JP6031946B2 - レンズ鏡胴の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズを吸着保持してレンズを鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を製造するレンズ鏡胴の製造方法に関する。
一般のカメラ用のレンズ鏡胴においては、レンズの外径が比較的大きいので、レンズのフランジ部をピンセットで把持してレンズを鏡枠内に落とし込むことにより、レンズ鏡胴を製造している。また、ピンセットを用いずに、空気の吸引によりレンズを吸着パッドに吸着して保持することも行われ、レンズの吸着に関しては各種の特許公報に開示されている。
例えば、対物レンズを鏡枠に組み付けるために、トレイ上の対物レンズを吸着パッドで1個ずつ吸着する構成が知られている(特許文献1参照)。
また、光学素子の位置補正のために、光学素子をゴム製緩衝リングで吸着する構成も知られている(特許文献2参照)。
特開2009−116951号公報 特開2006−220779号公報
上記の如く、レンズをピンセットで把持する方法は、レンズが小型であるとピンセットの接触面積が少なくなるため、ピンセットが滑ってレンズを確実に把持できず、レンズを落下させる虞がある。また、レンズが落下しなくても、把持するレンズに傾きが生じることがあり、このような場合はレンズを鏡枠に確実に挿着することが困難になる。
特に鏡枠が細径である場合や、鏡枠が光軸方向に長い(従ってレンズ挿着穴が深い)場合は、さらにレンズの挿着が困難になる。
例えば内視鏡の照明等に用いるレンズは1mm以下のものがあり、このような極小のレンズをピンセットで把持するのは非常に困難である。加えて、レンズを自由落下させて鏡枠に挿着することが行われる際、挿着されるレンズの光軸方向の寸法が比較的長い場合は、上面が凸面になるように挿着しようとしても、自重により重心が下方に向きレンズが回転するので、レンズが横向きになったり、レンズが逆さまになったりしてしまう。これは平凸レンズでも同様のことが起こり得る。特に曲率が大きい半球レンズの場合に同様のことが起こり易い。
以上の如く、極小のレンズの把持にピンセットを使用すること、及びレンズを自由落下により鏡枠に挿着することは極めて困難である。
そこで、空気の吸引によりレンズを吸着パッドに吸着させる吸着装置を用いることが考えられ、これにより極小のレンズであっても確実に保持して移動させることが可能になる。
しかし、曲率が大きい微小レンズの凸面を吸着パッドに吸着する場合、微小レンズがトレイに置かれた姿勢等によって、微小レンズの光軸と鏡枠への挿入方向とがずれることが多い。この結果、微小レンズが傾いて鏡枠に挿着され、光学性能が劣った不良のレンズ鏡胴になることがある。
また、傾きの程度によっては鏡枠に挿入することもできなくなる。
更に、鏡枠の上方で微小レンズの吸着を解除して微小レンズを自由落下させると、レンズの自重によって上記問題が助長される。
特に、鏡枠に挿着する際の後方の凸面の外径がレンズ外径に等しいか極めて近いようなフランジ部がほとんど無い形状の微小レンズにあっては、当該凸面側から吸着するときにフランジ部に吸着パッドを当接して軸精度を出すことはできず、当該凸面に吸着パッドを当接して吸着する場合にはレンズ面に吸着痕や擦過傷などの傷を付けてしまうおそれが高まる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、レンズにフランジ部がなくてもレンズ面を極力傷つけることなくレンズを吸着保持してレンズを傾けることなく確実に鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を精度よく製造することを課題とする。
なお、微小レンズを鏡枠に挿着する際の上記問題は特許文献1,2に記載されていない。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、中空部が負圧にされた円筒状の吸着部材の先端開口部にレンズの凸面を吸着保持するレンズの吸着保持方法によりレンズを吸着保持して鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を製造する方法であって、
