JP2023070122A - 熱伝導材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】略等方的で高い熱伝導性を実現できる熱伝導材を提供する。【解決手段】本発明は、略球状の基粒子と基粒子の表面に樹脂層を介して接着した扁平状の被着粒子とを有する複合粒子を含む熱伝導材である。その複合粒子は、さらに、被着粒子よりも粒径の大きい架橋粒子を表面側に有してもよい。本発明の熱伝導材は、複合粒子を含むフィラーでも、そのフィラーをマトリックス中に含む複合材でもよい。複合粒子は、例えば、略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と樹脂とが混在した混合物を加圧して成形体を粉砕して得られる。また複合粒子は、略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と第2粒子よりも粒径の大きい第3粒子と樹脂を多段階混合して製作されてもよい。【選択図】図13

Description

本発明は、熱伝導材等に関する。
素子、機器、装置等は、高密度化や高性能化等に伴い発熱量が増加しており、それらの機能や寿命等を確保するため、十分な放熱が必要となる。例えば、電子機器(半導体モジュール等)なら、熱伝導性に優れる放熱材(ヒートシンク、筐体、放熱シート(熱伝導性シート)、熱伝導性グリース等)などを通じて放熱される。放熱材には、金属単体の他、成形性等に優れる複合材が用いられることが多い。複合材は、通常、熱伝導性に優れるフィラーと、そのフィラーを保持するマトリックス(例えば、エラストマー、ゴム等を含む樹脂)とからなる。
フィラーとして、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス粒子(繊維を含む)が用いられてきた。しかし、これらの粒子は略球状であるため、粒子同士の接触率や接触面積が小さく、粒子間で十分な熱伝導パスが形成され難い。
最近では、フィラーとして、熱伝導性、電気絶縁性、化学的安定性等に優れる窒化ホウ素(BN)粒子が用いられるようになってきた。窒化ホウ素には、一般的に、六方晶系の常圧相(適宜「h-BN」という。)と、立方晶系の高圧相(適宜「c-BN」という。)とがある。通常、h-BN粒子がフィラーとして用いられる。h-BN粒子は、黒鉛と類似した六角網目層が積層された扁平状(鱗片状、板状)の粒子である。一般的に、その面方向(a軸(100)方向)の熱伝導率が厚さ方向(c軸(002)方向)の熱伝導率よりも大きい(熱伝導異方性)。
さらに、粒径や熱伝導特性が異なる複数種の粒子を混在させたフィラーやそのフィラーを充填(分散、内包)させた複合材も提案がなされており、例えば、下記の特許文献に関連した記載がある。
特開2008-106231 特開2011-184507 特開2019-43804
特許文献1は、窒化硼素粉末と球状アルミナ粉末を単純混合した粉末(フィラー)を、エポキシ樹脂(マトリックス)中に混在させた電子機器用接着剤シート(複合材)を提案している([0056]、表1の実施例9)。その熱伝導率は高々3.6W/mKに留まっている。
特許文献2は、アルミナ、窒化ホウ素および窒化アルミニウムを単純混合した粉末(フィラー)を、シリコーン樹脂(マトリックス)中に混在させたシート(複合材)を提案している([0027]、表4)。その熱伝導率は高々7.2W/mKに留まっている。
特許文献3は、窒化ホウ素粒子と窒化アルミニウム粒子からなる混合粉末を窒素雰囲気下でホットプレス(40MPa×1800℃×2時間)して得られた圧縮焼成体に、さらに、ハンマーと乳鉢による予備粉砕と高圧ノズル噴射による湿式衝突粉砕とを施して得られた複合粒子(フィラー)を提案している。その複合粒子をエポキシ樹脂(マトリックス)中に混在させた熱伝導性複合材料は、成形時の圧縮方向(z方向)の熱伝導率が高々4W/mK、その直交方向(x方向)の熱伝導率が高々5.9W/mKに留まっている。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、新たな熱伝導材等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、略球状の粒子に扁平状の粒子が樹脂で接着された複合粒子が、ほぼ等方的に高い熱伝導率を発現し得ることを新たに見出した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《熱伝導材》
(1)本発明は、略球状の基粒子と該基粒子の表面に樹脂を介して接着した扁平状の被着粒子とを有する複合粒子を含む熱伝導材である。
本発明によれば、少なくとも複合粒子を含むフィラー(熱伝導材の一形態)またはそのフィラーを含む複合材(熱伝導材の別形態)の熱伝導率をほぼ等方的に向上させ得る。この理由は定かではないが、本発明に係る複合粒子の形態(構造)に起因していると考えられる。すなわち本発明に係る複合粒子は、略球状の粒子と扁平状の粒子が単に混在または接触しているだけではなく、略球状の基粒子の外表面に扁平状の被着粒子が樹脂(層)を介して接着された状態となっている。つまり、複合粒子は、基粒子の略球状の外表面まわりに、複数の扁平な被着粒子が様々な向きで面状に密接した状態となっている。
このため、複合粒子同士も、被着粒子を通じて様々な方向で接触(さらには面接触)する機会が増え、十分な熱伝導パスがほぼ等方的に形成され得る。この結果、本発明の熱伝導材は、上述した優れた熱伝導性を発現するようになったと考えられる。
(2)本発明に係る複合粒子は、さらに、被着粒子よりも粒径の大きい架橋粒子を(最)表面側に有してもよい。架橋粒子が複合粒子間の接触機会を増加させ、上述した熱伝導パスの形成を促進する。これにより熱伝導材の熱伝導特性がさらに向上し得る。
《熱伝導材の製造方法》
(1)本発明は、熱伝導材の製造方法としても把握される。例えば、本発明は、略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と樹脂とが混在した混合物を得る調製工程と、該混合物を加圧して成形体を得る成形工程と、該成形体を粉砕する粉砕工程とを備え、該第1粒子(基粒子)の表面に該第2粒子(被着粒子)が該樹脂により接着された複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法でもよい。
