JP2008523984A - 疎水性液を脱気する方法及びそれから形成されたエマルション - Google Patents

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Abstract

本発明は、疎水性液に溶解したガスの少なくとも一部が水性液に移されるように、疎水性液を、疎水性多孔質膜の一方の側に沿って通し、かつ同時に、脱気水性液を、その膜のもう一方の側に沿って通すことを含む溶解ガスを含む疎水性液を脱気する方法に関する。本発明はまた、調製された脱気された疎水性液を水性液と一緒に用いてエマルションを調製する方法にも関する。このようにして調製されたエマルションは、乳化剤、界面活性剤又は安定剤を実質的に含まない。

Description

本発明は、一般に、疎水性多孔質膜を用いて疎水性液相を脱気する方法に関する。本発明はまた、疎水性液と水性液のエマルションを調製する方法に関する。有利には、そのようにして調製されたエマルションは、乳化剤、界面活性剤又は安定剤を実質的に含まない。本発明はさらに、そのように調製されたエマルションに関する。
本明細書におけるいずれの先行技術についての言及も、その先行技術がオーストラリア国における共通一般知識に含まれるということを認めるものでも何か示唆するものでもなく、また、そのように解釈されるべきではない。
本書で引用される参考文献の内容は、あらゆる目的に関してそれらのすべてを本明細書に組み入れたものと解釈されたい。
水性及び非水性液からの溶解ガス、例えばO2、N2及びCO2の除去(脱気)は、化学産業、製薬産業及び技術産業において非常に多くの用途が見出される。例えば、酸素の除去は、酸素感受性化学反応、例えばラジカル系反応などに必須であり、酸化的分解を防止することにより医薬製剤の長期保存を手助けする。最近になって、脱気溶媒が、乳化剤、界面活性剤又は安定剤の添加の必要なく、水相中の疎水性材料の安定なエマルション(例えば、水中油型エマルション)及び微粒子分散液の形成に極めて有用であることが分かった(米国特許出願第10/703,094号、国際公開パンフレットWO 2005/044884及びWO 2005/044229)。
液相を脱気するのには、数多くの方法が現在用いられている。1つは、液相を液体窒素中で凍結し、真空ポンプにより除気する凍結−ポンプ−融解方法である。ガスの除去後、凍結した液体は融解され、残留する溶解ガスが液体の上部の空間へ導かれる。このサイクルは、数回繰り返してよい。別法によれば、わずかな真空下での音波処理を用いた部分脱気を用いることができる。特定のガスが不在であることが望ましい場合には、活性ガス、例えば酸素が、不活性ガス、例えば窒素に置き換えられるパージングを用いてもよい。
さらに近年になると、水性液相を脱気するのに、微多孔膜が使用されることが多くなってきている。その技術は、現在、実験室小規模装置レベルであったのが、1分間当たり数百〜数千リットルで運転する水処理システムに適した大規模産業用装置レベルまでになっている。微多孔膜は、物質(ガス)移動のために、一方の相からもう一方の相へと分散させることなく、気相と液相とを互いに接触させることが可能である。一般に、微多孔膜は、水に溶解したガスを除去するために使用することができる。これらの方法は、液体が表面と接触する際の表面張力現象と、その結果として、湾曲した液界面を隔てて得られる圧力差を利用している。
表面張力γを有する液体が半径rを有する毛細管又は孔と接触角θをなしている場合には、圧力差ΔP、ラプラス(Laplace)内圧としても知られる、は、次式より算出される。これが、液体を孔に押しやるのに必要な圧力である。
Figure 2008523984
完全又は部分的湿潤状況では、例えば、接触角が90°未満である場合、液体は孔を自然に湿らせ、低圧力勾配下で通過するであろう。これに対して、接触角が約90°より大きい場合には、例えば、水と疎水性孔では、液体が実質的な圧力で孔に押しやられるであろうと思われる。例えば、疎水性多孔質膜は小さな孔を有しており、その孔を水が通過する際には必ず相当な圧力がかかる。この膜は、液体と気相との間にあって、それらをその孔で相互作用させる支持体として本質的に作用する。
ヘンリーの法則では、平衡状態で水に溶解するガスの量は、水と接触する気相におけるその分圧に比例すると定められている。よって、水(気圧値に対応して最初の溶解ガス、例えばO2、N2及びCO2の濃度を有する)と接触するガスの分圧を、例えば、膜の反対側で真空又は不活性スイープガスを用いて低下させると、溶解ガスは水から抜け、膜を移動し、それにより水が脱気されるであろう。
