JP6028969B2 - 結晶基板に孔を形成する方法、並びに結晶基板内に配線や配管を有する機能性デバイス - Google Patents

結晶基板に孔を形成する方法、並びに結晶基板内に配線や配管を有する機能性デバイス Download PDF

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Description

本発明は、結晶基板に孔を形成する方法、並びに結晶基板内に配線や配管を有する機能性デバイスに関するものであり、より詳しくは、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で形成する方法に関し、さらに、その孔を活用した機能性デバイスに関するものである。
従来、結晶基板に孔を形成する方法として、特許文献1(半導体メモリーにおけるトレンチキャパシタ)、特許文献2(三次元実装における貫通電極)、および特許文献3(インクジェットプリンタのノズルプレート)等が知られている。また、高アスペクト比の(深い)孔をシリコン結晶基板等の結晶基板に形成する方法として、反応性イオンエッチング法(特許文献4)や電気化学エッチング法(特許文献5、非特許文献1,2)が知られている。
反応性イオンエッチング(RIE)法は、結晶基板の上にパターニングされたハードマスクを載置して、プラズマ反応室内でエッチングすることにより、微細な構造の孔を形成する方法である。
さらに、銀粒子や白金粒子を付着させた粒子付着型化学エッチング法(特許文献6)も提案されている。
特表2004−514276号公報 特開2004−95849号公報 特開平11−268281号公報 特開2002‐367960号公報 特開平6‐326077号公報 特許第4807754号公報
Thin Solid Films, 1997, 297, 13-17 J. Electrochem. Soc., 1999, 146, 2968-2975 日刊工業新聞(2005年4月22日発行) Adv. Mater., 2005, 17, 1045-1047 Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 2737-2742 Appl. Phys. Lett., 2000, 77, 2572-2574
しかしながら、反応性イオンエッチング法では、エッチングの進行に伴って生じる反応物が、形成された孔の側壁に付着するので、形成可能な孔の深さが約20μm程度に制限される。つまり、孔が深くなると、ハードマスクの開口の大きさが反応物によって見かけ上小さくなり、反応性エッチャントイオンが小さくなった開口を通って結晶基板に達することが困難になる。従って、約20μmよりも深い孔を形成するには、孔の側壁に付着した反応物を除去する工程が必要となる。従って、反応性イオンエッチング法は、高アスペクト比の(深い)孔を形成する場合には、工程が複雑となり、加工コストが高くなるという課題を有している。
また、電気化学エッチング法は、結晶基板を電解液と接触させながら当該基板を陽極として電圧を印加する方法である。それゆえ、電気化学エッチング法は、外部電源を必要とし、かつ、エッチングを行う全ての結晶基板を導通させなければならないため、量産性に劣るという課題を有している。
さらに、反応性イオンエッチング法や電気化学エッチング法、粒子付着型化学エッチング法では、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を形成することは不可能である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で、しかも簡便な工程でかつ低コストで形成する方法を提供することにある。また、その孔を結晶基板内に配線や配管を形成することに活用して、従来は無かった機能性デバイスを提供することにある。
本発明に係る結晶基板に孔を形成する方法は、上記課題を解決するために、主成分がシリコンからなる結晶基板に孔を形成する方法であって、結晶基板の表面に、複数種類の金属を互いに隣接させて結晶基板に密着させて形成した金属膜を配置して化学エッチングすることを特徴としている。
上記方法によれば、簡便な工程で結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で、しかも低コストで形成することができる。
そして、上記複数種類の金属は、材質が互いに異なる金属、および/または、厚さが互いに異なる金属の組み合わせであることがより好ましい。また、上記複数種類の金属が、貴金属からなる群より選択されることがより好ましい。また、上記金属膜を、金属の蒸着によって結晶基板の表面に形成することがより好ましい。また、上記金属膜の大きさが、形成すべき孔の開口に対して40%〜99%の大きさであることがより好ましい。また、上記複数種類の金属が、金および銀、金およびパラジウムからなる組み合わせより選択されることがより好ましい。また、上記化学エッチングは、気相エッチング、または、液相エッチングであってもよい。
