JP6027883B2 - アリルフルオロアルキルエーテルの製造方法 - Google Patents

アリルフルオロアルキルエーテルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アリルフルオロアルキルエーテルの製造方法に関する。
フルオロアルキル基を含むアリルエーテル化合物であるアリルフルオロアルキルエーテルは、界面活性剤又は種々の基質に防水及び防油処理を施すための物質の製造中間体として有用である。
アリルフルオロアルキルエーテルの製造方法として、フルオロアルキルアルコールと、アリルハライドとを、固体アルカリの存在下で反応させる方法がある。
例えば、特許文献1では、2−(パーフルオロオクチル)エタノール又は2−(パーフルオロデシル)エタノールと、臭化アリルとを粒状の水酸化ナトリウムの存在下において無溶媒の条件で反応させている。
例えば、特許文献2では、2−(パーフルオロオクチル)エタノール又は2−(パーフルオロデシル)エタノールと、臭化アリルとを粒状の水酸化ナトリウムの存在下において、3級アルコールを溶媒とする条件で反応させている。
特開平9−208513号公報 特開平11−43457号公報
近年、パーフルオロアルキル鎖が従来よりも短いアリルフルオロアルキルエーテルが着目されているが、前記の方法で短鎖アリルフルオロアルキルエーテルを製造した場合、反応槽の腐食という問題が生じることが明らかになった。反応槽の腐食を抑えるために、反応液中のアルカリの量、又はアリルハライドの量を少なくすると、反応転化率が低下してしまう。フルオロアルキルアルコールは高価であるため、反応転化率の低下は大きな問題である。
本発明の課題は、反応槽を腐食させることなく、高効率でアリルフルオロアルキルエーテルを製造できるようにすることである。
本発明に係る、アリルフルオロアルキルエーテルの製造方法は、以下の一般式(1)で表わされるアリルフルオロアルキルエーテルの製造法であって、ステンレス製の反応槽内において、以下の一般式(2)で表わされるフルオロアルキルアルコールとアリルハライドとを無溶媒下、アルカリの存在下で反応させる反応工程と、反応工程よりも後で、水洗によりアルカリ及びアルカリ塩を除去する水洗工程と、水洗工程よりも後で、残存するアリルハライドを除去するアリルハライド除去工程とを備える。
f−(CH2n−O−CH2−CH=CH2 (1)
f−(CH2n−OH (2)
ただし、式(1)、式(2)において、Rfは炭素数が1以上、6以下のパーフルオロアルキル基を示し、nは1以上、6以下の数である。
本発明の製造方法によれば、反応槽を腐食させることなく、高効率である利フルオロアルキルエーテルを製造できる。
本実施形態のアリルフルオロアルキルエーテルの製造方法は、以下の一般式(1)で表わされるアリルフルオロアルキルエーテルの製造法であり、以下の一般式(2)により表されるフルオロアルキルアルコールとアリルハライドとを反応させ、水洗をした後、残存するアリルハライドを除去する。
f−(CH2n−O−CH2−CH=CH2 (1)
Rf−(CH2)n−OH (2)
ただし、式(1)及び式(2)において、Rfはパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基の炭素数は、1以上であり、好ましくは4以上であり、そして6以下である。nは1以上、6以下の数であり、1又は2の数が好ましい。パーフルオロアルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
本実施形態において用いるフルオロアルキルアルコールは、具体的には、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、1H,1H−ヘプタフルオロブタノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロパノール、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ペンタフルオロプロピルエタノール、6−(パーフルオロエチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロブチル)ヘキサノール、3−(パーフルオロヘキシル)プロパノール、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロ−3−メチルブチル)ヘキサノール等が挙げられる。これらの、フルオロアルキルアルコールは単独で用いればよいが、2種以上のフルオロアルキルアルコールを混合して用いてもよい。
本実施形態において用いるアリルハライドとしては、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル等が挙げられる。反応性及び取り扱いの観点から臭化アリルが好ましい。これらのアリルハライドは、単独で用いればよいが、2種類以上のアリルハライドを混合して用いてもよい。