前記鏡枠として、径方向内方に張り出して形成され前記レンズに当接して前記レンズをレンズ挿着位置に係止するレンズ係止部が構成されたレンズ挿着穴を備えたものを適用し、
記吸着部材の前記先端開口部に前記レンズの前記凸面を吸着保持した状態で、前記凸面の逆面に部材を押し当てて前記吸着部材の軸方向に対する前記レンズの軸倒れを矯正し、これにより矯正された前記レンズ及びこれに後続する前記吸着部材を前記レンズ挿着穴に挿入し、前記レンズを前記レンズ係止部に当接させることにより、前記レンズを前記鏡枠の前記レンズ挿着位置に組み込むことを特徴とするレンズ鏡胴の製造方法である
請求項記載の発明は、中空部が負圧にされた円筒状の吸着部材の先端開口部にレンズの凸面を吸着保持するレンズの吸着保持方法によりレンズを吸着保持して鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を製造する方法であって、
前記先端開口部の内側には、最先端まで当該最先端に近づくほど内径が大きくなる内テーパー面が設けられ、
前記鏡枠として、径方向内方に張り出して形成され前記レンズに当接して前記レンズをレンズ挿着位置に係止するレンズ係止部が構成されたレンズ挿着穴を備えたものを適用し、
前記凸面の外周縁部を、前記内テーパー面の小径端より大径端に偏在した位置で当該内テーパー面に周接させ、その周接する位置より内周側において当該内テーパー面を含め前記吸着部材と前記凸面との間に空間を保持して、前記吸着部材の前記先端開口部に前記レンズの前記凸面を吸着保持した状態で、前記凸面の逆面に部材を押し当てて前記吸着部材の軸方向に対する前記レンズの軸倒れを矯正し、これにより矯正された前記レンズ及びこれに後続する前記吸着部材を前記レンズ挿着穴に挿入し、前記レンズを前記レンズ係止部に当接させることにより、前記レンズを前記鏡枠の前記レンズ挿着位置に組み込むことを特徴とするレンズ鏡胴の製造方法である。
なお、「周接」とは一周に亘って接することをいう。
請求項3記載の発明は、前記レンズを前記レンズ係止部に当接させた状態で前記レンズと前記鏡枠とを接着固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡胴の製造方法である。
請求項4記載の発明は、前記吸着部材の外径は前記レンズの外径以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のレンズ鏡胴の製造方法である。
本発明のレンズ鏡胴の製造方法によれば、吸着部材の軸方向に対するレンズの軸倒れを矯正し、これにより矯正されたレンズ及びこれに後続する吸着部材を鏡枠のレンズ挿着穴に挿入するので、挿入作業時にレンズが鏡枠に接触して傾いたり、挿入できなかったり、レンズが吸着部材から外れたりすることが防がれ、レンズを吸着部材に吸着したまま鏡枠に挿入し所望の位置及び向きに確実に配置することができる、すなわち、レンズを吸着保持してレンズを傾けることなく確実に鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を精度よく製造することできる。
本発明の一実施形態に係る吸着部材の吸着装置への装着状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吸着部材の先端部の軸方向断面図(a)、及び同吸着部材にレンズが吸着保持された状態を示す軸方向断面図(b)である。 吸着部材のレンズへの接触状態を示す軸方向断面図であり、(a)は対比例1、(b)は対比例2に係る。 (a)(b)(c)はそれぞれ本発明の一例に係る吸着部材のレンズへの接触状態を示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係り、射出成形レンズをランナーから分離し吸着部材に吸着保持するまでの作業の様子を示す斜視図である。 