また、本発明に係る機能性デバイスは、結晶基板を備えた機能性デバイスであって、上記結晶基板に、深さ方向の断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を有することを特徴としている。
本発明に係る方法によれば、結晶基板の表面に、複数種類の金属を互いに隣接させて結晶基板に密着させて形成した金属膜を配置して化学エッチングするので、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で、しかも簡便な工程でかつ低コストで形成することができるという効果を奏する。
より具体的には、本発明に係る方法によれば、結晶基板の表面に配置される金属膜の大きさや形状、複数種類の金属の組み合わせ、或いは、化学エッチングのエッチング条件を任意に変更することにより、形成すべき孔の大きさや形状、深さを任意に変更することができる。そして、本発明に係る方法は、反応性イオンエッチング法とは異なり、反応物を除去する工程等の他の工程を必要としない上に、電気化学エッチング法とは異なり、外部電源を必要としない。それゆえ、本発明に係る方法は、経済性に優れており、例えば、半導体の微細加工技術、具体的にはLSI(Large Scale Integration) 等の製造、或いは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造に好適に利用することができる。また、本発明に係る方法は、トレンチキャパシタ、貫通電極或いはノズル孔等に適した深い孔を有する結晶基板や、導電性材料を充填すれば配線やコイルとして、或いは配管として利用可能な、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を有する結晶基板の製造にも好適に利用することができる。
また、本発明に係る機能性デバイスは、結晶基板に、深さ方向の断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を有するので、当該孔の壁面を例えば酸化して酸化膜を形成することにより導管として用いたり、或いは、銅メッキ等を施すことにより配線や配管として利用したりすることができる。これにより、結晶基板内に配線や配管等を有する、従来は無かった機能性デバイスを提供することができるという効果を奏する。
結晶基板の表面に金属膜を配置した状態を示す概略の側面図である。 結晶基板の表面に金属膜を形成する方法を説明する概略の側面図である。 気相エッチングで断面が円弧状の孔が形成されたシリコン結晶基板の断面を、斜めから撮影したSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。 液相エッチングで断面が円弧状の孔が形成されたシリコン結晶基板の断面を、斜めから撮影したSEM写真である。 気相エッチングで高アスペクト比の(深い)孔が形成されたシリコン結晶基板の断面を、斜めから撮影したSEM写真である。 シリコン結晶基板の表面に形成された金膜のXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)測定の結果を示すチャートであり、(a)は気相エッチングを行う前の金膜、(b)は空気中、100℃で1時間、加熱した後の金膜、(c)はエッチングガス中、25℃で1時間、反応させた後の金膜、のチャートである。 結晶基板の端部に形成した孔を導電部として用いた機能性デバイスの構成を示す概略の断面図である。 配線の下を潜るようにして結晶基板に形成した孔を導電部として用いた機能性デバイスの構成を示す概略の断面図である。 結晶基板の端部に形成した孔を圧力センサとして用いた機能性デバイスとしてのMEMSデバイスの構成を示す概略の断面図である。
本発明に係る結晶基板に孔を形成する方法は、主成分がシリコンからなる結晶基板に孔を形成する方法であって、結晶基板の表面に、複数種類の金属を互いに隣接させて結晶基板に密着させて形成した金属膜を配置して化学エッチングする方法である。
孔を形成する対象となる結晶基板は、主成分(50重量%以上)がシリコンからなっていればよい。また、結晶基板は単結晶基板でもよく、多結晶基板でもよいが、所望の孔を効率的に形成するには単結晶基板であることが好ましい。さらに、上記結晶基板は、孔が形成される面が鏡面研磨されていることが好ましい。また、単結晶基板である場合には、当該単結晶基板は形成すべき孔の深さ方向に対して(100)面が直交するように加工されていることが好ましい。単結晶基板としては、例えば、シリコン結晶基板が挙げられる。上記シリコン結晶基板はp型であってもよく、n型であってもよい。シリコン結晶基板の具体的な例としては、結晶シリコンウエハが挙げられる。
