JP2021038353A - 熱伝導性樹脂成形体 - Google Patents

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Akira Iwai
亮 岩井
真和 服部
Masakazu Hattori
真和 服部
浩二 中西
Koji Nakanishi
浩二 中西
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Abstract

【課題】成形体の厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さい熱伝導性樹脂成形体を提供する。【解決手段】マトリックス樹脂と熱伝導性粒子を含む熱伝導性樹脂成形体であって、前記マトリックス樹脂成分100質量部に対し、前記熱伝導性粒子は100質量部以上含み、前記熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を含み、前記磁場応答性の高い粒子は低い粒子より粒径が大きく、かつ前記磁場応答性の高い粒子は成形体の厚み方向に配向しており、前記マトリックス樹脂成分は、熱硬化性樹脂である。磁場応答性の高い粒子はニッケルメッキされたグラファイトが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、成形体の厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さい熱伝導性樹脂成形体に関する。
近年のCPU等の半導体の性能向上はめざましくそれに伴い発熱量も膨大になっている。そのため発熱するような電子部品には放熱体が取り付けられ、半導体と放熱部との密着性を改善する為に熱伝導性シートが使われている。しかし近年、機器の小型化、高性能化に伴い熱伝導性シートには高い熱伝導率と低比重化が求められている。特許文献1には、熱伝導異方性を有する無機粉体と、ε型Fe23結晶の一部をPt/Rhで置換した無機粉体を樹脂成形体の厚み方向に配向させることが提案されている。特許文献2には、樹脂に炭素繊維と無機粒子を配合し、炭素繊維を成形体の厚み方向に配向させることが提案されている。特許文献3には、シリコーンゴム中に強磁性体で被覆した炭素繊維を配合し、成形体の厚み方向に配向させることが提案されている。
特開2017−143204号公報 特開2008−266586号公報 特開2000−195998号公報
しかし、従来の熱伝導性樹脂成形体は、成形体の厚み方向の熱伝導率、及び比重が大きいという問題があり、さらなる改善が求められていた。
本発明は前記従来の問題を解決するため、成形体の厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さい熱伝導性樹脂成形体を提供する。
本発明の熱伝導性樹脂成形体は、マトリックス樹脂と熱伝導性粒子を含む熱伝導性樹脂成形体であって、前記マトリックス樹脂成分100質量部に対し、前記熱伝導性粒子は100質量部以上含み、前記熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を含み、前記磁場応答性の高い粒子は低い粒子より粒径が大きく、かつ前記磁場応答性の高い粒子は成形体の厚み方向に配向しており、前記マトリックス樹脂成分は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
本発明は、マトリックス樹脂成分100質量部に対し、熱伝導性粒子は100質量部以上含み、熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を含み、磁場応答性の高い粒子は低い粒子より粒径が大きく、かつ磁場応答性の高い粒子は成形体の厚み方向に配向しており、マトリックス樹脂成分は、熱硬化性樹脂であることにより、成形体の厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さい熱伝導性樹脂成形体を提供できる。
本発明は、マトリックス樹脂と熱伝導性粒子を含む熱伝導性樹脂成形体である。熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を含み、磁場応答性の高い粒子は低い粒子より粒径が大きく、かつ磁場応答性の高い粒子は成形体の厚み方向に配向している。磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を併用して磁場配向することにより、磁場応答性の高い粒子の間に低い粒子が入り込み、高い粒子の配向性を低い粒子が保持する。これにより、成形体の厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さい熱伝導性樹脂成形体を提供できる。熱伝導性樹脂成形体はシートであるのが好ましい。シート形状であれば放熱体に好適である。
マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂,フェノール樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,メラミン樹脂等があるがここに挙げた限りではない。この中でもシリコーンポリマーが好ましい。シリコーンポリマーは耐熱性が高く、柔らかさもあり、放熱シートとして良好な特性を有する。シリコーンポリマーは付加硬化型、過酸化物硬化型、縮合型など使用できる。熱硬化性シリコーンゴムであればいずれも使用できる。
マトリックス樹脂成分100質量部に対し、熱伝導性粒子は100質量部以上含む。これにより成形体の厚さ方向の熱伝導率は1.0W/m・K以上となる。好ましくは、マトリックス樹脂成分100質量部に対し、熱伝導性粒子は110質量部以上であり、より好ましくは120質量部以上である。
磁場応答性の高い粒子はメッキ粒子が好ましい。メッキ粒子は、無機粒子及び/又は有機粒子の表面に磁場応答性の高い金属をメッキした粒子である。一例としてニッケルメッキされたグラファイトが好ましい。ニッケルメッキされたグラファイトは、板状(フレーク状)、棒状、針状などいかなる形状でもよいが、磁場により成形体の厚み方向に配向する形状が好ましい。この中でも板状(フレーク状)が好ましい。
磁場応答性の低い粒子は非メッキ粒子が好ましい。非メッキ粒子としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、窒化アルミニウム、窒化硼素、シリカなどの熱伝導性粒子が好ましい。これらの熱伝導性粒子は、熱伝導性が高く、電気絶縁性も高いからである。熱伝導性粒子は、シラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物、もしくはその部分加水分解物により表面処理されているのが好ましい。これにより、硬化触媒や架橋剤の失活を防止でき、組成物の貯蔵安定性を向上できる。
