JP2007237969A - 軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車 - Google Patents

軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車 Download PDF

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安正 村山
Takanori Arakawa
崇典 荒川
Yoshio Osawa
善男 大澤
Hiroyuki Toyama
博之 外山
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NIIGATA KOTSU KIKAI KK
East Japan Railway Co
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NIIGATA KOTSU KIKAI KK
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Abstract

【課題】搬送対象物を簡易に長距離運搬することができるとともに運搬時の安全性を向上させることができる軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車を提供する。
【解決手段】軌道作業車1のブレーキ操作装置7を作業者が操作すると、軌道巡回車2のブレーキ装置8のブレーキ動作に連動して軌道台車9のブレーキ装置12がブレーキ動作する。軌道作業車1が軌道R上を走行中に、連結装置14が解放したときには、搬送対象物を搭載した軌道台車9が逸走し危険である。軌道巡回車2から軌道台車9が解放されるとワイヤ13fが引っ張られて、非常ブレーキ装置13にワイヤ13fを通じて操作力が伝達される。その結果、非常ブレーキ装置13が作動して、車輪11のフランジ面11bに制輪子が圧着するために、軌道台車9が減速し非常停止する。
【選択図】図2

Description

この発明は、軌道上を走行する軌道作業車、軌道台車をけん引して軌道上を走行する軌道巡回車、及び軌道巡回車にけん引されて軌道上を走行する軌道台車に関する。
従来、鉄道車両が走行する軌道や鉄道車両に電力を供給する架線を保守し点検するときには、鉄道車両が走行しない深夜に数名の作業者を軌道巡回車に乗せて、軌道上を低速で走行しながら巡回している。また、従来、保線作業時などに機材や材料などを軌道台車に搭載して、作業車の手押しによって軌道上を走行し機材や材料などを運搬している。
従来の軌道巡回車は、駆動力を発生するエンジンと、このエンジンを搭載し作業者を載せて軌道に沿って走行可能な台車と、エンジンが発生する駆動力を台車の車輪に伝達する駆動力伝達機構などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の軌道巡回車は、アクセルハンドルを作業者が操作して速度を調整し、駆動力伝達機構を通じてエンジンが発生する駆動力を台車の車輪に伝達し、軌道に沿って走行しながら保線作業や点検作業を実施している。
従来の軌道台車は、機材を搭載する床板と、この床板を保持するフレームと、このフレームに回転自在に装着されて軌道上を走行する車輪と、ハンドル操作によってこの車輪にブレーキを作動させるブレーキ装置などを備えている(例えば、特許文献2参照)。このような従来の軌道台車は、床板とフレームとがヒンジ部によって折り畳み可能に構成されており、運搬収納時などには床板とフレームとを二つに折り畳み、使用時には折り畳み状態の床板とフレームとを展開して使用している。
特開2004-131030号公報
特開2004-082990号公報
例えば、上越新幹線のような雪の多い地域では、雪害対策として線路に温水を撒いて消雪させる消雪設備が設置されており、このような消雪設備では送水管から供給される加圧された温水をスプリンクラ装置によって線路上に撒いている。このような消雪設備では、例えば、送水本管から分岐して各スプリンクラ装置に温水を供給するヘッダ管などが老朽化したときには、新しいヘッダ管を新幹線の高架上で現場まで搬送し、古いヘッダ管を撤去して新しいヘッダ管と交換する必要がある。しかし、従来の軌道巡回車は、保線作業や点検作業を目的とする車両であり、送水本管やヘッダ管などの搬送対象物を搭載して現場まで搬送することができない問題点がある。また、従来の軌道台車では、長大で重量が大きい送水本管やヘッダ管などの搬送対象物を多数搭載して、作業者が長距離を手押しで安全に搬送することができない問題点がある。
この発明の課題は、搬送対象物を簡易に長距離運搬することができるとともに運搬時の安全性を向上させることができる軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、軌道(R)上を走行する軌道作業車であって、駆動力を発生して前記軌道上を走行する軌道巡回車(2)と、前記軌道巡回車にけん引されて前記軌道上を走行する軌道台車(9)と、前記軌道巡回車と前記軌道台車とを連結及び解放する連結装置(14)とを備える軌道作業車(1)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の軌道作業車において、前記軌道台車は、前記軌道巡回車の巡回車側ブレーキ装置(8)と連動してブレーキ動作する台車側ブレーキ装置(12)を備えることを特徴とする軌道作業車である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の軌道作業車において、前記台車側ブレーキ装置は、前記軌道巡回車のブレーキ操作装置(7)から操作力が伝達されるワイヤ(12k)に連結されていることを特徴とする軌道作業車である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の軌道作業車において、前記軌道台車は、前記連結装置の連結が解放されたときにブレーキ動作する非常ブレーキ装置(13)を備えることを特徴とする軌道作業車である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の軌道作業車において、前記軌道巡回車及び前記軌道台車は、左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪(4,11)を備えることを特徴とする軌道作業車である。