本実施形態において用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好ましい。これらのアルカリは、単独で用いればよいが、2種類以上のアルカリを混合して用いてもよい。アルカリの形状としては、溶媒等に溶解した溶液として用いてもよいが、廃棄物の削減の観点から溶媒等による溶解及び希釈は行わず固形のアルカリを用いることが好ましい。固形のアルカリとしては、塊状、ペレット状、フレーク状、粒状等が挙げられるが、フレーク状又は粒状のものがフルオロアルキルアルコールとアリルハライドとを速かに反応させる点から好ましい。固形のアルカリの重量平均粒径は0.01mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましく、1mm以下のものが好ましい。粒状の水酸化ナトリウムとして例えば、トーソーパール(登録商標、東ソー社製、重量平均粒径0.7mm)等を用いることができる。固形のアルカリの重量平均粒径は、日本工業規格「ふるい分け試験方法通則」(JIS Z 8815)に従って得ることができる。
本実施形態において、フルオロアルキルアルコールとアリルハライド及びアルカリの使用比率は任意に選択することができる。フルオロアルキルアルコールに対する、アリルハライドの量は反応速度及び生成物の純度の点から、好ましくは1.05当量以上、より好ましくは1.25当量以上であり、好ましくは3当量以下、より好ましくは2.5当量以下、さらに好ましくは2.0当量以下である。フルオロアルキルアルコールに対する、アルカリの量は反応速度及び生成物の純度の点から好ましくは、好ましくは1.05当量以上、より好ましくは1.25当量以上であり、好ましくは3当量以下、より好ましくは2.5当量以下、さらに好ましくは2.0当量以下である。また、アリルハライドに対する、アルカリの量は反応速度の点から1当量以上が好ましく、3当量以下が好ましく、より好ましくは2当量以下、さらに好ましくは1.5当量以下である。
本実施形態において、フルオロアルキルアルコール、アリルハライド及びアルカリは無溶媒下で反応させることが好ましい。反応はアルカリによる腐食を避ける観点からステンレス製の反応槽中において行う。ステンレスの材質としてはSUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられるが、汎用性、耐腐食性の観点からSUS316Lが好ましい。
本実施形態において、反応温度は特に限定されないが、反応時間を短縮する観点からは30℃以上が好ましい。また、アリルハライドの反応装置外部への留出を避けるという観点から、反応に使用するアリルハライドの沸点以下の温度で反応を行うことが好ましい。さらに、反応槽の腐食を抑制する観点から70℃以下が好ましい。反応は、加圧下で行ってもよい。
本実施形態において、反応時間は特に限定されないが、温度制御及び生産性の観点から30分以上、7時間以下とすることが好ましく、5時間以下とすることがより好ましい。
本実施形態において、原料の仕込み方法は通常行われる方法とすればよい。例えば、あらかじめ反応槽内に所定量のフルオロアルキルアルコール及びアルカリを仕込み、そこに所定量のアリルハライドを滴下して加える方法を用いることができる。なお、融点が高いフルオロアルキルアルコールを原料として用いる場合には、フルオロアルキルアルコールをあらかじめ加熱して溶解させた後、アルカリを加えることが好ましい。
アリルハライドを滴下終了後、フルオロアルキルアルコールの反応転化率が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上となるまで上記反応温度で撹拌し、反応を行う。反応転化率は、実施例において示す方法により測定することができる。
本実施形態においては、反応終了後にアリルフルオロアルキルエーテルの精製を行う。アリルフルオロアルキルエーテルの精製は、まず、反応槽内において反応粗生成物の水洗を行い、未反応のアルカリ及び反応により生じたアルカリ塩を除去する。水洗の後、系内に残存するアリルハライドの除去を行う。
水洗は通常の方法により行えばよい。例えば、反応槽内に水を加え、攪拌した後静置して分層させる。分層後、上層の水層を除去すればよい。水洗に使用する水の量は、精製効率と廃棄物削減の点から、フルオロアルキルアルコールに対して0.33〜3.0質量倍が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0質量倍、さらに好ましくは0.67〜1.5質量倍である。水洗により、不揮発成分量を好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。水洗は、必要に応じて複数回繰り返して行えばよいが、収率の観点から水洗の回数は少ない方が好ましい。なお、不揮発成分量は、実施例において示す方法により測定することができる。
水洗後に、系内に残存するアリルハライドの除去を蒸留により行い、その後反応生成物であるアリルフルオロアルキルエーテルを回収する。
アリルハライドを蒸留で除去する際の槽内温度は、アリルハライドのその圧力における沸点より20℃以上高い温度であることが好ましく、またアリルフルオロアルキルエーテルの回収率を低下させないためにアリルフルオロアルキルエーテルの沸点よりも20℃低い温度以下であることが好ましい。具体的にはアリルハライドとして臭化アリルを用い、またアリルフルオロアルキルアルコールとして2−パーフルオロヘキシルエタノールを用いて反応を行った場合には、常圧において、槽内温度90〜150℃、好ましくは120℃でアリルハライドの除去を行う。
