押込む(図4)。これにより第1係止部21aと第1被係止部22aとの間に幅S2(図4及び図5)だけの隙間があき、第2係止部21bと第2被係止部22bとの間に幅S2(図5)だけの隙間があいて、挿入部16を差込穴13aから引抜き可能な状態になる。この状態で雄部材12を雌部材11から抜くことにより、物品の第1部材を第2部材から離脱させることができる。なお、雌部材11の差込穴13aに雄部材12の挿入部16を挿入したときや、第1及び第2操作部24a,24bを差込穴13a内に押込んだときに、第1及び第2アーム部23a,23bが変形するが、これらのアーム部23a,23bを比較的硬いステンレス鋼等により比較的薄い湾曲板状に形成したので、これらのアーム部23a,23bは弾性変形の範囲内であって疲労破壊を生じない範囲内で変形する。この結果、第1及び第2アーム部23a,23bの塑性変形や破損を防止できるので、第1及び第2アーム部23a,23bの耐久性を向上できる。また第1及び第2アーム部23a,23bの降伏点を越えるような荷重が第1及び第2操作部24a,24bに作用しようとしても、この荷重を第1及び第2荷重吸収部27a,27bが弾性変形することにより吸収する。この結果、第1及び第2アーム部23a,23bに上記降伏点を越える荷重が作用しないので、第1及び第2アーム部23a,23bの破損を確実に防止できる。
<第2の実施の形態>
図6〜図10は本発明の第2の実施の形態を示す。図6〜図10において図1〜図5と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、雌部材11が第1の実施の形態の雌部材と同一形状に形成され、雄部材42が第1の実施の形態の雄部材と異なる形状に形成される。上記雄部材42は、挿入部46と、この挿入部46と一体的に形成され第2部材に取付け可能な雄用取付部47とを有する(図6〜図8)。挿入部46は、雄用取付部47の端面に沿って設けられた基部46aと、この基部46aから離れる方向に延びて設けられた柱部46bとを有する。また雄用取付部47には、第2部材を挿通可能な2つの長孔47a,47bが形成される。
更に雌部材11及び雄部材42には係止手段50が設けられ、この係止手段50は差込穴13aに挿入部46を挿入した状態で一時的に固定するように構成される(図6〜図8)。この係止手段50は、雄部材42の挿入部46に形成された係止片51と、雌部材11の差込穴13aに形成され係止片51が係止する被係止片22と、係止片51に連設され係止片51を被係止片22から離脱させるように弾性変形可能なアーム部53と、アーム部53を弾性変形させて係止片51を被係止片22から離脱させるために操作する操作部54とを有する。操作部54は、基部46aの一端近傍よりこの基部46aから離れる方向に延びかつ柱部46bの一側面を第1の空間55aをあけて覆うように設けられた第1操作部54aと、基部46aの他端近傍よりこの基部46aから離れる方向に延びかつ柱部46bの他側面を第2の空間55bをあけて覆うように設けられた第2操作部54bとからなる。また係止片51は、第1操作部54aのうち基部46a側のコーナ部に設けられた第1係止片51aと、第2操作部54bのうち基部46a側のコーナ部に設けられた第2係止片51bとからなる。また被係止片22は、角筒部13に形成された第1切欠き部13bのうち差込穴13aの入口側の縁に形成された第1被係止片22aと、角筒部13に形成された第2切欠き部13cのうち差込穴13aの入口側の縁に形成された第2被係止片22bとからなる。更にアーム部53は、第1操作部54aのうち雄用取付部47側の端部を基部46aに連結しかつ湾曲板状に形成された第1アーム部53aと、第2操作部54bのうち雄用取付部47側の端部を基部46aに連結しかつ湾曲板状に形成された第2アーム部53bとからなる。
一方、雄部材42には、荷重吸収部57が形成される。この荷重吸収部57は、一端が第1操作部54aの長手方向中央に連結され、他端が第2操作部54bの長手方向中央に連結され、中央が柱部46bの先端を越える略山型板状に形成される。また荷重吸収部57の両端近傍は円弧板状にそれぞれ湾曲して形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。またこの実施の形態の雌部材11及び雄部材42は、第1の実施の形態と同様に、MIM工法で射出成形した成形体を脱脂し焼結することにより作製される。
このように構成された金属製バックル40では、雄部材42の荷重吸収部57が比較的短いので、雄部材42の軽量化を図ることができる。上記以外の使用方法や動作等は第1の実施の形態の使用方法や動作等と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第3の実施の形態>
図11〜図15は本発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態では、差込穴73aに挿入部76を挿入した状態で一時的に固定する係止手段80が雌部材71及び雄部材72に設けられ、この係止手段80のアーム部83が波板状に形成される(図11〜図13)。具体的には、雌部材71は、横断面が略偏平四角形状に形成された角筒部73と、この角筒部73と一体的に形成され第1部材に取付け可能な雌用取付部74とを有する。上記差込穴73aは角筒部73に形成される。また角筒部73の上面には略四角形状の比較的大きな矩形凹部73bが形成され、この矩形凹部73bから差込穴73a内を臨むことができるように構成される。更に雌用取付部74には、第1部材を挿通可能な長孔74aが形成される。一方、雄部材72は、上記挿入部76と、この挿入部76と一体的に形成され第2部材に取付け可能な雄用取付部77とを有する。挿入部76は、雄用取付部77の端面から突設された略四角枠状の枠部76aと、この枠部76aの先端中央に形成された切欠き部76bとを有する。この切欠き部76bの形成により枠部76aの先端が二分割される。また雄用取付部77には、第2部材を挿通可能な2つの長孔77aが形成される。