請求項6の発明は、軌道台車(9)をけん引して軌道(R)上を走行する軌道巡回車であって、前記軌道台車と連結及び解放可能な巡回車側連結部(14a)を備えることを特徴とする軌道巡回車(2)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の軌道巡回車において、前記軌道台車の台車側ブレーキ装置(12)と連動してブレーキ動作する巡回車側ブレーキ装置(8)を備えることを特徴とする軌道巡回車である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の軌道巡回車において、左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪(4)を備えることを特徴とする軌道巡回車である。
請求項9の発明は、軌道巡回車(2)にけん引されて軌道(R)上を走行する軌道台車であって、前記軌道巡回車と連結及び解放可能な台車側連結部(14b)を備えることを特徴とする軌道台車(9)である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の軌道台車において、前記軌道巡回車の巡回車側ブレーキ装置(8)と連動してブレーキ動作する台車側ブレーキ装置(12)を備えることを特徴とする軌道台車である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の軌道台車において、前記台車側ブレーキ装置は、前記軌道巡回車のブレーキ操作装置(7)から操作力が伝達されるワイヤ(12k)に連結されていることを特徴とする軌道台車である。
請求項12の発明は、請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の軌道台車において、前記軌道巡回車との連結が解放されたときにブレーキ動作する非常ブレーキ装置(13)を備えることを特徴とする軌道台車である。
請求項13の発明は、請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の軌道台車において、左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪(11)を備えることを特徴とする軌道台車である。
この発明によると、搬送対象物を簡易に長距離運搬することができるとともに運搬時の安全性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る軌道作業車の側面図である。図2は、この発明の実施形態に係る軌道作業車を概略的に示す平面図である。
図1及び図2に示す軌道Rは、鉄道車両が走行する線路であり、左右一対のレールR1などを備えている。搬送対象物Pは、軌道作業車1によって搬送される対象物であり、例えば消雪設備の送水本管又はヘッダ管などである。作業者Mは、搬送対象物Pの搬送作業を実施する作業員であり、軌道作業車1に乗ってこの軌道作業車1を運転操作し搬送対象物Pとともに現場に移動する。
(軌道作業車)
軌道作業車1は、軌道R上を走行する車両であり、図1及び図2に示すように軌道巡回車2と、軌道台車9と、連結装置14などを備えている。図1及び図2に示す軌道作業車1は、1両の軌道巡回車2と1両の軌道台車9とから構成された2両編成の列車である。軌道作業車1は、駆動車である軌道巡回車2に付随車である軌道台車9をけん引して、搬送対象物Pを軌道台車9に搭載し軌道巡回車2の動力によって軌道R上をA方向に走行する。
(軌道巡回車)
軌道巡回車2は、軌道台車9をけん引して軌道R上を走行する車両であり、駆動力を発生して軌道R上を走行する。軌道巡回車2は、例えば、軌道Rの巡回又は連絡などに使用され、作業者Mの運転操作によって軌道R上を自走する軌道自動自転車(レールスクータ)である。図1及び図2に示す軌道巡回車2は、新幹線の軌間(1435mm)に合わせて設計されており、新幹線の軌道R上を走行可能な2軸4輪の車両である。軌道巡回車2は、作業者Mが4名乗車可能であり、前後に2名ずつ作業者Mが着席する。軌道巡回車2は、図1及び図2に示す床板部3と、車輪4と、図2に示す駆動力発生装置5と、運転操作装置6と、ブレーキ操作装置7と、ブレーキ装置8などを備えている。
図1及び図2に示す床板部3は、軌道巡回車2の種々の装置を搭載する部分である。床板部3は、多数の貫通孔を有する軽量のパンチングメタルなどの金属板と、この金属板を支持する枠型のフレーム部材などを備えている。床板部3には、駆動力発生装置5、運転操作装置6、ブレーキ操作装置7、ブレーキ装置8などが搭載され支持されている。
図2に示す車輪4は、レールR1と回転接触する部材である。車輪4は、床板部3のフレーム部材に取り付けられた軸受に回転自在に支持されており、レール頭頂面と接触して摩擦抵抗を受ける踏面4aと、脱輪を防止するために車輪4の外周に連続して形成されたフランジ面4bと、左右一対の車輪4を連結する車軸4cなどを備えている。車輪4は、左右のレールR1を電気的に短絡可能な導電性車輪であり、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金などの導電性材料によって形成されている。
