JP6027385B2 - 簡易移動装置 - Google Patents

簡易移動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6027385B2
JP6027385B2 JP2012228430A JP2012228430A JP6027385B2 JP 6027385 B2 JP6027385 B2 JP 6027385B2 JP 2012228430 A JP2012228430 A JP 2012228430A JP 2012228430 A JP2012228430 A JP 2012228430A JP 6027385 B2 JP6027385 B2 JP 6027385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive
roller
wheel
moving
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012228430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014080076A (ja
Inventor
進 池田
進 池田
智之 岸
智之 岸
達也 梶山
達也 梶山
幸大 三谷
幸大 三谷
Original Assignee
株式会社ジェイアール西日本テクノス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ジェイアール西日本テクノス filed Critical 株式会社ジェイアール西日本テクノス
Priority to JP2012228430A priority Critical patent/JP6027385B2/ja
Publication of JP2014080076A publication Critical patent/JP2014080076A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6027385B2 publication Critical patent/JP6027385B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Handcart (AREA)

Description

本発明は、鉄道車両等を移動させるための技術に関する。
鉄道車両は、前後左右に車輪を備えた車両台車と、この車両台車に連結される車両本体とを備えたものであり、安全運行のために、区所等において定期的な検修が行われる。区所内にはレールが敷設されており、このレールに沿って、鉄道車両やこれから切り離された車両台車が移動される(特許文献1等参照)。この際、自走車等の専用の搬送装置を区所ごとに備えておくことが好ましいが、コストやスペース等の問題から、一部の区所では複数の作業者が人力により鉄道車両等の移動作業を行っている。
特開2002−178917号公報
上記したように人力によって鉄道車両等を移動させる作業は、作業者にとって大きな労力が要求される作業であり、また、作業の際に危険性を伴うという問題がある。例えば、鉄道車両は45t程度の重量を有し、この鉄道車両をレールに沿って移動させる場合、移動開始時には作業者に大きな労力が強いられる。また、鉄道車両の停止作業は、作業者が床下のコックを開けてブレーキをかけることで行うのだが、このときに働くブレーキ力は、空気溜の空気量に左右される。そのため、鉄道車両等を人力によって移動させる作業は、安全且つ確実な作業とは言いがたい。このように、人力により移動させる作業が、安全且つ確実な作業とは言いがたいという問題は、鉄道車両ごと車輪をレール上で移動させる作業に限らず、円周状の外面を有する対象部材を移動させる作業において広く生じる問題である。
本発明は、前記問題点に鑑みて発明したものであって、円周状の外面を有する対象部材を移動面上で移動させる作業を、コンパクトに形成された簡易移動装置を用いて安全且つ確実に行えるようにし、これにより作業者の労力低減や安全性確保を実現することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明を、下記構成を具備する簡易移動装置とする。