水の表面張力が高い(73mJm-2)ことから、また、低表面張力の膜、例えば、表面張力がおよそ18mJm-2のテフロン(登録商標)を使用することにより、得られる界面張力も高く、接触角110°を与える。溶解ガスは、膜の一方の側に水性液体を流し、もう一方の側にスイープガス及び/又は真空を適用することにより、水性流から除去することができる。水と接触するガスの分圧を調整することにより、ガスを選択的に除去することができる。1atm下及び25℃で、水はおよそ8.5ppmの溶存酸素を含有するであろう。この方法では、酸素の残存レベルをおよそ1ppbまで低下させることができ、この値は、脱気レベル約99.98%に相当する。
微多孔膜の効率やその結果として得られるそれらの大規模処理への適用性と、特定の用途、例えば界面活性剤及び安定剤を実質的に含まない安定なエマルションの形成において脱気された疎水性液を用いることの利点とを考えると、多孔質膜を用いて疎水性液を脱気できることが望ましい。
しかしながら、疎水性液、例えば炭化水素及びフッ化炭素などの表面張力値は低く、その値は水を脱気するのに用いる疎水性膜の値に近い。そのため、得られる接触角は小さく、疎水性液は孔を湿らせ、特に、膜の反対側に真空を適用する場合には、膜を通過する。このように、水を脱気するのに現在用いられている方法は、疎水性液の脱気には適さない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通じて、特に断りのある場合を除き、単語「含む(comprise)」及びその変形、例えば「含む(comprises)」及び「含む(こと)(comprising)」は、記載の整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群を含むことを意味し、但し、他の整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群を排除することを意味するものではないことを理解されたい。
このたび、その液体中に溶解したガスを含有する疎水性液を、疎水性多孔質膜を用いて、2種類の液体が膜で接触し、それにもかかわらず混ざらないように、実質的に脱気された水性液(例えば、水)を膜の一方の側に沿って通し、もう一方の側に溶解ガスを含む疎水性液を通すことにより脱気することができるということが見出された。圧力差が、実際にはおよそラプラス内圧で維持される間、疎水性液は、膜を通って水性液内に入らないであろうし、また、水性液は、疎水性液に流れ込まないであろう、すなわち、その2種類の液体は相互に分散しないであろう。しかしながら、疎水性液中の溶解ガスは、膜の液−液界面を通って、平衡に達するまで脱気水内に流れ出るであろう。
よって、第1の態様では、本発明は、溶解ガスを含む疎水性液を脱気する方法であって、疎水性液に溶解したガスの少なくともの一部が水性液に移されるように、疎水性液を、疎水性多孔質膜の一方の側に沿って通すこと、及び同時に、脱気水性液を、その膜のもう一方の側に沿って通すことを含む方法を提供する。
好ましい実施形態では、水性液と疎水性液は、それぞれ反対の方向に流動する。
もう1つの形態では、疎水性多孔質膜は、テフロン(登録商標)製又はポリプロピレン製又はポリメチルペンテン製である。
特に好ましい実施形態では、疎水性相に溶解したガスの少なくとも80〜90%、より好ましくは、少なくとも約99%が水相に移される。本発明のもう1つの好ましい形態では、得られる脱気された疎水性液は、約10〜100ppb以下の酸素を含有している。もう1つの好ましい実施形態では、脱気水相は、脱気されて、そこに溶解したガスの少なくとも80〜90%、より好ましくは、少なくとも約99%が除去されている。脱気水相は、好ましくは、約10〜100ppb以下の酸素を含有している。
さらなる態様において、本発明は、疎水性液と水性液のエマルションを調製する方法であって、下記の工程:
(i)溶解ガスを含む疎水性液を脱気する工程であって、疎水性液に溶解したガスの少なくともの一部が水性液に移されるように、疎水性液を、疎水性多孔質膜の一方の側に沿って通すこと、及び同時に、脱気水性液を、その膜のもう一方の側に沿って通すことを含む工程、及び
(ii)エマルションを形成するために、前記の脱気された疎水性液を脱気水性液と混合する工程
を含む方法を提供する。
好ましくは、エマルションは、脱気された疎水性液と水性液を合したものを振盪又は攪拌することにより形成され、かつ安定剤、界面活性剤又は分散剤(乳化剤)を必要としないことが有利である。
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」とは、特に断りのある場合を除いて、複数形の解釈も包含する。例えば、溶解ガスの除去についての言及は、単一のガス、例えば、O2、N2又はCO2だけでなく、必要に応じて2種類以上のガスも包含する。
本発明は、疎水性液を疎水性多孔質膜の一面に沿いかつその面と接触して通すこと、及び同時に、脱気水性液をその膜の反対面に沿いかつその面と接触して通すことにより、疎水性液を脱気する手段を提供する。この2種類の液体は膜で接触し、そのため、疎水性相に溶解したガスは水相に移されるが、液−液界面を隔てた圧力差によってそれらの液体の混合は起こらない。
