JP6029253B1 - 合成繊維用処理剤エマルション、合成繊維用処理剤エマルションの調製方法及び合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維用処理剤エマルション、合成繊維用処理剤エマルションの調製方法及び合成繊維の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合成繊維の紡糸工程における給油ラインで、合成繊維用処理剤エマルション中に気泡が発生するのを効果的に抑止することにより、紡糸工程での毛羽の発生を防ぎ、優れた染色性の糸を製造できる合成繊維用処理剤エマルション、合成繊維用エマルションの調製方法及び合成繊維の処理方法を提供する。【解決手段】特定の合成繊維用処理剤と水とを特定割合で混合した合成繊維用処理剤エマルションであって、溶存酸素濃度を10mg/L以下又は所定の方法で測定した気体発生量を10mL/L以下にした。【選択図】なし

Description

本発明は合成繊維用処理剤エマルション、合成繊維用処理剤エマルションの調製方法及び合成繊維の処理方法に関する。
従来、合成繊維用処理剤エマルションを用いる合成繊維の処理方法として、アルキルアミンにアルキレンオキサイドを付加した特定のポリエーテル化合物を含有する合成繊維用処理剤を10%エマルションとし、このエマルションをそのままポリエステル系合成繊維に付着させる方法(例えば、特許文献1参照)、特定の分子量分布と分布定数を有する脂肪族系アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有する合成繊維用処理剤を20%エマルションとし、このエマルションをそのままポリエステル系合成繊維に付着させる方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。しかし、これら従来の合成繊維用処理剤エマルションを用いる合成繊維の処理方法には、合成繊維の紡糸工程における給油ラインで合成繊維用処理剤エマルション中にしばしば気泡が発生し、さらにはエマルション中で発生する細菌に由来したスカムも発生する。これら気泡やスカムに起因して合成繊維用処理剤の付着量が変動し、結果として紡糸工程で毛羽が発生して糸の生産性を不安定にしたり、得られる糸の染色性を悪化させるという問題がある。
特開平6−228885号公報 特開2003−155664号公報
本発明が解決しようとする課題は、合成繊維の紡糸工程における給油ラインで、合成繊維用処理剤エマルション中に気泡が発生するのを効果的に抑止し、さらにエマルションから発生するスカムを抑制することにより、紡糸工程での毛羽の発生を防ぎ、優れた染色性の糸を製造できる合成繊維用処理剤エマルション、合成繊維用処理剤エマルションの調製方法及び合成繊維の処理方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の合成繊維用処理剤と水とを特定割合で混合し、更に特定の防腐剤を特定割合で混合した合成繊維用処理剤エマルションであって、溶存酸素濃度が7mg/L以下又は所定の方法で測定した気体発生量が2mL/L以下にした合成繊維用処理剤エマルションが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、平滑剤を40〜75質量%及び界面活性剤を25〜60質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る合成性繊維用処理剤100質量部当たり、水を20〜100000質量部の割合で含有し、また下記の防腐剤を0.0005〜0.01質量%の割合で含有する合成繊維用処理剤エマルションであって、溶存酸素濃度が7mg/L以下又は下記の気体発生量が2mL/L以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤エマルションに係る。また本発明はかかる合成繊維用処理剤エマルションの調製方法及びかかる合成繊維用処理剤エマルションを用いる合成繊維の処理方法に係る。
防腐剤:イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物、ジオキサン系の有機化合物及びジオール系の有機化合物から選ばれる防腐剤
気体発生量:合成繊維用処理剤エマルションを気体が入らないよう容器に密閉し、50℃で24時間静置して、この間に合成繊維用処理剤エマルションから発生した気体の容量を、合成繊維用処理剤エマルション1L当たりから発生した50℃で1気圧下における気体の容量に換算した値
先ず、本発明に係る合成繊維用処理剤エマルション(以下、本発明のエマルションという)について説明する。本発明のエマルションは、平滑剤を40〜75質量%及び界面活性剤を25〜60質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る合成性繊維用処理剤100質量部当たり、水を20〜100000質量部の割合で含有し、また前記の防腐剤を0.0005〜0.01質量%の割合で含有する合成繊維用処理剤エマルションであって、溶存酸素濃度が7mg/L以下又は前記の気体発生量が2mL/L以下である合成繊維用処理剤エマルションである。
本発明のエマルションに供する合成繊維用処理剤中の平滑剤としては、1)ポリエーテル化合物、2)脂肪族エステル化合物、3)芳香族エステル化合物、4)(ポリ)エーテルエステル化合物、5)鉱物油等が挙げられる。これらの平滑剤は単独で用いることもできるし、また二つ以上を混合して用いることもできる。
ポリエーテル化合物としては、いずれも分子中にポリオキシアルキレン基を有する、ポリエーテルモノオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール等が挙げられるが、なかでも平均分子量700〜10000のポリエーテル化合物が好ましく、炭素数1〜18の1〜3価のヒドロキシ化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドをブロック状又はランダム状に付加した平均分子量700〜10000のポリエーテル化合物がより好ましい。
脂肪族エステル化合物としては、1)ブチルラウラート、オクチルステアラート、ラウリルオクタナート、オレイルラウラート、オレイルオレアート、イソペンタコサニルイソステアラート等の、脂肪族1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、2)1,6−ヘキサンジオールジデカナート、トリメチロールプロパントリオレアート等の、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、3)ジラウリルアジペート、ジオレイルアゼレート等の、脂肪族1価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル等が挙げられるが、なかでも脂肪族1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステルであって、総炭素数15〜50のエステルが好ましい。
