JP6030894B2 - エラストマー成形体およびその製造方法 - Google Patents

エラストマー成形体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性が高く、電気絶縁性を有するエラストマー成形体、およびその製造方法に関する。
電子機器には、CPU(Central Processing Unit)等の発熱を伴う電子部品が使用される。電子部品の発熱が大きくなると、誤作動や製品寿命の低下を招くおそれがある。そこで、電子部品の温度上昇を抑制するために、熱伝導率が大きい銅やアルミニウム製のヒートシンクが使用される。この際、電子部品とヒートシンクとの間には、電子部品において発生した熱をヒートシンクに効率良く伝達するために、熱伝達部材が介装される。電子部品において発生した熱は、熱伝達部材を介して、ヒートシンクの放熱面から放出される。
熱伝達部材には、熱伝導性と電気絶縁性とが要求される。例えば特許文献1〜3に開示されているように、熱伝達部材としては、マトリックス樹脂中に、熱伝導性フィラーが配合された成形体が用いられる。熱伝導性フィラーとしては、黒鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シリカ等が用いられる。
特開2011−144234号公報 特開2011−116913号公報 特開2003−321554号公報 特開2009−51148号公報 特開2006−219562号公報
特許文献3に記載されているように、放熱性の向上を図るには、黒鉛等の熱伝導率の大きな粒子を配合すればよい。しかし、単に黒鉛を配合しても、黒鉛同士を接触させて熱の伝達経路を形成することは難しい。例えば、熱の伝達経路を形成するため、黒鉛を多量に配合すると、エラストマー成形体の硬度が高くなり、伸びが低下することで、柔軟性が損なわれるおそれがある。また、エラストマー成形体の質量が増加する、コストがかさむといった問題も生じる。
一方、特許文献4には、磁性粒子を配合して放熱性を向上させたウレタン発泡成形体 が開示されている。ポリウレタンフォーム中に、磁性粒子を互いに連接した状態で配向させると、磁性粒子の配向方向に熱の伝達経路が形成される。これにより、エラストマー成形体の放熱性は向上する。しかし、磁性粒子として配合される鉄やステンレス鋼の熱伝導率は、黒鉛より小さい。したがって、磁性粒子を配向させただけでは、放熱性の向上効果は充分ではない。
また、上述した磁性粒子や黒鉛の導電性は高い。よって、磁性粒子や黒鉛を配合した場合、これらの接触により、成形体中に導通経路が形成される。このため、成形体において、電気絶縁性を維持することは難しい。すなわち、導電性を有する磁性粒子や黒鉛を配合した場合、放熱性が高くても、当該成形体を、電気絶縁性が要求される用途に用いることはできない。
これに対して、特許文献1、2の成形体に用いられるアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シリカは、絶縁性を有する。しかし、これらは、黒鉛より熱伝導率が小さい。このため、放熱性の向上効果は充分ではない。この中で、窒化アルミニウム、窒化ホウ素の熱伝導率は、比較的大きい。しかし、窒化アルミニウムや窒化ホウ素は、高価である。よって、これらを多量に配合すると、成形体のコストが上昇してしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、比較的安価で熱伝導性が高く、電気絶縁性を有するエラストマー成形体を提供することを課題とする。また、その製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のエラストマー成形体は、ソリッドエラストマーからなる基材と、該基材中に配合され互いに連接して配向している複合粒子と、を有し、該複合粒子は、非磁性体からなる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子および絶縁性無機粒子と、からなることを特徴とする。
複合粒子のコアをなす熱伝導性粒子は、大きな熱伝導率を有する。熱伝導性粒子自身は、非磁性体である。しかし、熱伝導性粒子の表面には、磁性粒子が接着されている。磁性粒子は、磁場中で磁力線に沿って配向する。よって、複合粒子に磁場を作用させると、複合粒子は、磁力線に沿って配向する。つまり、熱伝導性粒子と磁性粒子とを複合化することにより、磁性粒子の磁場配向を利用して、非磁性体からなる熱伝導性粒子を、配向させることができる。磁性粒子は、熱伝導性粒子の表面に直接接着されていてもよく、絶縁性無機粒子を介して間接的に、つまり熱伝導性粒子に接着された絶縁性無機粒子の表面に、接着されていてもよい。
配向した複合粒子は、互いに連接した状態で、基材中に配置される。複合粒子が数珠状に連なることにより、基材中に熱の伝達経路が形成される。これにより、本発明のエラストマー成形体の一端に加わった熱は、複合粒子を介して配向方向の他端に伝達され、速やかに放出される。よって、本発明のエラストマー成形体は、熱伝導性に優れる。また、磁性粒子のみを配向させた場合と比較して、より少量の複合粒子により、高い熱伝導性を実現することができる。複合粒子の配合量が少ない程、エラストマー成形体における引張り強さ、伸び等の物性に対する影響が小さい。また、エラストマー成形体の軽量化や、コスト削減も可能になる。
なお、本発明のエラストマー成形体において、基材中の複合粒子は、ある規則性を持って所定の方向に配置されていればよい。例えば、エラストマー成形体の一端と他端(一端に対して180°対向した端部でなくてもよい)との間に直線状に配置されていても、曲線状に配置されていてもよい。また、中心から外周に向かって放射状に配置されていてもよい。
熱伝導性粒子の表面には、磁性粒子に加えて、絶縁性無機粒子が接着されている。絶縁性無機粒子は、熱伝導性粒子の表面に直接接着されていてもよく、磁性粒子を介して間接的に、つまり熱伝導性粒子に接着された磁性粒子の表面に、接着されていてもよい。後述するように、熱伝導性粒子としては、炭素材料や金属が好適である。また、磁性粒子としては、ステンレス鋼等の強磁性体が好適である。このため、熱伝導性粒子の表面に磁性粒子が接着された粒子は、高い導電性を有する。しかし、熱伝導性粒子の表面に、さらに絶縁性無機粒子が接着されると、複合粒子同士が接触した状態で配向しても、隣接する複合粒子間において、熱伝導性粒子や磁性粒子(導電性粒子)同士が接触しにくくなる。よって、複合粒子間の電気抵抗が大きくなる。また、絶縁性無機粒子を介して複合粒子同士が接触することにより、複合粒子間の導通を断つことができる。これにより、本発明のエラストマー成形体において、電気絶縁性を実現することができる。このように、本発明のエラストマー成形体は、高い熱伝導性と電気絶縁性との両方を備えている。したがって、本発明のエラストマー成形体は、電子機器における放熱部材等、放熱性と電気絶縁性との両方が要求される用途に好適である。
