JP6029456B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンにより駆動されるコンプレッサを備えた冷凍サイクルにて車内の空調を行う車両用空調装置であって、特に、所定の停止条件に応じてエンジンを停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載されるものに関する。
一般に、ECUの制御によって停車中に燃式のエンジンを自動的に停止するアイドリングストップ機構を備えた車両が知られている。ECUは、所定の停止条件に応じてエンジンを停止する構成となっている。
また、アイドリングストップ機構を備えた車両としては、エンジンの動力で駆動される空調装置を搭載し、その空調装置の使用時には停止条件が成立しても空調を優先してエンジンの停止を規制するように構成されたものもある。
ただし、燃料節約及び排出ガス削減というアイドリングストップ機構の目的からすると、停止条件が成立した際には、空調装置についても搭乗者が車内温度を不快と感じない程度であれば停止することが望ましいと考えられる。この点、特許文献1乃至4には、所定の検出手段により検出された車内温度に応じてエンジンを停止するか否かの判断を行うように構成された装置が開示されている。
特許文献4に開示された車両用空調装置は、車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段を備え、検出された車内温度と車内設定温度に応じて求められる閾値とを比較してエンジンの停止を判断する構成となっている。
特開2000−154743号公報 特開2000−179374号公報 特開2006−240459号公報 特許第5067586号公報
さて、本願発明者は、前述したように車内温度と閾値とを比較してエンジンの停止を判断する場合、どのような閾値を設定するかによって、調節手段を操作する搭乗者の意思と車内の空調状態との関係をより快適なものになさしめることができると考え、閾値について検討した。
図17は、冷房時の閾値の典型例をグラフで表したものである。同図に示す閾値は、車内設定温度の下限値から上限値にかけて車内設定温度に比例する。図例した閾値は、車内設定温度の下限値が18℃、上限値が30℃となっている。また、車内設定温度の下限値に対応する車内温度が25℃、上限値に対応する車内温度が32℃となっている。閾値よりも車内温度が高い場合は、アイドリングストップ機構によるエンジンの停止が規制される。すなわち、車両用空調装置の制御手段は、エンジンの停止条件が成立した際に、車内温度が閾値を上回っていればアイドリングストップを禁止し、下回っていれば許可する構成となっている。アイドリングストップ機構によりエンジンが停止すると空調も停止する。
また、図18に示す閾値は、全体としては車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであるが、車内設定温度の下限値に近い低温域においてはその上昇の度合いが0となっている。特許文献4に開示された閾値も、具体的な数値を除けばこれと同様のものである。このような閾値の利点は、車内設定温度の低温域におけるアイドリングストップの頻度が増すことにより、燃料節約及び排出ガス削減という効果がより積極的に得られることである。
図19及び図20に示す閾値は、本願発明者が考えた閾値の参考例である。低温域における上昇の度合いが、低温域と連続した中温域における上昇の度合いよりも小さいものである。図17に示す閾値との比較においては、アイドリングストップの頻度が増すことになる。すなわち、図18に示す閾値のように低温域における上昇の度合いが0でなくとも、燃料節約及び排出ガス削減という点では、ある程度有利なものである。
尚、本願においては、車内設定温度をその下限値から上限値にかけて低温域、中温域、及び高温域の3つの温域に分けて説明する。各温域の境界は、グラフにおいて閾値の上昇の度合いが変化するところの車内設定温度とする。隣接する温域間で上昇の度合いが変化しない場合は、境界がないものと考える。また、閾値の上昇の度合いが緩やかに変化する場合は、各温域における上昇の度合いの平均の差が比較的大きく現れるところの車内設定温度を境界とする。
さて、冷房時における車内設定温度の調節は、その下限値に近い低温域において微妙な操作が行われる傾向がある。例えば、下限値18℃に近い低温域で車内設定温度を調節するのであれば、僅かな値の違いに注意を払う一方、上限値30°に近い高温域で温度を調節するのであれば、僅かな値の違いは気にせず大まかに設定されることが多い。低温域では搭乗者の冷房に対する意識が高く、それが調節を正確に行う行為として現れるものと考えられる。
ここで、前述した図18乃至図20に示す閾値のように、低温域における上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも小さい場合は、低温域で車内設定温度を調節しても、アイドリングストップ機構によるエンジン停止の判断に反映されずに、それが搭乗者の不満となる場合がある。例えば、アイドリングストップ機構によりエンジンとともに空調が停止し、このとき搭乗者が涼しい状態を維持するために調節手段を操作して車内設定温度をより低く設定しても、その閾値の関係からアイドリングストップの許可が継続されて空調が停止したままとなり、車内温度が上昇することが頻繁に生じるものと考えられる。特に、低温域での調節手段の操作は、搭乗者の冷房に対する要求意識が高い場合になされるものであり、そのとき搭乗者が実感する車内設定温度に応じた空調状態は、車両用空調装置の利便性を考慮する上で重要性が高い。