更に上記係止手段80は、雄部材72の挿入部76に形成された係止片81と、雌部材71の差込穴73aに形成され係止片81が係止する被係止片82と、係止片81に連設され係止片81を被係止片82から離脱させるように弾性変形可能なアーム部83と、アーム部83を弾性変形させて係止片81を被係止片82から離脱させるために操作する操作部84とを有する。操作部84は、枠部76aより一回り小さい略四角板状に形成され、枠部76a内に位置するように枠部76aの二分割された先端に波板状のアーム部83を介して連結される。このアーム部83の中央には上記切欠き部76bに連通する凹溝83aが形成される。また係止片81は、操作部84の一方の側縁に突設された第1係止片81aと、操作部84の他方の側縁に突設された第2係止片81bとからなる。また被係止片82は、角筒部73に形成された矩形凹部73bの一側縁のうち差込穴73aの入口側近傍に突設された第1被係止片82aと、角筒部73に形成された矩形凹部73bの他側縁のうち差込穴73aの入口側近傍に突設された第2被係止片82bとからなる。なお、図11〜図13中の符号73cは差込穴73aの奧中央に形成され上記切欠き部76b及び凹溝83aを遊嵌可能なリブである。また、上記雌部材71及び雄部材72は、第1の実施の形態の雌部材及び雄部材と同一の金属により、第1の実施の形態と同様に、MIM工法で射出成形した成形体を脱脂し焼結することにより作製される。
このように構成された金属製バックル70の使用方法を説明する。物品の第1部材と第2部材とを連結するときには、雌部材71の差込穴73aに雄部材72の挿入部76を挿入する(図11〜図14)。これにより係止部81が被係止部82に係止するので、挿入部76が差込穴73aに挿入された状態で一時的に固定される。この結果、物品の第1部材と第2部材とが連結される。一方、物品の第1部材から第2部材を離脱させるときには、雄部材72の操作部84を雌部材71の差込穴73a内に押込む(図15)。これにより係止部81が被係止部82から離脱し、挿入部76を差込穴73aから引抜き可能な状態になる。この状態で雄部材72を雌部材71から抜くことにより、物品の第1部材を第2部材から離脱させることができる。なお、雌部材71の差込穴73aに雄部材72の挿入部76を挿入したときや、操作部84を差込穴73a内に押込んだときに、アーム部83が変形するが、このアーム部83を比較的硬いステンレス鋼等により比較的薄い波板状に形成したので、このアーム部83は弾性変形の範囲内であって疲労破壊を生じない範囲内で変形する。この結果、アーム部83の塑性変形や破損を防止できるので、アーム部83の耐久性を向上できる。
<第4の実施の形態>
図16〜図21は本発明の第4の実施の形態を示す。この実施の形態では、差込穴103aに挿入部106を挿入した状態で一時的に固定する係止手段110が雌部材101及び雄部材102に設けられ、この係止手段110のアーム部113が平板状に形成される(図16、図17及び図21)。具体的には、雌部材101は、横断面が略偏平四角形状に形成された角筒部103と、この角筒部103と一体的に形成され第1部材に取付け可能な雌用取付部104とを有する。上記差込穴103aは角筒部103に形成される。また角筒部103の上面には略四角形状の第1開口部103bが形成され、角筒部103の下面には略四角形状の第2開口部103cが形成され、第1及び第2開口部103b,103cから差込穴103a内を臨むことができるように構成される。更に雌用取付部104には、第1部材を挿通可能な長孔104aが形成される。一方、雄部材102は、上記挿入部106と、この挿入部106と一体的に形成され第2部材に取付け可能な雄用取付部107とを有する。挿入部106は、雄用取付部107の端面から突設された略四角形平板状の板部106aと、この板部106aの先端中央に形成された切欠き部106bとを有する。また雄用取付部107には、第2部材を挿通可能な2つの長孔107a,107bが形成される。
更に上記係止手段110は、雄部材102の挿入部106に形成された係止片111と、雌部材101の差込穴103aに形成され係止片111が係止する被係止片112と、被係止片112に連設され係止片111を被係止片112から離脱させるように弾性変形可能なアーム部113と、アーム部113を弾性変形させて係止片111を被係止片112から離脱させるために操作する操作部114とを有する(図16、図17、図19及び図21)。アーム部113は、雌部材101の第2開口部103cより一回り小さい略四角板状に形成され、第2開口部103c内に位置するように角筒部103の差込穴103aの入口に弾性変形可能に連結される。このアーム部113の先端に係止片111が上方に湾曲して形成される。また操作部114は、雌部材101の第1開口部103bより一回り小さい略四角板状に形成され、第1開口部103b内に位置するように角筒部103の差込穴103aの入口に弾性変形可能に連結される。操作部114の先端近傍は上方に突出するように湾曲して形成され、操作部114の先端近傍の下面には係止片111に向ってピン116が突設される。更に被係止片112は、挿入部106の板部106aの先端に下方に突出して形成される。なお、雄部材102の切欠き部106bは上記操作部114の先端近傍の下面に突設されたピン116に遊挿可能に構成される(図18)。また、上記雌部材101及び雄部材102は、第1の実施の形態の雌部材及び雄部材と同一の金属により、第1の実施の形態と同様に、MIM工法で射出成形した成形体を脱脂し焼結することにより作製される。