本発明において、「複数種類の金属」とは、「材質が互いに異なる金属、および/または、厚さが互いに異なる金属の組み合わせ」を指す。具体的には、複数種類の金属が、材質が互いに異なる金属である場合には、例えば、当該複数種類の金属は、貴金属からなる群より選択される金属の組み合わせを指す。ここで、「貴金属」とは、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、およびこれら元素の少なくとも一種類を含む合金を指す。従って、貴金属からなる群より選択される金属の組み合わせとは、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、およびこれら元素の少なくとも一種類を含む合金からなる群より選択される二種類以上の金属を指す。これら金属の組み合わせのうち、金および銀、金およびパラジウムがより好ましい。そして、化学エッチングが気相エッチングである場合には金およびパラジウムの組み合わせがさらに好ましく、また、化学エッチングが液相エッチングである場合には金および銀の組み合わせがさらに好ましい。
一方、複数種類の金属が、厚さが互いに異なる金属である場合には、当該複数種類の金属は、例えば金属が金である場合を例に挙げると、厚さが例えば10nmの金と厚さが例えば20nmの金との組み合わせ等を指す。つまり、本発明においては、厚さが互いに異なる金属は、材質が同じであっても異なる金属と見做すこととする。ここで、「厚さが互いに異なる」とは、意図して厚さを変更していることを指し、製造誤差等によって生じた意図しない厚さの違いを指すものではない。
これら金属、例えば貴金属は、それぞれ触媒作用、つまり触媒活性が異なるためにエッチング速度が異なり、また、厚さによってもエッチング速度が変化する。例えば、液相エッチングにおいて、パラジウムや銀は、金よりも触媒活性が高いためにエッチング速度が速い。また、通常、同じ金属の場合は厚い方が、エッチング速度が遅い。従って、材質が互いに異なる金属、および/または、厚さが互いに異なる金属を適宜組み合わせて化学エッチングすることにより、触媒活性の違いによるエッチング速度の違いによって、形成すべき孔の大きさや形状、深さを任意に変更することができる。具体的には、例えば、金および銀を組み合わせた金属膜の場合には、銀のエッチング速度が金よりも速いために、エッチングは銀の方が速く進行し、金の方向に曲がって孔が形成されることとなり(後述する図1の矢印を参照)、その結果、深さ方向の断面が円弧状、つまり、0°を超え、180°以下の円弧状の孔が形成される。つまり、二種類の金属を組み合わせた金属膜の場合には、深さ方向の断面が円弧状の孔が形成され、三種類以上の金属を組み合わせた金属膜の場合には、各金属のエッチング速度に応じた螺旋状の孔が形成される。従って、金属膜の構成を種々変更することにより、孔の形状を種々変更することができる。
結晶基板の表面に、複数種類の金属を互いに隣接させて結晶基板に密着させて形成した金属膜を配置する方法、即ち、結晶基板の表面に金属膜を形成する方法は、特に限定されるものではないが、フォトリソグラフィー等の電子線リソグラフィーによって結晶基板の表面に所望の大きさおよび形状のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンを用いて金属を付着させて金属膜を形成する方法が簡便である。これにより、結晶基板の表面に所望の大きさ、形状および個数の金属膜を配置することができる。結晶基板の表面に金属を付着させる方法としては、例えば、加熱蒸着や真空蒸着、スパッタリング等の蒸着による膜作製技術を用いた方法や、無電解めっき、電気メッキ等のめっき技術を用いた方法が挙げられる。このうち、金属膜を、金属の蒸着によって結晶基板の表面に形成する方法が簡便であるのでより好ましい。結晶基板の表面に金属を付着させる条件、つまり、金属膜の形成条件は、特に限定されるものではなく、金属の種類や形成する金属膜の厚さ等に応じて、適宜設定すればよい。
結晶基板の表面に形成される金属膜の形状は、円、楕円、矩形、或いはその他、どのような形状でもよい。大きさは、金属膜のどの部分を計測した場合においても、その位置から金属膜の周辺までの最短距離が2nmから5μmの範囲内であることが好ましい。つまり、金属の形状が円、楕円、矩形の場合には、その直径、短軸、短辺は、4nmから10μmの範囲内であることが望ましく、長軸、長辺については特に制限はない。結晶基板に形成される孔の開口の形状は、金属膜の形状に相似した形状となり、孔の開口の大きさは、金属膜の大きさよりも大きくなる。従って、金属膜の大きさは、形成すべき孔の開口に対して40%〜99%の大きさにすることがより好ましく、50%〜99%の大きさにすることがさらに好ましい。ここで、本発明において「A〜B」とは、A以上、B以下であることを示す。
金属膜の厚さは、金属の種類や形成すべき孔の形状や深さに応じて適宜設定すればよいが、金属膜の形成条件を考慮すれば、10nm〜100nmの範囲内が好適であり、10nm〜40nmの範囲内が最適である。従って、複数種類の金属が、厚さが互いに異なる金属である場合には、上記範囲の厚さから、任意の厚さの組み合わせを選択すればよい。
次に、結晶基板の表面に例えば金および銀の組み合わせからなる金属膜を形成する方法の具体的な一例を、図1および図2を参照しながら説明する。但し、結晶基板の表面に金属膜を形成する方法は、下記方法に限定されるものではない。