また、冷房及び暖房をそれぞれ行う車両用空調装置であれば、暖房時についても冷房時と同様の事情が存在する。
本願発明者は、調節手段にて車内設定温度を調節する場合における搭乗者の操作に対する意識と空調の状態とを踏まえて、どのような閾値を採用すればよいかを鋭意検討し、本発明を達成した次第である。
本発明の目的は、アイドリングストップ機構によるエンジンの停止の判断基準となる閾値を工夫することにより、搭乗者の意思をより適切に反映することができる車両用空調装置を提供することである。
本願第1請求項に記載した発明は、所定の停止条件に応じてエンジン(10)を停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載され、前記エンジン(10)により駆動されるコンプレッサ(110)を備えた冷凍サイクル(100)と、前記車両の車内温度を検出する検出手段(30)と、前記車両の車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段(40)と、前記車内温度及び前記車内設定温度に応じて前記コンプレッサ(110)を制御する制御手段(50)とを備え、前記制御手段(50)は、前記車内設定温度に対して予め設定された閾値を備え、前記閾値よりも前記車内温度が高い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジン(10)の停止を規制するようにした車両用空調装置(1)において、前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、前記車内設定温度の低温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記低温域と連続した中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きい構成の車両用空調装置(1)である。
本願第2請求項に記載した発明は、所定の停止条件に応じてエンジン(10)を停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載され、前記エンジン(10)により駆動されるコンプレッサ(110)を備えた冷凍サイクル(100)と、前記車両の車内温度を検出する検出手段(30)と、前記車両の車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段(40)と、前記車内温度及び前記車内設定温度に応じて前記コンプレッサ(110)を制御する制御手段(50)とを備え、前記制御手段(50)は、前記車内設定温度に対して予め設定された閾値を備え、前記閾値よりも前記車内温度が高い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジン(10)の停止を規制するようにした車両用空調装置(1)において、前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、前記車内設定温度の低温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記低温域と連続した中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きく、且つ、前記中温域と連続した高温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きい構成の車両用空調装置(1)である。
本願第3請求項に記載した発明は、請求項2において、前記中温域における前記閾値の上昇の度合いが0である構成の車両用空調装置(1)である。
本願第4請求項に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記エンジン(10)の排熱を利用して暖房を行う暖房サイクル(200)を備え、前記暖房サイクル(200)は、前記エンジン(10)を冷却する液状の熱媒体を循環するものであり、前記熱媒体を循環させるためのウォーターポンプ(210)と、前記熱媒体の熱により空気を加熱する加熱用熱交換器(220)とを備え、前記ウォーターポンプ(210)は、前記エンジン(10)により駆動されるものであり、前記制御手段(50)は、前記車内設定温度に対して予め設定された第2の閾値を備え、暖房時に前記第2の閾値よりも前記車内温度が低い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジン(10)の停止を規制するようにした構成の車両用空調装置(1)である。
本願第5請求項に記載した発明は、請求項4において、前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、前記車内設定温度の高温域における前記第2の閾値の上昇の度合いは、前記高温域と連続した中温域における前記第2の閾値の上昇の度合いよりも大きい構成の車両用空調装置(1)である。
本発明によれば、搭乗者の意思をより適切に反映することができる車両用空調装置を得ることができる。
