JP6027941B2 - 金属接合部品および金属用接合材 - Google Patents

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Description

本発明は金属接合部品に係り、特に、ガラスを用いて一対の金属部材を絶縁状態で気密性および耐水性を確保しつつ接合する技術に関するものである。
車載用の電子デバイス部品の中には、絶縁状態でガスリークなく接合する必要がある場合がある。従来、このような接合箇所はガラスで接合されているが、汎用的に用いられるガラスの熱膨張係数(5〜9×10-6/K程度)に近似させるために、コバール金属等の高価な金属が使用される場合があった。近年、低コスト化や高性能化、軽量化などのため、このような金属にアルミニウムや銅の適用が考えられている。アルミニウムや銅の熱膨張係数はそれぞれ23〜25×10-6/K程度、16〜18×10-6/K程度と大きく、応力を低減するためには同程度或いはやや低い熱膨張係数を持つ接合材を選択することが望ましい(非特許文献1参照)。また、アルミニウムは低融点(約660℃)で、銅は600℃以上で酸化劣化し易いことから、何れも550℃程度以下で焼成接合する必要がある。また、車載用の電子部品等に用いられる金属部材の接合には絶縁性が要求されるだけでなく、70〜90℃程度の高温環境下での耐水性が要求される場合がある。
従来、車載用の金属部材を接合するガラスについては報告が少ないが、低温接合、絶縁性、耐水性という観点から、鉛系ガラス、ビスマスホウ酸ガラス(特許文献1参照)、リン酸亜鉛系ガラスなどが考えられる。
特開2008−254974号公報 特開2008−308393号公報
セラミックス 46(2011)No11「ガラスフリットによる封着と線膨張係数」藤峰哲 産総研プレスリリース:耐水性、耐変色性を向上させた鉛を含まない工芸ガラスの開発(2006年11月21日)
しかしながら、鉛系はRoHS指令にもあるように環境汚染の影響が高く、現在は使用することが難しい。ビスマスホウ酸ガラスは耐水性が高いものの、概して熱膨張係数が10×10-6/K前後でアルミニウムや銅よりも低く、熱膨張差の影響で密着性や接合強度等が問題になる。また、リン酸亜鉛系のガラスは、車載用としては耐水性が十分でない場合がある(特許文献2参照)。ガラスの軟化温度を下げ、熱膨張係数を上げるにはアルカリ成分添加などがあるが、多くの場合、これにより耐水性が悪くなる(非特許文献2参照)。ガラスの熱膨張係数を上げる別の方法としてリューサイト結晶〔 leucite(白榴石):KAlSi2 6 〕を添加することが考えられるが、軟化点も高くなり、アルミニウムや銅の接合に必要な550℃以下での接合は難しい。樹脂による接合も考えられるが、封止だけの機能であれば可能である場合があるが、高電圧がかかると導通して絶縁破壊してしまう問題がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、環境に易しく熱膨張差の影響が少ないとともに所定の絶縁性や気密性、耐水性を確保しつつ550℃以下の低温度でアルミニウムや銅などの金属部材を接合できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、一対の金属部材が絶縁状態で気密性および耐水性を確保しつつ接合された金属接合部品であって、(a) リューサイト結晶を含有しているガラスと、(b) そのガラスと前記一対の金属部材との間にそれぞれ介在させられて、そのガラスとその一対の金属部材とをそれぞれ一体的に固着している一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物と、を有し、(c) 前記一対の金属部材が前記一対の混合物を介して前記ガラスを挟んだ状態で互いに一体的に接合されており、且つ、(d) 前記ガラスは、前記リューサイト結晶の含有量が10〜70wt%の範囲内であることを特徴とする。なお、wt%は重量%の意味である。
第2発明は、第1発明の金属接合部品において、前記一対の金属部材の材質はアルミニウムまたは銅であることを特徴とする。
なお、アルミニウムはアルミニウム合金であっても良く、銅は銅合金であっても良い。
第3発明は、第1発明または第2発明の金属接合部品において、前記一対の混合物の熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およびアルキッド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上から成ることを特徴とする。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの金属接合部品において、前記一対の金属部材の少なくとも一方がアルミニウムの場合、前記ガラスは、マトリックス中にSi成分を含んでいないものが用いられることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの金属接合部品において、前記ガラスの熱膨張係数が12〜26×10-6/Kの範囲内であることを特徴とする。