駆動力発生装置5は、軌道巡回車2を駆動するための駆動力を発生する装置である。駆動力発生装置5は、例えば、原動機付き自動二輪車(スクータ)などに使用される軽量で低馬力の小型汎用エンジンなどの原動機である。駆動力発生装置5は、運転操作装置6からの指令に基づいて駆動力を発生し、図示しないギヤ、チェーン及びスプロケットなどから構成される駆動力伝達機構を通じて車輪4に駆動力を伝達し車輪4を回転駆動する。
運転操作装置6は、軌道巡回車2を運転操作する装置である。運転操作装置6は、例えば、軌道巡回車2の速度を可変するときに作業者Mによって手動操作され、作業者Mの回転操作量に応じて駆動力発生装置5の回転数を可変するアクセルと、軌道巡回車2を前進又は後進させるときに作業者Mによって手動操作され、ギヤの噛み合いを切り替えて軌道巡回車2の進行方向を切り替える切替レバーなどを備えている。
図3は、この発明の実施形態に係る軌道巡回車のブレーキ操作装置を概略的に示す外観図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は側面図である。
図2に示すブレーキ操作装置7は、ブレーキ装置8,12をブレーキ動作させる装置であり、自動車に使用されるフットブレーキ装置に近似した構造である。ブレーキ操作装置7は、図3に示すように、ペダル部7aと、回転軸7bと、アーム部7cと、連結部7d,7eなどを備えている。ペダル部7aは、軌道作業車1をブレーキ動作させるときに作業者Mによって足踏み操作される部分である。回転軸7bは、ブレーキ装置8,12に操作力を伝達する部分であり、床板部3に取り付けられた軸受に回転自在に支持されている。アーム部7cは、ブレーキ装置8のワイヤ8kが連結される部分であり、回転軸7bの外周部から突出するように回転軸7bに固定されており、回転軸7bと一体となって回転する。連結部7dは、回転軸7bが連結される部分であり、連結部7eはブレーキ装置12のワイヤ12kが連結される部分である。ブレーキ操作装置7は、作業者Mによってペダル部7aがB1方向に踏み込まれると、回転軸7bを回転中心としてペダル部7a、アーム部7c及び連結部7d,7eが一体となってB2方向に回転し、ワイヤ8k,12kがB3方向に引っ張られる。ブレーキ操作装置7は、ブレーキ装置8,12をブレーキ動作させるための操作力をワイヤ8k,12kに伝達する。
図4は、この発明の実施形態に係る軌道巡回車のブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、図4(A)はブレーキ開放時の状態を示す平面図であり、図4(B)はブレーキ動作時の状態を示す平面図である。
図2に示すブレーキ装置8は、軌道巡回車2をブレーキ動作させる装置であり、図2に示す軌道台車9側のブレーキ装置12と連動してブレーキ動作する常用ブレーキ装置である。ブレーキ装置8は、図4に示すように、ブレーキディスク8aと、制輪子8b,8cと、アーム部8d,8eと、連結軸8fと、ばね8gと、押圧ピン8hと、アーム部8iと、連結軸8jと、ワイヤ8kなどを備えている。図4に示すブレーキ装置8は、ブレーキディスク8aの摩擦面(表面)に発生する摩擦力によって制動させるディスクブレーキ装置である。ブレーキ装置8は、図3に示すブレーキ操作装置7が作業者Mによって操作されていないときには、図4(A)に示すようにブレーキディスク8aから制輪子8b,8cが離間して車輪4の回転を許容する。一方、ブレーキ装置8は、図3に示すブレーキ操作装置7が作業者Mによって操作されたときには、図4(B)に示すようにブレーキディスク8aに制輪子8b,8cが圧着して車輪4の回転を規制する。
図4に示すブレーキディスク8aは、ブレーキ動作時に制輪子8b,8cが摩擦面に押し付けられる部材である。ブレーキディスク8aは、車輪4の車軸4cが貫通する貫通孔を有しており、図示しない固定部材によってこの車軸4cに取り付けられ車輪4と一体となって回転する円板状の摩擦材である。
制輪子8b,8cは、ブレーキディスク8aの摩擦面に押し付けられて摩擦力を発生する部材である。制輪子8b,8cは、ブレーキディスク8aの摩擦面と対向して所定の間隔をあけて配置された摩擦材(ブレーキパッド)であり、図4(A)に示すようにブレーキ開放時にはブレーキディスク8aの摩擦面から離れており、図4(B)に示すようにブレーキ動作時にはブレーキディスク8aの摩擦面と圧着する。
アーム部8d,8eは、制輪子8b,8cを支持する部材である。アーム部8d,8eは、先端部に制輪子8b,8cが取り付けられており、後端部にばね8gが取り付けられている。アーム部8dの後端部には押圧ピン8hの先端部が接触しており、アーム部8eの後端部にはこの押圧ピン8hが貫通している。アーム部8d,8eは、図4(B)に示すように、ブレーキ動作時には、連結軸8fを回転中心としてC1,C2方向に回転して、ブレーキディスク8aの摩擦面に制輪子8b,8cを圧着させる。連結軸8fは、アーム部8dとアーム部8eとを回転自在に連結する部材であり、アーム部8dとアーム部8eとを略中間位置で連結する。
ばね8gは、アーム部8d,8eを付勢する部材である。ばね8gは、ブレーキディスク8aから制輪子8b,8cが離間する方向に常時付勢しており、アーム部8dの後端部とアーム部8eの後端部とを連結する。ばね8gは、図4(A)に示すように、ブレーキ開放時にはアーム部8d,8eの先端部側の隙間が広くなり後端部側の隙間が狭くなって、ブレーキディスク8aから制輪子8b,8cが離間するように、アーム部8d,8eを引っ張っている。
押圧ピン8hは、アーム部8dの後端部を押圧する部材であり、アーム部8eをスライド自在に貫通してC3方向に往復移動可能である。押圧ピン8hは、図4(B)に示すように、ブレーキ動作時には、アーム部8d,8eが連結軸8fを回転中心としてC1,C2方向に回転するように、ばね8gのばね力(引張力)に抗してアーム部8dの後端部を押圧する。