本発明の他の一実施形態に係り、射出成形レンズをランナーから分離する作業の様子を示す斜視図(a)、及びその後にレンズを吸着部材に吸着保持する作業の様子を示す斜視図(b)である。 本発明の一実施形態に係り、吸着部材に吸着保持したレンズの軸倒れを矯正する作業の様子を示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係り、鏡枠の内面に接着剤を塗布するための転写部材の軸方向断面図、及び接着剤が塗布された鏡枠の軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係り、接着剤により塞がれた鏡枠の先端開口を開通する作業の様子を示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態に係るレンズ鏡胴の製造方法により接着工程まで終えたレンズ鏡胴の軸方向断面図である。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
本実施形態のレンズの吸着保持方法及びこれを利用したレンズ鏡胴の製造方法は、非常に細径の内視鏡の先端部に組み込む微小レンズ及び極細径のレンズ鏡胴を対象として好適に適用できるものである。例えば、卵管、膵胆管などの生体内の細い経路に進入し、臓器内部を観察するための内視鏡である。但し、医用に限らず、工業用その他の内視鏡を対象としても本方法を活用でき、特に用途が限定されるものではない。
具体的な構成例で言えば、現在広く上市しされている電子内視鏡ではなく、いわゆるファイバースコープであり、特に照明導光用光ファイバーバンドルとイメージ伝送用光ファイバーバンドルとが束ねられて一体化されたイメージファイバーケーブル本体の先端部にレンズ鏡胴を冠着して構成されるものである。レンズ鏡胴に挿着されたレンズを介して像を上記イメージファイバーケーブル本体の先端側入射端に入射し基端側に導き、基端側に設けられた接眼部に又はイメージングデバイスにより観察像を出力するものである。
さて図1及び図2に示すように、本実施形態のレンズの吸着保持方法に用いる吸着部材10は細径で長尺な円筒状である。最終的に製造しようとする内視鏡は、卵管、膵胆管などに挿入されるためにその外径として1.0mm程度以下が求められる。レンズ鏡胴の外側がチューブ等で覆われる関係でレンズ鏡胴の外径がさらにそれより小径となる。レンズ鏡胴の内径、すなわちレンズ挿着穴の内径、及びこのレンズ挿着穴に挿着されるレンズの外径は、例えば0.5mmと至極微小径である。吸着部材10をレンズ挿着穴に挿入可能とするために、吸着部材10も同程度に小径である必要があるとともに、レンズをレンズ挿着穴の奥へ運ぶために吸着部材10は長尺である必要もある。
また、吸着部材10は、吸着保持時の負荷により変形せず、定形を保持する剛性を有したものが好ましく、特にシリコーンゴム製の吸着パッドのようにレンズに接触する先端開口部(リップ部)が変形する柔軟なものは不適である。
シリコーンゴム製の吸着パッドのように柔軟なものであれば、接触してもその柔軟性によりレンズを傷つけるおそれが低いためレンズ有効径内の光学面にも接触させるように設計することも考えられる。しかし、上述のように細径で長尺に、かつ、精度よく形成することが困難である。また、吸着部材10が無負荷時にレンズ挿着穴より小径でも吸着保持時の負荷により拡大変形して径が大きくなりレンズ挿着穴に挿入不可又は困難となることは不都合である。
また、吸着パッドの中心がレンズの光軸からずれて接近した場合に、レンズの光軸が傾いて吸着されるおそれが高い。シリコーンゴム製等の柔軟な吸着パッドにレンズの光軸が傾いて吸着された場合に、吸着を解除しなければレンズの軸倒れを矯正することが困難であるという不都合も生じ得る。レンズが微小径であるほど、吸着パッドの位置制御誤差やレンズの設置位置誤差により、接近時の吸着パッドの中心とレンズの光軸とのずれ、さらにこれに起因する吸着時のレンズの光軸の傾きは著しくなり、シリコーンゴム製等の柔軟な吸着パッドであると、再吸着を再三繰り返してもレンズの軸倒れを矯正することが不可となってしまうおそれもある。