本明細書において、「疎水性液」とは、本質的に水と不混和性又は水に不溶性、すなわち、水溶解度が0.1%未満、好ましくは、0.01%であるものである。疎水性の程度は、ヤングの湿潤方程式を理論液体/液滴プロフィールに当てはめることにより評価することができる。この方法により、油表面での理論水滴接触角を計算することができる。本発明の目的に照らした場合、理論水滴接触角が少なくとも約80°、より好ましくは、少なくとも約90°である液体は、疎水性と考えてよい。例えば、ドデカンの理論水接触角は112°であり、オクタンは113°であり、ペルフルオロヘキサンは111°であり、ベンゼンは95°であり、そして四塩化炭素は105°である。
本発明において考えられる一群の疎水性液は、炭化水素、特に、少なくとも8個、好ましくは、8個より多い炭素原子を有するものである。炭化水素としては、飽和及び不飽和炭化水素、例えば、アルカン類、アルケン類、アルキン類、ならびに直鎖、分枝鎖及び/又は環状であってもよい芳香族炭化水素が挙げられる。その好ましい例としては、C9〜C20アルカン類、アルケン類及びアルキン類、例えばアルカン類ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン及びペンタデカンなど;ならびにベンゼン及びスチレンが挙げられる。
本発明はまた、ハロゲン化炭化水素も意図するものである。ハロゲン化炭化水素は、それを本明細書において呼んだ場合、ハロ炭素(ハロカーボン)も指す。このハロゲン化炭化水素では、炭化水素の1個以上の水素原子が1個以上の同じ又は異なるハロゲン(すなわち、F、Cl、Br及びI)で置換されている。ハロゲン化炭化水素としては、C1〜C20のもの、例えば、四塩化炭素及びテトラクロロエチレンが挙げられる。
本発明により意図されるもう1つのそのような群は、フッ素化炭化水素、例えば、ペルフルオロカーボンである。かかる炭化水素は、炭化水素の1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されている化合物である。ペルフルオロカーボンは、炭化水素の水素原子の少なくとも約50%、より好ましくは、少なくとも約60%、そして100%までがフッ素原子で置換されているフッ化炭素と考えられる。いくつかの好ましいフッ化炭素としては、C1〜C20フッ化炭素、例えば、C4〜C12が挙げられる。
ペルフルオロカーボンは、水に対する界面張力が非常に高い一方で、空気に対する表面張力が非常に低い。このことにより、ペルフルオロカーボンに対しては、非常に大きな理論水滴接触角が与えられる。このように水接触角が大きいことから、ペルフルオロカーボンは非常に疎水性であり(以下の表を参照)、脱気プロセスに申し分のない候補となるということになる。ペルフルブロンは、製薬産業で一般的に使用されているペルフルオロカーボン薬物送達油であるペルフルオロオクチルブロミド(PFOB)の一般名であり、これもまた本発明において意図される。
Figure 2008523984
ペルフルオロカーボンは、生理学上最も重要なガス、例えばO2及びN2を多量に溶解し、保持することができる。そのため、ペルフルオロカーボンは、損傷肺、未熟肺/未熟児肺、罹患肺、あるいは完全には機能していない肺の治療において、それ自体で、肺胞の表面を覆い、酸素移動を容易にする、医薬的に活性のある薬剤として、及び/又は様々な肺障害、例えば呼吸窮迫症候群、喘息、気腫及び感染症の治療における気管支拡張薬、抗生物質などの担体として、特に有用である。さらに、そのガス輸送能力を生かして、手術時の代用血液として用いるため、PFOBの水性エマルション、例えばPFOBコアを有し、レシチンで囲まれた液滴を開発中である。よって、ペルフルオロカーボンの水分散液又はエマルションが特に注目の的である。
その他の炭化水素液としては、化粧品産業、製薬産業及び食品産業で使用される油、例えば直鎖、分枝鎖又は環状シリコーン油(例えば、ジメチコン、シクロメチコン)、ラベンダー油、ユーカリ油、ティーツリー油、ダイズ油、ヒマシ油、ナタネ油及び綿実油など、ならびに国際公開パンフレット、WO 2005/044229に記載されているような、医薬的又は生物学的に活性のある薬剤の油又は液体形態、例えばプロポフォールが挙げられる。その他の炭化水素液としては、重合プロセスに用いるモノマー、例えばスチレン及びペルフルオロスチレン、オクタフルオロスチレン、オクタフルオロペンチルアクリレート、ならびにヘキサフルオロブチルメタクリレートを挙げることができる。
「疎水性液」とは、混和できる疎水性成分の混合物、例えば別の疎水性相に溶解した疎水性固体又は液体であってもよい。疎水性液は、適切には、上記のような、担体中の医薬的もしくは生物学的に活性のある疎水性薬剤、又は重合プロセスのための、適当な溶媒に溶解したモノマーを包含する。