アーム部8iは、アーム部8eに回転自在に支持される部材である。アーム部8iは、略L字状に屈曲して形成されており、連結軸8jを回転中心としてC4方向に回転し、先端部が押圧ピン8hと接触してこの押圧ピン8hをC3方向にスライドさせる。アーム部8iは、中間位置よりも先端部寄りにアーム部8eの後端部が回転自在に連結されており、後端部にワイヤ8kが回転自在に連結されている。連結軸8jは、アーム部8eとアーム部8iとを回転自在に連結する部材である。
ワイヤ8kは、図2に示すブレーキ操作装置7からブレーキ装置8に操作力を伝達する部材である。ワイヤ8kは、一方の端部が図3に示すブレーキ操作装置7のアーム部7cに連結されており、他方の端部が図4に示すアーム部8iに連結されている。ワイヤ8kは、図4(B)に示すように、B3方向に引っ張られると、連結軸8jを回転中心としてアーム部8iをC4方向に回転させ、押圧ピン8hをC3方向にスライドさせてアーム部8d,8eをC1,C2方向に回転させる。
(軌道台車)
図1及び図2に示す軌道台車9は、軌道巡回車2にけん引されて軌道R上を走行する車両である。軌道台車9は、例えば、機器や資材などの運搬に使用され、作業者Mの手押し操作によって軌道R上を走行する軽量トロである。図1及び図2に示す軌道台車9は、軌道巡回車2と同様に、新幹線の軌間に合わせて設計されており、新幹線の軌道R上を走行可能な2軸4輪の車両である。軌道台車9は、図1及び図2に示す床板部10と、車輪11と、図2に示すブレーキ装置12と、非常ブレーキ装置13などを備えている。
図1及び図2に示す床板部10は、軌道台車9に搬送対象物Pを搭載する部分である。床板部10は、木製の板材とこの板材を支持する枠型のフレーム部材などによって形成されている。床板部10は、運搬及び収納が容易なように2つに分割可能であるとともに折畳可能な構造であり、図1に示すように床板部10を構成する二つの分割部10a,10bと、分割部10a,10bを回転自在及び分割自在に連結するヒンジ部10cとを備えている。
図2に示す車輪11は、レールR1と回転接触する部材である。車輪11は、床板部10のフレーム部材に取り付けられた軸受に回転自在に支持されており、軌道巡回車2側の車輪4と同様に、踏面11aと、フランジ面11bと、車軸11cなどを備えている。車輪11は、車輪4と同様の機能を有する導電性車輪であり、車輪4と同様に導電性材料によって形成されている。
図5は、この発明の実施形態に係る軌道台車のブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、図5(A)はブレーキ開放時の状態を示す平面図であり、図5(B)はブレーキ動作時の状態を示す平面図である。
図5に示すブレーキ装置12は、軌道台車9をブレーキ動作させる装置であり、図2に示す軌道巡回車2側のブレーキ装置8と連動してブレーキ動作する常用ブレーキ装置である。ブレーキ装置12は、図4に示すブレーキ装置8と同一構造であり、以下ではブレーキ装置12側の部材のうちブレーキ装置8側の部材と同一の部材については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。ブレーキ装置12は、図2に示すように、軌道巡回車2のブレーキ操作装置7から操作力が伝達されるワイヤ12kに連結されている。図5に示すワイヤ12kは、図3に示すブレーキ操作装置7からブレーキ装置12に操作力を伝達する部材であり、一方の端部が図3に示すブレーキ操作装置7の連結部7eに連結されており、他方の端部が図5に示すアーム部12iに連結されている。
図6は、この発明の実施形態に係る軌道台車の非常ブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、図6(A)は非常ブレーキ解放時の状態を示す平面図であり、図6(B)は非常ブレーキ動作時の状態を示す平面図である。図7は、この発明の実施形態に係る軌道台車の非常ブレーキ装置を概略的に示す側面図であり、図7(A)は非常ブレーキ解放時の状態を示す側面図であり、図7(B)は非常ブレーキ動作時の状態を示す側面図である。
非常ブレーキ装置13は、連結装置14が解放したときにブレーキ動作する装置である。非常ブレーキ装置13は、図2に示すブレーキ装置8,12とは別に独立して動作可能なブレーキ装置であり、ブレーキ操作装置7を作業者Mが操作したか否かに関わらず非常時には単独でブレーキ動作する。非常ブレーキ装置13は、図6に示す押圧ピン13aと、ばね13bと、ストッパ部13cと、アーム部13d,13eと、ワイヤ13fと、図7に示す制輪子13gと、アーム部13hと、ばね13iと、図6及び図7に示すアーム部13jなどを備えている。図6及び図7に示す非常ブレーキ装置13は、車輪11のフランジ面11bに制輪子13gを圧着させてフランジ面11bに発生する摩擦力によって制動させる踏面ブレーキ装置に近似したブレーキ装置である。
図6に示す押圧ピン13aは、アーム部13jを押圧してこのアーム部13jを回転させる部材である。押圧ピン13aは、図6及び図7に示すように、先端部がアーム部13jと接触しており、図6(A)及び図7(A)に示す突出状態から図6(B)及び図7(B)に示す後退状態に切り替わることによって、図7(B)に示すように支点O3を回転中心としてアーム部13jをD4方向に回転させる。押圧ピン13aは、図6に示すように、床板部10に固定されたアングル材10dに進退自在にガイドされている。
ばね13bは、押圧ピン13aを付勢する部材である。ばね13bは、図6(A)に示すように、非常ブレーキ解放時にはばね力に抗して圧縮されており、図6(B)に示すように非常ブレーキ動作時にはこのばね力によって押圧ピン13aをD1方向に後退させる。ばね13bは、アングル材10dとストッパ部13cとの間に挟み込まれた状態で押圧ピン13aに装着され保持されている。
