JP3142618U - 液体用容器 - Google Patents

Abstract

【課題】キャップ装着時に高いクリック感を得ることができ、かつインジェクションブロー成型法による生産対応を可能とする液体用容器を提供する。
【解決手段】液体用容器は、容器本体１とキャップ２とを備える。容器本体１の円筒状口頸部１３には、その外周面にキャップ２の係止用突起１３ａが設けられている。一方、キャップ２は、左右方向に並ぶ一対の係止アーム２４を備えており、容器本体１にキャップ２を装着すると、係止アーム２４のフック部２４ａが係止用突起１３ａに係合するように構成される。また、キャップ２の内側には、各係止アーム２４の左右方向の撓み変位を規制する第１補強リブ２６と、各係止アーム２４とキャップ内側面とを前後方向に連結する第２補強リブ２８とが設けられている。
【選択図】図１

Description

本考案は、点眼薬、点鼻薬、コンタクトレンズの洗浄液等の容器として有用な液体用容器に関するものである。

従来から、点眼薬等の容器として、ノズルを備えた容器本体とこの容器本体に着脱可能に装着されるキャップとからなり、キャップを外してノズル先端を下向きにし、容器本体を軽く押圧してノズル先端から薬液を滴下させるものが一般に知られている。

特に特開平１０―３２９８５５号公報に記載されるように、キャップ内周面に一対の係止アームを設け、この係止アームを容器本体側の係止突起に係止させることにより容器本体に対してキャップを装着する一方、キャップをひねって当該キャップを容器本体のショルダ部（液体の収容部分とノズルを保持する筒状口頸部との間の部分）に乗り上げさせることにより係止アームと容器本体との係止を解除してキャップを取り外す、いわゆるツイストキャップタイプの液体用容器は、点眼薬等の容器として広く用いられている。

なお、ツイストキャップタイプの液体用容器では、前記係止アームが係止突起に係合する際にクリック感を得ることができるため、このクリック感によりキャップの装着を確認することができるが、より高いクリック感を得ることができるように、上記係止突起とは別に、さらに容器本体のショルダ部先端等に突起を設ける一方、キャップの内側面に突起を設けておき、キャップ装着時に当該キャップ側の突起が容器本体側の突起を乗り越えることでクリック感を得ることができるようにしたものも広く用いられている。

この種の液体用容器（容器本体）の製造方法としては、金型に樹脂材料を収容して直接製品形状にブロー成型するダイレクトブロー成型法と、一旦射出成形により予備成型品を成型し、この予備成型品をさらにブロー成型することにより製品を得るインジェクションブロー成型法とが一般に知られており、従来は、ダイレクトブロー成型法によって液体用容器を生産するケースが多かった。これは、ダイレクトブロー成型法は、金型点数が少なく低コストで、かつ短期で金型製作を行える等、設備的に有利なことが主な理由である。

ところが近年、精度的に安定した容器を量産することが求められる傾向があり、従って、射出工程のあるインジェクションブロー成型法により液体用容器を生産するケースが増えている。しかし、ここに次のような問題がある。すなわち、インジェクションブロー成型法は、その成型過程で、予備成型品をハンドリングしてブロー成型用の金型に移し替える必要があるため、成型品にハンドリング用の円筒部を設けることが求められる。その場合、液体収容部分の直ぐ上部、つまりショルダ部先端に対応する位置にハンドリング用の円筒部を設けるのが安定的にハンドリングを行う上で最適とされる。従って、ショルダ部に突起を設けることが困難であり、上記のようにクリック感を高めるタイプの液体用容器については事実上、インジェクションブロー成型法による生産対応ができない。

本考案は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、キャップ装着時に高いクリック感を得ることができ、しかもインジェクションブロー成型法による生産対応が可能な液体用容器を提供することを目的とするものである。

上記課題を解決するために、本考案に係る液体容器は、筒状口頸部と、この筒状口頸部に連続するショルダ部及び液体収容部とを有し、前記筒状口頸部にノズルが保持されてなる容器本体と、前記ノズルからショルダ部の部分に被さるように前記容器本体に対して装着される有頂筒状のキャップとを備え、前記容器本体は、前記筒状口頸部の外周面に前記キャップの係止用突起を備え、前記キャップは、その内側頂部に前記筒状口頸部に沿って延び、かつ前記筒状口頸部の径方向に並ぶ一対の係止片を備え、前記容器本体に対してキャップを前記筒状口頸部の軸方向に沿って装着すると、各係止片の間に前記筒状口頸部が挿入されて当該係止片の対向面に形成される係合部が前記係止用突起に係合して当該キャップが前記容器本体に対して係止されるように構成され、さらに、当該キャップの内側には、各係止片のうちそれらの対向面とは反対側の面に沿って形成され、かつ前記係止片の並び方向における各係止片の撓み変位を規制する第１補強リブと、各係止片とキャップ内側面とをそれぞれ各係止片の並び方向と直交する方向に連結する第２補強リブとが設けられているものである。