本発明の第1及び第2実施例に係り、冷房を行う車両用空調装置を示す説明図である。 本発明の第1及び第2実施例に係り、冷房を行う車両用空調装置の制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第1実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第1実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第1実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第2実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第3実施例に係り、冷暖房を行う車両用空調装置を示す説明図である 本発明の第3実施例に係り、冷暖房を行う車両用空調装置(冷暖房用)の制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3実施例に係り、暖房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明の第3実施例に係り、暖房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明とは異なる実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明とは異なる実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明とは異なる実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。 本発明とは異なる実施例に係り、冷房時の閾値特性グラフの一例である。
(第1実施例)
以下に、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。図1に示す車両用空調装置1は、ECUの制御によって所定の停止条件に応じてエンジン10を自動的に停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載されるものである。この車両用空調装置1は、エンジン10により駆動されるコンプレッサ110を備えた冷凍サイクル100と、車両の車内温度を検出する検出手段30と、車両の車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段40と、車内温度及び車内設定温度に応じてコンプレッサ110を制御する制御手段50とを備えている。
本例の冷凍サイクル100は、コンプレッサ110と、コンプレッサ110で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器120と、凝縮器120で凝縮された冷媒を気相と液相に分離して液相を流す気液分離器130と、気液分離器130で液相に分離された冷媒を減圧して膨張する減圧装置140と、減圧装置130で減圧された冷媒を蒸発して空気を冷却する蒸発器150とを備えている。蒸発器150は、車内と連通するダクト170の内部に配置されており、送風機160によって移動する空気を冷却して冷風とする。冷凍サイクル100の作動時にはその冷風が車内に送られる構成となっている。
検出手段30は、車内の空気の温度を検知できる位置に配置されている。検出手段30の具体的な構成は特に限定はしないが、本例の場合、サーミスタなどの温度センサをアスピレータに取り付けてなるものである。
調節手段40は、搭乗者によって操作される入力装置である。調節手段40の機械的構造は特に限定はしないが、本例の場合、インストルメントパネルに設けられたダイヤル式、スライド式、スイッチ式、又はボタン式のものである。
制御手段50は、車内設定温度に対して予め設定された閾値を備え、冷房時に閾値よりも車内温度が高い場合はアイドリングストップ機構によるエンジン10の停止を規制する構成となっている。図2に示すように、冷房時(step1)にエンジンの停止条件が成立すると(step2)、検出手段30で検出された車内温度と閾値とを比較して(step3)、車内温度が高い場合はアイドリングストップを禁止し(step4)、車内温度が低い場合はアイドリングストップを許可する(step5)。
アイドリングストップが禁止されると、ECU20は停止条件の成立にかかわらずエンジン10を稼働し、コンプレッサ110が駆動される。アイドリングストップが許可されると、ECU20は停止条件の成立に応じてエンジン10を稼働せず、コンプレッサ110が駆動されない。停止したエンジン10は、停止条件が解消される、又は車内温度が閾値よりも高くなると再び稼働する。
尚、送風機160は、制御手段50によって制御され、車両に搭載されたバッテリを電源として稼働する。アイドリングストップ機構によるエンジン10の停止に伴いコンプレッサ110が駆動されない状態となっても、送風機160の稼働は継続するものとする。蒸発器150に液相の冷媒が残存している間や、蓄冷材を備えた蒸発器150にあってはその蓄冷材が冷えている間は、冷風を車内に送ることが可能である。
図3に示すように、本例の閾値は、車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、車内設定温度の低温域における閾値の上昇の度合いは、低温域と連続した中温域における閾値の上昇の度合いよりも大きいものである。図例した閾値は、図17に示す閾値と同様に、車内設定温度の下限値が18℃、上限値が30℃となっている。また、車内設定温度の下限値に対応する車内温度が25℃、上限値に対応する車内温度が32℃となっている。車内設定温度の低温域と中温域との境界は22℃、中温域と高温域との境界は26.5℃である。そして、低温域と中温域との境界に対応する車内温度が29℃、中温域と高温域との境界に対応する車内温度が31℃となっている。このような閾値によると、搭乗者の意思をより適切に反映することが可能となる。以下に、その考え方を説明する。