複合粒子において、磁性粒子および絶縁性無機粒子は、バインダーにより接着されている。バインダーを用いることにより、熱伝導性粒子の表面に磁性粒子および絶縁性無機粒子を、ソフトに接着させることができる。よって、熱伝導性粒子が、熱伝導性が高い形状(アスペクト比が大きな形状)を有する場合でも、その形状を崩すことなく、磁性粒子および絶縁性無機粒子を複合化することができる。また、バインダーを用いることにより、磁性粒子および絶縁性無機粒子の接着量を多くすることができる。磁性粒子を多量に接着させることにより、磁束密度が350mT以下の低磁場でも、複合粒子の所望の配向状態を実現することができる。後述するように、磁場の形成には、例えば電磁石が用いられる。低磁場中で成形できると、成形型を挟んで配置される電磁石のギャップを、大きくすることができる。このため、成形型のキャビティを大きくすることができ、製品の形状自由度が高くなる。また、電磁石の設備コスト、ランニングコストも低くすることができる。
一方、上記特許文献3には、強磁性体の粉末を黒鉛粉末の表面に付着させて、黒鉛粉末の配向を促進できることが、記載されている。また、粒子を機械的に固着させる方法として、メカノケミカル法が挙げられている。しかし、バインダーを用いて接着させることは、記載されていない。例えば、バインダーを用いずに、磁性粒子を熱伝導性粒子の表面に付着させた場合、磁性粒子の付着量を多くすることは困難である。すなわち、バインダーを用いずに複合化した粒子においては、磁性粒子の付着量が少なく、配向に必要な磁性が不足する。このため、当該粒子を用いた場合、低磁場で、所望の配向状態を実現することはできない。また、黒鉛は脆いため、粒子の圧縮、剪断を伴うメカノケミカル処理を行うと、容易に粉砕されて、形状を維持できないという問題もある。
(2)本発明のエラストマー成形体の製造方法は、複合粒子を撹拌造粒法により製造する場合のエラストマー成形体の製造方法であって、撹拌造粒機を用いて、前記熱伝導性粒子の粉末、前記磁性粒子の粉末、前記絶縁性無機粒子の粉末、および前記バインダーを含む粉末原料を撹拌し、前記複合粒子の粉末を製造する複合粒子製造工程と、製造された該複合粒子の粉末と、エラストマー原料と、必要に応じて絶縁性無機粒子の粉末と、を混合して混合原料とする原料混合工程と、該混合原料を成形型に配置して、該混合原料に磁束密度が略均一な磁場をかけながら成形する成形工程と、を有することを特徴とする。
まず、複合粒子製造工程において、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、絶縁性無機粒子の粉末、およびこれらを接着するためのバインダーを含む粉末原料を、高速撹拌する。これにより、複合粒子の粉末を容易に製造することができる。撹拌造粒法によると、熱伝導性粒子と磁性粒子および絶縁性無機粒子とを、バインダーによりソフトに接着させることができる。したがって、各粒子の形状を崩すことなく、複合化することができる。また、バインダーを用いることにより、磁性粒子および絶縁性無機粒子の接着量を多くすることができる。磁性粒子を多量に接着させることにより、後の成形工程において、低磁場で、複合粒子の所望の配向状態を実現することができる。
例えば、熱伝導性粒子等の表面を絶縁性の樹脂等で被覆して、複合粒子間の導通を断つことも可能である。しかし、高電圧に耐えるような電気絶縁性を確保するためには、樹脂の膜厚を厚くする必要がある。この場合、粒子同士を凝集させることなく、粒子の一つ一つを被覆することは難しい。この点、本発明の製造方法によると、絶縁性無機粒子を撹拌造粒法により接着する。したがって、個々の熱伝導性粒子に対して、絶縁性無機粒子を確実に接着することができる。また、接着する絶縁性無機粒子の粒子径により、複合粒子間の電気絶縁性を、容易に調整することができる。
また、撹拌造粒法によると、磁性粒子の接着と絶縁性無機粒子の接着とを同時に、あるいは磁性粒子を接着した後、連続して絶縁性無機粒子の接着を行うことができる。このため、複合粒子を効率良く、低コストで製造することができる。
次に、原料混合工程において、製造した複合粒子の粉末とエラストマー原料と必要に応じて絶縁性無機粒子の粉末とを、混合する。複合粒子の粉末に加えて、絶縁性無機粒子の粉末そのものを配合する形態については、後の実施形態において詳しく説明する。そして、成形工程において、混合原料を磁場中で成形する。ここで、混合原料に一様な磁場を作用させることにより、磁束密度の違いによる複合粒子の偏在を抑制することができる。よって、複合粒子の配合量が比較的少量でも、基材全体に分散させた状態で、複合粒子を配向させることができる。このように、本発明の製造方法によると、比較的少量の複合粒子を配合して、熱伝導性が高く、電気絶縁性を有する本発明のエラストマー成形体を、容易に製造することができる。
実施例2の複合粒子のSEM写真である(倍率500倍)。 比較例3の複合粒子のSEM写真である(倍率500倍)。 エラストマー成形体の製造に使用した磁気誘導成形装置の斜視図である。 同装置の断面図である。
以下、本発明のエラストマー成形体およびその製造方法の実施形態について説明する。なお、本発明のエラストマー成形体およびその製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
<エラストマー成形体>
本発明のエラストマー成形体は、ソリッドエラストマーからなる基材と、該基材中に配合され互いに連接して配向している複合粒子と、を有する。
ソリッドエラストマーは、ポリウレタンフォーム等の多孔質のエラストマー以外のエラストマーであり、架橋ゴムおよび熱可塑性エラストマーを含む。架橋ゴムとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