なお、成形工程は、混合物中の樹脂が粒子間に流入または浸入し易い状態(例えば、樹脂が軟化または溶融した状態)でなされるとよい。その樹脂が成形時に固化状態または流動性し難い状態であれば、加熱して成形(つまり温間成形)されてもよい。
(2)本発明は、例えば、略球状の第1粒子と樹脂を混合した第1混合物を得る第1混合工程と、該第1混合物と扁平状の第2粒子を混合した第2混合物を得る第2混合工程とを備え、該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着された複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法でもよい。
成形工程を行わずに混合工程だけでも、樹脂を介して第1粒子と第2粒子が密着した複合粒子が得られる。樹脂が熱硬化性樹脂の場合、第2混合物を加熱すれば、第1粒子と第2粒子を接着する樹脂を硬化させられる(熱硬化工程)。これにより第1粒子と第2粒子が熱硬化した樹脂で強固に接着されたフィラーが得られる。
(3)本発明は、例えば、略球状の第1粒子と樹脂を混合した第1混合物を得る第1混合工程と、該第1混合物と扁平状の第2粒子を混合した第2混合物を得る第2混合工程と、該第2混合物と該第2粒子よりも粒径の大きい第3粒子を混合した第3混合物を得る第3混合工程とを備え、該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着されていると共に(最)表面側に該第3粒子が付着している複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法でもよい。
第3混合物に樹脂をさらに混在させてもよい。これにより第3粒子も樹脂を介して第2粒子等に積極的に接着され得る。熱硬化性樹脂を用いるときは、その熱硬化工程が適宜なされてもよい。熱硬化工程は、第2混合工程後と第3混合工程後の両方でなされてもよいし、それらの一方(特に第3混合工程後)だけでなされてもよい。
(4)上述した第1混合工程と第2混合工程は併合(融合)してなされてもよい。例えば、本発明は、略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と樹脂を混合した混合物(便宜上「第4混合物」という。)を得る混合工程(便宜上「第4混合工程」という。)を備え、該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着された複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法でもよい。その混合工程後に上述した第3混合工程がなされてもよい。
また、上述した第1混合工程、第2混合工程および第3混合工程も併合(融合)されてもよい。例えば、本発明は、略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と該第2粒子よりも粒径の大きい第3粒子と樹脂を混合した混合物(便宜上「第5混合物」という。)を得る混合工程(便宜上「第5混合工程」という。)を備え、該第1粒子の表面側に該第2粒子と該第3粒子が該樹脂により接着されている複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法でもよい。
熱硬化性樹脂を用いるときは、その熱硬化工程が適宜なされてもよい。熱硬化工程は、混合工程毎になされてもよいし、いずれかの混合工程後(特に最終の混合工程後)にだけなされてもよい。
《複合材/熱伝導部材》
本発明の熱伝導材は、少なくとも複合粒子を含むフィラー(熱伝導材の一形態)の他、少なくとも複合粒子がマトリックス(またはバインダ)中に分散した複合材(熱伝導材の他形態)、その複合材からなる熱伝導部材(熱伝導材の別形態)としても把握される。
マトリックスは、複合粒子を内包または支持(保持を含む。)できれば足り、固体に限らず、半固体(半流動体)さらには液体(流動体)等でもよい。例えば、本発明の熱伝導材(複合材)は、放熱部材、基板、ケース、シート、フィルム等の固体の他、オイル、グリース等の(半)液体(流体)でもよい。本明細書では、そのような複合材をまとめて、その状態にかかわらず、単に「熱伝導部材」ともいう。
架橋粒子を用いる場合、その架橋粒子は複合粒子の一部(構成要素)となる他、複合粒子と独立した別なフィラーと考えてもよい。例えば、架橋粒子と基粒子に被着粒子が接着した複合粒子とを付着(接着)させずに混在させた複合フィラー、その複合フィラーをマトリックス中に分散させた複合材や熱伝導部材等も、本発明の熱伝導材として把握してもよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「~材」は、「材料」または「部材」を意味する。例えば、熱伝導材は、複合粒子自体、複合粒子を含むフィラー、それらの集合体(粉末)等でもよいし、複合粒子やフィラー(粒子、粉末等)と母材(マトリックス、バインダ)からなる有形または無形な複合材(素材を含む)でもよいし、複合材からなる素材を所望形状に加工した有形の部材等でもよい。
(2)本明細書でいう「x~y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a~b」のような範囲を新設し得る。本明細書でいう「x~yμm」は、特に断らない限り、xμm~yμmを意味する。他の単位系(W/mK、Ωm等)についても同様である。
複合粒子の製作工程例を示す模式図である。 試料1のフィラー(複合粒子)の製作過程で得られた成形体の断面を観察したSEM像である。 試料1に係る複合粒子のSEM像である。 その複合粒子のSEM像とEDX分析像である。 試料C0のフィラーのSEM像である。 複合材の熱伝導率を比較した棒グラフである。 複合粒子の粒径比(h-BN/AlN)と複合材の熱伝導率との関係を示す棒グラフである。 フィラーの形態が熱伝導パスの形成に及ぼす影響を示す模式図である。 複合粒子の別な製作工程例を示す模式図である。 試料31に係る複合粒子のSEM像である。 試料41に係る複合粒子のSEM像である。 複合材(基粒子:AlN)の熱伝導率を比較した棒グラフである。 複合材(基粒子:Al)の熱伝導率を比較した棒グラフである。 複合粒子の別な製作工程例を示す模式図である。 異なるフィラーを含む複合材の熱伝導率と空隙率を比較したグラフである。 それらの複合材の断面を観察したSEM像である。 それらの複合材の断面を示す模式図である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、熱伝導材(複合粒子、フィラー、複合材、部材等)のみならず、その製造方法等にも該当し得る。方法的な構成要素であっても物に関する構成要素となり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《複合粒子》