芳香族エステル化合物としては、1)ベンジルステアラート、ベンジルラウラート等の、芳香族アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、2)ジイソステアリルイソフタラート、トリオクチルトリメリテート等の、脂肪族1価アルコールと芳香族カルボン酸とのエステル等が挙げられるが、なかでも脂肪族1価アルコールと芳香族カルボン酸とのエステルであって、総炭素数15〜50のエステルが好ましい。
(ポリ)エーテルエステル化合物は、結果として、以上説明した脂肪族エステル化合物或は芳香族エステル化合物に(ポリ)エーテル部を導入した構造を有するものである。かかる(ポリ)エーテルエステル化合物としては、1)炭素数4〜26の1〜3価の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と、炭素数4〜26の脂肪族カルボン酸とをエステル化した、分子中に1〜3個のエステル基を有する(ポリ)エーテルエステル化合物、2)1〜3価の芳香族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と、炭素数4〜26の脂肪族カルボン酸とをエステル化した、分子中に1〜3個のエステル基を有する(ポリ)エーテルエステル化合物、3)炭素数4〜26の1〜3価の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と、芳香族カルボン酸とをエステル化した、分子中に1〜3個のエステル基を有する(ポリ)エーテルエステル化合物等が挙げられる。
鉱物油としては、それ自体は公知の各種が挙げられるが、なかでも30℃の粘度が1×10−6〜2×10−4/sのものが好ましく、30℃の粘度が1×10−6〜5×10−5/sのものがより好ましい。かかる好ましい鉱物油としては流動パラフィンオイルが有利に使用できる。
また本発明のエマルションに供する合成繊維用処理剤中の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で用いることもできるし、二つ以上を混合して用いることもできる。
アニオン性界面活性剤としては、1)オクチル酸カリウム、オレイン酸カリウム等の有機脂肪酸塩、2)デカンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、3)ドデシル硫酸ナトリウム等の有機硫酸塩、4)ラウリルリン酸エステルカリウム、オレイルリン酸エステルカリウム等の有機リン酸エステル塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、1)ジメチルステアリルアミンオキサイド等の有機アミンオキサイド、2)オクチルジメチルアンモニオアセタート等のベタイン型両性界面活性剤、3)N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクチルアミンナトリウム等のアラニン型両性界面活性剤等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、1)有機酸、有機アルコール、有機アミン及び/又は有機アミド分子に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物、例えばポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリン酸エステルメチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテルメチルエーテル、ポリオキシブチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンラウロアミドエーテル等のエーテル型ノニオン性界面活性剤、2)ソルビタントリオレアート、グリセリンモノラウラート等の多価アルコール部分エステル型ノニオン性界面活性剤、3)ポリオキシアルキレンソルビタントリオレアート、ポリオキシアルキレンヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油エーテルトリオレアート等のポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル型ノニオン性界面活性剤、4)ジエタノールアミンモノラウロアミド等のアルキルアミド型ノニオン性界面活性剤、5)ポリオキシエチレンジエタノールアミンモノオレイルアミド等のポリオキシアルキレン脂肪酸アミド型ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
本発明のエマルションに供する水としては、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられるが、なかでもイオン交換水、蒸留水が好ましい。
本発明のエマルションは溶存酸素濃度が7mg/L以下又は気体発生量が2mL/L以下のものである。溶存酸素濃度の測定は常法にしたがえばよく、かかる測定方法としては隔膜電極法が挙げられる。また気体発生量は、前記したように、合成繊維用処理剤エマルションを気体が入らないよう容器に密閉し、50℃で24時間静置して、この間に合成繊維用処理剤エマルションから発生した気体の容量を、合成繊維用処理剤エマルション1Lあたりから発生した50℃で1気圧下における気体の容量に換算した値である。
本発明のエマルションは、以上説明した平滑剤、界面活性剤及び水を含有するものであるが、更に防腐剤を含有するものである。ここで防腐剤は、所謂防腐剤の他に、抗菌剤や殺菌剤の類を含む意味である。かかる防腐剤としては、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物、ジオキサン系の有機化合物及びジオール系の有機化合物から選ばれるものを用いる。具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−n―オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、ジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、5−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも防腐剤としては、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物とジオール系有機化合物の混合物が好ましく、塩化イソチアゾロン系有機硫黄化合物とジオール系有機化合物の混合物がより好ましい。
防腐剤は、本発明のエマルション中にて0.0005〜0.01質量%となるよう添加するが、0.001〜0.01質量%となるよう添加するのが好ましい。
次に、本発明に係る合成繊維用処理剤エマルションの調製方法(以下、本発明の調製方法という)について説明する。本発明のエマルションは、調製に用いる合成繊維用処理剤、調製に用いる水及び/又は調製途中のエマルションに溶存気体の低減処理を行うことにより調製することができる。具体的には、1)特定の工程1A及び特定の工程2Aを経る方法(以下、本発明の調製方法Aという)、2)特定の工程1B及び特定の工程2Bを経る方法(以下、本発明の調製方法Bという)のいずれの方法でも調製できる。