まず、実際の使用状況を考慮した場合、車内設定温度の調節は低温域において微妙な操作がなされるという傾向があるところ、低温域における閾値の上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも小さいと、低温域で車内設定温度を調節してもそれがエンジン停止の判断に反映されないという事態が頻繁に生じるものと考えられる。具体的には、エンジンが停止した際に暑いと感じた搭乗者が車内設定温度を低くしても、コンプレッサが駆動されずに車内温度を低くすることができず、不快に感じる場合が多くなるものと予測される。また、その際には車内設定温度が必要以上に低く設定され、停止したエンジン10が再び稼働すると過度な冷房がなされてしまうこととなる。燃料節約及び排出ガス削減という点を踏まえても、このような事態は望ましくない。
そこで本願発明者は、鋭意検討の末に、低温域における上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも大きい閾値を採用することにより、本例の構成を達成した次第である。本例によれば、低温域での車内設定温度の調節がエンジン停止の判断に反映されないという事態の頻度が確実に低下し、搭乗者の不快感が緩和される。特に、燃料節約及び排出ガス削減について目的意識の高い搭乗者が適度な冷房を要求する場合は、車内設定温度を中温域で操作すると考えられる。本例の閾値は、低温域よりも中温域においてアイドリングストップの頻度を積極的に増すように構成されおり、車内設定温度の調節が搭乗者の思惑と一致しやすいという利点がある。その結果、より快適な冷房を実現することができる。
以上説明したように、本例によると、搭乗者の意思をより適切に反映することができる車両用空調装置を得ることができる。尚、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。
尚、図3に示す閾値は、上昇の度合いが各境界で変化するものであるが、或いは図4に示すように、閾値の上昇の度合いが緩やかに変化するように構成することも可能である。また、図5に示すように、車内設定温度を所定の間隔で調節するように構成してもよい。図5に示す閾値は、車内設定温度を0.5℃の間隔で調節可能とした例である。更に、低温域における上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも大きい閾値としては、図6に示すように、中温域と高温域との間で上昇の度合いが変化しないものも考えられる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例を説明する。図7に示す閾値は、車内設定温度の低温域における閾値の上昇の度合いは、低温域と連続した中温域における閾値の上昇の度合いよりも大きく、且つ、中温域と連続した高温域における閾値の上昇の度合いは、中温域における閾値の上昇の度合いよりも大きいものである。図例した閾値は、車内設定温度の下限値が18℃、上限値が30℃となっている。また、車内設定温度の下限値に対応する車内温度が25℃、上限値に対応する車内温度が32℃となっている。車内設定温度の低温域と中温域との境界は22.5℃、中温域と高温域との境界は26.5℃である。そして、低温域と中温域との境界に対応する車内温度が28℃、中温域と高温域との境界に対応する車内温度が29℃となっている。このような閾値によると、調節手段の操作性を向上すると同時に、車内設定温度の低温域から中温域にかけて車内温度をより安定的に維持することができる。
すなわち、低温域における上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも大きい閾値を採用することによれば、前述した第1実施例と同様に、搭乗者の意思をより適切に反映することができる。ここで、車内温度をより安定的に維持するという観点からすると、エンジンの停止条件が成立してもある程度車内の冷房を優先してアイドリングストップの頻度を減らし、冷房効率を高めた方が快適且つ実用的であるという考え方もある。本願発明者は、調節手段の操作性を確保するとともに、そのような冷房状態を実現するためにはどのような工夫を施せばよいかを検討し、本例の閾値を創作した。本例の閾値は、高温域における閾値の上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも大きいものである。車内設定温度の低温域から中温域にかけて閾値に対応する車内温度が比較的低いものとなる。故に、低温域及び中温域において車内設定温度が調節される場合は、車内温度をより安定的に維持することが可能となる。このように本例の車両用空調装置は、考えられる様々な条件を踏まえて閾値を設定することにより、極めて優れた冷房を行うことができるものとなっている。
尚、図7に示す閾値は、上昇の度合いが各境界で変化するものであるが、或いは図8に示すように、閾値の上昇の度合いが緩やかに変化するように構成することも可能である。また、図9に示すように、車内設定温度を所定の間隔で調節するように構成してもよい。図9に示す閾値は、車内設定温度を0.5℃の間隔で調節可能とした例である。
