JP6028953B2 - 捺染方法 - Google Patents

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本発明は、捺染方法に関する。
金属的な質感のメタリック画像の形成方法として、インクジェット方式により記録媒体に接着液を噴射して接着層を形成し、金属箔(例えばアルミ蒸着膜)が形成されたシートを接着層に当接させて、媒体(接着層)に金属箔を転写させる記録方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−226863号公報
しかしながら、記録媒体が布帛(例えばTシャツ)の場合は、接着液が布帛に浸透してしまい、金属箔を良好に転写させることが困難であった。
本発明は、布帛に金属箔を良好に転写させることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、布帛の印捺面に前処理液を塗布する前処理工程と、前記前処理工程の後、前記印捺面に接着液を噴射して接着層を形成する接着液付与工程と、金属箔が形成されたシートを前記接着層に当接させて、前記接着層に前記金属箔を転写させる金属箔転写工程と、を有することを特徴とする捺染方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
第1実施形態の捺染方法の流れを示すフロー図である。 第1実施形態の前処理工程の模式図である。 第1実施形態の接着層形成工程の模式図である。 第1実施形態の金属箔転写工程の模式図である。 第1実施形態の金属箔転写工程終了後の模式図である。 第2実施形態の捺染方法の流れを示すフロー図である。 第2実施形態の前処理工程の模式図である。 第2実施形態の下地層形成工程の模式図である。 第2実施形態の接着層形成工程の模式図である。 第2実施形態の金属箔転写工程の模式図である。 第2実施形態の金属箔転写工程終了後の模式図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
布帛の印捺面に前処理液を塗布する前処理工程と、前記前処理工程の後、前記印捺面に接着液を噴射して接着層を形成する接着液付与工程と、金属箔が形成されたシートを前記接着層に当接させて、前記接着層に前記金属箔を転写させる金属箔転写工程と、を有することを特徴とする捺染方法が明らかとなる。
このような捺染方法によれば、布帛に前処理液を塗布することで接着液を布帛表面で凝集させることができる。これにより、記録媒体が布帛である場合においても金属箔を良好に転写させることができる。
かかる捺染方法であって、前記接着液付与工程の前に、前記前処理液が塗布された前記印捺面に下地用インクを噴射して下地層を形成する下地層形成工程をさらに有していてもよい。
このような捺染方法によれば、布帛の色にかかわらず発色性を向上させることができる。
かかる捺染方法であって、前記下地用インクは白インクであることが望ましい。
このような捺染方法によれば、布帛上に白色の下地層を形成できるので、その上に形成される画像(金属箔)の発色性をより向上させることができる。
かかる捺染方法であって、前記金属箔転写工程は、前記シート及び前記布帛を加熱する加熱工程を含むことが望ましい。
このような捺染方法によれば、接着液の成分が熱可塑性樹脂の場合に、加熱によって金属箔を転写させることができる。
かかる捺染方法であって、前記加熱工程は、ヒートプレス方式であることが望ましい。
このような捺染方法によれば、より確実に金属箔を転写させることができる。
かかる捺染方法であって、前記前処理液は、多価金属塩を含有することが望ましい。
このような捺染方法によれば、布帛に接着液が浸透するのを防止することができる。
かかる捺染方法であって、前記接着液は、アニオン性基を有する接着性化合物を含有することが望ましい。
このような捺染方法によれば、アニオン性基を有する接着性化合物は、前処理液(多価金属塩又は有機酸)との反応性が高いので、前処理液が塗布された布帛表面に接着液(接着性化合物)を効率的に凝集させることができる。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。
===第1実施形態===
≪メタリック画像について≫
金属的な質感のメタリック画像の形成方法として、インクジェット方式により記録媒体に接着液を噴射して接着層を形成し、金属箔(例えばアルミ蒸着膜)が形成されたシートを記録媒体(接着層に)当接させて、記録媒体に金属箔を転写させる方法が知られている。しかし、記録媒体が布帛(例えばTシャツ)の場合は、接着液が布帛に浸透してしまうため金属箔を良好に転写させることが困難である。なお、インクジェット方式により布帛にメタリックインクを噴射して画像を形成した場合は、布帛の表面の荒さ(凹凸)が大きいこと、及び、インクの樹脂成分により平滑な層にならないこと、などの理由により金属的な光沢が得られない。
そこで、本実施形態では、以下に示すように、金属箔の転写によってメタリック画像を布帛に形成する際の条件の改善を図っている。