以上述べた細径性、長尺性、形成精度、剛性の観点から吸着部材10を、樹脂製又は金属製の注射針用の円管素材を加工して製作することが1つの良策である。その加工としては以下に説明する内テーパー面や面取りの加工である。
図1に示すように吸着部材10の基端部は、作業機械によってX−Y−Z方向に移動される移動部1に設けられた吸引口1aに接続される。図示しない吸引ポンプによって吸引口1aを介して吸着部材10の中空部11が負圧にされることで先端開口部13にレンズを吸着する。図示しない制御装置が、上記作業機械のアクチュエータ及び吸引口1a内の圧力を制御することで、先端開口部13のX−Y−Z座標上の位置及び吸着・吸着解除が制御され、レンズの移設やレンズ鏡胴の組立作業が行われる。
図2(a)に示すように吸着部材10の中空部11を囲む周壁部を12とする。
先端開口部13の内側には、最先端14aまで最先端14aに近づくほど内径が大きくなる内テーパー面14が設けられている。したがって、この最先端14aは内テーパー面14の大径端に等しい。内テーパー面14の小径端は図中の14bである。
大径端14a及び小径端14bは面取りされている。大径端14a及び小径端14bが面取りされた内テーパー面14は、開口端から周壁部12の内側を研磨・研削することで得ることができる。大径端14aを面取りするのは、大径端14aがレンズに接触して傷をつけることを防ぐためである。小径端14bはレンズに接触しない位置に配置される。したがって、レンズの傷防止の観点に限って言えば、小径端14bは面取りせず、大径端14aのみを面取りしてもよい。しかしその場合でも、面取りすることで吸引時の吸気の流動を滑らかにし、先端開口部13付近の吸気の均一性、従って吸引圧の局所的な偏りがないことによってレンズの吸着姿勢精度を向上できるから、大径端14a及び小径端14bの双方を面取りすることが好ましい。
図2(b)に示すように内テーパー面14はレンズ20の吸着保持時にレンズ20に周接させる面であるので、レンズ20の傷防止の観点から、内テーパー面14の表面粗さRaは、1μm以下であることが好ましい。
レンズ20は、第1の光学面21及びその逆側に第2の光学面22を有し、第1の光学面21及び第2の光学面22が凸なレンズ面に形成されたものである。第1の光学面21が内視鏡の先端方向に配置されて物体に対向する。第2の光学面22が後端方向に配置されて上述したイメージファイバーケーブルの像入射端に対向する。第1の光学面21の有効径をφL、第2の光学面22の有効径をφLとする。φL<φLとされ、有効径φL外の先端側の面を先端面23とする。また、レンズ20は、直円柱の周面状に形成された外周面24を有する。レンズ20の材料としては樹脂又はガラスが適用される。
このようなレンズ20をその第1の光学面21を先端側にしてレンズ鏡胴に挿入しなければならないので、図2(b)に示すとおり吸着部材10の先端開口部13に第2の光学面22、すなわち凸面22を吸着保持する。
吸着部材10の外径はレンズ20の外径以下である。吸着部材10の外径がレンズ20の外径以下であれば、レンズ20を挿着するレンズ挿着穴に問題なく吸着部材10を挿入できるからである。また、正確に挿入するために特に本実施形態にあっては吸着部材10の外径をレンズ20の外径と等しくする。
また本実施形態においては、レンズ20の外径は0.5mm以下である。卵管、膵胆管などの生体内の細い経路に進入し、臓器内部を観察するための内視鏡を構成するためである。したがって、吸着部材10の外径の外径も0.5mm以下である。
さらに図2(a)に示すように内テーパー面14より内部の中空部11における吸着部材10の肉厚tは0.05mm以上0.10mm以下である。肉厚tを0.05mm以上とするのは、吸着部材10の剛性を確保するためである。肉厚tを0.10mm以下とするのは、中空部11の流路断面積を確保するとともに、内テーパー面14の加工量を少なくするためである。