本発明の調製方法は、前記したように調製に用いる合成繊維用処理剤、調製に用いる水及び/又は調製途中のエマルションに溶存気体の低減処理を行う合成繊維用処理剤エマルションの調製方法である。溶存気体の低減処理とは、加温、超音波、減圧等の処理、更にはかかる処理と静置、緩やかな撹拌等を組合わせた処理により、合成繊維用処理剤、水、エマルションに溶解している気体を低減する処理のことである。
本発明の調製方法に用いる合成繊維用処理剤、水、防腐剤は、本発明のエマルションについて前記したものと同様である。
具体的に本発明の調製方法Aは、下記の工程1A及び工程2Aを経る合成繊維用処理剤エマルションの調製方法である。
工程1A:調製に用いる水の温度を、合成繊維用処理剤エマルションを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度以上で水の沸点以下になるよう温調する工程
工程2A:合成繊維用処理剤と、工程1Aで温調した水とを混合し、更に防腐剤を混合して、合成繊維用処理剤エマルションを調製する工程
本発明の調製方法Aは、前記した工程1A及び工程2Aに加え、更に下記の工程3Aを経ることが好ましい。
工程3A:工程2Aで調製した合成繊維用処理剤エマルションを、それを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する工程
工程1Aにおいて、調製に用いる水の温度を、合成繊維用処理剤エマルションを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度以上で水の沸点以下になるよう温調する方法としては、あらかじめ調製に用いる水をタンクに入れ、蒸気又は電気ヒーター等の方法により、温度制御下で加温する方法が挙げられる。
また工程3Aにおいて、前記の工程1A及び2Aを経て調製した合成繊維用処理剤エマルションを、それを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する方法としては、エマルションのストックタンクを蒸気又は電気ヒーター等により、温度制御下で加温する方法や、エマルションを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度で一晩静置する方法等が挙げられる。
本発明の調製方法Aに用いる合成繊維用処理剤、水、防腐剤は、本発明のエマルションについて前記したものと同様である。
本発明の調製方法Aにおける合成繊維用処理剤エマルションの調製は、通常、エマルション調製タンクで行うが、例えば調製に用いる水はエマルション調製タンクにおいて蒸気又は電気ヒーター等により温調することができる。またエマルション調製タンクで調製した合成繊維用処理剤エマルションは、通常、ストックタンクに移送し、合成繊維への給油前に一時的に貯留するが、例えば合成繊維用処理剤エマルションはストックタンクにおいて蒸気又は電気ヒーター等により温調することができる。
また本発明の調製方法Bは、下記の工程1B及び工程2Bを経る合成繊維用処理剤エマルションの調製方法である。
工程1B:合成繊維用処理剤と、水とを混合し、更に防腐剤を混合して、エマルションを調製する工程
工程2B:工程1Bで調製したエマルションを、それを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する工程
工程2Bにおいて、工程1Bで調製したエマルションをそれを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する方法としては、エマルションをストックタンクに入れ、蒸気又は電気的エネルギー等により、温度制御下で加温する方法や、エマルションを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度で一晩静置する方法等が挙げられる。
本発明の調製方法Bに用いる合成繊維用処理剤や水は、本発明のエマルションについて前記したものと同様である。
本発明の調製方法Bにおいて、合成繊維用処理剤エマルションは、通常、ストックタンクに移送し、合成繊維への給油前に一時的に貯留するが、例えば合成繊維用処理剤エマルションはストックタンクにおいて蒸気又は電気ヒーター等により温調することができる。
最後に本発明に係る合成繊維の処理方法(以下、本発明の処理方法という)について説明する。本発明の処理方法は、本発明のエマルションを、合成繊維に対し合成繊維用処理剤として0.1〜10質量%となるよう付着させる処理方法である。
合成繊維としては、1)エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル、2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、3)ポリアクリロニトリル、モダアクリル等のポリアクリル、4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等が挙げられる。
付着させるための給油手段としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等、公知の方法が挙げられるが、ローラー給油法又は計量ポンプを用いたガイド給油法が好ましい。
以上説明した本発明によると、合成繊維の紡糸工程における給油ラインで合成繊維用処理剤エマルション中に気泡が発生するのを効果的に抑止し、さらにエマルションから発生するスカムを抑制することにより、紡糸工程での毛羽の発生を防ぎ、優れた染色性の糸を製造できるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(合成繊維用処理剤エマルションの調製)
・実施例1
平滑剤として表1に記載のL−1を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ80℃に温調しておいた水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−1を0.005%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを40℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度を40℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・実施例2
平滑剤として表1に記載のL−2を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ60℃に温調しておいた水200部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−2を0.003%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを30℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度を30℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・実施例3