図2に示すように、結晶基板1の表面に、先ず、電子線リソグラフィーによって所望の大きさおよび形状のパターンを備えた、例えば厚さが400nmのレジストパターン4を形成する(パターン形成工程)。レジストパターン4の具体的な形成方法は、公知の方法を採用することができる。また、レジストパターン4の厚さは、特に限定されるものではなく、形成する金属膜の大きさや厚さに応じて、適宜設定すればよい。
次に、当該レジストパターン4をマスクとして、結晶基板1を例えば蒸着装置のステージ(図示しない)に対して45°傾けた状態で載置して、銀を加熱蒸着(いわゆる斜め蒸着)することにより、パターンの半分に銀膜(第一金属膜)2を所望の厚さで堆積(蒸着)させる(第一金属膜形成工程)。次いで、結晶基板1を上記ステージに対して逆方向に45°傾けた状態で載置して、金を加熱蒸着することにより、パターンの残り半分に金膜(第二金属膜)3を所望の厚さで堆積(蒸着)させる(第二金属膜形成工程)。このとき、堆積した金膜3の一部を銀膜2の一部に重ねることにより、金膜3と銀膜2を互いに密着した状態とする。その後、結晶基板1の表面からレジストパターン4を剥離する(パターン除去工程)。これにより、図1に示すように、銀膜2および金膜3からなる本発明に係る金属膜を結晶基板1の表面に形成することができる。つまり、個々のエッチング箇所に、複数種類の金属からなる金属膜を形成することができる。
銀膜2と金膜3の形成順序は逆にしてもよい。それゆえ、図1,2では銀膜2と金膜3の重なり部分を表現していない。また、パターンに三種類以上の金属膜(第三金属膜以降の金属膜)を形成する場合には、ステージを傾ける方向および角度を適宜変更すればよい。従って、パターンに三種類以上の金属膜を形成する場合には、第一,第二金属膜形成工程と同様の形成工程を繰り返せばよい。さらに、材質が同じであり厚さが互いに異なる金属膜を形成する場合には、第一金属膜形成工程において結晶基板を傾けずにパターン全体に第一金属膜を所望の厚さで堆積(蒸着)させた後、第二金属膜形成工程において結晶基板を傾けてパターンの半分に第二金属膜(第一金属膜よりも分厚い部分)を所望の厚さで堆積(蒸着)させてもよい。或いは、第一金属膜形成工程において結晶基板を傾けてパターンの半分に第一金属膜(第二金属膜よりも分厚い部分)を所望の厚さで堆積(蒸着)させた後、第二金属膜形成工程において結晶基板を傾けずにパターン全体に第二金属膜を所望の厚さで堆積(蒸着)させることもできる。つまり、複数種類の金属からなる金属膜は、ステージに載置する結晶基板の方向(傾ける方向)および角度を適宜変更することにより、結晶基板の表面に、容易に形成することができる。
次に、結晶基板の表面に形成した第一金属膜および第二金属膜からなる金属膜を用いて、当該結晶基板を化学エッチングする方法について説明する。先ず、化学エッチングが気相エッチングである場合について説明する。
気相エッチングに用いるエッチングガスは、フッ素を含むガスと酸化作用のあるガスとを含むガスであればよい。フッ素を含むガスとしては、例えば、フッ化水素(HF)やフッ化硫黄(SF)等のフッ素系ガスが挙げられる。酸化作用のあるガスとしては、例えば、酸素ガス、塩素ガス、臭素ガス、オゾン(O)、二酸化窒素、過酸化水素(H)等が挙げられ、このうち、酸素ガスが特に好ましい。従って、エッチングガスとしては、具体的には、例えば、フッ化水素ガスを含む空気、フッ化水素ガスと酸素ガスと窒素ガス等の不活性ガスとを含むガス、等が挙げられる。
エッチングガスに占めるフッ化水素ガスの濃度は、0.5体積%〜10体積%の範囲内が好ましく、3体積%〜5体積%の範囲内がより好ましい。また、エッチングガスに占める酸化作用のあるガスの濃度は、10体積%〜80体積%の範囲内が好ましく、10体積%〜30体積%の範囲内がより好ましい。
気相エッチングは、室温(25℃)でも僅かに進行するものの、エッチング速度を速くするために、エッチング温度を室温から800℃までの範囲内に設定することが望ましく、必要に応じて、室温から500℃までの範囲内、100℃〜400℃の範囲内、100℃〜300℃の範囲内に適宜設定することが好ましい。一例として、例えば、金属膜が形成された結晶基板を、100℃〜150℃に加熱した状態で気相エッチングを行うことが好ましい。エッチング時間は、形成すべき孔の形状や深さに応じて適宜設定すればよいが、0.5時間〜2時間の範囲内が好適である。
気相エッチングを行うことにより、結晶基板の表面(界面)の例えばSiが金属膜内を拡散,透過して金属膜の表面に移動し、フッ化水素ガスと反応してSiFを形成することによって金属膜の表面から除去される。そして、これが繰り返されることにより、金属膜が結晶基板の内部に沈み込んでいくようにしてエッチングが進行する。気相エッチングは、重力に関係無く、エッチングが進行する。尚、酸化作用のあるガスである例えば酸素ガスは、SiFが形成されるときにフッ化水素ガスの水素と反応して水を形成する。
気相エッチングは、例えばSiが金属膜内を拡散,透過して金属膜の表面に移動することによってエッチングが進行するので、金属膜と接触した結晶基板の表面(界面)に存在する例えばSiがSiFを形成することによってエッチングが進行する液相エッチングの場合と比較して、より大きい孔を形成することができる。