≪捺染条件について≫
<1.インクジェット記録装置>
本実施形態では、後述する接着層を形成する際などに、インクジェット方式による記録方法を行う記録装置(インクジェット記録装置)を使用する。インクジェット方式とは、例えば、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式(ピエゾ方式)、インク液を印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式(サーマルジェット方式)、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより強制的にインク滴を噴射させる方式、等の記録方法を指す。
上述したような記録方法は、インクジェット式のヘッド、本体、トレイ、ヘッド駆動機構、キャリッジなどを備えたインクジェット記録装置によって行うことができる。ここで、ヘッドは、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの少なくとも4色のインクセットを収容するインクカートリッジを搭載し、フルカラー印刷ができるように構成されてもよい。また、本実施形態ではインクカートリッジの少なくとも1つに、後述の接着液を充填して設置する。また、それ以外のカートリッジには、通常のインクなどが充填されてもよい。インクジェット記録装置は、内部に専用のコントロールボード(コントローラー)等を備えており、ヘッドのインクの噴射タイミング、ヘッド駆動機構の走査、記録媒体の移動などを制御することができる。
<2.記録媒体>
本実施形態では記録媒体として布帛を使用する。布帛としては、従来から使用されているいずれのものでもよいが、例えば、綿、絹、麻、レーヨン、アセテート、ナイロンもしくはポリエステル繊維からなる布帛、これら繊維の2種以上からなる混紡布帛等が使用できる。
<3.前処理液>
本実施形態では、後述するように、布帛に前処理液を付与する前処理工程を有している。前処理液の付与は公知の手段を用いることが可能であり、例えば、各種の塗工手段、噴霧手段、インクジェット印刷手段等が挙げられる。
布帛の前処理液は、多価金属塩または有機酸の少なくとも1種を含有することが好ましい。以下に前処理液に含まれる成分について説明する。
前処理液に含まれる多価金属塩としては、例えば、Ca、Mg等のアルカリ土類金属塩が挙げられ、例えば、CaCl2、Ca(NO3)2、Ca(OH)2、(CH3COO)2Ca、MgCl2、Mg(OH)2、(CH3COO)2Mgが挙げられる。中でも、Caの塩類が好ましい。前処理液に含まれる有機酸としては、例えば、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、乳酸等が挙げられ、中でも酢酸が好ましい。前処理液中における多価金属塩または有機酸の含有量は特に限定されず、例えば前処理液中に0.1〜40質量%程度である。
また、前処理液は、媒体として水を含む。必要に応じて、有機溶媒を含んでいてもよく、後述するインク組成物に記載した水および有機溶媒が使用できる。
さらに、摩擦堅牢性と柔軟性に優れたインクジェット捺染物が得られる点から、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂を含んでいても良い。前記樹脂は、前記金属塩と混合した際に凝集または析出しない限り、特に限定されない。
<4.接着性組成物>
本実施形態ではインクジェット法により記録媒体(布帛)に接着性組成物(以下、接着液ともいう)を付着させる。インクジェット法により付着される接着性組成物としては、以下のものを例示することができる。接着性組成物は、少なくとも接着性化合物を含む。
4.1.接着性化合物
接着性組成物に含有される接着性化合物としては、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、などの接着剤に汎用されるモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられ、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、およびそれらの変性体を例示することができる。また、接着性化合物としては、ロジン、糊化デンプン、ニカワ、各種の糖類等の天然樹脂またはその変性体などの粘着性を有する物質であってもよい。
上述した接着性化合物のなかでも、水相で解離し、負帯電を示すアニオン性基を有する接着性化合物が好ましい。アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。アニオン性基を有する接着性化合物は、(上述の)前処理液に含まれる多価金属塩または有機酸との反応性が特に高いため、布帛表面に接着性化合物を効率的に凝集させることが可能となる。