「水性液」とは、純粋又は本質的に純粋な水だけでなく、水と水混和性又は水溶性成分(例えば、塩)との混合物も包含する。そのような混合物の一例は海水である。水性液中の水溶性成分又は溶媒の性質及び量は、水性液が孔を湿らせ、孔に侵入することができる程度まで、疎水性孔表面に対する接触ぬれ角を変更するようなものであろうということが理解されるであろう。
本明細書において、用語「液体」及び「流体」は、同義的に用いてよい。
「エマルション」とは、ある不混和性液体の液滴の、別の不混和性液体における懸濁液又は分散液である。エマルションは、疎水性相に懸濁もしくは分散された水相(「油中水型」エマルションの別名でも知られる)又は液相に懸濁もしくは分散された疎水性相(「水中油型」エマルションの別名でも知られる)である。
本明細書において使用した場合、用語「脱気する(こと)」又はその変形、例えば「脱気された」又は「脱気する」とは、必要に応じての、水性液又は疎水性液に溶解したガス又はガス群の少なくとも一部の除去を指す。例えば、25℃で1atmの空気を含む平衡状態の水は、およそ8.5ppmのO2と14.5ppmのN2を含有する。溶解ガスの有無は、液体中に存在するO2の濃度又は量を決定することにより、一般に測定される。理解され得るように、水性液が全てのガスを実質的に含んでいない場合には、疎水性液中の全てのガスが移動し、合計ガス移動は、液体中に残留するO2の濃度の程度により表される。しかしながら、水相がO2については脱気されているが、別のガス、例えば、N2は飽和している場合には、疎水性液はO2については脱気されるが、N2については脱気されない。脱気についての言及は、好ましくは、非選択的な脱気、すなわち、あらゆる種類のガスの除去を指しているが、選択的な脱気にもその脱気法を適用してよいということが理解されるであろう。
液体からは、好ましくは、溶解ガスの少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%又は95%が除去される。最も好ましくは、溶解ガスの少なくとも97%又は99%が除去され、さらに好ましくは、約99.9%が除去される。溶解ガスを実質的に含まない液体とは、少なくとも80%、最も好ましくは、少なくとも99%が除去されているものである。好ましい形態では、液体には約10〜100ppb、より好ましくは、約1〜10ppbのO2しか含まれない。反対の膜の側面に沿って通される脱気水性液は、好ましくは、溶解ガスの少なくとも80%が除去されているが、平衡を保つために溶解ガスの水相への移動が進行するように、疎水性液よりも低い溶解ガス濃度を少なくとも有しているものである。
本発明によって意図される疎水性多孔質膜は、十分な疎水性を有する、すなわち、空気中の水滴接触角が少なくとも約80°、より好ましくは、少なくとも約90°である任意の好適な材料(単一の成分、すなわち、均質膜、又は成分の混合物、すなわち、非均質膜)であってよい。特に好ましい疎水性材料は、水滴接触角100〜110°、又はそれ以上を与える。特に好ましい膜は、ポリテトラフルオロエチレン−PTFE(テフロン(登録商標)の別名でも知られる)製、ポリプロピレン製又はポリメチルペンテン製、最も好ましくは、PTFE製又はポリプロピレン製のものである。
本発明の好ましい形態では、炭化水素液はPTFE膜を用いて脱気し、フッ化炭素液はポリプロピレン膜を用いて脱気する。
ラプラス方程式から、膜の孔の半径は圧力差に影響を与えるものであるため、膜が水性液及び疎水性液の分散を効果的に妨げるかどうかにある程度影響するということは明らかである。膜及び疎水性液の性質に応じて、孔の半径は、約0.1mmからサブミクロンレベルまで変動し、例えば、約0.1〜約0.01μmである。効率性から、孔径は、100μm未満、好ましくは、10μm未満、より好ましくは、約1μm以下、例えば、約.0.5〜0.1μmの範囲、そして約0.05〜0.03μmまでであることが好ましい。
膜を媒介して液体を首尾よくかつ効率的に脱気するには、流体の単位量当たりの接触表面積を非常に大きくすることが必要である。これは、中空糸フィルター又は膜ユニット(接触器の別名でも知られる)を用いて実現することができる。一般に、これらは膜は、カシウス(casius)又はシェルに収容されている中空糸束の形を含む。疎水性液を繊維の内側に流す一方で、水性液を外部の流体として用いてよい。概略図の一例を図2に示す。市販の膜接触器(中空糸フィルター及び中空糸含有液体膜接触器を含む)は容易に入手可能であり、本発明の方法に使用し得る。
効率性から、脱気水性液とガス導入疎水性液は、向流ガス交換プロセスを生じるように、平行にかつ反対の方向に流動させることが好ましい。
最大の脱気を得るためには脱気プロセスを1回以上行う必要があることが分かるであろう。単一接触器を用いてよく、漸進的に脱気される疎水性液を通過又は循環させるか、あるいは複数の膜接触器、例えば、2個、3個又は4個のユニットを直列につなげてよい。任意に、水性液を脱気するのにも膜接触器を使用することができる。