架橋ゴムの硬化方法は、ゴムポリマーの種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、加熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化、湿気硬化等が挙げられる。複合粒子を磁場配向させるため、エラストマーの硬化を、磁場を作用させながら行う必要がある。例えば、加熱硬化型のエラストマーの場合、エラストマー原料の温度を上げて、硬化させる。しかし、高温になると磁場を形成する磁石の磁性が低下して、磁場が弱くなるおそれがある。このため、エラストマーの硬化温度は、150℃以下であることが望ましい。また、複合粒子を低磁場で配向させるためには、エラストマーの粘度は、100Pa・s以下であることが望ましい。エラストマーの粘度が高いと、粘性抵抗の影響で複合粒子が配向しにくくなるおそれがある。なお、エラストマーの粘度が高い場合には、溶剤で希釈して低粘度化し、硬化時に溶剤を揮発させればよい。溶剤を使用せずに液状化、低粘度化が可能であるという観点から、エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれかが望ましい。
複合粒子は、非磁性体からなる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子および絶縁性無機粒子と、からなる。
熱伝導性粒子は、非磁性体であって、熱伝導率が大きいものであればよい。本明細書では、強磁性体および反強磁性体以外の、反磁性体および常磁性体を、非磁性体と称す。例えば、熱伝導性粒子の熱伝導率は、200W/m・K以上であることが望ましい。熱伝導性粒子の材質としては、例えば、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が好適である。また、アルミニウム、金、銀、銅、およびこれらを母材とする合金等であってもよい。熱伝導性粒子としては、一種類の粒子を用いても、二種類以上の粒子を併用してもよい。
熱伝導性粒子の形状は、磁性粒子および絶縁性無機粒子と複合化できれば、特に限定されるものではない。例えば、薄片状、繊維状、柱状、球状、楕円球状、長円球状(一対の対向する半球を円柱で連結した形状)等の種々の形状を採用することができる。熱伝導性粒子が球以外の形状をなす場合には、複合粒子同士の接触面積が大きくなる。これにより、熱の伝達経路が確保されやすくなると共に、伝達される熱量も大きくなる。なお、通常、アルミニウム、金、銅等の金属粒子の形状は、球状である。一方、黒鉛粒子は、アスペクト比が大きい形状のものでも、金属粒子と比較して安価に入手できる。このため、熱伝導性粒子の材質としては、黒鉛が好適である。
黒鉛としては、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛や、人造黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛は、鱗片状になりにくい。このため、鱗片状であり、熱伝導性の向上効果が高いという理由から、天然黒鉛が好適である。また、黒鉛として、鱗片状の黒鉛の層間に、加熱によりガスを発生する物質が挿入された膨張黒鉛を用いてもよい。膨張黒鉛は、例えば、上記特許文献5に開示されているように、難燃剤として用いられる。膨張黒鉛に熱が加わると、発生したガスにより、層間が広がると共に、熱や化学品に対して安定した層が形成される。形成された層が断熱層となり、熱の移動を妨げることにより、難燃効果がもたらされる。よって、熱伝導性粒子としては、天然黒鉛粒子および膨張黒鉛粒子の少なくとも一方を用いるとよい。
本発明のエラストマー成形体において、複合粒子は配向している。このため、エラストマー成形体に加わった熱は、熱伝導性粒子に伝達されやすい。よって、熱伝導性粒子が膨張黒鉛からなる場合、膨張黒鉛が、膨張開始温度に早く到達する。これにより、膨張黒鉛による難燃効果が、速やかに発揮される。このように、熱伝導性粒子として膨張黒鉛を用いることにより、エラストマー成形体に難燃性を付与することができる。
熱伝導性粒子として膨張黒鉛を用いる場合、公知の膨張黒鉛粉末の中から、膨張開始温度や膨張率等を考慮して、好適なものを選択すればよい。例えば、膨張黒鉛の膨張開始温度は、エラストマー成形体の成形時の温度よりも、高くなければならない。具体的には、膨張開始温度が150℃以上の膨張黒鉛が好適である。
エラストマー成形体の難燃性を向上させるためには、膨張黒鉛の配合量を、エラストマー成形体全体の質量を100質量%とした場合の5質量%以上とすることが望ましい。
また、熱伝導性粒子の大きさは、分散性、エラストマー成形体の厚さ等を考慮して決定すればよい。例えば、熱伝導性粒子の平均粒子径を、500μm以下とすることが望ましい。300μm以下がより好適である。なお、本明細書においては、粒子径として、粒子の最長部分の長さを採用する。
磁性粒子は、磁化特性に優れたものであればよく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム、ステンレス鋼、マグネタイト、マグヘマイト、マンガン亜鉛フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の強磁性体、MnO、Cr、FeCl、MnAs等の反強磁性体、およびこれらを用いた合金類の粒子が好適である。なかでも、微細な粒子として入手しやすく、飽和磁化が高いという観点から、鉄、ニッケル、コバルト、およびこれらの鉄系合金(ステンレス鋼を含む)の粉末が好適である。
磁性粒子は、熱伝導性粒子の表面に接着されており、熱伝導性粒子を配向させる役割を果たす。磁性粒子は、熱伝導性粒子の表面に直接接着されていてもよく、絶縁性無機粒子を介して間接的に接着されていてもよい。また、磁性粒子は、熱伝導性粒子等の表面の一部のみに接着していてもよく、表面全体を被覆するように接着していてもよい。磁性粒子の大きさは、熱伝導性粒子の大きさ、複合粒子の配向性、および複合粒子間の熱伝導性等を考慮して、適宜決定すればよい。例えば、磁性粒子の粒子径は、熱伝導性粒子の粒子径の1/20以上1/10以下であることが望ましい。磁性粒子の大きさが小さくなると、磁性粒子の飽和磁化が低下する傾向がある。したがって、より少量の磁性粒子により、複合粒子を配向させるためには、磁性粒子の平均粒子径を、100nm以上とする必要がある。1μm以上、さらには5μm以上とするとより好適である。