発明は、第1発明〜第発明の何れかの金属接合部品において、前記ガラスのマトリックスは、R2 O(Rはアルカリ成分)を0〜23mol%、ZnOを23〜30mol%、B2 3 を13〜18mol%、Bi2 3 を40〜53mol%含有しているビスマスホウ酸ガラスであることを特徴とする。
発明は、一対の金属部材を絶縁状態で気密性および耐水性を確保しつつ接合するための金属用接合材であって、(a) リューサイト結晶を含有しているガラスと、(b) そのガラスと前記一対の金属部材との間にそれぞれ介在させられて、そのガラスと一対の金属部材とをそれぞれ一体的に固着する一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物と、を有し、且つ、(c) 前記ガラスは、前記リューサイト結晶の含有量が10〜70wt%の範囲内であることを特徴とする。
このような金属接合部品においては、一対の金属部材が一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物を介してガラスを挟んだ状態で一体的に接合されており、ガラスはリューサイト結晶を含有しているため熱膨張係数が高くなり、金属部材との熱膨張差による応力等の影響が抑制されるとともに、熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物が介在させられることにより550℃以下の低温度で適切に金属部材を接合することが可能で、優れた接合強度や密着性、気密性が得られる。ガラスと金属部材との熱膨張差が小さいことから、例えば車両に搭載される電子部品のように温度が大きく上下する使用環境でも、クラックの発生や剥離、ガスリーク等が抑制されて優れた熱耐久性が得られる。また、熱硬化性樹脂は比較的熱膨張係数が高いが、リューサイト結晶と混合されることにより低下し、アルミニウムや銅との熱膨張差が小さくなるため、一層高い接合強度や密着性、気密性、熱耐久性が得られるようになる。一方、ガラスの材料として、例えば第発明のようにビスマスホウ酸ガラス等を採用することが可能で、環境汚染の原因となる鉛系ガラスを用いる必要がないとともに、優れた絶縁性、耐水性を確保することができる。ガラスによって絶縁性が確保されることから、高電圧がかかる場合でも絶縁性が損なわれる恐れがない。これにより、アルミニウムや銅など比較的低温度で接合する必要がある金属部材同士でも、優れた絶縁性や耐水性、気密性を確保しつつ適切に接合することができる。
また、ガラスがリューサイト結晶を10〜70wt%の範囲内で含有しているため、そのガラスの熱膨張係数を12〜26×10 -6 /K程度とすることが可能で、金属部材との熱膨張差の影響を適切に抑制でき、優れた接合強度や密着性、気密性、熱耐久性を確保することができる。リューサイト結晶の含有量が10wt%よりも低いと、熱膨張係数が低くて熱膨張差の影響を抑制する効果が適切に得られない場合がある一方、70wt%を超えると熱膨張係数が高くなり過ぎて、熱膨張差で接合強度や密着性、気密性が損なわれる場合がある。
第4発明は、一対の金属部材の少なくとも一方がアルミニウムの場合で、マトリックス中にSi成分を含んでいないガラスを用いるようにしたので、接合強度を適切に確保できる。すなわち、ガラスがSi成分を含んでいる場合、そのSi成分がアルミニウムと反応して発泡し、接合強度が阻害される場合がある。ガラスと金属部材との間には熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物が存在するが、コンタミネーション(混入等の汚染)によって反応して発泡する場合がある。
第5発明では、ガラスの熱膨張係数が12〜26×10-6/Kの範囲内であるため、アルミニウムの熱膨張係数(23〜25×10-6/K程度)や銅の熱膨張係数(16〜18×10-6/K程度)と同程度かやや低い値となり、それ等の金属部材との熱膨張差による応力等の影響を適切に抑制でき、熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物が介在させられることと相まって、優れた接合強度や密着性、気密性、熱耐久性を確保することができる。
発明は、ガラスのマトリックスがビスマスホウ酸ガラスの場合で、リューサイト結晶の添加で熱膨張係数を12〜26×10-6/K程度とすることが可能で、金属部材との熱膨張差の影響を適切に抑制できるとともに、優れた絶縁性、耐水性を確保することができる。
発明は金属用接合材に関するもので、リューサイト結晶を含有しているガラスと、そのガラスと一対の金属部材との間にそれぞれ介在させられる一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物とを有し、且つ、ガラスはリューサイト結晶を10〜70wt%の範囲内で含有しているため、実質的に第1発明と同様の作用効果が得られる。