磁場応答性の高い粒子は低い粒子より含有量が多いことが好ましい。これにより、磁場応答性の高い粒子の間に低い粒子が入り込み、高い粒子の配向性を低い粒子が保持できる。
本発明の熱伝導性樹脂成形体の一例として熱伝導性シートを挙げ、付加硬化型かつ熱硬化型シリコーンポリマーについて説明する。この熱伝導性シートは下記組成のコンパウンドを架橋し、シート成形して得られる。
(A)ベースポリマー成分:1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサン:100質量部
(B)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、前記A成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、3モル未満の量
(C)触媒成分:A成分に対して金属原子重量で0.01〜1000ppm
(D)熱伝導性粒子:A成分100質量部に対して100質量部以上
(D1)磁場応答性の高い粒子(メッキ粒子):熱伝導性粒子を100質量%としたとき50〜95質量%
(D2)磁場応答性の低い粒子(非メッキ粒子):熱伝導性粒子を100質量%としたとき5〜50質量%
以下、各成分について説明する。
(1)ベースポリマー成分(A成分)
ベースポリマー成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンは本発明のシリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個以上有する。粘度は25℃で10〜100,000mPa・s、特に100〜10,000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はアルキル基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10〜100,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
式中、R1は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、kは0又は正の整数である。ここで、R1の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、並びに、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられる。R2のアルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜6、特に2〜3のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。一般式(1)において、kは、一般的には0≦k≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦k≦2000、より好ましくは10≦k≦1200を満足する整数である。
A成分のオルガノポリシロキサンとしては一分子中に例えばビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6のケイ素原子に結合したアルケニル基を3個以上、通常、3〜30個、好ましくは、3〜20個程度有するオルガノポリシロキサンを併用しても良い。分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの分子構造のものであってもよい。好ましくは、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、25℃での粘度が10〜100,000mPa・s、特に100〜10,000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサンである。
アルケニル基は分子のいずれかの部分に結合していればよい。例えば、分子鎖末端、あるいは分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合しているものを含んでも良い。なかでも下記一般式(化2)で表される分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ1〜3個のアルケニル基を有し(但し、この分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基が、両末端合計で3個未満である場合には、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合したアルケニル基を、(例えばジオルガノシロキサン単位中の置換基として)、少なくとも1個有する直鎖状オルガノポリシロキサンであって)、上記でも述べた通り25℃における粘度が10〜100,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
式中、R3は互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であって、少なくとも1個がアルケニル基である。R4は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R5はアルケニル基であり、l,mは0又は正の整数である。ここで、R3の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
また、R4の一価炭化水素基としても、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、上記R1の具体例と同様のものが例示できるが、但しアルケニル基は含まない。R5のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜6、特に炭素数2〜3のものが好ましく、具体的には前記式(化1)のR2と同じものが例示され、好ましくはビニル基である。
l,mは、一般的には0<l+m≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦l+m≦2000、より好ましくは10≦l+m≦1200で、かつ0<l/(l+m)≦0.2、好ましくは、0.0011≦l/(l+m)≦0.1を満足する整数である。
(2)架橋成分(B成分)