水洗後の反応生成物は、アリルハライドの他、水を含んでいるため、脱水を行うことが好ましい。脱水方法に特に限定は無いが、製造コストの観点から、蒸留によることが好ましい。蒸留による脱水は、前記アリルハライドの除去と同時に行ってもよいが、次の点から別に行った方が良い。すなわち、アリルハライドの除去においては、留出したアリルハライド回収効率向上のため、常圧下で行うことが好ましく、一方、脱水においては、脱水速度を上げるため、減圧下で行うことが好ましい。例えば、常圧でアリルハライドの沸点以上に加熱することにより系内に残存するアリルハライドを除去した後、減圧条件で水沸点以上に加熱することにより脱水し、その後、アリルフルオロアルキルエーテルを回収することができる。
蒸留により脱水する際の温度は、常圧下、減圧下のどちらにおいても行うことができるが、脱水速度の点から減圧下が好ましい。脱水する際の槽内温度は、水のその圧力における沸点より20℃以上高い温度であることが好ましく、また、アリルフルオロアルキルエーテルの回収率を低下させないためにアリルフルオロアルキルエーテルの沸点より20℃低い温度以下であることが好ましい。圧力は、水留出速度の点から1〜50kPaが好ましい。具体的にはアリルハライドとして臭化アリルを用い、またアリルフルオロアルキルアルコールとして2−パーフルオロヘキシルエタノールを用いて反応を行った場合には、5kPaにて、55〜70℃、好ましくは60℃で脱水を行う。
得られたアリルフルオロアルキルエーテルは、そのまま製造中間体として用いることもできるが、蒸留等を行うことで純度の高いアリルフルオロエーテルを得ることができる。蒸留は、得られたアリルフルオロアルキルエーテルの沸点等に応じて条件を設定すればよい。例えばアリル((パーフルオロヘキシル)エチル)エーテルの場合には、2kPaで100℃の温度で行うことができる。
水洗、過剰のアリルハライドの除去、更に必要に応じて脱水及びアリルフルオロアルキルエーテルの蒸留は、フルオロアルキルアルコールとアリルハライドとを反応させたステンレス製の反応槽をそのまま用いて行うことができる。
本実施形態のアリルフルオロアルキルエーテルの製造方法は、ステンレス製の反応槽を用いるため、反応時に反応槽の腐食を避けることができる。また、反応粗生成物から残存するアリルハライドを除去する前に、アルカリ及び塩の除去を行うため、精製時に反応槽がアルカリ及び塩により腐食されることを避けることができる。
本実施形態の製造方法により得られたアリルフルオロアルキルエーテルは、界面活性剤、防油及び防水処理剤等の製造中間体として有用である。
<評価方法>
(固形水酸化ナトリウムの重量平均粒径)
実施例で用いた粒状NaOHの重量平均粒径は、日本工業規格「ふるい分け試験方法通則」(JIS Z 8815)に従って求めた。
(フルオロアルキルアルコールの反応転化率)
フルオロアルキルアルコールの反応転化率は、ガスクロマトグラム測定により求めたフルオロアルキルアルコールの残量から算出した。ガスクロマトグラム測定用サンプルの調製方法及び測定条件を以下に示す。
−サンプル調製−
反応液1gと同量以上のイオン交換水とをスクリュー管に採取し、振とうさせた後、水層を除去する。この操作を2回行ったのち、メタノールにて100倍稀釈して、ガスクロマトグラム測定サンプルとした。
−測定条件−
カラム:DB−1(Agilent社製)30m×0.25mm×0.5μm(長さ×内径×膜厚)
注入口温度:280℃
検出器:水素イオン検出器(FID、温度280℃)
温度条件:40℃ 10分保持後、10℃/分で250℃まで昇温後10分間保持
(不揮発成分量)
乾燥させた無水硫酸ナトリム(和光純薬製)約10gを入れたガラスシャーレにサンプルを5g入れ、乾燥前質量を精秤した。140℃で、10kPa以下まで減圧して、12時間以上乾燥させ、デシケーター内で冷却した後、乾燥後質量を精秤した。下記式により、不揮発成分量を算出した。
不揮発成分量(%)=100−(乾燥前質量−乾燥後質量)/サンプル量×100
※ガラスシャーレ及び無水硫酸ナトリウムを含む全量
(反応生成物の確認)
反応生成物の確認は、プロトンNMR(1H−NMR)にて行った。溶媒には重クロロホルム(CDCl3)を用いた。
<アリルフルオロアルキルエーテルの製造>
(実施例)
温度計及び冷却管を備えた5LのSUS316L製反応槽に2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(NOK社製:FA−6)1501.5g(4.12mol)及び重量平均粒径0.7mmの粒状NaOH(東ソー社製:トーソーパール)336.31g(8.24mol)を仕込んだ。撹拌翼を用いて150rpmにて攪拌しながら、10kPaまで減圧し、窒素で常圧に戻す操作を3回行い、槽内を窒素置換した。攪拌翼はSUS316L製であり、直径75mmのピッチドタービン翼の上部に35mmの間隔をおいて直径75mmのピチドパドルを取り付けて用いた。