本発明の金属接合部品の一例を示す斜視図である。 図1の金属接合部品の接合部分の構成を説明する断面図で、図1におけるII−II矢視部分の拡大断面図である。
本発明の金属接合部品、金属用接合材は、優れた電気絶縁性、気密性、耐水性を有するため、車両に搭載される電子部品に用いられるアルミニウムや銅等の金属部材同士の接合に好適に用いられるが、他の車載用部品、或いはその他の種々の金属部材同士の接合に用いることができる。本発明では熱硬化性樹脂にリューサイト結晶を混合した混合物が用いられているため、アルミニウムや銅との熱膨張差が小さくなって高い熱耐久性が得られるようになり、例えばヒートサイクル温度幅ΔTが200℃程度の苛酷な条件下での使用にも対応できる。
金属用接合材として用いられるガラスの形状は、接合すべき金属部材の接合形態に応じて適宜定められ、平板状やリング状、筒形状など種々の態様が可能であり、金属部材が接合される2つの面(平面や端面、内周面、外周面など)に互いに電気的に絶縁された状態で一対の混合物が設けられる。ガラスのマトリックスとしては、第発明のようにビスマスホウ酸ガラスが好適に用いられるが、リューサイト結晶で熱膨張係数を高くすることができるアルカリ系ガラス等の他のガラスを採用することもできる。第発明のビスマスホウ酸ガラスの組成は一例であり、使用条件等によってはその組成範囲から外れたビスマスホウ酸ガラスを用いることもできる。
接合すべき一対の金属部材は同じ材質でも良いが異なる材質でも良い。それ等の金属部材とガラスとの間に介在させられる混合物の熱硬化性樹脂の種類は適宜定められ、一対の金属部材の材質が異なる場合には異なる種類の熱硬化性樹脂を用いるようにしても良い。一対の金属部材の材質が異なる場合に、共通の熱硬化性樹脂を用いることも可能である。熱硬化性樹脂とリューサイト結晶との混合割合についても、金属部材の材質や熱硬化性樹脂の種類等に応じて適宜定められ、リューサイト結晶の含有量は5〜70wt%の範囲内が適当で、10〜60wt%の範囲内が望ましい。リューサイト結晶の含有量が少ないと、熱硬化性樹脂の熱膨張係数を低下させて熱耐久性を向上させる効果が十分に得られず、含有量が多いと、熱硬化性樹脂を介在させて接合強度や密着性、気密性を向上させる効果が阻害される。
第4発明では、一対の金属部材の少なくとも一方がアルミニウムの場合、マトリックス中にSi成分を含んでいないガラスが用いられるが、一対の金属部材が何れもアルミニウム以外の場合にはSi成分を含むガラスを用いることもできる。Si成分を有するガラスは例えばSiO2 を含むもので、具体的にはK2 O:15wt%、SiO2 :60wt%、CaO:15wt%、MgO:10wt%のガラスや、B2 3 :50wt%、SiO2 :30wt%、Bi2 3 :15wt%、Ba2 3 :5wt%のガラスなどで、本発明者等がアルミニウムの接合試験を行ったところ、SiO2 とアルミニウムとが反応して発泡し、接合不可であった。
第5発明では、リューサイト結晶を含有したガラスの熱膨張係数が12〜26×10-6/Kの範囲内であり、アルミニウムや銅の金属部材の接合に好適に用いられる。金属部材の材質によっては、この数値範囲から外れた熱膨張係数のガラスを用いることもできる。接合すべき金属部材がアルミニウム同士の場合には、ガラスの熱膨張係数が15〜26×10-6/Kの範囲内が望ましく、銅同士の場合には、ガラスの熱膨張係数が12〜25×10-6/Kの範囲内が望ましく、一方がアルミニウムで他方が銅の場合には、ガラスの熱膨張係数が15〜25×10-6/Kの範囲内が望ましい。
発明では、ガラスがリューサイト結晶を10〜70wt%の範囲内で含有しており、ガラスの熱膨張係数が12〜26×10-6/K程度となって、アルミニウムや銅の金属部材の接合に好適に用いられる。接合すべき金属部材がアルミニウム同士の場合には、リューサイト結晶の含有量が15〜70wt%の範囲内が望ましく、銅同士の場合には、リューサイト結晶の含有量が10〜60wt%の範囲内が望ましく、一方がアルミニウムで他方が銅の場合には、リューサイト結晶の含有量が15〜60wt%の範囲内が望ましい。
金属接合部品の気密性については、例えば金属接合部品が筒状の金属管の一端に金属板を接合した有底の筒形状を成している場合、水中に保持して例えば0.2MPa程度の圧力エアを筒内に供給し、接合部分から外部にバブルが発生しない程度の気密性を有することが望ましい。絶縁性については、例えば一対の金属部材の間に2.6kV程度の電圧を加えても絶縁状態が維持される程度の絶縁性を有することが望ましい。熱膨張差については、例えば−40〜+130℃の温度変化(ヒートサイクル)を所定回数繰り返しても、クラックや剥離を生じることがなく、有底の筒状部品については上記気密性が維持される程度の熱耐久性を有することが望ましい。