接着性化合物のさらに具体的な例としては、塩化ビニル系エマルジョン(Tg=−2℃)、塩化ビニル系エマルジョン(Tg=42℃)(例えば、日信化学工業株式会社から入手可能な塩化ビニル系接着剤)、モビニール727 (Tg=5℃)、モビニール718A (Tg=−6℃)、モビニール752 (Tg=15℃)、モビニール7525 (Tg=−16℃)、モビニール745 (Tg=21℃)(例えば、日本合成化学工業株式会社から入手可能なアクリル系接着剤)、スーパーフレックス840 (Tg=5℃)、スーパーフレックス500M (Tg=−39℃)(例えば、第一工業製薬株式会社から入手可能なウレタン系接着剤)、タケラックW−6021(Tg=−60℃)(三井化学株式会社製、ウレタン樹脂)、パーマリンUA−150(三洋化成工業株式会社、ポリエーテル系ウレタン樹脂)などが挙げられる。
なお、接着性化合物としてエマルションを採用する場合、合成によってこれを得てもよく、例えば、乳化重合、懸濁重合等の方法により樹脂のモノマーを重合することによって得ることができる。
接着性化合物のガラス転移温度(Tg)は、本実施形態の記録方法における加熱工程において操作を容易化することができる、装置を構成しやすいなどの点から、−10℃以上100℃以下であることが好ましく−10℃以上70℃以下であることがより好ましい。
接着性組成物は、上述の物質を含有することにより、加熱されることによって接着性を発揮することができる。また、接着性組成物には、反応によって接着性を発揮する化合物を採用してもよく、必要に応じて重合開始剤、反応助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤等の添加物が含有されてもよい。さらに、接着性組成物は、圧力を印加することによって接着性を発揮する感圧型の接着剤(接着液)を含んでもよい。感圧型の接着剤としては、例えば、接着剤を微小なカプセルに封入した構造を有する物質が挙げられる。接着性組成物は、上記例示した物質の2種以上の混合物であってもよい。
4.2.接着性組成物の物性
接着性組成物は、インクジェット法により記録媒体に付着できるように調製される。接着性組成物がインクジェット法に適用できる条件は、例えば、粘度が挙げられ、接着性組成物の20℃における粘度は、好ましくは2〜10mPa・sであり、より好ましくは3〜5mPa・sである。接着性組成物の20℃における粘度が前記範囲内にあると、ノズルから接着性組成物が適量吐出され、接着性組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、本実施形態の記録方法での使用により好適である。
接着性組成物は、粘度を調節するために、例えば、界面活性剤、多価アルコール、有機溶媒、樹脂成分を含有することができる。また、接着性組成物は、水系であっても溶剤系(非水系)であってもよい。
接着性組成物に含有されうる界面活性剤、多価アルコール、有機溶媒、樹脂成分、および水に関しては、上述のインク組成物の項で述べたと同様であるので、説明を省略する。
接着性組成物の粘度の調節は、接着性組成物の粘度は、その成分の配合、種類、組成比を変化させることにより、適宜調節できる。
接着性組成物は、記録媒体あるいはインク組成物に付着した後に、接着性を発揮することができる。また、接着性組成物によって形成された表面と、後述する金属箔が形成されたシートの金属箔との間の接着力(密着力)は、金属箔が形成されたシートにおける金属箔とシートとの間の接着力(密着力)よりも、大きくなるように設定される。
<5.金属箔が形成されたシート>
金属箔が形成されたシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリジアセテート、トリアセテート、ポリイミド等の材質からなるフィルム等のプラスチックフィルム(シート)の表面に、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金からなる光輝性を有する膜が形成されたものを挙げることができる。
このような金属箔が形成されたシートは、シートの表面に、蒸着、スパッタ等によって金属の膜を形成することによって得ることができる。また、このような金属箔が形成されたシートは、市販品を利用してもよい。さらに、金属箔が形成されたシートは、金属箔がシートから剥離しやすいように、シートの表面(界面)処理されたものや、シートと金属箔の間に剥離を容易化する層を有するものであってもよい。なお、本実施形態では、以下に示すようにアルミの蒸着膜が形成されたシートを用いた。
<6.加熱装置>
本実施形態では布帛に金属箔を転写させる際に、加熱装置(例えば、ホットプレス機)を用いる。加熱装置は、布帛を支持する支持台と、当該支持台と対向する加熱板を有する。加熱板の材質は特に制限されず、例えば、金属、セラミック等が挙げられる。本実施形態では、加熱板の表面温度は150度に設定されている。そして支持台の上に布帛を載置し、さらにその上に金属箔が形成されたシートを置き、加熱板を支持台に向けて押し付けて加熱・加圧する(ヒートプレス方式)。
なお、加熱装置としてはホットプレス機には限られず、アイロン、熱ごてなどを使用してもよい。
≪捺染方法≫