つまり、本発明は、円周状の外面を有する対象部材を、移動面上で前後方向に回転移動させる簡易移動装置であって、駆動源であるモータと、外周に摩擦面を有し、前記対象部材が有する前記外面に対して前記摩擦面が接触し、且つ、前記移動面に対して前記摩擦面が非接触となる位置にセットされ、前記モータによって回転駆動される駆動部材と、外周に接地面を有し、前記駆動部材が有する前記摩擦面に前記接地面押し当たり、且つ、前記移動面に対して前記接地面が接触するように、前記駆動部材を前後両側から挟む位置にセットされる一対の接地ローラと、を備える。前記駆動部材とこれに接触する前記一対の接地ローラとで組をなす駆動ユニットが、前記対象部材を前記移動面上にて前後両側から挟み込むように前後に二組形成され、前記二組の駆動ユニットの各々で、前記駆動部材の回転により前一対の接地ローラが前記対象部材と同一方向に回転することで、前記対象部材が前後方向に回転移動するように設けられ、さらに、前記二組の前記駆動ユニットを前後方向に近接離間させる回転ハンドルを有するフレキシブルシャフトが、左右方向に引き出されている。
また、本発明において、対象部材は、外面を踏面とした車輪であり、この車輪を、レールが有する移動面上で前後方向に回転移動させるように設けることも好ましい。
本発明によれば、コンパクトに形成された簡易移動装置を用いて、円周状の外面を有する対象部材を所定の移動面上で安全且つ確実に移動させることができる。具体的には、例えば、この簡易移動装置を用いて車輪をレールに沿って移動させることで鉄道車両や車両台車を安全且つ確実に移動させることが可能となる。これにより、コストやスペースの制約を受けることなく、作業者の労力低減や安全性確保を実現することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態の簡易移動装置を斜め上方から視た図である。 同上の簡易移動装置によって移動させる車両台車を左右方向から視た図である。 同上の簡易移動装置を車両台車にセットした状態を前後方向から視た図である。 同上の簡易移動装置を車両台車にセットした状態を左右方向から視た図である。 同上の簡易移動装置を車両台車にセットした状態を上下方向から視た図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面図である。 図4のD−D線断面図である。 同上の簡易移動装置が備える駆動ユニットの動作を概略的に示す図である。 同上の簡易移動装置の変形例を前後方向から視た図である。 同上の簡易移動装置の他の変形例の要部斜視図である。 同上の他の変形例が備える駆動ユニットの動作を概略的に示す図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態の簡易移動装置の全体を示している。この簡易移動装置によれば、車両台車100(図2参照)が備える車輪102を捕獲し、この車輪102を強制的に回転させることで、車両台車100又は鉄道車両ごとレール104上で前後方向に移動させることができる。つまり、本実施形態では、回転移動させる対象部材が車輪102であり、この車輪102の踏面が接地するレール104上に、車輪102の移動面が位置する構成となる。
図1に示すように、本実施形態の簡易移動装置は、駆動源であるモータ2やこのモータ2によって駆動される駆動ユニット4を設けた移動装置本体6と、移動装置本体6のモータ2に電力を供給するバッテリ8とを別体に備え、移動装置本体6とバッテリ8を電気コード10で接続させた構造である。移動装置本体6は、前ブロック12と後ブロック14とを有する。前ブロック12は、レール104上に踏面を載せて位置する車輪102(図2参照)に対して、この車輪102の前方スペースS1に左右方向から挿入されるブロックである。後ブロック14は、車輪102の後方スペースS2に左右方向から挿入されるブロックである。図3〜図5には、移動装置本体6の前後ブロック12,14を、前方及び後方スペースS1,S2内に挿入してセットした状態を示している。
なお、本文中で用いる「前後方向」は、レール104が延伸される方向であり、換言すれば、このレール104上にある移動面にて車輪102が回転して移動する方向である。本文中で用いる「左右方向」は、上下方向から視てこの前後方向と直交する方向であり、換言すれば、レール104上での車輪102の回転軸方向と平行な方向である。
移動装置本体6の前半部をなす前ブロック12は、移動装置本体6の後半部をなす後ブロック14と略前後対称な構成を有する。前ブロック12と後ブロック14とは、距離可変機構52を介して、前後方向に一直線状に連結される。前ブロック12と後ブロック14との間の距離は、この距離可変機構52によって所定範囲内で変更自在である。