この構成では、容器本体の筒状口頸部の軸方向に沿ってキャップを装着すると、キャップの内側頂部に設けられる一対の係止片の間にノズル及び筒状口頸部が挿入され、キャップ開口縁部が容器本体に当接する位置までキャップを押し込むと、各係止片の係合部が筒状口頸部の係止用突起に係合して容器本体に対してキャップが係止される。その場合、キャップを押し込むと、係合部が係止用突起を乗り越える際に係止片が一旦外側に撓み（弾性変形し）、その後、弾性復帰することによりクリック感を得ることができるが、当該容器の構成では、上記のように第１，第２補強リブによって各係止片の剛性が高められている結果、係合部が係止用突起を乗り越えると係止片が非常に力強く弾性復帰することとなり、これによって非常に高いクリック感を得ることが可能となる。従って、係止片が係止用突起に係合する際のクリック感だけで、ショルダ部に突起を設けて高いクリック感を得る従来構成の液体容器と遜色ないレベルの非常に高いクリック感を得ることができる。

特に、係止片の並び方向における各係止片の撓み変位を規制する第１補強リブ以外に、係止片とキャップ内側面とを連結する第２補強リブが設けられることで、キャップ内側内の狭い空間を利用して効率良く係止片の剛性が高められる。

なお、前記係合部は、前記係止片の先端部分に設けられ、前記第１補強リブは、前記係止片の基端部からほぼ先端部に亘って形成され、かつその厚み方向と直交する方句であるリブ幅が、基端部側から先端部側に向かって先細りに形成されているのが好適であり、この場合、前記第２補強リブは、前記係止片のうちその基端部近傍に設けられているのが好適である。

この構成によれば、係止片全体の剛性を高めつつ特に係止片先端部分（係合部が設けられる部分）の撓み変形を良好に許容することができ、キャップの押し込みに伴い係止片を弾性変形させつつ係止用突起に対して良好に係止片を係止させることができると共に、その際のクリック感を効果的に高めることが可能となる。

本考案にかかる液体用容器によれば、キャップに設けられた係止片が係止用突起に係合する際のクリック感だけで、ショルダ部先端等に突起を設けている従来構成と遜色ないレベルの高いクリック感を得ることが可能となる。従って、ショルダ部先端等に突起を設けることなく高いクリック感を得ることが可能となり、インジェクションブロー成型法による液体用容器の生産対応が可能となる。

本考案の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。

図１及び図２は、本考案に係る液体用容器の要部を示しており、図１及び図２は縦断面図で、図３は平断面図でそれぞれ液体用容器を概略的に示している。

同図に示す液体用容器（以下、容器と略す）は、いわゆるツイストキャップタイプの容器である。この容器は、当実施形態では点眼薬用の容器であり、ノズル１４を備える容器本体１と、ノズル１４に被さるようにこの容器本体１に着脱可能に装着されるキャップ２とから構成されており、点眼時には、キャップ２を外した状態でノズル部先端を下向きにし、容器本体１を軽く押圧して当該容器本体１に収容された薬剤をノズル部先端から滴下させる構成となっている。

容器本体１は、図２及び図３に示すように前後方向（図３では上下方向）に扁平に形成されている。この容器本体１は、点眼薬を収容する液体収容部１０と、その上端部に連続するショルダ部１１と、円筒部１２を介してショルダ部１１の中央位置に立設される円筒状口頸部１３と、この円筒状口頸部１３に挿着されるノズル１４とを有しており、ノズル１４以外の部分が、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により一体成型されている。なお、この容器本体１（ノズル１４以外の部分）は後述するインジェクションブロー成型法によって製造されており、上記円筒部１２は、その成型過程で予備成型品をハンドリングするために設けられた部分である。

ノズル１４は、液体収容部１０等とは別に、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の軟性合成樹脂により成型されており、前記円筒状口頸部１３に圧入されることにより容器本体１に一体化されている。

キャップ２は、図１，図２（図２では便宜上、キャップ２はその一部のみ示している）に示すように、ショルダ部１１よりも上側の部分に被さるように有頂筒状に形成されると共に、容器本体１に装着された状態で、同図に示すように、容器本体１の側面とキャップ２の側面とが上下方向に連続した滑らか外形ラインを形成するように構成されている。このキャップ２は、容器本体１（ノズル１４以外の部分）と同様に、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の合成樹脂から形成されるが、容器本体１に比べると若干硬質の構成とされている。