本発明では、熱硬化性樹脂にリューサイト結晶を混合した混合物が用いられるため優れた熱耐久性が得られ、使用環境によっては、例えば−40〜+160℃のようにヒートサイクル温度幅ΔTが200℃程度の苛酷な熱耐久性を満たすように構成することもできる。また、耐水性に関しては、ガラスを例えば80℃の温水に24時間浸漬した後の重量減少率が1%以下の耐水性を有することが望ましく、高い高温耐水性が要求される車載用の電子部品等に用いられる金属部材の接合に対しても好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示す金属接合部品10は、金属用接合材12(以下、単に接合材12という)を用いて円筒状の金属管14の一端を気密に塞ぐように金属板16を一体的に接合したもので、70〜90℃程度の高温雰囲気に晒される車載用の電子部品に用いられるものである。金属管14および金属板16は一対の金属部材に相当するもので、それぞれ導電性を有するアルミニウムまたは銅にて構成されているとともに、接合材12によって互いに絶縁され且つ所定の気密性および耐水性を確保した状態で一体的に接合されている。
図2は、図1におけるII−II矢視部分の拡大断面図で、接合材12は金属管14に対応するリング形状を成しているとともに、ガラス20の両端面に第1混合物22および第2混合物24が設けられた3層構造で構成されている。接合材12の内径は金属管14の内径よりも小さい一方、接合材12の外径は金属管14の外径よりも大きく、金属管14の内側および外側へ突き出している。ガラス20はリューサイト結晶を含有しているとともに、そのガラス20の両端面には熱硬化性樹脂にリューサイト結晶を混合した第1混合物22および第2混合物24が設けられており、金属管14および金属板16は、それぞれその第1混合物22、第2混合物24を介してガラス20の両端面に一体的に固着されている。すなわち、一対の金属部材である金属管14および金属板16は、熱硬化性樹脂にリューサイト結晶を混合した一対の第1混合物22、第2混合物24を介してガラス20を挟んだ状態で、互いに一体的に接合されているのである。このような接合材12は、ガラス20の両側に熱硬化性樹脂を含有した第1混合物22、第2混合物24を有することから、550℃以下の低温度で金属管14と金属板16とを絶縁状態で一体的に接合することができる。
上記ガラス20は、本実施例ではR2 O(Rはアルカリ成分)を0〜23mol%、ZnOを23〜30mol%、B2 3 を13〜18mol%、Bi2 3 を40〜53mol%含有しており、且つSiO2 等のSi成分を含んでいないビスマスホウ酸ガラスをマトリックスとして、リューサイト結晶を10〜70wt%の範囲内で含有しているものである。このリューサイト結晶の添加で、ガラス20の熱膨張係数は、アルミニウムの熱膨張係数(23〜25×10-6/K)や銅の熱膨張係数(16〜18×10-6/K)と同程度かやや低い12〜26×10-6/Kの範囲内とされている。また、このガラス20の耐水性は、リューサイト結晶を添加していないビスマスホウ酸ガラスに比較して若干低下するものの、依然として高い耐水性が確保される。特に、リューサイト結晶の含有量が60wt%程度以下であれば、80℃の温水に24時間浸漬した後の重量減少率が1%以下という高い高温耐水性が得られる。リューサイト結晶の含有量は、金属接合部品10の使用環境等に応じて所定の耐水性が得られるように、ガラス組成等を考慮して10〜70wt%の範囲内で適宜定められる。リング状のガラス20の両端面には、それぞれ熱硬化性樹脂を含む第1混合物22、第2混合物24が一体的に固着されるが、内周面および外周面は露出しているため、所定の耐水性が要求される。
一方、上記第1混合物22、第2混合物24を構成している熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およびアルキッド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上で構成される。これ等の第1混合物22、第2混合物24におけるリューサイト結晶の含有量は、金属管14 、金属板16の材質や熱硬化性樹脂の種類等に応じて適宜定められ、例えば10〜60wt%の範囲内とされる。第1混合物22および第2混合物24は、熱硬化性樹脂の種類やリューサイト結晶の含有量が互いに異なっていても良いが、熱硬化性樹脂の種類およびリューサイト結晶の含有量が互いに等しい共通の混合物であっても良い。