まず、前ブロック12の構成について説明する。前ブロック12においては、前後方向に長尺である第一フレーム16と、同じく前後方向に長尺である第二フレーム18とを、左右方向に距離をあけた平行な姿勢で連結させ、両フレーム16,18間のスペースに前記駆動ユニット4を支持している。
駆動ユニット4は、左右方向に伸びる回転軸まわりに回転自在に支持される駆動ローラ19と、この駆動ローラ19を前後両側から挟むように配置される一対の接地ローラ22とで形成される。前後の接地ローラ22は、ともに駆動ローラ19より小径であり、左右方向に伸びる回転軸まわりに回転自在に支持される。つまり、駆動ローラ19と前後の接地ローラ22とは、互いの回転軸が平行である。前方スペースS1内に駆動ユニット4がセットされたとき、駆動ローラ19と前後の接地ローラ22の回転軸は、いずれも車輪102の回転軸と平行となる。
駆動ローラ19は、金属製のシャフト24の外周にウレタン製の筒体26を固定したものであり(図7等参照)、この筒体26の外周面が、大きな摩擦抵抗を有する摩擦面となる。つまり、本実施形態の簡易移動装置では、この駆動ローラ19が、外周面に摩擦面を有する駆動部材20となる。
接地ローラ22は、その外周が接地面となるように設けた金属製の部材である。前側の接地ローラ22は、駆動ローラ19の下半部の摩擦面に対して、前斜め下方から圧接する。後側の接地ローラ22は、駆動ローラ19の下半部の摩擦面に対して、後斜め下方から圧接する。前側の接地ローラ22が駆動ローラ19に接触する箇所と、後側の接地ローラ22が駆動ローラ19に接触する箇所は、互いに同一高さとなるように設定している。また、前側の接地ローラ22が有する接地面の最下端の位置と、後側の接地ローラ22が有する接地面の最下端の位置は、駆動ローラ19が有する摩擦面の最下端よりも低い位置に設定している。前側の接地ローラ22が有する接地面の最下端の位置と、後側の接地ローラ22が有する接地面の最下端の位置は、同一高さに設定している。
駆動ユニット4の前方位置には、左右に並設される第一及び第二フレーム16,18間においてシャフト32を支持している。このシャフト32の第一フレーム16から突出する先端部分に、ガイドローラ34を回動自在に嵌合させている。ガイドローラ34の外周には、軸方向の中央部分が小径となり且つ両端部分が大径となるように、滑らかに経こんだ凹曲面36(図5、図6等参照)を形成している。
更に、ガイドローラ34の前方には、駆動ローラ19を回転駆動させるためのモータ2を配置している。モータ2は円筒型の外形を有するDCモータであり、モータ2の基端部を第一フレーム16に固定し、モータ2の先端部を左右方向に突出させている。モータ2とガイドローラ34は、第一フレーム16を挟んで形成される左右両側のスペースのうち、駆動ユニット4を配置する側とは反対側のスペースに位置する。
モータ2の基端部には、減速装置40を同軸上に連結させている(図5参照)。減速装置40は、第一フレーム16を挟んで形成される左右両側のスペースのうち、駆動ユニット4を配置する側のスペースに位置する。このスペース内において、減速装置40は駆動ユニット4の前方に位置する。減速装置40から同軸上に突出する出力軸42には、スプロケット44を固定させている。一方、駆動ローラ19の端部にもスプロケット46を固定させており、前後方向に並設される両スプロケット44,46間にローラーチェーン48を架け渡している。両スプロケット44,46及びローラーチェーン48から成る動力伝達機構は、第二フレーム18内に配置する。
上述の構成を備える前ブロック12では、第一フレーム16や第二フレーム18によって形成される本体フレーム50に、モータ2と、モータ2の回転力を伝達して駆動される駆動ユニット4を支持させており、駆動ユニット4のうち駆動ローラ19の摩擦面の一部が車輪102の踏面に圧接するとともに、この摩擦面の他部が前後の接地ローラ22の接地面に圧接し、且つ、この前後の接地ローラ22の接地面の最下端がレール104上に圧接するようにセットすることで、駆動ローラ19の回転によって、車輪102と接地ローラ22が同一方向に且つ同一周速度で回転し、レール104上を前後方向に移動するようになっている。
次に、移動装置本体6の後半部をなす後ブロック14の構成について説明する。上述したように、後ブロック14の構成は前ブロック12と略前後対称な構成を有する。そのため、前ブロック12と同様の構成については同一符号を付し、簡単な説明に留める。