図3に示す吸着部材10X,10Yの外径もレンズ20の外径に等しくされている。
しかし、図3(a)に示すように垂直な切り口を有する吸着部材10Xにレンズ20の凸面22を吸着させた場合、吸着部材10Xの内側の角が凸面22に当接して傷を付けるおそれがある。また、その当接位置が吸着部材10Xの内径相当位置であるため、凸面22のうちレンズ光学面として使用する範囲に傷を付けてしまい不良品となってしまうか、凸面22のうち上記内径相当位置より十分に内側の範囲をレンズ光学面として使用する範囲とする場合には、実際にレンズ光学面として機能させる面積が小さくなって使用効率が悪くなってしまい、小径化の支障ともなる。吸着部材10Xの内径を外径に近づけようとすると肉厚が薄くなってしまうから、上述した必要な剛性が達成できないし、また吸着部材の開口端自体が鋭利となりこの開口端によりレンズに負荷される押圧力が高まり好ましくない。
図3(b)に示すように吸着部材10Yの先端開口部に形成した内テーパー面14Yに凸面22の外周縁部を周接させてレンズ20を吸着保持した場合でも、内テーパー面14Yの大径端より小径端に偏在した位置で周接しているから、上記問題の改善が不十分である。
そのため、図2に示したようにレンズ20の吸着保持時に凸面22の外周縁部を、内テーパー面14の小径端14bより大径端14aに偏在した位置で内テーパー面14に周接させる。このような周接を実現するためにレンズ形状毎にレンズの曲率等を考慮して吸着部材の内外径及び内テーパー面を構成する。そして、その周接する位置より内周側において内テーパー面14を含め吸着部材10と凸面22との間に空間を保持する。これにより周接径が大きくなり、従ってその周接する位置より内側により大きな径で吸着時非接触範囲を残すことができ、レンズ光軸を中心に設けられるレンズ有効径内の光学面をより大きく、かつ、高品質に確保することができる。
また以上のように、レンズ20の凸面22を吸着保持するのでフランジ部がなくてもレンズ20を吸着保持することができる。
また、吸着部材10が凸面22に周接する部位は内テーパー面14であるから、接触相手面である凸面22の外周縁部に大略沿った方向の面となり、突き立てるような当接ではなく接触面積がある程度確保できているので、凸面22を傷つけるおそれが低い。
吸着部材10の先端開口部(吸着開口部)の内テーパー面の軸方向断面で見た形状は、図2に示した直線状のほか、図4(a)に示すように直線と曲線の組合せや傾きの異なる複数の直線の組合せで構成されていてもよい。
また、図4(b)に示すように傾きの異なる複数の直線により、又は図4(c)に示すように曲線により、凹状に形成することも可能である。この場合、二点鎖線で示すように、凸面22が傾いたときに、より内側の部位が吸着部材10に接触することを回避しやすい。
次に、レンズ鏡胴の製造方法につき説明する。レンズの吸着保持については、以上説明した吸着保持方法を適用する。
まず、射出成形により製造されたレンズを個片にカットし、吸着保持するまでの工程につき図5及び図6を参照して説明する。
図5に示すように、射出成形であるのでレンズ20にゲート31、ランナー32が繋がっている。
同じく図5に示すようなランナー下押さえ33とランナー上押さえ34のような治具を適用した把持装置によりランナー32を把持し固定する。
この状態でゲート31をカットすると、レンズ20が飛んでしまうため、レンズ20を紛失したり、傷付けたりして効率が上がらない。
そこで、レンズ20を保持する。レンズ20を保持するために、図5に示すように吸着部材10とレンズ保持台40を適用する。吸着部材10に吸着保持しただけでもゲート31のカット時にレンズ20が飛んでしまうおそれが高いからである。
レンズ保持台40には、レンズ保持溝41が形成されている。レンズ保持溝41は、レンズ20の第1の光学面21への接触を回避する穴42と、レンズ20の外周面24を保持する内周面43と、ゲート31を保持するための内周面43から側方に切られたゲート保持溝44とを有して構成されている。