このように構成された金属製バックル100の使用方法を説明する。物品の第1部材と第2部材とを連結するときには、雌部材101の差込穴103aに雄部材102の挿入部106を挿入する(図16〜図19)。これにより係止部111が被係止部112に係止するので、挿入部106が差込穴103aに挿入された状態で一時的に固定される。この結果、物品の第1部材と第2部材とが連結される。一方、物品の第1部材から第2部材を離脱させるときには、雌部材101の操作部114を差込穴103a内に押込む(図20)。これにより被係止部112がピン116により押下げられて、係止部111が被係止部112から離脱し、挿入部106を差込穴103aから引抜き可能な状態になる。この状態で雄部材102を雌部材101から抜くことにより、物品の第1部材を第2部材から離脱させることができる。なお、雌部材101の差込穴103aに雄部材102の挿入部106を挿入したときや、操作部114を差込穴103a内に押込んだときに、アーム部113及び操作部114が変形するが、アーム部113及び操作部114を比較的硬いステンレス鋼等により比較的薄い平板状に形成したので、アーム部113及び操作部114は弾性変形の範囲内であって疲労破壊を生じない範囲内で変形する。この結果、アーム部113及び操作部114の塑性変形や破損を防止できるので、アーム部113及び操作部114の耐久性を向上できる。
<第5の実施の形態>
図22は本発明の第5の実施の形態を示す。図22において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、差込穴に挿入部を挿入した状態で一時的に固定する係止手段140が雌部材及び雄部材132に設けられ、この係止手段140のアーム部143が渦巻き状にそれぞれ形成される。具体的には第1アーム部143a及び第2アーム部が渦巻き状にそれぞれ形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構成された金属製バックルでは、第1アーム部143a及び第2アーム部の弾性変形可能な範囲が第1の実施の形態の第1アーム部及び第2アーム部の弾性変形可能な範囲より広くなるので、第1アーム部143a及び第2アーム部の耐久性を第1の実施の形態の第1アーム部及び第2アーム部より向上できる。上記以外の使用方法や動作等は、第1の実施の形態の使用方法や動作等と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
10,40,70,100 金属製バックル
11,71,101 雌部材
12,42,72,102,132 雄部材
13a,73a,103a 差込穴
16,46,76,106 挿入部
20,50,80,110,140 係止手段
21,51,81,111 係止片
22,82,112 被係止片
23,53,83,113,143 アーム部
24,54,84,114 操作部
27,57 荷重吸収部

Claims (6)

  1. 物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル(10,40)であって、
    前記第1部材に取付けられ差込穴(13a)が形成された雌部材(11)と、
    前記第2部材に取付けられ前記雌部材(11)の差込穴(13a)に離脱可能に挿入される挿入部(16,46)が形成された雄部材(12,42)とを備え、
    前記雌部材(11)及び前記雄部材(12,42)が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、
    前記差込穴(13a)に前記挿入部(16,46)を挿入した状態で一時的に固定する係止手段(20,50)が前記雌部材(11)及び前記雄部材(12,42)に設けられ、
    前記係止手段(20,50)が、前記雄部材(12,42)の挿入部(16,46)に形成された係止片(21,51)と、前記雌部材(11)の差込穴(13a)に形成され前記係止片(21,51)が係止する被係止片(22)と、前記係止片(21,51)に連設され前記係止片(21,51)を前記被係止片(22)から離脱させるように弾性変形可能なアーム部(23,53)と、前記アーム部(23,53)を弾性変形させて前記係止片(21,51)を前記被係止片(22)から離脱させるために操作する操作部(24,54)とを有し、
    前記アーム部(23,53)が略円形に湾曲する湾曲板状に形成され、
    前記アーム部(23,53)の降伏点を越えるような荷重が前記操作部(24,54)に作用しようとするときに、この荷重を弾性変形することにより吸収して前記アーム部(23,53)に前記降伏点を越える荷重が作用するのを阻止する荷重吸収部(27,57)が前記雄部材(12,42)に弾性変形可能な蛇行する板状に形成されたことを特徴とする金属製バックル。
  2. 物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル(70)であって、
    前記第1部材に取付けられ差込穴(73a)が形成された雌部材(71)と、
    前記第2部材に取付けられ前記雌部材(71)の差込穴(73a)に離脱可能に挿入される挿入部(76)が形成された雄部材(72)とを備え、
    前記雌部材(71)及び前記雄部材(72)が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され
    前記差込穴(73a)に前記挿入部(76)を挿入した状態で一時的に固定する係止手段(80)が前記雌部材(71)及び前記雄部材(72)に設けられ、