後ブロック14においては、第一及び第二フレーム16,18によって形成する本体フレーム50に、駆動部材20である駆動ローラ19と一対の接地ローラ22とを組み合わせた駆動ユニット4を支持させ、駆動ユニット4の後方に、シャフト32を介してガイドローラ34を回動自在に支持させ、更にこのガイドローラ34の後方にモータ2を配置している。後ブロック14においては、前ブロック12にてモータ2とガイドローラ34を突設した側と同一の側に、モータ2とガイドローラ34を突設している。後ブロック14が有する駆動ユニット4は、前ブロック12が有する駆動ユニット4と前後方向に並んだ位置となる。後ブロック14が有する駆動ユニット4の駆動ローラ19と接地ローラ22の回転軸は、前ブロック12が有する駆動ユニット4の駆動ローラ19と接地ローラ22の回転軸に対して、互いに平行な関係にある。
上述の構成を備える後ブロック14にあっては、ここに備える駆動ユニット4を後方スペースS2(図2参照)内に挿入し、駆動ローラ19の摩擦面の一部を、車輪102の踏面に対して後ろ斜め下方から圧接させてセットしたときに、この摩擦面の他部が前後の接地ローラ22の接地面に圧接し、且つ、この前後の接地ローラ22の接地面の最下端がレール104上に圧接する。そのため、駆動ローラ19の回転によって、車輪102と接地ローラ22が同一方向に且つ同一周速度で回転し、レール104上を前後方向に移動する。このときの駆動ローラ19と前後の接地ローラ22の回転軸は、いずれも車輪102の回転軸と平行となる。
次に、前ブロック12と後ブロック14を繋ぐ距離可変機構52について説明する。距離可変機構52は、図9に示すように、前ブロック12にバネ部材54を介して配置されるスクリューネジナット56と、このスクリューネジナット56に螺合するスクリューネジ58とを有し、このスクリューネジ58のうち前ブロック12から突出する軸方向の一端部を、後ブロック14に回転自在に支持させている。スクリューネジ58は、後ブロック14に固定されるベアリング60を介して、前後方向に伸びる中心軸まわりに回動自在となっている。
後ブロック14内において、スクリューネジ58の一端部にはマイタギア62を固定しており、このマイタギア62に螺合するマイタギア64を、フレキシブルシャフト66の一端部に固定している。フレキシブルシャフト66の一端部は、後ブロック14において中心軸まわりに回転自在に支持し、フレキシブルシャフト66の他端側は、後ブロック14から左右方向に大きく引き出すとともに上方に持ち上げて設けている。更に、このフレキシブルシャフト66の他端部には、回転ハンドル68を設けている。フレキシブルシャフト66を引き出す方向は、本体フレーム50からモータ2やガイドローラ34が突出して位置する側とは反対側の方向である。
上述の構成を備える距離可変機構52では、移動装置本体6から左右方向に距離をあけて位置する回転ハンドル68を操作して、フレキシブルシャフト66を軸まわりに回転させることで、対をなすマイタギア62,64を介してスクリューネジ58を回転させ、これに伴って、スクリューネジナット56を前ブロック12と一体に前後方向にスライド移動させることができる。したがって、回転ハンドル68の正逆回転により、前ブロック12と後ブロック14は前後方向に近接離間する。なお、フレキシブルシャフト66を前ブロック12側に配置し、スクリューネジナット56を後ブロック14側に配置する等の他構造も採用可能であり、また、モータ等の動力源によって自動的に近接離間させる構造も採用可能である。
更に、本実施形態の移動装置本体6においては、前ブロック12と後ブロック14が有する本体フレーム50から、左右方向にむけて操作ハンドル70を延設している。この操作ハンドル70は、図1、図3に示すようなもので、前ブロック12から延設したシャフト状の第一操作ハンドル72と、後ブロック14から延設したシャフト状の第二操作ハンドル74とを有する。第一操作ハンドル72と第二操作ハンドル74は共に、フレキシブルシャフト66を引き出す方向と同方向にむけて、本体フレーム50から引き出し、更に上方に持ち上げて設けている。第一操作ハンドル72と第二操作ハンドル74の先端部は、互いに近づく方向に屈曲させ、片手で把持可能な把持部としている。第一操作ハンドル72の上下方向の中間部分と、第二操作ハンドル74の上下方向の中間部分との間には、前後方向に伸縮自在な連結シャフト76を介在させている。この連結シャフト76に対して、フレキシブルシャフト66の先端近傍の箇所を支持させている。フレキシブルシャフト66の先端に位置する回転ハンドル68は、第一操作ハンドル72と第二操作ハンドル74の把持部の下方位置にある。