このレンズ保持溝41にレンズ20及びゲート31を収容し、凸面22を吸着部材10の先端開口部13に吸着保持する。この状態でゲート31をカットし、吸着部材10を上昇させてレンズ保持溝41から離脱させてレンズ20を持ち運び、次工程に入るか、トレイ等の容器に一旦収納して置く。
また図6に他の方法の概要を示した。図6に示すように、共通の中心に向って進退動作する保持部材51,52,53を有した三方チャック50によりレンズ20を把持する。保持部材51,52,53の先端は、レンズ20の外周面24に沿う凹曲面に形成されている。このような三方チャック50によりレンズ20を把持した状態でゲート31をカットする(図6(a))。次に、吸着部材10を下降させて凸面22を吸着部材10の先端開口部13に吸着保持する(図6(b))。次に、三方チャック50を開き、吸着部材10を上昇させてレンズ20を持ち運び、次工程に入るか、トレイ等の容器に一旦収納して置く。
なお、図6(b)に示すレンズ20側に残ったゲート端31aの除去加工又は整形加工を任意に実施する。
その後、レンズ鏡胴の組立工程を実施する。
まず、吸着部材10の先端開口部13にレンズ20を吸着保持する。このとき、図7中の2点鎖線で示すようにレンズ20の光軸が、吸着部材10の軸方向に対して傾いている、すなわち、レンズ20の軸倒れが生じて吸着保持されているおそれがあるので、円管部材60の面取り加工された開口端を先端面23に押し当ててレンズ20の軸倒れを矯正する。先端面23は光軸に対し垂直な面であるため、吸着部材10の軸と円管部材60の軸とを同軸に配置して両者を接近させることで、レンズ20の軸倒れを矯正することが可能である。
このとき、仮に吸着部材がシリコーンゴム等の材料により柔軟なものに構成されているとすると、吸着部材自体が撓ってしまい、吸着部材に対するレンズの軸倒れを矯正することはできない。したがって、上述したように吸着部材に剛性が必要である。
なお、レンズ20の軸倒れを矯正するためにレンズ20に押し当てる部材は、押し当てることで吸着部材10の軸とレンズ20の光軸とが同軸にある状態に矯正できればよいから、円管状であるものに限られない。
一方、図8に示すように鏡枠80の内面に接着剤を塗布する。接着剤の塗布は、転写部材70を用いてタンポ印刷と同様の原理で転写することにより行う。転写部材70は吸着部材10と同様の細径で長尺な部材である。転写部材70の内部は埋まっていてもよいが、少なくとも接着剤が一旦付着する転写端部71にあっては周壁が立設された状態とする。
タンポ印刷と同様の原理で転写部材70の転写端部71に一定量の接着剤を付着保持させ、この転写端部71を先頭に転写部材70を鏡枠80のレンズ挿着穴81に挿入し、径方向内方に張り出して形成されたレンズ係止部82に突き当てて内面に接着剤Bを転写したら、転写部材70を鏡枠80から引き抜く。
なお、このとき図9に二点鎖線で示すように、鏡枠80の先端開口83を閉塞するように接着剤B1が付着してしまった場合には、棒部材90を先端開口83に挿し入れて接着剤B1による閉塞を破り、先端開口83の周囲に接着剤Bを配置する。
次に、レンズ20を鏡枠80のレンズ挿着位置に組み込む組込工程を実施する。すなわち、上述の軸倒れの矯正を行って吸着部材10に軸精度良く吸着保持されたレンズ20及びこれに後続する吸着部材10をレンズ挿着穴81に挿入し、レンズ20の先端面23をレンズ係止部82の当接面82aに当接させ、図10に示した状態を得る。図10に示した状態でレンズ挿着位置に組み込んだ状態である。軸倒れの矯正を行ったので、挿入作業時にレンズ20が鏡枠80に接触して傾いたり、挿入できなかったり、レンズ20が吸着部材10から外れたりすることが防がれる。
その後、接着剤Bを硬化させてレンズ20と鏡枠80とを接着固定する。レンズ20の先端面23がレンズ係止部82の当接面82aに当接して正しく位置決めされた状態で接着固定する。接着剤Bは当接面82aより外周側に形成されるレンズ20の先端面23及び外周面24と鏡枠80との間の隙間に充填される形でレンズ20と鏡枠80とを接着固定する。