複合粒子は、基粒子(第1粒子)、被着粒子(第2粒子)および樹脂を少なくとも含む。複合粒子は、架橋粒子(第3粒子)をさらに含んでもよい。各粒子は、凝集した二次粒子でもよい。また複合粒子または複合粒子を含むフィラーには、接着していない基粒子、被着粒子、架橋粒子が含まれてもよい。さらに別な粒子(例えば、黒鉛(カーボンブラックを含む。)、ダイヤモンド、ナノカーボン(カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン(CNH)、フラーレン、グラフェン等)からなる粒子)が、フィラーや複合材に含まれていてもよい。
ちなみに本明細書では、適宜、基粒子となる原料粒子を第1粒子、被着粒子となる原料粒子を第2粒子、架橋粒子となる原料粒子を第3粒子という。複合粒子への調製前後で、粒子形状は変化してもよい。
(1)粒形
基粒子(第1粒子)は略球状であり、被着粒子は扁平状である。架橋粒子の粒形は、例えば、板状、扁平状、繊維状等である。
「略球状」とは、例えば、基粒子の観察像(例えばSEM像)から求まる円形度が0.6以上さらには0.7以上である。なお、円形度の理論的な上限値は1であるが、実質的な上限値は0.98以下である。
円形度は、粒子の最大長(L)とその面積(S)から、4S/πLとして求まる。具体的には、観察像をソフトウェア(ImageJ等)で画像処理して求めることができる。通常、視野内(650μm×450μm)にある複数の粒子について求めた円形度の算術平均値を、本明細書でいう「円形度」として採用すればよい。
「扁平状」とは、例えば、粒子の最小長(t)に対する粒子の最大長(L)の割合であるアスペクト比(L/t)が、例えば、3~300(さらには20~200)である。粒子の最小長(t)と最大長(L)は、上述した観察像から求まる。通常、上述した視野内にある複数の粒子について求めたアスペクト比の算術平均値を、本明細書でいう「アスペクト比」として採用すればよい。「板状」や「繊維状」等についても、「扁平状」と同様に考えられる。
(2)粒径比
基粒子の粒径(L1)に対する被着粒子の粒径(L2)の割合である粒径比(L2/L1)は、例えば、0.01~2、0.04~1、0.08~0.5または0.1~0.3である。粒径比が過小になると、熱伝導材の熱伝導率が低下し得る。粒径比が過大になると、被着粒子が基粒子の外表面に接着し難くなる。
架橋粒子の粒径(L3)は、被着粒子の粒径(L2)より大きいとよい(L2<L3)。被着粒子の粒径(L2)に対する架橋粒子の粒径(L3)の割合である粒径比(L3/L2)は、例えば、1.1~20、1.4~15さらには3~10である。粒径比が過小でも過大でも、架橋粒子による複合粒子間の連携性が低下し得る。なお、被着粒子および架橋粒子は、通常、基粒子よりも粒径が小さい(L2<L1、L3<L1)。
本明細書でいう「粒径」は粒子の最大長(L)とする。その粒径は、上述した観察像から求められる。複数の粒子については、視野内(650μm×450μm)にある各粒子の粒径の算術平均値を、本明細書でいう「粒径」として採用すればよい。なお、本明細書では、粒子の形状(略球状、扁平状、鱗片状、板状、繊維状、長球状等)とは関係なく、粒子サイズを単に「粒径」という。
複合材または複合粒子を構成する粒子の粒径は、複合材や複合粒子から分離・抽出した粒子について、上述した方法で同様に算出され得る。
原料粉末(第1粒子、第2粒子または第3粒子)の粒径には、レーザ回折法で得られる粒度分布から定まる50%径(D50:メディアン径)を代替的に採用してもよい。
各粒子の粒径自体は問わない。敢えていえば、基粒子の粒径は、例えば、10~200μm、20~150μm、35~120μmさらには40~95μmである。また被着粒子の粒径は、例えば、2~100μm、4~75μm、8~50μmさらには15~35μmである。さらに架橋粒子の粒径は、例えば、5~150μm、10~100μmさらには15~50μmである。
(3)体積比
基粒子は、基粒子と被着粒子の合計量(適宜「第1合計量」という。)に対する体積比(適宜「第1体積比」という。)が、例えば、0.5~0.9、0.6~0.85さらには0.7~0.82である。架橋粒子が含まれる場合なら、基粒子は、基粒子と被着粒子と架橋粒子の合計量(適宜「第2合計量」という。)に対する体積比(適宜「第2体積比」という。)が、例えば、0.4~0.85、0.5~0.8さらには0.6~0.76である。被着粒子に対する架橋粒子の体積比(適宜「第3体積比」という。)は、例えば、0.1~2、0.2~1.5さらには0.3~1である。各体積比が過小でも過大でも、熱伝導性またはその等方性が低下し得る。
粒子の体積は、例えば、その質量(含有量)とその真密度から算出される。体積比は、各粒子について算出した体積から算出される。複合材または複合粒子を構成する粒子なら、分離・抽出後の粒子について同様に算出してもよい。調製時の体積なら、各原料粉末の配合量(質量)とその真密度から算出され得る。
(4)被覆率
複合粒子の少なくとも一部は、例えば、被着粒子が覆う基粒子の表面積の割合(「被覆率」という。)が50%以上、60%以上さらには70%以上であるとよい。被覆率が過小では、熱伝導率やその等方性が低下し得る。なお、被覆率は次のようにして求まる。複合粒子の表面をSEM/EDXで観察して、基粒子の成分量と被着粒子の成分量を測定する。被覆率は、(被着粒子の成分量)/{(基粒子の成分量)+(被着粒子の成分量)}とする。例えば、図2CのSEM/EDX像に示すように、AlN粒子がh-BN粒子で被覆されている複合粒子なら、その1個の粒子表面から求まるAl量(基粒子の成分量)とN量(被着粒子の成分量)から、N量/(Al量+N量)をその被覆率とする。なお、数個の粒子について求めた被覆率の算術平均値を採用してもよい。
(5)材質