本実施形態の簡易移動装置が備えるバッテリ8は、上述したように、移動装置本体6とは別体に設けたものである。前ブロック12と後ブロック14が備えるモータ2には、それぞれ電気コード10を接続させており、バッテリ8はこの電気コード10を通じて各モータ2に電力を供給する。また、バッテリ8には、ボックス型の操作入力部78を接続させている(図1参照)。この操作入力部78には、前進、後退、速度調整等の各種ボタンを配置している。
本実施形態の簡易移動装置を用い、下記のような手順で、図2に示す車両台車100の車輪102をレール104上で回転させ、車両台車100又は鉄道車両ごと前後方向に移動させることができる。まず、レール104上の移動面に踏面を載せた車輪102に対して、そのレール104の左右方向の外側から移動装置本体6を差し込む。差し込み作業は、作業者が第一操作ハンドル72の把持部を左手で把持し、第二操作ハンドル74の把持部を右手で把持した姿勢で、容易に行うことができる。これにより、車輪102と隣接する前方スペースS1に、移動装置本体6が有する前ブロック12の駆動ユニット4、ガイドローラ34及びモータ2を配置させ、車輪102と隣接する後方スペースS2に、移動装置本体6が有する後ブロック14の駆動ユニット4、ガイドローラ34及びモータ2を配置させる。移動装置本体6の移動作業は、移動装置本体6や第一及び操作ハンドル72,74に備えた複数のキャスタを介して円滑に行われる。
次に、前ブロック12と後ブロック14を前後方向に近接させてゆく。この近接作業は、手前にある回転ハンドル68を作業者が回転操作することで、容易に行うことができる。回転ハンドル68を一方向に回転させると、フレキシブルシャフト66が軸まわりに回転し、後ブロック14に配されるマイタギア62,64を介して、前ブロック12と後ブロック14をつなぐスクリューネジ58が回転することで、前ブロック12に配されるスクリューネジナット56が本体フレーム50ごと後ブロック14側に移動する。前ブロック12と後ブロック14との距離が所定距離に至った時点で、前ブロック12と後ブロック14が備える互いの駆動ユニット4で、車輪102の踏面を前後方向に挟み込んだ状態となる。このとき、皿バネであるバネ部材54(図9参照)が、スクリューネジナット56と本体フレーム50との間で弾性変形するので、このバネ部材54の復元力によって、前後の駆動ユニット4は車輪102を弾性的に挟持する。
上記のように車輪102を挟持したとき、前側の駆動ユニット4が有する駆動ローラ19は、その摩擦面の後ろ斜め上方を向く部分を、車輪102の踏面の前斜め下方を向く部分に押し当てる(図4参照)。同様に、後側の駆動ユニット4が有する駆動ローラ19は、その摩擦面の前斜め上方を向く部分を、車輪102の踏面の後斜め下方を向く部分に押し当てる。前後の駆動ローラ19は同一径であり、前後の駆動ローラ19が車輪102と接触する部分は、互いに同一の高さとなる。また、前後両側の駆動ユニット4において、駆動ローラ19の摩擦面の前斜め下方を向く部分には、この駆動ローラ19の前方に位置する接地ローラ22が有する接地面の後ろ斜め上方を向く部分が圧接し、駆動ローラ19の摩擦面の後斜め下方を向く部分には、この駆動ローラ19の後方に位置する接地ローラ22が有する接地面の前斜め上方を向く部分が圧接する。各接地ローラ22は同一径に設けており、各接地ローラ22の接地面の最下端部は、レール104に対して上方から圧接する。
移動装置本体6をこのようにセットすることで、車輪102を前後両側の駆動ユニット4で確実に捕獲することができる。ここで、例えば作業者が操作入力部78の前進ボタンを押下すると、前後両側のモータ2に対してバッテリ8から電力が供給され、前後両側の駆動ローラ19を共に、レール104の左右方向外側(作業者側)から視て時計回りに回転させる。図10には、後側の駆動ユニット4の動作を概略的に示しているが、図示のように、駆動ローラ19の時計回りの回転(図中矢印a)に伴って車輪102が反時計回りに回転し(図中矢印b)、接地ローラ22が反時計回りに回転する(図中矢印c)。前側の駆動ユニット4においても同様の回転を行う。そのため、前後両側の駆動ユニット4において、車輪102に対して前進の回転力を付与し、且つ、接地ローラ22に対しても前進の回転力を付与し、車輪102を捕獲した状態のまま確実に前進させることができる。このとき、後側の駆動ユニット4では、図10に示すように回転する駆動ローラ19と車輪102の間に働く摩擦力が、この駆動ローラ19を車輪102の下方に食い込ませるように働く。この駆動ローラ19の食い込みによって、車輪102をより確実に捕獲して回転力を伝達させることが可能となる。