以上の接着剤の転写方法のほか、レンズ20をレンズ挿着穴81に組み込んだ後に、ディスペンサーによりレンズ20と鏡枠80の内面との隙間に接着剤を充填する方法によってもよい。但し、レンズ挿着穴81の内径が0.5mm程度以下と至極小径であるから、非常に細径のディスペンサーノズルの実現や、ディスペンサーノズルを挿し入れる際の位置制御の困難が予想される。その場合、上記の接着剤の転写方法が有効である。
また、他の接着剤の塗布方法として、中空部の周囲の肉厚部に細い副孔が長手方向に複数通ったマルチルーメンチューブを用い、これをレンズ挿着穴81に挿入して、副孔を通して接着剤を注入する方法が採り得る。
なお、上述したイメージファイバーケーブルの端面を係止するために、図10に示すように、段差面84を設けることが好ましい。レンズ20にゲート端31aを残す場合は、段差面84から先端方向へ形成される縦溝85を設けておき、これにゲート端31aを収容することでレンズ20を挿着することができる。
10 吸着部材
11 中空部
12 周壁部
13 先端開口部
14 内テーパー面
14a 大径端(最先端)
14b 小径端
20 レンズ
21 第1の光学面
22 第2の光学面(吸着される凸面)
80 鏡枠
81 レンズ挿着穴
82 レンズ係止部
82a 当接面
83 先端開口
B 接着剤

Claims (4)

  1. 中空部が負圧にされた円筒状の吸着部材の先端開口部にレンズの凸面を吸着保持するレンズの吸着保持方法によりレンズを吸着保持して鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を製造する方法であって、
    前記鏡枠として、径方向内方に張り出して形成され前記レンズに当接して前記レンズをレンズ挿着位置に係止するレンズ係止部が構成されたレンズ挿着穴を備えたものを適用し、
    記吸着部材の前記先端開口部に前記レンズの前記凸面を吸着保持した状態で、前記凸面の逆面に部材を押し当てて前記吸着部材の軸方向に対する前記レンズの軸倒れを矯正し、これにより矯正された前記レンズ及びこれに後続する前記吸着部材を前記レンズ挿着穴に挿入し、前記レンズを前記レンズ係止部に当接させることにより、前記レンズを前記鏡枠の前記レンズ挿着位置に組み込むことを特徴とするレンズ鏡胴の製造方法。
  2. 中空部が負圧にされた円筒状の吸着部材の先端開口部にレンズの凸面を吸着保持するレンズの吸着保持方法によりレンズを吸着保持して鏡枠に挿着しレンズ鏡胴を製造する方法であって、
    前記先端開口部の内側には、最先端まで当該最先端に近づくほど内径が大きくなる内テーパー面が設けられ、
    前記鏡枠として、径方向内方に張り出して形成され前記レンズに当接して前記レンズをレンズ挿着位置に係止するレンズ係止部が構成されたレンズ挿着穴を備えたものを適用し、
    前記凸面の外周縁部を、前記内テーパー面の小径端より大径端に偏在した位置で当該内テーパー面に周接させ、その周接する位置より内周側において当該内テーパー面を含め前記吸着部材と前記凸面との間に空間を保持して、前記吸着部材の前記先端開口部に前記レンズの前記凸面を吸着保持した状態で、前記凸面の逆面に部材を押し当てて前記吸着部材の軸方向に対する前記レンズの軸倒れを矯正し、これにより矯正された前記レンズ及びこれに後続する前記吸着部材を前記レンズ挿着穴に挿入し、前記レンズを前記レンズ係止部に当接させることにより、前記レンズを前記鏡枠の前記レンズ挿着位置に組み込むことを特徴とするレンズ鏡胴の製造方法。
  3. 前記レンズを前記レンズ係止部に当接させた状態で前記レンズと前記鏡枠とを接着固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡胴の製造方法。
  4. 前記吸着部材の外径は前記レンズの外径以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のレンズ鏡胴の製造方法。
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