図1は第1実施形態の捺染方法の流れを示すフロー図であり、図2〜5は、第1実施形態(図1)の各工程における模式図である。図2は、前処理工程の模式図であり、図3は、接着層形成工程の模式図であり、図4は金属箔転写工程の模式図である。また、図5は金属箔転写工程終了後の模式図である。なお、本実施形態の被記録媒体は布帛10(例えばTシャツ)である。
以下、図面を参照しつつ第1実施形態の捺染方法について説明する。
<前処理工程(図1:S11)>
まず、図2に示すように布帛10の印捺面10Aの印字領域に多価金属塩を含有する前処理液を塗布する。表1は、本実施形態で使用した前処理液の組成を示す表である。
Figure 0006028953
そして、布帛10に前処理液を塗布した後、前処理液を乾燥させる。
<接着層形成工程(図1:S12)>
次に、図3に示すように、インクジェット法によりインクジェット記録装置のヘッドから布帛10の印捺面10Aにおけるメタリック画像の形成位置に接着液を噴射して、接着層20を形成する。なお、接着層形成工程は接着液付与工程に相当する。
表2は、本実施形態で使用した接着液の組成を示す表である。
Figure 0006028953
布帛10の印捺面10Aに接着液を直接付着させると、接着液が布帛10に浸透してしまうが、本実施形態では、印捺面10Aに前処理液が塗布されているので、接着液が布帛10に浸透せずに留まる。これは、接着液の接着性化合物(アニオン性)が前処理液の多価金属塩(カチオン性)と接触すると、分散性を失って凝縮するからである。
<金属箔転写工程(図1:S13)>
その後、図4に示すように、表面に金属箔32(アルミの蒸着膜)が形成されたシート30を金属箔32が印捺面10Aと対向するように(接着層20と当接するように)配置し、ホットプレス機(不図示)により加熱・加圧(ヒートプレス)する。プレス終了後、シート30を剥がすと、図5のように布帛10の接着層20の形成箇所にシート30の金属箔32が転写される。
以上説明したように、本実施形態では、布帛10に接着層20を形成するよりも前に、布帛10の印捺面10Aに前処理液を塗布している。こうすることで、接着液を布帛10に噴射した際に接着液が布帛10の表面(印捺面10A)で凝集させることができる。このように、本実施形態では、接着液が布帛10に浸透するのを抑制できるので、布帛10に金属箔32を良好に転写させてメタリック画像を形成することができる。
===第2実施形態===
第1実施形態では、布帛10上に接着層20を介して金属箔32の層(メタリック画像)が形成されていた。しかしながら、布帛10が色付き(例えば黒色)の場合、形成した画像(メタリック画像)の発色性が低下するおそれがある。そこで、第2実施形態では下地層を形成することで発色性の向上を図っている。
なお、第2実施形態では、下地層を形成するために白インクを用いる。本明細書において「白インク」とは、エプソン純正写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製)に、duty100%以上で吐出された白インクの明度(L*)と色度(a*、b*)が、分光測光器Spectrolino(商品名:GretagMacbeth社製)を、測定条件をD50光源、観測視野を2°、濃度をDIN_NB、白色基準をAbs、フィルターをNo、測定モードをRefrectance、として設定して計測した場合に、70≦L*≦100、−4.5≦a*≦2、−6≦b*≦2.5の範囲を示すインクのことをいう。
以下、白インクの成分について説明する。他の条件については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
1.白色顔料
本実施の形態に係る白インクは、白色顔料を含有する。前記白色顔料としては、例えば、金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、白色度に優れているという観点から、二酸化チタンが好ましい。
前記白色顔料の平均粒径は、上記式を満たす限りにおいて特に限定されないが、例えば、100〜1000nmであることが好ましく、300nm〜400nmであることがより好ましい。前記の範囲とすることで、白色度に優れた捺染物を得ることができる。
本明細書において、平均粒径とは、体積基準とした場合の、累積50%粒子径を意味し、光散乱法によって測定される。平均粒径の測定は、例えば、マイクロトラックUPA150(Microtrac Inc.社)を使用して測定することができる。
前記白色顔料の含有量は、白インクの総質量に対して、3〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることで、白色度に優れた捺染物を得ることができる。
2.溶媒
本実施形態の白インクは、溶媒を含む。水を50質量%以上含有する、いわゆる水系インクである場合は、溶媒として水を含む。水を実質的に含まない非水系インクの場合は、溶媒としてアルコール等の有機溶媒を含む。
3.その他の成分