作業者が操作入力部78の後退ボタンを押下したときには、前後両側のモータ2が前進時とは逆方向に回転することで、車輪102と接地ローラ22に対して後退の回転力を付与し、車輪102をレール104上にて後退させることができる。このときは、前側の駆動ユニット4において、駆動ローラ19と車輪102の間に働く摩擦力が、この駆動ローラ19を車輪102の下方に食い込ませるように働く。
車輪102を所定の位置にまで回転移動させれば、その時点で操作入力部78の前進ボタン又は後退ボタンから指を離して押下状態を解除し、モータ2を停止させることで、車両台車100や鉄道車両を停止させる。なお、モータ2を強制停止ではなく減速させるように設け、惰性を伴って鉄道車両等を停止させてもよい。移動完了後は、回転ハンドル68を前記一方向とは逆方向に回転させて前ブロック12と後ブロック14を離間させ、車輪102の捕獲を解除したうえで、手前側に移動装置本体6を引き出せばよい。
図11には、本実施形態の簡易移動装置の変形例を示している。以下においては、変形例の構成のうち、既述した構成と相違する点について述べる。この変形例の簡易移動装置は、移動装置本体6とバッテリ8を分離させた構成ではなく、移動装置本体6とバッテリ8を一体に備えた構成となっている。移動装置本体6からは左右方向に基台部80を延設し、この基台部80上にバッテリ8を支持している。基台部80の底面には、地面上を転動するキャスタ82を設け、バッテリ8から延設される操作ハンドル70を掴んだ作業者によって、装置全体を円滑に移動可能としている。なお、バッテリ8の代わりに、カセットボンベのガス等を用いて電力を発生させる発電装置(図示略)を備えることも好適である。このように、バッテリ8や発電装置を移動装置本体6と一体に備えたタイプの簡易移動装置では、更に、操作入力部78をワイヤレスで設けることが好ましい。モータ2のオンオフや回転速度の指令を、移動装置本体6から離れた位置にある操作入力部78からの無線信号で行うことにより、移動装置本体6から電気コード10等を引き出して設ける必要がなくなり、作業効率が高まるとともに作業者の安全性も更に確保される。なお、バッテリ8や発電装置を移動装置本体6とは別体に備えたタイプの簡易移動装置において、操作入力部78をワイヤレスで設けてもよいことは勿論である。
図12、図13には、本実施形態の簡易移動装置の他の変形例を示している。以下においては、この変形例の構成のうち、既述した構成と相違する点について述べる。この変形例では、本体フレーム50に駆動ローラ19を回転自在に支持し、この駆動ローラ19の外周にタイミングベルト90を架け渡している。タイミングベルト90は、モータ2により回転駆動される出力ローラ92(図13参照)との間で、張力を伴って掛け渡され、その外周面に摩擦面を有している。この変形例では、タイミングベルト90が駆動部材20として機能し、タイミングベルト90が外周に有する摩擦面に対して、接地ローラ22の接地面と、対象部材である車輪102の踏面とが、大きな摩擦力を伴って押し当たる構造となっている。したがって、モータ2によってタイミングベルト90が駆動ローラ19と共に回転駆動されると、車輪102と接地ローラ22が同一の周速度で同一方向に回転して、レール104上を前後方向に移動する。
以上、添付図面に基づいて説明したように、本実施形態の簡易移動装置は、円周状の外面を有する対象部材を、移動面上で前後方向に回転移動させる簡易移動装置であって、モータ2、駆動部材20及び接地ローラ22を備える。モータ2は駆動源である。駆動部材20は、外周に摩擦面を有し、モータ2によって回転駆動される。接地ローラ22は、外周に接地面を有し、駆動部材20が有する摩擦面にこの接地面を押し当てて配置される。駆動部材20は、対象部材が有する外面に対して摩擦面が接触し、且つ、移動面に対して摩擦面が非接触となる位置にセットされる。接地ローラ22は、移動面に対して接地面が接触する位置にセットされる。このようにセットされることで、駆動部材20の回転により、対象部材と接地ローラ22が同一方向に回転して、移動面上を前後方向に移動する。本実施形態では、前記対象部材が、前記外面を踏面として有する車輪102であり、この車輪102を、レール104が有する移動面上で前後方向に回転移動させるように設けることが好ましい。