磁性粒子の形状は、特に限定されるものではない。例えば、磁性粒子の形状が扁平の場合には、球状の場合と比較して、隣接する熱伝導性粒子間の距離が短くなる。これにより、隣接する複合粒子間における熱伝導性が向上する。その結果、エラストマー成形体の熱伝導性が向上する。また、磁性粒子の形状が扁平の場合には、磁性粒子と熱伝導性粒子とが面で接触する。つまり、両者の接触面積が大きくなる。これにより、磁性粒子と熱伝導性粒子との接着力が向上する。よって、磁性粒子が剥離しにくくなる。加えて、磁性粒子と熱伝導性粒子との間の熱伝導性も向上する。このような理由から、磁性粒子としては、薄片状の粒子を採用することが望ましい。
熱伝導性粒子として、黒鉛を採用した場合、複合粒子の配向性と、熱伝導性の向上効果と、を考慮すると、複合粒子における黒鉛粒子と磁性粒子との体積比は、7:3〜5:5であることが望ましい。磁性粒子の体積割合が3割未満の場合には、配向に必要な磁性が不足するおそれがある。また、黒鉛粒子の体積割合が5割未満の場合には、熱伝導性の向上効果が小さくなる。
絶縁性無機粒子は、絶縁性を有する無機材料の粒子であればよい。なかでも、複合粒子間の熱伝導性を阻害しないという観点から、熱伝導率が比較的大きいものが望ましい。例えば、絶縁性無機粒子の熱伝導率が、5W/m・K以上であると好適である。熱伝導率が、5W/m・K以上の絶縁性無機材料としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク等が挙げられる。また、絶縁性無機粒子が難燃性を有する場合には、エラストマー成形体に難燃性を付与することができる。例えば、水酸化アルミニウムは、熱伝導率が比較的大きく難燃性を有するため、好適である。水酸化アルミニウムは、所定の温度に加熱されると、脱水分解する。脱水分解は吸熱反応であるため、温度上昇が抑制され、難燃効果がもたらされる。
絶縁性無機粒子は、熱伝導性粒子の表面に直接接着されていてもよく、磁性粒子を介して間接的に接着されていてもよい。また、絶縁性無機粒子は、熱伝導性粒子等の表面の一部のみに接着していてもよく、表面全体を被覆するように接着していてもよい。複合粒子間の電気抵抗を大きくして、エラストマー成形体の電気絶縁性を高めるという観点から、絶縁性無機粒子は、複合粒子の最表層に配置されていることが望ましい。
絶縁性無機粒子の大きさは、熱伝導性粒子および磁性粒子に対する接着性、複合粒子間の電気絶縁性および熱伝導性を考慮して、適宜決定すればよい。絶縁性無機粒子が大きすぎると、接着性や複合粒子間の熱伝導性が低下する。例えば、絶縁性無機粒子の粒子径は、熱伝導性粒子の粒子径の1/100以上1/10以下であることが望ましい。
絶縁性無機粒子の形状は、特に限定されるものではない。例えば、絶縁性無機粒子の形状が扁平の場合には、球状の場合と比較して、隣接する熱伝導性粒子間の距離が短くなる。これにより、隣接する複合粒子間における熱伝導性が向上する。その結果、エラストマー成形体の熱伝導性が向上する。また、絶縁性無機粒子と磁性粒子および熱伝導性粒子との接触面積が、大きくなる。これにより、接着力が向上し、絶縁性無機粒子が剥離しにくくなる。加えて、絶縁性無機粒子と磁性粒子および熱伝導性粒子との間の熱伝導性も、向上する。このような理由から、絶縁性無機粒子としては、薄片状の粒子を採用することが望ましい。
エラストマー成形体の電気絶縁性と熱伝導性とを両立させるため、複合粒子における熱伝導性粒子と絶縁性無機粒子との体積比は、4:6〜3:7であることが望ましい。絶縁性無機粒子の体積割合が6割未満の場合には、エラストマー成形体の電気絶縁性を実現できないおそれがある。一方、絶縁性無機粒子の体積割合が7割を超えると、熱伝導性の向上効果が小さくなる。
熱伝導性粒子と、磁性粒子および絶縁性無機粒子と、を接着するバインダーは、熱伝導性粒子等の種類、成形性への影響等を考慮して、適宜選択すればよい。成形性への影響が少なく、環境にも優しいという理由から、水溶性のバインダーが好適である。例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、磁性粒子を接着するバインダーと、絶縁性無機粒子を接着するバインダーと、は同じでも異なっていてもよい。
複合粒子は、熱伝導性粒子と磁性粒子および絶縁性無機粒子とを、バインダーにより接着して製造される。例えば、バインダーを溶解した溶液に、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、および絶縁性無機粒子の粉末を分散した塗料を、熱伝導性粒子の粉末にスプレーして、製造することができる。また、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、絶縁性無機粒子の粉末、およびバインダーを含む粉末原料を、高速で撹拌して製造することができる(撹拌造粒法)。撹拌造粒法においては、高速撹拌により摩擦熱が生じる。このため、バインダーとしては、揮発性の無いものが望ましい。例えば、上述した水溶性のバインダーが好適である。
エラストマー成形体における複合粒子の配合量は、エラストマー成形体の物性や、熱伝導性の向上効果等を考慮して、決定すればよい。例えば、成形性や物性への影響が少ないという観点から、複合粒子の配合量を、エラストマー成形体の体積を100体積%とした場合の50体積%以下とすることが望ましい。30体積%以下とするとより好適である。一方、熱伝導性の向上効果を得るためには、複合粒子の配合量を、3体積%以上とすることが望ましい。10体積%以上とするとより好適である。
本発明のエラストマー成形体は、さらに、基材中に分散される絶縁性無機粒子を有してもよい。すなわち、基材中には、配向した複合粒子に加えて、絶縁性無機粒子が分散していてもよい。基材中に単独で分散する絶縁性無機粒子は、上述した絶縁性を有する無機材料の粒子である。基材中に絶縁性無機粒子を分散させると、複合粒子間に絶縁性無機粒子が入り込み、複合粒子同士が導通しにくくなる。したがって、エラストマー成形体の絶縁性がより向上する。また、絶縁性無機粒子の熱伝導率が比較的大きい場合には、複合粒子による熱の伝達経路に加えて、絶縁性無機粒子による熱の伝達経路も形成される。これにより、エラストマー成形体の放熱性がより向上する。また、絶縁性無機粒子が難燃性を有する場合には、エラストマー成形体全体における難燃剤の量が増加することになる。したがって、エラストマー成形体の難燃性がより向上する。