    前記係止手段(80)が、前記雄部材(72)の挿入部(76)に形成された係止片(81)と、前記雌部材(71)の差込穴(73a)に形成され前記係止片(81)が係止する被係止片(82)と、前記係止片(81)に連設され前記係止片(81)を前記被係止片(82)から離脱させるように弾性変形可能なアーム部(83)と、前記アーム部(83)を弾性変形させて前記係止片(81)を前記被係止片(82)から離脱させるために操作する操作部(84)とを有し、
    前記アーム部(83)が波板状に形成されかつこの波の進行方向と直交する方向に弾性変形可能に構成されたことを特徴とする金属製バックル。
  3. 物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックル(100)であって、
    前記第1部材に取付けられ差込穴(103a)が形成された雌部材(101)と、
    前記第2部材に取付けられ前記雌部材(101)の差込穴(103a)に離脱可能に挿入される挿入部(106)が形成された雄部材(102)とを備え、
    前記雌部材(101)及び前記雄部材(102)が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され
    前記差込穴(103a)に前記挿入部(106)を挿入した状態で一時的に固定する係止手段(110)が前記雌部材(101)及び前記雄部材(102)に設けられ、
    前記係止手段(110)が、前記雄部材(102)の挿入部(106)に形成された係止片(111)と、前記雌部材(101)の差込穴(103a)に形成され前記係止片(111)が係止する被係止片(112)と、前記被係止片(112)に連設され前記係止片(111)を前記被係止片(112)から離脱させるように弾性変形可能なアーム部(113)と、前記アーム部(113)を弾性変形させて前記係止片(111)を前記被係止片(112)から離脱させるために操作する操作部(114)とを有し、
    前記アーム部(113)が平板状に形成されかつこの平板に直交する方向に弾性変形可能に構成されたことを特徴とする金属製バックル。
  4. 物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する金属製バックルであって、
    前記第1部材に取付けられ差込穴が形成された雌部材と
    前記第2部材に取付けられ前記雌部材の差込穴に離脱可能に挿入される挿入部が形成された雄部材(132)とを備え、
    前記雌部材及び前記雄部材(132)が、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、合金工具鋼、チタン、チタン合金又は銅合金によりそれぞれ形成されるとともに、それぞれ一部品で構成され、
    前記差込穴に前記挿入部を挿入した状態で一時的に固定する係止手段(140)が前記雌部材及び前記雄部材(132)に設けられ、
    前記係止手段(140)が、前記雄部材(132)の挿入部に形成された係止片と、前記雌部材の差込穴に形成され前記係止片が係止する被係止片と、前記係止片に連設され前記係止片を前記被係止片から離脱させるように弾性変形可能なアーム部(143)と、前記アーム部(143)を弾性変形させて前記係止片を前記被係止片から離脱させるために操作する操作部とを有し、
    前記アーム部(143)が略円形に湾曲する渦巻き板状に形成され、
    前記アーム部(143)の降伏点を越えるような荷重が前記操作部に作用しようとするときに、この荷重を弾性変形することにより吸収して前記アーム部(143)に前記降伏点を越える荷重が作用するのを阻止する荷重吸収部が前記雄部材(132)に弾性変形可能な蛇行する板状に形成されたことを特徴とする金属製バックル。
  5. 物品の第1部材と第2部材とを離脱可能に連結する請求項1ないし4いずれか1項に記載の金属製バックル(10,40,70,100)の製造方法であって、
    前記第1部材に取付けられ差込穴(13a,73a,103a)が形成された雌部材(11,71,101)を、メタルインジェクションモールド工法により一体成形し、
    前記第2部材に取付けられ前記雌部材(11,71,101)の差込穴(13a,73a,103a)に離脱可能に挿入される挿入部(16,46,76,106)が形成された雄部材(12,42,72,102,132)を、メタルインジェクションモールド工法により一体成形する
    ことを特徴とする金属製バックルの製造方法。
  6. 前記メタルインジェクションモールド工法に用いられる金属粉末が、ステンレス鋼粉末、クロムモリブデン鋼粉末、ニッケルクロムモリブデン鋼粉末、合金工具鋼粉末、チタン粉末、チタン合金粉末又は銅合金粉末である請求項記載の金属製バックルの製造方法。
JP2012282413A 2012-12-26 2012-12-26 金属製バックル及びその製造方法 Active JP6033669B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282413A JP6033669B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 金属製バックル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282413A JP6033669B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 金属製バックル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014124301A JP2014124301A (ja) 2014-07-07