基粒子(第1粒子)や被着粒子(第2粒子)は、高熱伝導率な材質からなるとよい。基粒子として、例えば、窒化アルミニウム(AlN等)、酸化アルミニウム(Al等)、酸化ケイ素(SiO等)、立方晶系窒化ホウ素(c-BN)などの一種以上からなる略球状粒子がある。また被着粒子または架橋粒子として、六方晶系窒化ホウ素(h-BN)からなる扁平状粒子または板状粒子がある。なお、電子機器等に用いる熱伝導材なら、基粒子も被着粒子も絶縁材からなるとよい。
(6)樹脂
接着に用いる樹脂(樹脂層、接着層)は、熱可塑性樹脂からなっても、熱硬化性樹脂からなってもよい。熱硬化性樹脂は、適宜、熱硬化処理がなされてもよい。熱硬化した樹脂層により、基粒子(第1粒子)、被着粒子(第2粒子)または架橋粒子(第3粒子)はより強く密接した状態となる。
樹脂は、粒子間の接着ができれば足る。樹脂は、複合粒子全体に対して、例えば、0.1~5質量%、0.3~3.5質量%または0.5~2.5質量%でもよい。複合粒子全体に対する体積割合でいうなら、樹脂は、例えば、1~45体積%、5~40体積%、10~35体積%または15~30体積%でもよい。なお、複合粒子を構成する樹脂は、後述する複合材のマトリックスを構成する樹脂と同種でも異種でもよい。
《複合材》
複合材は、少なくとも複合粒子を含むフィラーと、そのフィラーを支持、保持または分散させるマトリックス(バインダを含む。)とからなる。
(1)フィラー
フィラーは、例えば、複合材全体に対して50~95体積%、55~85体積%または60~80体積%含まれる。フィラーの充填率が過小では複合材の熱伝導率も低下し得る。フィラーの充填率を過大にしても、複合材の熱伝導率は必ずしも増加しない。
なお、複合材の製造時におけるフィラーの充填率(体積%)は、原料の配合量と密度から特定される。複合材中におけるフィラーの充填率は、複合材の全体量と複合材から分離したフィラー量とから特定される。フィラーを分離できないとき、フィラーの充填率は、複合材(断面)の観察像(SEM像等)から間接的または代替的に特定されてもよい。
フィラーの全体または一部は、マトリックスとの親和性を高める表面処理がなされているとよい。表面処理により、マトリックス中におけるフィラーの分散性、充填性、密着性等が向上し、複合材の熱伝導率が向上し得る。
表面処理は、例えば、疎水化処理またはカップリング処理である。マトリックスが有機材料(樹脂、ゴム・エラストマー等)なら、例えば、シランカップリング処理やフッ素プラズマ処理等を行えばよい。シランカップリング処理は、マトリックス側の官能基(アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリル基等)に対応する反応基を備えた種々のシランカップリング剤を用いて行える。代表的なシランカップリング剤として、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS:C19NSi)がある。なお、シランカップリング剤は、通常、無機材料であるフィラー(複合粒子等)側にある官能基(ヒドロキシキ基、メトキシ基、エトキシ基等)にも対応する反応基(シリル基等)を備える。
表面処理剤の含有量(配合量・添加量)は、例えば、未処理前のフィラー全体100質量部に対して0.1~3質量部、0.5~2.5質量部さらには1~2質量部である。過少な表面処理剤ではその効果が乏しく、表面処理剤を過多にしても効果の向上は少ない。
なお、表面処理は、混合(混練を含む。)前のフィラーになされてもよいし、マトリックスとフィラーの混合時に表面処理剤(カップリング剤等)を添加等してなされてもよい。
(2)マトリックス
マトリックス(バインダを含む)は、例えば、樹脂、油脂(樹脂系オイル、半凝固状のグリース等を含む。)である。樹脂(ゴム・エラストマー等を含む。)は、熱硬化性樹脂でも、熱可塑性樹脂でもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等である。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等である。ゴムは、例えば、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム等である。油脂は、例えば、シリコーンオイル、シリコーングリース等である。
《製造方法》
(1)複合粒子
略球状の第1粒子(基粒子)に扁平状の第2粒子(被着粒子)を樹脂(バインダー、接着剤)で接着させた複合粒子の製造方法は種々考えられる。例えば、複合粒子は、第1粒子と第2粒子と樹脂の混合物(混練物を含む)を解砕したり、混合物の成形体を粉砕等して得られる。より具体的にいうと次の通りである。
混合物は、例えば、第1粒子(粉末)と第2粒子(粉末)と樹脂とを混合(混練を含む。)して得られる。このような混合は、ボールミル、振動ミル、V型混合機等を用いてなされる(調製工程)。このとき、積層状態の第2粒子が粉砕されてもよい。なお、混合は乾式でも湿式よい。湿式混合により得られた混合物は、適宜、真空乾燥や加熱乾燥等がなされるとよい。
第1粒子(粉末)、第2粒子(粉末)および樹脂の混合(調製工程)は、段階的になされてもよい。例えば、第1粒子と樹脂とを混合した第1混合物を得る第1混合工程と、その第1混合物へ第2粒子を加えて混合した第2混合物を得る第2混合工程とが順次なされるとよい。これにより、樹脂量を抑制しつつ、第1粒子へ第2粒子を効率的に接着し得る。
ちなみに、混合工程は、樹脂の粘度を調整する溶媒等を添加してなされてもよい。この場合、第2混合工程後に、溶媒等を揮発・蒸発させて除去する乾燥工程がなされてもよい。また熱硬化性樹脂を用いる場合、第2混合物を加熱して、第1粒子と第2粒子の間にある樹脂を硬化させる熱硬化工程を、複合粒子の製造段階(複合材の製造段階前)で行ってもよい。
混合物をそのまま解砕、粉砕等する他に、その混合物を加圧成形した成形体を粉砕等してもよい(粉砕工程)。解砕、粉砕等により複合粒子からなる粉末(「複合粉末」という。)が得られる。なお、粉砕には、例えば、小型粉砕機、クラッシャー機、カッターミル等が用いられる。
成形体は、例えば、混合物を金型成形、CIP(Cold Isostatic Pressing/冷間等方圧加工法)、RIP(Rubber Isostatic Pressing/ゴム等方圧加工法)、HIP(Hot Isostatic Pressing/熱間等方圧加工法)等して得られる(成形工程)。成形圧力は、例えば、10~100MPaさらには20~50MPaである。なお、成形体は、粉砕が可能な形状であれば足る。