キャップ２の内側頂面２０には、その中央部に栓突起２２が下向きに突設されており、キャップ装着状態では、この栓突起２２がノズル１４のノズル口１４ａに挿入されてその内周面に密接し、その結果、ノズル口１４ａがシールされる構成となっている。

キャップ２の内側頂面２０には、さらに栓突起２２を挟んでその左右両側に係止アーム２４（本考案に係る係止片に相当する）が一体に形成されている。

これら係止アーム２４は、前記円筒状口頸部１３の軸方向に沿って設けられると共に、その先端であって互いの対向面にフック部２４ａ（本考案に係る係合部）を有しており、キャップ装着状態では、図１（ｂ）に示すように、前記ノズル１４及び円筒状口頸部１３がこれら係止アーム２４の間に挿入されると共に、フック部２４ａが円筒状口頸部１３の基端部近傍に形成されたリング状の係止用突起１３ａに係合し、その結果、キャップ２が係止アーム２４を介して容器本体１に係止される構成となっている。なお、各係止アーム２４は、図３に示すように円弧状の断面形状を有しており、円筒状口頸部１３を左右二方向から囲むように設けられている。

キャップ２の内側頂面２０には、さらに係止アーム２４の補強リブが形成されている。詳しくは、各係止アーム２４の背面（上記対向面とは反対側の面）中央部に沿って上下方向に延び、係止アーム２４の左右方向の変位を規制する第１補強リブ２６と、各係止アーム２４とキャップ内側面とをそれぞれ前後方向に連結する第２補強リブ２８とが設けられている。

各第１補強リブ２６は、薄厚で、係止アーム２４の基端部からほぼ先端部に亘って形成されおり、図１に示すようにリブ幅（左右方向の寸法）が基端部側から先端部側に向かって先細りにとなるように形成されている。一方、各第２補強リブ２８は、薄厚で、係止アーム２４のうちその基端部近傍の位置に設けられている。

ところで、この容器の上記容器本体１（ノズル１４以外の部分）は、いわゆるインジェクションブロー成型法により製造されている。これは容器本体１の成型段階から円筒状口頸部１３の精度を確保して後加工を省略するためである。

図４は、当該成型方法に基づく容器本体１の製造方法を模式的に示している。この製造方法では、射出成形用の金型Ｍ１に樹脂材料を注入し、一旦容器本体１の予備成型品Ｐ１を射出成形する（射出成形工程）。そして、この予備成型品Ｐ１を金型Ｍ１から取り出し、図外のハンドリング装置によりブロー成型用の金型Ｍ２に内に収容してブロー成形する（ブロー成形工程）。このように、まず、射出成形において円筒状口頸部１３等を精度良く成形した後に、液体収容部１０をブロー成形して上記容器本体１を製造する。なお、射出成型工程では、円筒状口頸部１３と共に上記円筒部１２を精度良く形成しておき、射出成形用の金型Ｍ１からブロー成型用の金型Ｍ２への予備成型品Ｐ１の搬送時には、この円筒部１２を上記ハンドリング装置で保持することで、予備成型品Ｐ１の搬送が安定的に、かつ適切に行われる。

上記容器は次のようにして使用する。まず、点眼時には、図１（ｂ）に示すキャップ装着状態から円筒状口頸部１３回りにキャップ２を９０°程度回転させ、これによりキャップ２を容器本体１から取り外す。すなわち、キャップ２を回転させると容器本体１のショルダ部１１にキャップ２が乗り上げ、この乗り上げに伴いキャップ２が上方に押し上げられて各係止アーム２４と円筒状口頸部１３との係止状態が解除される。従って、その後、円筒状口頸部１３に沿ってキャップ２を容器本体１から取り外すことで点眼が可能となる。

一方、使用後は、容器本体１の円筒状口頸部１３に沿ってキャップ２を装着する。詳しくは、円筒状口頸部１３に沿ってキャップ２を押し込み、キャップ開口縁部が容器本体１に接する位置までキャップ２を押し込むようにする。このようにすると各係止アーム２４のフック部２４ａが係止用突起１３ａを乗り越えて当該突起１３ａに係合し、その結果、キャップ２が容器本体１に係止されることとなる。

なお、キャップ２の押し込みの際には、係止アーム２４が係止用突起１３ａを乗り越えるに伴い係止アーム２４が一旦外側に撓み（弾性変形し）、その後、弾性復帰することによりクリック感を得ることができ、使用者はこのクリック感によりキャップ２が装着されたことを感知することができる。特に、この容器では、キャップ２の内側頂面２０から円筒状口頸部１３の基端部近傍に至る比較的長寸の係止アーム２４が設けられ、さらに上記第１，第２補強リブ２６，２８が設けられて各係止アーム２４の剛性が高められている。そのため、フック部２４ａが係止用突起１３ａを乗り越える際には、係止アーム２４が力強く弾性復帰することとなり非常に高いクリック感を得ることができる。従って、係止アーム２４が係止用突起１３ａに係合する際の当該クリック感だけで、従来のこの種の容器、つまり係止アームとは別にショルダ部先端等に突起を設けてクリック感を高めるようにした従来容器と遜色ないレベルの高いクリック感を得ることができる。