ストッパ部13cは、ばね13bの脱落を防止する部分である。ストッパ部13cは、押圧ピン13aの外周部に形成されたフランジ状の部分であり、この押圧ピン13aと一体に形成されている。ストッパ部13cは、図6(A)に示すように、非常ブレーキ解放時にはばね13bを圧縮させ、図6(B)に示すように非常ブレーキ動作時にはばね13bを伸長させる。
アーム部13dは、押圧ピン13aを押さえる部材である。アーム部13dは、図6に示すように、先端部が押圧ピン13aの後端部に回転自在に連結されており、後端部がワイヤ13fに連結されている。アーム部13dは、略L字状に形成されており、押圧ピン13aに連結される側の長さが短く形成され、ワイヤ13fに連結される側の長さが長く形成されている。アーム部13dは、図6(A)に示すように、非常ブレーキ解放時には、押圧ピン13aの後端部を押し込むように押さえ付けており、ばね13bのばね力に抗してこの押圧ピン13aを突出させている。アーム部13dは、図6(B)に示すように、非常ブレーキ動作時には、押圧ピン13aの後端部の押さえを解除しており、ばね13bのばね力によってこの押圧ピン13aを後退させている。アーム部13dは、ワイヤ13fの操作力(張力)が所定値を超えたときに、図6(B)に示すようにD2方向に回転して、押圧ピン13aの後端部の押圧を解除する。
アーム部13eは、アーム部13dの回転範囲を規制する部材である。アーム部13eは、一方の端部がアングル材10dに回転自在に連結されており、他方の端部がアーム部13dの屈曲部に回転自在に連結されている。アーム部13eは、ワイヤ13fの操作力が所定値を超えたときに、図6(B)に示すように支点O1を回転中心としてアーム部13dとともにD2方向に回転する。アーム部13eは、図6(A)に示すように、ワイヤ13fの操作力が所定値以下であるときには、アーム部13dの回転を規制してこのアーム部13dによって押圧ピン13aの後端部を拘束させており、図6(B)に示すようにワイヤ13fの張力が所定値を超えたときには、アーム部13dの回転を許容してこのアーム部13dによって押圧ピン13aの後端部を解放させる。
ワイヤ13fは、非常ブレーキ装置13に操作力を伝達する部材である。ワイヤ13fは、図2に示すように、一方の端部が軌道巡回車2の床板部3に固定されており、図6に示すように他方の端部がアーム部13dに固定されている。ワイヤ13fは、例えば、図2に示す軌道巡回車2と軌道台車9との連結が解放されて軌道巡回車2と軌道台車9との間に速度差が生じると引っ張られ、この引張力を操作力として非常ブレーキ装置13のアーム部13dに伝達する。ワイヤ13fは、軌道巡回車2から軌道台車9が解放したようなときには、図6(B)に示すようにD1方向に引っ張られてアーム部13d,13eをD2方向に回転させる。ワイヤ13fは、図2に示すように、軌道巡回車2から連結装置14に沿って軌道台車9まで張られており、軌道台車9の床下に沿って非常ブレーキ装置13に接続されている。
図7に示す制輪子13gは、車輪11のフランジ面11bの摩擦面に圧着してブレーキ力を発生する部材である。制輪子13gは、フランジ面11bと密着可能なように車輪11の形状に合わせて円弧状に形成された摩擦材である。制輪子13gは、図7(A)に示すように、非常ブレーキ解放時にはフランジ面11bから後退して車輪11の回転を許容しており、図7(B)に示すように非常ブレーキ動作時には前進してフランジ面11bと圧着し車輪11に摩擦力を作用させる。
アーム部13hは、制輪子13gを進退自在に支持する部材である。アーム部13hは、一方の端部が制輪子13gに回転自在に連結されており、他方の端部がアーム部13jに回転自在に連結されている。アーム部13hは、床板部10に取り付けられた図示しない軸受に支持されており、支点O2を中心として回転可能である。アーム部13hは、図7(A)に示すように、非常ブレーキ解放時にはばね13iのばね力に抗して制輪子13gを後退させ、図7(B)に示すように、非常ブレーキ動作時にはばね13iのばね力によってD3方向に回転してフランジ面11bに向かって制輪子13gを前進させる。
ばね13iは、アーム部13hを付勢する部材である。ばね13iは、図7(A)に示すように、非常ブレーキ解除時には伸長しており、図7(B)に示すように非常ブレーキ動作時には圧縮してアーム部13hをD3方向に回転させる。ばね13iは、一方の端部が床板部10に取り付けられた図示しないブラケットに連結されており、他方の端部がアーム部13hに連結されている。ばね13iは、アーム部13hと制輪子13gとの連結部と支点O2との間に連結されているため、アーム部13hをD3方向に回転するように常時付勢している。
アーム部13jは、押圧ピン13aの進退動作に連動してアーム部13hを回転動作させる部材である。アーム部13jは、上端部が押圧ピン13aと接触しており、下端部がアーム部13hに連結されている。アーム部13jは、床板部10に取り付けられた図示しない軸受に支持されており、支点O3を中心として回転可能である。アーム部13jは、図7(A)に示すように、非常ブレーキ解除時に押圧ピン13aが突出して押付力が作用しているときには、制輪子13gがフランジ部11bから後退するようにアーム部13hの回転を規制している。一方、アーム部13jは、図7(B)に示すように、非常ブレーキ動作時に押圧ピン13aがD1方向に後退して押付力が低下すると、ばね13iのばね力によってアーム部13hがD3方向に回転するのを許容する。
図8は、この発明の実施形態に係る軌道作業車の連結装置の断面図である。
図1及び図2に示す連結装置14は、軌道巡回車2と軌道台車9とを連結及び解放する装置である。連結装置14は、図1に示すように、搬送対象物Pを搬送するときには、軌道巡回車2と軌道台車9とを連結して軌道作業車1を編成し、軌道巡回車2を本来の用途である軌道巡回に使用し、軌道台車9を本来の用途である手押し搬送として使用するようなときには、軌道巡回車2と軌道台車9との連結を解放する。連結装置14は、図8に示すように、連結部14aと、連結部14bと、連結軸14cと、連結ピン14dと、抜け止めピン14eと、脱落防止ワイヤ14fなどを備えている。