成形工程は、常温(室温)でなされる冷間成形でもよいし、混合物または金型を加熱してなされる温間成形でもよい。温間成形は、例えば、樹脂が軟化または溶融する温度でなさるとよい。これにより、樹脂量を抑制しつつ、第1粒子と第2粒子の間に樹脂を介在させ易くなる。温間成形の温度(T)は、例えば、樹脂の軟化点(Ts)または融点(Tm)に対して、-30~30℃(|T-(Ts、Tm)|≦30℃)さらには-20~20℃(|T-(Ts、Tm)|≦20℃)である。樹脂の種類によるが、敢えていうと、温間成形温度(通常は金型温度)は、例えば、80~200℃さらには100~160℃である。温間成形の時間は、例えば、5~60分間さらには15~40分間である。なお、熱硬化性樹脂を用いる場合、温間成形工程は、熱硬化工程を兼ねてもよい。
複合粉末は、例えば、平均粒径(メディアン径:D50)で、5~60μmさらには15~55μmに粒度調整されてもよい。
(2)複合材
複合材は、フィラーとマトリックスを混合、混練、成形等して得られる。フィラーが樹脂で保持された複合材なら、例えば、混合物を圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等して得られる。マトリックスが熱硬化性樹脂の場合、その成形後に熱硬化処理(キュア処理)がなされてもよい。複合材は、最終製品形状またはそれに近い形状のものでもよいし、加工される素材や中間材等でもよい。
《用途》
フィラーや複合材は、例えば、放熱部材(放熱シート、基板、ケース等)、油脂類(オイル、グリース等)に用いられる。複合材の熱伝導率は、例えば、8~40W/mKさらには10~25W/mKとなり得る。被着粒子の種類やその配向度合にもよるが、本発明の熱伝導材は、直交2方向の熱伝導率差が、例えば、6W/mK以下、4mK以下さらには2W/mK以下となり得る。なお、電子機器等に用いられる複合材は、その比抵抗が、例えば、10~1012Ωmさらには10~1010Ωmであるとよい。
異なるフィラーをマトリックス中に分散させた複合材を種々製作し、それらの熱伝導特性を評価した。このような具体例を示しつつ、本発明をより詳しく説明する。
[第1実施例]
《フィラーの製作》
下記に示す複数種のフィラーを製作した。
(1)試料1(複合粒子)
原料として、市販されているAlN粉末(古河電子株式会社製FAN-f50)、h-BN粉末(モメンティブ社製PT110)およびエポキシ樹脂(セメダイン株式会社製EP-160/一液加熱硬化形エポキシ系接着剤)を用意した。なお、このエポキシ樹脂は常温域で高粘度な液状であった。
AlN粉末は、円形度:0.90の球状粒子(第1粒子)からなり、粒径(D50):45μmであった。h-BN粉末は、微粒化装置(株式会社スギノマシン製スターバーストHJP-25008)で粉砕して劈開粉末とした。この劈開粉末は、アスペクト比(AR=最大長L/厚さt):40の扁平状粒子(第2粒子)からなり、粒径(D50):20μmであった(粒径比:0.44)。これらの原料を用いて図1に示す各工程を行い、複合粒子を調製した。具体的には次の通りである。
ポリプロピレン製の容器内で、エポキシ樹脂:0.25gに溶媒(ジクロロメタン):1~10ccとAlN粉末:3.85gを加えて混合した(工程I/混合工程)。混合は、室温下で、ミキサー(株式会社シンキー製ARE-310「練太郎」)を用いて2000rpm×0.5minで行った。
その混合物にh-BNの劈開粉末:1.15gを加えて混練した(工程II/混練工程)。混練は、室温下で上述した装置をそのまま用いて2000rpm×0.5minで行った。
得られた混練物を真空チャンバーに入れて、室温下で真空乾燥(30分間)させた(工程III/乾燥工程)。こうして溶媒を揮発させた混合物(混練物)を得た。なお、AlN粒子の真密度:3.3g/cm、h-BN粒子の真密度:2.27g/cmであり、それらの体積分率は、AlN粒子(第1粒子):h-BN粒子(第2粒子)=7:3(両粒子の合計に対する被着粒子の体積比:0.3)に相当する。またエポキシ樹脂(真密度:1.16g/cm)は、混合物全体に対して30体積%に相当する。
その混合物を、ダイと上下パンチからなる金型のキャビティに入れて、一軸方向に温間圧縮成形した(工程IV/成形工程)。このとき、ヒータで加熱した金型(ダイ)の温度:130℃、成形圧力:35MPaとした。なお、乾燥後のエポキシ樹脂が軟化または溶融する温度は80℃であった。
金型から取り出した成形体(12mm×12mm×15mm)を卓上型クラッシャー(アズワン株式会社製)で粉砕した(工程V/粉砕工程)。粉砕粉を篩い分けにより、53μm未満に粒度調整した。こうして樹脂を介してAlN粒子にh-BN粒子が接着(修飾)された複合粒子を得た。
(2)試料21~24
試料1の製作で用いた劈開粉末を、下記のh-BN粉末にそれぞれ変更して、試料1と同じ工程で、試料21~24の複合粒子も製作した。
試料21:デンカ株式会社製HGP /D50:5μm 、AR:4
試料22:デンカ株式会社製GP /D50:10μm、AR:5
試料23:デンカ株式会社製SGP /D50:20μm、AR:10
試料24:モメンティブ社製PT110/D50:45μm、AR:18
(3)試料C0
試料1の製作で用いたエポキシ樹脂を加えないで、それ以外は試料1と同じ工程を経て製作したフィラーも用意した。
(4)試料C1
下記の各原料粉末を上述したミキサーで単純混合した粉末をフィラーとして用いた。
AlN粗粉末(古河電子株式会社製FAN-f50):2.18g、
AlN微粉末(古河電子株式会社製FAN-f05):0.94g
(円形度:0.90、D50:5μm)
上述したh-BN劈開粉末:0.92g
なお、混合粉末の体積割合は、AlN粗粉末とAlN微粉末の合計量:h-BN劈開粉末=7:3とした。
(5)試料C2
上述したAlN粗粉末とAlN微粉末を体積割合で7:3で単純混合した粉末をフィラーとして用いた。なお、混合は試料C1と同様に行った。
(6)試料C3
上述したAlN粗粉末をそのままフィラーとして用いた。
《複合材の製作》
フィラーをマトリックスで保持した複合材を製作した。フィラーの充填率は、特に断らない限り、複合材全体(100体積%)に対して70体積%とした。マトリックス(バインダ)には、複合粒子の製作に用いたエポキシ樹脂(セメダイン株式会社製EP-160/単に「樹脂」という。)を用いた。具体的な工程は次の通りである。