したがって、本実施形態の簡易移動装置によれば、例えば作業者がレール104の外側からこの簡易移動装置を差し入れ、レール104上の車輪102に駆動部材20を当て、接地ローラ22をレール104に載せた状態にセットし、駆動部材20をモータ2で回転させることで、車輪102と接地ローラ22が同一の周速度で同一方向に回転し、この車輪102をレール104上で回転移動させることができる。そのため、作業者が一人であっても簡単に且つ安全に作業をすることができ、しかも、移動の開始や停止も円滑に行われる。また、この簡易移動装置はシンプルな構造であるから、小型且つ軽量であって運搬や保管も容易となり、コストも低く抑えられる。加えて、この簡易移動装置によれば、鉄道車両ごと移動可能であるのは勿論のこと、車両台車100単体や、輪軸単体をレール104上で移動させることも可能である。そして、この簡易移動装置によれば、多様な種類の鉄道車両にも対応して、これをレール104上で簡単に移動させることが可能である。また、この簡易移動装置は、レール104上を移動する鉄道車両等に限らず、円周状の外面を有する対象部材であれば、これに装着して回転移動させることができる。例えば、この簡易移動装置を自動車のタイヤにセットして移動させる用途や、ドラム缶にセットして移動させる用途等の、多様な用途が可能である。
また、本実施形態の簡易移動装置では、接地ローラ22を、駆動部材20を前後両側から挟む位置に一対備えている。そのため、駆動部材20をモータ2で回転させれば、対象部材と前後一対の接地ローラ22が、同一の周速度で同一方向に回転し、この対象部材を移動面上でより安定的且つ確実に回転移動させることが可能となる。
また、本実施形態の簡易移動装置では、駆動部材20とこれに接触する接地ローラ22とで一組の駆動ユニット4を形成し、この駆動ユニット4を、対象部材を移動面上にて前後両側から挟み込むように前後二組備えている。そのため、前後両側の駆動部材20を同一方向に回転させれば、対象部材を前後両側の駆動部材20によって安定的且つ確実に回転させて推進力を与え、且つ、前後両側の接地ローラ22によっても移動面上での推進力を与えながら、この対象部材を移動させることが可能となる。
また、本実施形態の簡易移動装置では、前後二組の駆動ユニット4間の距離を変更自在とする距離可変機構52を備えている。そのため、前後の駆動ユニット4を対象部材の前方スペースS1と後方スペースS2に差し入れ、その後に距離可変機構52で前後の駆動ユニット4の距離を縮めるという作業によって、狙いの対象部材に対して、前後の駆動ユニット4を確実にセットすることができる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
2 モータ
4 駆動ユニット
20 駆動部材
22 接地ローラ
50 本体フレーム
52 距離可変機構
102 車輪
104 レール

Claims (2)

  1. 円周状の外面を有する対象部材を、移動面上で前後方向に回転移動させる簡易移動装置であって、
    駆動源であるモータと、
    外周に摩擦面を有し、前記対象部材が有する前記外面に対して前記摩擦面が接触し、且つ、前記移動面に対して前記摩擦面が非接触となる位置にセットされ、前記モータによって回転駆動される駆動部材と、
    外周に接地面を有し、前記駆動部材が有する前記摩擦面に前記接地面押し当たり、且つ、前記移動面に対して前記接地面が接触するように、前記駆動部材を前後両側から挟む位置にセットされる一対の接地ローラと、を備え、
    前記駆動部材とこれに接触する前記一対の接地ローラとで組をなす駆動ユニットが、前記対象部材を前記移動面上にて前後両側から挟み込むように前後に二組形成され、
    前記二組の駆動ユニットの各々で、前記駆動部材の回転により前一対の接地ローラが前記対象部材と同一方向に回転することで、前記対象部材が前後方向に回転移動するように設けられ、
    さらに、前記二組の前記駆動ユニットを前後方向に近接離間させる回転ハンドルを有するフレキシブルシャフトが、左右方向に引き出されている
    ことを特徴とする簡易移動装置。
  2. 前記対象部材は、前記外面を踏面とした車輪であり、この車輪を、レールが有する移動面上で前後方向に回転移動させるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の簡易移動装置。