このような本実施例の金属接合部品10においては、アルミニウムまたは銅製の金属管14および金属板16が、熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶を混合した第1混合物22、第2混合物24を介してガラス20を挟んだ状態で一体的に接合されており、ガラス20はリューサイト結晶を含有しているため熱膨張係数が比較的高い。これにより、金属管14や金属板16とガラス20との熱膨張差が小さくなって応力等の影響が抑制されるとともに、熱硬化性樹脂を含有している第1混合物22、第2混合物24が介在させられることから、550℃以下の低温度で適切に金属管14と金属板16とを接合することが可能で、優れた接合強度や密着性、気密性が得られる。ガラス20と金属管14、金属板16との熱膨張差が小さいことから、車両に搭載される電子部品のように温度が大きく上下する使用環境でも、クラックの発生や剥離、ガスリーク等が抑制されて優れた熱耐久性が得られる。また、熱硬化性樹脂は比較的熱膨張係数が高いが、リューサイト結晶と混合されることにより低下し、第1混合物22および第2混合物24と金属管14や金属板16との熱膨張差が小さくなるため、一層高い接合強度や密着性、気密性、熱耐久性が得られるようになる。一方、ガラス20のマトリックスとしてビスマスホウ酸ガラスが用いられているため、鉛系ガラスのように環境汚染の原因になる恐れがないとともに、優れた絶縁性、耐水性が得られる。このガラス20によって絶縁性が確保されることから、金属管14と金属板16との間に高電圧がかかる場合でも絶縁性が損なわれる恐れがない。これにより、比較的低温度で接合する必要があるアルミニウムまたは銅製の金属管14および金属板16を、優れた絶縁性や耐水性、気密性を確保しつつ高い接合強度で適切に接合することができる。
また、金属管14および金属板16の何れか一方或いは両方がアルミニウムの場合、ガラス20のマトリックスがSi成分を含んでいると、そのSi成分がアルミニウムと反応して発泡し、接合強度が阻害される場合があるが、本実施例ではガラス20のマトリックスがSi成分を含んでいないため、接合強度を適切に確保できる。
また、ガラス20のマトリックスがビスマスホウ酸ガラスで、リューサイト結晶を10〜70wt%の範囲内で含有しており、熱膨張係数が12〜26×10-6/Kの範囲内とされているため、アルミニウムの熱膨張係数(23〜25×10-6/K程度)や銅の熱膨張係数(16〜18×10-6/K程度)と同程度かやや低い値になる。これにより、アルミニウム或いは銅から成る金属管14や金属板16とガラス20との熱膨張差による応力等の影響を適切に抑制でき、熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物22、24が介在させられることと相まって、優れた接合強度や密着性、気密性、熱耐久性を確保することができる。リューサイト結晶の含有量が10wt%よりも低いと、熱膨張係数が低くて熱膨張差の影響を抑制する効果が適切に得られない一方、70wt%を超えると熱膨張係数がアルミニウムよりも高くなり、熱膨張差で剥離やクラック等が生じ易くなって接合強度や密着性、気密性が損なわれる。
次に、上記ガラス20のマトリックスとして用いられるビスマスホウ酸ガラスに関し、表1に示すNo1〜No14の各組成について、熱膨張係数、接合温度、および耐水性を本発明者等が実験により調べた結果を説明する。
Figure 0006027941
表2は、上記各組成No1〜No14について熱膨張係数、接合温度、および耐水性を調べた結果である。熱膨張係数は、各ガラス粉をプレス成形して20mm×4mm×4mmの棒状試料を作製し、試料の角が丸くならない程度の温度で仮焼を行った後、TMA(熱機械分析;thermomechanical analysis )で測定した。接合温度および耐水性については、各組成No1〜No14のビスマスホウ酸ガラスフリットをφ8mmの金型内に充填してプレス成形した後、700℃で10分間真空焼成を行うことでビスマスホウ酸ガラス試料を作製し、そのガラス試料を用いて試験を行った。接合温度は、そのガラス試料をアルミニウム基板上に載置して、空気中各種温度で20分間焼成し、接合が可能な最低温度を接合温度として求めた。耐水性は、作製したガラス試料を80℃の温水に浸漬し、24時間後の重量変化を測定して重量の減少率(%)を求めた。
Figure 0006027941
この表2の結果から、熱膨張係数は何れも9〜16×10-6/Kの範囲内で、これはリューサイト結晶の添加で12〜26×10-6/K程度に調整できる範囲であり、ガラス20のマトリックスとして使用できる。接合温度については、組成No13を除いて何れも550℃以下であった。本発明では、熱硬化性樹脂を含有している第1混合物22、第2混合物24が金属管14、金属板16との間に介在させられるため、このガラス20のマトリックスの接合温度が問題になることはなく、参考として記載した。耐水性については、組成No5を除いて何れも重量減少率が1%以下であり、特に組成No1〜No3、No6、No7、No9、およびNo10は重量変化を測定できず、高い高温耐水性が得られた。組成No5については、R2 O(Rはアルカリ成分)の含有量が28.55mol%と高い一方、ZnO、B2 3 、Bi2 3 の各含有量が比較的低く、このようなビスマスホウ酸ガラスは高温耐水性が要求される条件下では使えない。これ等の結果から、ガラス20のマトリックスとして用いるビスマスホウ酸ガラスとしては、R2 O(Rはアルカリ成分)を0〜23mol%、ZnOを23〜30mol%、B2 3 を13〜18mol%、Bi2 3 を40〜53mol%含有しているものが適当と考えられる。なお、R2 O(Rはアルカリ成分)については、23mol%を超えていても24mol%以下であれば、重量減少率が1%以下であり、ガラス20のマトリックスとして用いることが十分に可能である。耐水性の欄の「◎」は優良(0.5%以下)を意味し、「×」は不可(5%超)を意味する。