平滑剤として表1に記載のL−2を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ80℃に温調しておいた水90000部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−1を0.004%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを40℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度を40℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・実施例4
平滑剤として表1に記載のL−1を75部、界面活性剤として表1に記載のS−2を19部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ70℃に温調しておいた水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−3を0.005%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを30℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度を30℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・実施例5
平滑剤として表1に記載のL−3を40部、界面活性剤として表1に記載のS−1を54部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ80℃に温調しておいた水1000部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−1を0.005%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを40℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度40℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・実施例6
平滑剤として表1に記載のL−1を70部、界面活性剤として表1に記載のS−1を24部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ80℃に温調しておいた水800部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−3を0.008%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が20℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・実施例7
平滑剤として表1に記載のL−4を50部、界面活性剤として表1に記載のS−2を44部及びS−5を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ50℃に温調しておいた水1000部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−2を0.001%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・実施例8
平滑剤として表1に記載のL−2を45部、界面活性剤として表1に記載のS−1を49部及びS−5を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ60℃に温調しておいた水80部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−3を0.004%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・実施例9
平滑剤として表1に記載のL−2を40部、界面活性剤として表1に記載のS−1を54部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を10℃の水100部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−1を0.004%となるよう添加して均一に撹拌した。その後、このエマルションを30℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度30℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・参考例10
平滑剤として表1に記載のL−1を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ80℃に温調しておいた水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。その後、このエマルションを40℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度40℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・参考例11
平滑剤として表1に記載のL−2を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ60℃に温調しておいた水200部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。その後、このエマルションを30℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度30℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・参考例12
平滑剤として表1に記載のL−2を60部、界面活性剤として表1に記載のS−2を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤をあらかじめ60℃に温調しておいた水1200部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・参考例13
平滑剤として表1に記載のL−4を70部、界面活性剤として表1に記載のS−2を26部及びS−3を4部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水5000部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。その後、このエマルションを30℃に温調したストックタンクへ移送し、一晩静置して、温度30℃に温調した合成繊維用処理剤エマルションを調製した。
・参考例14
平滑剤として表1に記載のL−1を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。調製したエマルションに対して防腐剤として表1に記載のA−1を0.005%添加して均一に撹拌した。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・参考例15