基材中に分散される絶縁性無機粒子は、複合粒子を構成する絶縁性無機粒子と同じであっても、異なっていてもよい。また、分散される絶縁性無機粒子は、一種類でも二種類以上でもよい。繰り返しになるが、基材中に分散される絶縁性無機粒子としては、熱伝導率が比較的大きいものが望ましい。例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク等が好適である。なかでも、熱伝導率が比較的大きく難燃性を有する水酸化アルミニウムが、好適である。
基材中に分散される絶縁性無機粒子の形状は、特に限定されず、球状でも薄片状でもよい。また、基材中に分散される絶縁性無機粒子の大きさは、特に限定されないが、例えば、メディアン径が1μm以上20μm以下であることが望ましい。絶縁性無機粒子の配合量が同じ場合、粒子径が小さいほど表面積が大きくなる。このため、メディアン径が1μm未満の場合、製造時に、混合原料(エラストマー原料+複合粒子+絶縁性無機粒子)の粘度が上昇して、成形しにくくなる。反対に、メディアン径が20μmを超えると、熱伝導性の向上効果が小さくなる。
基材中に分散される絶縁性無機粒子の配合量は、成形のしやすさを考慮すると、エラストマー成形体の体積を100体積%とした場合の20体積%以下とすることが望ましい。15体積%以下とするとより好適である。また、熱伝導性の向上効果を得るためには、5体積%以上とすることが望ましい。8体積%以上とするとより好適である。
高い熱伝導性を実現するという観点から、本発明のエラストマー成形体の熱伝導率は、1W/m・K以上であることが望ましい。熱伝導率は、JIS A1412−2(1999)の熱流計法に準じて測定すればよい。また、電気絶縁性を実現するという観点から、本発明のエラストマー成形体の体積抵抗率は、1kVの電圧印加時に10Ω・cm以上であることが望ましい。体積抵抗率の測定は、JIS K6271(2008)の平行端子電極法に準じて測定すればよい。
<エラストマー成形体の製造方法>
本発明のエラストマー成形体の製造方法は、複合粒子を撹拌造粒法により製造する場合の製造方法であって、複合粒子製造工程と、原料混合工程と、成形工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
(1)複合粒子製造工程
本工程は、撹拌造粒機を用いて、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、絶縁性無機粒子の粉末、およびバインダーを含む粉末原料を撹拌し、複合粒子の粉末を製造する工程である。
熱伝導性粒子、磁性粒子、絶縁性無機粒子、およびバインダーについては、上述した通りである。よって、ここでは説明を割愛する。また、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、絶縁性無機粒子の粉末、およびバインダーの配合量についても、製造される複合粒子の磁場配向性や、複合粒子をエラストマー成形体に配合した場合の電気絶縁性、熱伝導性等を考慮して、適宜調整すればよい。
例えば、熱伝導性粒子として黒鉛を採用した場合には、絶縁性無機粒子の粉末の配合量を、熱伝導性粒子の粉末(黒鉛粉末)100質量部に対して150質量部以上250質量部以下とすることが望ましい。150質量部未満の場合、絶縁性無機粒子の接着量が少ないため、複合粒子間の導通の切断が不充分になる。このため、エラストマー成形体の電気絶縁性を実現できないおそれがある。一方、250質量部を超えると、絶縁性無機粒子の接着量が多くなり、複合粒子間の熱伝導性が低下する。これにより、エラストマー成形体の熱伝導性が低下してしまう。また、磁性粒子の粉末の配合量については、黒鉛粉末100質量部に対して100質量部以上200質量部以下とすることが望ましい。100質量部未満の場合、磁性粒子の接着量が少ないため、複合粒子の配向に必要な磁性が不足するおそれがある。一方、200質量部を超えて配合すると、磁性粒子の接着量が過剰になる。よって、その分だけ、エラストマー成形体の質量の増加や、コスト高を招く。
バインダーの配合量は、接着させる粒子を被覆するのに必要十分な量として、接着対象の粉末の合計質量を100質量%とした場合の、2質量%以上4質量%以下であることが望ましい。バインダーの配合量が2質量%未満の場合には、熱伝導性粒子、磁性粒子、および絶縁性無機粒子の表面にバインダーが行き渡らず、接着性が低下する。一方、4質量%を超えると、過剰のバインダーにより、複合粒子同士が凝集するおそれがある。バインダーは固体でも液体でもよい。バインダーとして水溶性の粉末を用いる場合、予め、バインダーと他の原料の粉末とを撹拌した後に、水を添加するとよい。こうすることにより、粒子の凝集を抑制することができる。
絶縁性無機粒子を、複合粒子の最表層に配置する場合には、まず磁性粒子を熱伝導性粒子に接着させて、次に絶縁性無機粒子を接着させればよい。この場合、本工程を、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、およびバインダーを含む第一粉末原料を撹拌する第一撹拌工程と、撹拌物に、絶縁性無機粒子の粉末およびバインダーを添加して、さらに撹拌する第二撹拌工程と、を有するように構成するとよい。
(2)原料混合工程
本工程は、先の工程において製造された複合粒子の粉末と、エラストマー原料と、必要に応じて絶縁性無機粒子の粉末と、を混合して混合原料とする工程である。
エラストマー原料は、エラストマー成分のポリマー(エラストマーが架橋ゴムの場合には、架橋前のポリマー)の他、必要に応じて、架橋剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、減粘剤、安定剤、充填剤、着色剤等を含む。混合原料は、複合粒子の粉末とエラストマー原料とを、プロペラ等を用いて撹拌して、製造すればよい。
上述したように、本発明のエラストマー成形体においては、基材中に、複合粒子とは別に、絶縁性無機粒子が分散されていてもよい。この形態のエラストマー成形体を製造する場合には、エラストマー原料に、複合粒子の粉末と絶縁性無機粒子とを混合すればよい。
上述したように、成形性や物性への影響を少なくするという観点から、複合粒子の配合量を、エラストマー成形体の体積を100体積%とした場合の50体積%以下とすることが望ましい。30体積%以下とするとより好適である。一方、熱伝導性の向上効果を得るためには、複合粒子の配合量を、3体積%以上とすることが望ましい。10体積%以上とするとより好適である。