連結部14aは、軌道台車9と連結及び解放可能な部分であり、連結部14bは軌道巡回車2と連結及び解放可能な部分である。連結部14a,14bは、連結ピン14dを支持するブラケットであり、連結部14aは軌道巡回車2の床板部3の上面及び下面にそれぞれ取り付けられており、連結部14bは軌道台車9の床板部10の上面及び下面にそれぞれ取り付けられている。連結部14a,14bには、貫通孔14gが形成されている。
連結軸14cは、連結部14aと連結部14bとを連結する部材である。連結軸14cは、パイプなどの棒状部材を加工して形成されており、搬送対象物Pの長さに応じて交換可能なように長さが異なるものが複数種類(例えば、2.5m及び5mの2種類)存在する。連結軸14cは、連結部14aと連結部14bとに着脱自在であり、両端部に貫通孔14hが形成されている。
連結ピン14dは、連結部14a,14bと連結軸14cとを回転自在に連結する部材である。連結ピン14dは、連結部14a,14bの貫通孔14gに上下方向から着脱自在に挿入されている。連結ピン14dは、例えば、軌道作業車1が曲線区間を通過するときに支障がないように、連結部14a,14bと連結軸14cとを水平面内で回転自在に連結する。連結ピン14dは、例えば、軌道作業車1が勾配区間を通過するときに支障がないように、連結軸14cの貫通孔14hの内径よりも外径が僅かに小さく形成されている。連結ピン14dには、上端部に貫通孔14iが形成されており、下端部に貫通孔14jが形成されている。
抜け止めピン14eは、連結ピン14dの脱落を防止する部材である。抜け止めピン14eは、連結ピン14dの貫通孔14jに着脱自在に挿入されるRピン(スナップピン)などである。抜け止めピン14eは、連結ピン14dが上方向に抜け出して貫通孔14g,14hから脱落するのを阻止する。
脱落防止ワイヤ14fは、抜け止めピン14eの脱落を防止する部材である。脱落防止ワイヤ14fは、一方の端部が抜け止めピン14eに連結されており、他方の端部が連結ピン14dの貫通孔14iに挿入された状態で折り返されて脱落防止ワイヤ14f自身に連結されている。脱落防止ワイヤ14fは、連結ピン14dとを抜け止めピン14eと連結して一体化させており、連結ピン14dから抜け止めピン14eが脱落して紛失するのを阻止する。
次に、この発明の実施形態に係る軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車の組立方法について説明する。
軌道巡回車2、軌道台車9及び連結装置14をトラックの荷台などに搭載して作業現場の近くまで搬送する。軌道巡回車2を2名程度の作業者Mによってトラックの荷台から持ち運び軌道R上に載せるとともに、軌道台車9を同じく2名程度の作業者Mによってトラックの荷台から持ち運び、軌道R上に軌道巡回車2と間隔をあけて載せる。このとき、軌道台車9が折畳状態であるときには、ヒンジ部10cを中心として分割部10a,10bを回転させて展開し、展開状態の軌道台車9が軌道R上に載せられる。次に、図8に示す連結装置14の連結軸14cの一方の端部を軌道巡回車2の一対の連結部14aの間に載せ、連結軸14cの他方の端部を軌道台車9の一対の連結部14bの間に載せる。そして、貫通孔14g,14hに連結ピン14dを上方から挿入した後に、抜け止めピン14eを貫通孔14jに挿入すると、図1及び図2に示すように軌道巡回車2と軌道台車9とが連結装置14によって連結されて軌道作業車1が編成される。作業終了後に軌道巡回車2と軌道台車9との連結を解放してトラックなどで搬送する場合には、逆の手順によって軌道作業車1が分離される。
次に、この発明の実施形態に係る軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車の使用方法について説明する。
図1に示すように軌道台車9に搬送対象物Pを搭載して軌道巡回車2に作業者Mが乗り、運転操作装置6を作業者Mが操作して軌道巡回車2の駆動力発生装置5を起動させる。その結果、駆動力発生装置5が発生する駆動力が車輪4に伝達されて軌道巡回車2が軌道台車9をけん引して軌道R上をA方向に走行し、軌道台車9が搬送対象物Pを搬送する。軌道作業車1が作業現場に到着すると作業者Mが軌道巡回車2から降車して搬送対象物Pを軌道台車9から降ろす。搬送対象物Pが消雪設備のヘッダ管であるときには、古いヘッダ管と新しいヘッダ管との交換作業が作業者Mによって実施する。
次に、この発明の実施形態に係る軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車の動作について説明する。
(ブレーキ動作)
図2に示す軌道作業車1がブレーキ動作するときには、ブレーキ操作装置7を作業者Mが操作して軌道巡回車2のブレーキ装置8と軌道台車9のブレーキ装置12とをブレーキ動作させる。図3(B)に示すブレーキ操作装置7のペダル部7aを作業者Mが踏み込むと、ペダル部7a、アーム部7c及び連結部7d,7eが回転軸7bを回転中心としてB2方向に回転する。その結果、図2、図3(B)及び図4に示すブレーキ装置8のワイヤ8kがB3方向に引っ張られて、ブレーキ操作装置7からブレーキ装置8に操作力が伝達されるとともに、図2、図3(B)及び図5に示すワイヤ12kもB2方向に引っ張られてブレーキ操作装置7からブレーキ装置12に操作力が伝達される。図4(B)及び図5(B)に示すように、ワイヤ8k,12kがB3方向に引っ張られると、アーム部8i,12iがC4方向に回転してアーム部8i,12iの先端部が押圧ピン8h,12hをC3方向にスライドさせる。その結果、押圧ピン8h,12hの先端部がアーム部8d,12dを押圧して、ばね8g,12gのばね力に抗してアーム部8d,12dがC1方向に回転する。また、アーム部8i,12iのC4方向への回転に連動して、ばね8g,12gのばね力に抗してアーム部8e,12eがC2方向に回転する。このため、制輪子8b,12bと制輪子8c,12cとがブレーキディスク8a,12aに圧着して、車輪4,11に制動力が作用して軌道作業車1が減速する。