フィラーと樹脂をプラスチック製容器内で10分間混練した。真空乾燥させた混練物を解砕して、フィラーに樹脂が付着したコンパウンドを得た。このコンパウンドを金型に充填して、一軸方向に圧縮成形した。このとき、金型温度:130℃、成形圧力:20MPaとして、加圧状態を30分間保持し、樹脂を熱硬化させた。これにより、フィラーが樹脂で保持された円柱状の複合体(φ14mm×20mm)を得た。本実施例では、特に断らない限り、フィラーと、そのフィラーを用いた複合材とを同じ試料番号で呼称する(以下同様)。
《観察》
試料1のフィラーの製作途中で得られた粉砕前の成形体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。そのSEM像を図2Aに示した。
試料1のフィラー(複合粒子)のSEM像を図2Aに示した。その複合粒子のSEM像と、それをエネルギー分散型X線分光法(EDX)で元素分析したEDX分析像とを、図2Cに併せて示した。図2Cから算出されるh-BN粒子によるAlN粒子の被覆率は、約84%であった。
試料C0のフィラーのSEM像を図3に示した。
《測定》
複合材の熱伝導率(λ)をナノフラッシュ法(測定装置:NETZSCH製LFA447)により求めた。具体的にいうと、ナノフラッシュ法で測定した熱拡散率(α)と、示差走査熱量計(DSC)で求めた比熱(Cp)と、アルキメデス法で求めた密度(ρ)とから、λ=α・Cp・ρとして熱伝導率を算出した。
熱拡散率の測定には、円柱状の複合材から、軸方向(加圧方向)に垂直な方向に切り出した薄い板状のサンプル(「垂直サンプル」という。)と、その軸方向に平行な方向に切り出した薄い板状のサンプル(「平行サンプル」という。)とを用いた。試料1、試料C1~C3に係る複合材の各熱伝導率を図4に示した。また試料21~24に係る複合材の各熱伝導率を図5に示した。なお、各図中に示した「垂直方向」と「平行方向」は、それぞれ、垂直サンプルの熱伝導率と平行サンプルの熱伝導率を意味する。
《評価》
(1)フィラー
図2A~図2C(これらを併せて単に「図2」という。)から明らかなように、試料1のフィラーは、球状のAlN粒子(基粒子)の表面に、薄い樹脂層を介して扁平状のh-BN粒子(被着粒子)が密に接着された複合粒子からなることがわかった。
一方、図3から明らかなように、製作時に樹脂を添加しなかった試料C0のフィラーは、球状のAlN粒子と扁平状のh-BN粒子(被着粒子)が殆ど分離した状態であった。
(2)複合材の熱伝導率
図4および図5から明らかなように、複合粒子をフィラーとする試料1、試料21~24の複合材はいずれも、他の試料の複合材と異なり、垂直方向にも平行方向にも高熱伝導率であった。つまり、複合粒子をフィラーとする複合材は、熱伝導性に優れ、その異方性が小さいことがわかった。
また、図5から明らかなように、AlN粒子に対するh-BN粒子の粒径比が少なくとも1以下の範囲にある複合粒子を含む複合材は、垂直方向にも平行方向にも熱伝導率が10W/mK以上となった。
《考察》
上述した結果を踏まえて、フィラーの形態(構造)が複合材の熱伝導率に大きな影響を及ぼしたといえる。この機序は図6に示すように推察される。すなわち、図6(a)に示すように、球状の基粒子表面に扁平状の被着粒子が接着した複合粒子は、様々な箇所で粒子同士が略面接触するようになり、十分な熱伝導パスが略等方的に形成され得る。これにより複合粒子を含む複合材は、略等方的に優れた熱伝導性を発現したと考えられる。
一方、図6(b)に示すように、球状の粒子のみからなるフィラーでは、粒子同士の接触割合(接触率)がそもそも小さく、粒子同士の接触形態も点接触であった。また図6(c)に示すように、扁平状の粒子のみからなるフィラーでも、粒子同士の接触率が小さく、各粒子は一方向に配向していた。このため従来の複合材では、そもそも十分な熱伝導パスの形成自体が困難であり、高熱伝導率を発現し得なかったと考えられる。仮に、扁平状の粒子の充填率を高めたとしても、熱伝導の方向が制限的であり、高熱伝導を等方的に実現できなかったと考えられる。
[第2実施例]
《フィラーの製作》
下記に示す複数種のフィラーを製作した。
(1)試料31
既述したAlN粉末(古河電子株式会社製FAN-f50)、h-BN粉末(デンカ株式会社製HGP/粒径比:0.11)およびエポキシ樹脂(セメダイン株式会社製EP-160)を原料として、図7に示す各工程を行い、複合粒子を調製した。具体的には次の通りである。
ポリプロピレン製の容器内で、エポキシ樹脂:0.35gに溶媒(ジクロロメタン):1~10ccとAlN粉末:3gを加えて、室温下で撹拌混合した(工程A/第1混合工程)。このとき、ミキサー(株式会社シンキー製ARE-310「練太郎」)は2000rpm×0.5minで運転した。
その容器内にある混合物(第1混合物)へ、h-BN粉末:1.4gを加えて、室温下で撹拌混練した(工程B/第2混合工程)。このときも、ミキサーは2000rpm×0.5minで運転した。工程Aから工程Bへの移行は、ミキサーを止めることなく連続的に行った。
なお、AlN粒子(真密度:3.3g/cm)とh-BN粒子(真密度:2.27g/cm)の体積分率は、AlN粒子(第1粒子):h-BN粒子(第2粒子)=6:4(両粒子の合計に対する被着粒子の体積比:0.4)となる。またエポキシ樹脂(真密度:1.16g/cm)は、混合物全体に対して16体積%となる。
得られた混練物(第2混合物)を真空チャンバーに入れて、室温下で真空乾燥(30分間)させた(工程C/乾燥工程)。乾燥後の混練物を、120℃~150℃(エポキシ樹脂の硬化温度Tc~Tc+30℃)で20分間加熱した(工程D/熱硬化工程)。
この加熱後の混練物を卓上型粉砕機(大阪ケミカル株式会社製WB-1)で解砕した。その解砕粉を篩い分けにより、53μm未満に粒度調整した。こうして樹脂を介してAlN粒子にh-BN粒子が接着(修飾)された複合粒子を得た。
(2)試料41
AlN粉末をAl粉末(昭和電工株式会社製CB-A50S)に変更して、試料31と同様の工程で複合粒子を製作した。Al粉末は、円形度:0.9の球状粒子(第1粒子)からなり、粒径(D50):50μmであった。このとき、粒径比(h-BN粒子/Al粒子)は0.10となる。