(3)成形工程
本工程は、先の工程において得られた混合原料を、成形型に配置して、該混合原料に磁束密度が略均一な磁場をかけながら成形する工程である。
成形型は、密閉型でも開放型でもよい。磁場は、複合粒子を配向させる方向に形成すればよい。例えば、複合粒子を直線状に配向させる場合、混合原料の一端から他端に向かって、磁力線を作用させることが望ましい。このような磁場を形成するためには、混合原料を挟むように磁石を配置すればよい。磁石には、永久磁石または電磁石を用いればよい。電磁石を用いると、磁場形成のオン、オフを瞬時に切り替えることができ、磁場の強さの制御が容易である。よって、成形を制御しやすい。
また、磁場を構成する磁力線は閉ループを形成していることが望ましい。こうすることで、磁力線の漏洩が抑制され、混合原料に安定した磁場を作用させることができる。なお、成形型の外部に配置した磁石により、成形型の内部に磁場を形成させるには、成形型としては透磁率の低い材質、つまり非磁性の材質のものを使用するとよい。例えば、アルミニウムやアルミニウム合金製の成形型が好適である。この場合、電磁石等の磁力源から発生する磁場、磁力線が影響を受けにくく、磁場状態のコントロールがしやすい。ただし、必要とする磁場、磁力線の状態に応じて適宜、磁性材料からなる成形型を使用してもよい。
本工程において、混合原料に作用する磁場の磁束密度は、略均一である。具体的には、混合原料における磁束密度の差が、±10%以内であるとよい。±5%以内、さらには±3%以内であるとより好適である。混合原料に一様な磁場を作用させることにより、複合粒子の偏在を抑制することができ、所望の配向状態を得ることができる。また、成形は、150mT以上350mT以下の磁束密度で行うとよい。こうすることで、混合原料中の複合粒子を、確実に配向させることができる。本工程にて成形が終了した後、脱型して、本発明のエラストマー成形体を得る。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<複合粒子の製造>
[実施例]
絶縁性無機粒子が異なる二種類の複合粒子を製造した。まず、熱伝導性粒子としての膨張黒鉛粉末(三洋貿易(株)から購入した「SYZR502FP」、熱伝導率250W/m・K、平均粒子径300μm)と、磁性粒子としてのステンレス鋼粉末(SUS410L、薄片状、平均粒子径20μm)と、絶縁性無機粒子としてのアルミナ粉末(昭和電工(株)製「AL−43KT」、メディアン径4.6μm)と、バインダーとしてのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、信越化学工業(株)製「TC−5」)と、を準備した。上記薄片状のステンレス鋼粉末は、球状のステンレス鋼粉末(大同特殊鋼(株)製「DAP410L」、平均粒子径10μm)を、扁平化処理して製造した。すなわち、球状のステンレス鋼粉末を、遊星ボールミル(Gokin Planetaring社製「Planet−M」)に、直径5mmのジルコニア製ボールと共に充填し、回転速度300rpmで1時間、処理した。
次に、膨張黒鉛粉末、ステンレス鋼粉末、およびHPMCを、高速撹拌型混合造粒機((株)奈良機械製作所製「NMG−1L」)の容器内へ投入し、3分間混合した。その後、水を添加して、さらに10分間混合した(第一撹拌工程)。続いて、アルミナ粉末およびHPMCを添加して、3分間混合した。その後、水を添加して、さらに10分間混合した(第二撹拌工程)。得られた粉末を乾燥した後、目開き500μmの篩いにより篩い分けして、最大長さが500μm以下の粒子を回収した。このようにして、実施例1の複合粒子の粉末を製造した。
また、絶縁性無機粒子を、水酸化アルミニウム粉末(昭和電工(株)製「ハイジライト(登録商標)H32」、メディアン径8μm)に変更し、上記同様にして、実施例2の複合粒子の粉末を製造した。
原料の配合量については、後出の表1に示す。ここで、HPMCについては、第一撹拌工程、第二撹拌工程の各々において、6gずつ配合した。実施例1、2の複合粒子において、膨張黒鉛粒子とステンレス鋼粒子との体積比は、約6:4であった。また、実施例1の複合粒子において、膨張黒鉛粒子とアルミナ粒子との体積比は、約4:6であった。実施例2の複合粒子において、膨張黒鉛粒子と水酸化アルミニウム粒子との体積比は、約3.5:6.5であった。
[比較例]
絶縁性無機粒子としての水酸化アルミニウム粉末の配合量を変更して、三種類の複合粒子を製造した。なお、比較例3については、水酸化アルミニウム粉末を配合せずに、膨張黒鉛粒子にステンレス鋼粒子だけを複合化した(表1参照)。比較例1の複合粒子において、膨張黒鉛粒子と水酸化アルミニウム粒子との体積比は、約2.5:7.5であった。また、比較例2の複合粒子において、膨張黒鉛粒子と水酸化アルミニウム粒子との体積比は、約5:5であった。
[複合粒子のSEM観察]
製造した複合粒子の粉末を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。図1に、実施例2の複合粒子のSEM写真を示す(倍率500倍)。図2に、比較例3の複合粒子のSEM写真を示す(倍率500倍)。図2に示すように、比較例3の複合粒子においては、膨張黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が接着されていることが確認できる。一方、図1に示すように、実施例2の複合粒子においては、膨張黒鉛粒子の表面にステンレス鋼粒子が接着されており、その上に水酸化アルミニウム粒子が接着されていることが確認できる。つまり、実施例2の複合粒子においては、水酸化アルミニウム粒子が最表面に配置されている。
<エラストマー成形体の製造>
製造した複合粒子を用いて、エラストマー成形体を製造した。まず、RTV(室温硬化型)シリコーンゴム(信越化学工業(株)製「KE−1886」)に、製造した複合粒子を各々配合して、五種類の混合原料を調製した。これとは別に、RTVシリコーンゴム(同上)に、実施例2の複合粒子と水酸化アルミニウム粉末(同上)とを配合して、混合原料を調製した。水酸化アルミニウム粉末の配合量は、製造されるエラストマー成形体の体積を100体積%とした場合の8体積%とした。また、いずれの混合原料についても、複合粒子の配合量は、製造されるエラストマー成形体の体積を100体積%とした場合の30体積%とした。