次に、化学エッチングが液相エッチングである場合について説明する。
液相エッチングに用いるエッチング液は、フッ化水素(HF)と酸化剤とを含む液(水溶液)であればよい。酸化剤としては、例えば、過酸化水素(H)、酸素、オゾン(O)、塩素、臭素、二酸化窒素、過マンガン酸カリウム(KMnO)や二クロム酸カリウム(KCr)並びにこれらのアルカリ化合物、鉄イオン(Fe3+)を放出する化合物等が挙げられ、このうち、過酸化水素が特に好ましい。従って、エッチング液としては、具体的には、例えば、フッ化水素酸と過酸化水素水との混合液、フッ化水素酸に酸化剤として酸素、オゾン、塩素、臭素のうちの一つを含む水溶液等が挙げられる。
エッチング液に占めるフッ化水素の濃度は、1重量%〜40重量%の範囲内が好ましく、5重量%〜10重量%の範囲内がより好ましい。また、エッチング液に占める酸化剤の濃度は、0.1重量%〜5重量%の範囲内が好ましく、0.2重量%〜0.5重量%の範囲内がより好ましい。
液相エッチングは、室温(25℃)で充分に進行する。従って、エッチング液を加熱する必要は無い。エッチング液に結晶基板を浸漬する時間、つまり、エッチング時間は、形成すべき孔の形状や深さに応じて適宜設定すればよいが、0.5時間〜2時間の範囲内が好適である。
液相エッチングを行うことにより、金属膜と接触した結晶基板の表面(界面)に存在する例えばSiが、金属の触媒作用によってフッ化水素と反応してSiF或いはイオンを形成して当該表面から除去される。そして、これが繰り返されることにより、金属膜が結晶基板の内部に沈み込んでいくようにしてエッチングが進行する。液相エッチングは、重力に関係無く、エッチングが進行する。尚、酸化剤である例えば過酸化水素は、SiFが形成されるときにフッ化水素の水素と反応して水を形成する。
液相エッチングは、金属の触媒作用によってエッチングが進行するので、気相エッチングとはそのメカニズムが異なる。具体的には、液相エッチングにおいては、金属はエッチング液中に存在する酸化剤の還元反応の触媒として作用する。そして、この還元反応によって生成した正孔或いは酸素原子が、金属と接触した結晶基板の表面(界面)に存在する例えばSi原子を酸化する。酸化されたSi原子はフッ化水素との反応により、エッチング液中にSiF或いはイオンとして溶け出す。この溶解反応により、金属と接触している結晶基板の結晶が除去されて孔が形成される。
以上説明したように、本発明に係る方法によれば、結晶基板の表面に、複数種類の金属を互いに隣接させて結晶基板に密着させて形成した金属膜を配置して化学エッチングするので、結晶基板に深さ方向の断面が円弧状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で、しかも簡便な工程でかつ低コストで形成することができる。また、一度に複数の結晶基板に孔を形成することができる。
より具体的には、本発明に係る方法によれば、結晶基板の表面に配置される金属膜の大きさや形状、複数種類の金属の組み合わせ、或いは、化学エッチングのエッチング条件を任意に変更することにより、形成すべき孔の大きさや形状、深さを任意に変更することができる。例えば、細長い第一,第二金属膜を長辺で重ね合わせた金属膜を用いた場合には、結晶基板の表面からは孔が溝状に形成されているように見えるので、見かけ上、結晶基板の一部がこの孔の上に(長辺方向に)架橋されている構成とすることもできる。
そして、本発明に係る方法は、反応性イオンエッチング法とは異なり、反応物を除去する工程等の他の工程を必要としない上に、電気化学エッチング法とは異なり、外部電源を必要としない。それゆえ、本発明に係る方法は、経済性に優れている。
ここで、「高アスペクト比」とは、孔の開口の最大径に対する孔の深さを指しており、具体的には、孔の開口の最大径に対する孔の深さが4倍以上、より好ましくは100倍以上の場合を指す。
そして、本発明に係る方法によって形成した孔の壁面を例えば酸化して酸化膜を形成することにより導管として用いたり、或いは、銅メッキ等を施すことにより配線や配管として利用したりすることができる。即ち、孔を活用することにより、結晶基板内に配線や配管等を有する、従来は無かった本発明に係る機能性デバイスを製造することができる。
ところで、主成分がシリコンからなる結晶基板に孔を形成する方法において、高アスペクト比の(深い)孔を簡便な工程でかつ低コストで形成する方法としては、上述した方法の他に、結晶基板の表面に、一種類の金属からなる金属膜を配置して気相エッチングする方法が挙げられる。従って、次に、結晶基板の表面に形成した一種類の金属からなる金属膜を用いて、当該結晶基板を気相エッチングする方法について説明する。但し、上述した気相エッチングの構成や工程と同様の構成や工程については、その説明を簡略化する。