その後、加熱し、温度を60℃とした。そこへ臭化アリル(和光純薬製)755.16g(6.18mol)を180分かけて滴下した。そのまま、60℃で撹拌を1時間続け反応を行った。反応終了後の反応転化率は99.7%であった。
反応の終了後、以下のようにして精製を行った。反応液を40℃まで冷却した後、反応槽にイオン交換水1501.5gを加え、150rpmで30分間撹拌した後、静置して分層した。攪拌を停止してから分層するまでの時間は、5分以内であった。分層確認後、上層(水層)を除去し、さらに、イオン交換水1006.00gを加え、30分150rpmで撹拌した後、静置して分層した。攪拌を停止してから分層するまでの時間は5分以内であった。分層確認後、上層(水層)を除去した。水洗終了後の不揮発成分量は0.1%であった。水洗終了後、温度を130℃に昇温し、過剰の臭化アリルを除去した。臭化アリルの除去後、5kPaまで減圧して、60℃にて脱水した。脱水後、2KPaまで減圧し、100℃にて蒸留し、アリル((パーフルオロヘキシル)エチル)エーテル1543.00gを得た。収率は収率93%であった。精製後の反応槽に腐食は確認されなかった。
H−NMRによる分析の結果は、以下の通りであった。1H-NMR(CDCl3,δ):2.3-2.5(m,2H),3.7(t,2H,J=6.9Hz),4.0(d,2H,J=5.6Hz),5.2-5.3(m,2H),5.8-6.0(m,1H)
(比較例1)
実施例1と同様にして、反応を行った。反応終了後の反応転化率は99.7%であった。
反応の終了後、反応液を120℃に昇温し、残存する臭化アリルを除去した。その後、反応液を40℃まで冷却し、イオン交換水1501.5gを加え、150rpmで30分間撹拌した後、静置して分層した。攪拌を停止してから分層するまでの時間は、5分以内であった。分層確認後、上層(水層)を除去し、さらに、イオン交換水1006.00gを加え、30分間150rpmで撹拌した後、静置して分層した。攪拌を停止してから分層するまでの時間は5分以内であった。分層確認後、上層(水層)を除去した。この時点で、反応槽が黒色に変色しており、腐食が確認されたため、以降の精製操作を中止した。
(比較例2)
原料を変更して実施例1と同様にして反応を行った。具体的には、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(NOK社製:FA−6)に代えて2−(パーフルオロオクチル)エタノール(NOK社製:FA−8)1501.5g(3.23mol)を用いた。粒径0.7mmの粒状NaOH(東ソー社製:トーソーパール)の量は258.56g(6.46mol)とした。臭化アリル(和光純薬製)の量は592.45g(4.85mol)とした。なお、2−(パーフルオロオクチル)エタノール(FA−8、NOK製)を60℃に加熱し、溶解させた後、粒状NaOHを添加した。反応終了後の反応転化率は99.8%であった。
反応の終了後、実施例1と同様にして精製を行ったが、2回目の水洗時において分層性が悪く、30分経っても分層しなかった。このため、以降の精製操作を中止した。
(参考例)
比較例2と同様にして反応を行った。反応終了後の反応転化率は99.8%であった。その後、比較例1と同様にして精製を行った。1回目の水洗時、2回目の水洗時共に5分以内に分層した。最終的にアリル((パーフルオロオクチル)エチル)エーテル1483.45gが得られた。収率は収率91%であった。精製後の反応槽に腐食は確認されなかった。
H−NMRによる分析の結果は、以下の通りであった。1H-NMR(CDCl3,δ):2.3-2.5(m,2H),3.7(t,2H,J=6.9Hz),4.0(d,2H,J=5.6Hz),5.2-5.3(m,2H),5.8-6.0(m,1H)
表1に実施例、比較例及び参考例の条件及び結果をまとめて示す。
Figure 0006027883

Claims (3)

  1. 以下の一般式(1)で表わされるアリルフルオロアルキルエーテルの製造法であって、
    ステンレス製の反応槽内において、以下の一般式(2)で表わされるフルオロアルキルアルコールとアリルハライドとを無溶媒下、アルカリの存在下で反応させる反応工程と、
    前記反応工程よりも後で、水洗によりアルカリ及びアルカリ塩を除去する水洗工程と、
    前記水洗工程よりも後で、残存するアリルハライドを除去するアリルハライド除去工程とを備える、アリルフルオロアルキルエーテルの製造法。
    f−(CH2n−O−CH2−CH=CH2 (1)
    f−(CH2n−OH (2)
    ただし、式(1)、式(2)において、Rfは炭素数が1以上、6以下のパーフルオロアルキル基を示し、nは1以上、6以下の数である。
  2. 前記水洗工程後の不揮発成分量が1質量%以下である、請求項1に記載のアリルフルオロアルキルエーテルの製造方法。
  3. 前記アルカリとして、重量平均粒径が0.01mm以上、1mm以下の固形の水酸化ナトリウムを用いる、請求項1又は2に記載のアリルフルオロアルキルエーテルの製造方法。
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