当業者であれば、本明細書に記載され、かつ当該技術分野で公知の方程式及び方法を用いて、特定の膜表面での疎水性液の表面張力及び接触角を決定することにより、孔径を含めた好適な膜特性を容易に決定することができる。同様に、特定の疎水性液が水に保持される、すなわち、2種類の液体の混合を妨げるのに必要な圧力差も、容易に算出することができる。多くの場合、これは、液体の適当な流速を選択することによって十分に加えることのできる圧力である。あるいは、適当なポンプ圧を適用することもできる。一例として、半径が0.01〜1μmのテフロン(登録商標)孔において、水/ドデカン混合物及び水/テトラクロロエタン混合物について算出されたラプラス内圧を図3に示す。
本発明方法によって得られる脱気された疎水性液は、エマルションの形成又は安定性のために分散剤、界面活性剤又は安定剤をさらに必要としないエマルションを調製するのに有利に使用することができる。米国特許出願第10/703,094号、国際公開パンフレット、WO 2005/044884及びWO 2005/044229に記載のとおり、脱気水相と脱気された不混和性の疎水性相との混合物は、分散剤、界面活性剤又は安定剤を加えないでも、安定なエマルションを容易に形成する。よって、本発明のもう1つの態様は、疎水性液と水性液のエマルションを調製する方法であって、本発明に従って脱気した疎水性液を、脱気水性液と合すること、及び好ましくは、その混合物を振盪又は攪拌することにより激しく混合することによりエマルションを形成することを含む方法を提供することである。
室温で液体である疎水性モノマーは、それらの粘度が水よりも大幅に高い場合を除き、向流技術を用いて容易に脱気することができる。疎水性(油溶性)ラジカル開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル及びベンゾインエーテルは、脱気しようとするモノマー又はモノマーの混合物に溶解することができる。そのため、これらの油類は、一度重合すれば、界面活性剤や安定剤の必要なしに、脱気された混合物中の水に分散させることができる。このような方法に好適なモノマーとしては、ペンタフルオロスチレン、スチレン、オクタフルオロスチレン、オクタフルオロペンチルアクリレート及びヘキサフルオロブチルメタクリレートが挙げられる。
さらなる実施形態では、本発明はまた、エマルションの現場(in situ)形成にも役立つ。上記のように、脱気プロセスでは、一方の液体がもう一方の液体中に分散しないようにするため、液−液界面を隔てた圧力差が必要である。しかしながら、一度、所望のレベルまで脱気が完了したら、圧力差を利用して、疎水性液を膜通過させ、脱気水相中に分散させ、その結果としてエマルションを形成させることができる。適切には、これは、一方もしくは両方の流速を調整することによるか、又は好ましくは、ポンプ圧を適用して、疎水性液を水性液に押しやることにより実現させることができる。こうして、本方法では、連続的なエマルション形成が可能である。
このような連続的なエマルション形成は、特に、エマルション重合プロセス(乳化重合法)に適用される。一度、本発明に従って疎水性モノマー又はモノマーの混合物を脱気したら、疎水性液における静水圧を上昇させて、孔を通って脱気水相に流れ込ませることにより、事実上のモノマー液滴分散液を簡単に作製することができる。中空糸ユニットから連続して流れ出るこの分散液は、その後、その分散液を(沈降させないように、できるかぎり回転させながら)反応管に、例えば、60℃で数時間通して、モノマー液滴を重合することにより、簡単に熱重合させることができる。この方法では、ラテックス溶液の連続形成が可能である。
次いで、下記の実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は、本発明の特定の特徴及び実施形態を例示する目的で組み入れられたものであり、上記の一般的説明を制限するものではない。
方法及び材料
水は、蒸留し、層流濾過エアキャビネットにパイレックス(登録商標)容器に入れて保存する前に、活性炭及び逆浸透濾過により調製した。ドデカンは、99.9%純度のものを購入し、教示されるとおりに使用した。空気汚染を少なくするために、液体及び機器は、可能な限り、層流キャビネット内で取り扱った。テフロン(登録商標)中空糸カートリッジは、Membrana, Charlotte, USAから供給される小型ミニモジュールユニットであった。その中空糸の内径は220μmであり、孔径は0.03〜0.05μmであった。一般に、このユニットには、有効長140mmの2000〜7000本の繊維が収容されていた。インプロ(InPro 6900)溶存酸素電極系は、Mettler-Toledo Limited, Melbourne, Australiaからの供給品であった。