平滑剤として表1に記載のL−2を65部、界面活性剤として表1に記載のS−2を29部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水1000部とエマルション調製タンク内で均一に混合し、エマルションとした。このエマルションを一晩静置した後、ストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例1
平滑剤として表1に記載のL−3を80部、界面活性剤として表1に記載のS−2を16部及びS−5を4部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を60℃に温調しておいた水900部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−2を0.003%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が15℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例2
平滑剤として表1に記載のL−2を30部、界面活性剤として表1に記載のS−1を64部及びS−4を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を60℃に温調しておいた水200部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が15℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例3
平滑剤として表1に記載のL−1を35部、界面活性剤として表1に記載のS−2を59部及びS−5を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水2000部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が5℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例4
平滑剤として表1に記載のL−1を60部、界面活性剤として表1に記載のS−1を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を10℃の水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−3を0.003%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例5
平滑剤として表1に記載のL−1を60部、界面活性剤として表1に記載のS−2を34部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水300部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が5℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例6
平滑剤として表1に記載のL−1を75部、界面活性剤として表1に記載のS−2を19部及びS−3を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を10℃の水7000部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。調製したエマルションに防腐剤として表1に記載のA−2を0.003%となるよう添加して均一に撹拌した。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が10℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
・比較例7
平滑剤として表1に記載のL−1を40部、界面活性剤として表1に記載のS−2を54部及びS−5を6部の割合で均一に混合し、得られた合成繊維用処理剤を5℃の水20000部とエマルション調製タンク内で均一に混合して、エマルションとした。このエマルションを直ちにストックタンクへ移送した。温度が5℃の合成繊維用処理剤エマルションであった。
以上で調製した各例の合成繊維用処理剤エマルションの内容を、その温度を除き、表1にまとめて示した。
































Figure 0006029253
表1において、
L−1:ラウリルオクタナート/30℃の粘度が1.3×10−5/sの鉱物油=67/33(質量比)の混合物
L−2:ポリオキシエチレン(n=8)モノブチルエーテルのラウリン酸エステル
L−3:ブチルアルコールにエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とをEO/PO=50/50(質量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量10000のポリエーテルモノオール/ラウリルアルコールにエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とをEO/PO=40/60(質量比)の割合でブロック状に付加した数平均分子量1800のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とをEO/PO=50/50(質量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量1000のポリエーテルモノオール=12/38/50(質量比)の混合物
L−4:α−ブチル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)(n=8)のラウリン酸エステル/ブチルアルコールにエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とをEO/PO=50/50(質量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量3000のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とをEO/PO=40/60(質量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量1000のポリエーテルモノオール=21/26/53(質量比)の混合物
S−1:ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油エーテルトリオレアート
S−2:ポリオキシエチレン(8モル)ラウリルエーテル
S−3:デカンスルホン酸カリウム/オレイン酸カリウム=50/50(質量比)の混合物
S−4:デカンスルホン酸カリウム/ラウリルリン酸エステルカリウム=42/58(質量比)の混合物
S−5:ドデシル硫酸ナトリウム
A−1:2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの混合物
A−2:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの混合物
A−3:2−n―オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの混合物
試験区分2(合成繊維用処理剤エマルションの溶存酸素濃度及び気体発生量の測定)