次に、前記表1の組成No1のビスマスホウ酸ガラスにリューサイト結晶を添加し、その添加量すなわち調合割合について検討した結果を説明する。表3は、ビスマスホウ酸ガラスとリューサイト結晶との調合割合(wt%)を示したもので、調合割合が異なる6種類の試料(調合1〜調合6)を用意した。これ等の調合1〜調合6は、組成No1のビスマスホウ酸ガラスフリットおよびリューサイト結晶を各調合割合で調合、混合し、その混合粉1.5gをφ8mmの金型内に充填してプレス成形した後、700℃で10分間真空焼成を行うことで、リューサイト添加ビスマスホウ酸ガラスの成型体を得た。
Figure 0006027941
表4は、上記調合1〜調合6の各試料に関する熱膨張係数、および耐水性を調べた結果である。熱膨張係数は、前記表2の場合と同様にしてTMAで測定した。耐水性については、上記成型体を用いて前記表2の場合と同様にして試験を行った。耐水性の欄の「○」は良(0.5%超1%以下)を意味し、「△」は可(1%超5%以下)を意味する。
Figure 0006027941
この表4の結果から、調合2〜調合6については、熱膨張係数が12.8〜26×10-6/Kと高く、アルミニウムの熱膨張係数(23〜25×10-6/K)や銅の熱膨張係数(16〜18×10-6/K)と同程度かやや低いだけであり、前記ガラス20として用いてそれ等の金属を接合する場合に、熱膨張差による応力等の影響が抑制されて優れた接合強度や密着性、気密性が期待できる。リューサイト結晶の含有量が0wt%の調合1については、熱膨張係数が10.8×10-6/Kと低く、前記ガラス20として用いることはできない。また、耐水性に関しては、リューサイト結晶の含有量が比較的少ない調合1〜調合4については何れも重量減少率が0.5%以下で、特に優れた高温耐水性が得られる。リューサイト結晶の含有量が55wt%の調合5についても、重量減少率は1%以下であり、優れた高温耐水性が得られる。リューサイト結晶の含有量が70wt%の調合6については、重量減少率が2.0%と比較的大きく、ガラス20として使用可能であるが、高い高温耐水性が要求される条件下での使用には適当でない。この結果から、ガラス20として用いるビスマスホウ酸ガラスのリューサイト結晶の含有量は、10〜70wt%の範囲内が適当で、特に10〜60wt%の範囲内が望ましい。
次に、上記リューサイト添加ビスマスホウ酸ガラスをガラス20として用いる一方、第1混合物22、第2混合物24の熱硬化性樹脂材料として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、またはアルキッド樹脂を用いて、前記金属管14および金属板16を接合し、リークテスト、絶縁破壊テスト、および熱耐久性テストを行った結果を説明する。フェノール樹脂を用いた場合のリューサイト結晶の含有量は20wt%、エポキシ樹脂を用いた場合のリューサイト結晶の含有量は25wt%、ユリア樹脂を用いた場合のリューサイト結晶の含有量は40wt%、メラミン樹脂を用いた場合のリューサイト結晶の含有量は10wt%、アルキッド樹脂を用いた場合のリューサイト結晶の含有量は60wt%である。
表5の実施例1〜5は、金属管14および金属板16が何れもアルミニウム(Al)で、ガラス20は、前記組成No1のビスマスホウ酸ガラスに調合4の割合、すなわちリューサイト結晶を含有量40wt%で添加したものであり、その熱膨張係数は21.6×10-6/Kである。表6の実施例6〜10は、金属管14および金属板16が何れも銅(Cu)で、ガラス20は、前記組成No1のビスマスホウ酸ガラスに調合3の割合、すなわちリューサイト結晶を含有量25wt%で添加したものであり、その熱膨張係数は17.3×10-6/Kである。表7は比較例1、2の試験結果で、比較例1は、金属管14および金属板16が何れもアルミニウム(Al)で、ガラス20は前記表5の実施例1〜5と同じであり、第1混合物22、第2混合物24の代わりにリューサイト結晶を含まないフェノール樹脂が用いられている。また、比較例2は、金属管14および金属板16が何れも銅(Cu)で、ガラス20は前記表6の実施例6〜10と同じであり、第1混合物22、第2混合物24の代わりにリューサイト結晶を含まないエポキシ樹脂が用いられている。