(ブレーキ解除動作)
図2に示す軌道作業車1がブレーキ解除するときには、図3(B)に示すペダル部7aに対する作業者Mの踏み込みが少なくなる。ペダル部7a、アーム部7c及び連結部7d,7eが元の状態に戻るように図示しないばねによって常時付勢されているため、ワイヤ8k,12kがB2方向とは逆方向に引っ張られる。その結果、図4及び図5に示すアーム部8i,12iに作用する操作力が低下して、ばね8g,12gのばね力によってアーム部8d,12dがC1方向とは逆方向に回転するとともに、アーム部8e,12eもC2方向とは逆方向に回転する。このため、制輪子8b,12bと制輪子8c,12cとがブレーキディスク8a,12aから後退して、車輪4,11に作用する制動力が低下しブレーキ装置8,12が緩解する。
(非常ブレーキ動作)
図1及び図2に示す軌道作業車1が軌道R上を走行中に、図8に示す連結部14aから連結軸14cが解放したり、連結軸14cから連結部14bが解放したりしたときには、搬送対象物Pを搭載した軌道台車9が逸走し危険である。このため、軌道台車9を非常ブレーキ動作させて直ちに停止させる必要がある。図2に示すように、ワイヤ13fの端部が軌道巡回車2に連結されているため、連結装置14が破損して軌道巡回車2から軌道台車9が解放されるとワイヤ13fが引っ張られて、非常ブレーキ装置13にワイヤ13fを通じて操作力が伝達される。その結果、図6(A)に示すアーム部13dに操作力が作用して、図6(B)に示すようにアーム部13d,13eが強制的にD2方向に回転し、アーム部13dの先端部から押圧ピン13aの後端部に作用する押付力が低下する。このため、押圧ピン13aがばね13bのばね力によってD1方向に後退して、アーム部13jの上端部に作用する押付力が低下すると、アーム部13hの回転が許容され、図7(B)に示すようにばね13iのばね力によってアーム部13hがD3方向に回転する。その結果、制輪子13gが前進して車輪11のフランジ面11bと圧着し、軌道台車9が減速し非常停止する。
(非常ブレーキ解除動作)
軌道台車9の安全を確認した後に非常ブレーキ装置13をブレーキ解除するときには、図6(B)に示すアーム部13dを作業者Mが手動でD2方向とは逆方向に回転させ、図6(A)に示すようにアーム部13dの先端部によって押圧ピン13aの後端部を押圧し押圧ピン13aを突出させる。その結果、図6(A)に示すように、アーム部13jがD4方向とは逆方向に強制的に回転されて、アーム部13hがD3方向とは逆方向に強制的に回転される。このため、制輪子13gがフランジ面11bから後退して、非常ブレーキ装置13がブレーキ解除される。
この発明の実施形態に係る軌道作業車、軌道巡回車及び軌道台車には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、軌道巡回車2が駆動力を発生して軌道R上を走行し、この軌道巡回車2にけん引されて軌道台車9が軌道R上を走行し、軌道巡回車2と軌道台車9とを連結装置14が連結及び解放する。このため、搬送対象物Pを軌道台車9に搭載して、軌道巡回車2によって長距離運搬することができる。
(2) この実施形態では、軌道巡回車2のブレーキ装置8と連動して軌道台車9のブレーキ装置12がブレーキ動作する。このため、軌道作業車1全体のブレーキを強化して搬送対象物Pを安全に搬送することができる。また、搬送対象物Pを多数搭載して軌道台車9の積載荷重が増加しても、軌道作業車1の制動距離を延伸させずに、軌道作業車1を安全に停止させることができる。
(3) この実施形態では、軌道巡回車2のブレーキ操作装置7から操作力が伝達されるワイヤ12kに軌道台車9のブレーキ装置12が連結されている。このため、油圧回路や空気圧回路などの複雑で高価なブレーキ装置を使用せずに、簡単な構造によって安価にブレーキを強化することができる。
(4) この実施形態では、連結装置14の連結が解放されたときに軌道台車9の非常ブレーキ装置13がブレーキ動作する。このため、例えば、軌道巡回車2と軌道台車9とを連結する連結軸14cなどが脱落して、軌道巡回車2から軌道台車9が解放されたときに、軌道台車9に非常ブレーキを作動させて軌道台車9が逸走するのを防止することができる。
(5) この実施形態では、左右のレールR1を電気的に短絡可能な導電性の車輪4を軌道巡回車2が備えており、左右のレールR1を電気的に短絡可能な導電性の車輪11を軌道台車9が備えている。このため、搬送対象物Pを搬送中に軌道回路を確実に短絡させて、信号機に停止信号(赤信号)を現示させ、他の列車が軌道作業車1に衝突するのを防止することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、搬送対象物Pとして消雪設備の送水本管やヘッダ管を例に挙げて説明したが、これらの部材に限定するものではなく、分岐器、まくらぎ又はレールなどを搬送する場合についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、軌道作業車1が新幹線の軌道Rを走行する場合を例に挙げて説明したが、在来線の軌道、軽便鉄道の軌道、工事用軌道などを走行する場合についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、連結部14aと連結部14bとを連結軸14cによって連結する場合を例に挙げて説明したが、搬送対象物Pの長さが短いときには、連結部14aと連結部14bとを回転自在に直接連結することもできる。