この系は、高精度(〜1%)で、検出限界が1ppbまでであり、水、空気及び液体溶媒中の溶存酸素レベルを測定することができた。中空糸ユニットの外室を真空にするのに使用した真空ポンプは、Alcatel社製隔膜ポンプであり、9ミリバールに設定した。伝導度の測定値は、CDC866T四極プローブを備えた放射計CDM 210を使用して得た。濁度(Turbidity)の測定値は、HF Scientific, Florida, USAから供給されるHF−Micro 100ユニットを使用して得た。原子間力顕微鏡(AFM)での研究は、Santa Barbara, USAのDigital Instilments(Veeco)から供給されるナノスコープ IIIaを使用して実施した。タッピングモード解析は、NT−MDTカンチレバーを使用して実施した。全ての画像を空気中で得た。
接触角の測定は、手作業で、顕微鏡と、密封型ガラスセル内に収容された平板基板上で静止した液滴の画像を取得するプロトラクターシステムを使用して実施した。このシステムでの典型的な接触角精度は約1〜2°であった。テフロン(登録商標)基板は、手作業で、粗面を微粉状のテフロン(登録商標)で長時間研磨することにより得た。ポリプロピレン表面は、窒素ガス環境において平らなガラススライド上でプラスチックを溶解することにより調製した。
分散試験では、油の水中混合物は、通常、その混合物を密封型パイレックス(登録商標)容器に入れて8〜10秒間激しく振盪することにより得た。油と水の分散試験は全て、汚染によってこれらの結果の比較妥当性が影響を受けないように、中空糸システムで得られた液体サンプルで実施した。「ブランク」サンプルでは、中空糸カートリッジから集めた水と油を使用し、真空状態にはしなかった。脱気処理を行わないブランクの油と水の混合物は、簡単に振盪した。一方、凍結融解で脱気処理するサンプルは、4凍結サイクル脱気した後、10秒間振盪し、記録した。凍結融解法では、液体窒素を用いて油と水の混合物を凍結し、続いて、ポンピングにより0.01ミリバールの圧力まで下げた。各融解サイクルで生じた溶解ガスは、再凍結とポンピングにより除去した。一般に、3〜4サイクル後には融解による泡立ちは認められなくなった。凍結/融解/ポンピングの数サイクル後に達成される最終圧力が、融解させても泡立ちやガスの放出が肉眼では確認できない最終凍結液の平衡圧力で表されるものと仮定するならば、真空圧0.01ミリバールは、脱気レベル約99.999%に相当する。
中空糸で脱気処理するサンプルでは、カートリッジにより脱気した油及び水を使用した。油(ドデカン0.2ml)をシリンジで試験管に注入した後、その試験管を真空にした。この真空を利用して、(脱気した)水(25ml)をその試験管に吸引した。その後、その試験管を再び急速に真空にした。液体のガス抜きを確認したらすぐに(真空タップの開放の2〜3秒後)、その試験管を密封し、混合物を10秒間振盪し、濁度を経時記録した。
実施例1
接触角の測定
ポリプロピレン表面及びテフロン(登録商標)表面の表面粗さのAFM研究(タッピングモードを使用)の結果から、各基板のrms粗さが、ポリプロピレンの場合1.8nm、テフロン(登録商標)の場合52nmであったことが分かる。ポリプロピレン溶解表面が、研磨したテフロン(登録商標)よりもはるかに滑らかであることは明白であった。しかしながら、いずれの場合においても、1:1画像では、わずかに起伏する丘と谷のある特徴のない像を示した。
接触角θについてのヤング方程式は、様々な界面張力から、次式により示される。
Figure 2008523984
上式において、γap/ss、γap/d及びγss/dは、それぞれ、周囲相/固体基板、周囲相/液滴及び固体基板/液滴の界面張力である。
当然、空気に曝された、テフロン(登録商標)及びポリプロピレン上の水滴は、第1表及び第2表に示す結果から分かるように、非常に大きな接触角を有しているということになる。研磨したテフロン(登録商標)基板及び溶解ポリプロピレン基板で観察された接触角ヒステリシスが比較的小さいことから、両表面は適度に滑らかで清浄であることが分かる。これに対して、ポリプロピレン及びテフロン(登録商標)の両方において、ドデカンに曝された水滴で得られた結果は、いずれの場合においても、観察された角度は180°に近く、明白なヒステリシスがないことから注目すべきである。いずれの場合においても、数度傾けただけで、液滴は基板から容易にころがって落ちる。
Figure 2008523984
Figure 2008523984
ドデカンに曝された水滴の場合では、周囲相が固体基板と化学的に類似しているため、ポリプロピレン基板についてのこれらの観察結果は、ヤング方程式と一致する。よって、γap/ssはゼロ0に近いと予想され、γap/d≒γss/dであることから、cosθ→−1、よってθ→180°ということになる。