前記リークテストは気密性に関するもので、金属接合部品10を水中に保持して金属管14内に0.2MPaの圧力エアを供給し、接合部分から外部にバブルが発生したか否かを調べた。「○」は合格(バブル無し)を意味し、「×」は不合格(バブル有り)を意味する。絶縁破壊テストは絶縁性に関するもので、金属管14と金属板16との間に2.6kVの電圧を加えて絶縁状態が維持されたか否かを調べた。「○」は合格(絶縁状態維持)を意味し、「×」は不合格(導通して絶縁破壊発生)を意味する。熱耐久性テストは熱膨張差に関するもので、ここではヒートサイクル温度幅ΔTが200℃で具体的には−40〜+160℃の温度変化(ヒートサイクル)を100回繰り返した後、クラックや剥離が生じたか否か、および上記リークテストでバブルが発生したか否かを調べた。「○」は合格、すなわちクラックや剥離が無いとともにリークテストでバブル無しを意味し、「×」は不合格、すなわちクラック若しくは剥離が生じ、またはリークテストでバブルが発生したことを意味する。「リークテスト」の欄の合否は、金属管14と金属板16とを接合した当初、すなわち熱耐久性テスト等を行う前の初期状態での試験結果である。
Figure 0006027941
Figure 0006027941
Figure 0006027941
上記表5および表6から明らかなように、実施例1〜10は、リークテスト、絶縁破壊テスト、熱耐久性テストの何れに関しても合格で、優れた気密性、絶縁性、熱耐久性が得られた。これに対し、第1混合物22、第2混合物24の代わりにリューサイト結晶を含まないフェノール樹脂が用いられた比較例1、および第1混合物22、第2混合物24の代わりにリューサイト結晶を含まないエポキシ樹脂が用いられた比較例2では、気密性および絶縁性は合格であるが、熱耐久性は不合格であり、例えば車載用の電子部品などでヒートサイクル温度幅ΔTが200℃に達するような苛酷な条件下で使用される部品の接合には使えない。
表8の実施例11〜15は、金属管14が銅(Cu)で金属板16がアルミニウム(Al)の場合に、第1混合物22、第2混合物24としてエポキシ樹脂にリューサイト結晶を25wt%含有させたものを用いる一方、ガラス20のリューサイト結晶の含有量を種々変更して金属接合部品10を作製した。ガラス20のマトリックスは、前記組成No1のビスマスホウ酸ガラスである。そして、前記各実施例と同様にしてリークテスト、絶縁破壊テスト、および熱耐久性テストを行った。熱耐久性テストの欄の「△」は、クラック若しくは剥離が生じ、またはリークテストでバブルが発生し、不合格ではあるが、比較的少量で使用可能であることを意味する。
Figure 0006027941
この表8の結果から、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が10wt%で熱膨張係数が12.8×10-6/Kの実施例11では、アルミニウム製の金属板16よりも熱膨張係数が低いため、その熱膨張差によりヒートサイクルによって密着性や気密性が損なわれ、熱耐久性テストの結果が「△」であった。また、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が70wt%で熱膨張係数が26.0×10-6/Kの実施例15では、銅製の金属管14よりも熱膨張係数が高いため、その熱膨張差によりヒートサイクルによって密着性や気密性が損なわれ、熱耐久性テストの結果が「△」であった。したがって、このように金属管14および金属板16の一方が銅で他方がアルミニウムの場合には、ガラス20のリューサイト結晶の含有量は15〜60wt%の範囲内が適当で、25〜55wt%の範囲内が望ましい。また、その熱膨張係数は15〜25×10-6/Kの範囲内が適当で、17〜25×10-6/Kの範囲内が望ましい。
表9の実施例16〜20は、金属管14および金属板16が何れもアルミニウム(Al)の場合に、第1混合物22、第2混合物24としてエポキシ樹脂にリューサイト結晶を25wt%含有させたものを用いる一方、ガラス20のリューサイト結晶の含有量を種々変更して金属接合部品10を作製した。ガラス20のマトリックスは、前記組成No1のビスマスホウ酸ガラスである。そして、前記各実施例と同様にしてリークテスト、絶縁破壊テスト、および熱耐久性テストを行った。
Figure 0006027941
この表9の結果から、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が10wt%で熱膨張係数が12.8×10-6/Kの実施例16では、アルミニウム製の金属管14および金属板16よりも熱膨張係数が低いため、その熱膨張差によりヒートサイクルによって密着性や気密性が損なわれ、熱耐久性テストの結果が「△」であった。この結果から、金属管14および金属板16が何れもアルミニウムの場合には、ガラス20のリューサイト結晶の含有量は15wt%以上が適当で、25wt%以上が望ましい。また、その熱膨張係数は15×10-6/K以上が適当で、17×10-6/K以上が望ましい。なお、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が70wt%を超えると、熱膨張係数が26×10-6/Kを超えてアルミニウムよりも高くなり、熱膨張差が大きくなって熱耐久性が損なわれるため、ガラス20のリューサイト結晶の含有量は70wt%以下が適当で、熱膨張係数は26×10-6/K以下が適当である。