各原料の配合は、エポキシ樹脂:0.14g、Al粉末:3.6g、h-BN粉末:1.4gとした。Al粒子は真密度:3.95g/cmであるため、Al粒子(第1粒子):h-BN粒子(第2粒子)=6:4(両粒子の合計に対する被着粒子の体積比:0.4)となる。エポキシ樹脂は、混合物全体に対して7体積%となる。
(3)試料32と試料42
試料31と同じ原料を用いて、第1実施例と同様に製作した複合粒子も用意した(試料32)。ちなみに試料32と既述した試料21とは、原料および工程が同じであるが、AlN粒子、h-BN粒子およびエポキシ樹脂の各体積割合が異なっている。
試料41と同じ原料を用いて、第1実施例と同様に製作した複合粒子も用意した(試料42)。
(4)試料C3と試料C4
試料C3(第1実施例の場合と同様)と試料C4は、それぞれ、上述したAlN粉末とAl粉末をそのままフィラーとして用いた。
《複合材の製作》
各試料の複合粒子からなるフィラーを、エポキシ樹脂からなるマトリックスで保持した複合材を、第1実施例と同様に製作した。
なお、エポキシ樹脂には、セメダイン株式会社製EP-160の他、例えば、セメダイン株式会社製EP-106NLを用いてもよい。後者は前者よりも低粘度(約1/5)であるため、フィラーとの混練が容易となり、マトリックス中においける複合粒子の分散性も向上し得る。
《観察》
試料31と試料41のフィラー(複合粒子)を観察したSEM像を、それぞれ図8Aと図8B(両者を併せて「図8」という。)に示した。
なお、各複合粒子について第1実施例と同様にEDXによる元素分析を行った。その結果、試料31の被覆率は約95%、試料41の被覆率は約90%であった。
《測定》
各試料の複合材について第1実施例と同様に熱伝導率を測定した。その結果を、図9Aと図9B(両者を併せて「図9」という。)に示した。
《評価》
(1)フィラー
図8からわかるように、本実施例の製造方法でも、球状の基粒子(AlN粒子またはAl粒子)の表面に、樹脂層を介して扁平状のh-BN粒子(被着粒子)が密に接着された略球状の複合粒子が得られることがわかった。
(2)複合材
図9からわかるように、複合粒子をフィラーとする複合材(試料31、32、41、42)は、垂直方向にも平行方向にも高熱伝導率であった。敢えていえば、第1実施例に係る複合材(試料32、42)よりも、本実施例に係る複合材(試料31、41)の方が、熱伝導率が高くなる傾向にあった。この傾向は、基粒子がAl粒子であるときに顕著であった(図9B参照)。いずれの試料も、垂直方向と平行方向の熱伝導率差は僅か(3W/mK未満)であった。
[第3実施例]
表1に示すように、多数のフィラーと各フィラーを用いた複合材とをそれぞれ製作し、複合材の特性を評価した。このような実施例を示しつつ、本発明について、さらに詳しく説明する。
《フィラーの製作》
<試料511~532>
表1に示した試料511~532のフィラーは、第2実施例で示した(1次)複合粒子に、架橋粒子となる第3粒子をさらに接着させた(2次)複合粒子からなる。このような2次複合粒子は次のように製作した。
(1)原料
第1粒子には、粒径(L1):80μmのAlN粉末(古河電子株式会社製FAN-f80/円形度:0.90)を用いた。粒径は、特に断らない限り、メディアン径(D50)である(以下同様)。
第2粒子には、粒径(L2)が異なる下記に示すh-BN粉末のいずれかを用いた。
粒径:5μm /デンカ株式会社製HGP
粒径:10μm /デンカ株式会社製MGP
粒径:13μm /デンカ株式会社製HGP+MGP(上記粉末の混合粉末)
第3粒子には、粒径(L3)が異なる下記に示すh-BN粉末のいずれかを用いた。
粒径:20μm /デンカ株式会社製SGP
粒径:40μm /モメンティブ社製PT110
樹脂には、エポキシ樹脂(セメダイン株式会社製EP-160)を用いた。
(2)工程
表1に示す配合量(体積%)に秤量した各原料に、図10に示す各工程を施した。具体的にいうと、次の通りである。
ポリプロピレン製の容器内で、エポキシ樹脂に溶媒(ジクロロメタン:1~10cc)と第1粒子(AlN粉末)を加えて、室温下で撹拌混合した(工程A/第1混合工程)。混合は、第2実施例と同様に、ミキサーを2000rpm×0.5minで運転して行なった。第1混合工程で、混合物全体(第1粒子、第2粒子、第3粒子および樹脂)に対して加えた樹脂量(体積%)は表1に併せて示した。
その容器内にある混合物(第1混合物)へ、第2粒子(h-BN粉末)を加えて、室温下で撹拌混練した(工程B/第2混合工程)。工程Aから工程Bへの移行は、ミキサーを2000rpm×0.5minで運転したまま行なった。
得られた混練物(第2混合物)を真空チャンバーに入れて、室温下で真空乾燥(30分間)させた(工程C/第1乾燥工程)。乾燥後の混練物を、120℃~150℃(エポキシ樹脂の硬化温度Tc~Tc+30℃)で20分間加熱した(工程D/熱硬化工程)。こうして樹脂を介して第1粒子(AlN粒子)に第2粒子(h-BN粒子)が接着(修飾)された複合粒子(「1次複合粒子」という。)を得た。
さらに、上述した容器内で、その1次複合粒子へ第3粒子(h-BN粉末)を加えて、室温下で撹拌混合した(工程E/第3混合工程)。この混合は、エポキシ樹脂へ溶媒(ジクロロメタン:1~10cc)を加えつつ、第1混合工程と同様に行なった。第3混合工程で、混合物全体(第1粒子、第2粒子、第3粒子および樹脂)に対して加えた樹脂量(体積%)も表1に併せて示した。
得られた混練物(第3混合物)を真空チャンバーに入れて、室温下で真空乾燥(30分間)させた(工程F/第2乾燥工程)。こうして樹脂を介して第1粒子(AlN粒子)に、第2粒子(細かいh-BN粒子)および第3粒子(粗いh-BN粒子)が接着(修飾)された複合粒子(「2次複合粒子」という。)を得た。
<試料611~631>
試料611~631のフィラーは、表1に示した体積割合に秤量した各原料(第1粒子、第2粒子および樹脂)を用いて、上述した第3混合工程以降を行なわずに調製した。つまり、試料611~631のフィラーは、それ以前の各工程を既述したように行なって得た1次複合粒子からなる。
<試料C51、C52>
試料C51、C52のフィラーは、表1に示した体積割合に秤量した各原料(第1粒子および樹脂)を用いて、上述した第2混合工程以降を行なわずに調製した。つまり、試料C51、C52のフィラーは、第1混合工程後に得られた混合物からなる。この際、第1混合工程等は既述したように行なった。