本実施形態の白インクは、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、白インクの種類(水系又は非水系)に応じて適宜決定することができる。以下、本実施形態の白インクの一例として、水系インクの場合に適用可能なその他の成分を説明する。
本実施の形態に係る白インクは、前記成分に加えて、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を添加してもよい。
アルカンジオールとしては、1,2―ブタンジオール、1,2―ペンタンジオール、1,2―ヘキサンジオール、1,2―ヘプタンジオール、1,2―オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2―アルカンジオールであることが好ましい。
グリコールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが挙げられる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、白インクの全質量に対して、例えば、1〜20質量%とすることができる。
本実施の形態に係る白インクは、分散剤を含むことができる。前記分散剤は、例えば、アニオン性高分子分散剤、ノニオン性高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等を特に制限なく用いることができる。
本実施の形態に係る白インクは、前記成分に加えて、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を添加してもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば2,4,7,9―テトラメチル―5―デシン―4,7―ジオール、3,6―ジメチル―4―オクチン―3,6―ジオール、3,5―ジメチル―1―ヘキシン―3オール、2,4―ジメチル―5―ヘキシン―3―オール等が挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィン(登録商標)E1010、STG、Y(以上、日信化学株式会社製)、サーフィノール(登録商標)104、104PG50、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK―347、BYK―348(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
本実施の形態に係る白インクは、前記成分に加えて、多価アルコールを添加してもよい。多価アルコールは、白インクの乾燥を防止し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6―ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価アルコールの含有量は、白インクの全質量に対して、例えば、0.1〜30質量%とすることができる。
本実施形態に係る白インクは、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルター等を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
≪捺染方法≫
図6は、第2実施形態の捺染方法の流れを示すフロー図であり、図7〜11は、第2実施形態(図6)の各工程における模式図である。図7は、前処理工程の模式図であり、図8は、下地層形成工程の模式図であり、図9は、接着層形成工程の模式図であり、図10は金属箔転写工程の模式図である。また、図11は金属箔転写工程終了後の模式図である。なお、第2実施形態においても記録媒体は布帛10(例えばTシャツ)であるが、第2実施形態の布帛10は色付き(例えば黒色)である。
以下、図面を参照しつつ第2実施形態の捺染方法について説明する。
<前処理工程(図6:S21)>
まず、図7に示すように布帛10の印捺面10Aの印字領域に多価金属塩を含有する前処理液を塗布する。本実施形態で使用する前処理液の組成は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
そして、布帛10に前処理液を塗布した後、前処理液を乾燥させる。
<下地層形成工程(図6:S22)>
本工程では、インクジェット記録装置のヘッドから、布帛10の印捺面10Aに白インクを噴射して、印捺面10Aの所定範囲に高duty(例えば400%)で白インクを付着させる。布帛10の印捺面10Aには前処理液が塗布されているので、白インクが布帛10に浸透せずに留まる(凝集する)。
こうして、図8のように布帛10の印捺面10A上に白色の下地層15を形成する。
<接着層形成工程(図6:S23)>