本発明のB成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、この成分中のSiH基とA成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成するものである。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2〜1000、特に2〜300程度のものを使用することができる。
水素原子が結合するケイ素原子の位置は特に制約はなく、分子鎖の末端でも非末端(途中)でもよい。また、水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基としては、前記一般式(化1)のR1と同様の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基が挙げられる。
B成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては下記構造のものが例示できる。
上記の式中、R6は互いに同一又は異種の水素、アルキル基、フェニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アルコキシ基であり、少なくとも2つは水素である。Lは0〜1,000の整数、特には0〜300の整数であり、Mは1〜200の整数である。
(3)触媒成分(C成分)
C成分の触媒成分は、本組成物の一段階目の硬化を促進させる成分である。C成分としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金酸、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。C成分の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。A成分に対して金属原子重量として0.01〜1000ppm添加するのが好ましい。
(4)熱伝導性粒子(D成分)
(i)D1成分の熱伝導性粒子(メッキ粒子)は、一例としてニッケルメッキされたグラファイトがある。このメッキ粒子はニッケル60質量%、グラファイト40質量%、板状(フレーク状)で平均粒子径100μmである。
(ii)D2成分の熱伝導性粒子(非メッキ粒子)は、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。アルミナを使用する場合は、純度99.5質量%以上のα−アルミナが好ましい。熱伝導性粒子の比表面積は0.06〜10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.1〜100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)を測定する。この測定器としては、例えば堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2がある。
熱伝導性粒子は平均粒子径が異なる少なくとも2つの無機粒子を併用してもよい。このようにすると大きな粒子径の間に小さな粒子径の熱伝導性無機粒子が埋まり、最密充填に近い状態で充填でき、熱伝導性が高くなるからである。
無機粒子は、RaSi(OR’)3-a(Rは炭素数1〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で表面処理するのが好ましい。RaSi(OR’)3-a(Rは炭素数1〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるアルコキシシラン化合物(以下単に「シラン」という。)は、一例としてメチルトリメトキシラン,エチルトリメトキシラン,プロピルトリメトキシラン,ブチルトリメトキシラン,ペンチルトリメトキシラン,ヘキシルトリメトキシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン,オクチルトリエトキシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,ヘキサドデシルトリメトキシシラン,ヘキサドデシルトリエトキシシシラン,オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシシラン等のシラン化合物がある。前記シラン化合物は、一種又は二種以上混合して使用することができる。表面処理剤として、アルコキシシランと片末端シラノールシロキサンを併用してもよい。ここでいう表面処理とは共有結合のほか吸着なども含む。
(5)その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて前記以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。フィラー表面処理などの目的で添加する材料として、アルコキシ基含有シリコーンを添加しても良い。
以下実施例を用いて説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
<比重>
自動比重測定装置(メトラートレド社製、商品名「SGM−7」)を用いて比重(ρ)を測定した。
<定圧比熱>
示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、製品名「DSC7020」)を用いて、10℃/分の昇温条件下、温度25℃における比熱(Cp)を測定した。
<熱拡散率>
熱拡散率測定装置(キセノンフラッシュ法熱定数測定装置)(ネッチ社製、商品名「LFA447−NS22 Nanoflash)を用いて、室温における熱拡散率(α)を測定した。
<熱伝導率>
前記熱拡散率試験で得られた測定値を用いて下記式(I):
λ=α×Cp×ρ ・・・(I)
より、温度25℃における各シートの厚み方向の熱伝導率λ(W/m・K)を求めた。
<粘度> 粘弾性測定装置MARSIII(ThermoScientific社製)を用いて、次の測定条件でサンプルの粘度を測定した。20mmφパラレルプレート、ギャップ:1.000mm、温度:23℃、せん断速度:1.0(1/s)。
<原料>
(1)マトリックス樹脂成分
マトリックス樹脂成分として二液室温硬化シリコーンポリマーを使用した。この二液室温硬化シリコーンポリマーのA液にはベースポリマー成分と白金系金属触媒が予め添加されており、B液にはベースポリマー成分と架橋成分が予め添加されている。
(2)熱伝導性粒子
熱伝導性粒子として無機粒子を使用した。
(i)磁場応答性の高い粒子(メッキ粒子)