《複合材の製作》
各試料のフィラーをエポキシ樹脂(マトリックス)で保持した複合材を、第1実施例と同様に製作した。但し、複合材全体(100体積%)に対するマトリックスの樹脂量は、試料513:10体積%、試料511、512、514~532:20体積%、試料C51:30体積%、試料C52:20体積%とした。
《測定》
(1)熱伝導率
複合材の熱伝導率を第1実施例と同様に測定した。各複合材から切り出した平行サンプルの熱伝導率を表1に併せて示した。
(2)空隙率
複合材の空隙率も表1に併せて示した。空隙率は、複合材の真密度(ρ)と理論密度(ρth)から、{(ρth-ρ)/ρth}×100(%)として求めた。ρは、複合材について実測した質量と体積(アルキメデス法)から算出した。ρthは、複合材の製作に供した各原料(粒子と樹脂)の配合割合と密度に基づいて算出した。
試料515、試料613および試料C52に係る熱伝導率と空隙率を図11に対比して示した。
《観察》
試料515、試料613および試料C52に係る複合材の断面(複合材の成形時の加圧方向に平行な面)を観察したSEM像を図12に示した。また、各複合材中におけるフィラーの様子を、SEM像に基づいて模式的に図13に示した。
《評価》
表1および図11からわかるように、略球状の第1粒子(基粒子)の表面に扁平状の第2粒子(被着粒子)を樹脂で接着した(1次)複合粒子を含む試料(試料511~532と試料611~631)は、空隙率が十分に小さく、高い熱伝導率を示した。この傾向は、第3粒子(架橋粒子)が最表面側に付着した(2次)複合粒子を含む試料511~532において顕著であった。
一方、略球状の基粒子をフィラーとする試料C51、C52は、空隙率が大きく(図12参照)、熱伝導率も小さかった。
《考察》
架橋粒子(第3粒子)を有する2次複合粒子をフィラーとすることにより、熱伝導率が顕著に向上した理由は、図12および図13から次のように推察される。
図13(f)に示すように、略球状の基粒子のみをフィラーとする複合材では、粒子間の接触が乏しく、また、仮に接触しても点状の接触となる。このため、複合材を貫く熱伝導パスが形成され難い。
図13(e)に示すように、略球状の基粒子の表面に扁平状の被着粒子がある1次複合粒子をフィラーとする複合材では、複合粒子間で面状に接触し易くなり、複合材を貫く熱伝導パスが増加する。
図13(d)に示すように、被着粒子よりも粒径が大きい架橋粒子が最表面側にある2次複合粒子をフィラーとする複合材では、複合粒子間の面状接触に加えて、架橋粒子が複合粒子間を連携する。これにより、複合粒子間の熱伝導パスの形成が等方的に多数形成されるようになり、複合材の熱伝導率が大幅に増加したと考えられる。
以上から、本発明の熱伝導材(フィラーまたは複合材)により、略等方的で高い熱伝導性が確保されることが明らかとなった。
Figure 2023070122000002

Claims (16)

  1. 略球状の基粒子と該基粒子の表面に樹脂を介して接着した扁平状の被着粒子とを有する複合粒子を含む熱伝導材。
  2. 前記基粒子の粒径(L1)に対する前記被着粒子の粒径(L2)の割合である粒径比(L2/L1)は0.01~2である請求項1に記載の熱伝導材。
  3. 前記基粒子は、該基粒子と前記被着粒子の合計量に対する体積比が0.5~0.9である請求項1に記載の熱伝導材。
  4. 前記被着粒子は、六方晶系窒化ホウ素からなる請求項1に記載の熱伝導材。
  5. 前記基粒子は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素および立方晶系窒化ホウ素の一種以上からなる請求項1に記載の熱伝導材。
  6. 前記複合粒子がマトリックス中に分散した複合材からなる請求項1~5のいずれかに記載の熱伝導材。
  7. 前記複合材は、さらに、前記被着粒子よりも粒径の大きい架橋粒子を含む請求項6に記載の熱伝導材。
  8. 前記複合粒子は、さらに、前記被着粒子よりも粒径の大きい架橋粒子を表面側に有する請求項1に記載の熱伝導材。
  9. 前記基粒子は、該基粒子と前記被着粒子と前記架橋粒子との合計量に対する体積比が0.4~0.85である請求項8に記載の熱伝導材。
  10. 前記架橋粒子は、六方晶系窒化ホウ素からなる請求項8に記載の熱伝導材。
  11. 前記複合粒子がマトリックス中に分散した複合材からなる請求項8~10のいずれかに記載の熱伝導材。
  12. 略球状の第1粒子と扁平状の第2粒子と樹脂とが混在した混合物を得る調製工程と、
    該混合物を加圧して成形体を得る成形工程と、
    該成形体を粉砕する粉砕工程とを備え、
    該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着された複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法。
  13. 前記成形工程は、前記樹脂が軟化または溶融した状態でなされる請求項12に記載の熱伝導材の製造方法。
  14. 略球状の第1粒子と樹脂を混合した第1混合物を得る第1混合工程と、
    該第1混合物と扁平状の第2粒子を混合した第2混合物を得る第2混合工程とを備え、
    該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着された複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法。
  15. 略球状の第1粒子と樹脂を混合した第1混合物を得る第1混合工程と、
    該第1混合物と扁平状の第2粒子を混合した第2混合物を得る第2混合工程と、
    該第2混合物と該第2粒子よりも粒径の大きい第3粒子を混合した第3混合物を得る第3混合工程とを備え、
    該第1粒子の表面に該第2粒子が該樹脂により接着されていると共に表面側に該第3粒子が付着している複合粒子が得られる熱伝導材の製造方法。
  16. 前記樹脂は、熱硬化性樹脂であり、
    前記第2混合物を加熱して、前記第1粒子と前記第2粒子の間にある該樹脂を硬化させる熱硬化工程をさらに備える請求項14または15に記載の熱伝導材の製造方法。
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