表10の実施例21〜25は、金属管14および金属板16が何れも銅(Cu)の場合に、第1混合物22、第2混合物24としてエポキシ樹脂にリューサイト結晶を25wt%含有させたものを用いる一方、ガラス20のリューサイト結晶の含有量を種々変更して金属接合部品10を作製した。ガラス20のマトリックスは、前記組成No1のビスマスホウ酸ガラスである。そして、前記各実施例と同様にしてリークテスト、絶縁破壊テスト、および熱耐久性テストを行った。
Figure 0006027941
この表10の結果から、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が70wt%で熱膨張係数が26×10-6/Kの実施例25では、銅製の金属管14および金属板16よりも熱膨張係数が高いため、その熱膨張差によりヒートサイクルによって密着性や気密性が損なわれ、熱耐久性テストの結果が「△」であった。この結果から、金属管14および金属板16が何れも銅の場合には、ガラス20のリューサイト結晶の含有量は60wt%以下が適当で、55wt%以下が望ましい。また、その熱膨張係数は25×10-6/K以下が適当である。なお、ガラス20のリューサイト結晶の含有量が10wt%未満になると、銅との熱膨張差が大きくなって熱耐久性が損なわれるため、ガラス20のリューサイト結晶の含有量は10wt%以上が適当で、熱膨張係数は12×10-6/K以上が適当である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:金属接合部品 12:金属用接合材 14:金属管(金属部材) 16:金属板(金属部材) 20:ガラス 22:第1混合物 24:第2混合物

Claims (7)

  1. 一対の金属部材が絶縁状態で気密性および耐水性を確保しつつ接合された金属接合部品であって、
    リューサイト結晶を含有しているガラスと、
    該ガラスと前記一対の金属部材との間にそれぞれ介在させられて、該ガラスと該一対の金属部材とをそれぞれ一体的に固着している一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物と、
    を有し、前記一対の金属部材が前記一対の混合物を介して前記ガラスを挟んだ状態で互いに一体的に接合されており、
    且つ、前記ガラスは、前記リューサイト結晶の含有量が10〜70wt%の範囲内である
    ことを特徴とする金属接合部品。
  2. 前記一対の金属部材の材質はアルミニウムまたは銅である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属接合部品。
  3. 前記一対の混合物の熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およびアルキッド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上から成る
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属接合部品。
  4. 前記一対の金属部材の少なくとも一方がアルミニウムの場合、前記ガラスは、マトリックス中にSi成分を含んでいないものが用いられる
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の金属接合部品。
  5. 前記ガラスの熱膨張係数が12〜26×10-6/Kの範囲内である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の金属接合部品。
  6. 前記ガラスのマトリックスは、R2 O(Rはアルカリ成分)を0〜23mol%、ZnOを23〜30mol%、B2 3 を13〜18mol%、Bi2 3 を40〜53mol%含有しているビスマスホウ酸ガラスである
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の金属接合部品。
  7. 一対の金属部材を絶縁状態で気密性および耐水性を確保しつつ接合するための金属用接合材であって、
    リューサイト結晶を含有しているガラスと、
    該ガラスと前記一対の金属部材との間にそれぞれ介在させられて、該ガラスと該一対の金属部材とをそれぞれ一体的に固着する一対の熱硬化性樹脂およびリューサイト結晶の混合物と、
    有し、且つ、前記ガラスは、前記リューサイト結晶の含有量が10〜70wt%の範囲内である
    ことを特徴とする金属用接合材。
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