しかしながら、ドデカンに曝された、テフロン(登録商標)上の水滴でも同様の状況が観察された。この場合、液滴と周囲相との間の界面張力は約53mJm-2(すなわち、水/ドデカン(Goebel, A. and Lunkenheimer, K., Langmuir 13:369-372 (1997))であり、液滴と固体基板との間の界面張力は約43mJm-2(すなわち、水とテフロン(登録商標))であると予想される。この後者の値は、ヤング方程式を用いて、テフロン(登録商標)の臨界表面張力18mJm-2と、テフロン(登録商標)における水滴接触角110°から算出したものである(Shaw, D. J., Introduction to Colloid and Surface Chemistry, Butterworths, 3rd ed, 1985)。従って、周囲相と固体基板との間の界面張力が小さいと、ヤング方程式より約140°という大きな接触角が導かれるが、観察された180°という値ではなかった。ドデカンは、浸透するか、又は何らかの形でテフロン(登録商標)表面に保持される可能性があることから、実際には、その液滴は本質的にはドデカンの表面上を前進している。
第1表及び第2表で報告した接触角測定値を用いて、疎水性液を脱気するための真空脱気又は向流脱気の能力を予測することができる。例えば、空気中、ポリプロピレン表面及びテフロン(登録商標)表面上の水で観察された大きな接触角(>90°)から、どちらの膜材料の場合でも水を真空脱気することが可能であることが分かる。これに対して、第1表での結果からは、ペルフルオロヘキサン(PFH)、ドデカン(DD)及びテトラクロロエチレン(TCE)は、孔を通過し、真空で引くことが容易であるため、ポリプロピレン膜を用いて脱気することができないということが分かる。しかしながら、数種類の非水性液に曝された、ポリプロピレン上の水滴の接触角からは、ガス吸収剤として脱気水を用いる向流法を利用すると、適度の静水圧を適用することにより非水性液(PFH、DD及びTCE)の保持が可能になることが分かる。例として、PFHは、ミクロンサイズのポリプロピレン膜の場合、適用圧力約0.4バールで水によって保持されるはずである。
研磨したテフロン(登録商標)基板を用いて得られた同様の結果からは、PFH、DD及びTCEからガスを除去する、脱気水を用いた向流法において、この材料を使用することができるということも分かる。一例として、TCEは、適度の圧力差約0.14バールを適用することにより水によって保持されるはずである。
図3は、テフロン(登録商標)孔において、水/ドデカン及び水/テトラクロロエチレンについて算出したラプラス内圧を示している。
実施例2
疎水性液相の脱気
これらの試験に使用した中空糸ユニットの模式図を図2に示している。テフロン(登録商標)中空糸ミニモジュールユニットを、水の流速約140ml/分で用いた場合には、一般には約99.6%の脱気レベルが得られる。この値は、約33ppbの溶存酸素に相当するものであった。この水のpH値は、溶解二酸化炭素が除去されたことから、5.8から7.0〜7.1まで高まった。この水を、第2の中空糸ユニットにおいて外部流体として用い、繊維内のガス導入ドデカンを反対方向に流した場合には、ドデカンについて、1回の通過過程により、脱気率、一般には約99.2%(すなわち、65ppbの溶存酸素)が認められた。これらの結果は、本方法では、1段階においてさえも、非水性液から溶解ガスが効率的に、高度に除去されるということを示している。これらのミニモジュールで用いるドデカンの流速は、比較的遅く、約2ml/分であった。しかしながら、より大型のユニット用いる場合には、この流量が実質的に増加する可能性があるということは明らかである。より速い流速(140ml/分)での脱気水の向流では、効率を高め、節水するために、その過程の間、第1のHF真空膜システムを通じて連続的に再循環させた。この再循環される脱気水は、交換過程で完全に不要なものがない状態となったものであり、これにより、ドデカンはその過程の間にHF交換膜内に完全に保持されることが分かる。交換過程の効率は、当然、より高容量の真空ポンプ装置を用いて、供給水をより高度に脱気することによりさらに高めることができる。
実施例3
水と、HF膜処理により脱気したドデカンを混合し、振盪し、それらの分散液を、ガス導入混合物の場合と、凍結融解技術により脱気処理した混合物と比較した。その結果を図4に示す。得られた結果から、新規膜システムを用いてドデカンと水を別々に脱気することは、ガス導入「ブランク」混合物の場合よりも大幅に上回る分散の向上をもたらすに足るものであるということが明示される。
〔引用文献〕
Goebel, A. and Lunkenheimer, K., Langmuir 13:369-372 (1997).