特に、この容器では、係止アーム２４の左右方向の撓み変位を規制する第１補強リブ２６以外に、係止アーム２４とキャップ内側面とを連結する第２補強リブ２８が設けられることで、キャップ２内の狭い空間を利用して効率良く係止アーム２４の剛性が高められており、しかも、上記のようにリブ幅が先細りとなるように第１補強リブ２６が形成されている結果、係止アーム２４全体の剛性を高めつつ主にフック部２４ａが設けられる先端部分の撓み変形を良好に許容することができる。従って、キャップ２の押し込みに伴い係止用突起１３ａに対して係止アーム２４を良好に係止させると共に、その際のクリック感を効果的に高めることができる。

以上のように、本考案に係る液体容器によれば、キャップ２に設けられた係止アーム２４が係止用突起１３ａに係合する際のクリック感だけで、ショルダ部先端等に突起を設けている従来構成と遜色ないレベルの高いクリック感を得ることが可能となる。つまり、ショルダ部先端等に突起を設けることなく高いクリック感を得ることが可能であり、成型過程で予備成型品Ｐ１に円筒部１２を設けてハンドリングする必要がある上記のようなインジェクションブロー成型法に難なく対応することが可能となる。

従って、キャップ装着時に高いクリック感を得ることができる一方で、インジェクションブロー成型法に基づき高精度の容器本体１を量産することができるという効果がある。

なお、上述した容器は、本考案に係る液体用容器の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本考案の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、ノズル１４の具体的な形状等は、実施形態のものに限定されるものではない。また、補強リブ２６，２８の具体的な形状や形成範囲等も、キャップ２の押し込みに伴い係止用突起１３ａに対して係止アーム２４を良好に係止する一方で、クリック感を効果的に高め得るように適宜選定すればよい。

また、実施形態では、本考案の液体用容器を点眼薬用の容器として適用した場合の例について説明したが、本考案の液体用容器は、勿論、点眼薬用の容器以外の用途、例えば点鼻薬やコンタクトレンズ洗浄液等の容器についても適用可能である。

本考案に係る液体用容器の要部を示す概略断面図である（（ａ）はキャップ装着途中の状態、（ｂ）はキャップ装着状態をそれぞれ示す）。 液体用容器の要部を示す図１（ｂ）のII−II線断面図である。 液体用容器の要部を示す図１（ｂ）のIII−III線断面図である。 容器本体（ノズルを除く）の製造方法の一例を説明する説明図である。

符号の説明

１ 容器本体
２ キャップ
１０ 液体収容部
１１ ショルダ部
１２ 円筒部
１３ 円筒状口頸部
１３ａ 係止用突起
２４ 係止アーム
２４ａ フック部
２６ 第１補強リブ
２８ 第２補強リブ

Claims (3)

1. 筒状口頸部と、この筒状口頸部に連続するショルダ部及び液体収容部とを有し、前記筒状口頸部にノズルが保持されてなる容器本体と、前記ノズルからショルダ部の部分に被さるように前記容器本体に対して装着される有頂筒状のキャップとを備え、
   前記容器本体は、前記筒状口頸部の外周面に前記キャップの係止用突起を備え、
   前記キャップは、その内側頂部に前記筒状口頸部に沿って延び、かつ前記筒状口頸部の径方向に並ぶ一対の係止片を備え、前記容器本体に対してキャップを前記筒状口頸部の軸方向に沿って装着すると、各係止片の間に前記筒状口頸部が挿入されて当該係止片の対向面に形成される係合部が前記係止用突起に係合して当該キャップが前記容器本体に対して係止されるように構成され、さらに、当該キャップの内側には、各係止片のうちそれらの対向面とは反対側の面に沿って形成され、かつ前記係止片の並び方向における各係止片の撓み変位を規制する第１補強リブと、各係止片とキャップ内側面とをそれぞれ各係止片の並び方向と直交する方向に連結する第２補強リブとが設けられていることを特徴とする液体用容器。
2. 請求項１に記載の液体用容器において、
   前記係合部は、前記係止片の先端部分に設けられており、
   前記第１補強リブは、前記係止片の基端部からほぼ先端部に亘って形成され、かつその厚み方向と直交する方句であるリブ幅が、基端部側から先端部側に向かって先細りに形成されていることを特徴とする液体用容器。
3. 請求項２に記載の液体用容器において、
   前記第２補強リブは、前記係止片のうちその基端部近傍に設けられていることを特徴とする液体用容器。

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