JP6033669B2 true JP6033669B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=51404323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012282413A Active JP6033669B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 金属製バックル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6033669B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7343967B2 (ja) * 2018-12-07 2023-09-13 Ykk株式会社 バックル用のプラグ及びバックル

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5438840A (en) * 1977-08-30 1979-03-24 Repa Feinstanzwerk Gmbh Lock of safety belt for automobile
JPS56104601A (en) * 1980-01-24 1981-08-20 Itsushin Kenkyusho Kk Belt connecting device
JPH0227763Y2 (ja) * 1985-11-08 1990-07-26
US4751772A (en) * 1987-09-28 1988-06-21 Illinois Tool Works, Inc. Two part waist buckle with snap-fitting retention feature
JPH0913153A (ja) * 1995-04-25 1997-01-14 Daido Steel Co Ltd チタン焼結体の処理方法
JPH1181020A (ja) * 1997-08-29 1999-03-26 Shingo Sugiyama 伸縮ベルト用バックル
JP2007020948A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Ykk Corp 係止具
JP2009034383A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Ykk Corp バックル
DE112009005297B4 (de) * 2009-09-30 2013-12-05 Ykk Corporation Durch lateralen Druck lösbare Schnalle
WO2011114385A1 (ja) * 2010-03-19 2011-09-22 Ykk株式会社 コードエンドパーツ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014124301A (ja) 2014-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5760127B2 (ja) 電子装置のハウジング及びその製造方法
JP6057598B2 (ja) 中空部を有する金属粉末焼結体の製造方法
JP6033669B2 (ja) 金属製バックル及びその製造方法
US10500519B2 (en) Construction toy element and set
US11103097B2 (en) Composite cookware handle
JPWO2011135699A1 (ja) 金属製両面務歯及びスライドファスナー
JP5855178B2 (ja) 電子装置ハウジング及びその製造方法
CN107972737A (zh) 用于机动车辆的复合部件
JP2007331643A (ja) 遮熱板固定用ボス
JP3142618U (ja) 液体用容器
JP2008044012A (ja) 高温鍛造金型
JP2016203579A (ja) 樹脂光学成形体及びその製造方法
US20120285652A1 (en) Liner for a Die Body
JP2019532731A (ja) 単刃レイザ器具
CN105636720B (zh) 使用发泡砂的砂型的成型方法、成型模具以及砂型
JP2015193116A (ja) 合成樹脂製管継手およびその製造方法
JP2011134860A (ja) 筐体、筺体の製造方法及び筺体の製造装置
JP2018134780A (ja) 摺動部材の製造方法
CN215773791U (zh) 一种薄壁型结构件
JP4512412B2 (ja) 異種樹脂成形装置
CN110072732B (zh) 辅助把手
JP2011178340A (ja) 取付具
EP3656696A1 (en) Cable tie, method of producing a cable tie, and cable tie injection molding tool
JP2012024830A (ja) ダイカスト金型、鋳造方法
WO2007115722A1 (en) Shaped part comprising a snap-fit element attached to a wall

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6033669

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250