更に、図10乃至図12に示す閾値は、低温域から高温域にかけて全体としては車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであるが、中温域における閾値の上昇の度合いが0となっている。図例した閾値は、車内設定温度の下限値が18℃、上限値が30℃となっている。また、車内設定温度の下限値に対応する車内温度が25℃、上限値に対応する車内温度が32℃となっている。車内設定温度の低温域と中温域との境界は23.5℃、中温域と高温域との境界は26.5℃である。そして、低温域と中温域との境界に対応する車内温度が28℃、中温域と高温域との境界に対応する車内温度が28℃となっている。このように、中温域においては車内設定温度にかかわらず値が一定の閾値を採用することも可能である。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例として、暖房を行う場合の例を説明する。図13に示すように、一般的な車両の多くは、冷凍サイクル100とは別途に、エンジン10の排熱を利用して車内の暖房を行う暖房サイクル200が設けられている。
暖房サイクル200は、エンジン10を冷却する液状の熱媒体を循環するものであり、熱媒体を循環させるためのウォーターポンプ210と、熱媒体の熱により空気を加熱する加熱用熱交換器220とを備えている。ウォーターポンプ210は、エンジン10により駆動される。加熱用熱交換器220は、車内と連通するダクト170の内部に配置されており、送風機160によって移動する空気を加熱して温風とする。暖房サイクル200の作動時にはその温風が車内に送られる構成となっている。本例の場合、加熱用熱交換器220は、送風機160に対して蒸発器150の風下に配置されている。加熱用熱交換器220と送風機160との間には、制御手段50によって制御される電磁駆動式のミックスドア180が設けられている。ミックスドア180の位置が変更されることで、加熱用熱交換器220を通過する空気と加熱用熱交換器を迂回する空気との割合が調整されて、車内に送られる空気の温度が制御される。
さて、このような暖房サイクル200は、ウォーターポンプ210がエンジン10により駆動されるので、アイドリングストップ機構によりエンジン10が停止すると熱媒体が循環されなくなり、暖房を満足に行うことができなくなるという事情がある。そこで、冷房時の場合と同様に、暖房時の閾値(第2の閾値)を予め設定してエンジンの停止を規制するように構成するとよい。以下の説明においては、冷房時の閾値をTcとし、暖房時の閾値をThとする。
制御手段50は、車内設定温度に対して予め設定されたTc及びThを備え、冷房時にTcよりも車内温度が高い場合はアイドリングストップ機構によるエンジン10の停止を規制するとともに、暖房時にThよりも車内温度が低い場合はアイドリングストップ機構によるエンジンの停止を規制する構成となっている。図14に示すように、冷房時(step1)にエンジンの停止条件が成立すると(step2)、検出手段30で検出された車内温度とTcとを比較して(step3)、車内温度が高い場合はアイドリングストップを禁止し(step7)、車内温度が低い場合はアイドリングストップを許可する(step8)。また、暖房時(step4)にエンジンの停止条件が成立すると(step5)、検出手段30で検出された車内温度とThとを比較して(step6)、車内温度が低い場合はアイドリングストップを禁止し(step7)、車内温度が高い場合はアイドリングストップを許可する(step8)。
アイドリングストップが禁止されると、ECU20は停止条件の成立にかかわらずエンジン10を稼働し、冷房時であればコンプレッサ110が駆動され、暖房時であればウォーターポンプ210が駆動される。アイドリングストップが許可されると、ECU20は停止条件の成立に応じてエンジン10を稼働せず、冷房時であってもコンプレッサ110が駆動されず、暖房時であってもウォーターポンプ210が駆動されない。停止したエンジン10は、停止条件が解消される、冷房時に車内温度がTcよりも高くなる、又は暖房時に車内温度がThよりも低くなると再び稼働する。
尚、アイドリングストップ機構によるエンジン10の停止に伴いコンプレッサ110又はウォーターポンプ210が駆動されない状態となっても、送風機160の稼働は継続するものとする。蒸発器150に液相の冷媒が残存している間や、蓄冷材を備えた蒸発器150にあってはその蓄冷材が冷えている間は、冷風を車内に送ることが可能である。また、加熱用熱交換器220に滞留している熱媒体が冷え切るまでの間は、温風を車内に送ることが可能である。
また、このような車両用空調装置1は、暖房サイクル200による暖房と、冷凍サイクル100による冷房とを同時に行うことにより、車内を除湿するように構成することも可能である。すなわち、蒸発器150で冷却されることによって除湿された冷風を加熱用熱交換器220で加熱することにより、所定の車内温度を維持しつつ除湿がなされるように構成してもよい。
冷房時にアイドリングストップをした場合、Tcによって車内温度は車内設定温度よりも高い温度範囲に制御される。暖房時にアイドリングストップをした場合、Thによって車内温度は車内設定温度よりも低くい温度範囲に制御される。Tcとしては、図3乃至図12のいずれかを採用する。Thとしては、車内設定温度の下限値と上限値がTcと同じであって、車内設定温度の上昇に応じて上昇するものを採用する。
特に限定はしないが、図15に示すThは、車内設定温度の下限値から上限値にかけて車内設定温度に比例するものである。図例したThは、車内設定温度の下限値が18℃、上限値が30℃となっている。また、車内設定温度の下限値に対応する車内温度が13℃、上限値に対応する車内温度が20℃となっている。