次に、図9に示すように、インクジェット法によりインクジェット記録装置のヘッドから下地層15におけるメタリック画像の形成位置に接着液を噴射して、接着層20を形成する。本実施形態で使用する接着液の組成は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。なお、図中では、下地層15と接着層20の各層が明確に分離して描かれているが、実際には、各層が明確に分離しているとは限らない。例えば、下地層15を形成する白インクが十分に乾燥する前に接着層20を形成する接着液が付着すると、白インクと接着液とが一部混ざることがある。
<金属箔転写工程(図6:S24)>
その後、図10に示すように、表面に金属箔32が形成されたシート30を金属箔32が印捺面10Aと対向するように(接着層20と当接するように)配置し、ホットプレス機の加熱板(不図示)により加熱・加圧(ヒートプレス)する。プレス終了後、シート30を剥がすと、図11に示すように、布帛10の印捺面10Aのうち接着層20の形成箇所のみにシート30の金属箔32が転写される。
このように、第2実施形態では、布帛10と接着層20との間に下地層15を形成している。このように下地層15を形成した場合においても、金属箔32を良好に転写させることができる。また、第2実施形態では、下地層15を形成しているので、布帛10の色にかかわらず転写された金属箔32(メタリック画像)の発色性を向上させることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<金属箔の転写について>
前述の実施形態では、ホットプレス機を用いて加熱・加圧することで金属箔32を布帛10の接着層20に転写させていたが、これには限られない。例えば、接着層20(接着液)が常温で十分な接着性を有する場合は、シート30の金属箔32と布帛10の接着層20とを当接させることで(加熱を行うことなく)金属箔32を転写させることができる。この場合、必要に応じて、例えばプレス機やローラー圧着機で加圧してもよい。また、接着液の成分が熱可塑性であり、接着層20が熱によって接着性を発揮する場合には、適宜の加熱手段を用いて加熱を行うようにしても良い。この場合も、必要に応じて加圧してもよい。
<画像について>
前述の実施形態では布帛10にメタリック画像(金属箔32の転写による画像)のみを形成していたが、他の画像を形成してもよい。例えば、メタリック画像の形成領域(言い換えると接着層20の形成領域)以外の領域に、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)によるカラー画像を形成してもよい。具体的には、実施形態1の場合、接着層形成工程(図1:S12)を実行する際に、布帛10の印字領域のうち接着層20の形成範囲を除く領域に、ヘッドからカラーインクを噴射してカラー画像を形成してもよい。また、実施形態2の場合も同様に、接着層形成工程(図6:S23)を実行する際に、下地層15の形成領域のうち接着層20の形成範囲を除く領域に、ヘッドからカラーインクを噴射して下地層15上にカラー画像を形成してもよい。
また、メタリック画像の上にカラー画像を形成してもよい。この場合、金属光沢のあるカラー画像を形成することができる。
10 布帛、10A 印捺面、15 下地層、20 接着層、30 シート、32 金属箔。

Claims (6)

  1. 布帛の印捺面に前処理液を塗布する前処理工程と、
    前記前処理工程の後、前記印捺面に接着液を噴射して接着層を形成する接着液付与工程と、
    金属箔が形成されたシートを前記接着層に当接させて、前記接着層に前記金属箔を転写させる金属箔転写工程と、
    を有する捺染方法であって、
    前記前処理液は、多価金属塩または有機酸塩の少なくとも1種を含有し、
    前記接着液は、インクジェット法により前記布帛に付着させるものであり、接着性化合物を含むものである捺染方法で、
    前記接着層を形成する前記接着液付与工程で、前記接着層を形成する他に、前記布帛の前記接着層の形成範囲以外の領域にインクジェット法によりカラーインクを噴射してカラー画像を形成する
    ことを特徴とする捺染方法。
  2. 請求項1に記載の捺染方法であって、
    前記接着液付与工程の前に、前記前処理液が塗布された前記印捺面に下地用インクを噴射して下地層を形成する下地層形成工程をさらに有する
    ことを特徴とする捺染方法。
  3. 請求項2に記載の捺染方法であって、
    前記下地用インクは白インクである
    ことを特徴とする捺染方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の捺染方法であって、
    前記金属箔転写工程は、前記シート及び前記布帛を加熱する加熱工程を含む
    ことを特徴とする捺染方法。
  5. 請求項4に記載の捺染方法であって、
    前記加熱工程は、ヒートプレス方式である
    ことを特徴とする捺染方法。
  6. 請求項1に記載の捺染方法であって、
    前記接着性化合物は、アニオン性基を有する接着性化合物である
    ことを特徴とする捺染方法。
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