・溶存酸素濃度の測定
試験区分1で調製した各例の合成繊維用処理剤エマルションをビーカーに100ml量りとり、下記の隔膜電極法式溶存酸素計の検出プローブを該合成繊維用処理剤エマルション中に入れ、溶存酸素濃度を測定した。結果を表2にまとめて示した。
隔膜電極法式溶存酸素計:飯島電子工業社製の溶存酸素計DOメーター B−506
・気体発生量の測定
試験区分1で調製した各例の合成繊維用処理剤エマルション1Lを最大容量1.5Lのチャック付ポリ袋に気体が入らないよう注いで密閉し、50℃で24時間静置した。その後、チャック付ポリ袋内にあらかじめ入れておいたメスシリンダーに発生した気体をすべて補足し、合成繊維用処理剤エマルション1Lあたりから発生した50℃で1気圧下における気体の容量を測定した。結果を表2にまとめて示した。
・合成繊維への合成繊維用処理剤エマルションの付着
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタラートを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、試験区分1で調製した各例の合成繊維用処理剤エマルションを、表2中の付着時の雰囲気温度下で、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、合成繊維用処理剤としての付着量が1.0%となるよう付着させた後、ガイドで集束させ、表面速度5000m/分で表面温度90℃の第1コデットローラーと、表面速度5500m/分で表面温度150℃の第2コデットローラーとで延伸後、5500m/分の速度で巻き取り、83デシテックス36フィラメントの延伸糸を得た。この試験を7日間連続して行った。
試験区分3(紡糸毛羽及び染色斑の評価)
・紡糸毛羽の評価
前記のように7日間連続して試験し、7日目に得た延伸糸について巻き取り直前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて5時間当たりの毛羽数を測定し、以下の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
毛羽の評価基準
1:測定された毛羽数が0〜5個
2:測定された毛羽数が6〜10個
3:測定された毛羽数が11〜25個
4:測定された毛羽数が26個〜40個
5:測定された毛羽数が41個以上
・染色斑の評価
前記の毛羽を測定した延伸糸を用い、筒編機で直径70mm、長さ1.2mの編地を作成した。作成した編地を、分散染料(日本化薬社製の商品名カヤロンポリエステルブルーEBL−E)を用い、高圧染色法により染色した。染色した編地を、常法に従い水洗、還元洗浄及び乾燥した後、直径70mm、長さ1mの鉄製の筒に装着して、編地表面の濃染部分の点数を肉眼で数え、これを3回行った合計について以下の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
染色斑の評価基準
1:濃染部分がない
2:濃染部分が1〜9点ある
3:濃染部分が10〜19点ある
4:濃染部分が20〜29点ある
5:濃染部分が30点以上ある






















Figure 0006029253
表1及び表2の結果からも明らかなように、本発明によれば、合成繊維の紡糸工程における給油ラインで合成繊維用処理剤エマルション中に気泡が発生するのを効果的に抑止することにより、紡糸工程での毛羽の発生を防ぎ、優れた染色性を示す糸を製造できる。

Claims (7)

  1. 平滑剤を40〜75質量%及び界面活性剤を25〜60質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る合成性繊維用処理剤100質量部当たり、水を20〜100000質量部の割合で含有し、また下記の防腐剤を0.0005〜0.01質量%の割合で含有する合成繊維用処理剤エマルションであって、溶存酸素濃度がmg/L以下又は下記の気体発生量がmL/L以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤エマルション。
    防腐剤:イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物、ジオキサン系の有機化合物及びジオール系の有機化合物から選ばれる防腐剤
    気体発生量:合成繊維用処理剤エマルションを気体が入らないよう容器に密閉し、50℃で24時間静置して、この間に合成繊維用処理剤エマルションから発生した気体の容量を、合成繊維用処理剤エマルション1Lあたりから発生した50℃で1気圧下における気体の容量に換算した値
  2. 防腐剤が、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物とジオール系有機化合物の混合物である請求項1記載の合成繊維用処理剤エマルション。
  3. 請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤エマルションの調製方法であって、調製に用いる合成繊維用処理剤、調製に用いる水及び/又は調製途中のエマルションに溶存気体の低減処理を行なうことを特徴とする合成繊維用処理剤エマルションの調製方法。
  4. 請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤エマルションの調製方法であって、下記の工程1A及び工程2Aを経ることを特徴とする合成繊維用処理剤エマルションの調製方法。
    工程1A:調製に用いる水の温度を、合成繊維用処理剤エマルションを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度以上で水の沸点以下になるよう温調する工程
    工程2A:合成繊維用処理剤と、工程1Aで温調した水とを混合し、更に防腐剤を混合して、合成繊維用処理剤エマルションを調製する工程
  5. 更に下記の工程3Aを経る請求項4記載の合成繊維用処理剤エマルションの調製方法。
    工程3A:工程2Aで調製した合成繊維用処理剤エマルションを、それを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する工程
  6. 請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤エマルションの調製方法であって、下記の工程1B及び工程2Bを経ることを特徴とする合成繊維用処理剤エマルションの調製方法。
    工程1B:合成繊維用処理剤と、水とを混合し、更に防腐剤を混合して、エマルションを調製する工程
    工程2B:工程1Bで調製したエマルションを、それを合成繊維に付着させるときの雰囲気温度との差が20℃以内となるよう温調する工程
  7. 請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤エマルションを、合成繊維に対し合成繊維用処理剤として0.1〜10質量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
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