また、ThはTcに基づいて設定してもよい。例えば、図16に示すThは、図7に示すTcの車内温度を12℃下げるとともに、アイドリングストップの禁止と許可の判断を逆転してなるものである。このように、暖房時において、高温域における上昇の度合いが中温域における上昇の度合いよりも大きい閾値を採用することによれば、高温域での車内設定温度の調節がエンジン停止の判断に反映されないという事態の頻度が確実に低下し、搭乗者の不快感が緩和される。特に、燃料節約及び排出ガス削減について目的意識の高い搭乗者が適度な暖房を要求する場合は、車内設定温度を中温域で操作すると考えられる。本例の閾値は、高温域よりも中温域においてアイドリングストップの頻度を積極的に増すように構成されおり、車内設定温度の調節が搭乗者の思惑と一致しやすいという利点がある。その結果、より快適な暖房を実現することができる。
以上のように、冷房のみならず暖房の状態に応じてアイドリングストップ機構によるエンジンの停止を規制するように構成することも可能である。
本発明は、エンジン自動車やハイブリッド自動車に搭載される車両用空調装置として好適に利用することが可能である。
1 車両空調用冷凍サイクル
10 エンジン
20 ECU
30 検出手段
40 調節手段
50 制御手段
100 冷凍サイクル
110 コンプレッサ
120 凝縮器
130 気液分離器
140 膨張装置
150 蒸発器
160 送風機
170 ダクト
180 ミックスドア
200 暖房サイクル
210 ウォーターポンプ
220 加熱用熱交換器

Claims (5)

  1. 所定の停止条件に応じてエンジンを停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載され、
    前記エンジンにより駆動されるコンプレッサを備えた冷凍サイクルと、
    前記車両の車内温度を検出する検出手段と、
    前記車両の車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段と、
    前記車内温度及び前記車内設定温度に応じて前記コンプレッサを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記車内設定温度に対して予め設定された閾値を備え、前記閾値よりも前記車内温度が高い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジンの停止を規制するようにした車両用空調装置において、
    前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、前記車内設定温度の低温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記低温域と連続した中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きいことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 所定の停止条件に応じてエンジンを停止するアイドリングストップ機構を備えた車両に搭載され、
    前記エンジンにより駆動されるコンプレッサを備えた冷凍サイクルと、
    前記車両の車内温度を検出する検出手段と、
    前記車両の車内設定温度を搭乗者が任意に調節するための調節手段と、
    前記車内温度及び前記車内設定温度に応じて前記コンプレッサを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記車内設定温度に対して予め設定された閾値を備え、前記閾値よりも前記車内温度が高い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジンの停止を規制するようにした車両用空調装置において、
    前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、
    前記車内設定温度の低温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記低温域と連続した中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きく、且つ、前記中温域と連続した高温域における前記閾値の上昇の度合いは、前記中温域における前記閾値の上昇の度合いよりも大きいことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記中温域における前記閾値の上昇の度合いが0であることを特徴とする請求項2記載の車両用空調装置。
  4. 前記エンジンの排熱を利用して暖房を行う暖房サイクルを備え、
    前記暖房サイクルは、前記エンジンを冷却する液状の熱媒体を循環するものであり、前記熱媒体を循環させるためのウォーターポンプと、前記熱媒体の熱により空気を加熱する加熱用熱交換器とを備え、
    前記ウォーターポンプは、前記エンジンにより駆動されるものであり、
    前記制御手段は、前記車内設定温度に対して予め設定された第2の閾値を備え、暖房時に前記第2の閾値よりも前記車内温度が低い場合は前記アイドリングストップ機構による前記エンジンの停止を規制するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の車両用空調装置。
  5. 前記閾値は、前記車内設定温度の上昇に応じて上昇するものであり、
    前記車内設定温度の高温域における前記第2の閾値の上昇の度合いは、前記高温域と連続した中温域における前記第2の閾値の上昇の度合いよりも大きいことを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
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