Shaw, D. J., Introduction to Colloid and Surface Chemistry, Butterworths, 3rd ed, 1985.
中空糸膜を用いて疎水性液を脱気するための向流脱気水の使用について示した模式図である。 向流法により疎水性液を脱気するのに使用される中空糸カートリッジを示した模式図である。 水/ドデカン及び水/テトラクロロエチレンについてのラプラス内圧を、テフロン(登録商標)膜の孔径(r=0.01〜1μm)の関数としてプロットしたグラフである。 本発明による脱気、凍結−ポンプ−融解法による脱気、及びガス導入ブランクにより調製されたエマルションの濁度(経時測定)を示すグラフである。

Claims (18)

  1. 疎水性液に溶解したガスの少なくとも一部が水性液に移されるように、疎水性液を、疎水性多孔質膜の一方の側に沿って通すこと、及び同時に、脱気水性液を、その膜のもう一方の側に沿って通すことを含む、溶解ガスを含む疎水性液を脱気する方法。
  2. 疎水性多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレン又はポリプロピレン膜であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 膜が0.1mm〜0.01μmの範囲の細孔半径を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 疎水性液に溶解したガスの少なくとも80%が水性液に移されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 疎水性液に溶解したガスの少なくとも95%が水性液に移されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 疎水性液に溶解したガスの少なくとも99%が水性液に移されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 膜が中空糸フィルターユニットの形であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 複数の中空糸フィルターユニットが直列につながれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 使用される脱気水相の酸素濃度が100ppb以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 疎水性液が炭化水素又はハロ炭素であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により得られる、酸素濃度が100ppb以下である、脱気された疎水性液。
  12. 下記の工程:
    (i)溶解ガスを含む疎水性液を脱気する工程であって、疎水性液に溶解したガスの少なくともの一部が水性液に移されるように、疎水性液を、疎水性多孔質膜の一方の側に沿って通すこと、及び同時に、脱気水性液を、その膜のもう一方の側に沿って通すことを含む工程、及び
    (ii)エマルションを形成するために、前記の脱気された疎水性液を脱気水性液と混合する工程
    を含む、疎水性液と水性液のエマルションを調製する方法。
  13. エマルションを形成するために、工程(ii)の脱気された疎水性液と脱気水性液とが一緒に振盪又は攪拌されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 安定剤、界面活性剤又は分散剤の添加をともなわずにエマルションが形成されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
  15. 脱気された疎水性液を膜に通し、脱気水相に分散させることにより、エマルションが現場で形成されることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 疎水性液が、1種のモノマー、又は2種以上のモノマーの、任意にラジカル開始剤との、混合物であることを特徴とする請求項1〜10又は請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. モノマーが、スチレン、ペンタフルオロスチレン、オクタフルオロスチレン、オクタフルオロペンチルアクリレート及びヘキサフルオロブチルメタクリレートから選択される一員であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 開始剤がアゾビスイソブチロニトリル又はベンゾインエーテルであることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
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