続いて、各混合原料を、予めオーブンにて100℃に加熱したアルミニウム製の成形型(後述する図3、図4参照。キャビティは縦130mm×横130mm×厚さ20mmの直方体。)に注入し、密閉した。そして、成形型を磁気誘導成形装置に設置して、成形を行った。図3に、磁気誘導成形装置の斜視図を示す。図4に、同装置の断面図を示す。図4においては、説明の便宜上、ヨーク部および芯部のハッチングを省略して示す。図3、図4に示すように、磁気誘導成形装置1は、架台2と、電磁石部3と、成形型4と、面状ヒーター50と、断熱部材51と、を備えている。
電磁石部3は、架台2の上面に載置されている。電磁石部3と架台2とは、各々にブラケット21をねじ止めすることにより、固定されている。電磁石部3は、ヨーク部30U、30Dと、コイル部31L、31Rと、ポールピース32U、32Dと、を備えている。
ヨーク部30Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部30Dも同様に、鉄製であり、平板状を呈している。ヨーク部30U、30Dは、上下方向に対向して配置されている。
コイル部31Lは、ヨーク部30U、30Dの間に介装されている。コイル部31Lは、成形型4の左側に配置されている。コイル部31Lは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部31Lは、各々、芯部310Lと導線311Lとを備えている。芯部310Lは、鉄製であって、上下方向に延びる柱状を呈している。導線311Lは、芯部310Lの外周面に巻装されている。導線311Lは、電源(図略)に接続されている。
コイル部31Rは、ヨーク部30U、30Dの間に介装されている。コイル部31Rは、成形型4の右側に配置されている。コイル部31Rは、上下方向に二つ重ねて配置されている。コイル部31Rは、各々、コイル部31Lと同様の構成を備えている。すなわち、コイル部31Rは、芯部310Rと導線311Rとを備えている。導線311Rは、芯部310Rの外周面に巻装されている。導線311Rは、電源(図略)に接続されている。
ポールピース32Uは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース32Uは、ヨーク部30Uの下面中央に配置されている。ポールピース32Uは、ヨーク部30Uと成形型4との間に介装されている。ポールピース32Dは、鉄製であり、平板状を呈している。ポールピース32Dは、ヨーク部30Dの上面中央に配置されている。
成形型4は、コイル部31Lとコイル部31Rとの間に、配置されている。成形型4は、上型40Uと下型40Dとを備えている。上型40Uは、正方形板状を呈している。下型40Dは、直方体状を呈している。下型40Dの上面には、凹部が形成されている。凹部は、上方に開口する直方体状を呈している。上型40Uと下型40Dとが合体することにより、直方体状のキャビティ41が区画されている。キャビティ41には、上述したように、混合原料が充填されている。
面状ヒーター50は、正方形シート状を呈している。面状ヒーター50は、下型40Dの下面を覆うように配置されている。面状ヒーター50により、成形型4は100℃に保持されている。
断熱部材51は、ガラス繊維製であり、平板状を呈している。断熱部材51は、面状ヒーター50とポールピース32Dとの間に介装されている。断熱部材51により、面状ヒーター50から電磁石部3への熱の移動が、抑制されている。
導線311Lに接続された電源および導線311Rに接続された電源を、共にオンにすると、コイル部31Lの芯部310Lの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部310Lに、下方から上方に向かって磁力線L(図4に点線で示す)が発生する。同様に、コイル部31Rの芯部310Rの上端がN極に、下端がS極に磁化される。このため、芯部310Rに、下方から上方に向かって磁力線Lが発生する。
コイル部31Lの芯部310L上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部30U、ポールピース32Uを通って、成形型4のキャビティ41内に流入する。その後、ポールピース32D、ヨーク部30Dを通って、芯部310L下端に流入する。同様に、コイル部31Rの芯部310R上端から放射された磁力線Lは、ヨーク部30U、ポールピース32Uを通って、成形型4のキャビティ41内に流入する。その後、ポールピース32D、ヨーク部30Dを通って、芯部310R下端に流入する。このように、磁力線Lは閉ループを構成するため、磁力線Lの漏洩は抑制される。また、成形型4のキャビティ41内には、上方から下方に向かって略平行な磁力線Lにより一様な磁場が形成される。具体的には、キャビティ41内の磁束密度は、約300mTであった。また、キャビティ41内における磁束密度の差は、±3%以内であった。
成形は、100℃下で、30分間磁場をかけながら行った。成形が終了した後、脱型して、エラストマー成形体を得た。得られたエラストマー成形体を、複合粒子の番号と対応させて番号付けした。また、複合粒子に加えて水酸化アルミニウム粉末を含むエラストマー成形体については、実施例3のエラストマー成形体とした。各エラストマー成形体の断面を、目視で観察したところ、複合粒子が互いに連接して配向していた。実施例3のエラストマー成形体においては、シリコーンゴム(基材)中に、水酸化アルミニウム粒子が分散していた。
<評価方法>
製造したエラストマー成形体について、熱伝導性、電気絶縁性、および難燃性を評価した。以下、各々の評価方法について説明する。
[熱伝導性]
エラストマー成形体の熱伝導率を、JIS A1412−2(1999)の熱流計法に準拠した、英弘精機(株)製「HC−110」を用いて測定した。
[電気絶縁性]
エラストマー成形体の体積抵抗率を、JIS K6271(2008)の平行端子電極法に準じて測定した。印加電圧は、1kVとした。
[難燃性]
エラストマー成形体の難燃性を、米国のUnderwriters Laboratories,Inc.により制定された燃焼試験規格(UL94)に基づいて、評価した。そして、「V−0」の判定基準を満たした場合を、合格(表1中○印で示す)と評価した。
<評価結果>
表1に、各エラストマー成形体の評価結果を、複合粒子の製造に用いた原料の配合量と共に示す。