(2) この実施形態では、軌道作業車1が2両編成である場合を例に挙げて説明したが、軌道巡回車2を重連にしたり軌道台車9を複数台けん引したりすることもできる。また、この実施形態では、連結装置14の解放を機械的に検出して非常ブレーキ装置13を作動させる場合を例に挙げて説明したが、連結装置14の解放を電気的に検出して非常ブレーキ装置13を作動させることもできる。
この発明の実施形態に係る軌道作業車の側面図である。 この発明の実施形態に係る軌道作業車を概略的に示す平面図である。 この発明の実施形態に係る軌道巡回車のブレーキ操作装置を概略的に示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。 この発明の実施形態に係る軌道巡回車のブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、(A)はブレーキ開放時の状態を示す平面図であり、(B)はブレーキ動作時の状態を示す平面図である。 この発明の実施形態に係る軌道台車のブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、図5(A)はブレーキ開放時の状態を示す平面図であり、図5(B)はブレーキ動作時の状態を示す平面図である。 この発明の実施形態に係る軌道台車の非常ブレーキ装置を概略的に示す平面図であり、(A)は非常ブレーキ解放時の状態を示す平面図であり、(B)は非常ブレーキ動作時の状態を示す平面図である。 この発明の実施形態に係る軌道台車の非常ブレーキ装置を概略的に示す側面図であり、(A)は非常ブレーキ解放時の状態を示す側面図であり、(B)は非常ブレーキ動作時の状態を示す側面図である。 この発明の実施形態に係る軌道作業車の連結装置の断面図である。
符号の説明
1 軌道作業車
2 軌道巡回車
4 車輪
4b フランジ面
5 駆動力発生装置
6 運転操作装置
7 ブレーキ操作装置
8 ブレーキ装置(巡回車側ブレーキ装置)
8a ブレーキディスク
8b,8c 制輪子
8k ワイヤ
9 軌道台車
11 車輪
11b フランジ面
12 ブレーキ装置(台車側ブレーキ装置)
12a ブレーキディスク
12b,12c 制輪子
12k ワイヤ
13 非常ブレーキ装置
13f ワイヤ
13g 制輪子
14 連結装置
14a 連結部(巡回車側連結部)
14b 連結部(台車側連結部)
14c 連結軸
14d 連結ピン
R 軌道
1 レール
P 搬送対象物
M 作業者

Claims (13)

  1. 軌道上を走行する軌道作業車であって、
    駆動力を発生して前記軌道上を走行する軌道巡回車と、
    前記軌道巡回車にけん引されて前記軌道上を走行する軌道台車と、
    前記軌道巡回車と前記軌道台車とを連結及び解放する連結装置と、
    を備える軌道作業車。
  2. 請求項1に記載の軌道作業車において、
    前記軌道台車は、前記軌道巡回車の巡回車側ブレーキ装置と連動してブレーキ動作する台車側ブレーキ装置を備えること、
    を特徴とする軌道作業車。
  3. 請求項2に記載の軌道作業車において、
    前記台車側ブレーキ装置は、前記軌道巡回車のブレーキ操作装置から操作力が伝達されるワイヤに連結されていること、
    を特徴とする軌道作業車。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の軌道作業車において、
    前記軌道台車は、前記連結装置の連結が解放されたときにブレーキ動作する非常ブレーキ装置を備えること、
    を特徴とする軌道作業車。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の軌道作業車において、
    前記軌道巡回車及び前記軌道台車は、左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪を備えること、
    を特徴とする軌道作業車。
  6. 軌道台車をけん引して軌道上を走行する軌道巡回車であって、
    前記軌道台車と連結及び解放可能な巡回車側連結部を備えること、
    を特徴とする軌道巡回車。
  7. 請求項6に記載の軌道巡回車において、
    前記軌道台車の台車側ブレーキ装置と連動してブレーキ動作する巡回車側ブレーキ装置を備えること、
    を特徴とする軌道巡回車。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の軌道巡回車において、
    左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪を備えること、
    を特徴とする軌道巡回車。
  9. 軌道巡回車にけん引されて軌道上を走行する軌道台車であって、
    前記軌道巡回車と連結及び解放可能な台車側連結部を備えること、
    を特徴とする軌道台車。
  10. 請求項9に記載の軌道台車において、
    前記軌道巡回車の巡回車側ブレーキ装置と連動してブレーキ動作する台車側ブレーキ装置を備えること、
    を特徴とする軌道台車。
  11. 請求項10に記載の軌道台車において、
    前記台車側ブレーキ装置は、前記軌道巡回車のブレーキ操作装置から操作力が伝達されるワイヤに連結されていること、
    を特徴とする軌道台車。
  12. 請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の軌道台車において、
    前記軌道巡回車との連結が解放されたときにブレーキ動作する非常ブレーキ装置を備えること、
    を特徴とする軌道台車。
  13. 請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の軌道台車において、
    左右のレールを電気的に短絡可能な導電性の車輪を備えること、
    を特徴とする軌道台車。
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