結晶基板の表面に一種類の金属からなる金属膜を形成する具体的な方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。即ち、結晶基板の表面に、先ず、電子線リソグラフィーによって所望の大きさおよび形状のパターンを備えた、例えば厚さが400nmのレジストパターンを形成する(パターン形成工程)。次に、当該レジストパターンをマスクとして、結晶基板を蒸着装置のステージに載置して金属を加熱蒸着することにより、パターン全体に金属膜を所望の厚さで堆積(蒸着)させる(金属膜形成工程)。その後、結晶基板の表面からレジストパターンを剥離する(パターン除去工程)。これにより、一種類の金属からなる金属膜を結晶基板の表面に形成することができる。
次に、結晶基板の表面に形成した上記金属膜を用いて、当該結晶基板を気相エッチングする方法について説明する。一種類の金属からなる金属膜を用いた気相エッチングには、上述したエッチングガスを好適に用いることができる。また、当該気相エッチングにおけるエッチング条件(温度、時間)は、上述したエッチング条件を好適に採用することができる。尚、一種類の金属からなる金属膜を用いる場合においては、当該金属膜を構成する金属粒子間の距離(隙間)を調節することにより、エッチング速度を調節することも可能である。
気相においてエッチングを行う場合には、下地の結晶基板の構成原子が金属膜内を拡散し、金属膜の表面において気相中の酸化剤により酸化され、続いてフッ化水素と反応する。これにより、結晶基板の構成原子は、例えばSiFとして気相に放出される。その結果、一種類の金属からなる金属膜を用いた気相エッチングを行うことにより、上述した液相エッチングと同様に、金属膜が結晶基板の内部に沈み込んでいくようにしてエッチングが進行する。但し、金属膜は一種類の金属からなるので、形成される孔は、深さ方向の断面が円弧状または螺旋状とはならずに、直線的な筒状となる。
表面に対して垂直で高アスペクト比の孔を結晶基板に形成する場合には、当該結晶基板は、形成すべき孔の深さ方向に対して(100)面が直交するように加工されていることが好ましい。
上記方法によれば、結晶基板の表面に、一種類の金属からなる金属膜を配置して気相エッチングするので、結晶基板に、例えば表面に対して垂直で高アスペクト比の孔を、簡便な工程でかつ低コストで形成することができる。より具体的には、上記方法によれば、結晶基板の表面に配置される金属膜の大きさや形状、或いは、気相エッチングのエッチング条件を任意に変更することにより、形成すべき孔の大きさや形状、深さを任意に変更することができる。
また、結晶基板における複数の表面(互いに平行ではない表面)に上記方法によって孔を形成して、形成した孔を結晶基板内で連通させれば、結晶基板に深さ方向の断面がL字状の孔を形成することができる。
〔実施例1〕
シリコン結晶基板の表面に、電子線リソグラフィーを用いて一辺の長さが1μmの正方形が所定の間隔で格子状に並んだ、厚さ400nmのレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンをマスクとして、当該シリコン結晶基板を蒸着装置のステージに対して45°傾けた状態で載置して、パラジウムを加熱蒸着することにより、正方形の半分にパラジウム膜(第一金属膜)を厚さ10nmで堆積(蒸着)させた。次いで、シリコン結晶基板を上記ステージに対して逆方向に45°傾けた状態で載置して、金を加熱蒸着することにより、正方形の残り半分に金膜(第二金属膜)を厚さ10nmで堆積(蒸着)させた。このとき、堆積した金膜の一部はパラジウム膜の一部に重なっており、従って、金膜とパラジウム膜は互いに密着した状態となった。その後、シリコン結晶基板の表面からレジストパターンを剥離した。これにより、本発明に係る金属膜をシリコン結晶基板の表面に形成した。
一方、フッ化水素ガスと空気とを5:95(体積比)で混合することにより、エッチングガスを調製した(HF濃度;5体積%、酸素濃度;20体積%)。
そして、金属膜が形成された上記シリコン結晶基板を100℃に加熱し、当該温度を維持した状態で、上記エッチングガスを1時間、流通させることにより、気相エッチングを行った。当該気相エッチングにおいては、金およびパラジウムの触媒作用によってシリコン結晶基板に孔が形成され、また、パラジウムのエッチング速度が金よりも速いために、エッチングはパラジウムの方が速く進行し、その結果、図3に示すように、深さ方向の断面が円弧状の孔が形成された。図3のSEM写真から、金属膜はシリコン結晶基板内を、円を描くようにして進んで元の表面に戻ったこと、これによって形成された孔の断面の直径がおよそ3μmであることが判った。
〔実施例2〕
シリコン結晶基板の表面に、電子線リソグラフィーを用いて直径1μmの円が所定の間隔で格子状に並んだ、厚さ400nmのレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンをマスクとして、当該シリコン結晶基板を蒸着装置のステージに対して45°傾けた状態で載置して、銀を加熱蒸着することにより、円の半分に銀膜(第一金属膜)を厚さ10nmで堆積(蒸着)させた。次いで、シリコン結晶基板を上記ステージに対して逆方向に45°傾けた状態で載置して、金を加熱蒸着することにより、円の残り半分に金膜(第二金属膜)を厚さ10nmで堆積(蒸着)させた。このとき、堆積した金膜の一部は銀膜の一部に重なっており、従って、金膜と銀膜は互いに密着した状態となった。その後、シリコン結晶基板の表面からレジストパターンを剥離した。これにより、本発明に係る金属膜をシリコン結晶基板の表面に形成した。