表1に示すように、実施例1〜3のエラストマー成形体は、1W/m・K以上の熱伝導率と、10Ω・cm以上の体積抵抗率と、の両方を満足している。なかでも、複合粒子に加えて絶縁性無機粒子を分散させた実施例3のエラストマー成形体においては、熱伝導率および体積抵抗率のいずれも、より大きくなった。このように、実施例1〜3のエラストマー成形体は、高い熱伝導性と電気絶縁性とを有することが確認された。これに対して、絶縁性無機粒子を含まない複合粒子を配合した比較例3のエラストマー成形体においては、熱伝導性は高いものの、電気絶縁性を実現できていない。
また、エラストマー成形体の熱伝導率および体積抵抗率は、複合粒子を製造する際の絶縁性無機粒子の配合量により変化した。例えば、絶縁性無機粒子の配合量が多い比較例1のエラストマー成形体においては、体積抵抗率は大きいが熱伝導率は小さくなった。絶縁性無機粒子の配合量が多いと、絶縁性無機粒子の接着量が多くなる。この分、隣接する熱伝導性粒子間の距離が大きくなる。これにより、複合粒子間の電気抵抗は大きくなるが、熱伝導性は低下する。したがって、エラストマー成形体の電気絶縁性は実現できるが、所望の熱伝導性を得られなかった。一方、絶縁性無機粒子の配合量が少ない比較例2のエラストマー成形体においては、熱伝導率は大きいが体積抵抗率は小さくなった。絶縁性無機粒子の配合量が少ないと、絶縁性無機粒子の接着量が少なくなる。よって、熱伝導性は低下しにくいが、複合粒子間の導通の切断が不充分になる。したがって、エラストマー成形体の熱伝導性は高いが、電気絶縁性を実現することはできなかった。
難燃性については、いずれのエラストマー成形体においても、UL94のV−0基準をクリアした。この結果より、熱伝導性粒子として膨張黒鉛粒子を用いると、磁性粒子が配合されていても、高い難燃性を実現できることが確認された。
本発明のエラストマー成形体は、電子機器、自動車、建築等の幅広い分野において用いることができる。具体的には、パソコン等の電子機器に用いられる放熱部材、車載用ECU(電子制御ユニット)の放熱部材、LED(発光ダイオード)照明用の放熱部材等に好適である。
1:磁気誘導成形装置、2:架台、21:ブラケット、3:電磁石部、30D、30U:ヨーク部、31L、31R:コイル部、32D、32U:ポールピース、310L、310R:芯部、311L、311R:導線、4:成形型、40U:上型、40D:下型、41:キャビティ、50:面状ヒーター、51:断熱部材、L:磁力線。

Claims (11)

  1. ソリッドエラストマーからなる基材と、該基材中に配合され互いに連接して配向している複合粒子と、を有し、
    該複合粒子は、非磁性体であり天然黒鉛粒子および膨張黒鉛粒子から選ばれる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子および絶縁性無機粒子と、からなり、
    該複合粒子の最表層には、該絶縁性無機粒子が配置され、
    該複合粒子における該熱伝導性粒子と該絶縁性無機粒子との体積割合は、4:6〜3:7であることを特徴とするエラストマー成形体。
  2. 前記絶縁性無機粒子の熱伝導率は、5W/m・K以上である請求項1に記載のエラストマー成形体。
  3. 前記絶縁性無機粒子は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルクから選ばれる一種以上である請求項に記載のエラストマー成形体。
  4. 前記絶縁性無機粒子の粒子径は、前記熱伝導性粒子の粒子径の1/100以上1/10以下である請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエラストマー成形体。
  5. 前記バインダーは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエラストマー成形体。
  6. 前記ソリッドエラストマーは、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれかである請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエラストマー成形体。
  7. 熱伝導率は1W/m・K以上、かつ、1kVの電圧印加時の体積抵抗率は10Ω・cm以上である請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエラストマー成形体。
  8. さらに、前記基材中に分散される前記絶縁性無機粒子を有する請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエラストマー成形体。
  9. ソリッドエラストマーからなる基材と、該基材中に配合され互いに連接して配向している複合粒子と、を有し、
    該複合粒子は、非磁性体からなる熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子および絶縁性無機粒子と、からなり、
    該複合粒子の最表層には、該絶縁性無機粒子が配置され、
    該複合粒子における該熱伝導性粒子と該絶縁性無機粒子との体積割合は、4:6〜3:7であるエラストマー成形体の製造方法であって、
    撹拌造粒機を用いて、熱伝導性粒子の粉末、磁性粒子の粉末、および該バインダーを含む第一粉末原料を撹拌する第一撹拌工程と、撹拌物に、該絶縁性無機粒子の粉末および該バインダーを添加して、さらに撹拌する第二撹拌工程と、を有し、該複合粒子の粉末を製造する複合粒子製造工程と、
    製造された該複合粒子の粉末と、エラストマー原料と、必要に応じて絶縁性無機粒子の粉末と、を混合して混合原料とする原料混合工程と、
    該混合原料を成形型に配置して、該混合原料に磁束密度が略均一な磁場をかけながら成形する成形工程と、
    を有することを特徴とするエラストマー成形体の製造方法。
  10. 前記複合粒子製造工程において、前記絶縁性無機粒子の粉末の配合量は、前記熱伝導性粒子の粉末100質量部に対して150質量部以上250質量部以下である請求項に記載のエラストマー成形体の製造方法。
  11. 前記熱伝導性粒子は、天然黒鉛粒子および膨張黒鉛粒子の少なくとも一方である請求項9または請求項10に記載のエラストマー成形体の製造方法。
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