ニッケル60質量%、グラファイト40質量%のメッキ粒子であり、形状は板状(フレーク状)、平均粒子径100μmである。以下Ni60/Gr40という。
(ii)磁場応答性の低い粒子(非メッキ粒子)
・アルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状
・アルミナ(Al23):平均粒子径5μm、板状
・窒化ホウ素(BN):平均粒子径30μm、板状
・炭化ケイ素(SiC):平均粒子径34μm、球状
(実施例1)
前記未硬化の二液室温硬化シリコーンポリマーと熱伝導性粒子を均一に混合した。シリコーンポリマーは30gとした。熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子としてニッケルメッキグラファイトを30g、磁場応答性の低い粒子としてアルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状を10g使用した。混合後のコンパウンドの25℃における粘度は5300mPa・sであった。このコンパウンドをポリエステル(PET)フィルムに挟んで厚み1.0mmに圧延した試料を、パルス着磁コイルを有する磁場成形装置を用いて、厚み方向の上下面から磁束密度200mTの磁場を印加し、同時に70℃で15分間保持して加熱硬化を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
(実施例2)
磁場応答性の低い粒子としてアルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状を10gに換えて、アルミナ(Al23):平均粒子径5μm、板状を10g使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
磁場応答性の低い粒子としてアルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状を10gに換えて、窒化ホウ素(BN):平均粒子径30μm、板状を10g使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
磁場応答性の低い粒子としてアルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状を10gに換えて、炭化ケイ素(SiC):平均粒子径34μm、球状を10g使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
磁場応答性の低い粒子としてアルミナ(Al23):平均粒子径2μm、粉砕状を使用しなかった以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
磁場応答性の高い粒子(メッキ粒子)として、ニッケル60質量%、グラファイト40質量%のメッキ粒子であり、形状は板状(フレーク状)、平均粒子径100μmを40gを使用した以外は比較例1と同様に実施した。
(比較例3)
磁場応答性の高い粒子(メッキ粒子)として、ニッケル60質量%、グラファイト40質量%のメッキ粒子であり、形状は板状(フレーク状)、平均粒子径100μmを50gを使用した以外は比較例1と同様に実施した。
(比較例4)
磁場配向をしなかった以外は較例2と同様に実施した。
以上の結果を表1にまとめて示す。
表1に示すとおり、実施例1−4は成形シートの厚み方向の熱伝導率が比較的高く、かつ比重が小さいことが確認できた。
本発明の熱伝導性樹脂成形体は、LED、家電などの電子部品、光通信機器を含む情報通信モジュール、車載用途などの発熱部と放熱部との間の放熱体として有用である。半導体を含む電子部品の放熱体として有用である。

Claims (10)

  1. マトリックス樹脂と熱伝導性粒子を含む熱伝導性樹脂成形体であって、
    前記マトリックス樹脂成分100質量部に対し、前記熱伝導性粒子は100質量部以上含み、
    前記熱伝導性粒子は磁場応答性の高い粒子と磁場応答性の低い粒子を含み、
    前記磁場応答性の高い粒子は低い粒子より粒径が大きく、かつ前記磁場応答性の高い粒子は成形体の厚み方向に配向しており、
    前記マトリックス樹脂成分は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする熱伝導性樹脂成形体。
  2. 前記磁場応答性の高い粒子はメッキ粒子であり、前記磁場応答性の低い粒子は非メッキ粒子である請求項1に記載の熱伝導性樹脂成形体。
  3. 前記磁場応答性の高い粒子の成形体の厚み方向の配向は、磁場配向である請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂成形体。
  4. 前記磁場応答性の高い粒子は、ニッケルメッキされたグラファイトである請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性樹脂成形体。
  5. 前記磁場応答性の高い粒子は、板状である請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂成形体。
  6. 前記磁場応答性の高い粒子は低い粒子より含有量が多い請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性樹脂成形体。
  7. 前記マトリックス樹脂成分はシリコーンポリマーである請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性樹脂成形体。
  8. 前記磁場応答性の低い粒子は、金属酸化物、金属水酸化物、窒化アルミニウム、窒化硼素およびシリカから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂成形体。
  9. 前記熱伝導性粒子は、シラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物、もしくはその部分加水分解物により表面処理されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂成形体。
  10. 前記熱伝導性樹脂成形体はシートである請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂成形体。
JP2019162024A 2019-09-05 2019-09-05 熱伝導性樹脂成形体 Pending JP2021038353A (ja)

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