一方、10重量%フッ化水素酸と30重量%過酸化水素水とを10:0.1(体積比)で混合することにより、エッチング液を調製した(HF濃度;9.1重量%、H濃度;0.27重量%)。
そして、金属膜が形成された上記シリコン結晶基板を、上記エッチング液に25℃で1時間、浸漬することにより、液相エッチングを行った。当該液相エッチングにおいては、金および銀の触媒作用によってシリコン結晶基板に孔が形成され、また、銀のエッチング速度が金よりも速いために、エッチングは銀の方が速く進行し、その結果、図4に示すように、深さ方向の断面が円弧状の孔が形成された。図4のSEM写真から、金属膜はシリコン結晶基板内を、円を描くようにして進んで元の表面に戻ったこと、これによって形成された孔の断面の直径がおよそ3μmであることが判った。
〔実施例3〕
実施例2と同様にして、図7に示すように、シリコン結晶基板である結晶基板1の端部に円弧状の孔を形成した。そして、孔の壁面を含む結晶基板1の表面に、保護膜として、ドライ酸化によって薄い酸化膜5を形成した後、結晶基板1にライザトロンプロセス(荏原ユージライト社製)を用いて無電解銅メッキを施した。これにより、孔の壁面に形成された酸化膜5の表面に導電膜6を形成することができ、また、結晶基板1の表面に導電膜6と電通する外部接続用の電極7を形成することができた。即ち、孔を導電部として用いた機能性デバイスを形成することができた。そして、上記電極7を用いて半田接合を簡単に行うことができた。
また、孔をメッキ膜である導電膜6で充填せずに空洞部を残せば、つまり、図7に示す状態にすれば、半田接合時に、当該空洞部に半田が吸い込まれるので、半田接合をより強固にすることができることが判った。
〔実施例4〕
実施例2と同様にして、図8に示すように、シリコン結晶基板である結晶基板1に円弧状の孔を形成した。そして、実施例3と同様にして、孔の壁面を含む結晶基板1の表面に酸化膜5を形成した後、無電解銅メッキを施した。これにより、孔の壁面に形成された酸化膜5の表面に導電膜6を形成することができ、また、結晶基板1の表面に導電膜6と電通する外部接続用の電極7、および、配線8を形成することができた。即ち、配線8の下を潜るようにして結晶基板1に形成した孔を導電部として用いた機能性デバイスを形成することができた。上記導電膜6は、結晶基板1の内部で配線8と立体交差しているので、多層配線技術として好適に用いることができることが判った。
〔実施例5〕
図9に示すように、シリコン結晶基板として、その表面に実施例3と同様にして酸化膜5を形成し、その上に窒化膜9を形成した結晶基板1を用いた。つまり、結晶基板1の表面に、酸化膜5および窒化膜9を二重層となるように形成した。そして、この結晶基板1を用い、実施例2と同様にして、結晶基板1の端面(側面)から表面に向かって円弧状の孔を形成した。そして、実施例3と同様にして、孔の壁面に酸化膜5を形成した後、無電解銅メッキを施した。これにより、孔の壁面に形成された酸化膜5の表面に導電膜6を形成することができ、また、結晶基板1の表面に配線8を形成することができた。そして、孔の開口部に配管(図示しない)を半田付けした。これにより、孔を圧力センサとして用いた機能性デバイスとしてのMEMSデバイスを形成することができた。即ち、結晶基板1の表面における孔が形成されている部分の酸化膜5および窒化膜9が圧力センサとして機能することが判った。
尚、上記孔は高周波デバイスの導波管としても有効に作動することが判った。
〔参考例1〕
シリコン結晶基板の表面に、電子線リソグラフィーを用いて直径1μmの円が所定の間隔で格子状に並んだ、厚さ400nmのレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンをマスクとして、当該シリコン結晶基板を蒸着装置のステージに載置して、金を抵抗加熱蒸着することにより、円の全体に金膜を厚さ20nmで堆積(蒸着)させた。その後、シリコン結晶基板の表面からレジストパターンを剥離した。これにより、金膜からなる金属膜をシリコン結晶基板の表面に形成した。
一方、フッ化水素ガスと空気とを5:95(体積比)で混合することにより、エッチングガスを調製した(HF濃度;5体積%、酸素濃度;20体積%)。
そして、金属膜が形成された上記シリコン結晶基板を100℃に加熱し、当該温度を維持した状態で、上記エッチングガスを1時間、流通させることにより、気相エッチングを行った。当該気相エッチングの結果、図5に示すように、開口の直径がおよそ1μm、深さがおよそ4μmの、表面に対して垂直で高アスペクト比(アスペクト比:4)の孔が形成された。図5のSEM写真から、金属膜は孔の底部に存在することが判った。