JP2012228430A 2012-10-15 2012-10-15 簡易移動装置 Active JP6027385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228430A JP6027385B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 簡易移動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228430A JP6027385B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 簡易移動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014080076A JP2014080076A (ja) 2014-05-08
JP6027385B2 true JP6027385B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=50784701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012228430A Active JP6027385B2 (ja) 2012-10-15 2012-10-15 簡易移動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6027385B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3119823A1 (fr) * 2021-02-12 2022-08-19 Gillet Group Dispositif de deplacement d 'une charge roulant sur des rails

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2469042A (en) * 1945-10-04 1949-05-03 Eugene B Kelley Dolly for railway cars, vehicles, and other objects
SE437137B (sv) * 1982-12-01 1985-02-11 Rejmyre Maskin Ab Drivanordning

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014080076A (ja) 2014-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6651015B2 (ja) 無人搬送車の牽引装置およびこれを備える無人搬送車
CN101090699B (zh) 一种适于由行走的人操作的类型的有轮物体
US20040146384A1 (en) Method and apparatus for moving a vehicle
JP2017170971A (ja) 電動式軌道台車
JP6027385B2 (ja) 簡易移動装置
JP3180975U (ja) 走行装置
US20140262565A1 (en) Portable Wheel Rolling Apparatus
CN203047284U (zh) 工艺转向架制动装置
CN109969310B (zh) 电动移动体
JP2015006814A (ja) 車体の下回り部品組付台車
JP5946663B2 (ja) 車両台車の搬送装置
JP5893199B1 (ja) 走行台車
JP3308131B2 (ja) 軌道路上兼用車
JP4280028B2 (ja) 電動式動力車
JP4671471B2 (ja) 軌道上作業台車
TWM468443U (zh) 浮動馬達及其剎車裝置
CN203461015U (zh) 一种折叠电动车
JP2007237969A (ja) 軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車
CN100413744C (zh) 气动楔入式推车方法及装置
KR101622325B1 (ko) 중량물 이송용 대차
JP2520752Y2 (ja) 自走型搬送用トロリー
JPH0337347Y2 (ja)
TWI515382B (zh) 浮動馬達及其剎車裝置
JP4262040B2 (ja) 走行装置の安全装置
JP3600514B2 (ja) 手押し台車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160829

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6027385

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250