また、気相エッチングのメカニズムを解明するために、シリコン結晶基板の表面に形成された金膜のXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)測定を行った。図6はその結果を示すチャートであり、縦軸は強度(Intensity と記す)、横軸は結合エネルギー(Binding energyと記す、単位:eV)を示す。そして、図6のチャートにおいて、(a)は気相エッチングを行う前の金膜、(b)は空気中、100℃で1時間、加熱した後の金膜、(c)は上記(b)の加熱に続いて、エッチングガス中、25℃で1時間、反応させた後の金膜、のチャートである。
金膜を空気中、100℃で1時間、加熱すると、加熱前には見られなかったSi2p(SiO)のピークが現れた((b)を参照)。その後、この金膜をエッチングガス中、25℃で1時間、反応させると、上記ピークは見られなくなった((c)を参照)。この結果から、加熱することによってシリコン結晶基板の表面(界面)のSiが金膜内を拡散,透過して金膜の表面に移動し、フッ化水素ガスと反応してSiFを形成することによって金膜の表面から除去されることにより、エッチングが進行することが判った。
本発明に係る方法によれば、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を、高アスペクト比で、しかも簡便な工程でかつ低コストで形成することができる。従って、本発明に係る方法は、経済性に優れており、例えば、半導体の微細加工技術、具体的にはLSI(Large Scale Integration) 等の製造、或いは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造に好適に利用することができる。また、本発明に係る方法は、トレンチキャパシタ、貫通電極或いはノズル孔等に適した深い孔を有する結晶基板や、導電性材料を充填すれば配線やコイルとして、或いは配管として利用可能な、結晶基板の深さ方向に断面が円弧状やL字状または螺旋状の孔を有する結晶基板の製造にも好適に利用することができる。
また、本発明に係る機能性デバイスは、孔の壁面を例えば酸化して酸化膜を形成することにより導管として用いたり、或いは、銅メッキ等を施すことにより配線や配管として利用したりすることができる。これにより、従来は無かった機能性デバイスとして好適に利用することができる。そして、当該機能性デバイスによって、CSP(Chip Size Package 或いは Chip Scale Package)を簡単に実現することができ、ワイヤボンディング等を不要にすることができ、また、従来と比較してデバイスの極端な低背化を実現することができ、さらに、多層配線技術について新たなプロセスを提供することができる。即ち、結晶基板内に配線や配管等を有する、従来は無かった特徴的な機能性デバイスを提供することができる。
1 結晶基板
2 銀膜(第一金属膜)
3 金膜(第二金属膜)
4 レジストパターン
5 酸化膜
6 導電膜
7 電極
8 配線
9 窒化膜

Claims (9)

  1. 主成分がシリコンからなる結晶基板に孔を形成する方法であって、
    結晶基板の表面に、当該結晶基板上の異なる箇所に密着し、お互いにその一部が重なっている複数種類の金属膜を形成して、化学エッチングすることを特徴と
    上記孔は、深さ方向の断面が円弧状、L字状または螺旋状である、結晶基板に孔を形成する方法。
  2. 上記複数種類の金属は、材質が互いに異なる金属、および/または、厚さが互いに異なる金属の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  3. 上記複数種類の金属が、貴金属からなる群より選択される金属からなる金属膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  4. 上記金属膜を、金属の蒸着によって結晶基板の表面に形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  5. 上記金属膜の大きさが、形成すべき孔の開口に対して40%〜99%の大きさであることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  6. 上記複数種類の金属が、金および銀、金およびパラジウムからなる組み合わせより選択される金属からなる金属膜であることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  7. 上記化学エッチングが気相エッチングであることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  8. 上記化学エッチングが液相エッチングであることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の結晶基板に孔を形成する方法。
  9. 結晶基板を備えた機能性デバイスであって、
    上記結晶基板に、深さ方向の断面が円弧状またはL字状の孔を有することを特徴とする機能性デバイス。
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